目次
- 就活ではSNSを賢く活用しよう
- 就活で活用される主なSNSの種類
- Facebook:実名で人事にアピールできる
- Twitter:分母が多く情報交換がしやすい
- Instagram:写真や動画で視覚イメージがつかみやすい
- 就活でSNSを活用するメリット
- 企業の情報を集めやすい
- 同じ就活生と交流できる
- 自分の情報発信ができる
- SNSを就活に有効活用する6つの方法
- ①企業アカウントから情報を得る
- ②社員のアカウントから情報を得る
- ③同じ就活生と情報交換をする
- ④口コミから優良企業を探す
- ⑤就活情報アカウントから就活イベントを知る
- ⑥Instagramのハッシュタグで就活ハウツーを見る
- 実名のSNSアカウントで企業にアピールするのもアリ
- 人事に見てもらいたい実績や成果物を投稿する
- 企業アカウントをフォローして志望度の高さを伝える
- フォロワーの数で集客力やマーケティング能力をアピール
- 人事が学生のSNSをチェックする理由
- SNS活用力を見るため
- 学生の人柄を知るため
- 趣味趣向を知るため
- 交友関係を知るため
- 志望度の高さを知るため
- 選考に悪影響が出るかもしれないSNS投稿
- 社会常識に欠ける言動
- 他人への暴言
- 就活の愚痴
- SNSで就活に失敗しないための注意点
- 公の場であることを意識する
- アカウントの公開範囲を限定させる
- 過去のネガティブな投稿は削除する
- SNSの情報をすべて鵜呑みにしない
- SNSは人事の目も意識しながら有効活用しよう
就活ではSNSを賢く活用しよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「就活でSNSを見られるって本当ですか?」
「SNSのフォロワーが多いことって就活で武器になりますか?」
といった悩みが就活生から寄せられることがあります。必ずしもすべての企業でというわけではありませんが、就活でSNSを見たり評価したりする企業は確かに存在します。企業によってはSNSのフォロワー数をアピールのネタにすることもできますよ。
SNSを使いこなせば、より就活の情報を集めやすくなるうえ、自分の実績や魅力を売り込んでいくことも可能です。今回は就活でSNSを活用するメリットと具体的な活用方法を学んでいきましょう。
就活で活用される主なSNSの種類
友だち同士や、同じ趣味を持つ者同士など、登録した利用者同士が気軽にコミュニケーションを取れる「ソーシャルネットワーキングサービス」、通称SNS。
日常生活には欠かせないコミュニケーションツールの1つとなっていますが、就活ではどのように活用できるのでしょうか。今回は特に就活で活用しやすいFacebook、Twitter、Instagramの3つのSNSに絞り、その使い方と就活での強みを見ていきましょう。
Facebook:実名で人事にアピールできる
Facebookは人と人をつなぐのに特化したSNS。TwitterやInstagramと比べると、ややかしこまった雰囲気なのが特徴です。
- 実名登録がルールとなっているので情報の信頼性が高い
- 質の高いアウトプット(業界人の意見や成果)を見られる
Facebookを使う最大のメリットは、やはり実名登録が必須である点です。こちらから人事や企業のOB・OGを見つけやすくなるのはもちろん、企業側から自分を見つけてもらいやすくなります。
またメッセンジャー機能を使えば、メールアドレスや電話番号を知らない相手とも連絡を取ることができます。現代ではビジネスシーンでも連絡手段としてFacebookを使う社会人が増えているため、OB・OG訪問など、社会人との接点づくりのためにFacebookを使うのも効果的です。
Twitter:分母が多く情報交換がしやすい
Twitterは情報収集に特化したSNS。世界中のあらゆるニュースが瞬時に拡散され、さらにそのニュースに対する人々の反応や意見を見られるという特性があります。
- 利用者の幅が広いため、多角的な視点から情報を集められる
- 就活仲間のリアルな声や動向を把握しやすい
- フォローしている、していないにかかわらず情報交換がしやすい
以上のようにTwitterは情報収集の面で大きな強みを持っています。業界や企業の情報、就活のイベント情報、他の学生の就活状況など、就活に関するあらゆる情報を得ることが可能です。
ただし、膨大な量の情報を集められる分、以下の点には注意が必要です。
- 信頼性の低い情報が多い
- 悪質なアカウントも存在する
Instagram:写真や動画で視覚イメージがつかみやすい
