目次
- データサイエンティストの人気が高まっている
- データサイエンティストとは
- ビッグデータなどから課題解決へと導く
- データアナリストとの違い
- データサイエンティストの仕事内容
- 課題抽出
- データ収集、分析
- 課題解決
- 新卒でもデータサイエンティストになれる?
- 新卒の需要も高まりつつある
- 理系が有利だが文系出身者でも目指せる
- 理系は大学院進学も視野に入れる
- 新卒必見! データサイエンティストの就活先
- 事業会社
- データ分析会社
- コンサルティングファーム
- 新卒でデータサイエンティストの選考を突破する4つのコツ
- ①職種別採用を受ける
- ②長期インターンシップに参加する
- ③KaggleやSIGNATEのコンペに参加する
- ④OB・OG訪問をする
- データサイエンティストに向いている人の4つのタイプ
- 数字やデータに興味がある人
- 課題解決が得意な人
- 学習意欲が高い人
- コミュニケーション力が高い人
- データサイエンティストに活かせるスキル
- プログラミング
- 統計学の知識
- 数学の知識
- 機械学習の知識
- データサイエンティストの就活に活かせる資格
- データサイエンティスト検定
- 基本情報技術者試験
- 統計検定
- 対策を徹底し新卒からデータサイエンティストを目指そう
データサイエンティストの人気が高まっている
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「データサイエンティストって新卒でもなれますか? 」
「どんな人がデータサイエンティストに向いているか教えてください! 」
IT業界に興味のある学生からこのような質問が多く寄せられています。ビックデータの分析や活用が注目されている影響で、人気が高まっているデータサイエンティストですが、名前は聞いたことがあっても仕事内容まではよく知らない学生も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、データサイエンティストの概要から、新卒で選考を突破するコツまで詳しく解説していきます。詳しい仕事内容と向いている人のタイプも紹介するので、データサイエンティストに興味のある人はぜひ参考にしてください。
データサイエンティストとは
就活生
キャリアアドバイザー
よく耳にするようになりましたが、役割や仕事内容についてよくわからない人が多いようですね! 詳しく解説しますので、是非参考にしてみてください。
職種の理解は、自分の強みを活かせる仕事なのか、やりがいを感じられる仕事なのか、を知るためにとても大切です。まずはデータサイエンティストがどんな職種なのかを確認しましょう
ビッグデータなどから課題解決へと導く
データサイエンティストとは、ビッグデータの分析によって、ビジネス上の課題解決や意思決定をサポートする職種です。たとえば、「過去の採用データをもとに基準を明確化し、採用担当の主観による評価のばらつきをなくす」というような仕事をしています。
ビッグデータは簡単に言うと、Webサイトの行動履歴やSNSの利用者情報などあらゆるデータの集合体のことで、それを分析するのがデータサイエンティストの役割です。
キャリアアドバイザー
自社が抱える課題の解決や新規事業の展開にビッグデータを活用できれば、大きな利益が期待できるため、データサイエンティストの需要が高まっています。
データアナリストとの違い
よく似た名称の職種にデータアナリストがありますが、両者には少し違いがあります。最も大きな違いは、データアナリストがデータの収集・分析をメインにしているのに対し、データサイエンティストは分析結果から企業が抱える課題を解決するところまで担当する点です。
データアナリストの担当業務に加えて、分析結果を実際に活かす段階まで担当しているため、データサイエンティストのほうが業務範囲が広い傾向にあります。
