児童相談所の仕事内容とは? 向いている人の特徴や就職する方法を解説

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目次

  1. 児童相談所の仕事内容から就職するために必要なスキルが把握できる
  2. そもそも児童相談所とは?
  3. 児童相談所の仕事内容を確認しよう
  4. 相談機能
  5. 心理判定・医学診断
  6. 一時保護機能
  7. 児童相談所の仕事の手順を把握しよう
  8. ①受付
  9. ②受理
  10. ③調査・診断
  11. ④判定・援助方針の決定
  12. ⑤援助の実行
  13. 児童相談所の代表的な2つの職種
  14. 児童福祉司
  15. 児童心理司
  16. 就職する前に知っておこう! 児童相談所の職員として働くメリット・デメリット
  17. メリット①児童と家族の人生の転機に関われる
  18. メリット②児童と親密にコミュニケーションが取れる
  19. デメリット①相談件数が増加により多忙な傾向がある
  20. デメリット②休職率が高く精神的な負担が大きい
  21. 児童相談所の職員に向いている人の4つの特徴
  22. 相手の立場に立って話ができる
  23. 精神的な強さがある
  24. 思いやりがある
  25. 集団生活が苦にならない
  26. 児童相談所の就職で必要な資格
  27. 児童福祉司
  28. 精神保健福祉士
  29. 社会福祉士
  30. 保育士
  31. 児童相談所に就職するには地方公務員試験受験が必須!
  32. 児童相談所に就職したい! 面接を突破するための3つのコツ
  33. 施設の方針を理解しておく
  34. 福祉業界のニュースについて調べておく
  35. 志望動機は人柄が伝わるようにアピールする
  36. 公務員試験に間に合わない場合は児童相談所の関連施設を受けてみよう!
  37. 児童家庭支援センター
  38. 児童福祉施設
  39. 保健所
  40. 応募する前に児童相談所の仕事内容を把握しておこう

児童相談所の仕事内容から就職するために必要なスキルが把握できる

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。児童相談所に興味を持つ学生から

「児童相談所ではどんな仕事をおこなっているのでしょうか?」
「児童相談所の職員になるにはどんな方法があるのでしょうか?」

といった悩みが寄せられています。児童相談所の仕事内容についてはっきりと分かっていない学生もいるのではないでしょうか。ただ、児童相談所の仕事内容から就職するために必要なスキルが把握できます。そのため、まずは仕事内容を把握することが就職への第一歩になるでしょう。

この記事では児童相談所の仕事内容や児童相談所の代表的な職種、向いている学生を紹介しつつ、児童相談所に就職する方法を解説しますので、児童相談所への就職を志望している学生はぜひ読んでみてください。

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そもそも児童相談所とは?

そもそも児童相談所という期間をあまり知らない学生もいるかもしれません。児童相談所とは、各都道府県に設けられている18歳未満の子どもの権利を守り、家庭や学校の問題に対して援助をおこなう専門機関のことです

児童相談所は保護者が子どもに関する悩みを相談したり、児童の周りの人たちが虐待などを通報したりする機関になりますね。相談を受けた後は調査や診断をおこない、家庭への指導や援助、一時保護などで子どもを専門的な知識でサポートしていくのです。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認しましょう

自分に合った職業・合わない職業を見つけることは、就活の成功に不可欠です。しかし、見つけることが難しいと感じる人も多いでしょう。

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児童相談所の仕事内容を確認しよう

児童相談所の仕事内容

児童相談所の仕事は相談を受けるだけではありません。受けた相談内容から調査や診断をおこない、問題を解決するためにサポートをします。ここでは児童相談所の具体的な仕事内容を確認していきましょう。

相談機能

子どもに関する問題は保護者と密接に関わっており、時には子どもだけではなく、家族自体に問題がある場合も多いですね。児童相談所には以下のような多種多様な相談が届いています。

