目次
- 転職しないほうがいいケースに要注意! ミスマッチをなくす判断基準を知ろう
- こんな状況ならいったんストップ! 転職をしないほうがいい6つのケース
- ①転職すること自体が目的になっている
- ②一時的な感情に任せて転職しようとしている
- ③転職せずとも希望を実現できる可能性がある
- ④転職理由が明確になっていない
- ⑤自分の意思ではなく第三者に影響されて転職を考えている
- ⑥今の仕事を始めて間もない
- こんなパターンなら転職を検討しよう! 転職したほうがいい4つのケース
- ①仕事へのストレスから心身に不調が現れている
- ②明らかなハラスメントを受けている
- ③企業の将来性に不安がある
- ④転職をする目的ややりたいことが明確になっている
- 転職すべきか確かめよう! ベストな選択を見極める5ステップ
- ステップ①転職したいと感じる理由を整理する
- ステップ②今の職場で解決できる可能性はないか考える
- ステップ③前向きな転職理由に置き換えられるか考える
- ステップ④次の職場に求めるものが明確か考える
- ステップ⑤転職をした場合のキャリアビジョンを立てる
- どうしても決断できない……転職するか迷ったときの対処法3選
- ①今の企業でキャリアプランを実現する方法はないか改めて考える
- ②異なる立場の第三者に相談する
- ③就職エージェントに相談する
- 転職をしないほうが良いケースは6つ! 5ステップで進むべき方向を慎重に検討しよう
転職しないほうがいいケースに要注意! ミスマッチをなくす判断基準を知ろう
こんにちは、キャリアアドバイザーの今井です。
転職をするか悩んでいる人から、よくこんな相談をもらいます。
「転職しないほうがいいケースってありますか?」
「いま転職しても後悔しないか不安です」
転職は大きな決断だからこそ、その決断がミスマッチな結果を生まないよう事前に「しないほうがいいケース」を知っておきたい気持ちはとてもよくわかります。
またキャリアアドバイザーとしても、事前にそういった「転職しないほうがいいケース」は伝えることが多いです。それは、その知識が理想の転職をかなえる大切な手掛かりになるためですね。
この記事では、転職をしないほうがいいケースを具体的に6つに分けて解説します。自分が当てはまるのかどうかを確認するステップも解説しているので、参考にしながら今後のキャリアについて検討してみてくださいね。
こんな状況ならいったんストップ! 転職をしないほうがいい6つのケース
- 転職すること自体が目的になっている
- 一時的な感情に任せて転職しようとしている
- 転職せずとも希望を実現できる可能性がある
- 転職理由が明確になっていない
- 自分の意思ではなく第三者に影響されて転職を考えている
- 今の仕事を始めて間もない
転職をしたい気持ちはあるものの、決断してしまっていいのか悩んでいる時、気になるのは「どういったケースなら転職をしないほうがいいのか」ということですよね。
ここからは一般的に転職をしないほうがいいケースに該当するパターンを解説していきます。理解していれば転職をするか判断する際の基準になるので、まずはどのようなケースが当てはまるのかを確認してみましょう。
転職を失敗するパターンについてより詳しく知りたい場合は、こちらの記事もあわせて参考にしてください。転職の失敗を回避する方法も紹介しています。
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①転職すること自体が目的になっている
転職をしないほうがいいケースとして、転職をすることが第一目標になっているケースが挙げられます。具体的には「とにかく今の環境から離れたい」といったような目的で転職をするパターンです。
- 面接の際に明確な転職・退職理由を伝えられず転職活動が難航する
- 転職先で同じような悩みを抱える可能性がある
転職先でも充実したキャリアを描いていくためには、転職をするための前向きな理由が必要です。「〇〇がしたいから転職をする」「〇〇の希望を実現するために転職をする」といった明確な目標があるのかどうか、ここでしっかりと考えてみましょう。
もし転職自体が目的になっているなら、前向きな理由が見つかるまでは今の職場にとどまるのも一つの手です。
転職後半年で再転職をするか迷ったときに「転職すること自体が目的になっていないか」を改めて自分に問いかけてみてましょう。以下の記事では、再転職をするときの判断に迷ったときの確認ポイントを解説しているのでチェックしてみましょう。