Instagramは自分が好きなものの写真や動画の共有に特化したSNS。伝えたい情報を視覚的に表現できるという特性があります。
- 企業の雰囲気を視覚的に捉えられる
- プライベートでの自分を写真や動画を通して知ってもらえる
- 若年層の利用者が多いため、就活の情報共有がしやすい
FacebookやTwitterは文字の情報を得やすい一方、Instagramは視覚的な情報を得やすいのが特徴です。オフィス内の設備や社員たちの様子、社内イベントの様子などの写真・動画を投稿している企業も多く存在します。
キャリアアドバイザー
キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
Facebookはビジネスマンに多く利用され、個人や企業の情報公開のツールとして幅広く浸透しています。日本のFacebookユーザーは30~50代の世代が多く、ちょうど人事や面接官を担当する社員の年代と一致するのではないでしょうか。
Facebookを活用している企業では、企業の基本情報から日常のリアルな情報を掲載していることが多く、就活生にとっては非常に有益な情報源になると思いますよ。興味のある企業には「友達申請」をして、ぜひつながりを持ってみてください。
逆に学生からは「気軽に投稿できるTwitterや画像がメインのInstagramの方が使いやすい」といった声がよく聞かれますね。そのため就活仲間をつくったり、ライバルの動向をチェックしたい時はTwitterやInstagramの方が活用しやすいのではないでしょうか。
目的に合わせてSNSをうまく活用し、企業の情報収集や就活の仲間づくりなど幅広く活用できるといいですね。
自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
就活を成功させるためには自己分析が必須です。しかし、自分自身のことを分析するのは意外と難しいですよね。
そんなときは「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけであなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
就活でSNSを活用するメリット
就活生
情報を集めるならSNSじゃなくてもいいのでは?
そんな風に疑問に感じる学生も多いのではないでしょうか。確かに、就活に関する情報集めはSNS以外でも可能ですが、SNSを活用することには情報集め以外にも多くのメリットがあります。
どんなメリットがあるのか正しく理解したうえで、就活を効率的に進めるためSNSを有効活用していきましょう。
企業の情報を集めやすい
業界や企業に関する情報はマイナビやリクナビのような就活情報サイトでも得られますが、新商品・サービスのリリース情報やキャンペーン情報など、消費者向けの情報をいち早く得られるのはSNSならではのメリットです。
一見就活には役立ちそうにない消費者向けの情報でも、企業の直近の動きを知ることで「企業が現在どこに力を入れているのか」「なぜ消費者に支持されているのか」といった背景を読み取れます。
キャリアアドバイザー
新商品やサービスの情報をいち早く入手しておけば、面接でも企業研究を入念にしてきたとアピールできますよね。企業研究では、企業理念や事業内容などの基本的な情報だけでなく、消費者向けの情報にも注目してみましょう。
同じ就活生と交流できる
SNSでは社会人との交流に限らず、同じ就活生との交流も可能です。一緒のタイミングで就活を進めている人の投稿を見れば自分の就活に活かせますし、「自分もこの人みたいにがんばろう」といったように、モチベーションの向上にもつながります。
同じ業界・企業を目指す就活生が集まるコミュニティが作られている場合もあるので、自分が志望する企業の情報集めにも、就活生との交流が役立つでしょう。
SNSのつながりから他己分析を頼むこともできるかもしれません。他己分析の詳しいやり方についてはこちらの記事を読んでみてください。
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他己分析をすると、周囲の人からの評価も取り入れられて自己理解が深まりますよ! この記事では他己分析をするメリット、やり方、質問項目、活用方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に実践して自分の長所・短所を把握しましょう。
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自分の情報発信ができる
SNSは情報収集ツールの側面が目立ちますが、自分の情報を発信できるという側面でも有用です。たとえば、以下のように自分が学んでいることや力を入れていることをSNSを通してアピールできます。