キャリアアドバイザー
データアナリストはデータの収集・分析に特化した職種、データサイエンティストは分析結果を活かすところまで担当する仕事と理解しておきましょう。
キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
データサイエンティストといっても、どのようなデータを扱うかによって仕事内容も変わりますよね。そのため、どのような業界でデータサイエンティストが活躍できるのか、気になる学生もいるのではないでしょうか。
近年ではさまざまな業界で活躍していますが、特に銀行や保険会社などの金融業界では、データサイエンティストが活躍しています。金融業界では、顧客の行動やリスク管理、投資戦略などを分析する必要があり、データサイエンティストの役割はとても重要です。
たとえば、顧客データや市場データを分析してリスクの予測モデルを作成し、顧客のクレジットリスク、市場リスクなどを把握しています。これによって、低リスクでサービス提供することができていますよ。
データサイエンティストの仕事内容
「ビッグデータの分析をしてビジネス上の課題解決や意思決定をサポートする職種」といっても、具体的にどんな仕事をしているのかイメージが湧きづらいですよね。
データサイエンティストの仕事内容は多岐にわたりますが、大きく分けると3つの仕事があります。具体的な仕事内容を知り、データサイエンティストへの理解を深めていきましょう。
課題抽出
企業が抱える課題を解決するためには、その課題を正しく把握する必要があります。
データサイエンティスト
どんなことが課題になっているのか、解決に導くにはどんなデータが必要となるのかを検討しよう
というのが最初の仕事です。
課題抽出には、主に「仮説検証型」と「知識発見型」の2つの方法が使われます。仮説検証型は、あらかじめ課題の原因に仮説を立て、その仮説をデータ分析によって検証していく方法です。
一方の知識発見型は、データ分析によって特定のパターンや類似性を見つけ出す方法です。「仮説を立てる→データ分析で検証する」というアプローチの仮説検証型に対し、知識発見型は「データ分析→課題を抽出する」というアプローチをとります。
データ収集、分析
データの収集、分析はデータサイエンティストの象徴ともいえる仕事です。
- 分析に使用するデータをWebサイトやSNSから収集する
- 収集したデータをもとに課題解決方法を模索する
- 扱いやすい環境を構築・運用する
データは数値やグラフのようにフォーマットが統一されていないケースが多いため、分析の際に扱いやすい形式に変換しておくのがデータサイエンティストの大切な仕事です。
また、Web業界のように、データ分析の正確性とスピードがビジネス競争に直結する業界では、扱いやすさに加えて負荷についても考慮することが重要になります。
課題解決
最後に、データ分析の結果をもとに課題解決方法を提案します。課題に対してとるべき行動や、行動がもたらす影響などを意志決定者(クライアント)に伝える仕事です。
この段階で重要となるのが、KPI( Key Performance Indicator)という指標です。
- KPI
日本語で「重要業績評価指標」と呼ばれるもので、目標達成までの進行度を数値化した中間目標を意味する。
データサイエンスでは伝え漏れや間違いがあると意思決定に大きな影響を及ぼすため、KPIを整理・見える化し、提案内容に説得力を持たせることが重視されています。
新卒でもデータサイエンティストになれる?
就活生
新卒からデータサイエンティストになるのは難しそうですよね……。
キャリアアドバイザー
幅広い知識とスキルがもとめられる職種なため、実務経験が必須のように思えますね。でも、最近では新卒で採用されることも増えているんですよ。
就活生
そうなのですね。さすがに文系の新卒では無理ですね……?
