例文8選! 印刷業界の就活では課題と打開策を把握することが肝心

この記事のアドバイザー

目次

  1. 印刷業界は業界の課題を把握してから就職活動を始めよう
  2. そもそも印刷業界とは?
  3. 印刷業界の主な5つの職種
  4. ①企画職
  5. ②営業職
  6. ③技術職
  7. ④クリエイティブ職
  8. ⑤事務職
  9. 印刷業界が直面している4つの課題
  10. ①デジタル化への移行により市場が縮小傾向にある
  11. ➁大手2社による市場の寡占化が進んでいる
  12. ③ネット通販印刷の台頭により収益構造に悪影響
  13. ④コロナ禍により間接的な被害を受けている
  14. 今後の印刷業界を支える打開策
  15. 新しい分野での事業展開
  16. 海外事業の立ち上げに着手
  17. DXの導入を開始している
  18. 電子ペーパーなどの技術開発により環境問題にも対応
  19. 中小企業は特定分野に注力している
  20. 印刷業界の就職を有利にする自己分析・企業研究のコツ
  21. 自己分析により過去の体験を洗い出す
  22. 企業研究により企業特有の強みに触れる
  23. 印刷業界の志望動機を作成する際の4つのポイント
  24. ①印刷業界を選んだ理由を明記する
  25. ②その会社を選んだ理由を明記する
  26. ③志望動機の結論はビジョンを記載する
  27. ④自分が企業に貢献できるメリットを提示する
  28. 印刷業界の志望動機OK例文5選
  29. ①自分と会社の相性の良さをアピールしている
  30. ②会社に貢献できるメリットを提示している
  31. ③印刷業界への理解度が高さをアピール
  32. ④強い入社意欲がある
  33. ⑤入社してから印刷業界でやりたいことが明確化されている
  34. 印刷業界の志望動機NG例文3選
  35. ①同業他社との差別化がされていない
  36. ②自分を採用するメリットを提示できていない
  37. ③ビジョンに具体性がない
  38. 課題と展望を把握してから印刷業界への就職を検討しよう

印刷業界は業界の課題を把握してから就職活動を始めよう

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。印刷業界に興味を持つ学生から

「印刷業界は今後衰退する可能性はありますか?」
「今後のキャリアを考えて、選ぶべき業界でしょうか?」

といった悩みが寄せられています。Web媒体が主流となりつつある今、「印刷業界は斜陽産業になりつつある」と耳にしたことがある学生もいるかもしれません。しかし、現状を打開するための新規事業を打ち出せるやりがいのある仕事です。また、正しく印刷業界の課題を理解できている学生は企業から重宝されます。

この記事では印刷業界の現状や今後の見通しについて紹介しつつ、効果的な志望動機の書き方も例文付きで解説しますので、印刷業界を志望する学生はぜひ読んでみてくださいね。

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そもそも印刷業界とは?

  • 印刷業界:印刷物に関連した商取引と取引に付随した産業のこと。

印刷業界の主な業務内容は顧客から依頼を受けて、印刷物の企画や制作を専門的におこない、印刷して顧客に納品することです。

印刷業界で扱う印刷物は一般的に以下の7つに分類されます。

  • 出版印刷:出版社や新聞社などが発行する商業出版物を手がける印刷分野
  • 商業印刷:一般企業や団体の事業に使用される印刷物を手がける印刷分野
  • 証券印刷:商品券やチケット・カードなど金銭に関わる証書類やカード類を対象とする印刷分野
  • 事務用品印刷:名刺・封筒・手帳など事務用品を対象にする印刷分野
  • 包装印刷:包装紙・紙器・段ボール箱など包装・荷造り資材を扱う印刷分野
  • 建築材印刷:建材や布地へのプリント柄を扱う印刷分野
  • その他特殊印刷:電気・電子部品など工業製品を対象とする印刷分野

印刷業界の主な5つの職種

印刷業界の職種と聞いてピンとこない学生も多いのではないでしょうか。職種ごとの業務内容を知ることで、印刷業界の仕事が見えてきます。そこで、印刷業界の主な職種を5つ紹介します。

