目次
- 中国語を話せれば就職がしやすい!
- 中国語が就職に有利とされている理由
- 中国語を話せれば世界の人とコミュニケーションが取りやすいから
- 中国語を話せる日本人が少ないから
- 中国語の需要が高いから
- 中国進出する企業も多いため
- 中国語を就職に活かすために取得したい資格
- 中国語検定
- HSK
- TECC
- TOCFL
- 中国語が就職に有利に働くレベル
- 中国語検定では3級以上
- HSKでは2級以上
- 中国語を活かせる仕事にはどんな仕事がある?
- 初級レベル
- 中級レベル
- 上級レベル
- 中国語を活かせる就職先を探すときに考えるべき3つのポイント
- ①顧客は誰なのかを考える
- ➁どんな仕事内容がしたいかを考える
- ③自分が希望する働き方は何かを考える
- 中国語を活かせる就職先の探し方
- 中国語を使う日本企業を探す
- 中国支社がある日本企業を探す
- 中国での現地採用をしている企業を探す
- 海外企業も紹介できるエージェントを利用する
- 中国語の勉強におすすめの本
- はじめての中国語
- HSK・中国語検定 最強の学習法
- HSK試験の傾向をつかめるテキスト・過去問題集
- 中検3級試験問題[第95・96・97回]解答と解説
- 中国語が話せれば世界規模で活躍できる人材になれる!
中国語を話せれば就職がしやすい!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく
「中国語を使った就職は難しいのか教えてください」
「中国語を勉強しておけば、就職活動に役立つのか知りたいです」
といった質問を受けます。これから中国語を学ぼうとしている人やすでに使いこなせる人は、就職でスキルを活かしていきたいと考えているのではないでしょうか。ただ、英語は就職で有利に働く場面が多いが、中国語はどうなのかと疑問に思っている人が多いと思います。
観光地や中国に進出する日本企業など中国語を話せる人材の需要は高く、中国語を話せれば就職がしやすいといわれています。
今回は、中国語が就職に有利とされている理由、中国語を就職に活かせる資格や仕事、中国語を活かせる就職先を探すときのポイント、中国語の勉強におすすめの本をそれぞれ詳しく解説していきます。
中国語が就職に有利とされている理由
語学力はビジネスの世界で重要視されているスキルの一つであるため、世界共通語の英語学習に力を入れている人は多いと思います。
しかし、訪日中国人が訪れる観光地やお店、中国に進出する企業や中国から進出してくる企業などが増えているため、中国語を話せる人材への需要が高まっている現状があります。
ここからは、なぜ中国語が就職に有利とされているのか理由を詳しく解説していきます。
中国語を話せれば世界の人とコミュニケーションが取りやすいから
中国語が就職に有利とされている理由は、中国語は英語の次に世界で話されている言語であり、中国語を話せれば世界中の人とコミュニケーションを取りやすいという点が挙げられます。
文部科学省の調査データによると、世界の言語別使用人口が一番多いのは、中国語というデータが出ています。中国語は中国国内でのみ使用されているわけではありません。シンガポール、マレーシア、台湾など東アジアの主要都市、世界のチャイナタウンなど多くの国で高い浸透率を誇り、世界の4人に1人は中国語を話しています。
国連でも中国語は公用語として採用されているため、中国語を話せればさまざまな国と地域の人とコミュニケーションを取ることができるといえます。
中国語を話せる日本人が少ないから
中国語が就職に有利になる理由は、高まる中国語人材に対して、中国語を話せる日本人が少ないからです。日本では、2020年から小学生の授業に英語のカリキュラムを組み込み始めたり、2020年以前は中学校から英語を授業で学習したりと、英語に関しては、触れる機会が多くあります。
しかし中国語に関しては、自ら学ぼうと思わない限り触れる機会が限られている現状があります。
日本人で中国語のスキルを持っている人材は圧倒的に少なく、急増する中国語へのニーズに対して、需要と供給のバランスが悪い状態であるといえます。
そのため、中国語を話せる日本人はとても重宝されます。企業としては、中国語を話せる人材は喉から手が出るほど欲しいと考えています。
英語よりも希少価値は高い
英語は、義務教育でほとんどの日本人が学習していることや第二言語といえば英語と考えている人が多いことから、自ら機会を作らない限り他の言語に触れる機会がなかなかありません。
そのため、英語を話せる日本人よりも中国語を話せる日本人の方が圧倒的に少なく、英語よりも中国語の方が希少価値が高いということができます。
経済発展の著しい中国でビジネスを展開したいと考えている日本企業は多く、中国でのビジネス成功のために、中国語に関するスキルを持ち合わせている日本人は貴重な存在です。
中国語の需要が高いから
中国語が就職に有利なのは、中国語の需要が高いからです。たとえば近年、新型コロナウイルス感染拡大のため、訪日外国人の受け入れがなくなったものの、以前は観光地やお店に多くの外国人が訪れていました。
