事務の仕事内容とは? 選び方や向いている人の特徴を解説

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目次

  1. 事務職とは誰かの仕事をサポートする仕事
  2. 事務職の仕事内容の3つの特徴
  3. ①会社や部署によって仕事内容が大きく異なる
  4. ②専門知識が必要とされることがある
  5. ③デスクワーク中心だがマルチタスクが求められる
  6. 代表的な事務職の仕事内容を確認しよう
  7. 書類作成
  8. データ入力
  9. 電話・メール応対
  10. ファイリング(書類整理・処理)
  11. 小口金管理・伝票処理
  12. 備品管理・発注
  13. 郵送物の確認・仕訳・発送
  14. 来客対応
  15. その他(清掃・外出・コピー)
  16. 事務職の具体的な1日の流れを知ろう
  17. 事務職の種類を理解して自分にあった求人を選ぼう
  18. ①一般事務・OA事務
  19. ②営業事務
  20. ③経理事務
  21. ④人事労務事務
  22. ⑤総務事務
  23. ⑥医療事務
  24. ⑦貿易事務
  25. ⑧学校・大学事務
  26. ⑨法務事務
  27. 事務系総合職は事務職のエキスパート
  28. 知っておきたい事務職で働くメリット・デメリット
  29. 応募のしやすさ
  30. 働き方
  31. 評価やキャリアアップ
  32. 事務職に向いている人の3つの特徴
  33. ①真面目・コツコツ・丁寧に仕事ができる人
  34. ②ホスピタリティの高い人
  35. ③コミュニケーション力のある人
  36. 事務職で働くために求められる3つの要素
  37. ①事務処理能力(スピード・正確性)
  38. ②責任感・注意深さ
  39. ③接客や電話応対などのビジネスマナー
  40. 事務の仕事に役立つ資格一覧
  41. 事務職は会社を支えるプロフェッショナルの仕事

事務職とは誰かの仕事をサポートする仕事

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から

「事務の仕事に就きたいです」
「事務の仕事って具体的には何をするのでしょうか」

という声を聞くことがあります。事務職は、オフィスワークの中で代表的な職種の一つで、女性に人気の高い仕事です。事務職は「他の誰かをサポートをするし仕事」であり、未経験からチャレンジしやすいイメージもあるでしょう。

しかし、会社によっては事務職が企業にとって重要ポジションになったり、応募時に専門的なスキル・経験・資格保有が求められることもあります。

今回は、事務職の中でもっともメジャーな一般事務と、代表的な専門事務の仕事内容をそれぞれ詳しく紹介します。事務職の仕事内容、1日の過ごし方や求められるスキルなど全体像を理解すれば、自分が事務職にあっているか見極めやすくなり、応募準備もしやすくなりますよ。

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事務職の仕事内容の3つの特徴

事務の仕事内容の3つの特徴

事務職は、他の誰かの仕事をサポートするのが役割の一つですが、他にどのような特徴があるのでしょうか。事務の仕事を理解するうえで必要不可欠な3つの特徴について説明します。

①会社や部署によって仕事内容が大きく異なる

事務の仕事内容は、就職先の会社規模や配属先によって大きく変わります。たとえば、数十人の小規模な会社では、総務寄りの仕事と、社長や役員秘書的な要素、営業事務などカバー範囲が広くなる傾向にあります。

一方、数千人規模の会社での事務は、部署ごとに配属されるため、仕事内容も細分化されていきます。電話やメール応対がメインの事務や、データ入力専任の事務、特定の業界知見が必要になる事務などさまざまです。

会社や部署によって仕事内容が左右される点を理解したうえで、「どこの配属か」「仕事の範囲はどのくらいか」を事前に確認するようにしましょう

②専門知識が必要とされることがある

事務は未経験から応募しやすいのが特徴ですが、すべての事務職が未経験OKではありません。事務の中でも専門知識が求められる場合があります

たとえば、経理事務であれば簿記の資格保有や伝票仕訳の実務経験が求められます。また、貿易事務であればビジネス英語力や輸出入に関する法令などの理解が必要不可欠です。また、一般事務は経験を問わず募集することが多いですが、人気で応募数が集まりやすいので募集要項に制限がかけられる場合もあります。

ふるいにかけるためにOfficeツール(WordやExcel、PowerPoint)のビジネス利用経験や、一定の資格保有が条件になるケースも少なくありません。どんな事務を目指したいかによって求められる経験やスキルは異なるので、事務の全体像を先に知る必要があります