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②一時的な感情に任せて転職しようとしている
転職をしないほうがいいケースとして注意したいのが、一時的な感情に任せて転職をしようとしているケースです。
- 大きなミスをしてしまい職場にいるのが気まずいから転職をする
- 上司と揉めてしまい合わないと感じたため転職をする
- うまくいかないことがあったため今の環境から離れるために転職する
一時的な感情に任せての判断でないかを見極めるためには、「転職をしたい」と感じた後しばらく様子見をするのがおすすめです。
時間が経てば気持ちが落ち着き冷静に現状を分析できるようになります。その時点でも転職をしたいと思えるのか、転職をする明確な理由があるのかを考えてみてください。
もし冷静な判断ができているのか不安になったときは、第三者に相談するのもおすすめです。客観的に見てあなたの判断が妥当なのかを知るきっかけになりますよ。
③転職せずとも希望を実現できる可能性がある
転職をしたいと思った時、「よく考えれば努力次第で今の企業で希望を実現できるかも」と思える余地があるなら、転職をしないほうがいいケースに当てはまる可能性があります。
- 人間関係が悪い→部署異動をすることで解決する可能性がある
- 給与体系に納得がいかない→与えられた仕事を成功させて役職が上がれば解決する可能性がある
今の職場で解決できる可能性があるといっても、かなり時間がかかってしまったり必ずしも思いどおりにいくとは限らない場合もあるでしょう。
そのようなときは「あと1年働いて状況が変わらなかったら転職する」といったように期限を設けてみるのもおすすめです。
環境すべてが変わってしまうのが転職。希望実現の可能性があるにもかかわらず転職を決めてしまうと「前の企業でもっと頑張れば良かった」といった後悔につながる可能性があります。できることはしたうえで決断をしましょう。
④転職理由が明確になっていない
転職をしないほうがいいケースに当てはまるかどうかを判断するうえでは、改めて転職理由について考えてみるのも効果的です。
もし「なんとなく合っていない気がする」「今の職場じゃないほうがいい気がする」というように転職理由がぼんやりとしてしまうなら、転職を後悔する可能性がありますよ。
- 転職先でも同様に「なんとなく合っていない」というような悩みを抱える可能性が高い
- どのような転職先を選べばいいのか判断できず転職活動が難航する可能性がある
転職理由がぼんやりしていると、どのような転職先であれば満足度高く働けるのかが判断しにくくなります。結果として次に選んだ企業でも「せっかく転職をしたのにこれまでと変わらない」といった不満を抱えることになる可能性がありますよ。
今の企業が自分に合っていないと感じるなら、その理由を考えてみましょう。理由に応じて「こんな環境なら合う」と感じる条件を整理すれば、自分に合う転職先が見つかりやすくなりますよ。
⑤自分の意思ではなく第三者に影響されて転職を考えている
もしあなたの周りに最近転職をした人がいて、それに影響されて「転職をしたい」と考えているなら、転職をしないほうがいいケースに当てはまるかもしれません。
- それまでは転職をあまり考えていなかったが、周囲の人が転職しているのを見て焦りを感じ始めた
- 転職をする動機が「自分も何か行動を起こしたほうがいいのでは」といった第三者に影響された理由になっている
もし以前から転職を考えており、周りの人が転職をした経験を聞いたことで背中を押されて決断をするなら問題ありませんが、転職をした結果どうなりたいかが明確にできないなら転職については考え直したほうがいい可能性があります。
この点は、転職をする理由を明確に説明できるかどうかを基準として考えてみましょう。第三者に影響されていたとしても、あなたのなかで確固とした理由があるなら問題はありませんよ。
⑥今の仕事を始めて間もない
もし今の仕事を始めてからあまり時間が経っていないなかで転職を考え始めているなら、転職をしないほうがいいケースに当てはまる可能性がありますよ。
- 仕事の楽しさややりがいを理解していない状態で転職をすることで次の職場でも同じ悩みを抱える可能性がある
- 短期離職の経歴によって企業に警戒され転職活動が難航する可能性がある
- 衝動的に転職を考えている可能性がある
仕事を始めて間もない時期は、覚えることや慣れない作業が多く誰しも苦労するものです。そのような状況はどの職場であっても起こり得るため、それを理由に転職を決断してしまうと転職先でも同じ悩みを抱えることになりかねません。