観光庁の「訪日外国人の消費動向(2022年)」の調査によると、中国からの観光客は韓国に次いで2番目に多く、一時期爆買いという言葉が流行ったほど、日本で日用品や家電などを購入する人で溢れ活気がありました。
2022年6月10日から訪日外国人の受け入れを再開したため、日本を訪れる中国人観光客に対応できる中国語人材の需要は高まることが予想されます。
また、財務省貿易統計のデータによると、アジアの中で日本との取引が多い国は圧倒的に中国が多いため、中国語を話せる人材を求めている企業は数多く存在しています。
中国進出する企業も多いため
国の経済活動状況の良し悪しを端的に知ることができるGDPを見ると、2022年度の数値で中国は世界第2位、日本は第3位で、その差は4倍以上です。また、帝国データバンクによると、2022年時点で中国に進出している日本企業は1万2706社となっています。
上記の内容からわかるように、発展が著しい経済大国の中国へ進出をする企業やすでに進出している企業は多く、中国でのマーケットシェアをさらに大きくしたいと考えています。
そのため、今後も中国でのビジネス市場を拡大していくための中国語人材が必要不可欠であり、就職に有利に働くといえます。
自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
就活を成功させるためには自己分析が必須です。しかし、自分自身のことを分析するのは意外と難しいですよね。
そんなときは「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけであなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
中国語を就職に活かすために取得したい資格
就活生
中国語が就職で有利になる理由が理解できました。
キャリア
アドバイザー
良かったです。語学のスキルは良いアピールポイントになりますからね。
就活生
はい。語学のスキルを証明するためにはやはり資格取得を目指すべきでしょうか?
キャリア
アドバイザー
その通りです。では、中国語を就職に活かすために取得したい資格を解説していきましょう!
中国語を就職で活かすためには、資格取得がおすすめです。なぜなら採用担当者が学生の語学スキルを一目で判断することができるからです。
では、中国語を就職に活かすために取得したい資格を4つ解説します。
中国語検定
中国語検定(中検)は、日本中国語検定協会が実施している中国語の学習レベルを測るためにもっとも活用されている資格試験です。準4級〜1級にわかれており、試験内容はすべての級でリスニングと筆記試験がおこなわれます。
準1級と1級は、二次試験にコミュニケーション能力や日本語への通訳・翻訳力を問われる面接を受ける必要があります。
最初の級では、中国語を学習するための基礎知識を身に付けているレベルから始まり、徐々に難易度が上がっていきます。
準1級、1級レベルでは高度な読解力や複雑な中国語の翻訳や日本語への通訳ができるレベルを求められます。中国語検定は、中国語の理解のほかにも日本語への翻訳能力も必要になる資格です。
HSK
HSKは、日本の文部科学省に相当する中国政府教育部の直属機関が主催している認定資格です。全世界で875か所以上、118の国と地域で導入されているため、世界中で公的証明として活用することができます。
HSKは、筆記試験と口頭試験の2種類にわかれています。
- 筆記試験:1級〜6級にわかれており、リスニング・読解・作文の力をそれぞれ測る
- 口頭試験:初級・中級・高級にわかれており、リスニング力・スピーキング力を測る
中国語検定とは異なり、中国語の問題を中国語で回答する必要があるため、日本語への翻訳能力は求められません。HSKは中国語を用いたコミュニケーション能力を測るテストであるため、実用性の高い中国語を身に付けることができます。
グローバル企業でHSKを導入する企業が増え、採用担当者も認知しているため、自身の中国語レベルをアピールすることができる資格であるといえます。
TECC
TECCとは、中国語コミュニケーション協会が主催している中国語コミュニケーション能力検定です。中国語の専門的な知識を求めるのではなく、日常会話やビジネスシーンで使用される会話をもとに実践的なコミュニケーション能力を測定する試験です。
TOEICのようにリスニングとリーディングが出題され、問題文はすべて日本語です。評価方法は1000点満点のスコア表示方式であり、0〜249は挨拶、日常生活の単語を聞いて理解できるレベルといったように細かく定義されています。
獲得スコアによって自身のレベルを細かく判定することができるため、学習の目標や指針としても活用できます。また、実際に使われる中国語が軸となっている検定であることから、学生の中国語レベルをTECCのスコアで判断する日系企業も多いです。
TOCFL
TOCFLは、台湾の国家中国語能力試験推進委員会主催による中国語を母国語としない人に向けた試験です。テストの問題は、中国大陸で使用されている簡体字ではなく、台湾や香港などで使用されている繁体字で作成されています。