③デスクワーク中心だがマルチタスクが求められる

事務の仕事は「未経験から誰でも応募できる」「1日ずっとルーチンワークで楽そう」と考える人もいるでしょう。たしかに事務はデスクワークが中心で、突発的な対応がなければ定時退社しやすい傾向がありますが、決して楽な仕事とは言い切れません。

たとえば、中小企業の総務事務であれば、会社の備品管理や発注、電話取りなど雑用的な業務から、社長スケジュールの調整や応募者との面接、毎月の伝票作成まで複数職種をまたがって仕事を進めていきます。会社の管理部門全体を担うため、責任は大きく、マルチタスクも求められるため難易度が高いといえます

こうした特徴のじむしょくだからこそ、努力を惜しまないタイプの人にはおすすめの職種です。自分が努力を惜しまないタイプの性質を持つのかチェックしたい人は、ぜひこちらの記事も確認しておきましょう。

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事務職に求められることが変わっていく可能性もある

企業の規模にもよりますが、特に資金が多い企業は、事務作業を機械化させるための設備投資を検討しているケースもあります。もちろんすべての仕事が機械に置き換わるわけではなく、人にしかできない仕事もたくさんあります。しかし、企業の方針は時代に合わせて変わっていきます。企業によっては中期経営計画などの資料にデジタル化やAI化といった言葉を入れている場合もあります。気になる人はチェックをしてみてくださいね。

また、応募をする際にも「何となく楽そうなイメージがあるから」という理由ではなく、少しでも自分のスキルを向上させたいという気持ちを忘れないようにしましょう。

代表的な事務職の仕事内容を確認しよう

事務職の具体的な仕事内容

代表的な事務職の仕事内容を一つずつ説明していきます。まずは上記の表を見て、事務の仕事の全体像をイメージしてみてください。

会社によっては、仕事内容を複数のポジションに分けて任せることもありますし、プラスアルファで別の仕事を任せる場合もありますよ。

書類作成

見積書や稟議書、請求書や検収書など、取り引き関係の書類をはじめ、社内のさまざまな書類作成をおこないます。会社内に用意されているフォーマットを利用して作成するケースや、ひな形がない状態で書類作成するケースもあります。

「書類」と言っても、どのような書類を作成するかは会社、業界、配属部署によって大きく異なるため、面接のときに詳細を確認しておきましょう

書類作成のさまざまなケース
  • 見積書や請求書を指定のフォーマットに沿って作成する
  • 会社独自の書類作成システムや、クラウドの書類作成ツールを用いて作成する
  • PowerPointやWord、Excelを用いて1から書類を作成する
  • イベント案内や営業チラシなど、デザイン性のある書類を作成する 

データ入力

取り引きにかかわる各種データを、指定のシステムやExcelなどに入力する仕事です。個客情報や、営業関連データ(アポ数・商談数・成約数・売上高など)、社員情報、会議や社内イベントなどの記録、顧客・社外に提出するための情報など多岐にわたります

正確な情報を打ち込むだけでなく、収集したデータの整理や分析まで求められる場合もあります。

電話・メール応対

社外からかかってきた電話や受け取ったメールの一次対応をおこなう仕事です。会社の代表電話や担当部署あてに入った電話・メールでの問い合わせを確認し、担当部署や担当者に取り次ぎをおこないます。

個客からの問い合わせ、営業電話を受けながら「これは社内に取り次ぐべきか」を判断し、場合によっては事務が要件に対応する場合もあります。臨機応変な対応力、丁寧でビジネスマナーを理解した応対が求められます。

ファイリング(書類整理・処理)

社内の書類を必要なものと不要なものに仕分けて整理し、ファイリングしたり指定の場所に格納したり、手続きをおこなったりします。扱う書類に機密情報・個人情報が含まれているときは、社内のコンプライアンスルールに従って正確に整理していきます。

不要になった書類はシュレッダーで処理する、ミックスペーパーに出すなど細かな配慮が必要な場合もあります。また、整理した書類を使う人がすぐ見つけられるよう、分かりやすく整える心遣いも必要です

小口金管理・伝票処理

旅費交通費や少額の小口金の管理、伝票処理などの経理業務を、事務の仕事と位置付けている会社も多いです。指定の伝票に入金・出金・売上・仕入・振替などを記載し、場合によっては入金作業まで任されます。会社によっては、銀行窓口まで足を運んで手続きをするので、外出する場合もありますよ。