- 今まで作成したWebデザインをInstagramで公開
- ゼミやサークルでの活動の様子をInstagramで公開
- 自分で作ったシステムやアプリなどをTwitterで宣伝
例のように、履歴書やエントリーシート(ES)に書ききれないような経験、自分の能力をアピールしてみましょう。自分の考え方や実績を評価してもらえれば、企業の方から「我が社に興味はありませんか」などと逆アプローチしてもらえる可能性もありますよ。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
SNSの活用は、メリットも大きい一方で「SNS疲れ」という言葉もあるように、注意すべき点もいくつかあります。
たとえば当初はSNSを活用して就活仲間と楽しく交流するはずだったのに、いつの間にかほかの人が積極的に就活する様子を目の当たりにして、不安や焦りを感じてしまうという話もよく聞きます。SNSはあくまでもその人の生活の一部分を取り上げているに過ぎないことを心得て、自分と他人を比べすぎることのないようにしましょう。
またSNSでは、多くの大学生と就活仲間になれるチャンスがある一方で、個人情報流出のトラブルもあるので注意しましょう。あらかじめ自分のプロフィールなど自分の個人情報を、どこまで公開するのかについて十分に考えたうえで設定するようにします。知り合って間もない就活仲間とは、個人情報を打ち明けすぎることのないよう安全にSNSを活用するようにしましょう。
SNSは誰もが活用できる便利なツールですが、使い方を誤るとストレスに感じたり、危険なものにもなってしまうため、使い方には十分注意してくださいね。
SNSを就活に有効活用する6つの方法
就活でSNSを活用するメリットについて学んだところで、次は有効活用するための具体的な方法を理解していきましょう。
せっかくメリットを理解していても、活用方法をきちんと理解しておかなければSNSが持つ強みを十分には発揮できません。上手に使いこなして就活に活かすため、以下の例を参考に自分の目的に応じた使い方を試してみてください。
①企業アカウントから情報を得る
従来の就活では企業の情報はその企業のホームページや就活情報サイトから得るのが当たり前でしたが、SNS利用者が増えるにつれ、近年はSNSでの情報発信を重視する企業が増えています。
中には新卒採用専用のアカウントを開設しているような企業もあり、そこでは説明会の日程やインターンシップの募集情報のほか、オフィス内の雰囲気や社員の日常といったリアルな情報が発信されています。
特に、いろいろな企業を知って比較検討するような段階では、わざわざ説明会に足を運ぶ手間がかからないため、SNSの企業アカウントから情報を得るのが最も効率的な手段と言えるでしょう。
②社員のアカウントから情報を得る
SNSには企業の公式アカウントはもちろん、企業名を公表した社員の個人アカウントも数多く存在します。公式アカウントだと告知ばかりになりがちなSNSも、個人のアカウントとなると企業の裏事情が伝わるような個性あふれる情報を得られるでしょう。
たとえば、社員自身の働く様子や趣味などを公開していると、会社の雰囲気がわかりやすくて一気に親近感が湧きますよね。通常であれば説明会やインターンシップに参加しないとつかみにくい職場の雰囲気も、社員の個人アカウントからある程度読み取ることが可能です。
キャリアアドバイザー
社員の個人アカウントから得られる情報は、企業風土と自分の相性を確かめる意味でも非常に有用です。気になっている企業があれば、どんな人たちが働いているのかSNSを通してのぞいてみましょう。
③同じ就活生と情報交換をする
SNSでは自分と同じタイミングで就活を進めている仲間が就活について投稿しているので、ダイレクトメッセージやリプライ機能を使ってコンタクトを取り、情報交換することも可能です。
とにかくやることが多くて大変な就活でも、同じような悩みや問題を抱えている仲間がいるとわかれば、とても心強いですよね。年上のキャリアアドバイザーには相談しづらい悩みも少なからずあると思いますから、そんな時はSNSを活用して同年代の仲間同士で相談しあうのがおすすめです。
たとえばTwitterだと、「#25卒」「#就活生とつながりたい」といったハッシュタグを活用したワードで検索をかければ、同じ境遇に置かれた仲間との交流を求めている就活生を簡単に見つけられますよ。
④口コミから優良企業を探す
企業探しでもSNSは有効な手段の一つです。たとえば、「企業名+残業」や「企業名+給料」などのように検索をかけることで、多種多様な業界の企業に関する口コミを見つけられます。