キャリアアドバイザー
そんなことはありませんよ。新卒の需要や、文理選択による違いを詳しく見ていきましょう。
新卒の需要も高まりつつある
基本的には中途採用が中心ですが、新卒の需要も高まりつつあります。データサイエンスへの注目度が高まっている一方で、専門的な知識とスキルを持っているデータサイエンティストが足りていないためです。
データサイエンティストとして経験を積んだ人材そのものが少ないため、将来性のある新卒を採用し、自社で育成する戦略をとっている企業が多く見られます。
新卒の場合は現時点での知識とスキルよりも、データサイエンティストとしての素養が重要になります。
キャリアアドバイザー
新卒の場合、専門知識・スキルがあれば有利になるのは事実ですが、それ以上に将来性が評価されていると知っておきましょう。
理系が有利だが文系出身者でも目指せる
データサイエンティストの新卒採用では、特に制限を設けていない企業が多いため、文系出身者でも応募できます。数学や統計に興味があり、今後そういった知識を身につけていこうとする意思さえあれば目指すことはできますよ。
ただし、大学で数学や統計を学んできた理系出身者のほうが、有利に就活を進められるのは確かです。
キャリアアドバイザー
文系出身者でデータサイエンティストになりたい場合は、本当に数学や統計を仕事にしたいかよく考えたうえで、専門知識・スキルへの学習意欲を示す必要があります。
理系は大学院進学も視野に入れる
理系からデータサイエンティストを目指す場合は新卒採用だけでなく、大学院進学も視野に入れましょう。専門的な研究ができる修士・博士課程の経験は就活で有利になるうえ、企業によっては学位取得を採用条件の1つにしている場合もあります。
大学院には、データサイエンスの基礎を体系的に学べる研究室のほか、1つの分野に特化した研究室もあるのが特徴です。たとえば、立教大学の大学院には「人工知能科学研究科」が設けられており、人工知能に特化したデータサイエンスの方法を学べます。
キャリアアドバイザー
そのほか、英語に特化した研究室や、実践的な課題解決に特化した研究室もあるので、ぜひ自分の目的に合う大学院を探してみてください。
大学院生の就活を成功させるコツはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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文系初心者でも目指せることは本文でも解説されていますが、どれぐらいの割合が入るのか気になるのではないでしょうか。 たしかに、文系卒で就職できる可能性があったとしても、就職者がほぼいないのであれば志望するか悩みますよね。
具体的なデータはありませんが、新卒でデータサイエンティストになる人は、大学院卒の人が多い印象があります。 データサイエンティストには、統計学やプログラミングスキル、データベーススキルが問われることがあり、これらのスキルは高度で専門的なためものです。そのため、企業は知識がある大学院卒の学生を採用する傾向があるのです。
ただし、すべての企業でこれらのスキルがもとめられていると言うことではありません。企業側のニーズが高いものの、人材が不足しているため、新卒未経験者の採用もおこなっていますよ。そのため、文系卒であってもプログラミングや統計学を独学で勉強することで、選考で優遇されるケースが多いです。余裕がある学生は、これらについて基礎的な内容の学習をしておくことがおすすめですよ。
新卒必見! データサイエンティストの就活先
新卒者のデータサイエンティストの就活先は主に、事業会社・データ分析会社・コンサルティングファームの3つです。同じデータサイエンティストとして採用されても、選ぶ企業によって仕事内容やもとめられる知識・能力は異なります。
「研究開発の仕事がしたいのにビジネス志向の強い企業に入ってしまった」といったミスマッチを避けるため、就活先ごとの特徴を正しく把握しましょう。
事業会社
メーカーや商社、Web系企業などの事業会社が就活先の1つです。企業内のデータ管理部門や企画マーケティング部門の一員として、新商品開発、サービス改善などを目的に、データ分析と活用に取り組みます。
家電メーカーを例に挙げると、過去の購買データや顧客のニーズを分析し、新しい価値を持つ家電を開発したり、販売方法を改善したりしていくのが仕事です。マーケティングと共通する部分が多いため、数学・統計の知識だけでなくビジネスモデルへの理解がもとめられます。
キャリアアドバイザー
さまざまな商品・サービスを提供する事業会社が存在するため、自分が仕事にもとめる基準に適した就活先を選びやすい点がメリットです。