試験内容は、リスニングとリーディングにわかれており、それぞれ4択の選択問題になっています。日常生活で使用される会話、ラジオ、天気予報などが題材となっており、より実生活に近いテーマで出題されます。
試験は、「Band A」「Band B」「Band C」の3種類にわかれており、選択した種類の獲得点数により聴解問題・読解問題のLevelが決まる仕組みです。
たとえば「Band A」を選び、聴解問題50点・読解問題50点の場合は、聴解問題の級はLevel1・読解問題の級もLevel1とテストの点数によって振り分けられます。
日本での認知度は高くない資格ですが、台湾で働きたい人、台湾で習った中国語のスキル証明などに活用することができます。
中国語が就職に有利に働くレベル
就職に役立てるために資格取得を目指している人は多いと思います。ただし、資格を持っていれば良いというわけではなく、履歴書に記載するにはある程度のスキルが必要になります。
資格を取っていれば自身のスキルの証明になりますが、あまりに低いと仕事で活用ができないため、採用担当者の目に止まることはありません。自身のアピールポイントとしてプラスに働くレベルの資格を持っている場合にのみ履歴書に記載するのが良いでしょう。
ここからは、中国語が就職に有利に働くレベルについて解説します。
中国語検定では3級以上
中国語検定が就職で有利になるレベルは、3級以上です。就職に活かしたいと考えるのであれば、4級以下では文法力も語彙数も足りず仕事に活用することが難しいからです。
3級は、基本的な読み書きや簡単な日常会話ができるレベルであるため、航空業界やホテルなどの接客業の仕事に役立てることができます。3級以上であれば、ある程度中国語意思疎通が可能であり、双方問題なくコミュニケーションが取ることができます。
営業や貿易事務などのビジネスレベルが高い仕事には準1級以上、通訳や翻訳家などプロフェッショナル人材を目指すのであれば1級の資格取得が必要です。
求められるスキルは就職先や業務内容によって異なりますが、中国語を使用して働きたいと考えるのであれば、最低水準の3級以上の取得を目指していきましょう。
HSKでは2級以上
HSKを就職で有利に働かせるためには、2級以上の資格取得が必要です。HSKは、全世界の国と地域で実施されており、日本国内でも認知度が高い資格です。
HSKのレベルは、2級で簡単な日常会話ができる、3級で日常的な場面でコミュニケーションができるという中国語の基礎を学び、旅行に行っても中国語で対話ができる状態を指します。
就職でアピールするためには、最低でも日常会話の取得が必要です。HSK2級以上であれば、スキルを証明することができます。
即戦力を求めている企業や交渉・商談など高度なビジネスの場合は、求めている人材をHSK5級以上としている企業もあります。仕事の内容によって求められるスキルは異なりますが、中国語を使用して働くのであれば今後も見すえてなるべく上の級を目指すのが良いでしょう。
中国語を活かせる仕事にはどんな仕事がある?
就活生
中国語の資格もたくさん種類があるんですね。
キャリア
アドバイザー
そうですね。どれか一つでも複数でも、自身が良いと思う資格取得を目指していきましょう。
就活生
はい! 資格のほかに、実際に中国語を使える職場についても教えてください。
キャリア
アドバイザー
わかりました。では中国語を活かせる仕事について解説しましょう!
国内外問わず中国語を使って働ける場所は多く存在しています。自身の中国語のレベルによって活かせる仕事が異なるため、初級、中級、上級のそれぞれを解説します。
初級レベル
初級レベルは中国語検定3〜2級に相当し、中国語の基本的な文章の読み書きや簡単な日常会話ができる状態です。中国語を流暢に話せなくても、飲食店や宿泊施設などで接客をメインとした仕事に従事できるレベルです。
接客業は、ある程度顧客との会話ややり取りが決まっているため、語彙や文法数が少なくても対応が可能です。
新型コロナウイルス拡大以前の訪日外国人でトップだったのが中国です。インバウンドを受け入れ始めた日本には、今後中国や台湾からの観光客が増えていくことが予想されます。
そのため、観光客が必ず利用する飲食店、宿泊施設、空港で、中国語を活かす機会が増えていくといえます。
飲食店のスタッフ
飲食店のスタッフは、中国語話者の顧客に対して注文を受け、料理や飲み物を提供、質問に対して説明をする仕事です。基本的には、中国語の日常会話レベルを理解していれば対応が可能な仕事であるため、求められるスキルはそれほど高くはありません。
訪日中国人に人気のある観光スポットの周辺の飲食店、日本食のお店、チェーン店などさまざまな職場で中国語は活かすことができます。
飲食店スタッフは未経験歓迎と応募条件に書かれている場合も多いですが、中国語を話す顧客に対応できるスタッフは重宝されます。中国語のスキルを存分にアピールして就職に活かしていきましょう。
飲食業界についてはこちらで解説しています。
関連記事
飲食業界を目指す学生が絶対に知っておくべき知識を徹底解説!