もし仕事がうまくいかないことが転職をする動機となっているなら、決断の前に一度転職したい理由が突発的なものでないか、経験を積むことで解決しないかを考えてみてください。
仕事を始めて間もないからといって、一概に転職をしないほうがいいわけではありません。判断に悩んだときは、転職をした結果どうなりたいか、ビジョンが明確になっているかを考えてみましょう。
キャリアアドバイザーからあなたにメッセージ転職は想像以上の大きな変化をもたらす
どうしても転職したい場合は慎重に検討したうえで決断しよう
上記を確認後「転職しないほうが良い」という結果になったものの、どうしても転職したい気持ちがある場合は、後悔しないためにも転職にチャレンジしてみるのはありかと思います。
しかし、一方でキャリアの専門家からの意見も参考材料としてぜひ知っておいてほしいと思います。まず、そもそも転職(職場を変えるということ)自体、非常にストレスのかかりやすい行為です。たとえ自分に合った仕事に転職するとしても変わりません。また転職先が自分に合わなかった場合、前職に大きな不満がなかったときの心理的ダメージが大きくなる可能性があります。
転職はどれほど検討に検討を重ねても、最終的には行動してみなければわからないことも多いものです。転職先の人と気が合うかどうか、顧客との相性など実際に勤務してみなければわからない要素は必ず存在しています。「何となく転職したいと思ったから」で臨むのはリスクが大きいので、この後の記事の内容も確認し、判断材料を増やしたうえで決断しましょう。
どのようなタイミングであれば転職をしても問題ないのか、自分の場合はいつ転職をするべきなのかを知りたいときは、こちらの記事がおすすめです。
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転職したいと考えているけど、自分に合ったタイミングがわからないと悩んでしまう人もいますよね。転職のタイミングは時期や年齢、状況などで変わってきます。この記事では転職のタイミングを見極めるための必須知識について解説しています。
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自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
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こんなパターンなら転職を検討しよう! 転職したほうがいい4つのケース
- 仕事へのストレスから心身に不調が現れている
- 明らかなハラスメントを受けている
- 企業の将来性に不安がある
- 転職をする目的ややりたいことが明確になっている
転職をしないほうがいいケースがある一方で、早い段階で転職をしたほうがいいケースもあります。仕事を続けることで心身に負担がかかったり、転職をする目的が明確になっているなら、早期に行動を始めたほうがいい可能性がありますよ。
ここからは、転職を検討したほうがいいと言える4つのケースについて解説していきます。自分に当てはまっていないかを確認し、今後のキャリアについて検討する際の参考にしてくださいね。
①仕事へのストレスから心身に不調が現れている
- 朝目が覚めていても起きることができない
- 出社しようとすると体調が悪くなったり涙が出る
- 休日も仕事のことを考えてしまい気が休まらない
もし今の仕事に対して大きなストレスを感じており、それによって心身に不調が現れているなら、転職をしたほうがいいケースに当てはまる可能性があります。
心身の不調を見過ごしたままストレスがかかっている状況が続くと、最悪の場合働けなくなってしまう可能性もあります。一度体調を崩すと回復するまでには多くの時間がかかってしまうため、心身の状態にはしっかりと注意を払っておきましょう。
もしストレスによって心身の不調が出ているなら、医療機関の受診も検討してください。大げさだとは思わず、自分の身を守ることを第一に考えてくださいね。
- こころの耳:厚生労働省が運営する働く人向けの相談窓口
- 総合労働相談コーナー:厚生労働省が運営する労働に関する相談窓口
もし上記のような症状に心当たりがあるなら、まずは第三者に相談してみましょう。家族や信頼できる友人、専門の機関に相談することで、今後の方向性が見えてきますよ。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!転職は逃げではない
最終的には自分を大切にした判断をしよう