  1. 企画職
  2. 営業職
  3. 技術職
  4. クリエイティブ職
  5. 事務職

①企画職

企画職は企業の販促物にかかわる印刷物の体制や色・デザインの指定、装丁まで、ディレクション全般を担う仕事です。

顧客と企業と共同で企画をおこない、プロジェクトを進行します。

企画職がかかわる媒体
  • 印刷物:ポスター・宣伝用チラシ・パンフレットなど
  • 他の媒体:企業紹介映像・Webサイトなど

全体的なスケジューリングや市場分析で企画を進める役割だけではありません。

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キャリアアドバイザー

営業職がヒアリングしてきた顧客の要望をもとに、印刷物の内容を考えます。0からものを生み出す仕事ですね。

②営業職

印刷業界の営業職は既存顧客に対してのルートセールスがメインです。以前までの発注時期や頻度、金額を把握して事前に案内をします。

また、顧客から情報を集めて、印刷物の制作に役立てたり、要望に沿った新しい提案をしたりするのも仕事です。

クライアントの例
  • 官公庁
  • 出版業界の企業
  • その他一般企業

そのため、競合他社に負けない提案をおこない、企業にとって良いプロモーションを作るための足がかりになる職種ですね。

③技術職

技術職は既存の印刷技術を活用して、新しい製品を開発します。社内の人以外のさまざまな分野の人と連携をして、一つのプロジェクトを形にするのが目的です。

印刷技術が活用された新製品の例
  • フローリングや壁紙など建築材料のコーティング
  • スマートフォンの電池の製造
  • 調光フィルムなど視認性を瞬時に変更できる製品
  • カードや詩篇など利用されるホログラム

仕事を効率的に進めるような製品を作ったり、日常生活を便利で安全にする製品を開発したりするのが仕事ですね。

④クリエイティブ職

クリエイティブ職は、クライアントの要望に細部まで答えられるようにチームとして尽力しています。

クリエイティブ職の例と仕事内容
  • デザイナー:販促物のデザインをおこなう
  • ディレクター:企画職とともに詳細なデザインプランを立てる

企画職が作った企画書をもとにデザインしていき、顧客の要望を形にする重要な役目です。デザイナーは社内にいる場合とフリーのデザイナーに業務委託する場合がありますね。

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キャリアアドバイザー

クリエイティブ職は小規規模な企業の場合は企画職が兼任していることもあります。

⑤事務職

事務職は書類作成からデータ入力、来客・電話対応など幅広い業務をおこないます。印刷業界では、品質管理なども手がける可能性がありますね。

品質管理では出来上がった印刷物のミスがないかをチェックします。中小企業の場合は人事や総務などの業務も任されるかもしれません。

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キャリアアドバイザー

事務職は他の職種と比較して、専門的な知識や資格が必要なかったり、残業時間が短い傾向があったりします。

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印刷業界が直面している4つの課題

印刷業界が直面している4つの課題

経済産業省の調査によると、2019年の印刷・同業関連業の製造品出荷額は約4兆8,270億円でした。ここ数年は5兆円を維持していましたが、4兆円に落ち込んでいるのが現状です。売上が低迷しているため、やはり課題もあります。印刷業界が直面している課題を5つ紹介します。

①デジタル化への移行により市場が縮小傾向にある

「印刷業界は斜陽産業だ」と耳にしたことがある学生も多いのではないでしょうか。

インターネットの普及や電子書籍の登場などデジタル化への移行により、市場が縮小傾向にあります。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の調査によると、2020年の紙市場は前年比1.0%の減少に対して、電子出版市場は28.0%の増加でした。

また、社員にタブレット端末を支給して、報告書をデジタル化するなどペーパーレスを推進している企業が多いのも原因です。市場の縮小は止まらず、今後も厳しい状況が続くかもしれません。

➁大手2社による市場の寡占化が進んでいる

現状、印刷業界は大手2社の凸版印刷と大日本印刷による市場の寡占化が進んでおり、この2社だけで市場全体のシェアを大きく埋めています。このような市場の寡占化が起こると、出版社や新聞社などエンドユーザーの発注が大手企業へ集中してしまうため一部の中小企業は売り上げが減少し、厳しい経営状況に置かれています

③ネット通販印刷の台頭により収益構造に悪影響

ネット通販印刷の台頭により収益構造が変化しています。ネット通販印刷はその場ですぐに発注できる利便性から、ビジネスの場面でも利用する企業が増加中です。

結果的に以前、地元の企業が請け負っていた仕事が他地域のネット通販印刷をおこなう企業に流れています。多くの出版会社は対抗策として値下げをおこなう状況に陥っていますね。