- 経営者や役員の名前
- 商品、サービスの名前
- 部署、支店名
もちろんSNSに投稿されている口コミのすべてが正しい情報であるとは限りませんが、複数の企業を比較検討するうえでの参考になります。2つの企業どちらの選考に進むか悩んでいるのであれば、批判的な口コミが多い企業より、高く評価する口コミが多い企業の方を選びたいですよね。
キャリアアドバイザー
「口コミを鵜呑みにしない」としっかりと頭に入れたうえで、企業選びの参考にしてみましょう。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
SNSは手っ取り早く情報収集したいときに大変便利なツールですが、匿名で誰もが気軽に発信できることから、話が盛られていたり事実を大きく歪められていたりする場合もあるので注意が必要です。一つのSNSからの情報だけで決めつけるのではなく、掲示板や口コミサイトなど網羅的にチェックすることをおすすめします。
担当した学生の中には、SNSで「残業が多い」との投稿を見て不安に思ったものの、OB・OG訪問で直接社員に確かめると「たしかに決算期は残業が増えるけど、年々システムが構築され改善が図れている」といった新たな情報が得られたそうです。このように、SNSでの疑問や不安があった場合には、リアルな情報で確かめることも必要ではないでしょうか。
SNSの情報は、すべてが正しい情報とは限らないため、さまざまな角度から多面的に情報収集することをおすすめします。
⑤就活情報アカウントから就活イベントを知る
就活でSNSを活用すると、就活情報アカウントから就活イベントに関する最新の情報を得られます。企業や就活情報のサイトだと、「既に終了したイベントの情報がまだ記載されている……」というケースもよくありますが、リアルタイムでイベント情報が投稿されるSNSではそのような心配はありません。
また、就活情報を発信しているアカウントをフォローしておけば、今後開催予定の就活イベントのスケジュールや応募締切日時などを常にチェック可能です。あらゆるイベントの情報を一括管理できるので、知りたい情報を見逃すリスクを軽減できます。
キャリアアドバイザー
最新の情報をいち早く入手できるのはSNSの大きな強みです。重要なイベントに参加し損ねないよう、就活情報アカウントの投稿を情報収集に役立てましょう。
⑥Instagramのハッシュタグで就活ハウツーを見る
Instagramには「#」を付けて検索すると、キーワードに関連する投稿が表示される便利な機能が搭載されています。このハッシュタグ検索はFacebookやTwitterでも可能ですが、投稿が画像の一覧で表示されるのはInstagramならではの特徴です。
たとえば「#面接」で検索をかければ、「採用担当がイヤがるダメなES」「人事が苦笑いする恥ずかしい言葉づかい」といったタイトル画像の投稿が出てくるので、自分が知りたい情報を素早く得られます。
キャリアアドバイザー
文字ばかりだと理解するのが大変ですが、Instagramのように画像付きで勉強できれば、就活ハウツーも楽しみながら学べるはずです。「 #自己分析」や「 #面接」など、気になるワードをハッシュタグ検索してみましょう。
実名のSNSアカウントで企業にアピールするのもアリ
情報集め以外の活用方法では、実名のアカウントを使って企業にアピールするのも効果的です。プロフィール欄の経歴や挨拶文を充実させたり、志望する職種に関係のある成果物を投稿したりして、企業の目に留まるようアピールしてみましょう。
必ずしも自分が志望する企業の人事に見てもらえるとは限りませんが、あまり名の知られていない中小企業やベンチャー企業など、さまざまな企業からオファーをもらえるチャンスも増えますよ。
人事に見てもらいたい実績や成果物を投稿する
実名のSNSアカウントで実績や成果物を投稿しておくと、もしも人事に見てもらえた場合、非常に効果的なポートフォリオになります。特にクリエイター職を志望する人は以下の成果物をアピールしてみましょう。
- イラストやロゴ
- アニメーション
成果物のほか、あなた自身の人柄が読み取れるような写真・動画の投稿も効果的です。
- 旅行先での写真
- 大学やアルバイト先での様子
- ボランティア参加時の写真
例のような成果物や自分の経験は、面接の限られた時間内ですべてアピールするのは難しいものですが、SNSでは面接などでアピールしきれない情報も発信することが可能です。
ポートフォリオを紹介する必要がある方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