データ分析会社
データ分析会社もデータサイエンティストの有力な就活先です。政治・経済に関する調査と研究をおこなう「シンクタンク」や、企業イメージ調査・市場調査などを業務とする「リサーチ会社」がデータ分析会社の代表例に挙げられます。
事業会社に比べ、データ分析に特化した事業を展開しているケースが多く、より専門的な数学・統計の知識をもとめられるのがデータ分析会社の特徴です。自社の利益追求のためにデータ分析をする事業会社に対し、データ分析会社は別の企業をクライアントにしているという違いがあります。
<事業会社とデータ分析会社の主な違い>
事業会社 | データ分析会社 | |
---|---|---|
事業内容 | 幅広い事業に従事 | データ分析に特化した事業 |
必要な知識 | 数学・統計に加えてマーケティングの知識が必要 | より専門的な数学・統計の知識が必要 |
データ分析の目的 | 自社の利益向上 | クライアントの利益向上 |
1つの分野に特化した企業が多いため、特定の知識・スキルを活かしたい人や、やりたい仕事が明確な人に最適な就活先です。
コンサルティングファーム
事業会社とデータ分析会社のほか、コンサルティングファームも新卒者のデータサイエンティストの就活先になります。コンサルファームは、クライアントである企業の課題の発見と、解決の手助けをする企業です。
IT分野に強みをもつIT系コンサルファームはもちろん、政治・経済の調査をおこなうシンクタンク系コンサルファーム、グローバルに事業展開する外資系コンサルファームなどでもデータを活用したビジネスが注目されています。
キャリアアドバイザー
クライアントを通じてさまざまな業界についての知識を得られる点や、プロジェクトに携わることで実践的なスキルを身につけられる点が、コンサルファームで働く魅力です。
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データサイエンティストといっても、企業によって仕事の内容が異なります。そのため、就活のときにきちんとリサーチをしなければ、就職後にミスマッチとなり後悔をしてしまう可能性がありますよ。
就職後に後悔をしないためには、 企業で働いている社員へのOB・OG訪問をすることがおすすめです。 ネットの情報は断片的で、具体的な仕事内容が書かれていないことも多く、どのように働くのか具体的なイメージをすることができません。働いている人から話を聞くことによって、 ネットにはない具体的な仕事を聞くことができ、自分が興味ある仕事が経験できるかを判断できます。また、話を聞くことによって、ネットの情報だけでは知らなかったデータサイエンティストの魅力を見つけられるチャンスにもなりますね。
もし、企業がOB・OG訪問を受け付けていないときには、説明会の質疑応答で質問をして業務理解を深めるのもおすすめです。いずれかの方法で、実際に活躍している人へ話を聞き、ミスマッチを減らして納得感あるキャリア選択をおこないましょう。
新卒でデータサイエンティストの選考を突破する4つのコツ
続いて、新卒でデータサイエンティストの選考を突破する4つのコツを紹介します。
データサイエンティストは新卒でも目指せる職種ですが、仕事内容や就活先など、少し分かりづらい点があります。疑問点をしっかりと解消してから選考に臨むために、以下のポイントを意識しながら対策を進めましょう。
①職種別採用を受ける
新卒でデータサイエンティストを目指す場合は、職種別採用を受けましょう。職種別採用はその名の通り、最初からデータサイエンティストという職種を指定して募集している選考のことです。
新卒で最も一般的な総合職採用では、部署や仕事内容の希望が通るとは限らないため、すでに入社後のビジョンが明確な人は職種別採用を受けることをおすすめします。
また、職種別採用では、入社後の研修と教育プログラムがデータサイエンティストに合わせて用意されているケースがほとんどです。知識・スキルを身につける環境の面を考えても、総合職採用より職種別採用を受けることにメリットがあります。
②長期インターンシップに参加する
仕事内容への理解を深めるために、データサイエンス系企業の長期インターンシップに参加しましょう。データサイエンティストの仕事内容については簡単に紹介しましたが、実際の業務はやはり自分で体験してみないことには理解できません。
本当に自分に合った仕事なのか、長く続けられそうな仕事なのかを確かめるためにも、時間に余裕のある大学1・2年次から長期インターンシップに参加してみてください。インターンシップで得た知識と経験は、そのまま選考にも役立ちますよ。
