目次
- 内定を保留することは可能! リスクや企業への影響を知っておこう
- どんなケースがある? 内定保留を検討する4つの場面
- ①第一志望の企業が選考中で決められない
- ②もう少し時間をかけて決めたい
- ③進学や留学と迷っている
- ④家庭の事情で少し様子を見たい
- 返事に迷ったらまず確認! 内定辞退か保留の判断基準
- 内定辞退:その企業に入社する気がどうしても起きなくなった
- 内定保留:状況次第で入社する意欲はある
- 知ったうえで判断しよう! 内定を保留する際の3つのリスク
- ①志望度の高さを疑われる可能性がある
- ②入社後の印象に影響する可能性がある
- ③内定を取り消される場合もある
- 企業への配慮を忘れずに! 内定保留を伝える際に意識すべき6つのポイント
- ①企業に負担をかける行為であることを理解してていねいに伝える
- ②内定保留を決めたらできるだけ早く連絡する
- ③メールだけでなく電話で伝える
- ④まずは内定への感謝と入社意欲を伝える
- ⑤内定を保留する期間を具体的に伝える
- ⑥内定を保留する理由を明確に伝える
- 目安を知っておこう! 内定を保留できる期間
- 期間は内定をもらった時期によって2週間から数カ月
- 実際に内定を辞退できるのは入社の2週間前まで
- 電話とメールそれぞれ解説! 内定保留を伝える際の例文
- 電話の場合
- メールの場合
- 内定の保留についてよくある質問に回答!
- 内定保留にはリスクもある! 誠意のある対応で慎重に判断しよう
内定を保留することは可能! リスクや企業への影響を知っておこう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から
「内定を保留にすることは可能ですか?」
「内定を保留したら印象が悪くなりますか?」
といった質問をよく受けます。就活をしていくなかで、さまざまな理由で内定を保留したいと考える人もいるでしょう。内定を保留にすること自体は可能ですが、内定を保留にした際の印象や影響についてをしっかりと理解したうえで判断することが大切です。
そこでこの記事では、内定を保留するリスクや、内定保留のやり方を詳しく解説します。特に内定を保留する場合に用いる具体的な文例なども紹介しているので、保留の意志を企業に連絡する際にも役立ちますよ。ぜひ参考にしてくださいね。
どんなケースがある? 内定保留を検討する4つの場面
就活生
キャリアアドバイザー
もちろん、いくつかの理由から内定を保留する人はいますよ。具体的なケースをチェックしていきましょう。
内定を保留する人は実際多くいます。具体的なケースとしては大きく分けて4つあり、それぞれの事例を知っておくことで、自分のケースで内定を保留しても良いのか、保留するべきではないのかを判断しやすくなりますよ。
ここからは、内定の保留につながる4つの理由について詳細を解説します。自分がどのケースに当てはまるのかを考えながら、それぞれの事情を整理し、対処法を考えてみましょう。
内定の意味についてはこちらの記事で解説しているので、あわせて確認してくださいね。
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①第一志望の企業が選考中で決められない
第一志望の企業が選考中であるにもかかわらず、ほかの企業の内定が出てしまうと、「第一志望の結果が出るまでは内定を保留したい」と思うこともありますよね。
第一志望の企業が選考中であるならば、内定を出してくれた企業には「選考中の企業があるため結果を待って決めたい」と伝え、保留にしてもらうことをおすすめします。
他社の結果を待ちたいと企業に伝えるのは不誠実に思うかもしれませんが、正直であることは企業と信頼関係を築くうえで大切です。
キャリアアドバイザー
選考中の企業がある場合は、内定を保留できる期間を確認して、なるべく相手企業に迷惑がかからないように配慮することが重要ですよ。
内定承諾書を提出した後に辞退することのリスクついてはこちらの記事を参考にしてください。
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②もう少し時間をかけて決めたい
内定の通知をもらっても、入社する決心がつかず「もう少し時間をかけて決めたい」と考える場合もあります。たとえば、複数の会社から一度に内定通知をもらった場合や、就活を始めたばかりでほかの企業をまだ見てみたい気持ちがある場合などが挙げられますね。