飲食業界の課題と展望を把握しておくと就活を有利に進めやすい こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。飲食業界に興味を持つ学生から 「今後、飲食業界の需要は増していくのでしょうか?」「コロナ禍で経営難の飲食店が多い印象 […]
記事を読む
宿泊施設のスタッフ
宿泊施設のスタッフは、フロント業務のほかに食事の説明や周辺の観光地案内など、中国語でのやり取りを求められることが少なくありません。宿泊施設は日本全国にあるため、都心部だけでなく地方でも働くことができます。特に中国人観光客に人気のある北海道や沖縄では、中国語を話せる人材の需要が高いです。
日本政策投資銀行がアジア・欧米豪の訪日外国人旅行者へ新型コロナウイルス収束後に訪れたい国についてのレポートで、1位に日本が選ばれました。食事の美味しさや清潔さなどが選ばれた理由です。
今後少しずつ訪日外国人が増えていく中で、必ず利用する宿泊施設で中国語を活かすチャンスは多く、中国語を就職に活かすことができるということです。
ホテル業界についてはこちらで解説しています。
関連記事
ホテル業界への就職はあり? 今後の展望と向いている人を解説
アフターコロナを見すえたホテル業界は魅力的! こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「ホテル業界に興味があり、就職したいけどどうすればいいでしょうか?」「コロナ禍の影響を考えるとホテル業界に就職するのはやめた方が […]
記事を読む
航空会社のグランドスタッフ
中国語初級レベルでも従事できる仕事には、航空会社のグランドスタッフがあります。グランドスタッフは、空港でのチェックインカウンターでの搭乗手続きや乗客の案内をおこなう搭乗案内などの接客を担当します。
空港には数多くの中国人観光客が訪れるため、グランドスタッフは中国語でコミュニケーションを取る場面が多いです。搭乗手続きのほかにも空港内のおすすめのお店や交通機関についての質問など、フライト案内以外の対応も求められます。
宿泊施設と同様に、都心部の主要空港だけでなく地方空港でも中国語人材の需要が高まっており、日本全国どこの空港でも中国を活かして働くことができます。
航空業界についてはこちらで解説しています。
関連記事
航空業界の就活を成功させる4つの秘訣|業界研究と職種一覧
航空業界を目指すなら深い業界理解に加え、自分の強みや経験などを効果的にアピールすることでほかの就活生と差をつけましょう。 この記事では航空業界の動向、魅力、課題、もとめられる人などをキャリアアドバイザーが解説します。 職種別志望動機例文も参考にしてくださいね!
記事を読む
中級レベル
中級レベルは、中国語検定で表すと準1級であり、中国語を使用した実務にすぐに対応できる状態です。新聞や高度な文学の理解が可能で、中国話者とスムーズにコミュニケーションが取ることができます。
中級レベルであれば、エンジニア、貿易事務、営業、バイヤーに従事が可能であり、各分野で必要な単語や表現を覚えることで即戦力として活躍できます。初級レベルのように一般顧客を相手にするのではなく、企業同士のやり取りになるため、仕事内容や求められるスキルは上がります。
しかし、中国語の基礎部分が固まっている中級レベルは、実践を積む中でスキルを向上させることができるでしょう。
エンジニアやプログラマー
システムエンジニアやプログラマーは、システムやプログラムの設計や開発をおこなう仕事です。中国のシステムやプログラムに関連する企業であれば、エンジニアやプログラマーとしての技術に加えて中国語も必須です。
また、近年は開発自体を中国へ受注している場合もあり、中国側に仕様を説明したり、各種調整をしたりする役割を担うことができます。
他にもエンジニアやプログラマーとしての専門性と中国語のスキルを掛け合わせて、中国国内で活躍することも可能です。中国語とエンジニアやプログラマーとしてのスキルの両方を、求められる難易度が高い仕事であるといえます。
貿易事務
中国語のビジネスレベルの読み書きができれば、輸出入の管理や手配をおこなう貿易事務の仕事で活躍することができます。
財務省貿易統計のデータによると、2007年以降の日本の輸出入相手国の第一位は中国であり、最大の貿易国です。中国と頻繁に貿易取引をおこなう商社や貿易関連企業では、中国語の読み書きができる人材は必要不可欠であり、中国語を間違いなく活かせる環境です。