記事にあるような内容に該当する人は、転職を検討するのがおすすめです。もし心身に不調が現れているなら、専門家の指示に従わずに自分で判断してしまったり、企業の言いなりになってしまうことは避けましょう。そうしたことが原因で心身の健康を損ない、その後のキャリア形成にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
転職することが「逃げている」と否定的・消極的な選択のように感じる人もいるかもしれません。前提として、転職自体は決して否定的・消極的な選択ではありません。転職はキャリア形成の手段の一つであり、誰もが気兼ねなく自由にできるものです。「逃げではないか」と感じる人がいるかもしれませんが、そもそも危険な場所から逃げることは正しいことですよね。
大切なのは、自分の状況をきちんと把握し、さまざまな選択肢もふまえたうえで、最終的には自分を第一に考えて後悔のない決断をすることです。
②明らかなハラスメントを受けている
もし今の職場で明らかなハラスメントを受けていると感じることがあるなら、早い段階で行動を起こしたほうが良い可能性が高いですよ。
- 大勢の前で大声で叱責される
- 仕事には関係のないプライベートのことにまで言及される
- 人格を否定するような発言をされる
- 暴力を振るわれる
ハラスメントを受けているにもかかわらず我慢してしまうと、心身に大きな負担がかかり体調を崩すことになりかねません。また自分一人で立ち向かうのも難しい場合があるので、無理せずにその場から離れることを考えるのも選択肢の一つです。
- 同僚:同じ悩みを抱えている場合もあり共感を得やすい
- 先輩:共感を得つつ実体験をふまえたアドバイスを得られる場合が多い
- 上司:現状を変えるための的確なアドバイスをもらえる可能性が高い
- 専門の窓口:どのような内容であっても相談しやすくアドバイスをもらいやすい
なかにはハラスメントに該当するのか悩ましいこともあると思います。そのようなときは、まず第三者に相談して客観的な意見をもらうことから始めましょう。
③企業の将来性に不安がある
もし働くなかで企業の将来性に不安を感じたときは、転職をするタイミングである可能性があります。
- 企業の売上が下がり続けている
- 事業展開の方向性が世間のトレンドに合っていないと感じる
感じている不安が間違いでないなら、倒産した結果職を失うなどの事態に巻き込まれてしまう前に企業を離れたほうが良い場合もあります。
まずは最近の企業の動向を確認し、将来性がないと言えるのかを考えてみましょう。
企業の将来性については、自分一人で判断するのは難しい場合もあります。そのようなときは社外の経理関係に詳しい人に相談をしたり、上司に企業の将来性について聞いてみるのも良いでしょう。
④転職をする目的ややりたいことが明確になっている
明確な目的があったり、確固としたやりたいことがあるうえで転職を考えているなら、早いうちに行動を起こしたほうが良い場合がありますよ。
- やりたいことは今の職場ではどうしても実現できないか
- 転職をする理由や実現したい希望は言語化できるか
実現したい希望が今の企業ではどうしてもかなえられないものなら、今の環境に身を置き続けたとしても希望の実現が遠のいてしまう可能性があります。
転職の際も若手のほうがスムーズに進みやすいため、希望実現のために今どうするのがベストなのかを考えてみてくださいね。
転職すべきか確かめよう! ベストな選択を見極める5ステップ

転職をしないほうが良いケースとしたほうが良いケースについて理解できたら、次に気になるのは自分がどちらに当てはまるのかという点ですよね。
ここからは、今転職をするべきなのか判断する5ステップについて解説していきます。ここで一緒にあなたにとってベストな選択を見極めましょう。
ステップ①転職したいと感じる理由を整理する
今転職するべきか悩んだときは、転職をしたいと感じる理由を改めて整理してみましょう。まずは現職で感じる不満を紙に書き出してみてください。
- 給料が低い
- 人間関係が悪い
- 今持っている自分のスキルを活かせていない
転職をしたいと感じる明確な理由が思いつかなかったり、「何となく合わない気がする」といったようにぼんやりとした理由しか思い浮かばない、第三者に影響されている場合は、転職をしないほうがいいケースに当てはまる可能性があります。
転職したい理由を紙に書き出すだけで、頭のなかが整理しやすくなり改めて自分自身と向き合うきっかけにもなります。ここでしっかりなぜ転職したいのかを考えてみてくださいね。
なかなか転職理由が整理できないときは、こちらの記事も参考になります。転職時の面接で役立つ伝え方も紹介しているので、目を通してみてくださいね。
