目次
- 漠然なイメージだけではNG! 正確なアニメ業界の情報を掴もう
- アニメ業界とはどんな業界?
- ①市場規模
- ②収益構造
- 専門スキルがないとアニメ業界への就職は難しい?
- アニメができるまでの流れを押さえよう
- アニメ業界の職種とキャリア
- 制作
- 作画
- 色彩
- 美術
- CGI
- 撮影
- 編集
- 音響
- アニメ業界の最近の動向は?
- 海外企業との取引が加速
- アニメ広告に期待が寄せられている
- アニメ業界の大手4社
- ①東宝株式会社
- ②東映株式会社
- ③松竹株式会社
- ④東映アニメーション株式会社
- アニメ業界に向いている人の特徴
- アニメ制作に対して情熱がある人
- 体力がある人
- 活かせるスキルを持っている人
- アニメ業界に向いていない人の特徴
- ただアニメが好きなだけな人
- アニメを「制作」することを念頭におけていない人
- 厳しい環境に耐えられる体力や精神力がない人
- アニメ業界で求められる4つのスキル
- ①コミュニケーション能力
- ➁スケジュール管理能力
- ③柔軟性
- ④観察力
- アニメ業界の志望動機を書くための3ステップ
- ステップ①:志望動機を簡潔に述べる
- ステップ②:アニメにまつわる具体的な経験やエピソードを盛り込む
- ステップ③:将来どんなことをしたいかで締める
- 職種別に解説! アニメ業界の志望動機の例文
- 制作
- 作画
- CGI
- 音響
- アニメ業界について理解を深めた上で志望動機を書いてみよう
漠然なイメージだけではNG! 正確なアニメ業界の情報を掴もう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活を始めたばかりの学生から
「アニメに関わる仕事がしたいのですが、専門スキルは必要ですか?」
「アニメ業界に将来性はあるのでしょうか?」
などの不安や疑問をたくさん聞きます。アニメは日本を代表する文化の1つである一方で、労働環境の厳しさが課題となっており、アニメ業界への就職に不安を感じている人もいるでしょう。また、アニメ業界は専門的なスキルが求められるイメージが強いため、就職を諦めようか悩んでいる人もいると思います。
そういった不安や悩みを解消するため、今回はアニメ業界について解説します。アニメ業界の基本情報はもちろん、アニメ業界の最近の動向や専門スキルがない人の就職について、詳しく解説します。またアニメ業界の職種や志望動機の書き方・例文を紹介するので、ぜひ活用してみてください。
アニメ業界とはどんな業界?
アニメ業界と聞くと、「アニメを作っている業界」と漠然としたイメージを持っている人が多いかと思います。しかし、アニメ業界を目指して就活をおこなっていくのであれば、こういったイメージだけでは不十分です。漠然としたイメージやあいまいな知識でエントリーシート(ES)を書いたり、面接に挑むと見抜かれてしまい、良くない印象を持たれてしまう可能性が高まるからです。
そこでここからは、アニメ業界の市場規模と収益構造について紹介します。この2つは業界分析をおこなうにあたって必須の項目であり、アニメ業界を志望する就活生であれば知っていて当たり前ということなので、知らなかったという人は、ぜひ目を通してみてください。
①市場規模
日本動画協会が発表した2020年のアニメ産業の市場規模は、2兆4261億円です。過去最高の市場規模を記録した2019年と比べて、約884億円減少しました。
原因としては、新型コロナウイルスの感染拡大によるイベントなどの中止です。昨年と比べて動画配信などの売上は増加しているものの、アニメソングのライブやイベントの中止の影響が大きく、市場規模全体として減少傾向となりました。
②収益構造
アニメ業界の収益構造は、主に3つの企業が関わっています。まずアニメを放映するテレビ局・映画会社が、アニメ制作の中心となるアニメ制作会社にアニメ制作の依頼をおこないます。そして、そのアニメ制作会社が音響や背景など専門性の高い技術を持つスタジオに仕事を依頼します。
各会社が依頼を受けた仕事をおこない、スタジオはアニメ制作会社に納品をし、アニメ制作会社はテレビ局・映画会社に制作物を納品をし、納品されたものと引き換えに報酬が支払われます。
そして、テレビ局はスポンサーからの収入、映画会社は映画館の入場料などが収入となり、それぞれの企業が収益を得ているのです。
専門スキルがないとアニメ業界への就職は難しい?