備品管理・発注

社内で使用する備品の在庫を管理し、必要なタイミングで発注をおこないます。備品とは、トイレットペーパーやティッシュのような共有の日用品から、ボールペンやホワイトボード、ホチキスやコピー用紙などの文房具まで幅広いです。

備品管理には、メンテナンス業務や業者とのやり取りが含まれる場合があります。たとえば、会社で使っていたパソコンが壊れたときに業者に連絡し、修理依頼や新品との交換対応をおこなうなどです。

郵送物の確認・仕訳・発送

会社に届いた郵便物を毎日ポストに確認しに行って郵便物を仕分ける仕事や、社員が取引き先などに送付したい書類を代理で発送する仕事です。備品管理の仕事として、封筒や切手を事務が管理している場合も多いため、社員に代わって郵便物の対応をおこないます。

来客対応

来客があった際、部屋に案内したりお茶出しをしたりする仕事です。事前に社内の会議室をおさえたり、社外のミーティングスペースや会食の店を予約する場合もあります。協力会社、顧客、会社への応募者、ときには飛び込み営業なども来訪してくるため、相手に合わせた柔軟な対応力が求められます。

その他(清掃・外出・コピー)

その他にも、社内の清掃や銀行や郵便局などへの外出、コピーとりや他の職種のアシスタントなど細々した仕事があります。とくに小規模な会社では、営業やエンジニアなど職種を大分類したときに当てはめられない細かい仕事は、すべて事務にお願いすることもあります。

この「その他」の仕事内容は、企業によって大きく差が出る部分です。

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事務職の具体的な1日の流れを知ろう

「事務職の一日の流れ」の一例

事務の仕事内容をイメージしやすくするために、1日の流れに沿って仕事内容を解説します。1日の流れ例を見ながら働いているシーンを思い浮かべて、自分にはあっているか、どのようなスキルが求められるか考えてみましょう。

事務職の種類を理解して自分にあった求人を選ぼう

9種類の事務職

事務職は種類が多く、それぞれ仕事内容や求められるスキルが異なります。ここでは代表的な事務職をそれぞれ紹介するので、求人を選ぶときの参考にしてみてください。

①一般事務・OA事務

一般事務・OA事務とは、もっともポピュラーで、前の章で説明した事務の代表的な仕事内容がそのまま当てはまる事務職です。②~⑨で解説しているような専門的な事務以外は、ほとんど一般事務・OA事務に分類されます。

OAとはoffice automation(オフィスオートメーション)の略で、紙でおこなっていた事務作業をパソコンを用いて効率的におこなうことを指します。一般事務・OA事務ではとくに、ExcelやWord、PowerPointなどのOfficeツールを使いこなすスキルが求められる傾向があります

一般事務について知りたい人はこちらの記事も参考にしてくださいね。

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②営業事務

営業事務とは、営業社員のサポート役として営業活動に関する様々な事務的支援をおこなうポジションです。営業の仕事の一部を営業事務が代行する、営業に関する書類手続きのみ営業事務がおこなうなど対応範囲はまちまちです

営業の仕事と営業事務の仕事例
  • 顧客を集めて商品を提案する:テレアポや顧客へのメール作成を代行。顧客から営業への問い合わせの一時対応など
  • 商品を販売、契約する:契約書の作成や顧客への送付対応。社内システムへの登録、売上高の集計
  • 商品を納品し代金をもらう:納入書・納品書、検収書類の作成。請求書の作成と送付、入金の確認
  • 納品後のサポート、その他:納品後の顧客サポート、営業社員の成績集計

営業職について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。

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③経理事務

経理事務とは、会社の事業にかかわるお金の動きを確認し、出納や記帳、集計をおこなう仕事です。

会社によっては経理事務ではなく、経理職や総務職といった独立した職種が、これらの仕事を担当する場合もあります。経理事務には簿記や会計知識が必要になるため、事務の中でも専門性の高いものです

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出納とはお金の出し入れをして現金がいくら残っているか確認すること、記帳とは出納履歴を伝票や帳簿に記すこと、集計とは記帳した内容をまとめて決算書類などを作成することを指します。