相談の種類
  • 養護相談:保護者の家出・失踪・死亡・離婚・入院などさまざまな事情により、家庭で子どもを育てることができない場合の相談や虐待に関する相談を受ける。
  • 保健相談:未熟児や疾患などに関する相談を受ける。
  • 障害相談:生育歴や家族歴、子どもの身体の状況、精神発達や情緒の状態などに関する相談を受ける。
  • 非行相談:飛行問題や触発行為をおこなった子どもに関する相談を受ける。
  • 育成相談:子どもの性格・しつけ・不登校などに関する相談を受ける。

児童福祉司が家庭訪問や来所相談をおこない、一緒に支援の方法を考えてくれるのです。家庭環境や問題など調査結果から社会資源の活用の必要性などを判断したり、アドバイスをしたりしますね。

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匿名での相談もできるため、虐待など深刻な問題も多少は相談しやすくなっているでしょう。

心理判定・医学診断

児童心理司は心理学の専門知識をもとに子どもと話したり、心理検査をおこなったりすることで子どもの様子や心理検査の結果から子どもの心の状態を把握できますね。必要に応じて上記のような指示をする場合もあるため、覚えておきましょう。

指示の例
  • 児童相談所嘱託医の診察を受けてもらう
  • 医療機関での訓練やカウンセリングが必要な場合は専門家を紹介する

一時保護機能

家庭で虐待など事実があり、心身に問題があると判断された場合は「一時保護所」という施設で子どもを一時的に保護しますね。保護者が死亡していたり、家出していたりして帰る場所がない子どもは保護される可能性が高いでしょう。

一時保護所での生活の様子から行動診断をおこない、子どもの行動特性を把握します

一時保護する施設の対象年齢
  • 赤ちゃんから幼稚園、保育園児
  • 小学生以上

上記のように子どもが入所する一時保護所は対象年齢によって分けられていますね。生活環境に問題がある子どもは生活習慣がきちんと身についていない場合が多いです。

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そのため、施設で年齢と成長に見合った生活習慣を身につける生活を送れるように、生活指導や学習指導をおこなっていますね。

あなたが受けないほうがいい職業を診断しよう

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就活では、自分に合った仕事が見つからず悩むことも多いでしょう。

そんな時は「適職診断」が役に立ちます。簡単な質問に答えるだけあなたの性格や強みを分析し、適職・適さない職業を提案してくれます

自分の適職・適さない職業を知ることで、自信を持って就活を進めましょう。

児童相談所の仕事の手順を把握しよう

児童相談所の仕事の手順

仕事の手順を把握しておくと、仕事のイメージが掴めるようになりますね。自分が仕事をしている場面を思い浮かべて、自分に仕事の適性があるかを考えてみましょう。ここでは、児童相談所の仕事の手順を解説します。

①受付

虐待の通告や相談を受けた場合は通告者から対象者の住所や現状などを情報提供してもらいます。通告者から得た情報をもとに受付票を作成していくのも児童相談所の仕事の一つです。

②受理

受付票が完成したら、所長や通告受理者など対応可能なスタッフを集めて受理会議を開催します。通告を受けた事例について他の通告受理機関と情報を交換していくのです。

受理会議で決定すること
  • 対象児童の安全を確保する時期や方法を検討する
  • 子どもの被虐待状況や生命の危険性などから緊急性を判断する
  • 調査方針と調査依頼の役割分担を決定する

受理会議終了後は、児童記録票を作成しましょう。

③調査・診断

受理会議終了後は原則48時間以内に子ども本人を直接目視で確認して、安全確認をおこないましょう。電話やモニター越しでは危険な状態ではないと判断しきれないため、確実に目視する必要がありますね。

必要に応じて保護者への出頭要請や現地訪問、家庭訪問をおこない、子ども・保護者や関係者との面接、普段の様子の観察、生活環境の調査を実施していくのです

調査後は子どもと虐待者、家庭環境を総合的に評価するために各種診断をおこなってください。

各種診断の例
  • 社会診断
  • 心理診断
  • 医学診断
  • 行動診断
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特に社会診断は次におこなう判定・援助方針の決定の基礎になる重要な判断ですね。調査結果を踏まえて、問題の本質を分析して最善の援助方法かを見極めます。