2015年より、伊藤忠商事は中国語の読み書きができる人材を育てるプロジェクトを始めたことから、中国語人材の需要に対して供給ができていない現状を読み解くことができます。つまり中国語のスキルを持ち合わせていれば、貿易事務の仕事への就職が有利であるといえます。
事務職で求められる要素についてはこちらで解説しています。
関連記事
事務の仕事内容とは? 選び方や向いている人の特徴を解説
事務職とは誰かの仕事をサポートする仕事 こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から 「事務の仕事に就きたいです」「事務の仕事って具体的には何をするのでしょうか」 という声を聞くことがあります。事務職は、オフィ […]
記事を読む
営業
中国に向けてセールスをおこなう営業の仕事は、中国語のスキルを活かせる仕事の一つです。日本の製品は高品質であり中国で人気があり、また、人件費や仕入れコストなどを削減できる中国製品は日本での需要が高く、双方の国にとってメリットがあります。
そのため、中国語を使いこなせる営業の需要が高まっており、求人も数多く出ています。
ただ、中国語ができれば良いというわけではなく、中国向けの営業も日本の営業と同じく、製品を売り込むプレゼーテーション能力、交渉力などのビジネススキルが求められます。
また、一般的な製品だけでなく、不動産や投資商品を扱っている企業もあるため、専門的な語彙を働きながら身に付けていく必要があります。
バイヤー
小売店で販売するさまざまな商品の買い付けを海外でおこなうバイヤーの仕事で、中国語を活かして働くことができます。たとえば、食品やアパレル商品を中国で買い付けたり、取引をおこなったりするのに、ビジネスレベルの中国語が必須であり、中国語人材が欠かせません。
中国産の商品は日本国内に溢れており、多くの企業の売上に貢献している中国とのビジネスは今後さらに加速していくことが予測されます。そのため、中国語中級レベルの人材は、非常に注目されており需要が高いといえます。
一般的には、入社後商品についての理解を深めるために販売などを経験したのち、バイヤーになることができます。現場で商品の中国語の語彙数や文法を増やして、スキルを磨きバイヤーとしての活躍を目指していきましょう。
上級レベル
上級レベルは、中国語検定1級に相当し、中国語の難易度の高い文章の読解や複雑で専門的な会話を理解し翻訳・通訳ができる中国語のプロフェッショナルです。
高い語学力を活かした仕事でイメージできるのは、通訳者や翻訳家だと思いますが、他にもカスタマーサービスに欠かせないBPOセンターのコールスタッフ、中国語の教師、中国での日本語教師などの幅広い仕事を選択することができます。
中国語を自在に使用できる上級レベルであれば、日中の架け橋となり、仕事を通して多くの人々に貢献しながら、自身をさらに成長させていくことが可能です。
BPOセンターのコールスタッフ
中国語を日本語に、日本語を中国語に通訳するスキルがあれば、BPOセンターのコールスタッフとして働くことができます。BPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングを意味し、企業の間接部門の一部業務を外部へ委託する仕組みです。
仕事内容はさまざまで、たとえば携帯ショップに訪れた日本語が話せない中国の人に対して、電話越しにショップ店員さんからの契約情報や料金プランなどを説明する仕事や家電を購入した後の質問対応やクレーム処理など幅広い業務を担当します。
コールスタッフには、相手の顔が見えない状態で中国語を使用し相手と深いコミュニケーションを取る高い語学力が必要です。通話内容を記録する必要がある場合は、中国語を素早く書き留めるスキルも求められます。
コールセンターの仕事の魅力はこちらで解説しています。
関連記事
コールセンターの志望動機を差別化するには? 評価点や魅力も解説
コールセンターの志望動機は業務内容を理解し、自分の言葉で熱意を伝えるとアピールできますよ。 この記事ではコールセンターの仕事内容、魅力、志望動機の書き方などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画や志望動機例文も参考に志望動機で差をつけましょう!