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企業アカウントをフォローして志望度の高さを伝える
相手の設定にもよりますが、ほとんどのSNSではフォローすると相手にその通知が届く仕組みになっています。企業アカウントをフォローするというのは、その企業に少なからず興味を持っているという意志の表れですから、企業にも自分の投稿を気にかけてもらえる可能性が高まります。
もちろん露骨に企業を褒めるような投稿やダイレクトメッセージを送っても大きなアピールにはなりませんが、企業が採用する価値のある人材だと感じるような実績や能力をアピールできれば、志望度の高さを相手に伝えられるでしょう。
フォロワーの数で集客力やマーケティング能力をアピール
SNSのフォロワー数の多さは、集客力やマーケティング能力などの「発信する力」のアピールにつながります。「インスタ映え」という言葉が流行したように、特に写真や動画がメインコンテンツのInstagramは、アパレルやコスメ、食品といった写真向きの商材との親和性が高めです。
SNSの特徴を活かしたマーケティング活動に注力する企業が増えている現代では、フォロワー数が増えれば増えるほど宣伝効果が高まり 、マーケティングツールとしての力を発揮しやすくなります。
そのため、一見就活とはまったく関係なさそうな「SNSのフォロワー数」が、選考でのアピール材料となり得るのです。
企業によってはフォロワー数の多さが有利になることも
以前はプライベートのコミュニケーションツールにすぎなかったSNSですが、「インフルエンサー採用」に代表されるように、選考を有利に進める武器になるケースが出てきました。
インフルエンサー採用とは、SNSのフォロワー数によって選考過程を優遇する制度のこと。実際にインフルエンサー採用枠を設けている企業の事例を見てみましょう。
- 株式会社オンデーズ(メガネ、サングラスなどを製造販売する企業)
条件:SNSのフォロワー数が10000人以上
特典:選考一部免除・優遇、優先的に最終面接に案内
人事が学生のSNSをチェックする理由
就活生
本当に人事は学生一人ひとりのSNSをチェックするのですか?
キャリアアドバイザー
すべての企業がSNSを見ているわけではありませんが、最近はコンプライアンスの観点から学生のSNSをチェックする企業が増えています
なぜ人事は学生のSNSをわざわざチェックするのでしょうか。人事の目的を知り、もし自分の投稿を見られても問題ないように必要な対策を取っておきましょう。
SNS活用力を見るため
近年はSNSを活用した事業や、企業そのものがSNSを中心とする業務を運用しているケースも増えてきています。また、顧客やユーザーのニーズの把握にもSNSの情報は役立ちます。SNSの活用力が高い学生は「情報感度が高い学生」として企業にも魅力的にうつる可能性も高いです。
SNSの活用は自己ブランディングの手法の一つでもあるので、企業としては学生がどのようにSNSを活かして自分自身を発信しているのかを見たいという側面もあるでしょう。
学生の人柄を知るため
人事がSNSをチェックするもっとも大きな理由でしょう。就活の場では好印象を持たれたいという気持ちから、必要以上に自分を作りあげている学生が多いため、人事はSNSの投稿から素の人柄を見極めようとしています。
特に近年は、迷惑行為を投稿するなどSNS上のトラブルが増えています。そこでコンプライアンスの観点から採用前に学生をSNSでチェックする企業が増えているのです。
常識的な範囲での遊びの写真や動画であれば問題ありませんが、悪ふざけがすぎる投稿は内定取り消しにつながる可能性もある点に注意してください。
SNSの投稿から学生の仕事に対する姿勢も窺い知ることができます。企業が仕事に対する姿勢を重視する理由はこちらの記事で解説しています。
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趣味趣向を知るため
学生のSNSから趣味趣向、つまり好きなものの傾向をチェックしています。チェックは現在・過去の投稿に限らず、フォロー相手や「いいね!」を押したアカウントも対象です。
投稿の内容やフォロー相手の属性がわかれば、どんなことに興味を持っているのかが読み取れ、価値観や人柄もある程度見えてきますよね。
また、趣味趣向のチェックはポジティブな面だけでなくネガティブな面も対象です。たとえば、過去の投稿に差別発言や誹謗中傷が見られれば信用が下がりますし、過激な発言をしている投稿に「いいね!」を押していても信用は下がります。
キャリアアドバイザー
本名のアカウントを使っていればなおさら人事に見られる可能性は高まりますから、投稿はもちろん、信用が下がるようなフォローや「いいね!」をしていないか確認しておきましょう。
