目次
- 「最近読んだ本」は学生の個性を引き出す質問
- 面接官が「最近読んだ本」を質問する4つの理由
- ①興味・関心や価値観を知りたい
- ②雑談力や会話のキャッチボールができるかを見たい
- ③本から得た学びや読書に対する姿勢を知りたい
- ④読書習慣・向上心があるかを知りたい
- 面接で「最近読んだ本」について回答する3つのポイント
- ①その本を選んだ理由を伝える
- ➁何を学び、自分の今後にどう活かすかを述べる
- ③読書好きなら読書を通した学びもアピールしよう
- あのジャンルの印象は? それぞれの注意点を把握しよう
- 流行・ベストセラー
- ビジネス啓発本
- 小説
- 迷っている人におすすめの本の探し方
- 伝え方に注意が必要なジャンル
- 専門書・マニアックすぎるもの
- マンガ・コミック
- ライトノベル
- 面接フェーズに合わせてジャンルは変えるべき?
- 一次・二次面接フェーズ
- 役員・社長面接フェーズ
- 前日でも対応できる! 最近読んだ本をすぐに考えられる3つの方法
- ①短篇など短いものを読む
- ➁雑誌や新聞を読む
- ③課題図書・教科書に載っている本のなかから選ぶ
- 面接準備に必須! 想定される質問
- 「その本で一番印象に残っているシーンや言葉はありますか?」
- 「その本を選んだきっかけを教えてください」
- 「月に何冊くらい本を読みますか?」
- 「他に最近読んだ本はありますか?」
- これってOK? 「趣味は読書」でよくある疑問
- 「これから読みたいと思っている本がある」はOK
- 「宗教もの」「支持政党もの」「残虐なもの」などはNG
- 最近読んだ本についてのOK例とNG例
- OK例:本の訴求内容と、企業・就活生がマッチした回答
- OK例:就活に用意していた手元にある本でも大丈夫な内容
- OK例:大流行中の漫画の映画化でも大丈夫な内容
- NG例:本のあらすじを述べるだけの回答
- NG例:本や作家を評価する書評のような回答
- 最近読んだ本で人柄や価値観を伝えよう
「最近読んだ本」は学生の個性を引き出す質問
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「本をほとんど読まないのに、明日受ける企業では読書経験をよく聞かれるらしい」
「最近読んだ本を聞かれてもうまく答える自信がない」
「最近読んだ本はありますか」という質問は読書経験がそれほど多くない就活生の中にとって、難しく感じる質問の一つです。一方で、企業の評価基準を把握して対策をしっかりすれば、それほど本を読んでいない人でも直前でも準備ができます。
「最近読んだ本」というのは何も新刊やページ数の多い本である必要はありません。企業の意図をしっかり押さえたうえで、対策さえしっかりおこなえば、高評価をもらえるはずです。
これから面接を控えている人は、この記事を読めば、面接官の印象に残る最近読んだ本の伝え方できるようになるはずです。
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面接官が「最近読んだ本」を質問する4つの理由
就活生
キャリアアドバイザー
その本の感想や、選んだ理由はいえますか?