④判定・援助方針の決定

各種診断をもとに、それぞれの専門知識を持つスタッフによる総合的な判定をしているのです。判定に基づき、援助方針が決定されますね。

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判定・援助方針は、援助内容が「子どもの最善の利益」になっているかを考慮して狭義することが重要でしょう。

⑤援助の実行

援助を実行する際は子どもや保護者に、その理由や方法を説明してください。子どもと保護者の意見をヒアリングする際に保護者への指導もおこないましょう

指導の例
  • 助言指導
  • 継続指導
  • 児童福祉司指導
  • 児童委員指導

虐待を受けて危機的状況にある子どもと家族は、家族関係が修復できない場合もありますよね。その際は施設入所措置や里親委託などの制度を活用することになるでしょう。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

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早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

児童相談所の代表的な2つの職種

児童相談所の代表的な2つの職種

児童相談所では、児童相談員として働くことになります。児童相談員とは、心理学や社会福祉などの専門的な立場から児童とその家庭が抱える問題の相談に応じて、解決のための調査や助言、援助をおこなう職種のことです。

児童相談員は「児童福祉司」と「児童心理司」の2種類に分けられていることを覚えておきましょう。自治体が設置する児童相談所には児童福祉司の勤務が義務付けられており、児童心理司の配置は標準とされていますね。ここでは、児童相談所の代表的な2つの職種について解説します。

参照:厚生労働省 児童相談所相談員

児童福祉司

児童福祉司は児童相談所に必ず設置しなければなりません。業務内容は児童の保護や福祉に関する相談援助全般をおこないますね。具体的には保護者との面接や家庭訪問などをして、家庭環境や生育歴などを調査・診断し、問題の原因を探すことです

もとめられる能力
  • 冷静な対応力:児童の周りの保護者や関係者などを相手にしなければならないため。時には親から児童を引き離す必要もある。
  • 問題に関する理解力:児童や保護者が抱える問題を把握して、悩みやトラブルを解決する必要があるため。
  • コミュニケーション能力:役所や関係施設、企業とのやり取りも発生するため。

児童の処遇決定後も、施設や保護者を訪問しながら指導や援助を続けていきます。

児童心理司

児童相談所に来る相談者の問題を解決するには、問題の理解だけではなく、人の気持ちを把握する必要がありますよね。児童心理司は児童の心理カウンセラーとしての役割を果たします。

主な業務内容としては、児童との面接・行動の観察・心理検査の実施などが挙げられます。これらの業務から児童の心理状態や知能、生活能力などを調査・診断しています。児童の処遇決定後は児童や保護者を通所させ、心理療法で指導や援助をおこないます。

もとめられる能力
  • 連携力:児童へアドバイスする場面が多く、他の職種と連携を取りながら問題を解決するため。
  • 配慮する能力:デリケートな人の心理を扱うには、相談者に対する話し方や振る舞いにも配慮する必要があるため。

自己分析をするならツールを使って簡単に済ませましょう

自分の弱みは言語化できても、強みを言語化できない人も多いでしょう。

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就職する前に知っておこう! 児童相談所の職員として働くメリット・デメリット

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就活生

児童相談所の職員にかなり興味が出てきました!やりがいがありそうな仕事ですね!

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キャリアアドバイザー

やりがいがある分、大変な側面もありますね。就職する前に働くデメリットもきちんと把握しておきましょう。

児童相談所の職員はやりがいのある仕事ですが、精神的負荷がかかることや多忙を極めることなど厳しい側面もあります。就職後にギャップを感じて、業務についていけなくなると短期離職してしまうかもしれません。ここでは児童相談所の職員として働くメリット・デメリットを把握しておきましょう。

メリット①児童と家族の人生の転機に関われる

虐待を早めに対処して、子どもの命を守ったり、心身のケアをしたりすることで大きく人生が変わります。辛い環境から子どもを救い出して、その後の成長を見届けることは大きなやりがいになるでしょう

