業務と仕事の違いは? 企業研究に役立つ5つの切り口も解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 業務と仕事の違いを理解してから企業研究を進めよう
  2. 業務とは? まずは言葉の定義を確認しよう
  3. 業務と似ているさまざまな単語の意味を理解しよう
  4. ①仕事:業務より大きな物事に取り組む
  5. ②作業:単調な仕事に取り組むこと
  6. ③職務:担当や任されている仕事
  7. ④任務:責任を負うニュアンスがある
  8. ⑤タスク:仕事を細かく分解した小さな作業
  9. 企業研究するときに注意! 業務内容・職務内容の使い分け
  10. あわせてチェックしておきたい! 事業者や事業内容とは?
  11. 適性が分かる! 業務を知る5つの切り口
  12. ①誰とおこなう業務か
  13. ②何を扱う業務か
  14. ③どれくらいの頻度で発生する業務か
  15. ④どれくらいの時間が必要な業務か
  16. ⑤どんなスキルが必要な業務か
  17. 実際の業務を把握するには社員に直接聞いてみよう
  18. 選考のときも単語の違いを意識して使っていこう

業務と仕事の違いを理解してから企業研究を進めよう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。

「業務や仕事の違いが分かりません」
「業務を知って企業研究にどのように役立てればいいですか」

就活生からこのような声を聞きます。業務や仕事は一見似ているように感じる言葉ですが、実は細かい違いがあります。正しい意味を理解せずに就職活動を進めてしまうと、募集要項の中身を勘違いしたり、面接で間違った言葉を使ったりして、取り返しのつかないことになるかもしれません。

そこで、今回は就活で知っておきたい用語の一つである業務について詳しく説明します。細かい用語の違いを理解することで、就職活動をうまく進めることができ、周りの就活生に差をつけることができますよ。

また、自分に合った業務を知る方法についても解説するので、ぜひ企業選びの参考にもしてくださいね。

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業務とは? まずは言葉の定義を確認しよう

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就活生

業務という言葉を聞くけれど、就活でちゃんと意味を知る必要がありますか?

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キャリアドバイザー

そうですね。ビジネスでは業務や職務、タスクなどを明確に使い分けている企業もありますよ。意味を理解していると、「ちゃんと働くイメージやビジネスについて学んでいる」という印象を持たれますよ。

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就活生

逆に使い分けをしないと、違和感を持たれるということですね。

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キャリアアドバイザー

その通りです。企業研究にも生かせるので、ここでしっかり意味や使い方を理解しておきましょう!

まずはじめに、業務の言葉の定義を解説します。Weblio辞典では「業務(ぎょうむ)とは、職業や事業などに関して、日々継続して行う仕事・作業のこと。業も務も仕事を意味する漢字である。」と説明されています。

つまり、数多くある仕事の中でも、業務は「日常的に行う仕事」を指すことが多いのです。 

たとえば、 電話応対や書類の作成、商品の販売などが当てはまります。一方、新規事業の立ち上げや突発的なトラブルの対応などを業務と呼ぶことは少ないでしょう。

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自分に合った職業・合わない職業を見つけることは、就活の成功に不可欠です。しかし、見つけることが難しいと感じる人も多いでしょう。

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業務と似ているさまざまな単語の意味を理解しよう

次に「作業」や「職務」などの、業務と似ているさまざまな単語の意味を説明します。学生同士の日常会話では、あまり意識することはないと思いますが、就職活動や入社後のビジネスの場においては、正しく使い分けることが求められます。

業務と似ている単語
  1. 仕事
  2. 作業
  3. 職務
  4. 任務
  5. タスク

①仕事:業務より大きな物事に取り組む

仕事には多くの意味があります。Weblio辞典では「生計を立てる手段として従事する事柄。職業。何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。 行動の結果。業績。」 などと説明されています。