アニメ業界の仕事と聞くと、
就活生
就活生
専門スキルを身につけてからでないと就職できないのかも……
というイメージを持っている人も多いと思います。
そのイメージには正しい部分と誤っている部分があります。アニメの原画を描いたり、色彩を決めたりするなどのクリエイティブな業務に携わりたいと考えているのであれば、専門学校に通い専門知識を身につけることが必要となるでしょう。
しかし、アニメ制作の企画を立案、管理するような、制作進行やプロデューサーなどの仕事は専門スキルに対する理解は必要ですが、自分自身がそのスキルを身につけておく必要はありません。
このように、アニメ業界と言ってもさまざまな仕事があるため、どのような形で関わっていきたいかによって、必要なスキルは変わってくるのです。
アニメができるまでの流れを押さえよう
アニメ業界への就職を目指すのであれば、アニメがどのような過程を経て作られているのかを知っておく必要があります。また、この過程を知ることで、自分自身がどの段階でアニメ制作に関わりたいのかを考えることもできます。
アニメの制作は、まず企画から始まります。テレビ局や映画会社から依頼を受けたアニメ制作会社のプロデューサーや監督が企画を考え、提案をおこないます。
提案が通ったら、脚本の制作が進められます。映画やテレビシリーズによって製作方法は違いますが、まずは全体像を決め、その後細かい部分を詰めていくという流れが主です。
脚本が完成すると、アニメ全体のコンセプトや登場するキャラクターの設定を固め、それらを絵コンテに落とし込んでいきます。その後、キャラクターの動きや背景、色などを決め、出来上がった画像を合成し、動画にしていきます。ほかにも3DCGなど、映像のリアリティーを向上させるためのさまざまな技術が使われています。
そして、出来上がった映像を放映時間に合わせて編集をおこないます。そこに場面に合った音楽や声優の声などを合わせると、アニメが完成します。
アニメ業界の職種とキャリア
アニメ業界と一括りに言っても、その中にはさまざまな職種があります。アニメ業界を志望する就活生であれば、自分がどういった職種を志望するのかを明確に持っておかなければ、志望動機などの説得力が薄まってしまいます。
そこでここからは、アニメ業界の職種を8つ紹介します。企業によって呼び名や担当する仕事の範囲は異なりますが、大まかな職種の種類や業務内容を押さえておきましょう。また、どういったキャリアを積むことができるかについても紹介するので、自分自身の将来についてイメージを膨らませてみてください。
制作
制作は、アニメ企画の全体を管理する仕事です。入社後すぐは制作進行となり、他の部署のスタッフとの連携・調整をおこなったり、納期までのスケジュールの管理、作品の質などを管理します。
この職種は、アニメ制作に関する知識は人一倍必要ではありますが、専門スキルは必要ない職種となります。
また、キャリアパスとしては、複数の制作進行スタッフをまとめる制作、デスクやシナリオの制作をおこなう文芸部、作品の世界観の開発などをおこなう設定制作などの道があります。
作画
作画は、アニメのもととなる絵を描く職種です。入社後すぐは「動画」と呼ばれる、アニメの重要ポイントを描いた「原画」の間の動きを補う絵を描く仕事を担当します。
その後のキャリアとしては、以下のような選択肢があります。
- 動画チェック(描かれた動画のチェックをおこなう)
- 動画チーフ(動画の担当割り振りなどを決める)
- 原画(アニメの重要ポイントとなる絵を描く)
また、最終的には、作画監督やキャラクターデザインなどの道があります。
色彩
色彩は、キャラクターに色を加えていく仕事です。はじめは指定された色を塗っていく仕上げをおこない、経験を積んでいくと色の指定や、塗り間違いがないか確認をおこなう色指定・検査を担当することができます。
さらにキャリアアップをしていくと、キャラクターやキャラクターが持つ小道具の色彩などを決める色彩設計という仕事に携わることができます。色彩設計では、決めた色によってキャラクターの印象や作品の雰囲気が決まってくるので、非常に重要な役割です。
美術
美術は、主に背景に関わる仕事をおこなう職種です。入社後は原画をもとにカットごとの背景を描く、背景という仕事をおこないます。
その後は、以下のようなキャリアが考えられます。
- 美術設定(作品の世界観の開発や世界観に合った舞台や大道具の設計などをおこなう)
- 3DBG(3Dで背景を組み立てていく)
さらにキャリアップを目指す場合は、各部署や監督と連携して、作品の世界観を開発・デザインをおこなう美術監督や、作品の最高責任者である監督を目指すことができます。
CGI
CGIは、2D・3D技術を使ってアニメーションを制作する職種です。2D・3D技術を使うことで、平面の絵を立体的にすることができるため、よりリアルな表現が可能になります。
CGIの中に以下のような作業があります。
- モデリング(キャラクターや背景を立体的にする)
- テクスチャリング(モデリングされたものに色や質感を付けていく)
- ライティング(光の強さや当て方を調整する)
CGIのキャリアは、それぞれの分野で専門スキルを磨くというのも1つですし、キャリアアップを考える場合は、CG全体の統括・管理をおこなうCGI監督やエフェクトの管理・監督する、スペシャルエフェクトスーパーバイザーなどを目指すことができます。
撮影
撮影では、これまでの過程で製作された動画や背景、エフェクトなどを合成して、ムービーデータに変換する作業です。入社後は、変換作業を任せられることが多いかもしれませんが、経験を積むことによって、合成データを追加して作品のクオリティーをさらに向上させる作業を担当できるようになります。