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子どもの環境を改善することで問題を抱えている保護者の助けにもなるため、自分の行動により成果が目に見える環境に身を置きたい学生におすすめします。

メリット②児童と親密にコミュニケーションが取れる

子どもと関わりたいから児童相談所の職員に興味を持っている学生もいるのではないでしょうか。実際、児童相談所では子どもたちと24時間生活を共にするため、親密にコミュニケーションを取れます。

一方で児童相談所に来る子どもは虐待や育児放棄を受けており、あまり愛情を受けることに慣れていない場合もあります。ただ「子どもとコミュニケーションが取れるから」という安直な理由で児童相談所での勤務に憧れを持つのはやめましょう。

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キャリアアドバイザー

24時間生活して子どもとの愛情を育む職場はなかなかなく、幼稚園や保育園などでは体験できません。保育園での立場は先生ですが、児童相談所では友達以上の存在として子どもに接することができます。

デメリット①相談件数が増加により多忙な傾向がある

事実、厚生労働省の「令和2年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数」によると、児童虐待の対応件数は年々増加傾向にあり、対応が追いついていません。児童相談所が取り扱う案件は背景が複雑なものも多く、精神的にも肉体的にも負担がかかりますね

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コロナ禍で相談件数が増えた一方で、職員の数は限られており、結果的に既存の職員が多忙を極める状況になっているでしょう。

デメリット②休職率が高く精神的な負担が大きい

児童相談所の休職率が高いと聞いたことがある学生もいるかもしれません。

事実、読売新聞の調査によると、児童福祉司の休職率は各年度2.3〜2.9%でした。民間事業者の平均休職率が0.4%なので、かなり高い数値になります。

虐待をする保護者の対応では、保護者自身が被虐待児であったり、精神面に問題を抱えていたりします。保護者の協力なしで子どもが安心して生活できる環境を整えるには、以下のような精神的に負担がかかる対処をしなければならないこともあるでしょう。

子どもが安心して生活できる環境を整える方法
  • 保護者を説得・支援する
  • 保護者を親から引き離す
  • 子どもの育成が難しい場合は里親に委託する

人材がなかなか定着しない現場とも言われていますが、業務では高度な専門知識が必要になるため、人材を採用するハードルは高いです。そのため、結果的に採用数が足りず、既存の職員が案件を掛け持ちすることになり、精神的な負担が増えてしまうケースもあります。

児童相談所の職員に向いている人の4つの特徴

児童相談所の職員に向いている人の4つの特徴

児童相談所の職員に向いている人の特徴を4つピックアップしました。「児童相談所の職員の適性はあるのだろうか」と気になった学生は、ぜひこの4つが当てはまるかを確認してみてください。

相手の立場に立って話ができる

心に傷を負った相談者の中には自分の思いを伝えるのが苦手な人も一定数います。相談者からの信頼を得るには、客観的な視点や多様性のある考え方を持ち、対応する必要があるでしょう。

たとえば、保護者との話し合いの場でも「児童に暴力を振るってはいけませんよ」と一般論を押し付けるのではなく、暴力を振るってしまう原因や背景を紐解いていくことで、相手との距離を縮める力が重要になるでしょう

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自分が同じ立場だったらどうするかを常に考えられる人には心を開いてくれる相談者も多いでしょう。

精神的な強さがある

児童相談所では、相談者の非行やいじめなどの悩みを解決に導く必要がありますが、親身になって相談に応じると重い気持ちになってしまう人も多いです。思い詰めると、退職や休職してしまう場合もありますね。

子どもや保護者の悩みを社会学的視点で見つめて、責任を持って指導できる忍耐強い人が向いているでしょう。

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ストレスを上手に発散できることも重要な要素になりますね。プライベートと仕事をうまく切り分けることも大切です。

思いやりがある

「優しい」「思いやりがある」と周りから評価されている学生もいますよね。特に心優しい学生には辛いかもしれませんが、児童相談所では対処によっては親から児童を引き離す場合もあります。