就活生
ん~。大したことは言えない気がします。でも最近読んだ本の質問ってそれほど重要じゃないので、ほかの質問の対策をします。
キャリアアドバイザー
確かに、自己PRや志望動機を比べると、重要ではありません。でも最近読んだ本だからこそアピールできる点もありますし、むしろ+αの得点を稼げる質問なので、準備しておきたいですね。
「最近読んだ本」でまず初めに悩むのが本選び。「企業に関係するものじゃないとダメかな」「エンタメ小説ではダメかな」などと悩む人も多いですが、もし面接官がその質問をする理由がわかれば、本を選ぶ時のヒントになりますよね。
企業がその質問をする意図と目的を知ることで、最近読んだ本の中でもどれを選べばよいかがわかりますし、どのような伝え方をすればいいのかも見えてくるはず。
まずは本選びや伝え方の前に、ポイントを押さえておきましょう。
①興味・関心や価値観を知りたい
ポテンシャル採用である新卒の採用基準の一つは人柄です。人柄といってもその価値観や雰囲気などさまざまな要素が含まれています。最近読んだ本はその中でも、その人の興味・関心を特に知ることができます。
- 「最近読んだ本」がどのようなジャンルか
- 冊数などどのような姿勢で読書に取り組んでいる
- 本にどのような感想を持っているか
といったさまざまな視点から興味・関心、また質問を深掘りすれば就活生の価値観を知ることができますよね。
②雑談力や会話のキャッチボールができるかを見たい
学生との話のきっかけとして、この質問をしているパターンもあります。
面接官が好きなジャンルの本だったり、そこから本以外の趣味の話になったりと、面接官は選んだ本の話をきっかけに会話を続けていくなかで、人とのコミュニケーションが上手に取れるのかどうかを見たいと思っています。
③本から得た学びや読書に対する姿勢を知りたい
読書をすることで得たこと、また読書の姿勢から、面接官は学生の「物事に取り組む時の姿勢」について知りたいと思っています。
学生の回答が求める人物像にあてはまるのか、入社後に活躍できる資質や伸びしろがあるのかを判断する材料のひとつとして考えています。
同じジャンルや本でも、本との向き合い方や姿勢は人それぞれ。読書を通して「視野を広げたい」「自身の成長につなげたい」「共感力を高めたい」という姿勢を、また本について印象に残ったことを説明を聞くことで「表現力」や「語彙力」「説明能力」といった点を知れると企業は考えています。
④読書習慣・向上心があるかを知りたい
読書習慣はマストではありませんが、あれば積極的に評価したいと企業は考えています。読書習慣がある人は日頃から勉強熱心であったり、物事に対して自主的に取り組もうとする姿勢を持っていたりする人が多いからです。
また、本を選んで購入し、忙しい毎日の中で読書時間を捻出するためには、それだけのモチベーションや達成したい目標などが必要になります。
社会人になると、時には仕事を覚えながら自分に必要な課題を見つけ、自ら知識を得ていく必要がでてくることもありますよね。そうした「向上心」を持っているかどうかも、この質問から推し量りたいと思っています。
本を取り扱う出版社ではこのような意図で「最近読んだ本」についてたずねられることもあります。出版社への就職を目指す学生はこちらの記事も併せて読んでおくと良いでしょう。
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同じく本を扱う仕事として、図書館での仕事も当てはまります。図書館での仕事に興味がある人は、この記事も参考にしてみてくださいね。
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面接官が「最近読んだ本」について質問する理由は、会話を通じて学生の人となりが知りたいからです。会話のきっかけのために聞いている場合は「アイスブレイク」とよばれる場を和ませるための手法です。必要以上に肩に力を入れずにリラックスしてコミュニケーションをとるようにしましょう。
ほかにも、「プレゼンテーションの能力が知りたいから好きな本を聞いている」場合もあります。この場合、どの本を読んだかはそれほど重要ではありません。面接官に本を選んだ理由やおもしろかった部分、概要などを分かりやすく説明するように心がけましょう。
面接で「最近読んだ本」について回答する3つのポイント
最近読んだ本を面接でアピールするには、内容と伝え方の両面が練り込まれている必要があります。ここでは、PREP法と呼ばれる、話を展開する際のフレームワークに基づいて、ポイントを解説します。
- Point=結果:はじめに選んだ本の著者とタイトルを述べる
- Reason=理由:次にその本を選んだ理由を述べる