もう少し時間をかけて決めたいと思った場合は、内定保留の連絡をする前に、自分がなぜそう感じているのかを分析してみましょう。
- 気持ちの整理がついていない
- 家族に相談したい
- 企業に入社後の自分をもう少し明確にイメージする時間がほしい
キャリアアドバイザー
「少し時間をかければ気持ちの整理をつけられる」と感じたら、内定の保留に踏み切りましょう。
内定に迷ったときにするべきことはこちらの記事で解説しています。
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就活をしていると、内定承諾までもう少し時間をかけて決めたい場合があるかもしれません。その際は、いつまで就活を継続するのか目途をつけておきましょう。
企業に内定を保留をしたいことを伝えた際に、よく「いつまで待てば良いのか」と質問されます。いつまで就活を継続するのかを考えておくと、そのときに答えやすくなりますし、ダラダラと就活を継続してしまうことを防ぐこともできるでしょう。
自分のなかで「この企業を受け切ったら決断する」「6月末までは就活を継続する」など、何を基準に就活を終了するのかという区切りをしっかり考えておけると良いですね。
また、保留する際はもう少し時間がほしい理由を正直に伝えたほうが印象が良いです。ただ、保留期間が長すぎると、企業側からは「あまりうちの会社に入社したくないのかな」と思われてしまい、良くない印象が残ってしまう可能性があります。そのため、保留期間を伝える際は長すぎないように気をつけましょう。
自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
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③進学や留学と迷っている
学生の進路は就職だけではありません。なかには進学や留学と迷っている、という人もいますよね。
進学や留学は自分自身のキャリアに大きくかかわることです。明確なキャリアプランがあれば、進学も留学もその後の就活にとって大きなプラスになりますよ。たとえば、英語を活かした仕事や、進学先・留学先の学びで得られる専門性を活かした仕事をしたい場合、いま内定を受けるかどうかは大きな問題となるはずです。
キャリアアドバイザー
まずは自分自身のキャリアプランから考え、内定を保留するかどうかを決めるのがおすすめです。
④家庭の事情で少し様子を見たい
内定を保留するかどうかが、家庭の事情にかかわっている場合もあります。
よくあるのが、家族と相談する時間がほしいというケースです。家族と同居をしている場合はすぐに話し合いができるかもしれませんが、家族が遠方に住んでいる場合など時間をかけなくてはならないときもありますよね。
家庭の事情はどのようなものであっても、やむを得ないケースであることが多く、企業にとっても納得のいきやすい理由です。内定保留の連絡をする際も、状況や事情について正直に企業に伝えて問題はありません。
キャリアアドバイザー
ただし保留を伝える際は、「自分の意志で企業への入社が決められない人柄」という印象にならないよう留意しましょう。
返事に迷ったらまず確認! 内定辞退か保留の判断基準
就活生
実は内定を保留するか辞退するべきか迷っています。
キャリアアドバイザー
そういうときもありますよね。迷う原因は何ですか?
就活生
基本的には第一志望なのですが、気になっている企業があって、一応そこの結果を待ちたくて……。
キャリアアドバイザー
そういう場合は、保留を選ぶといいですよ。内定を保留するか辞退するか迷ったときに考えたい、いくつかの基準があるので解説します。
内定をもらった際にすぐに承諾しないのであれば「辞退」か「保留」のどちらかを決めて企業へ伝えなければなりません
内定辞退か保留かは、自分にどの程度の意欲があるかで判断できます。もし内定を辞退するか、保留にするかで迷ったときは、以下のようなポイントを判断基準にしてみましょう。
内定辞退:その企業に入社する気がどうしても起きなくなった
内定辞退は、内定を出してくれた企業に「入社する」という気持ちがどうしても持てなくなってしまった場合にとる手段です。
もちろん就活の時点では、大なり小なり「もし内定をもらったら、入社したい」という意欲があったはずです。しかし就活はある程度、長期間にわたっておこなうものなので、意識や事情が変化してしまうこともあるでしょう。
- 就活を通して企業への入社意欲が薄れてしまった
- 企業に対して不信感を持ってしまった