ただ本質的なところでは、児童の人生を左右する問題で的確な判断をするには観察力や洞察力だけはなく、人を思いやる心が必要です。児童相談所の職員としてラインを超えない程度に、被害者に寄り添う心を持っている人は重宝されるかもしれません。

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キャリアアドバイザー

職場内の人間関係を円滑に進める際にも役立つ能力ですね。思いやりがある人は対応に追われている場合でもお互いを労い、フォローし合う関係性を築ける場合が多いでしょう。

集団生活が苦にならない

施設によっては24時間体制で住み込む場合もあり、プライベートがあまりありません。一人になりたいと思っても、トラブルが起こればすぐに対処する必要があります。大勢で生活しているため、完全なプライベートな空間はないと考えましょう。

ただ、部活などで集団生活に慣れている学生もいますよね。その要領で常に子どもたちと一緒に生活することが苦にならない人は向いているかもしれません。

高橋 宙

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「向いている人の4つの特徴」から自分に当てはまるもの体験をアピールする

児童相談所を希望している人は、まずは今お伝えした「向いている人の4つの特徴」から自分に当てはまるものは何かを考え、自分のこれまでの体験にピタリと当てはまるエピソードを選ぶと良いでしょう。

児童相談所は「子どもたちが相手」の仕事であるため、児童ボランティアや学童など、子どもとかかわるボランティアや、アルバイトの経験がある人は説得力がありアピール度も高くなるのではないでしょうか。

担当したある学生は、大学時代に児童ボランティア施設で困難を抱えた子どもに対しての居場所づくりや学習支援に携わった経験を伝え、高評価を得られたそうです。採用担当者は、きっと「思いやりのある性格」を感じ取り、採用後は「子どもの立場に立って話ができる」姿を想像できたのではないでしょうか。

児童相談所を目指す学生は、大学時代に子ども達とかかわったり、支援するような体験をすることをおすすめしますよ。

児童相談所の就職で必要な資格

児童相談所の就職で必要な資格

他の福祉職は資格なしでも施設で働ける場合がありますが、児童相談所で働くには資格取得が必須になりますね。ここでは、児童相談所の就職で必要な資格を解説します。児童相談所に就職したい学生は参考にしてみてください。

児童福祉司

地方公共団体の公務員になることが前提になりますね。その上で以下のような条件を満たさないと、児童福祉司の任用資格を得られません。

児童福祉司の任用資格を取得するための条件
  • 児童福祉の職員を養成する学校を卒業して、厚生労働省の指定する講習会を修了or大学や大学院で心理学・教育学・社会学などを修了する
  • 卒業後に厚生労働省の定める福祉施設などで1年以上の実務経験を積む

任用資格を得た状態とは、児相相談所で勤務してから能力を発揮している状態ですね。そこからやっと児童福祉司を名乗れるようになると覚えておきましょう。

精神保健福祉士

精神保健福祉士という資格を初めて知った学生もいるのではないでしょうか。精神保健福祉士とは、精神科ソーシャルワーカーの国家資格のことですね。

精神保健福祉士の資格を取得する方法
  • 保健福祉系の大学や養成校を卒業する
  • 年1回の精神保健福祉士に合格する

短大卒や高卒でも2年の実務経験後に養成校で受講すれば、児童相談所の職員になるための受験資格が得られます。近年は児童虐待やネグレクト問題が増えており、精神保健福祉士の需要は高い傾向があるのです

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児童相談所以外の福祉施設の就職にも有利になるため、取得してみてはどうでしょうか。

社会福祉士

社会福祉士も精神保健福祉士と同様に国家資格であり、短大卒や高卒でも2年の実務経験があれば、受験資格が得られますね。介護施設や障害者施設など幅広い福祉施設で役立つ福祉のエキスパートであることを証明できる資格でしょう

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児童相談所に勤める場合は児童福祉ソーシャルワーカーとして専門的な知識を蓄えながら、現場の経験を積んでいく必要がありますね。