仕事はこのように幅広い意味を持ちますが、中でも「生計を立てる手段としての職業」という意味で使われることが多いと思います。しかし、業務や作業などの単語との違いを意識して使う際は「何かを成し遂げるための行動。その行動の結果や業績」という意味合いが強くなります。

つまり、電話応対や書類の作成などを示す「業務」 と比べると、 「仕事」はより大きな物事を指すことが多いということです。 言い換えると、仕事をより細かくしたものを業務と呼ぶことができますね。

②作業:単調な仕事に取り組むこと

作業は仕事と同じ意味で使われることも多いですが、Weblio辞典では「特に、一定の目的と計画のもとに、身体または知能を使ってする仕事。」と説明されています。

ビジネスの場においては「作業」は「業務」をさらに細かくしたものとされることが多いです。そのため、作業は「あまり頭を使わないでもできる仕事」というネガティブな意味合いで使われることもあります

ビジネスシーンでは「作業者になるな」 という風に、もっと頭を使って仕事をしなさいと指摘する意味合いで使われることもあります。このニュアンスは就職後も意識しておくと良いですね。

③職務:担当や任されている仕事

求人票の中で、職務内容という言葉を見たという方もいると思います。職務の辞書的な意味は「その人が担当している仕事・役目」です。

ある役割や任務を引き受けることを「務める」と言うことからわかるように、職務は「あなた自身が任せられた仕事」というニュアンスが強いです。そのため、ビジネスシーンでは「自分の職務を全うする」「職務を怠るなんて無責任だ」などと使われることが多くあります。

④任務:責任を負うニュアンスがある

任務とは「責任をもって果たすべきつとめ」とWeblio辞典で説明されています。

職務と似た言葉ですが、仕事に限らずに使われる点や、より責任の重さが感じられる点が異なります。ビジネスシーンでは「過酷な任務を遂行する」「新規顧客の獲得が私に課せられた任務だ」というように使われることが多いです。 

⑤タスク:仕事を細かく分解した小さな作業

辞書的な意味だと、タスクは「課せられた仕事。職務。 コンピューターで処理される仕事の単位。」と説明されることが多いです。しかし、ビジネスの場では 「大きな仕事を細かく分解した小さな作業」という意味で使われます

たとえば、重要な会議があった時の、日程調整・参加者への連絡・資料の印刷などの小さな仕事はタスクと言われることが多いです。

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就活では、自分に合った仕事が見つからず悩むことも多いでしょう。

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自分の適職・適さない職業を知ることで、自信を持って就活を進めましょう。

企業研究するときに注意! 業務内容・職務内容の使い分け

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就活生

用語の意味はなんとなく分かったけど、実際にはどんな風に使われているんだろう…。

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キャリアアドバイザー

たとえば、「業務内容」や「職務内容」といった表現を聞いたことはありませんか?

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就活生

あります。でも、意味の違いについて考えたことがなかったです…。

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キャリアアドバイザー

同じ意味で捉えている学生も多いですが、厳密には少し意味が異なるんですよ。

「業務」と「職務」の意味について解説しましたが、実際にどのように使い分けられているのか紹介します。使い分けられ方を理解しないと、 第一志望の会社に入れたとしても「任せられた仕事が思っていたものと違う…」といった問題が起こるかもしれません。

業務内容は、応募する事業部(大きな組織のくくり)の中で任される可能性のある仕事を指します。部署単位の仕事内容のため、求人票に書かれていたとしても、あなたが必ずそれを任せられるとは限りません。業務内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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事前に使い分けられ方を理解して、ミスマッチにつながらないように気をつけて就職活動を進めてみてください。

あわせてチェックしておきたい! 事業者や事業内容とは?