撮影に関するスキルや技術を高めることでキャリアアップをすれば、撮影工程を統括する責任者である撮影監督になることもできるでしょう。
編集
編集では、ムービーデータとなった映像をつなぎ合わせたり、制作意図やコンセプトに合った作品となるよう調整することが仕事です。また、テレビで放送されるアニメなどの放送時間に合わせて映像の長さを調整するのも編集です。
入社後は編集アシスタントとして、編集の指示に沿って機材のオペレーションや補助作業をおこなうことが主ですが、最終的には自身が主となって編集作業を担うことができます。
音響
音響は、アニメの中で使われるBGMや効果音を選んだり、必要であれば新たな効果音を作ったりすることが主な仕事です。また、適切な音を選ぶだけでなく、適切なタイミングに音を入れる必要があるので、経験や高い専門性が求められる職種です。
音響には以下のように仕事が分担されていることが多いです。
- サウンドディレクター(場面に合った音を製作する)
- 音響監督(声優のキャスティングや効果音・音楽の発注や収録をおこなう)
入社後は、サウンドディレクターや音響監督のアシスタントとして経験を積み、キャリアを重ね実績を作っていくことで、自身がサウンドディレクターや音響監督などにキャリアアップすることもできるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント石川 愛プロフィールをみる
アニメにかかわりたい気持ちが先行しすぎてしまうと、具体的に何の職種に就きたいのかまで踏み込めない学生がいます。この場合には将来性や収入などではなく、自分が興味があるか、そして自分の強みを活かせるかどうかを優先して考えられるといいでしょう。スキルが身に就けば自ずとキャリアアップにもつながりますし、収入や将来のことは後から結果としてついてくることが多いからです。
手を動かさなければ自分の向き不向きはわかりません。昨今では、自分で動画を編集したりイラストを描いたりできるソフトが手軽に手に入ります。まずはこれらのツールを活用して実際に自分で作品を作ってみてください。たとえば音響には隅々までこだわれるが、イラストの色彩にはあまり興味を持てず途中で飽きてしまった、など自己発見を得られるでしょう。
アニメ業界の最近の動向は?
キャリアアドバイザー
アニメ業界を目指すなら、最近の動向のチェックは必須ですね!
ネットでアニメ業界について調べていると、アニメ業界の将来を不安視する記事やサイトが多く出てくるため、「アニメ業界に就職しても大丈夫なのか?」と不安に感じている人も少なくないと思います。
そこでここからは、アニメ業界の最近の動向について解説していきます。不安を解消することはもちろんですが、志望業界の動向を押さえておくことは就活生の必須事項なので、ぜひ一度目を通してみてください。
海外企業との取引が加速
日本アニメの国内人気はもちろんですが、海外での人気も高まっているため、海外の動画配信サービスなどと取引をするアニメ制作会社が増加しています。具体的には、アニメ制作会社300社の内、2割が海外企業との取引をおこなっていることがわかっています。
また、取引をおこなう海外企業の多くは中国で、ほかにも韓国やアメリカなどさまざまな国の企業が日本アニメに注目し、海外企業との取引が加速しています。
アニメ広告に期待が寄せられている
国内では、テレビや映画の枠にとどまらず、広告にアニメキャラクターを起用する企業も増えています。
既存のアニメキャラクターとコラボレーションする広告は、広告の宣伝効果が大きくなることはもちろん、もともとそのアニメが好きだったファンを取り込むことができます。
また、広告のために新たなキャラクターを作り出したり、アニメーション映像のCMなどが製作されていたりするなど、日常的にアニメを目にする場面が増えています。
アニメ業界の大手4社
- 東宝株式会社
- 東映株式会社
- 松竹株式会社
- 東映アニメーション株式会社
インターンシップや企業説明会に参加しようと思っていても、どこの企業を選べばよいかわからず迷っている人も多いと思います。そこでここからはアニメ業界の大手4社を紹介します。
大手企業のインターンシップや企業説明会では、業界に関する詳しい説明や業界の中での自社の立ち位置など、業界分析で活かせる情報をたくさん得られることが多いので、就活を始めたばかりで、業界に関する知識が乏しい人は、積極的に参加しましょう。
①東宝株式会社
東宝株式会社は、映画の冒頭に流れるロゴで知っている人も多いかと思いますが、映画の製作や配給はもちろん、アニメ制作、演劇製作などをおこなう、アニメ業界の大手企業です。
東宝株式会社が携わっているアニメーションは以下の通りです。
- 呪術廻戦
- 僕のヒーローアカデミア
- BEASTARS
- Dr.STONE
新卒採用は総合職一括採用のみなので、アニメに関わる業務に携われるかは配属次第です。そのため、「絶対にアニメ制作に携わりたい!」と思っている人は、その点を踏まえたうえでよく検討する必要があります。
②東映株式会社
東映株式会社は、東宝株式会社に次ぐ売上高を誇るアニメ業界の大手企業の1つです。劇場用映画はこれまで3,445作品を製作した実績があります。
東映株式会社が携わったアニメ作品は以下の通りです。
- シン・エヴァンゲリオン劇場版
- 劇場版『七つの大罪 光に呪われし者たち』
- 映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!