- Example=具体例:本を読んで具体的に実行したこと・変わったことなど、理由を裏付けるエピソードを示す
- Point=まとめ:最後にもう一度、本から得た学びや自身の成長など結論を述べて
①その本を選んだ理由を伝える
膨大な書籍のなかからどんな本を選ぶのか、学校の課題図書と違って「選ぶ視点」にもその人らしさが表れます。選択には必ず理由があり、その理由はひとそれぞれ違うはずです。
この質問をチャンスに変えるには、面接官が納得する自分らしさとその先へとつながる期待感が伝わるよう理由を伝えることが大切です。
➁何を学び、自分の今後にどう活かすかを述べる
面接で答える本を選ぶにあたっては、「その本から何を学んだか」という視点を持つことが求められます。
「好きな作家だったから」「非日常的なスリルを味わえるから」など、本を選ぶ要素はさまざまですが、「その本から何を学んだか」という内容はぜひとも盛り込みたいところです。
- 多様な価値観
- 豊かな感性
- 人間や人生に対する洞察・捉え方
- 取り扱う題材の知識
社会人としての本の読み方、本への姿勢は、趣味から一歩進んで「読んだことをどう活かすか」という実行力や行動力・応用力に比例します。
そのため、本を読んで学んだことをどう伝えたら面接官が一緒に働いた時のことをイメージしてくれるのかを考えながら、学んだこと、今後の自分にどう活かそうと思うことについて話す内容を決めると良いでしょう。
③読書好きなら読書を通した学びもアピールしよう
「読書は趣味のひとつ」といえるほど読書好きなら、月間の読書冊数を紹介することもアピール材料になります。
文化庁による「平成30年度国語に関する世論調査」では「1か月に大体何冊くらい本を読むか」という問いに対して、約半数の47.3%が「読まない」と回答しました。「読書習慣がある」「月に何冊本を読む」というだけでもアドバンテージと言えるでしょう。
また、「これまでの読書を通してこんな成長が促された」「多面的なモノの見方が身に付いた」など、語れるくらいであれば読書好きの裏付けにもなりますね。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
最近読んだ本について答えるときは「選んだ理由」で自己アピールができます。選んだ理由に関連して、学生時代に力を入れていたことやサークル活動、バイト、大学の研究分野など、あなたならではの経験が伝えられるからです。たとえば、ボランティアに力を入れたなら歴史あるボランティア団体関連の本を選んで大学時代の経験をアピールするのも良いでしょう。
本の概要を伝えることも忘れずに
また、面接官には本の概要も簡潔に伝えてください。面接官はあなたの挙げる本を知らない可能性があります。相手の知らないことを分かりやすく伝える能力も評価につながりますよ。
あのジャンルの印象は? それぞれの注意点を把握しよう
多くの就活生に質問してきた面接官にとって、面接でアピールするために選んだ本や回答ではなかなか興味を引くことはできません。
面接用にと無理して選んだ本を読むより、自分の言葉・明るい表情でハキハキと語れる「好きな一冊」の方が自分らしさも伝わります。
自分の言葉で語れる本の回答を準備しましょう。ここでは本のそれぞれのジャンルと注意点やアピールポイントを紹介します。
流行・ベストセラー
- 情報感度が高い
- 流行に敏感
最近読んだ本として流行りの本やベストセラーの本を選ぶことのメリットは、企業に情報感度の高い印象を持たれること。流行に敏感な人の周りには自然と人や情報が集まるので、世の中の動きを察知する力や社交性もアピールできます。
たとえば、出版社や書店が発表しているランキングを参考するのもいいですね。こうした流行・ベストセラーの書籍は面接官が知っている可能性もあり、話題が広がることも期待できますね。
キャリアアドバイザー
「流行っていたから」「ベストセラーだったから」といった理由だけでは、他人軸で思考停止した印象を与えてしまうかも。もう一歩踏み込んだ具体的な理由が必要です。
ビジネス啓発本
- 向上心や探求心
- 志望動機の高さ(受験企業と関連性が高い場合)
就活をするうえで必要な業界や業種の知識、ビジネスマナーや働き方に関する本では、就職に対する前向きな姿勢をアピールできますね。その業界や企業をよく研究した上で志望しているという志望度の高さが伝わる印象を持たれるかもしれません。
志望する業界や業種、企業や部署に合った本のほか、社長や創業者が書いた本から選ぶと、向上心・向学心・探究心などもアピールすることができます。また、業界・企業分析にもつながるので、一石二鳥ともいえますね。
キャリアアドバイザー