- 他社・他業種への関心のほうが明らかに上回ってしまった
- 家庭の事情で通勤が難しくなった
実際このようなケースで内定を保留した場合、いずれ辞退するか、内定承諾したとしても早期の退社につながりかねないため、保留よりも辞退するのがおすすめです。
内々定を辞退する方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
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内定保留:状況次第で入社する意欲はある
すぐには決められないけれども、条件がそろえば入社する意欲がある場合は、内定を保留することで考える時間を確保できます。
- 気持ちの整理がついて自分の中で納得できれば入社したい
- 家庭の事情がどうなるかはっきりしたら入社したい
- 気になっている他社の選考の結果を待ってから納得して入社を決めたい
入社の意欲があるとは、つまり「その企業で働きたい気持ちがある」ということです。その企業で働きたいという気持ちを持っているならば、状況が確定するまで保留とし、納得のいく選択をするのがおすすめです。
ただし、内定の保留には時間的な制限があります。学生側の都合でずっと保留にしておくことはできません。内定を保留にするときは、一定の期間内に結論が出せるかどうかも考慮する必要がありますよ。
キャリアアドバイザー
内定の保留にはリスクがともなうことも理解したうえで、保留を選択するようにしましょう。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
状況によっては、内定辞退する可能性がありながらも一度承諾し、その後辞退する場合もあるかもしれません。法律上は内定承諾後の辞退は可能ですが、リスクがあるため慎重に考える必要があります。
たとえば、内定承諾後に企業から学習教材などをもらっていた場合、その返金を求められる場合があります。また、承諾後に辞退したことがグループ会社などに伝わる可能性もあり、グループ会社を受ける際に不利になってしまうかもしれません。このようなリスクが考えられるため、まずは内定を承諾するタイミングでしっかりと検討したうえで、結論を出すのに時間がかかりそうな場合は、まず企業に検討する期間をもらえないか相談してみましょう。
内定承諾後の辞退は企業からすると負担が大きいものです。企業には採用目標人数があるため、承諾後辞退で人員が減ってしまった場合は、再度採用活動をしなければなりません。採用活動にはコストも時間もかかるため、企業にとっての負担も大きくなってしまうのです。
このように、内定承諾後の辞退は学生側にはリスクがあり、企業にも迷惑をかけてしまうので、なるべく承諾後辞退がないように就活を進めましょう。
知ったうえで判断しよう! 内定を保留する際の3つのリスク
就活生
内定を保留するリスクもありますよね?
キャリアアドバイザー
そうですね。内定の保留は決してめずらしくありませんが、リスクがまったくないわけではありません。どんなリスクがあるのか、よく理解して判断することが大切ですよ。
内定の保留は企業にとって望ましいものではないため、保留をしたことによって入社意欲を疑われてしまう可能性があるなど、マイナスの影響が出ることも考えられます。
そういった点も含めて、内定の保留にともなうリスクは大きく分けて3つあります。それぞれのリスクについて詳しく解説していくので、判断材料の一つとしてしっかりチェックしておきましょう。
①志望度の高さを疑われる可能性がある
内定の連絡をしたのに、すぐに承諾ができず保留を選択することで、企業側に「本当に自社を志望しているのだろうか」と疑問に思われてしまう可能性があります。
就活で面接を受ける際は、志望理由とともに志望順位を聞かれることがよくあり、ここですでに「第一志望です」と答えている学生もいますよね。志望度が高いと答えたのにもかかわらず、内定を出してすぐに承諾の返事がもらえないことで、「志望度が低いようだ」と判断する企業もあります。
志望度が低いと判断されると、次に紹介する2つのリスクにもつながっていくため、内定を保留するかどうかは慎重に判断しなければなりません。
キャリアアドバイザー
特に本当に第一志望であり、入社の可能性が高い場合、安易な保留は避けたほうが良いといえます。
②入社後の印象に影響する可能性がある
企業が「入社の志望度や意欲が低い」と判断した場合、入社後の印象が良好でなくなる可能性があります。人事評価の際に細かくチェックされたりする可能性も、ゼロとはいえません。