記事を読む
中国語の通訳案内士
中国語の通訳案内士とは、訪日中国人や中国語話者の観光案内や旅行中の起きる困りごとの解決などのサポート業務をおこなうことで報酬を得る仕事です。
通訳案内士になるには、業務を適切におこなうための理解力、日本の文化・産業などの知識と説明力、語彙力など中国語の総合的なスキルを図る通訳案内士試験の受験が必要です。
日本政府観光局によると、毎年合格率は5〜10%程度であり難易度が高い資格ですが、その分希少価値も高いといえます。中国語検定1級かHSK6級以上の獲得実績があれば筆記試験は免除されるため、取り組みやすい資格であるといえます。
中国語の通訳案内士の数が少ないことから、旅行会社、イベント関連業、空港、観光地など働く場所は多く、就職において資格を存分に活かすことができるでしょう。
中国語教師
中国語を自在に使いこなせるスキルがあれば、中国語教師を目指すことができます。中国語は、中国人が教えた方が良いと思うかもしれませんが、実は日本人が日本人に教える方がわかりやすいということもあり、語学学校、中高大の講師などで働くことが可能です。
高い中国語のスキルと、受講者の日本人とコミュニケーションを取るための正しい日本語のスキルの両方が求められます。また、人に教える仕事であるため、発音が重視されます。
中国語教師として働くためには、高い語学力や他人に教える力を証明する必要があります。職場によって必要な資格は異なりますが、中学や高校の場合は中国語教員免許、大学の場合は大学院に進学し博士号を取得するのが一般的です。
中国現地での日本語教師
中国現地での日本語教師は、文字通り中国で日本語を教える教師として働くことです。近年、中国の大学入試センターである高考の外国語科目で日本語が選択できるようになったり、日本のアニメや漫画が人気であったりすることから、中国で日本語の学習人口が増えています。
そのため、日本語教師の需要が中国国内で高まっています。中国語のスキルはもちろんのこと、正しい日本語の理解や他人に教えるスキルの高さも求められる仕事です。また、中国で生活するために、中国の習慣や文化などについても学んでおくと安心です。
中国現地で日本語教師として働くために、資格は必要ありませんが、大学卒業以上の学歴が条件の場合が多いです。また、大学で日本語教育や語学を学んでいると有利になることがあります。
キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
近年では、人事や総務などバックオフィスの業務に携わる際にも中国語の知識を活かせるケースが増えてきました。時としてみなさんのライバルになるかもしれませんが、たとえば採用活動において、日本国内の学生だけではなく外国籍の学生に入社をしてもらうために中国語を使うこともあります。また、社員教育の一環として海外派遣などをおこなう場合にも、現地スタッフと中国語でやりとりをすることもあり得ます。
また、外国籍の社員を雇うということはビザなど重要な手続きでも外国語の知識は必要です。もちろん、こうした業務はエージェントや外部組織に委託をすることも多いですが、自分でもある程度語学の知識があったほうが業務をスムーズに進めることができます。
自分は話すことをしたいのか、読み書きだけでいいのかなど、どのスキルを活用したいのかを考えながら仕事を検討してみましょう。
中国語を活かせる就職先を探すときに考えるべき3つのポイント
- 顧客は誰なのかを考える
- どんな仕事内容がしたいかを考える
- 自分が希望する働き方は何かを考える
中国語の習得レベルによりますが、観光業、商社での貿易事務、中国語教師など中国語を活かして働ける場所は数多くあります。
中国語を活かした就職先を探すうえで大切なのは、自身が希望とする仕事内容や働き方について考えることです。たとえば、中国語の会話力や読み書きを活かしたいのか、または、全体的に網羅した仕事に就きたいのかで、大きく異なります。
ここからは、中国語を活かせる就職先を探すときのポイントを3つ解説します。しっかり先を見すえて考えてから就活をおこないましょう。
①顧客は誰なのかを考える
中国語を活かす就職先を考えるときは、顧客を誰にするのか明確にしておきましょう。日本人を相手に仕事をするのか、中国人を相手に仕事をするのかで就職先が大きく異なるからです。
たとえば日本人を相手に仕事をする場合は、中国企業との商談、中国から視察に来る社員の対応、中高大の教員などで中国語を活用できます。中国人を相手にする場合は、観光業やサービス業などで訪日中国人相手に中国語を活かして働くことができます。
中国語を活かす就職先を探すために、対象者となる顧客を誰にするかを決めてから就活を進める方が、軸がぶれることがなく、スムーズに進めることができます。
➁どんな仕事内容がしたいかを考える
中国語を活かせる就職先を探すポイントは、どんな仕事をしたいのか方向性を決めることです。なぜなら、仕事内容によって必要となる中国語レベルや求められる能力が異なるため、必要なスキルが明確になるからです。
たとえば、接客業やサービス業では会話力、エンジニアや貿易事務では読み書きの力が必要になります。どの仕事でも対応できる中国語のスキルがあれば問題ありませんが、まずは自身の中でどんな仕事に就きたいのか決めることで、目指すべき道筋を立てることが大切です。
どんな仕事内容で就職したいのかを考え、取り組むべき事柄や自身に足りないものを把握し就活を着実に進めていきましょう。
③自分が希望する働き方は何かを考える
中国語を活かせる就職先は、雇用形態含めて国内外にさまざまな種類があります。そのため、正社員なのかアルバイトなのか、日本国内なのか中国語が使われている中華圏で働くのかを考える必要があります。
たとえば雇用形態に関して、正社員以外でも中国語を活かせる仕事がたくさんあるため、自身のキャリアやライフスタイルに合った働き方を選択できます。また、中国やシンガポールなど海外で働く場合は、結婚や親の介護などのライフプランをシュミレーションすることも大切です。
自身が希望する働き方のメリットとデメリットを洗い出しをおこなうとゴールが明確になり、無駄なく就活を進めることができます。
中国語を活かせる就職先の探し方
就活生
中国語を活かして働くために、事前に考えるべきポイントがわかりました。さっそく考えてみます。
キャリア
アドバイザー
良かったです。中国語を活かせる就職先の探し方は複数あり、就職先を探す前に準備しておかないと就活が余計に大変になってしまいますからね!