「面接用に読んだ本」という印象や、印象に残りにくいのもこのジャンル。同じジャンルの本や同じテーマの本を何冊か読み比べたうえで、比較したうえでの感想を述べられるといいですね。
小説
- 豊かさ感性や感受性の高さ
- 人柄
学びにつなげにくい印象がある小説ですが、アピール次第ではより人柄を伝えることができるでしょう。
たとえば、好きな小説家がいるとして、どんな点を魅力に感じ、面白いと感じているのかを伝えることができれば、自分の感性に親しみを持ってもらうことにもつながりますよね。
キャリアアドバイザー
その小説を読んでいない人にもあらすじや魅力を分かりやすく伝える必要があるので、伝え方には一工夫必要です。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
流行・ベストセラーを選んだ人は「ジャンルにこだわらずにさまざまな本を選ぶ人」という印象を抱いてもらえる可能性があります。「好き嫌いせずいろいろなものに挑戦するチャレンジ精神」もアピールしましょう。
ビジネス啓発本は「ビジネスに興味を持っている」と感じてもらいやすくなります。堅い内容の多いビジネス書は学生にとって退屈なものが多いです。でも、これから入る未知の世界について書いてあるので「働きたい」という意欲のある学生はワクワクしながら読み進められる方もいます。自身の勤勉さや働く熱意などのアピールにつなげてもいいですね。
芸術的・学術的なジャンルもおすすめ
ほかにおすすめのジャンルは芸術的なものや学術的なものです。自分の趣味の分野は熱く語りやすく質問されたときも答えやすいですよね。絵画、音楽、歴史など自分の「好き」が語れるジャンルを選びましょう。
迷っている人におすすめの本の探し方
今まで読んだ本から面接で使う本が決まらない場合は、書評サイトの利用や図書館のレファレンスに相談してみるのもおすすめです。
特に書評まとめサイトは、分野を特定せずいろいろなジャンルの本が「本を読むプロ」の書評で書かれていて、本の読み方を知る上でも良いですね。
また、図書館にもレファレンスといって、「こんなテーマの本を探している」「こんなことが学べる本を知りたい」といったさまざまなニーズにマッチする本を、図書館司書が一緒に探してくれるサービスあるので、積極的に利用しましょう。
自己PRで悩んだら、AIツールを活用しよう!
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自己PRで悩んでいるなら、まずはツールを活用して自己PRの土台を完成させましょう!
伝え方に注意が必要なジャンル
以下のようなジャンルは、「こだわりの一冊として選びたいけど大丈夫だろうか」と不安になりますが、熱く語りすぎてしまうなど伝え方に注意すれば問題ありません。
専門書・マニアックすぎるもの
たとえば、ひとつのことに熱中することを求める企業であれば、たとえ業務と関係がなくても「熱心に取り組む姿勢」が良い印象を与えるかもしれません。読破した冊数と知識量も誇れるものになるでしょう。
人事担当者
相手に理解できるように説明ができていないな。視野がせまいのかなあ。
一方で、専門分野に精通している専門性や知識力は武器になるものの、その話ばかりでは企業で働く人としてはバランスが悪い印象を与えてしまう点には注意です。
そのため、「相手の反応をしっかり見る」「会話のキャッチボールを心がける」など、一般的な社会人としての素養も備わっているということをさりげなくアピールしましょう。
専門的すぎる分野は長くなりすぎないように説明できるといいですね。
マンガ・コミック
政治家や著名人などにも多くの熱心なファンがいるように、マンガでも自分の人生に大きな影響を与えたり、心の支えになったりしたという人もいるでしょう。
ただ、面白いからといった理由よりもより学びを意識した内容をアピールする必要があります。
人事担当者
ん~。うちの会社では、この質問でマンガと答える就活生はなじみにくいかもなぁ。
「こんな教訓を得た」「主人公のこの言葉が苦しい時の支えになった」など前向きな伝え方を心がけましょう。
社風や企業の雰囲気によりますが、かたい印象のある企業ではジャンル事態がそもそも受け入れられない可能性もあるので、企業研究をしっかりすることをおすすめします。
ライトノベル
ライトノベルは映画やアニメなどの作品を原作にしたノベライズ本も多く、短い時間で読めるメリットがあります。
ただし、ライトノベルは娯楽小説の要素が強いため、本から学んだことや教え、入社後に活かしていきたいことなどをより具体的に練っておく必要があります。娯楽としての一面以外で、ライトノベルの魅力を語りましょう。
面接フェーズに合わせてジャンルは変えるべき?