④人事労務事務

人事労務事務とは、会社の採用や労務手続きを補佐的におこなう仕事です。人事事務ではなく、人事アシスタント・採用アシスタントと呼ばれることも多いです。人事の仕事は、採用・労務・人材育成や研修・人事制度運用と幅広く、この中の何にかかわる事務なのか、募集要項を見て確認する必要があるでしょう。

採用に関する人事事務であれば、応募者対応や求人原稿の作成、面接スケジュールの調整やスカウトメールの配信が代表的な仕事となります。労務系の人事事務であれば、給与計算や社会保険の計算・支払い、社員名簿の管理や入退社書類の手配、勤怠管理などが挙げられます。

⑤総務事務

総務事務は会社全体にかかわるさまざまな仕事を担うポジションです。機器や備品・施設の管理、書類の管理、社内イベントや株主総会など多種多様な催し物の企画や運営、電話やメールや来客対応などが挙げられます。

中小企業では総務、総務事務の役割が曖昧で、総務事務と一般事務、人事事務を一緒のものととらえる場合もあります。そのため、会社ごとに「総務」の役割が何を指しているのか確認するようにしましょう。

⑥医療事務

医療事務とは、病院やクリニック、歯医者などの医療機関で働く事務職です。患者の受付対応や、レセプト業務、書類やカルテの管理をおこなうのが一般的です。

医療事務の求人募集は未経験者OKとするものも多いですが、応募する医療機関によっては緊急の患者に臨機応変に対応する力、健康保険や医療の専門知識、医療に関する資格保有が条件となるケースもあります。

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レセプト業務とは、健康保険制度にもとづいて、患者の負担分と保険者で支払う部分の金額を点数にして計算する仕事です。保険者とは、皆さんが加入している健康保険(国民健康保険)の運営の主体を指します。

⑦貿易事務

日本の輸出入に関する書類作成や出荷・納入の手続きをおこなうのが貿易事務です。船、飛行機のどちらで輸送をするのか、輸出入先の国や地域、運ぶ物の種類や数、輸出入のスケジュールに合わせて、通関手配や関税納付などをおこないます。

輸出入にかかわる書類は英文書類の場合が多いため、語学力はじめ貿易全般の専門知識が必要となります。

⑧学校・大学事務

小・中・高校・大学または予備校や専門学校などの教育機関で働く事務職です。小規模な学校での事務職では、学校の設備管理や保護者・生徒向けの書類の手配、備品や教材の管理、学校行事の補佐など幅広く担当をします。

大規模な学校、大学での事務職では、学科ごとに事務職が配置されることが多いので、「学生課の事務」「文学部の事務」「大学の総務・人事課の事務」など、分業体制で仕事をおこないます。

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学校ならではの仕事としては、保護者や生徒、入学希望者や卒業生への各種対応や、教材の管理・発注、奨学金や学生の就職サポートなどが挙げられます。

学校事務を目指すなら資格についても知っておきましょう。こちらの記事を解説しています。

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⑨法務事務

法務職とは、契約書の作成やリーガルチェック(弁護士や専門家に確認依頼をおこなうこと)をはじめ、契約と法律にかかわる役割を担っており、法務事務は法務職のサポートとして仕事をします

会社では商品を提供する顧客だけでなく、一緒に事業を進める協力会社、商品の仕入れ先、採用する求職者など様々な相手と契約を結びます。そのため、それぞれの契約種類に合わせて法律を確認し、不備のない書類手続きをおこなう必要があります。

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契約内容や、契約の基盤となる法律は時代に合わせて変化するため、顧問弁護士や関係業者に問い合わせし、法令違反をしないよう正しく運用する仕事のサポートをおこないます。

このほかに受付事務も事務職の種類の一つ。こちらの記事で仕事内容などを確認しておきましょう。

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事務系総合職は事務職のエキスパート

新卒向けの求人を見ていると、事務系総合職という名称で募集をしている会社があります。

事務系総合職とは、先ほど説明した定型的な業務の多い一般事務、それぞれの専門知識が求められる営業事務や人事事務とは異なり、会社の管理部門の幹部候補生となる事務のエキスパート的なポジションです。

「総合職」と名前についている通り、企画・マーケティング、営業企画や事業企画、広報や人事、経理、総務、法務などにまたがった仕事内容となります。対応範囲が広いため基本給は他の事務より高く設定されやすく、本社勤務で4年生大学の卒業生に限定して募集される傾向もあります。