就活生
なるほど。わかりました。
キャリア
アドバイザー
では中国語を活かせる就職先の探し方についても解説していきますね!
中国語を活かせる就職先の探し方は複数あります。働きたい仕事内容や場所を決め、自身の希望が実現できるよう就活をおこなっていきましょう。
中国語を使う日本企業を探す
中国語を使う日本企業を探す場合は、求人サイトを利用するのが良いでしょう。大手求人サイトのほかにも、求人ボックスやindeedを活用し「中国語」「新卒」など入力しキーワード検索をおこなうと求人情報が出てきます。
探してみると中国語を使う求人数は多く、さまざまな仕事で中国語が必要であることがわかります。たとえば、中国との貿易をメインにおこなっている企業や中国に向けたSNS発信のプロモーション担当などで中国語を活かすことができます。
しかし、求められるスキルはどこの企業も高めであり、中国語のレベルが中級以上、日本語もビジネスレベルで募集している場合もあります。募集要項を確認し、自身の中国語レベルで働けるかを確認することが大切です。
中国支社がある日本企業を探す
日本の企業に所属しつつ中国で働きたいと考えている人は、中国支社があり駐在員を派遣している企業を探しましょう。
帝国データバンクによると、2022年時点で中国に進出している日本企業は1万2706社となっており、中国に派遣され現地で働いている日本人は多くいます。駐在員は、給与の高さやキャリアの幅が広がることから人気の高いポジションで競争率が高いです。
求められるスキルも当然高いため、新卒で入社後は与えられた仕事に邁進し成果を出す必要があります。社内で認められた段階で異動希望を出したり推薦があったりして、中国駐在が実現します。チャンスを逃さないように、語学力や専門性を磨き続ける必要があります。
中国での現地採用をしている企業を探す
中国語を活かして働くために、中国での現地採用をしている企業を探す方法もあります。海外の求人専門情報サイトや掲示板、知人からの紹介などを活用すると良いでしょう。
日本の企業から駐在員として派遣される働き方とは異なり、期限や職種に制限がなく自身の希望する仕事を選べます。ただし、赴任手当が受け取れる駐在員よりも現地採用で働く方が給与は低くなります。
また、ビザを取得するために、中国語レベルと2年以上の職務経歴がある人材が望ましいという審査基準を定めています。ただし、未経験者だから働けないというわけではありません。現地採用は即戦力を求めているため、高い語学力と経験や同等のスキルが必要不可欠であることを念頭に入れて就活をおこなうと良いでしょう。
海外企業も紹介できるエージェントを利用する
中国語を活かして現地で働きたい人におすすめなのは、海外企業も紹介できるエージェントを利用することです。就職エージェントの魅力は、応募者の希望や適性に応じて求人を紹介してもらえるため、双方のミスマッチが起こりにくい点です。
また、アドバイザーによる応募書類の添削や面接サポートが受けられるため、効率よく就活を進めることができます。他にも入社後のフォローも対応してくれるため、現地で困ったときに相談ができるなどのメリットもあります。
エージェントを活用するとプロから客観的アドバイスがもらえ、安心感を持って就活を進めることができます。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
様々なキーワードを入力して企業を探す方法は、思いもよらない企業と出会える可能性があるため非常におすすめです。ただし、語学以外にも給与や立地、業界など譲れない条件がある場合には、どの項目を優先して検索をしていくべきかなどを決めて進めていきましょう。
ただなんとなくキーワードを入れていくと相当数の結果が出てしまいます。いろいろと見たけれども結局訳が分からなくなってしまった、という状況にはならないように注意をしてください。
また、現地採用を目指す場合には日本語のサイトではなく外国語での検索や、海外でよく利用されている検索サイトを活用してみてください。海外のサイトの場合には危険なサイトも混じっているリスクがあるため、なんでも過信しすぎずにわからないことがあれば周囲に相談できる人を作っておくことも大切なので覚えておきましょう。
中国語の勉強におすすめの本
中国のビジネスの勢いや世界での中国語話者の多さから、中国語を活かし働くことに魅力を感じ、勉強を始めたいと考えている人は多いと思います。
中国語の勉強方法や資格試験対策など、それぞれ人によって必要なポイントが異なるため、自身に合った本選びが必要です。