④コロナ禍により間接的な被害を受けている

新型コロナウイルス感染症の拡大を避けるため、商談や会議がオンラインに移行した企業も多くあります。現在は感染拡大時に比べて状況は落ち着いたものの、以前よりも名刺交換や書類のやりとりが割愛されることは多くなりました。

こうした社会の変化によって、売り上げなどに影響を受けている印刷会社も少なくないでしょう。

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自分の適職・適さない職業を知ることで、自信を持って就活を進めましょう。

今後の印刷業界を支える打開策

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就活生

印刷業界への就活は辞めておこうかな……。

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キャリアアドバイザー

それはもったいないです! 印刷業界では今課題に向けてさまざまな取り組みがおこなわれているところなんですよ。印刷業界だからこそ経験できることもあります。

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就活生

なるほど……。課題に向かって常に工夫していくのは面白いかもしれませんね!

現状、印刷業界には課題があることは事実です。しかし、課題があるのは印刷業界に限ってのことではなく、どの業界にも必ず乗り越えるべき課題や問題はあるでしょう。また課題があるからこそ、解決に向けて挑戦できることもあるでしょう。ここでは印刷業界が力を入れている打開策を解説します。

新しい分野での事業展開

印刷業界では印刷事業以外の新しい分野の事業展開で利益を出そうと考えている企業が多いです。事業展開の領域は大きく分けると、以下の3つになります。

  1. 情報コミュニケーション領域
  2. 生活・産業領域
  3. エレクトロニクス領域

情報コミュニケーション領域

情報コミュニケーション領域では出版・セキュリティ分野を中心に新事業を展開中です。

たとえば、出版分野では電子ブックなどデジタルコンテンツの販売・企画に注力しています。なかでもセキュリティ分野はクレジットカードのペーパーレス申し込みの仕組みを開発したり、顧客情報をクラウド上で管理するシステムを提供したりしています。

生活・産業領域

生活・産業領域の新しい事業展開は、包装に関する分野ですね。たとえば、食品・飲料ペットボトルなどパッケージや包装に注力しています。特に大日本印刷が海外事業で進めていく予定なので、今後伸びていくかもしれません。

エレクトロニクス領域

エレクトロニクス領域では、半導体分野とディスプレイ分野で新規事業が生まれています。

たとえば、半導体用のマスクを生産したり、タッチパネル用の装置やカラーフィルタ、反射防止フィルムを提供したりしています。特にディスプレイ分野の新規事業はスマートフォンの生産で役立つため、今後も伸び続ける事業かもしれません。

海外事業の立ち上げに着手

将来的には海外で働きたい学生もいるのではないでしょうか。現在は大手企業が海外事業の立ち上げに着手しており、印刷業界でも海外でのビジネスに携われるのです

たとえば、凸版印刷は今後の高い成長が見込めるインドネシア・ベトナム・ミャンマーを中心に事業拡大を図ったり、ASEAN諸国のデジタル化支援を進めたりしています。

また、大日本印刷はアジア・欧州での展開を進めており、今後は東南アジアの包装事業やICカード事業を強化する予定です。

DXの導入を開始している

DX( デジタルトランスフォーメーション)とは
  • 進化したIT技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革させるという概念

今後の印刷業界を支える打開策として、DXの導入を開始しています。

事実、東証一部上場企業のラクスルは、全国の印刷会社が保有する印刷機の空き時間を利用したシェアリング・エコノミー型サービスをスタートしました

加えて、全国の印刷会社とリアルタイムで取引できる発注プラットフォームもリリースしており、印刷業界は更に業務の幅を広げていますね。

電子ペーパーなどの技術開発により環境問題にも対応

印刷業界では電子ペーパーなどの技術開発により環境問題にも対応しています。

なぜなら、紙資源の浪費やインク生成におけるエネルギー消費は持続可能社会実現に向けて逆行したものと捉えているためです。

SDGsなどの国際的な取り組みやESG投資などの台頭により、企業は環境問題に対処していくかを経営で意思決定していかなければなりません

今後は電子ペーパー技術開発や環境に優しい製品作りが加速していくでしょう。

中小企業は特定分野に注力している

「市場の寡占化が進んでいる印刷業界で中小企業は生き残れないのでは?」と考える学生もいるかもしれません。

しかし、中小企業は特定分野に注力している生き残り戦略をおこなっています。

中小企業が得意とする特定分野
  • スクリーン印刷用製版に特化する
  • 電子より繊細な色彩を表現する
  • 医療・化粧品のパッケージ印刷を中心に事業を展開する