面接は就活生と面接官を通した企業とのコミュニケーションなので、会話を続けるには相手の意図を考え、段階に合った内容に変える必要があります。各フェーズの面接官がどのような人なのかを意識した本選びやアピールができるといいですね。
一次・二次面接フェーズ
- 自分らしさを伝える
一次・二次面接では、面接官の年齢層が比較的若く、求められる志望度も最終面接ほどではないことが想定されます。
ですので、その企業や業界と直接関係がない本でも自分の人柄や特性が伝われば十分なアピールになります。選び方は「自分らしさが伝わるか」といった点で考えてもいいでしょう。
役員・社長面接フェーズ
- 志望度の高さを伝える
最終面接のフェーズでは企業の上層部の直接面接となることが多く、面接官の年齢層や求められる志望度も高いため、一次面接とは異なる本を用意するのも一つの手です。
たとえば社長の自伝や創業者が書いた本であれば志望度の高さをアピールできます。ただし、他の就活生と被る恐れもあるので、選ぶ理由の切り口を変えたり、学びから得た具体的なエピソードが語れたりするとよいでしょう。
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自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。
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前日でも対応できる! 最近読んだ本をすぐに考えられる3つの方法
就活生
明日は面接。口コミを見ていたら最近読んだ本について質問がよくされるらしくて……。普段本を読まないので、正直困っています。
キャリアアドバイザー
前日でも準備できる方法があります。今からでもしっかり対策をすれば、大丈夫です。
①短篇など短いものを読む
明治期の純文学などは比較的短いものが多くあります。よく国語の教科書では30分から1時間程度で読める小説も掲載されていましたよね。そうした短くてすぐ読めるものなら前日でも対策が可能です。
映画化されたライトノベルは、映画で味わった感動を活字で読めるので、印象に残った部分を言語化するのにおすすめです。また、以前読んだ本の映画を観て、頭を整理するのもよいでしょう。
➁雑誌や新聞を読む
コンビニでも購入できるビジネス誌などの雑誌を一冊買って、特集や対談ページなどを読むのも良いでしょう。
このときファッション誌などではなく、なるべく「読み物」として話ができるような媒体を選ぶことをおすすめします。企業が求めているのはあくまで本を通じて学んだこと・考えたことなので、特集を通してどのような感想や考えを持つかが重要といえます。
- 週刊東洋経済(ビジネス誌)
- 週刊ダイヤモンド(ビジネス誌)
- PRESIDENT(プレジデント、ビジネス誌)
キャリアドバイザー
図書館に行けば、志望業界の業界誌(紙)もあります。その業界に属する人が多くが購読者なので、「勉強しているな」という印象を与えられますよ。
③課題図書・教科書に載っている本のなかから選ぶ
学校推薦図書であれば、読んだことがある本が見つかるはずです。一度は本の内容に触れたことがあるので、学んだ内容を思い返したり読書感想文をひっぱり出したりしてヒントにしましょう。
たとえば、中島敦の短編小説「山月記」や夏目漱石の「こころ」などが定番ですよね。
このように世代や時代を超えてなお心に残り続ける本は人格形成期の成長に良い影響を与える本が選ばれているので、素直に感動した場面とその理由をやを伝えることで飾らない素の自分をアピールすることができます。
面接準備に必須! 想定される質問
「最近読んだ本」の質問で、その本を選んだ理由や得られた学びを伝えたあとに予測できる質問があります。せっかく良い回答ができたのに後ろの質問に詰まってしまってはもったいないですよね。関連する質問もしっかりと押さえておきましょう。
「その本で一番印象に残っているシーンや言葉はありますか?」
答えた本の内容からどのような感性を持っているか知りたいときに聞かれることがあります。面接官は質問を通して、あなたの内面や人柄を知りたがっています。あなたがどんなシーンに心を揺さぶられ、なぜその気持ちになったのかをしっかりと話しましょう。
著者がもっとも力を込めたシーンやフレーズがなるべくすらすらと出てくるように、印象的な言葉はあらかじめ暗記しておくといいですよ。
小説の最後の方で、見送りにきたきょうだいに列車から蜜柑を投げ入れるシーンです。はじめは暗い印象の小説だったのですが、そのシーンで小説が一気に明るくなるようなみずみずしい表現はとても印象に残っています。
「その本を選んだきっかけを教えてください」