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転職理由22例文|意欲アピールになる回答で面接官の心をつかもう
転職理由は、転職活動でほぼ必ず聞かれるもの。なかには答えにくい場合があったり、どう答えるべきなのか悩んでしまうこともありますよね。この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて転職理由の回答例文や回答のコツについて解説しています。
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ステップ②今の職場で解決できる可能性はないか考える
転職したい理由が明確になったら、次に今の職場で解決できる可能性はないのかを考えてみてください。
- 給料が低い→実績を積み社内での評価が上がれば解決する可能性がある
- 人間関係が悪い→上司に相談することで解決の糸口が見つかる可能性がある
- スキルを活かせない→成果を上げ裁量権を得られれば解決する可能性がある
もし今の職場で解決できる可能性があるなら、まずは行動を起こしてみてください。何もせずに早々に転職を決めてしまうと、後悔につながる可能性がありますよ。
何かしらの実績を積んで力をつけたい旨を上司に伝えるだけでも、意欲が評価され活躍のチャンスを得られる可能性があります。そういった小さな行動を積み重ねていくことが大切です。
キャリアアドバイザーからあなたにメッセージ判断に自信が持てないときの心構え
「キャリアに対する考えはそもそも変化するもの」ととらえておこう
考えた結果、今の環境で解決できる悩みだとわかって転職をしないと決断することもあるでしょう。ただ、また転職したくなり「自分の決断は合っていたのか」と不安になることもあると思います。ただ、そんなときのために一つ覚えておきたいのは、決断が合っていたのか、間違っていたのかという「正解・不正解」で考えると後悔しやすくなるということです。
自分の考えはそのときどきの状況、経験、環境によって変化するものです。そのときの自分に対して納得できる判断をすることが大切であり、それに正解も不正解もありません。いったん転職をしないと決めたときの気持ちに嘘がないのであれば、そのときの状況で納得の判断だったのでしょう。
今の自分を基準として考えることが大切
時間が経過し、経験したことや環境が変われば判断基準も変わります。再び転職したいと思ったのであれば、過去の自分の判断に対して思い悩むのではなく「今の自分にとって大事なことは何なのか」と改めて問い直してみてください。
このような自己理解を深める作業は一度やって終わりではなく、ことあるごとにおこない、アップデートしていくものです。これを定期的にしておくと、自分のキャリア形成に対して納得のいく判断がしやすくなるでしょう。
ステップ③前向きな転職理由に置き換えられるか考える
今の職場で解決できる可能性が低かったり、解決できる見込みがあるとしてもかなり時間がかかってしまい今後のキャリアに影響が出そうな場合もあるでしょう。
そのようなときは、転職したい理由を前向きな理由に置き換えられるか考えてみてください。
- 給料が低い→頑張りが目に見える形で反映される環境でモチベーション高く働きたい
- 人間関係が悪い→チーム一丸となって切磋琢磨する環境で互いに価値提供をしながら働いていきたい
- スキルを活かせない→今持っているスキルを十分に活かしより企業に貢献していきたい
前向きな転職理由があると、転職先でも目標意識を持って日々の業務を遂行することができるようになります。
結果として理想のキャリアを築くための近道を行くことにつながるので、何がしたくて転職をするのか、転職先で何を実現したいのかを明確にしましょう。
転職活動の際には、転職理由をほぼ必ず聞かれます。そのようなときに前向きな転職理由があると回答がしやすく、好印象につながるため、ここでしっかりと整理しておいてくださいね。
ステップ④次の職場に求めるものが明確か考える
転職理由を前向きなものに置き換えることができたら、次に転職先に何を求めているのかを考えてみましょう。仕事に対する価値観と照らし合わせ、どのような環境、労働条件であれば理想の働き方を実現できるのか整理してください。
- インセンティブ制度や歩合制の給与体系で、頑張りが目に見える形で評価される環境
- 現場に比較的同年代の人が多く、気兼ねなく意見が言えたり互いの頑張りを認める文化が醸成されている環境
- 若手にも裁量権を与える文化があり、チャレンジがしやすい環境