得意分野へ特化することで売り上げを確保できたり、企業間の業務提携が結べたりします

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キャリアアドバイザー

このような取り組みは年平均成長率や営業利益率が好調な中小企業に多いですね。

印刷業界の就職を有利にする自己分析・企業研究のコツ

印刷業界の就職を有利にする自己分析・企業研究のコツ

印刷業界への就職を検討している学生は自分と印刷業界に接点を探しましょう。それを自己分析・企業研究で意識することで、書類選考の作成や面接の返答で役立つはずです。印刷業界の就職を有利にする自己分析・企業研究のコツを紹介します。

自己分析により過去の体験を洗い出す

自己分析をする際は、時系列順に出来事を書き出してから以下のような質問を投げかけていくのがおすすめです。

質問の例
  • 印刷業界のことを知ったきっかけは?
  • Web業界よりも印刷業界に引かれたのはなぜ?
  • 自分は紙媒体のどこに魅力を感じている?

自分の強みや価値観を把握しておくと、仕事を選ぶ際の良い材料になりますよ

体験から印刷業界にかかわりたい理由を明確化する

企業は志望動機から学生の熱意を見極めて、長期的に企業へ貢献できる人材かをチェックしています。たとえば、学生時代に部活動で課題を何度も解決してきた人は、印刷業界で同じような状況にあっても立ち向かえる可能性がありますよね。

また、他の業界と差別化して、「必ずこの業界で働きたい」という熱意が必要です。いくらハイスペックな人材でも印刷業界で働きたい理由が明確ではないと、内定辞退される可能性が高いと懸念され、採用を避けられてしまうかもしれません。

そのため、体験から印刷業界にかかわりたい理由を明確化しましょう。

企業が求める人物像を把握する

企業の風土に馴染める人材でないと、入社後に短期離職してしまう可能性があります。短期離職は、学生側は経歴に傷がつき、会社側は採用コストが無駄になってしまうというデメリットを双方にもたらします。そこで採用担当者は企業とマッチした人材を求めています。企業の求める人物像は、募集要項や企業の公式採用サイトの活躍する社員のインタビューなどから把握できるでしょう。

企業が求める人物像の例
  • 協調性がある
  • 問題解決能力が高い
  • コミュニケーション能力がある など

もちろん、上記のような特徴以外にもさなざまな人物像がありますので事前のリサーチは必須です。

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キャリアアドバイザー

ただ、印刷業界は新規事業を展開している背景から、基本的にはチャレンジ精神・主体性・粘り強さが強みの人材を求めていると予想できますね。

企業研究により企業特有の強みに触れる

同業他社にも言えるような内容では志望度が低いと判断されてしまう可能性があります。そこで志望度の高さをアピールするために、企業特有の強みを盛り込むのがおすすめです。

たとえば、企業が力を入れている事業を調べたり、今後の事業戦略を把握したりしておくと応募先企業ではないといけない理由になるかもしれません

そのため、志望動機では企業特有の強みに触れてみてくださいね。

どんな事業に携わりたいのかを把握する

どんな事業に携わりたいのかを把握しておきましょう。なぜなら、企業特有の事業はエントリーシートの作成や面接での返答で役立つためです。

しかし、既存の事業は他の担当者がいると言われてしまう可能性があります。そのため、応募先企業の事業を参考に、携わりたい企業を考えてみましょう。

とくにWeb業界との違いを明確にする

とくにWeb業界との違いを明確にすることをおすすめします。Web業界は印刷業界となにかと比較される機会が多いため、違いもしっかりこたえられるようにしておきたいですね。

Web業界では実現できないけれども印刷業界なら実現できることを伝えられると、志望度の高さが伝わるかもしれません。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな時におすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけあなたの強み・弱みを分析したうえで、合う仕事・合わない仕事を診断できます

早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

高橋 宙

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応募企業の印刷物から求められる人物像をリサーチ

企業研究では、応募企業がどんなものを印刷しているのか調べるのもおすすめですよ。応募企業の印刷物を把握することで、どんな人材が求められているか想像しやすくなるからです。

