目次
- まずは落ち着くこと! 内定取り消しと言われたときの対処法を押さえよう
- そもそも内定取り消しは違法? 「内定」に関する2つの基礎知識
- 企業からの内定通知=労働契約の成立
- 内定取り消しができるのは「解雇理由」として妥当な場合のみ
- なぜ内定取り消しになる? 想定されるよくある8つの原因
- ①必要な資格を保有できていなかった
- ②卒業できないことが確定した
- ③SNSなどで不適切な内容を投稿した
- ④経歴詐称があった
- ⑤犯罪行為があった
- ⑥就労が難しい健康状態になった
- ⑦企業の経営状況が厳しくなった
- ⑧企業がほかの応募者を優先して採用した
- 順番に実行しよう! 内定取り消しといわれたらとるべき3つの行動
- ①整理:自分の状況と必要な情報を整理する
- ②確認:企業に内定取り消しの理由を確認する
- ③相談:専門機関に今後すべきことを相談する
- 4ステップで解説! 内定取り消しを取り下げてもらう方法
- ①企業に内定取り消しの理由を文書で要求する
- ②内定したことを証明する書類や情報を集める
- ③弁護士に連絡する
- ④弁護士とともに企業に内定取り消しの取り下げを求める
- 冷静な判断が重要! 内定取り消しに直面したときに役立つ考え方
- 働き口は1つではないと気持ちを切り替える
- 今後の就職活動にかける時間も考慮する
- 自分の将来から逆算して今すべき選択をする
- 就活を再スタートする際は厚労省の「内定取り消しに関する情報」もチェック!
- 内定後も注意しよう! 内定取り消しされないために気を付けるべきこと
- 入社までの期間も節度ある行動を心掛ける
- 企業からの連絡はこまめにチェックする
- 卒業するまで学業にも気を抜かずに取り組む
- 内定取り消しに関してよくある質問に回答!
- 内定取り消しになったときこそ冷静さが重要! 将来を見すえたベストな選択をしよう
まずは落ち着くこと! 内定取り消しと言われたときの対処法を押さえよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から
「企業から内定取り消しといわれたのですがどうしたら良いですか?」
「企業に内定取り消しを取り下げてもらうことは可能なのでしょうか?」
という質問や相談をよく受けます。
選考を突破してやっと内定を獲得できた企業から、いきなり内定取り消しといわれたら焦りますよね。また、どう対処したら良いかわからず不安になることもあるでしょう。
内定取り消しといわれたら、まずは何よりも気持ちを落ち着けて冷静に対処することが重要です。焦ったままだと間違えた選択をしかねません。
この記事では、就職活動に詳しいキャリアアドバイザーからの見解や意見も交えながら、内定取り消しにいわれたときに何をすれば良いのか、対処法を中心に解説していきます。
そうそう起こることではないものの、内定取り消しに直面する可能性は0ではありません。原因や対策をしっかりと把握して対処できるようにしておきましょう。
そもそも内定取り消しは違法? 「内定」に関する2つの基礎知識
就活生
キャリアアドバイザー
大変でしたね……。確かに違法になる場合もありますが、どんなケースでも違法になるわけではありません。判断のためにも、まずは「内定」の法的な扱われ方を確認していきましょう。
「そもそも内定取り消しは違法なのでは?」と考える人もいますよね。内定取り消しが違法かどうかは、内定取り消しに至った経緯や理由が大きく関係してきます。まずは「内定」が法的に企業と学生にとってどのような意味を持つのか、基礎から確認しておきましょう。
企業からの内定通知=労働契約の成立
企業と応募者の間では、内定承諾した時点で労働契約が成立するため、ここから企業が内定企業で働く場合はまず「内定」をもらう必要がありますが、企業が内定通知をし応募者がその内定を承諾した段階で、法的な「労働契約」が成立します。
つまり、企業は内定通知をした時点で「あなたと労働契約を成立させたいです」と示していることになるため、その後の労働契約を成立させるかどうかは、応募者側にあるといえるのです。
キャリアアドバイザー
労働契約自体は口頭でのやりとりでも有効ですが、「内定承諾書」という書類を用いて労働契約が成立している証拠を残すのが一般的です。
内定についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて読んで内定がどういうものなのか理解を深めてくださいね。