交友関係を知るため
企業によってはSNSを通してざっくりとした交友関係もチェックされている可能性があります。趣味趣向と同様に、こちらも人柄を見極めるためのチェックポイントの一つですね。
SNSでは投稿内容やフォロー相手から学生の交友関係を把握できるので、そこから「どのような友だちと遊んでいるのか」「何人ぐらい友だちがいるのか」といった点を確認しています。
一見こんなことを確認しても意味がなさそうに見えますが、アウトドアタイプの友だちが多いようであれば「社交的な学生なのかな」などと想像できますよね。もちろんすべての企業が当てはまるわけではありませんが、自分のイメージを形作る一つの要素になり得ることは十分意識しておきましょう。
志望度の高さを知るため
人事が学生のSNSをチェックするのは、志望度の高さを知る目的もあります。志望度が読み取れるような投稿例を見てみましょう。
- 企業研究を入念にしていることが伝わる投稿
- 説明会やインターンシップ参加時の感想
- 入社後のビジョンなど、将来的な考えが伝わる投稿
例のような投稿をして志望度の高さをアピールするのは一つの方法ですが、褒めた企業以外の人事からは「自社は第一志望ではない」と捉えられるリスクがある点には注意が必要です。特に複数の企業を比較して、一つの企業を持ち上げるようなやり方は不快感を与えかねないため、SNSで企業名を出すときは細心の注意を払いましょう。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
SNS投稿では「ポジティブさ」や「アクティブさ」が感じられる内容だと人事から好印象を持たれやすくなる傾向があります。
SNSでは日常の出来事を投稿する人が多いと思いますが、その中でもたとえば友人の誕生日パーティーで盛り上がっている写真などは「明るい人柄」が人事に伝わり、好印象を得られるケースがあります。
履歴書は文字情報がメインですが、SNSでは沢山の写真を見ることができ、就活生の人柄がイメージしやすくなるとも言われています。自分が心から「楽しい」「面白い」と思ったことをポジティブに投稿してみると良いですね。
学外活動として何をしているのかも興味の的。人間性も伝わりやすい
またアクティブさについては、人事は就活生が大学の外ではどのような活動をしているのかも関心を持っています。留学や旅行など大きなイベントは行動力のある印象を持たれアピールにもつながるでしょう。ほかにも地域の清掃活動やボランティアなど、日々取り組んでいることを投稿することで自分の人間性も伝えることができると思います。
充実した大学生活を送っている様子がわかるSNSは魅力的で、人事から好印象を持たれるのではないでしょうか。ぜひ意識的に投稿してみましょう。
選考に悪影響が出るかもしれないSNS投稿
SNSは活用方法次第で自分の魅力をアピールできる一方、投稿の内容によっては選考に悪影響を及ぼすリスクがあります。
以下に挙げる3つの例を参考に、自分がSNSで不適切な投稿をしていないか確認しておきましょう。いずれにしてもSNSは人の言動を一方的に見るだけでなく、自分の言動も他の人から見られているという意識を持って扱うことが重要です。
社会常識に欠ける言動
社会常識に欠ける言動をSNSに投稿するのは好ましくありません。このような投稿は、周りの人に「自分はモラルに欠ける人間です」と宣言しているようなものです。
- 未成年での飲酒や喫煙
- 暴力行為
- 社会ルール、マナーの違反
- 学校内やアルバイト先での悪ふざけ
現在に限らず、過去に遡って検索される可能性もあります。これまでに社会常識に欠ける言動をしてしまっていないか確認しておいてください。「授業をサボって遊んでいた」「アルバイトを無断欠勤した」など、自分ではそれほど悪くない行動だと考えていたとしても、就活では致命的な失敗になることが十分に考えられます。
他人への暴言
軽い気持ちで投げた言葉でも、人事からすると「モラルに欠けた暴言」と捉えられる場合があります。特に最近は、芸能人が少しでも配慮に欠ける発言をするとすぐさま炎上するように、国家や人種、信仰に関する批判めいた発言に対して非常に敏感な社会になっています。
自分では少し友だちをからかっただけのつもりでも、周りから見れば暴言と感じられるケースがありますから、今一度、自分の投稿に暴言と思われそうな投稿がないか確認しておきましょう。
承認したアカウントだけが見られる設定の鍵アカウントでも、他の人とのやり取りでどんな投稿をしたか推測できる場合もあるので注意が必要です。
就活の愚痴