印刷会社は、書籍、美術館のポスター、企業パンフレット、食品業界のパッケージなど、さまざまなものを印刷しています。美術館のポスターの印刷では色の出具合などをしっかりチェックする芸術家肌の人が評価されることがありますし、企業パンフレットの印刷ではクライアント企業とのやり取りがあるためビジネスマナーのキチッとした営業職タイプの人が好まれる場合もあります。

これらすべてを受注して印刷している印刷会社もあれば、ジャンルや業界に特化した印刷会社もあります。応募企業の印刷物を調べて求められる人材像を探るのもおすすめの企業研究のやり方ですよ。

印刷業界の志望動機を作成する際の4つのポイント

印刷業界の志望動機を作成する際の4つのポイント

印刷業界の企業ならではの志望動機でないと内定を獲得するのは難しいかもしれません。その際は闇雲に作成せず、印刷業界の志望動機を作成する際のポイントに沿って仕上げるのがおすすめですよ。

①印刷業界を選んだ理由を明記する

業界の特徴を踏まえて、印刷業界を選んだ理由をアピールしましょう。

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就活生

印刷業界に入って、紙媒体ならではの書籍や雑誌の広告分野に携わりたいです!

他の業界でも実現できることを伝えてしまうと、評価が下がってしまいます。そのため、印刷業界特有の内容で志望度の高さをアピールしましょう

②その会社を選んだ理由を明記する

その中でもその会社を選んだ理由をアピールしましょう。前述した通り、印刷業界の業務は多岐に渡ります。

会社を選んだ理由の例
  • 包装分野など他社が着手していない伸びそうな分野に着手しているため
  • 経営の上手さや社員が効率的な仕事ぶりが利益率の高さから分かったため

そこで印刷業界の中でも応募先企業だから志望した理由が必要です。企業独自の強みを触れた志望動機に作成しましょう。

③志望動機の結論はビジョンを記載する

志望動機の結論はビジョンを記載してみてください。「キャリアビジョンを明確に記載できる=長期的に貢献したいという意思がある」と捉える企業もあるでしょう。

たとえば、「英語書籍の販売を中心とした貴社で英語力を活かした業務に携わり、将来的に海外企業に御社の書籍を販売したい」など5年後のビジョンを語るのも良いですね。

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キャリアアドバイザー

キャリアビジョンが明確だと企業側は短期離職される心配が減り、採用に踏み出しやすくなるかもしれません。

④自分が企業に貢献できるメリットを提示する

仕事で活躍できる強みを提示して、その強みがどのように印刷業界の業務で役立つのかを伝えるのもおすすめです。

企業は自社の業績に貢献できる人材を求めています。採用担当者に具体的に活躍している姿をイメージしてもらうことが大切です。

そのため、企業の人物像に合った人材であることを伝えるとともに、自分が印刷業界での業務に再現性のある強みを持っていることをしっかりと伝えましょう

塩田 健斗

キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる

出版業界や広告業界でなく印刷業界が第一志望と伝える

印刷業界ならでの志望動機作成の注意点は「印刷業界が第一志望」と伝えることです。印刷業界は出版業界や広告業界志望の学生が応募することも多いからです。

印刷業界は書籍やパンフレットを印刷することが多いですよね。「書籍などの紙媒体が好き」という学生も応募する傾向にあります。

また商品パッケージの魅力で販促につながることもあるため、広告代理店のような仕事がしたい学生も目指すことはあるんですよ。印刷業界に入って実務を学んだ後、出版業界や広告業界に転職する方もいます。
そのため出版でもなく広告でもなく「印刷業界を志望している」ことを伝えましょう。会社にもよりますが印刷業界ならではの魅力は、企画制作にくわえ、流通から販促にまで携われることです。

また、商品パッケージの印刷を通じて、商品を完成させ、世の中に広く流通させるお手伝いができることも特徴といえます。そのような印刷業界ならではの業務に魅力を感じていること、だからこそ印刷業界が第一志望であることを志望動機で伝えるようにしましょうね。

印刷業界の志望動機OK例文5選

印刷業界の企業に面接で志望動機を伝える際のOK例文を5つ用意しました。前述したポイントを網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。

①自分と会社の相性の良さをアピールしている

例文

私は印刷業で新規事業へ着手したいと考え、御社を志望しました。御社は他の企業と差別化を図るために先手先手で技術開発したり、事業領域を拡大させている姿勢が、就活を進める中で他の企業と比べてもとても印象的でした。