次の職場に求めるものが明確になっていないと、転職先を選ぶ際にも何を基準とすればいいのかがわからず自分にマッチした環境を選ぶことができない可能性があります。
これまでと同様の悩みを抱えたり、新たな悩みが発生したりということがないよう、しっかりと転職先に求めるものを明確にしましょう。
転職先に求めるものを明確にすればするほど、志望動機にも説得力が生まれます。転職活動の際に志望企業に志望度の高さを伝えるためにも、ここで求めるものを明確にしてくださいね。
次の職場に求めるものを明確にするうえでは、転職の軸を明らかにすることも有効です。こちらの記事で転職の軸の作成法について解説しているので、参考にしてください。
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転職の軸60選! 自分だけの軸を見出すカギは不満の言語化にあり
転職をするときは、明確な転職の軸を立てて目的意識を持つことが大切です。ただ転職の軸を立てるのが難しかったり、どんなふうに立てれば良いのか悩んでしまうこともありますよね。この記事では専門家のアドバイスを交えて、60の転職の軸の例や作成法を解説していきます。
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ステップ⑤転職をした場合のキャリアビジョンを立てる
最後に、転職をした場合のキャリアビジョンも考えておきましょう。どのような環境で働きたいか、それが実現できた場合にはどのようなキャリアを歩んでいきたいかを考えてみてください。
- 転職1年目には与えられた仕事に対する一通りの知識を身に付ける
- 3年目には1つのプロジェクトを任せてもらう
- 5年目には実績を上げてより自分のスキルが活かしやすい〇〇の仕事にチャレンジする
- 最終的には〇〇の分野のスペシャリストとして専門性の高いスキルを身に付け、事業開拓にも挑戦したい
明確なビジョンを立てるためには、どのような転職先で働きたいかを明確にしておく必要があります。理想の職場環境をイメージしたうえで、そこでどのように働いていきたいかを考えましょう。
とはいえ新しい環境に飛び込むとなると、なかなかビジョンを立てるのが難しいこともありますよね。そのようなときは、エージェントのようなキャリアのプロに相談するのがおすすめです。
どうしてもキャリアビジョンが思い浮かばないときには、こちらの記事も役立ちます。キャリアビジョンの例も紹介しているので、参考にしながらあなた自身の理想の姿を思い描いてみましょう。
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面接対策としてキャリアビジョンを考える時、難しく感じることがありますよね。キャリアビジョンを考えるコツは、今と理想の将来像、そこへ近づくためにするべきことを見極めること。この記事では、専門家のアドバイスを交えキャリアビジョンの例文から考え方まで解説していきます。
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キャリアアドバイザーが読み解く!
今の環境を「キャリアアンカー」に照らして考えてみよう
たとえば大企業に勤めていると「今の環境を手放すのはもったいないかも」と転職を悩む原因の一つになるかもしれません。確かに今の職場が大企業で安定している、給与が高い、ネームバリューがある、福利厚生がしっかりしているなどの環境がそろっていると、それを手放すことに不安を感じる人もいるでしょう。
こうした悩みを解決する際に大切なのは「仕事をするうえで譲れない、最も大切な価値は何か」を明確にすることです。この価値観のことを「キャリアアンカー」といい、キャリア形成を考える際に非常に重要な要素となってきます。
大企業には一般的に見れば恵まれた環境がそろっていることが多いですが、自分にとってそれが重要な要素とは限りません。企業規模は転職先を選ぶ際の大事な要素ではあるものの、それが自分の譲れない価値観(キャリアアンカー)に照らしてみるとどうなのかを考えることが大事です。
どうしても決断できない……転職するか迷ったときの対処法3選
- 今の企業でキャリアプランを実現する方法はないか改めて考える
- 異なる立場の第三者に相談する
- 就職エージェントに相談する
転職は人生のなかでも大きな決断なので、どんなに考えたとしてもなかなか判断がつかないこともあると思います。そのようなときは、改めて転職をするべきかどうかを検討してみる必要がありますよ。
ここからは、転職するか迷ったときの対処法について解説していきます。悩んだときには参考にし、転職をしないほうがいいケースに該当しないかを改めて考えてみてくださいね。