新卒採用は、総合職での採用で、各部門の事務・営業、映画・テレビ映画・教育映画等の企画・宣伝などに配属されます。そのため、アニメに必ず関われるというわけではないということを理解しておきましょう。
③松竹株式会社
松竹株式会社は、映像事業や演劇事業、不動産事業をおこなっている、アニメ業界の大手企業の1つです。映画アニメとテレビアニメの製作や配給をおこなっています。
松竹株式会社が携わったアニメ作品は以下の通りです。
- 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン
- 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
- ジョゼと虎と魚たち
松竹株式会社の新卒採用は、総合職での採用となっています。多くの合同説明会に参加する予定も出ているので、興味のある人はぜひ参加してみましょう。
④東映アニメーション株式会社
東映アニメーション株式会社は、映像製作・販売事業、版権事業などをおこなっているアニメ制作会社です。海外進出も積極的におこなっており、これまで100か国以上の国で東映アニメーションの作品が放送されたという実績があります。
東映アニメーションが携わった作品は以下の通りです。
- ワールドトリガー 3ndシーズン
- ドラゴンクエスト ダイの大冒険
- 美少女戦士セーラームーン Eternal
東映アニメーション株式会社では、製作や企画、営業などをおこなう総合職と、アニメーション製作スタッフとして働く芸術職の2つの職種で新卒採用をおこなっています。芸術職の業務では、アニメ制作にかかわることができるので、ぜひ興味のある人は企業説明会に参加してみてください。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
ここで挙げた会社は、アニメという観点だけではなく「舞台に関心がある」「映画に関心がある」などの理由から志望するライバルもたくさんいます。ただでさえ採用人数が少ない業界のため、受ける企業数を絞りすぎるのではなくなるべく視野を広く持ち何十社も受けていくことをおすすめします。
アニメ業界のビジネスモデルを考えたときに、たとえば著作権管理会社、出版社、声優などのプロダクションや育成学校、ゲームや広告会社、音楽レーベルなど関連する企業はたくさんあります。どこからどこまでの領域であれば検討範囲に入るのかを冷静に分析をして、検討範囲に入る企業はできる限りリストアップできるようにしておきましょう。
ここまで書くと難易度が高そうだから諦めようかな、という学生もいるかもしれません。しかし、「興味」に勝るものはありません。まずはできることまで進めてみてからどうするか判断するほうが、後悔することなくキャリアを築けるはずです。
アニメ業界に向いている人の特徴
アニメ業界を目指したいと思っていても「自分は向いていないかもしれない」「専門スキルがないから、入社できても活躍できないかも」と不安に思っている人もいると思います。
そこでここからは、アニメ業界に向いている人の特徴について紹介します。これらの特徴は、ESや面接の自己PRでつかえる長所や強みなので、ぜひ活用してみてください。
アニメ制作に対して情熱がある人
どんな職業にも言えることではありますが、その仕事に対して何らかの思いを持っていたり、その仕事を通して何か成し遂げたいことがないと、仕事をすることが苦痛になってしまう可能性が高いです。
そのため、アニメ業界を目指す人であれば、何よりもアニメ制作に対して情熱があることが大切です。働いていれば、自分の思い通りにいかなかったり、理不尽なことを言われたりするなど辛い経験をすることもあります。
しかし、アニメ制作に対して強い思いや成し遂げたいことがあれば、心が折れることなく、日々の仕事に邁進できるでしょう。
体力がある人
アニメ業界の最近の動向で紹介しましたが、アニメ業界の労働環境は改善に向けて動き出しているものの、納期前などになると厳しいものになることが考えられます。また、人手不足が課題となっているため、1人あたりが担わなくてはならない仕事量が多い可能性もあります。
そういった環境で、働いていくためには「体力」が必須です。体力についてアピールするためには、学生時代の部活やサークルの厳しい練習の経験などを話すと良いでしょう。
活かせるスキルを持っている人
アニメ業界では、やはり専門スキルが求められる職種が多くを占めます。そのため、専門学校や美術大学でなどで、アニメ制作で活かすことができるスキルを身につけておけば、非常に大きな武器となるでしょう。
また、一般的なの四年制大学に通っていても、絵画教室に通いデッサンを習ってみたり、独学で3DCGについて勉強してみたりするのも良いでしょう。
アニメ業界に向いていない人の特徴
ここまでアニメ業界に向いている人の特徴について紹介してきましたが、一方でアニメ業界に向いていない人もいます。
そこでここからはアニメ業界に向いていない人の特徴について紹介します。この特徴に当てはまるからといって、アニメ業界への就職が難しいというわけではありません。
しかし、アニメ業界の厳しい部分や「働く」という観点からアニメ業界と向き合えていないかもしれないので、自分の進路について改めて考えるきっかけにしてみてください。
ただアニメが好きなだけな人