私は学生時代に文化祭実行委員長として前年度にないイベントにすることをモットーとしてきました。大学時代に差別化を図ってきた能力を活かして、他社にはない新規事業を企画していきたいと考えています。今後はお客様の潜在ニーズを刺激できるようになり、活躍したいと考えています。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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キャリアアドバイザー

企業の差別化を図る力と自分がやってきた経験を紐付けて相性の良さをアピールできていますね。新しいことを画策していかないといけない印刷業界では挑戦心のある人材は重宝されるでしょう。

②会社に貢献できるメリットを提示している

例文

私は印刷業で海外事業にかかわりたいと思い、御社を志望いたしました。夏に参加した御社のインターンで、御社は海外企業が強い分野である包装分野を強化する目的で、アジア・欧州での展開を進めているとお聞きしました。

私はアメリカの高校に通い、留学も経験しているため、英語力に自信があります。日本語と同じテンポで話せるため、相手のニーズを正確に読み取りながら、商談をおこなえます。通訳として商談に同行することも可能です。この強みを活かして、御社での海外事業の一端を担いたいと考えています。

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企業が今後伸ばしていきたい分野で自分のスキルが役立つとしっかりアピールできていますね。この人を採用すれば、企業の英語力の底上げにもなるなど採用担当者が採用するメリットを思わず考えたくなる内容です。

就活で英語力をアピールしたい学生はこちらの記事も読んでおきましょう。

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③印刷業界への理解度が高さをアピール

例文

私は市場の寡占化を止めたいと思い、御社を志望しました。今の印刷業界では大手2社へエンドユーザーの発注が集中している状況です。私は環境に優しい製品作りに強い魅力を感じており、今後需要がある事業を大手2社より早く着手しているケースにも将来性を感じました。御社の御社は業界順位5位以内につけており、この寡占化を止められる可能性があると考えています。

私は大学時代、部活動で無名の状態からバドミントンのインターハイに出場しました。今は寡占化を止めるのは難しいかもしれません。しかし、大学時代に培った強者に挑む際の戦略の立て方を活かして、将来的には御社の躍進に一役買いたいと考えています。

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事例をよく調べており、印刷業界への理解後の高さが伝わりました。ただ、寡占化を受け入れている企業が多いので、改善するという目標は現実的ではないかもしれません。しかし、将来的なビジョンとすれば、志望度が高い学生だという印象に変わりますね。

④強い入社意欲がある

例文

私は印刷技術を活用して多くの業界や人の役に立ちたいと考え、御社を志望しました。御社の印刷技術を使用すれば、ポスターの印刷から顧客情報をクラウド上で管理するシステムまで作成できます。私はこれほどまでに利便性の高い技術を知りません。これは御社の先輩が積み上げてきた努力の結晶だと思います。

私は大学時代の野球部で主将を任された際に、先輩が残していった伝統に助けられました。その後は自分の後輩に残せる技術を教えて、部をレベルアップさせることに尽力してきました。学生時代の経験を活かし、御社の技術を活用して新しい技術として再構築したいと考えています。将来的には印刷業界にしかできない技術を開発して、業績に貢献したいです。

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会社特有の事業も把握しており、積み上げてきたものをさらに更新したいという強い入社意欲を感じられます。どんな課題にぶつかっても、目標達成のために試行錯誤してくれそうな期待が持てる内容ですね。

入社意欲として「第一志望です」と伝える方法についてこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

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⑤入社してから印刷業界でやりたいことが明確化されている

例文

私は印刷の立場から出版業界をサポートしていきたいと考え、御社を志望しています。御社は高い印刷技術により出版印刷の割合が高いのが魅力です。加えて、地元書店とのつながりが強く、ポスターも手がけていることを知りました。

私は大学時代に書店でアルバイトをしており、数多くの書籍に触れて感動してきたことはもちろん、鮮やかな書籍の告知ポスターに惹かれていました。感動を伝播させるためにPOPの作成をおこなった書籍は数日で完売しました。御社では熱量を適切に伝える能力を活かして、ポスター分野で注力していき、地域の書店の火を灯すために活躍したいと考えています。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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ビジョンが明確化しており、短期離職の心配がいらないので採用に踏み切りやすいです。ただ、本に関するテーマは「出版業界の方が良いのでは?」と質問される可能性が高いので、面接官が納得するような回答を用意しておきましょう。