キャリアアドバイザー
インターンシップに参加した経験は志望動機や自己PRのエピソードとして使えるほか、社員と良好な関係を築ければ選考を有利に進められるチャンスになります。
③KaggleやSIGNATEのコンペに参加する
実績がなくて不安を感じる人は、データサイエンスのコンペに参加してみましょう。コンペで得た知識と経験は選考に活かせるうえ、表彰経験のような実績があれば高く評価してもらえます。
コンペの参加先としては、Kaggle(カグル)やSIGNATE(シグネイト)といったプラットフォームが有名です。たとえば、SIGNATEは東京都に本社を置く国内企業が運営しており、日本語のコンペが豊富に用意されています。
「河川の水位を予測するアルゴリズムの構築」をテーマにしたコンペや、「引っ越しの需要数を予測するモデルの構築」をテーマにしたコンペなど、生活に身近なテーマも多いのでぜひチャレンジしてみてください。
④OB・OG訪問をする
業界・企業への理解を深めるためにはOB・OG訪問が効果的です。新卒のデータサイエンティストにはどんな就活先があるのか、どんな知識・スキルがもとめられるのかなどをOB・OGに質問してみましょう。
業界・企業に関する情報は会社説明会やインターンシップでも得られますが、企業から発信される情報だけでは実情を読み取れません。その点、大学の先輩や卒業生に話を聞くOB・OG訪問では踏み込んだ質問をしやすいため、客観的でリアルな情報を得られるのがメリットです。
キャリアアドバイザー
自分で集めた情報の裏付けや、会社説明会やインターンシップではわからない企業の実情を知るために、ぜひOB・OG訪問をしてみましょう。
OB・OG訪問を成功させるポイントはこちらの記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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学生によっては、選考までの期間が限られており、4つのコツいずれかの対策に集中して取り組みたいと考えている人もいますよね。 そのような学生は、インターンへ参加をして、データサイエンティストとしての実績を作ることに注力することがおすすめです。
すでに説明した通り、データサイエンティストは新卒であっても、専門的に学んだ大学院卒が優遇される傾向があります。ただ、インターンを通じて実績をつけることで、専門的に研究している学生との差を埋めることができますよ。
OB・OG訪問をすることで、ほかの就活生が語ることができないエピソードを面接でアピールすることができますよ。自分ならではのエピソードを伝えることで、企業を志望する熱量が伝わるため、より高い評価を得ることができるでしょう。
たとえば、OB・ OG訪問をした社員の「クライアントの課題解決をして、社会の問題点を解決したいという想いに共感した」などと伝えると、 面接官は組織風土とのミスマッチがないと判断できますよね。このように、面接で評価されるようなエピソード作りをしておくことも、データサイエンティストに就職するためには有効ですよ。
データサイエンティストに向いている人の4つのタイプ
データサイエンティストに興味があっても、自分が向いているとは限りません。入社後のミスマッチを避けるためには、向いている人のタイプを事前に確認することが大切です。
以下に紹介する4つのタイプを参考に、自分がデータサイエンティストに向いているか確かめてみましょう。タイプに当てはまらないと絶対に活躍できないというわけではありませんが、仕事を長く続けられそうかどうかの指標になりますよ。
数字やデータに興味がある人
数字やデータに興味がある人はデータサイエンティストに向いています。課題抽出、データ収集・分析、課題解決のいずれの仕事でも、データサイエンティストは常に膨大な数字とデータに対峙しなければなりません。
根気強く数字を整理したりデータを分析したりする必要があるため、「興味がある」ことは仕事を長く続ける必須条件といえます。
数字やデータが苦手な人でも仕事自体はできるかもしれませんが、続けるうちに苦痛を感じるリスクがあります。
キャリアアドバイザー
データサイエンティストになるか迷っている場合は、数字やデータに「興味を持てるか」「好きになれそうか」を基準に考えてみましょう。
課題解決が得意な人
データサイエンティストには、数字やデータをもとに課題解決していく力がもとめられます。データサイエンティストの仕事はデータを分析して終わりではなく、分析結果から適切な解決策を提案していく必要があります。