塩田 健斗

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仕事に何を求めるかの違いを考えよう

仕事の内容が異なるということは、事務系総合職と一般事務それぞれで働く人が仕事に対して求めていることも異なるということです。事務系総合職の場合には、年次が上がるにつれて責任感や規模が大きな仕事をしたり、自分が中心となり業務を回したりすることも増えていくケースが多いです。そのため、様々な挑戦をして成長を実感したい人に向いていると言えるでしょう。

一方、一般事務を志望する人はプライベートとの両立をより重視したいケースが多いです。たとえば習い事をしていたり趣味がたくさんあったりする場合には、退社時間に急な変動が起きにくい一般事務の働き方が向いているでしょう。また、業務に対してあれもこれもと挑戦するのではなく自分のペースで資格を取得したり、PCスキルなど1つのことをこつこつと身に付けていきたいという人にもおすすめです。

知っておきたい事務職で働くメリット・デメリット

事務は繁忙期にあたらなければカレンダー通りで定時に帰れることも多く、ワークライフバランスがとりやすいメリットがあります。一方、「誰でもできる」というイメージもあり、キャリアパスが描きにくいデメリットを感じる人もいるでしょう。

今回は「応募のしやすさ」「働き方」「評価やキャリアプラン」の3つの視点から、事務職のメリット・デメリットをお伝えします。

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キャリアアドバイザー

それぞれの特徴をメリット・デメリットで分解してみていきましょう。

応募のしやすさ

事務の中でも一般事務は、未経験者や社会人ブランクがある人でも応募しやすいのはメリットといえます。会社によるものの、他の職種に比較すると未経験向けの求人数が多い傾向にあります

たとえば、大手会社で全国に支店がある場合、支店ごとに一般事務を募集することもあるので、それだけ求人数も増えていきます。また、どの会社・部署にも事務は必要とされやすいポジションのため、自分の希望エリアで求人を探しやすいです。

また、募集が集まりやすいため、特に一般事務の給与は低めに設定されることはデメリットとして覚えておくと良いでしょう。

働き方

事務はデスクワーク中心で定型的な仕事内容が多く、残業少なめ、カレンダー通りな点がメリットといえます。事務はワークライフバランスがとりやすいと感じている人は多いですよね。

また、一般事務は土日休みで定時に帰れるのでプライベートと両立しやすいものの、経理事務は月末や決算前、人事事務は採用状況によって土曜に面接対応など忙しいこともあります。「想定していた働き方と違う」と、入社後に驚かないためにも、応募先の事務の働き方について確認しておくと安心です。

評価やキャリアアップ

事務は定型的な業務が多く、毎日コツコツと同じ仕事をこなすのが楽しいと感じる人もいます。自分のペースで書類作成したり、データ入力したりして、他の社員の一歩後ろに引いて働くスタイルがメリットと感じる人もいるでしょう

しかし、裏方や誰かのサポート役の要素が強いほど、営業職のように明確な目標がなく、営業売上のように客観的に評価される指標がない点がデメリットになる場合もあります。「こんなに他の社員のサポートをしたのに評価されない」と不満に感じることで、モチベーションを下げてしまう人は少なくありません。

会社によっては、毎月毎週の「書類作成件数・電話応対件数」などのデータをとって、事務に数値目標を持たせることもありますよ。

北浦 ひより

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やりがいに関するメリットとデメリットも

評価やキャリアアップという観点と併せて、「仕事へのやりがい」についても理解をしておきましょう。企業によっては複数人の総合職の業務をサポートすることとなりますが、仕事を依頼する総合職の社員は、事務職の仕事内容を全て把握しているわけではありません。

そのため、時にはスケジュールがギリギリの用件を頼まれたり依頼が重なったり相手の返信を待たないと動けなかったりと、どうしても自分の都合ではなく相手に合わせた働き方になってしまう側面もあります。これらは、サポートをするやりがいを感じられる一方で、振り回されて疲れてしまうというデメリットも考えられます。