ここからは、中国語初心者が読むべき入門書から資格取得を目指している人まで、幅広く中国語学習に使用できるおすすめの本を解説します。
はじめての中国語
はじめての中国語は、相原茂が著者で講談社から出版されている中国語を学ぶヒントが多数書かれている本です。
中国語をこれから勉強する人に向けて、
- 中国語の特徴
- 基本的な発音や文法
- 独特な発声法「声調」について
- ピンインという中国語の発声表記法の読み方と書き方
など中国語学習の意欲を高めてくれる情報が盛りだくさんで、読みやすい1冊になっています。
中国語は、日本語のようにひらがなやカタカナは使用せず、すべて漢字で表記します。日本人も日頃から漢字を使用するため、中国語はなじみのある言語であるといえます。はじめて中国語を読み、中国語の特徴を学ぶと中国語への理解が深まり、モチベーションが高まるでしょう。
HSK・中国語検定 最強の学習法
HSK・中国語検定 最強の学習法は、三宅裕之が著者で中経出版から発売されている、初心者から上級資格を狙っている人に向けて書かれた本です。
中国語をマスターするために、段階を踏んで継続して学習していくための方法がわかりやすくまとめられています。中国語の2大検定試験のHSKと中国語検定の目標設定に対して、合格するまでのロードマップが示されており、本の通りにきちんと学習すると、中国語のレベルアップを目指すことができる1冊です。
どうやって中国語を学べば良いのか、挫折せずに続けるにはどうしたら良いのかなど、疑問を解消してくれるため、中国語学習の導入本としておすすめです。
HSK試験の傾向をつかめるテキスト・過去問題集
HSK日本実施委員会が、HSK受験を決めたら購入すべき2冊として下記を推奨しています。
- HSK試験の傾向をつかめるテキストとして、中国語検定HSK公認テキスト◯級
HSKは、1級〜6級にわかれているため、自身の受験する級のテキストを選んでください。中国語検定HSK公認テキストは、それぞれの級に応じて合格するために必要なポイントがわかりやすく書かれており、1冊で試験傾向をつかむことができます。
- 過去問題集として、中国語検定HSK公式過去問題集◯級
中国語検定HSK公式過去問題集は、過去5回分の問題が収録されています。リスニング試験対策として、スマートフォンで簡単に音声ダウンロードもできます。合格への近道は、たくさん過去問に触れることです。中国語検定HSK公式過去問題集を活用し、繰り返し問題を解いていきましょう。
中検3級試験問題[第95・96・97回]解答と解説
中検3級試験問題[第95・96・97回]解答と解説は、白帝社から出版されている本です。具体的には、2018年6月(第95回)11月(第96回)2019年3月(第97回)に実施された試験問題の解答と詳しい解説を付けた検定協会公式の級別試験問題解説集です。
内容としては、出題のポイントや狙い、それぞれの問題に対して正解を導き出すための手順が簡潔に示されています。また、3級レベルで必修の重要語彙選を設け、言葉の実例と日本語訳についてや、声調の組み合わせを問う問題として出題された単語の一部を整理してわかりやすく記載しています。
CD-ROM付きであり、リスニングについても繰り返し学習が可能な1冊です。
中国語が話せれば世界規模で活躍できる人材になれる!
中国語が就職に有利とされている理由、中国語を就職に活かせる資格や仕事、中国語を活かせる就職先を探すときのポイント、中国語の勉強におすすめの本など詳しく解説しました。
日本では、中国語を使いこなせる人材がまだまだ少ないため、中国語を話せれば訪日中国人への接客業や対中国とのビジネスに欠かせない人材として、就職を有利に進めることができます。
この記事を参考に、中国語を話せるようになり、世界規模で活躍できる人材になりましょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
上記にも書いた通り、中国語の話者はアジア圏の人たちが多いです。アジア圏はまだまだ日本企業がビジネスとして入り込むチャンスがあったり、欧米圏よりも文化的にも物理的にも近い側面があることから人材採用にも力を入れていたりするケースも増えてきました。
英語が話せる就活生の中には、アジア圏にはあまり関心がなくあくまでも英語を母国語とする欧米諸国へのビジネス展開に関心がある、という人もいます。一方、中国語がわかるということは、こうした企業のアジアに対する経営戦略に少なからず関心を示していることのアピールにも繋げられるでしょう。
語学ができることだけではなく、それを通じてどのようなことにチャレンジしてみたいのかという熱意も伝えていくようにしましょう。