アニメ業界を目指す人の多くは、アニメに対する強い思いや愛情がある人が多いと思います。しかし、趣味でアニメを見ることと、自分の仕事としてアニメに関わることは全くの別物です。
また、アニメ業界はアシスタントの仕事から始めることがほとんどなので、入社してすぐに自分がやりたい仕事ができる可能性はごくわずかです。そのため、ただ単にアニメが好きという思いだけなのであれば、アニメ業界への就職は考え直した方が良いかもしれません。
アニメを「制作」することを念頭におけていない人
アニメ業界への就職を目指す人は、アニメを見てアニメを好きになり、アニメ業界への就職を志すようになったという人が多い傾向にあります。
しかし、アニメ業界の仕事はアニメを製作することであり、アニメを見ることが仕事ではありません。また、さきほども述べましたが、入社後の数年はアシスタント業務が多いため、アニメと間接的にしか関われないことも考えられます。
そのため、
就活生
アニメ業界にいれば毎日アニメに関係する仕事ができる。
就活生
最新のアニメの映像を誰よりも早く見られるかも。
などの思いでアニメ業界を目指している場合は、入社後、ギャップに苦しむ可能性があります。
厳しい環境に耐えられる体力や精神力がない人
アニメ業界の仕事は、納期までに製作物を納品する必要があるので、製作が遅れていると残業が大幅に増えたり、急な変更が出れば休日出勤が必要になったりするなど、厳しい労働環境といえます。
労働環境が改善されるようになってきているものの、毎週必ず2日間の休みが取れたり、毎日定時に帰宅できたりするような環境ではない可能性が大いに考えられます。そのため、厳しい労働環境に耐えられる体力や精神力が必須なのです。
アニメ業界で求められる4つのスキル
アニメ業界で求められるスキルは専門的なスキルに限らず、社会人として必要とされる一般的なスキルも必要です。そこでここからは、アニメ業界で求められる4つのスキルについて紹介します。
①コミュニケーション能力
アニメ業界の仕事は、1人で集中しておこなう作業が多いように見えるかもしれませんが、複数のスタッフが役割分担をして1つの作品を製作するため、コミュニケーション能力は必須となります。
また、コミュニケーション能力と言っても、自分の主張を伝える力だけでなく、相手の意見を聞き出したり、集団でコミュニケーションをとる際に、良い雰囲気を作り出したりするなどもコミュニケーション能力の一部です。
キャリアアドバイザー
そのため、ESや面接でコミュニケーション能力をアピールする際は、話す力と同時に聞く力や傾聴力についてもアピールすると良いでしょう。
コミュニケーション能力を長所としたい場合は以下の記事も読んでおきましょう。
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➁スケジュール管理能力
アニメ制作は、作品を納品する期限が決まっているため、その日程に間に合うように作業を進めていく必要があります。
また、さまざまな部署が連携して製作を進めているため、1人の作業が遅れただけで、大きな遅れとなってしまう可能性があります。
キャリアアドバイザー
また、専門スキルがなくても就職できる可能性がある制作スタッフは、各部署のスケジュール管理や調整を担当するため、スケジュール管理能力がないと勤まらない仕事です。
③柔軟性
アニメ制作では、1つの部署のトラブルや遅れが、ほかの部署にも大きく影響するため、急な変更などがよく起こります。こういった日々起こる変更に対して臨機応変に対応するためには、柔軟性が必要です。
変更に合わせて柔軟にスケジュールや作業内容を変更することはもちろんですが、気持ちの切り替えを瞬時におこなうことも必要です。
キャリアアドバイザー
ESや面接で柔軟性をアピールすることは、難しいと思う人も多いかもしれませんが、具体的なエピソードを使えば、ほかのスキルや特徴と同じようにアピールすることができます。
柔軟性のアピールは以下の記事を読んでみてくださいね。
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例文10選|柔軟性の自己PRが面接官に与える印象とアピールのコツ
柔軟性の自己PRは、根拠となるエピソードを伝えることで効果的にアピールすることができます。今回は自己PRで柔軟性を伝えることで採用担当者に与える印象や、柔軟性が評価されやすい職種をキャリアアドバイザーが紹介していきます。自己PRで柔軟性をアピールする際の例文も解説しているので、柔軟性をアピールしたい方は参考にしてみてくださいね。
記事を読む
④観察力
作画を担当する場合は、アニメの中に登場するキャラクターやものの動きを自然に再現する必要があるため、日々色々なものを観察し、自分自身の知識としてインプットしていく必要があります。
また、動画を描くためには、原画をよく観察した上で模写していく必要があるため、観察力を日々磨いておく必要があります。
キャリアアドバイザー
どんな職種でも、入社後はアシスタント業務に携わることが多いため、上司や先輩の動きを観察し、何を求めているか、今自分はどう動くべきかなどを考えることが大切です。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