もちろん、事務職だけではなくどんな仕事にもメリットとデメリットが存在し、人それぞれの捉え方次第です。気負い過ぎずに比較をしていきましょう。

事務職に向いている人の3つの特徴

  1. 真面目・コツコツ・丁寧に仕事ができる人
  2. ホスピタリティの高い人
  3. コミュニケーション力のある人

事務職に向いている人の特徴を3つピックアップしました。「私は事務職に適性があるのかな」と気になった人は、ぜひこの3つが当てはまるか確認してみてください。

①真面目・コツコツ・丁寧に仕事ができる人

どんなタイプの事務職を目指すにしても、基本的には「真面目に・丁寧に・コツコツ」と作業を集中しておこなうタイプの人がのぞましいといえます。

事務の作成する書類には、社外との取引に使用する契約書類や、リーガルチェック(弁護士による法的なルールが守られているかどうかの確認)が必要な法務関係の書類があります。表記ミスや、サイン漏れ、管理不足で捨ててしまったなどのトラブルが起きると、会社の大きな損失につながるケースもあるでしょう。

そのため、ただの事務作業ではなく、一つひとつに真面目に取り組み、責任をもって仕事を進められる人が向いています

真面目さのアピール方法について知りたい人はこちらも参考にしてみてくださいね。

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②ホスピタリティの高い人

事務は裏方として、誰かをサポートする要素の強い仕事です。そのため、常に相手のことを思って気遣いができる、ホスピタリティ力の高い人が向いています。

ホスピタリティとは、接客業だけで必要とされる能力ではありません。また、ホスピタリティとは、サポートする人と事務員の間だけで完結するものでもありません。社外の関係者、商品を届ける顧客、社員全員と相互に助け合って、信頼関係を構築していけるスタンスが大切です。

性格的には控えめ、穏やか、大人しいタイプの人も、明るくて積極性のあるタイプでも問題ありません。事務は裏方になりやすいものの、先を読みながら「これは必要ではないですか?」と積極的に提案したり、業務改善したりする力も求められます。相手のため、事業利益のために自分から発信していく力も、ホスピタリティの一つといえるでしょう。

③コミュニケーション力のある人

事務は書類と向き合うだけの仕事ではなく、社内外の人と多くのコミュニケーションが発生する仕事です。会社の代表電話の担当であれば、事務の対応力が会社のイメージに直結します。そのため、相手に合わせて、明るく丁寧なコミュニケーションができる人が求められます。

営業事務や人事事務であれば、任されたことをコツコツ受身でこなすだけでは務まりません。営業事務は営業職と一緒になって、積極的に売上を追っていく姿勢、人事事務であれば人材募集や面接サポートの場で、候補者に入社の動機付けをおこなうなどの積極性が必要でしょう。

事務のコミュニケーションの在り方も、それぞれ異なるので、「自分はどんなスタイルのコミュニケーションが得意かな」と自己分析しておくと良いでしょう。

上記のような自分の特徴を押さえるためには自己分析が必須です。以下の記事も参考にしながら、自己分析に取り組んでみましょう。

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事務職で働くために求められる3つの要素

事務職で働くために求められる3つの要素

続いて、事務職として働くために求められる要素を3つピックアップして紹介します。この3つの要素は一般事務をはじめ、営業事務や経理事務など、すべての事務で共通する必須スキルです。

①事務処理能力(スピード・正確性)

一般事務、営業事務や経理・人事労務事務など専門性の高い事務職すべてで共通して、事務処理能力が求められます。事務処理能力とは、パソコンを使用した文書作成や入力、メールやチャットのやり取り、書類作成や確認などの事務作業をおこなうときのスピードや正確性を指します

事務職はパソコンでの作業や、物品・文書の管理、数を数えて記録するといった事務処理の仕事が多いです。場合によっては、PowerPointやillustratorを使用して簡単なデザインをつくったり、簡単な動画編集やWebサイトの更新なども任されるかもしれません。細かい事務業務を納期までに終わらせるスピード感と、ミスなく進める正確性は、事務職に必須のスキルといえます。

②責任感・注意深さ

事務職は責任感があり、物事を注意深く確認しながら進める力も必要です。たとえば、経理事務は会社の重要な帳簿管理や決算書類を扱います。

法務事務は、法的にルールを破っていないか慎重に確認する必要がありますし、人事労務事務は社員の勤怠管理や給与計算をおこなうため、1円・1分単位のミスは許されません。

責任感についてはこちらの記事でも解説をしていますよ。

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③接客や電話応対などのビジネスマナー

事務職は、常にデスクに座って事務処理をおこなうわけではなく、時には来社した顧客への案内やお茶出しといった接客業務が発生します。中でも医療事務は、患者の受付業務をおこなうことが多く、大学事務も配属先によっては学生や保護者とのコミュニケーションが欠かせません。