保育士

大学や短大で保育士の資格を取得しようとしている学生もいますよね。保育士資格があると子どもの扱いに慣れているため、児童相談所では重宝されやすいです。

児童相談所の保育士は子どものケアが必要になり、医師や児童福祉司などとコンタクトやコミュニケーションを取って問題を解決しなければなりません。児童相談所は日頃から連携が多い保育士としてのスキルを十分に発揮できる職場と言えるでしょう。

北浦 ひより

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資格取得と就活を並行する際は現場実習の日程に注意する

児童相談所で働くにあたっては有資格者が求められる傾向にありますが、資格取得と就活を並行しておこなう場合は注意が必要です。今説明した通り、いわゆる対人援助をおこなうための資格は、通常大体のカリキュラムに座学だけではなく「現場実習」が必須となっています。そのため実習先との調整もあり、自分本意でスケジュールを立てるのが難しい場合もあることを心得ておきましょう。

これまでにも、就職試験日と実習日が重なってしまい、泣く泣く就職試験をあきらめた学生もいました。一方で、早くから実習先や大学に就職試験のことを伝え、実習日を調整し
てもらい、両立に成功した人もいます。

また、就活では試験を受ける以外にも、インターンシップや説明会の参加、書類の準備や面接対策など、やるべきことがたくさんあります。そのため、資格の勉強に時間を割きすぎて、選考の準備が疎かになってしまうと、元も子もなくなってしまいますよね。資格取得のための勉強時間と就活のための時間、両方をバランスよくおこなうため、早めに計画を立て準備することをおすすめします。

児童相談所に就職するには地方公務員試験受験が必須!

児童相談所に就職するにはどんな方法があるのか分からない学生もいるのではないでしょうか。児童相談所に就職するには地方公務員試験に合格するしかありません。合格するには以下の能力を身につけてみてください。

合格に必要な能力
  • 大卒程度の学力
  • 心理学や社会学の専門知識
  • ケースワークやカウンセリングの技法

一般的に児童相談所に勤務する人は「児童福祉司」と「児童心理司」に分類され、どちらかを希望するかで受験する採用試験は異なるのです

福祉専門職を養成する専門学校の卒業生や一定の講習を修了した人、大学で心理学・社会学・社会学を修了した人が児童福祉司に任用される要件を満たせますね。

一方、児童心理司は福祉系の専門学校や大学で心理学・社会学・教育学を修了していなければなりません。また、1種地方公務員試験を通過していることが絶対条件ですね。

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地方公務員試験を突破することが必須になります。受ける職種を決めたなら、いち早く勉強を始めてみてはどうでしょうか。

児童相談所に就職したい! 面接を突破するための3つのコツ

公務員試験の面接を突破するための3つのコツ

児童相談所の職員になるためには公務員試験の面接を突破しなければなりません。面接には傾向があるため、事前に準備をしておけば、内定を獲得できる可能性は上がりますね。ここでは、面接を突破するためのコツを3つ解説します。

施設の方針を理解しておく

配属される施設が分かっている場合は施設の方針を理解しておくのをおすすめします。「児童相談所は行政機関だから、方針はどれも同じなのでは?」と思った学生もいるのではないでしょうか。

ただ、同じ施設でも方針や取り組みは大きく異なりますね。教育に力を入れている施設もあれば、地域に根ざした運営方針を取っている施設もあるのです

児童相談所ならどこでも同じだと思っていると、入社後にミスマッチを起こして短期離職してしまうかもしれません。

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事前にホームページを通して、施設の理念や方針をチェックしておきましょう。

福祉業界のニュースについて調べておく

福祉業界のニュースをチェックしておき、自分なりに意見を伝えられるようにしましょう。志望度の確認や福祉に対する理解度をチェックするために、「最近気になったニュースはありますか?」と尋ねてくる場合もありますね