就活でSNSを活用する際にやりがちな失敗が、思わず就活の愚痴をこぼしてしまうことです。「やることが多すぎて大変」ぐらいの内容であれば問題ありませんが、企業や面接官に対する悪口、就活仲間への批判など、周囲に対するネガティブな発言は控えてください。
就活で生まれた大きなストレスをSNSで発散したくなる気持ちはわかりますが、SNSで愚痴をこぼせば他人を傷つけるばかりか、自分の印象を悪くするだけです。自分の投稿が周りの人にどう見られるのかをきちんと考え、発言一つひとつに責任を持ちましょう。
SNSで就活に失敗しないための注意点
就活生
就活でSNSを使うのが少し怖くなりました……。
キャリアアドバイザー
SNSは公の場であることをきちんと理解しておけば不安になる必要はありませんよ。バスや電車の中で周囲に配慮しながら行動するのと同じように、SNSでも相手を思いやる対応を心掛けてください。
「投稿内容によって選考に悪影響を及ぼすかも」と言われたら、少し不安になりますよね。そのため、安心してSNSを活用できるよう、前もってSNSで就活に失敗しないための注意点を知っておきましょう。
公の場であることを意識する
相手の顔が見えないので実感が湧きにくいかもしれませんが、SNSは不特定多数の人がいつでもどこでも自由に閲覧できる場所です。軽い気持ちで投稿した内容が就活の失敗につながるリスクがあると理解し、社会常識に欠ける言動や他人への暴言などを投稿しないようにしましょう。
また、個人情報や選考の詳細を漏洩するような投稿も厳禁です。セキュリティ意識の低さから入社後も情報漏洩のリスクが高い人だと判断され、選考での評価が下がってしまいます。ネガティブな投稿はしない、情報漏洩につながる投稿はしないなど、就活中は特にSNSの使い方に注意を払いましょう。
アカウントの公開範囲を限定させる
企業にSNSの投稿内容を見られたくない人は、アカウントの公開範囲を限定させるのがおすすめです。各SNSごとに設定を変えておきましょう。
- Facebook「公開範囲を限定」
実名登録なのでもっとも企業に特定されやすい。自分の投稿の公開範囲を「友達」「一部の友だち」などに変更し、場合によってはフォロー先の情報についても公開範囲を限定しておく。 - Twitter、Instagram「鍵アカウントにする」
アカウントに鍵をかけて投稿を閲覧できる人を限定する。Facebookと違って実名登録の必要がないので、特定できないようニックネームを使ったり、プライベート用と就活用のアカウントを使い分けたりするのも手。
過去のネガティブな投稿は削除する
決して企業はSNSを見てあなたの粗探しがしたいわけではなく、あくまでも社会人として問題ないか人間性を確認しているだけなのですが、以下のような投稿は消しておくべきです。
- 社会常識に欠ける言動
- 他人への暴言
- 就活の愚痴
- 個人情報や選考の詳細を漏洩するような投稿
もし上に挙げた投稿に心当たりがある場合は、本格的な選考が始まる前に削除しておきましょう。どれがネガティブな投稿にあたるのかよくわからないという人は、設定を変更して公開範囲を限定するという方法もあります。
SNSの情報をすべて鵜呑みにしない
就活生
すごくいきたい企業だったのに、ネットの掲示板での評価が気になってしまってモチベーションが上がらないや……。
業界や企業の情報、就活イベント情報、就活ノウハウなど、就活に関するあらゆる情報を得られるのがSNSの大きな魅力ですが、情報が多い分間違った情報も数多く存在します。
SNS上に出回っている情報の中には、情報源が明らかでないものや、信ぴょう性に欠けるものも多く混ざっていることを理解し、情報をすべて鵜呑みにしないようにしてください。何でもかんでも情報を信じて嘘や根拠のない情報を拡散してしまった場合、自分の信頼も損なわれてしまいます。
そのため、企業の公式アカウントの情報以外は、きちんと情報源を確認してから自分の就活に活かすようにしましょう。特に情報源のURLや根拠が記載されていない投稿には注意が必要です。
SNSは人事の目も意識しながら有効活用しよう
就活に関する情報収集のほか、履歴書やESに書ききれない自分の経験や能力をアピールできるのは、就活でSNSを活用する大きなメリットです。人事にSNSを見られることはリスクもありますが、これまでに紹介してきたポイントに注意しながら使えば、評価が落ちる心配はありません。
SNSであっても自分の言動にはきちんと責任を持ち、就活を効率的に進めるために有効活用していきましょう。
文字だけだとイメージしづらい部分がありますが、写真や動画があれば企業の雰囲気を把握しやすいですよね。「企業研究が面倒くさい」と感じている人も、Instagramであれば楽しみながら自分に合う企業を探せるかもしれません。