このように事務職は会社の顔となるため、敬語や立ち居振舞い、ビジネス文書・メールの書き方など一般的なビジネスマナーが求められます

北浦 ひより

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先を見通し行動する能力が必須

その他には、スケジュール管理をする能力も求められるでしょう。他の社員の仕事の進み具合や締切日などを確認して逆算したスケジュールを立てて、時には催促をすることもあります。見積もりが甘いと自分が苦労をすることになってしまうので、先のことを予測ができるかどうかは非常に大切です。

更に、これらを統合して業務を遂行するマルチタスク能力や臨機応援能力も求められます。やることを把握して優先順位をつけながら仕事を進めるだけではなく、途中で新たな業務を依頼されたときに柔軟に対応をする必要性も生じるでしょう。自分が日々のTO DOタスクにどのように対応をしているのか振り返り、適性を考えていきましょう。

事務職に採用される自己PRについて知りたい学生はこちらも参考にしてくださいね。

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事務職の自己PRは、強みの具体例と仕事での再現性をアピールすることで差別化を図れます! この記事では事務職でもとめられる人物像、自己PR作成のポイントと例文をキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に競争を勝ち抜きましょう。

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事務の仕事に役立つ資格一覧

事務職を目指す人におすすめの資格

事務職を志望する際に、資格取得をしておくと自己PRにつながる場合があります。どのような事務を目指すかによっておすすめの資格は異なりますが、ここでは事務処理能力アップや、接遇力を高められる代表的な資格を紹介します。

事務職の志望動機の作成方法はこちらの記事で紹介していますので、参考にしてみましょう。

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大学事務を志望する場合は、志望動機の作り方をこちらで解説していますよ。

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資格例
  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  • ITパスポート
  • 日商PC検定
  • 簿記
  • 秘書検定

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

Word、Excel、PowerPoint、Access、OutlookのMicrosoft Officeツールのスキルを保有していると証明できる資格です。これらのツールを実用レベルで使いこなせるというアピール材料になります。

MOSについては、こちらの記事にてより詳しく紹介していますので、併せて確認してみましょう。

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MOS資格は就職で社会人の基礎能力であるPCスキルを証明できるので就職を有利に進められますよ。 この記事ではMOS資格の試験概要、対策法、アピール法などをキャリアアドバイザーが解説します。 MOS以外で就職に有利な資格も説明するので参考にしてくださいね。

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ITパスポート

情報処理技術者試験として、ITに関する基礎的な知識を証明する国家資格です。パソコンを使用した仕事が多い事務職において、ITの基礎知識を持っていることをアピールできます。

日商PC検定

日本商工会議所が主催するパソコンの入門資格で、基本的なパソコンの操作方法をはじめ、文書作成やデータ管理・活用などを身につけます。MOSと同時取得することで、実務レベルの事務対応ができるとアピールが可能です。

簿記

経理の基本となる取引の記録(帳簿の記入)や決算書類の作成を学ぶ、知名度の高い資格です。経理事務に応募する際は、簿記資格の保有が必須条件になる場合もあります。経理事務はもちろん、一般事務や総務事務も小口金精算や伝票処理をおこなう可能性が高いため、簿記の知識を持っていると自己PRにつながりやすいです。

秘書検定

社会人のビジネスマナーや一般常識に加え、接遇スキルを証明する資格です。社内外の人とコミュニケーションをとり、スケジュールやタスク管理をする事務にとっておすすめの資格です。

その他にも、経理事務では税理士、公認会計士、人事事務であれば社会保険労務士やキャリアコンサルタント、貿易事務で実用英語を求められる人はTOEICなどの資格も役立ちます。

事務職は会社を支えるプロフェッショナルの仕事

事務職は単純作業を繰り返す地味な仕事ではなく、時には深い専門性を求められる、会社の重要なポジションです。未経験募集が多いため、今までオフィスワークの経験がない人や、ブランクのある人にもおすすめの仕事ですが、会社規模や配属先、業種にこだわって選べば、事務も立派な「手に職」となります。

事務職はときに会社の顔として社内外の人とコミュニケーションをとり、ときには経営を内側から支える経理・人事・法務・総務の柱となります。大手企業の一般事務として、分業化された仕事をこなしていくか、専門性を高めながらプロフェッショナルの事務を目指していくかは皆さん次第です。

さまざまな事務職の仕事内容と、特性を理解しながら、自分にはどの事務があっているか検討してみてくださいね。

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