- データを分析し、説得力のある解決策を提案できる人
「課題解決が好き」という気持ちも大切ですが、好きな気持ちだけではデータサイエンティストの仕事は務まりません。誤った解決策を提案してしまえばクライアントに損害を与える可能性があるため、いかに数値やデータにもとづく客観的な解決策を提案できるかが重要になります。
学習意欲が高い人
人工知能や機械学習との親和性が高いデータサイエンティストは、変化や技術進化のスピードが非常に早い職種です。日々新しい知識と技術を習得する必要があるため、学習意欲の高い人ほどデータサイエンティストに向いています。
データサイエンティスト
消費者の行動を特徴づけるのにより良い方法はないだろうか。
など、好奇心を持ちながら学べる人が活躍しやすい職種です。特に、新卒採用では現時点での知識とスキルよりも将来性が重視されているため、学習意欲が備わっているかどうかは重要な評価ポイントです。
コミュニケーション力が高い人
コミュニケーション力が高いことも、データサイエンティストとして重要な資質です。データサイエンティストには、デスクに向かって黙々と取り組む仕事以外に、分析結果を他の部門に説明したり、解決策をクライアントに提案したりする仕事があります。
- 専門知識を持たない人にわかりやすく説明する力
- 解決策の根拠を論理的に伝える力
- 自分なりの考えを伝える力
コミュニケーション力をアピールする際の言い換え表現はこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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データサイエンティストに活かせるスキル
- プログラミング
- 統計学の知識
- 数学の知識
- 機械学習の知識
新卒でデータサイエンティストの選考を突破するために、あらかじめスキルを身につけておくのも1つの手段です。習得すれば選考のアピール材料になるうえ、自分が就活のモチベーションを保つための目標にもなりますよ。
活かせるスキルの代表例としては、プログラミング、統計学の知識、数学の知識、機械学習の知識などが挙げられます。
プログラミング
データサイエンティストには、データ収集および収集環境を構築する仕事があります。データの加工や分析、環境構築にはプログラミングスキルを用いるため、知識があれば仕事に活かせます。
なかでもデータサイエンティストの仕事によく使われるのが、「Python」「R」という2つのプログラミング言語です。2つの言語の特徴を簡単に紹介します。
- Python(パイソン)
機械学習やAI開発で主に使われている言語。シンプルでプログラマーの意図を読み取りやすい構造をしており、可読性の高さから、プログラミング初学者でも習得しやすいと言われる。 - R
統計解析言語として開発されており、データ分析・解析の際に大活躍する言語。高性能な反面やや専門性が高いため、基本的に、Pythonを習得した後に習得を目指すよう推奨されている。
統計学の知識
統計学は、特定のデータの性質を調べたり、既存のデータから未来を予測したりするための学問です。データサイエンティストの仕事ではデータ分析や理解、予測が欠かせないため、統計学の知識が役立ちます。
よく似た学問に数学がありますが、数学は計算によって数値を導き出すことを目的にしているのに対し、統計学は導き出した数値をどう捉えるかまで考えるのが特徴です。
他の部門やクライアントに課題解決策を提案するにあたっては、論理的で説得力のある数値を示す必要があるため、統計学の観点でのデータ分析がもとめられています。
数学の知識
統計学の観点で「数値をどう捉えるか」を考えるには、その数値を導き出す数学の知識が必要です。コンピューター上で計算をするにしても、コンピューターを扱うのはデータサイエンティスト自身ですから、最低限の知識を持っておかなければいけません。
特に必要となるのは、確率統計、微分積分、行列など、高校の科目でいうところの数学III・Cの分野です。また、解析モデルやアルゴリズムへの理解を深めるためには、大学初級程度の解析学と線形代数学の知識ももとめられます。
キャリアアドバイザー
担当する仕事内容によってもとめられる知識のレベルは変わりますが、最低でも大学初級レベルの数学の知識を身につけておくのが望ましいですね。
一般常識問題の数学を攻略する方法はこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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機械学習の知識