本の種類によっては、手に取った理由も気になるところ。たとえば、「〇〇に興味があって書店を探していたら見つけました」「尊敬する先生から紹介された」といったエピソードがあると話題が広がりますよね。
「書店の人気ランキングコーナーで上位にあった」「新聞の新書紹介に載っていた」といったきっかけでも問題ありませんが、きっかけから購入や読書に至ったモチベーションを伝えられると良いでしょう。
SDGsに興味があり、より深い体系的な知識を身に着けたいと思ったのが、きっかけです。御社でも脱プラスチックの取り組みなどSDGsを積極的に推進しており、そうした知識は希望する営業部でも役立つと考えました。
「月に何冊くらい本を読みますか?」
履歴書に「趣味は読書」と書かれていた場合、「最近読んだ本を教えてください」の質問の次に読書量や頻度を聞かれることがあります。
読書習慣がどのようにあり、どのような姿勢が読んでいるか知りたいと思っています。履歴書に書ける趣味がなかったのでとりあえず読書と書くのは、回答に困ることになるのでやめましょう。
「他に最近読んだ本はありますか?」
答えた本の説明が抽象的すぎていたり、面接官が知らない本であった場合にこの質問がくることがあります。
また履歴書やESに「趣味は読書」と書いていたり、答えた本の説明が秀逸で面白かったりした場合も「他には?」と質問がくることもあります。本の種類はいくつか用意しておくと、イレギュラーな質問にも困りません。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
面接官は「好きな本」を通じて、あなたの人となりが知りたいのです。そのため印象に残ったシーンのほかにも「本を読んでどう感じたの?」、「読み終わった後の感想は?」というあなたの感性を問う質問がとんでくる可能性があります。
「実はその本をしっかり読んでないから話せるような感想がない」という方は映画化された本などを選んで、ストーリーだけでも頭に入れておきましょう。
また、好きな本について話す会話の流れで「著者が好きだから」と伝えたら「同じ著者でほかに好きな作品はありますか?」と聞かれることも想定されます。言葉につまらないように、同じ著者のほかの作品もおさえておくようにしましょう。
これってOK? 「趣味は読書」でよくある疑問
趣味に関する質問は他の就活でよく聞かれる質問よりも、学生の回答の幅が広いのも特徴です。
回答の幅が広いと、「これはOKなんだろうか」と迷ってしまう場面もありますよね。ここでは「趣味は読書」に対してよくある疑問に答えます。
「これから読みたいと思っている本がある」はOK
どうしても最近読んだ本が見つからない場合、「これから読みたいと思っている本」を伝えることも回答次第では問題ありません。
その場合、「社会人になってから読みたいと思っている本」として前向きな本を選びましょう。たとえば、商社なら『不毛地帯』(山崎豊子)など、その業界の小説・ノンフィクションを読むことを楽しみにしていると伝えればよいでしょう。
「宗教もの」「支持政党もの」「残虐なもの」などはNG
「宗教もの」「支持政党もの」など、センシティブな内容の本以外のジャンルを選んだ方がよいでしょう。
また、残虐なものやオカルト・ホラーのジャンルは娯楽として読むには問題ありませんが、面接で自分の内面や人間性のアピールをするのには不向きです。
最近読んだ本についてのOK例とNG例
ここでは、最近読んだ本についてのOK例とNG例を解説します。特にNG例は何が不足だったのかをよく考えて、自分の回答作成に生かしましょうね。
OK例:本の訴求内容と、企業・就活生がマッチした回答
『SDGs(持続可能な開発目標)』という本を読んで、地球規模で起きている社会問題の真相に強く衝撃を受けました。
この本を選んだ理由は3つあります。まず、これまで何となくわかったつもりになっていた17の諸目標について、しっかりと全体像の把握がしたいと思ったこと。次にその諸目標が経済と社会に分類されており、頭の中で整理・分類しながら理解を深められそうだったこと。最後に諸目標について自分ができる対策を考え、少しずつでも行動に移す方法が具体的にイメージできそうだったことです。
具体的な行動としては、子ども向けの無料の学習動画をネットで配信したり、サークルで地域の川の清掃活動を続けたりしています。世界の課題に対して小さな活動ではありますが、本を読んで自分にすぐできることからまず行動し始めて広げていけばいいのだと思えるようになりました。
御社はSDGsにいち早く取り組んで実績を積んでおり、その理念に共感し、この本を読んでますます入社したいという意思を強固にしました。
キャリアアドバイザー
企業がいま最も力を入れて取り組んでいることをしっかりと認識できている点が評価される例文ですね。社会問題への関心の高さも伺えます。学びとその後の行動もセットになっていて良いですね。