印刷業界の志望動機NG例文3選

印刷業界の企業に面接で志望動機を伝える際のNG例文を3つ用意しました。前述したポイントが網羅できていないと、印象が悪化してしまう可能性が高いです。こちらは反面教師にしてみてくださいね。

①同業他社との差別化がされていない

例文

私は幅広い業界とかかわりたいと思い、御社を志望しました。印刷業界では出版業界だけでなく、他の企業とのプロモーションに携われます。御社は印刷を通して多くの人の役に立っており、今後の将来性のある事業にも着手しています。

私は学生時代はバスケットボールサークルでサークル長を務め、毎回どうやって参加者を集めるかに尽力していました。会報を買いたり、呼びかけをしたりして結果、ほぼ毎回全員が参加してくれるようになりました。学生時代の経験を活かして、お客様の抱えている課題を解決していきます。

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業界・企業に対する内容が薄いため、企業研究不足な印象を受けました。志望動機がありきたりな内容だと、志望度が低い=短期離職を起こしやすいと考えられ、採用を避けられてしまうかもしれません。

②自分を採用するメリットを提示できていない

例文

私は御社が積極果敢に事業拡大する姿勢に感銘を受け、志望しました。御社は電子ブックなどデジタルコンテンツの販売・企画や半導体マスクなど前例のない事業に着手しています。印刷業の大手という立場にあぐらをかかずに、常に可能性を探っていく姿勢がトップに君臨する理由だと感じました。

私は学生時代から継続力が武器です。中学時代から続けている吹奏楽では最近のコンクールで金賞を受賞しました。この経験を活かして、素晴らしい先輩のいる御社で活躍したいと思います。

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キャリアアドバイザー

企業を褒める内容になってしまい、自分をほとんどアピールできていません。企業は長期的に業績へ貢献できる人材を探しているため、自分を採用するメリットを提示する必要があります。この例では継続力を活かしたメリットを提示すべきですね。

③ビジョンに具体性がない

例文

私はものづくりがしたいと考え、御社に志望しました。御社のデザインはどの印刷会社よりも顧客のニーズを第一に考えられたものが多く、商業クリエイターとして手本にすべきだと思いました。就活の際に社内デザイナーであることを知り、自分もこんな仕事がしたいと考えました。私は学生時代、グラフィックデザインを学び、スキルには自信があります。御社では将来的にデザイン力を活かして、業績に貢献したいと思います。

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キャリアアドバイザー

学生は社会人と比べてしまうと、即戦力のスキルではない傾向があります。そこで面接官は企業との相性を把握するため、スキルより強みを知りたいのです。そのため、この会社で将来やりたいことを伝えた方が長期的に定着できる人材だと判断されやすいかもしれません。

鴨川 未奈

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クリエイティブに偏りすぎる志望動機は避ける

ほかに挙げられる印刷業界のNG例としては「クリエイティブな仕事がしたい」という気持ちを全面に出し過ぎることです。デザイン力のある人材は貴重ですが、お客様や同僚と連携して仕事を進められる人材のほうが求められる傾向にあるからです。

とくに職種別採用でない場合は営業職などに配属される可能性もあるため、クリエイティブだけに重きを置いて志望動機を書くのは望ましくありません。クリエイティブ職で採用される時もデザイン力や発想力にプラスしてコミュニケーション能力は求められます。

印刷業界はB to B to Cという企業と個人のお客様をつなぐ橋渡しのような役割を担っています。また担当業務によっては、クライアントから印刷の依頼を受けて工場の部署に発注するなど、関係各所と協力して仕事を進めることも少なくありません。

そのため、デザイン力やセンスなどクリエイティブな部分にフォーカスしたアピールは避けるようにしましょう。業界・企業研究をじっくりおこなったうえで、印刷業界やその企業で共通して求められる素質について伝えられると良いですね。

課題と展望を把握してから印刷業界への就職を検討しよう

印刷業界への就職を検討している場合は、課題と展望を把握しましょう。印刷業界で働く自分の姿を想像すれば、マッチするかがわかるかもしれません。

また、印刷業界の課題と展望を把握しておけば、面接でも課題に対しての具体的な解決策の提案ができたり、志望動機に絡めることで入社意欲の高さをアピールできますよ。

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