内定を保留したとしても、その後に内定を承諾し、入社する可能性があります。もしもそうなった時、入社後に社内で良い関係を築くためにも、企業には自分に対してできるだけ良い印象をもってもらいたいですよね。
内定を保留する際には企業への配慮を忘れないことで、入社後の印象をできるだけ良好に保ちましょう。
キャリアアドバイザー
内定の保留そのものは悪いことではないので、伝え方が大切であると覚えておきましょう。
③内定を取り消される場合もある
内定を保留にしたことで、内定取り消しにつながるケースも実際にあります。特に、人材を早期に確保して次年度の計画を立てたいと考えている企業は、学生が結論を出すのを待つことができない場合があります。
保留の結果、学生が内定を辞退した場合、企業は次の候補者に内定を出すことになります。
しかしそれまでに時間が経過してしまうと次の候補者もすでに他社の内定を受諾している可能性があるため、自社の内定を辞退される確率が高まるのです。
結果的に候補者が決まらず、新たに採用活動を実施するリスクをともないます。採用活動には時間やコストがかかるため、企業としては避けたいところです。
そのため、内定を保留された場合、取り消される可能性も少しはあると考えておきましょう。
キャリアアドバイザー
内定保留=必ず内定取り消しになる、というわけではありませんが、こうした背景があることもふまえて、保留をするかどうかを判断するようにしてくださいね。
企業への配慮を忘れずに! 内定保留を伝える際に意識すべき6つのポイント
- 企業に負担をかける行為であることを理解してていねいに伝える
- 内定保留を決めたらできるだけ早く連絡する
- メールだけでなく電話で伝える
- まずは内定への感謝と入社意欲を伝える
- 内定を保留する期間を具体的に伝える
- 内定を保留する理由を明確に伝える
就活生
実際に企業に内定保留を伝えようと思うのですが、どのように伝えれば良いでしょうか?
キャリアアドバイザー
では内定保留を伝える際に意識すべき点についても解説しますね。具体的に、かつ丁寧に伝えることが基本となりますよ。
前提として、内定の保留は企業にとって負担となる行為です。また、保留したとしてもその後入社する可能性もあるため、できるだけマイナスイメージをなくすことを考えた対応が必要です。
ここからは内定保留の連絡をする際に気を付けるポイントについて解説します。ポイントを押さえたうえで、ていねいで誠実な連絡をすることで内定保留のデメリットをできるだけ回避しましょう。
①企業に負担をかける行為であることを理解してていねいに伝える
第一に「内定の保留が企業に負担をかける行為である」ということを理解し、保留の意志をていねいに伝える必要があります。
内定の保留によってリスクを負うのは、学生だけではなく企業も同じです。先述のように学生が内定を保留した結果、内定の辞退につながった場合、企業は代わりとなる人材を確保する必要に迫られます。ほかの学生に急いで内定を出したとしても間に合わず、採用活動を継続しなければなりません。
キャリアアドバイザー
企業側のリスクを十分に汲み取ったうえで、失礼のないよう、誠実な対応を心掛けましょう。
採用を伝えるメールに返信する際のマナーはこちらの記事を確認してください。
関連記事
採用メールへの返信マナー3つ|内定承諾・辞退・保留の例文を紹介
採用通知メールがきたら返信して企業に自分の意思を示す必要があります。 この記事では採用通知メールの返信時に押さえておくべきポイントやマナーなどをキャリアアドバイザーが解説します。 返信例や解説動画もありますので、素早く対応できるようにしましょう。
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②内定保留を決めたらできるだけ早く連絡する
内定保留の連絡は遅くなればなるほど、マイナスイメージが強くなってしまう可能性があるため、内定を保留する場合はできるだけ早いタイミングで連絡するようにしましょう。「内定を保留したい」という連絡を入れるタイミングは、内定通知を受け取ってから24時間以内が目安ですよ。
これは内定を承諾する場合でも、辞退する場合でも変わりません。企業は学生からの返答を待っているため、できるだけ早く返答をすることがマナーです。
少しでも早く内定の保留について連絡し、入社意欲があることを担当者に丁寧に説明することが大切です。
キャリアアドバイザー