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就活生

コロナ禍により虐待事案の増加しているニュースに興味を持っています。閉塞感がある環境ならではのストレス発散法を見つける必要性を感じました。

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興味があるニュースを問われた際に「特にありません」と答えるのはやめておきましょう。就業意欲が低いと判断されて、採用を避けられてしまうかもしれません。

最近の気になるニュースの適切な答え方を知りたい学生はこちらの記事も参考にしてみてください。

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志望動機は人柄が伝わるようにアピールする

思いやりがある人材や相手の立場に立って話ができる人材が求められている児童相談所では能力はもちろん、人柄も重視される傾向がありますね。志望動機で人柄を伝えるには成果をアピールするのではなく、問題に対する行動のプロセスにフォーカスしましょう

たとえば、「思いやりがある」と語るよりも、実際に思いやりのある行動を起こしたエピソードをアピールした方が説得力が出ますよね。

物事への取り組み方は人柄を伝える材料になるため、志望動機ではどんな行動や工夫をしたのかを説明してみるのをおすすめします。

北浦 ひより

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採用担当者は面接から「子どもと信頼関係を築ける人」かをチェックしている

児童相談所の面接では、「子どもと信頼関係を築ける人」かを見られるのではないでしょうか。いくら優秀な人物でも、子どもから受け入れてもらえなさそうな雰囲気の人はどうしても面接突破は難しいでしょう。そのため、児童相談所の面接では、明るく感じの良い笑顔で話すことのできる人は、好印象を得られる傾向にあります。

すべてを笑顔で話す必要はありませんが、「最近興味を持っていることは何ですか?」「趣味や特技はありますか」など自分の好きなことを話す際には、にこやかな雰囲気で話すことを心掛けましょう。面接官は、学生の話している様子から「子どもと楽しく会話できそうだな」とイメージできると思いますよ。

笑顔の一方で、児童相談所は子どもたちの抱える問題や複雑な背景などに直面する機会も多く、問題と向き合う力や守秘義務を堅実に守れる真面目さも求められるでしょう。そのため、志望動機や社会問題などについて話す際は、真剣な顔で意欲や誠実さをアピールすることをおすすめします。面接官の質問をよく理解して、その場にふさわしい雰囲気づくりが大切ですよ。

公務員試験に間に合わない場合は児童相談所の関連施設を受けてみよう!

児童相談所の関連施設

公務員試験は筆記試験対策が必須になるため、短期間では選考突破できないかもしれません。ただ、児童相談所に勤めたいのではなく、児童相談所の仕事がしたい学生もいますよね。その場合は児童相談所に類似した業務に携われたり、児童相談所と連携が取れたりする関連施設を受けてみましょう。

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児童家庭支援センター

児童家庭支援センターは子どもと家庭に関する総合窓口であり、18歳未満や子育て家庭に関する相談を受けていますね。全国で児童相談所を保管する施設として設置されているのです。公的な期間であるため、相談料は無料ですね。

サービスの内容
  • 児童虐待の発生防止
  • 親子関係の再構築支援
  • 里親・ファミリーホームの支援
  • 乳幼児健診、家庭訪問などへの職員派遣
  • 教員研修への講師派遣
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児童家庭支援センターは、児童相談の第一義的窓口として児童相談所と連携を取る場合が多いでしょう。児童相談所より身近な地域の総合窓口として虐待の早期発見と再発防止に一役買っていますね。