①今の企業でキャリアプランを実現する方法はないか改めて考える
どうしても転職の決断ができないとなると、無理に今転職をする必要はないのかもしれません。それを確かめたいと思ったときは、今の企業でキャリアプランを実現する方法はないのか改めて考えてみてください。
- 理想のキャリアプランを立てる
- 今の企業でも実現が可能なものはあるか確認する
- 実現可能なことがあればそれを達成してから転職を考える
キャリアプランの実現そのものは難しくても、実現のために必要なスキルや知識は身に付けられる可能性もありますよね。それを学んでから企業を離れる決断をしても、決して遅くはないですよ。
ある程度実績を積んでからのほうが、転職をする際にも希望を実現しやすい可能性があります。本当に今すぐ転職をする必要があるのかをよく考えてみてください。
②異なる立場の第三者に相談する
転職するべきか悩んだときは、今の自分とは異なる立場の第三者に相談してみるのもおすすめです。
- 職場の先輩や上司:自身の経験をふまえた実践的なアドバイスをもらえる
- プライベートの友人:客観的な立場からアドバイスをもらえる
このとき誰か一人に相談するのではなく、複数の相手から意見をもらうようにしましょう。多角的な目線から意見をもらうことで、より多くの選択肢を想定することができますよ。
転職について悩んでいるとどうしても視野が狭くなったり選択肢が限られているように感じられる場合があるので、より多くのアドバイスをもらい視野を広げるのがいいですよ。
③就職エージェントに相談する
自分の場合は転職をしないほうがいいケースに当てはまるのか、今転職をするべきなのかと悩んだときは、就職エージェントに相談するのもおすすめです。
- キャリアのプロから自分の希望を実現するためのアドバイスをもらえる
- 一対一でキャリアに関する相談をすることができる
- 転職をする場合は自分の希望に合った企業を紹介してもらえる
就職エージェントはキャリアに関する幅広い相談に応じてくれるため、転職するべきかどうかといった疑問にもプロの目線から的確な回答をくれますよ。
自分の今後のキャリアと向き合う意味でも、一度相談してみるのがおすすめです。
「エージェントに相談すると転職をしなければならないのでは」と不安に思う人もいるかもしれませんが、相談だけでも可能です。事前に「キャリア相談だけしたい」と伝えておくのが良いでしょう。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!転職をするか決めきれないときのヒント
行動すれば思い込みや固定観念を解消しやすくなる
転職には確かにさまざまなリスクがあります。だからこそ悩む人が大勢いるわけです。だからこそ無計画で安易な転職はおすすめできませんが、明確な目的を持った転職は自分らしいキャリア形成のために有効な手段と言えます。
転職に関するデメリットを不安に思ってしまう人におすすめなのは、実際に足を運び、動いてみることです。インターネットなどでの情報収集は基本として必要ですが、人は自分が関心ある情報を集めがちです。転職に不安を感じている人はマイナス面の情報が目につきやすくなりますよ。
人に会い話をすることが大切
足を運ぶことで、人に会うことができます。キャリアコンサルタントや転職エージェントに相談したり、転職フェアに参加して企業担当者から話を聞くといったことを通して、生の情報を得ることで自分の固定観念や思い込み、不安が解消されることがよくあります。
ぜひ、実際に行動を起こし、さまざまな方面からの情報を仕入れてください。判断のために役立つ生の情報が手に入れられますよ。
転職をしないほうが良いケースは6つ! 5ステップで進むべき方向を慎重に検討しよう
ここまで、転職をしないほうが良いケースや自分の場合は転職をすべきか見極める方法について解説してきました。
転職について悩んだときは、改めて転職をしたいと感じた理由や、転職をして何を実現したいのかを考えてみることが大切です。ここで紹介した5ステップを参考にして、まずはあなたが進むべき方向を明確にしてください。
大切なのは、今のあなたにとってベストな道について柔軟に考えていくことです。この機会に自分としっかりと向き合い、今後のキャリアの築き方を慎重に検討してみましょう。
キャリアパーク就職エージェントは、東京証券取引所グロース市場に上場しているポート株式会社(証券コード:7047)が運営しているサービスです。

とはいえ、これらに当てはまっている状態でも転職したほうがいいケースも当然あります。あくまで一つの指標としてチェックしてくださいね。