内定が出たら、保留するべきかどうか1日でじっくり検討して決断しましょう。
③メールだけでなく電話で伝える
内定の連絡がメールでくることもありますが、内定保留の連絡をするときはメールの返信だけでなく、電話でも保留の意志を伝えるのが基本です。
内定の連絡をメールでもらった場合、メールで保留をしたい旨を返信すれば良いと考えがちですよね。しかし内定保留の連絡では返事をいつまで待ってもらえるか調整する必要があるため、直接電話で話ができれば結論がすぐに出てスムーズです。
内定通知のメールをもらったら、まずはメールで、内定の返事について時期を相談したい旨を伝え、電話をかけて良い日時をたずねましょう。メールで日時を調整した後、実際に電話をかけて保留の意志を伝えます。
なお電話で内定通知をもらった場合は、その電話で保留の相談をしましょう。
キャリアアドバイザー
企業から内定の電話がかかってくる前に、承諾をするのか、保留をするのか考えておくとスムーズです。
④まずは内定への感謝と入社意欲を伝える
内定保留の連絡をする際は電話でもメールでも、まずは内定への感謝と、入社意欲があることを伝えましょう。
内定を出してくれたことに対する感謝の言葉や、入社の意欲を示す言葉を添えることで、誠実な姿勢を見せることができ、その後の保留の連絡もスムーズにいきやすくなりますよ。
また内定保留をお願いする際には、メールでも電話でも担当者とコミュニケーションをとる必要があります。その都度感謝を述べることについて、マイナスに受け取られる心配はないので、しっかりと気持ちが伝わるよう努めましょう。
キャリアアドバイザー
まずは選考に時間を割いてくれた企業に対して、感謝の気持ちを伝えましょう。
⑤内定を保留する期間を具体的に伝える
内定が保留になる場合、どのくらいの期間で結論が出るかを明確に伝える必要があります。内定を保留できる期間はケースによってさまざまですが、自分の場合はどれくらい待ってもらえるのかを予想しつつ、具体的な日付を提示しましょう。
いったん保留期限を伝えると、再度延期をお願いすることは難しくなります。ほかの企業の選考スケジュールや自分の事情をかんがみ、いつまでになら確実に結論を出せるかを見極めて期限を提示してください。
注意したいのは、自分が希望する期限を伝えたとしても、企業側でスケジュールが難しければ「希望に添えない」といわれてしまうこともある、ということです。この場合は、採用担当者にいつまでなら待ってもらえるのかを聞き、指示に従いましょう。
キャリアアドバイザー
内定を保留する期間について、企業側ときちんと相談しておくことが大切ですよ。
⑥内定を保留する理由を明確に伝える
内定の保留を伝える際、自分がなぜ内定を保留したいのかをしっかり伝えましょう。内定の保留には期限を決める必要があるため、「なぜその日なら結論を出せるのか」もあわせて説明することが大切です。
他社の選考結果を待っている場合、本当の事情を話すのは失礼ではないかと考えてしまうかもしれませんが、採用担当者は、学生が他社と並行して就活をおこなっていることをわかっているので心配はいりません。「他社の選考結果が○日までに出る予定なので」と素直に話しましょう。
キャリアアドバイザー
そのほか、「進学を視野に入れて迷っているが、○日に説明会があるのでそれをもって判断したい」など、自分なりの理由を伝えてください。
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
先に解説したとおり、企業側も就活生が自社のみを受けているわけではないことは理解しているので、他社を受けるために保留を伝えることで、マイナス印象を抱くことは、伝え方に問題がなければ基本的にはありません。
また、早期で選考をおこなっているIT業界やベンチャー企業、外資系企業などは、内々定を出しても「6月の選考を受けてから結論を出したい」という学生がいることを把握しています。そのため、早めに内定を出したとしても、検討する期間を長く設定してくれる企業も多いです。
ただし、内定を保留したいと伝えた際に、今後どのくらいの数の企業を受けるのかを聞かれることがあり、伝え方に注意が必要です。この際、多くの数の企業を伝えてしまうと、「うちの会社への志望度が低いのかな」と思われる場合もあり、企業に良くない印象が残ってしまう可能性があります。そのため、企業の数を聞かれた際は慎重に答えるように意識してくださいね。
目安を知っておこう! 内定を保留できる期間
就活生
気になったのですが、内定が出てからどれくらい保留できるのですか。