なかなかアピールできる強みがないと考える場合には、日常生活で当たり前にできていることに着目をしてみてください。たとえば友人と旅行をするときに大切にしている計画方法、1日を過ごすときにはやることリストを立てている、料理をするときに同時並行で物事を進められる、大人数の家族のもとで育ったのでコミュニケーション能力が高まった、などです。
一見アピールできそうにないエピソードかもしれませんが、それは自分にとって習慣化されているからかもしれません。強みというのは1日で身につくものではありません。自分にとっては当たり前でもよく考えると苦労なくできるようになった話を思い出してみてください。
アニメ業界の志望動機を書くための3ステップ
ここまでアニメ業界のさまざま情報を紹介・解説してきましたが、いざ自分自身の志望動機を書くとなると、なにから書けばよいかわからず戸惑ってしまう人も多いと思います。
そこでここからは、アニメ業界の志望動機を書くための3つのステップを紹介します。志望動機が上手く書けず、苦戦している人はぜひこの手順で書いてみてください。
ステップ①:志望動機を簡潔に述べる
これは他の業界の志望動機にも言えることですが、冒頭に志望動機を書いておくことで、読み手が「今からこういった話をするんだな」とイメージしながら、志望動機を読むことができるので、内容をより理解してもらいやすくなります。
また、ここでの志望動機は簡潔に書くことが大切です。書きたい思いはたくさんあるかと思いますが、そういった内容は後から述べれば良いので、まずは読み手に「これからどういった話をするのか」ということが伝わるように意識しましょう。
ステップ②:アニメにまつわる具体的な経験やエピソードを盛り込む
どんなにアニメに対して強い思いがあったとしても、志望動機だけでは、思いの強さや重さを感じてもらいにくくなってしまいます。
しかし、独自性がある具体的な経験が書かれていたり、その時に抱いたアニメに対する熱い思いなどが盛り込まれていれば、「この学生はアニメに対して強い思いを持っている」「本気でアニメ制作を仕事にしたいと思っている」と読み手に感じてもらうことができます。
そのため、経験やエピソードを書く際は、誰でも書けそうなことを書くのではなく、独自性のある経験やその経験で得た学び、その時に考えたことや思ったことを具体的に書くようにしましょう。
ステップ③:将来どんなことをしたいかで締める
将来やりたいことについて書く際は、できるだけ具体的な目標や夢を書くと説得力が増します。
そのため、「日本のアニメの質をさらに向上させる」「日本のアニメをもっと多くの人に知ってもらう」などの、壮大な大きな目標を述べるのも良いですが、
- キャラクターデザインをおこない、多くの人に愛されるキャラクターを作りたい
- 3DCGソフトを扱うスキルを高め、アニメの世界をよりリアルに表現したい
など、携わりたい具体的な職種などを出し、読み手に入社後の働く姿をイメージしてもらいやすくするとよいでしょう。
また、学生時代に身につけた強みを活かして活躍したいと、自分自身の強みをアピールすることもおすすめです。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
自分の志望動機を周りの学生と比べてしまう場合には、周囲のクオリティが高いとどうしても自信をなくしてしまうでしょう。そのときには、なぜ周囲の志望動機がすごいと感じたのか冷静に分析をしてみてください。
裏付けるエピソードが留学経験など、自分が経験していないからなんとなくすごく感じてしまう場合には特に要注意です。その経験から学生が何を伝えようとしているのかまで理解することができたでしょうか。逆に、もしかすると大したことはないように見える自分のエピソードの中で、自分は何を伝えたいのでしょうか。
単に目に見える要素だけで優劣をつけるのではなく、もう少し分解をして内容を検討することでブラッシュアップの余地はたくさん残されていますし、すごいと感じた理由が話し方や雰囲気にまつわるものであれば自分もそれを真似すればいいのです。自信を失いすぎず、学びを得られたと思いポジティブに切り替えていきましょう。
職種別に解説! アニメ業界の志望動機の例文
自分で志望動機を書けたとしても「こんな内容で良いのかな?」「合格できる自信がない」など、不安に感じる人もいると思います。
そこでここからは、アニメ業界の職種別に志望動機の例文を紹介します。OK例文とNG例文の両方を紹介・解説するので、ぜひ自分が書いた志望動機と照らし合わせてみてください。
制作
制作の志望動機では、アニメ制作を直接的におこなう職種ではない制作を志望する理由を説得力を持たせながら書くことが大切です。そのため、制作スタッフの仕事内容やその仕事の意義について理解を深めましょう。
また、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力についてアピールすると好印象を与えられるでしょう。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、貴社が制作した「〇〇」というアニメに救われたからです。
私は中学生の頃、クラスに馴染めず学校にいけなくなっていた時期があります。そんな時に出会ったのが「〇〇」でした。「〇〇」の主人公「■■」は、ほかのアニメの主人公とは違って自分に自信がないのですが、それでも家族や仲間のために怖いことに立ち向かったり、努力したりする姿が、とてもカッコよく憧れの存在となりました。