児童福祉施設

児童福祉施設は児童法令法に基づき、児童福祉に関する事業をおこなっている施設のことです。国や地方公共団体、社会福祉法人が設置していますね。

児童福祉施設と呼ばれる施設一覧
  • 助産施設:経済的な理由などよって入院助産ができない妊産婦の出産援助をおこなう。
  • 乳児院:主に1歳未満の乳児から小学校入学前の幼児を養育する。退院後も必要な相談援助を継続する。
  • 母子生活支援施設:配偶者のない女性やその子どもを保護して生活を支援する。退所後も支援を継続する。
  • 児童厚生施設:児童に健全な遊び場を提供して、健康増進と情操教育を図る。
  • 児童養護施設:保護者のない児童や虐待を受けている児童などを養護して、退所後も援助を継続する。プライバシー保護のため、入所者の中に匿名が求められている子がいる。
  • 知的障害児施設:知的障害のある児童を保護・治療をする。自立に必要な知識や技能などの指導をおこなう。
  • 知的障害児通園施設:保護者のもとから通園ができる知的障害のある児童を対象に、自立に必要な知識や技能などの指導をおこなう。
  • 盲ろうあ児施設:盲児やろうあ児を保護して、自立に必要な指導・援助をおこなう。
  • 肢体不自由児施設:マヒや機能的に不自由のある児童を治療し、自立に必要な知識や技能などの指導をおこなう。
  • 重症心身障害児施設:重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複する児童を保護し、治療および日常生活の指導をおこなう。
  • 児童心理治療施設:心理治療を必要とする児童を短期入所または通所させて治療する。退所後も必要な相談援助を継続する。
  • 児童自立支援施設:犯罪や不良行為をおこなった、またはそのおそれのある児童を指導して自立を支援する。退所後も必要な相談援助を継続する。
  • 児童家庭支援センター:地域の児童や母子の福祉問題について相談援助をする。児童相談所や児童福祉施設との連絡調整などを総合的におこなう。
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キャリアアドバイザー

児童相談所から児童にとって一番良い場所に、年齢に応じて施設を送られる場合がありますね。児童相談所と連携を取る施設も多いため、児童相談所への就職を希望している学生は覚えておいて損はありません。

保健所

保健所の保健師は出産前の段階から子育て中の期間までさまざまなタイミングで親子に向き合う機会がありますね。児童虐待の可能性がある家庭を早期発見する場合もあり、児童相談所と連携を取り、子どもの保護の手助けになるかもしれません

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キャリアアドバイザー

ただ、保健所はインフラ衛生・店舗の営業許可・医療監査など幅広い業務をおこないますね。児童相談所の業務からはかなり離れているため、その点を念頭に置いて応募するかを決めてみてはどうでしょうか。

根岸 佑莉子

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児童相談所だけでなく、関連施設への就職もおすすめ

通常、児童相談所や上述した児童家庭支援センターで働くためにはまず公務員試験に合格する必要がありますが、各自治体によって採用方式、形態は異なります。一般的に、児童相談所は都道府県の採用、児童家庭支援センターは市町村の採用に分かれています。

そのため、所属する組織は別々ということになるのですが、児童相談所と児童家庭支援センターは連携して業務を担っていることが多く、職員同士の交流もよくあることを耳にします。児童相談所には児童家庭支援センターが併設されているところもあるくらいですから、関連施設への就職もおすすめです。
ある学生は当初児童相談所のみを志望していましたが、仕事研究をするうちに児童家庭支援センターにも興味を持ち、選択肢を増やしていましたよ。また「現場を経験してから本採用を目指したい」という人もいて、会計年度任用職員などの非常勤の仕事を経験しながら公務員試験にチャレンジする人もいます。

キャリアチェンジの難易度が高いことを念頭に置いておく

とはいえ基本的に今紹介した仕事はどれも児童相談にかかわる仕事ですが、ものによっては採用の管轄が異なるため、簡単にキャリアチェンジを望むことは難しくもあります。児童相談にかかわる仕事に就きたいと思う人は、各自治体の採用方式のあり方について調べたり、民間で支援している企業や団体が具体的にどのような支援をしているのかをよく調べ、自分の望む働き方、キャリアを考えることをおすすめします。

応募する前に児童相談所の仕事内容を把握しておこう

児童相談所の仕事では身体的虐待やネグレクトなど深刻なものを扱う場合が多く、精神的に負荷がかかる場合もあります。ただ、その分子どもの人生の転機に立ち会うことができたり、人の人生の一端を担うやりがいのある仕事であることは事実ですね。児童相談所の仕事内容をしっかりと把握して、自分に適性があるかを慎重に判断してから応募しましょう。

あなたが受けないほうがいい業界をチェックしよう

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