キャリアアドバイザー
内定が出たタイミングや企業にもよりますが、目安は知っておいたほうが良いですね。行動計画を立てるための一つの基準として押さえておきましょう。
内定をどの程度保留できるのかは、内定が出た時期によって大きく変わります。企業に内定の保留を打診する際は、これから紹介する時期と期間を目安にするのがおすすめです。
ただ、あくまで目安に過ぎないことに注意してください。企業の事情で、目安どおりの保留期間が許可されないこともあります。また目安よりも早く結論を出せるようであれば、早いほうが良いということも理解しておきましょう。
期間は内定をもらった時期によって2週間から数カ月
- 大学3年生の間:大学4年生の6~7月頃まで
- 大学4年生の4・5月:6~7月頃まで2~3カ月
- 大学4年生の6~9月:1~2週間
- 大学4年生の10月以降:1週間
内定を保留できる期間は、2週間から数カ月です。内定をもらった時期によって、保留できる期間は変わります。
企業のなかにはかなり早く選考を開始するところもあるため、人によって大学3年生でも内定をもらう可能性がありますよね。ごく一般的な選考がおこなわれる大学4年生の6月から、結果が出る7月頃までの保留をお願いするのが一般的です。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
内定の保留期間は、時期や企業の採用状況によって短い場合や長い場合があります。たとえば、6月1日前に内々定を出した企業は、6月1日以降もほとんどの学生が選考を受けるのを把握しているため、内定の検討期間を長めに設定してくれることが多いです。一方で、7月〜8月以降は、次の学年のインターンシップの準備などに取り掛かりたいため、早めに採用活動を終了したいと考えている企業もあります。
すべての内定が出そろってから入社する企業を選択しようと考えている人もいるかもしれませんが、この方法はあまりおすすめできません。なぜなら、内定の保留期間が短く設定されてしまった場合、すぐに決断ができないためです。こうならないためにも、普段から自分の就活状況などを見て、自分のなかでの判断基準を考えておきましょう。
もし選考中の企業から内定をもらったら何を基準に判断するのかを考えて選考を進めると、内定の保留期間が短かった場合でも早めに決断しやすくなりますよ。
実際に内定を辞退できるのは入社の2週間前まで
望ましいことではありませんが、内定を一度承諾していたとしても、入社の2週間前まで内定を辞退することが可能です。
民法627条には「雇用期間の定めがない場合、いつでも雇用契約を解消できる」「この場合、申し入れから2週間で雇用が終了する」といった主旨のことが書かれています。
つまり、法的には入社2週間前までに内定辞退の連絡をしていれば、実質的な雇用関係や法的な責任が発生することなく、内定承諾を解消できることになっています。
とはいえ、企業は学生に内定を承諾してもらった時点で人材を確保できたと解釈し、必要な人数が集まった時点で採用活動を終了します。承諾した内定を入社直前に辞退すれば、想定していた人材が確保できず、企業に大きな迷惑をかけてしまうことは理解しておきましょう。
キャリアアドバイザー
事情がある場合は仕方ありませんが、直前に意志をひるがえすことが極力ないよう、内定通知の時点で熟考して結論を出しましょう。
電話とメールそれぞれ解説! 内定保留を伝える際の例文
内定の保留は電話とメールそれぞれで伝えるようにしましょう。先方から電話で内定通知がきた場合は、電話のみで保留したい旨を伝えることもあります。
ただ、担当者とのやりとりがすべてメールでおこなわれることがあり、こうしたケースでは内定を保留したい場合もメールでの連絡が必要です。
そこでここからは、電話とメールそれぞれの方法で、内定の保留を伝えるときの例文を紹介します。
電話の場合
電話で内定の保留を伝える際は、営業開始直後や、昼休み、営業時間終了直前を避けて担当部署へ電話をかけ、担当者を呼び出してもらいます。
担当者が出たら、まずは電話の時間をもらえるかどうかを確認してから、本題に入りましょう。例文は以下のとおりです。
就活生
お世話になっています。○○大学、○○学部の○○です。お伝えしたいことがあり、お電話いたしましたが、5分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか?
キャリアアドバイザー
はい、大丈夫です。どうされましたか?