このアニメを見るようになってからは、学校に行けなくても塾で勉強を進めたり、教室に行けなくても学校に行ったりするなど、これまでできなかったことが少しずつできるようになっていきました。この経験を経て、私はアニメが視聴者に与える影響の大きさを知り、自分自身もアニメ制作に関わりたいと思うようになりました。
私が貴社に入社することができたら、学生時代に身につけたスケジュール管理能力を活かして、作品に関係するスタッフ全員が働きやすいスケジュールを考えられる制作進行になりたいと考えています。また、将来的には、企画などにも携わり、小さい頃の私のような子どもたちに勇気を与えられるようなアニメを生み出したいと考えています。
キャリアアドバイザー
「貴社が制作したアニメに元気をもらった・救われた」などの志望動機は、アニメ業界の志望動機としては、よくある内容だと思います。
しかし、エピソードの内容や将来やりたいことを明確に書くことができているので、ほかの志望動機に埋もれることなく、好印象を与えられる志望動機となっています。
NG例文
私が貴社を志望する理由は、貴社が制作した「〇〇」というアニメに救われたからです。
私は中学生の頃、クラスに馴染めず学校にいけなくなっていた時期があります。そんな時に出会ったのが「〇〇」でした。
このアニメからたくさんの勇気をもらい、これまでできなかったことが少しずつできるようになっていきました。この経験を経て、自分自身もアニメ制作に関わりたいと思うようになりました。
私が貴社に入社することができたら、制作進行を担当し、将来的には企画にも携わり、小さい頃の私のような子どもたちに勇気を与えられるようなアニメを生み出したいと考えています。
キャリアアドバイザー
この志望動機のエピソードは具体性や独自性が薄いので、「誰でも書けそうな志望動機」と思われてしまう可能性があります。そのため、志望動機に書く経験やエピソードでは、独自性と具体性を追求しましょう。
作画
作画の志望動機では、まず自分がどういったスキルを持っているのかを具体的に書くようにしましょう。デッサンなどのスキルを言葉で表現することは難しいですが、デッサンなどをおこなう際に大切にしていることなどを書いておくと、絵に対する思いが伝わりやすくなるでしょう。
また、どういったアニメに影響を受けたか等について書くことができれば、読み手に親近感を持ってもらいやすくなるため、おすすめです。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、貴社が制作している「〇〇」シリーズの制作に携わりたいという強い思いがあるからです。
私は小さい頃から、絵を描くことが大好きで、周りの友達がゲームやスポーツに夢中になっている時もずっと絵を描いているような子どもでした。しかし、中学生くらいになると、描きたいものがなくなってしまい、絵から離れている時期がありました。
そんな時に出会ったのが「〇〇」シリーズでした。「〇〇」シリーズに登場するメカは美しいデザインであることはもちろん、細部までこだわりが詰まっており、毎日のように模写をするようになりました。
高校は美術コースのある高校に、卒業後は美術系の専門学校に進学し、絵の技術を磨いてきました。今でも、「〇〇」シリーズの模写で学んだ「細部まで丁寧に描く」ということをモットーに絵を描いています。
貴社に入社することができたら、これまで培ってきたスキルを活かして作画スタッフとして活躍したいと考えています。また、将来的には、キャラクターデザインを担当し、「〇〇」シリーズを超える、細部までこだわりの詰まった美しいキャラクターを生み出したいと思います。
キャリアアドバイザー
アニメ作品に対する愛情が伝わることはもちろんですが、絵を描くことへのこだわりや考え方が非常に上手く盛り込まれており、思いの強さが伝わる志望動機となっています。
また、絵に費やしてきた時間が明確に書かれているため、身についているスキルが想像しやすく、非常に印象が良い志望動機となっています。
NG例文
私が貴社を志望する理由は、貴社が制作している「〇〇」シリーズの制作に携わりたいという強い思いがあるからです。
私は小さい頃から、絵を描くことが大好きで、周りの友達がゲームやスポーツに夢中になっている時もずっと絵を描いているような子どもでした。しかし、中学生くらいになると、描きたいものがなくなってしまい、絵から離れている時期がありました。
そんな時に出会ったのが「〇〇」シリーズでした。「〇〇」シリーズに登場するメカは美しいデザインであることはもちろん、細部までこだわりが詰まっており、大きな影響を受けました。
貴社に入社することができたら、作画スタッフとして活躍したいと考えています。また、将来的には、自分自身でキャラクターデザインを担当し、「〇〇」シリーズを超える、細部までこだわりの詰まった美しいキャラクターを生み出したいと思います。
キャリアアドバイザー
アニメ作品への思いやその企業でなければならないという強い気持ちは伝わる志望動機です。しかし、自分自身のスキルに関する情報が少ないため、アピールが弱くなってしまっている部分がもったいないです。
CGI
CGIの志望動機では、CGIがどういったことをおこなう職種で、その業務はアニメ制作においてどういった役割や意義があるのかについて、理解があることをアピールしましょう。