機械学習とは、コンピューターが自動で学習し、データの裏にあるルールやパターンを発見・予測する技術です。機械学習の技術を使ってビッグデータを分析・処理するために、データサイエンティスト自身も基本的な知識を押さえておく必要があります。
機械学習の活用例としては、ECサイトのおすすめ機能が代表的です。ユーザーの検索履歴や購入した商品のデータに基づいて、関連性の高い商品をおすすめに表示する、という方法で機械学習が活用されています。
キャリアアドバイザー
そのほかにも機械学習の活用場面は多く見られるため、データサイエンティストには機械学習の知識が欠かせません。
データサイエンティストの就活に活かせる資格
- データサイエンティスト検定
- 基本情報技術者試験
- 統計検定
データサイエンティストになるために必須というわけではありませんが、持っていれば就活に活かせる資格がいくつかあります。
入社後に携われる仕事の幅を広げるためにも、自分の興味のある資格にぜひ挑戦してみてください。大学在学中に取得可能な資格を3つ紹介します。
データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、2021年に作られた比較的新しい資格です。名称のとおりデータサイエンスに特化している点が大きな特徴で、データサイエンス力やデータエンジニアリング力などの実力を証明することを目的としています。
検定は「見習いレベル~業界を代表するレベル」の4つのレベルが設けられていますが、新しい検定ということもあり、現在は「見習いレベル」しか実施されていません。勉強の目標にしたり、一定の知識が備わっていることを証明したりするのに役立ちます。
- 主催団体:一般社団法人データサイエンティスト協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験日:年2回(6月頃と11月頃)
- 試験形式:多肢選択式
- 合格率:第1回は約66%、第2回は約50%
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、経済産業省が認定している国家資格です。プログラマーやエンジニアのような技術職として活躍中の人や、技術職を目指す学生の能力証明を目的としています。
試験の出題分野は「テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系」の3つです。なかでもテクノロジ系の比重が高く、プログラミングやセキュリティなど非常に広範囲の知識がもとめられます。
IT系資格の中で数少ない国家資格なため、他の民間資格以上に就活に活かしやすい点が大きな魅力です。
- 主催団体:独立行政法人情報処理推進機構
- 資格種類:国家資格
- 受験資格:なし
- 試験日:年2回(4月頃と10月頃)
- 試験形式:多肢選択式
- 合格率:約20%
基本情報技術者試験についてこちらの記事で詳しく解説しています。
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統計検定
統計検定は、統計学に関する知識や応用力を評価する資格です。データサイエンティストとして活躍するためにもとめられる分析力や、科学的に問題を解決する能力を見極めることを目的にしています。
検定は5つのレベルが設けられており、大学基礎統計学の知識と問題解決力が問われるのは2級です。準1級以上ではより実践的な応用力が問われるため、まずは2級を目標にしてからさらに上のレベルを目指しましょう。
- 主催団体:一般財団法人統計質保証推進協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:なし
- 試験日:年2回(6月頃と11月頃)
- 試験形式:多肢選択式
- 合格率:準1級約24%、2級約34%
対策を徹底し新卒からデータサイエンティストを目指そう
「経験者しかなれない」「理系出身じゃないと活躍できない」などと思われがちなデータサイエンティストですが、新卒や文系出身でも十分目指すことが可能です。
長期インターンシップへの参加やOB・OG訪問、コンペへの参加など、対策を徹底して新卒での採用を目指しましょう。データサイエンティストになるために必須のスキル・資格はありませんが、持っていれば選考を有利に進められます。今回紹介した内容を参考にしながら、ぜひスキル・資格の取得に挑戦してみてください。
データサイエンティストって、どのような職業なのでしょうか?