ここまで読んでみて、「業務内容と職務内容はわかったけど、事業内容との違いは何だろう?」と疑問に感じた方もいるかもしれません。

事業内容とは、会社や組織が行う大きな仕事のことを指します。そのため、「自動車の販売・生産」「労働者派遣事業」 「ゲーム事業」というような、大きなくくりで表わされることが一般的です。

また、事業者とは、 継続的に経営を行う「個人事業主」と「法人」の2つに分かれます。個人事業主は、個人で小売業やメディア事業等を営む人や、 独立して士業(弁護士・医師・行政書士等)に務める人などを指します。法人は株式会社やNPO法人、一般社団法人などを指します。

企業研究や業界研究をしているとよく出てくる言葉なので、 意識して読んでみてください。事業内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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適性が分かる! 業務を知る5つの切り口

業務を知る5つの切り口

同じ業務内容でも、見る視点を変えると異なる適性が求められるものです。たとえば、1万人を超える企業で担当する採用業務と、数十人の企業で取り組む採用業務はまったく別物で、入社者に期待されるスキルは異なります。

応募先の業務内容に対して、自分は適性があるのかどうか見極めるために、次の5つの切り口で業務を深く分析してみてください。

①誰とおこなう業務か

同じ業務内容でも、だれと一緒におこなうかによって仕事の進め方は変わってきます。たとえば、採用業務を一人ですべておこなう場合と、10人の採用チームのなかで分業しておこなう場合を想像してみましょう。

すべて一人でおこなう場合は、採用の計画から募集の出し方、面接や入社後手続きまで一貫して担当する可能性があります。一方、10人の採用チームで採用業務を進める場合は、中途採用と新卒採用それぞれに担当者を振り分けたり、面接だけを担当したりするなど、狭く深く専門性を追求するような仕事内容になります。

このように同じ業務内容だとしても、誰と一緒に進めるかによって、その業務に求められるスキルや適性が異なることがわかります。応募先の業務内容を調べる時は、どのような部署に配属され、どんなメンバーと一緒におこなうのか確認するとよいでしょう

②何を扱う業務か

同じ業務内容でも、何を扱う業務かによって求められる能力や適性は変わってきます。たとえば、法人営業職として働くときに、多くの人が知っている食品メーカーの製品を売る場合と、無名で真新しい製品を扱うケースを考えてみましょう。

前者の場合は、お客さんからの製品認知度が高いため、既存の取引先が多くルート営業のスタイルになるかもしれません。一方、認知度が低い真新しい製品を扱う場合は、同じ営業職といっても新規顧客の開拓に力を入れたり、製品紹介を一からおこなって相手を説得するスキルが必要になることもあるでしょう。

このように、同じ職種や業界に応募したとしても、何を扱うかによって業務内容は大きく変わります。企業研究する際は、業務内容から「この企業は何を扱っているのか」をしっかり確認するようにしてみましょう。

③どれくらいの頻度で発生する業務か

業務内容を確認するときは、その業務が「どれくらいの頻度で発生する業務か」という視点で確認してみましょう。

たとえば、コールセンターの受電業務をおこなう際に、1日10件の問い合わせに対応する場合と、1日に100件の問い合わせ対応をする場合があったとします。前者のケースは、1件1件に対し丁寧に説明をおこない、顧客満足度をあげるスキルが求められるかもしれません。一方、後者の場合は丁寧さよりも、数多く効率的にさばいていく力が求められるはずです。

前者は1件ずつホスピタリティをもって仕事をしたい人に適性があり、後者の場合はスピード感をもってアグレッシブに仕事をしたい人に向いているといえます

このように業務詳細を確認するときは、業務の発生する頻度をチェックしてみてください。

④どれくらいの時間が必要な業務か

特定の業務に対して、どのくらいの作業時間が必要かどうかも、業務を深く理解するうえで必要な視点です。

たとえば製造業の工場で働くときに、製品を1年かけてつくる場合と、1か月で製品を完成させるケースを考えてみましょう。同じ製品をつくるとしても、企画から製品の材料集め、試作品制作から本格的な製造工程までを1年かけていいのか、それとも1か月で完成させるのかによって業務の進め方は大きく変わります