就活生
あらためまして、内定のご連絡をありがとうございました。ご評価をいただき、大変ありがたく存じます。
すぐにお返事を差し上げるべきところですが、実は現在、他社の選考が同時に進んでいます。御社にぜひ入社させていただきたい気持ちもありますが、悔いのないよう、選考結果を確認したうえで、正式にお返事を差し上げたいと考えています。
つきましては○月○日までお待ちいただけないでしょうか?
担当者が承諾してくれたら、「ご理解いただき感謝を申し上げます。ありがとうございました。では失礼いたします」とあいさつをして、ゆっくりと電話を切りましょう。
電話の終了後、あらためてメールでお礼を伝え、あわせて返答の日程を添えると丁寧です。
メールの場合
メールで内定の保留を伝える場合、まず件名を「内定承諾に関するご連絡 ○○大学 ○○(氏名)」とします。
本文冒頭には、メールの送り先として
「○○ 人事部
採用担当者様」
と記載しましょう。担当者の名前がわかっている場合、「採用担当 ○○様」とすることもできます。
次いで、本文は以下のように送るのがおすすめです。
お世話になっています。○○大学 ○○学部の○○(氏名)です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ご評価いただき大変うれしく、またありがたく存じます。
すぐにでもお返事差し上げるべきところ大変恐縮ではございますが、
○月○日までお待ちいただくことはできませんでしょうか。
現在、並行して他社の選考を受けており、○月○日までには結果が出る予定となっています。
貴社への入社を志す気持ちに変わりはありませんが、後悔のないよう、慎重に検討しお返事を差し上げたいと考えています。
ご迷惑をおかけし誠に申し訳なく存じます。
何卒ご容赦くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。
最後に署名を記載し、送信しましょう。
内定の保留についてよくある質問に回答!
内定の保留について悩む人は実はたくさんいます。とりわけ、内定を保留することによって企業に対する自分のイメージが悪くなるかもしれない、という不安は誰しももつものです。
また、内定を保留してはたして本当に待っていてもらえるのかも気に掛かるところです。そこで内定の保留に関するよくある質問に、キャリアアドバイザーが回答します。
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内定を保留するのは印象が悪いですか?
内定を保留しただけでは、企業への印象が悪くなることはありません。しかし条件によっては、内定を保留したことで印象が悪くなってしまう可能性もあります。印象が悪くなってしまうケースとは、内定保留の連絡が遅くなった場合や、自分で言い出した内定保留の期間に企業へ連絡しなかった場合などです。いずれも入社の意志がないとみなされることもあります。
また内定の保留をお願いする電話で、好ましくない態度をとってしまった場合も、印象が悪くなる原因です。言葉遣いが良くない、内定をもらったことに対する感謝の言葉がない、入社の意志があることを伝えていない、といったことがあれば印象が悪くなっていく可能性があります。内定を保留することは企業にとっても望ましいことではないことを念頭においたうえで、感謝の気持ちを持ち誠実な態度で内定保留を伝えるようにしましょう。
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内定の返事はどれくらい待ってもらえますか?
内定の返事を待ってもらえる期間は、内定通知がいつ出たかにもよります。早い段階で内定通知を出す企業は、その分、学生から長期間「内定を保留したい」と言われることも想定しています。大学4年生の6・7月以前にもらった内定は、2~3カ月待ってもらえることが多く、それ以降は1~2週間が一般的です。
企業側も、学生が複数の企業にアプローチしていることは理解しています。どれくらい待ってもらえるかは企業によっても異なるため、担当者に直接確認しましょう。
内定保留にはリスクもある! 誠意のある対応で慎重に判断しよう
就職は人生を左右する大きな課題です。自分が納得のいく選択をするために内定を保留するのは、決して悪いことではありません。期限を考えながらもよく自分の就職に向き合い、自分に必要な結論を見出しましょう。
内定を保留する場合、内定取り消しなどのリスクがともないます。また内定の保留は企業に迷惑をかける行動でもあるため、熟考のうえ、本当に必要だと判断したときは保留をお願いしましょう。
保留を連絡する際は具体的に返事の期限を設けたうえで、謙虚に、誠意のある対応を心掛けてくださいね。
内定が出たものの、返事を保留したいです。対応を考えたいのですが、そもそも実際に同じように保留する人っているのでしょうか?