また、そういったことの理解があまり深まっていないという人は、企業説明会に参加して積極的に質問をしたり、OBOG訪問などの機会を活用することがおすすめです。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、最新のCG技術をいち早く取り入れ、ハイクオリティなアニメを数多く制作しているからです。
私は高校生の頃、パソコンクラブに所属しており、先生の紹介で3DCG制作ソフトを知りました。また、当時夢中になっていた貴社が制作している「〇〇」に3DCG技術が使われていることを知り、独学で勉強をするようになりました。
高校卒業後は、3DCGを本格的に学ぶため専門学校に進学し、授業の中の作品制作で3DCGを使った短編アニメを制作したことをきっかけに、「この技術をアニメ制作に使いたい」と考えるようになりました。
私が貴社に入社することができたら、学生時代に身につけた3DCGのスキルにさらに磨きをかけ、映像のリアリティーを追求していきたいと考えています。また、最新の3DCG技術についても積極的に学び、日本アニメの質の向上に貢献していきたいと考えています。
キャリアアドバイザー
3DCGとの出会いから、その技術をアニメ制作に活かしたいと考えるようになった経験まで、わかりやすく書くことができています。また、入社後の展望の部分では、3DCG がアニメ制作の中でどういった役割を果たしているかを理解していることがわかるため、高評価につながるでしょう。
NG例文
私が貴社を志望する理由は、最新のCG技術をいち早く取り入れ、ハイクオリティなアニメを数多く制作しているからです。
私は2年間専門学校に通い、3DCGを本格的に学びました。そして、授業の中の作品制作で3DCGを使った短編アニメを制作したことをきっかけに、「この技術をアニメ制作に使いたい」と考えるようになりました。
私が貴社に入社することができたら、学生時代に身につけたスキルを活かしていきたいと考えています。また、最新の3DCG技術についても積極的に学びたいと考えています。
キャリアアドバイザー
この志望動機にはストーリー性が乏しいため、アニメ制作に対する思いが伝わりづらくなってしまっています。また、「3DCG」という言葉は使われているものの、どういった技術か、3DCGを使う意義は何か、という部分に触れられていないため、「知識や経験が足りないのではないか」と感じられてしまう可能性があります。
音響
音響の志望動機では、キャラクターや映像のクオリティに目がいきがちなアニメの中で、なぜ音響に興味を持ったのかというきっかけやエピソードを書くと、志望度の強さを伝えることができます。
また、志望する企業が制作に携わった作品の中で印象的な音響の作品があれば、どういった部分に魅かれたのか等具体的な内容を書くと、音響に対する思いの強さとその企業を志望する気持ちの強さを伝えることができるでしょう。
OK例文
私が貴社を志望する理由は、効果音やBGMに強いこだわりを持っている貴社のアニメ制作に携わりたいと考えているからです。
私は、小さい頃から100作品を超えるアニメを視聴してきましたが、貴社が制作に携わっているアニメは大きく感情が揺さぶられることが多く、疑問に感じていました。疑問を解消するために何度もアニメを見返していると、登場人物の心情に合わせたBGMや登場人物の躍動感を表す効果音など、音響によって興奮や感動を感じていることがわかりました。
また、ほかの制作会社では、既存の効果音を使っていることが多いそうですが、貴社のアニメで使われている効果音は、一から作られているものが多いと知り、そのこだわりに感銘を受けました。
私が貴社に入社することができたら、貴社の中で積み上げられてきた音響技術を習得することはもちろん、これまで以上に視聴者の感情を揺さぶれるようなBGMや効果音を生み出したいと考えています。
キャリアアドバイザー
この志望動機は、経験やエピソードというよりも分析が主なので、ストーリー性があまりない内容ですが、自分が考えたことや思ったことがふんだんに盛り込まれているので、音響に対する思いの強さがとても伝わります。
NG例文
私が貴社を志望する理由は、効果音やBGMに強いこだわりを持っている貴社のアニメ制作に携わりたいと考えているからです。
私は、小さい頃から100作品を超えるアニメを視聴してきましたが、貴社が制作するアニメの音響に大きな魅力を感じています。また、貴社のアニメで使われている効果音は、一から作られているものが多いと知り、そのこだわりに感銘を受けました。
私が貴社に入社することができたら、貴社の中で積み上げられてきた音響技術を習得したいと考えています。
キャリアアドバイザー
志望動機で自分の考えや思いを書くことで、志望度の高さをアピールすることは悪いことではありませんが、この志望動機のように、考えや思いが浅いと感想文のような文章になり、逆効果となってしまう可能性が高いので注意が必要です。
アニメ業界について理解を深めた上で志望動機を書いてみよう
アニメに対する愛情や思いからアニメ業界を目指すことはとても素晴らしいことではありますが、業界の良い部分も悪い部分も知った上で、「本当に働きたいか」を検討することが大切です。
そして、志望動機についても、表面的な情報だけでなく、きちんとアニメ業界について理解を深めた上で書き進めるようにしましょう。
絵がうまい人しか携われないのかな。