1つの作業にじっくり時間をかけて腰をすえて働きたい人と、作業効率をあげてどんどん業務を進めていくのが得意な人で適性がわかれるので、業務にかかる時間数も確認してみるとよいでしょう。

⑤どんなスキルが必要な業務か

同じ業務だとしても、企業によって求めるスキルは異なります。たとえば、コミュニケーションに重きを置いている企業では、さまざまなメンバーと対話して複数名の意見をまとめるスキルが求められるかもしれません。

一方、無駄なやり取りを省き効率化に重きを置いている企業では、対面よりもチャットでの端的なコミュニケーションスキルを求める場合もあるでしょう。

このように、業務を進める際に求めるスキルは企業ごとに異なるため、募集要項を見ながら細かく確認するようにしましょう

あなたが受けない方がいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな時におすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけあなたの強み・弱みを分析したうえで、合う仕事・合わない仕事を診断できます

早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

乾 花穂子

キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる

「商材は何か」が重要ポイント

5つの切り口のうち、とくに「何を扱っているか」はしっかり確認しましょう。販売する商品によって求められるスキルが異なりますし、商品の売りやすさも違いますよ。

たとえば形のある有形商材なら、顧客に商品を見せることができるので販売しやすい傾向にあります。サービスなど形のない無形商材は、目に見えないものを分かりやすく説明するプレゼン力がより求められます。

ほかにも「利益率はどれくらいか」からも業務内容が推測できます。利益率が低い場合、商品をたくさん売って利益をあげなくてはいけません。そのため、こまめに動くフットワークの軽さが必要です。不動産販売など利益率の高い場合は、インセンティブが高く設定されているケースもありますよ。

実際の業務を把握するには社員に直接聞いてみよう

業務を知るためには、誰とおこなうか、どのくらいの時間をかけておこなうかなど、さまざまな切り口で確認することが重要です。しかし、採用サイトや企業ホームページにはそこまで細かく記載されていることは少ないでしょう。実際にその業務を担当している社員に直接話を聞くと理解が深まりやすいですよ。

気になった企業にはなるべく多くのOB・OG訪問をおこなって、1対1でじっくり話を聞いてみたり、会社説明会や先輩社員との座談会イベントに参加して、業務について直接質問してみましょう。

なお、先輩社員に質問するときは「業務について教えてください」とざっくり聞くのではなく、「1日の業務の流れを教えてください」や「業務の〇〇をおこなううえで意識していることは何ですか?」など、具体的に聞くように気をつけてください。

OB・OG訪問についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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座談会でも業務内容を聞くことができますよ。質問方法やタイミングについては下記記事で解説しています。

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吉田 実遊

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5W1Hを意識して聞く

業務内容の理解を深めるためには、事前に下調べをしてから聞くようにしましょう。そうするとより具体的に聞くことができますし、OB・OGにとっても「しっかり調べてから来てくれたんだな」と好印象につながります。OB・OGに入社意欲をアピールできた方が、あなたに協力してあげたいという思いが強くなるでしょう。

深掘りして聞きたい時は、5W1Hを意識して質問するようにしましょう。5W1HとはWho(だれが)When(いつ)Where(どこで)What(なにを)Why(なぜ)How(どのように)の頭文字をとったものです。

たとえばOB・OGが「受電業務で大変なのはクレーム処理」と言っていたら「なぜクレーム処理が大変なんですか?」や「どうやってクレームを処理するんですか?」と聞きます。5W1Hを意識して聞くことで業務への理解がより深まりますよ。

選考のときも単語の違いを意識して使っていこう

ここまで業務や作業、職務内容などの違いが紛らわしい言葉について解説してきました。エントリーシートを書く際や、面接で応募先企業について話す時など、言葉の違いを正しく理解できていると、採用担当者に好印象を持ってもらえるかもしれません。

また、自分に合った業務を知ることで、後悔のない企業選びにつながります。ぜひ本記事で解説した言葉の違いを意識して就職活動を進めてみてください。

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