OK例:就活に用意していた手元にある本でも大丈夫な内容
東洋経済新報社の『会社四季報』を定期購読しています。
定期購読している理由は、3500社を超える日本の上場企業と店頭公開企業の全てについて最新情報が掲載されており、世の中の仕組みや経済界の動向を網羅的に知ることができるからです。また、経営者視点を養うため簿記や会計の学習や株式投資の勉強をしており、この本と日経新聞を読み合わせることで、日経平均株価との連動具合がよくわかる点にも面白さを感じています。
与えられたことをただ受け取るだけではなく、溢れる情報を正しく取捨選択して情報を編集し、得られたことを失敗を恐れず実践することの大切さを学んでいます。
キャリアアドバイザー
就活の情報源として活用される会社四季報も有効です。この例文の学生は、株式投資を実践していることで学生時代から社会経済活動を自分事として捉え、社会人としてスタートを切る自覚や先見性などをアピールしていますね。
OK例:大流行中の漫画の映画化でも大丈夫な内容
私は漫画『鬼滅の刃』に魅了され、ハマってしまった大ファンの一人です。普段は人気漫画やアニメを積極的に追いかけることはしていなかったのですが、興行収入歴代1位になったことにより「なぜこんなに人気なのか」と興味が出てきました。
人気の理由を探ろうという視点で観に行った映画で、心を揺さぶられ衝撃を受け感動の涙を流していました。そこに描かれていたチームワーク、人との信頼関係・つながり・絆の大切さなどはもちろん、辛い現実や理不尽なことから逃げ出さず、努力すること勇気を出してチェレンジすることの大切さを主人公の生き様から学びました。
この漫画が性別・年代・国境の垣根も越えて多くの人に感動を与えているところから、作者が伝えたいメッセージは「物事の本質は普遍的である」ということも学びました。
これらの学びを得て、真理・基本に忠実に、これから社会に出たときに困難なことが待ち受けていても、正面から向き合い乗り越える信念を持ちたいと思っています。
キャリアアドバイザー
流行り物だとミーハーな印象に受け取られる懸念がありますが、漫画の中にもしっかりと教訓が描かれているモノもありますよね。多くの心を揺さぶる理由をきちんと説明し、自分の共感したポイントにも触れましょう。
NG例:本のあらすじを述べるだけの回答
私は、リンダ・クラットンの『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』を読み、人生100年時代と言われるこれからの社会や生き方について深く考えるきっかけになりました。
この本には世界で活躍するビジネス思想家たちが示す全く新しいビジョンが書かれてあり、お金偏重の人生観を根底から変え、成長至上の次に来る、新しい生き方を指南してくれています。この本で、目先の短期的な事柄に一喜一憂することより長期的な視野に立って物事を捉えられるようになりました。
キャリアアドバイザー
このNG例の内容は、本の帯やカバーに書かれていて、本を読んでいなくてもわかるキャッチフレーズです。
『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』のようなベストセラーは面接官も目にしている可能性が高く、本を読んでいても内容がわかっていないなど、自分の言葉になっていないと見破られる可能性があります。
NG例:本や作家を評価する書評のような回答
私は少し前にビジネス書で大ヒットしたSHOWROOM代表取締役社長の前田裕二さんの『メモの魔力』を読みました。本の帯に秋元康氏推薦とされていて、ツイッターでも話題になっていたので、自己啓発のために購入しました。
その本には「メモの取り方」や「メモを取る効果」などが、著者のメモに対する考え方で解説されていました。最初は書かれているメモのテクニックを実践していたのですが、現在は継続していません。
「魔力」だなんてちょっと大げさに引きのタイトルをつけて、メディアで「売り切れ続出!」なんて煽るような商売はいかがなものかと思います。
キャリアアドバイザー
まず、本を選んだ理由が他人軸な点がマイナス要因になります。また、著者や本の内容を批判する姿勢は例え正論であっても面接での評価を下げる結果になってしまいます。学べたこと、実践に移せたこと、今後に活かしたいことなどを探して伝えるようにしましょう。
最近読んだ本で人柄や価値観を伝えよう
就職はゴールではなく、スタートです。書類審査は履歴など表面的なことだけしかわからないので、表面的な部分だけではなく、面接では一緒に働きたいと思える人かどうか、人柄や内面などその人の本質を知りたいと思っています。
あなたの魅力を最大限に引き出してくれるような読書経験を面接官にアピールしましょう。
全然本を読まないんですが、それらしい本を答えておこうと思います。