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また、内定と似た用語に「内々定」があります。内々定についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
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内定取り消しができるのは「解雇理由」として妥当な場合のみ
企業と応募者の間では、内定承諾した時点で労働契約が成立するため、ここから企業が内定を取り消すには労働契約の解除、つまり「解雇」するのに妥当な理由が必要になります。
日本労働組合総連合会によれば、内定とは内定を取り消せる理由があった場合に解約できる労働契約が成立したことであり、内定取り消しはこの労働契約の解約にあたるという旨が述べられています。
上記のことから、内定取り消しされた場合は、解雇理由として妥当なものかどうかをしっかり確認する必要があるといえますね。
キャリアアドバイザー
企業から内定取り消しの理由をいわれた場合は、採用内定通知書や契約書などに記載されている「内定が取り消しされる事由」などの項目を確認し、正当かどうかチェックしてみましょう。
キャリアアドバイザーコメント堀内 康太郎プロフィールをみる
上述の説明で、「内定」は労働契約が成立することから、企業が内定を取り消すには「労働契約を解除(=解雇)」するのには、妥当な理由が必要ということがわかったかと思います。では「内々定」の場合はどうなるんだろうと疑問を持った人もいるのではないしょうか。
結論からいうと、内々定は内定とは異なり正式な契約ではないので、違法になることはほとんどありません。そもそも内々定とは、「10月になったら内定を出しますよ」といった口約束のようなものであり、法的拘束力は持っていないため、企業側は内定よりも簡単に取り消すことができます。
内々定をもらったから100%安心ということではなく、取り消される可能性もあるということを心得ておきましょう。就活生の中には万が一のことを考えて、本命の企業から内々定をもらっても就活を続ける人もいます。
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なぜ内定取り消しになる? 想定されるよくある8つの原因
就活生
内定取り消しは「解雇」と同様の扱いなのですね。ところで、企業から内定取り消しの理由を聞けていないのですが、具体的にどのような理由が考えられますか?
キャリアアドバイザー
いきなり言われたら動揺してしまいますよね。内定取り消しになる原因として大きく8つ考えられます。思い当たるものがないかも踏まえて、一緒に確認してみましょう。
内定取り消しは解雇と同様に扱われるため、内定取り消しの理由も法律に準ずる形になります。解雇について、法律では以下のように規定されています。
- 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用:労働契約法
この法律からいえるのは、内定取り消しの理由が法的に妥当でなかった場合、企業に内定取り消しを取り下げてもらえる可能性もあるということです。まずは内定取り消しになる原因を紹介するので、その妥当性についても確認していきましょう。
①必要な資格を保有できていなかった
企業によっては、入社後の業務に必要となる資格や検定などの取得を入社の条件にしているところもあります。これは、入社後すぐに必要な場合や仕事をするうえで欠かせない資格の場合があり、保有していないと業務に影響が出てしまう可能性があるためです。
採用関連の書類や内定者説明会などで、保有必須の資格について「いつまでに何の資格を取得する必要があるのか」の説明があるはずなので、思い当たることがあれば今一度確認してみましょう。もし説明があった場合は、解雇するのに妥当な理由として内定取り消しが認められる可能性が高いといえます。
②卒業できないことが確定した
企業に入社するためには、専門学校や大学など今所属している学校機関を卒業していなければなりません。卒業できないことが確定した時点で企業側が内定を取り消す判断をすることは妥当だといえます。
そもそも企業としては自社の仕事に従事してもらう前提で内定を出しており、応募者もその前提を把握したうえで就職活動をしていたはずです。この場合、基本的に内定取り消しの取り下げは難しいと考えられます。
キャリアアドバイザー
ただ、応募者と話し条件を定めたうえで、内定を取り下げずに次の年に入社する形に配慮してくれる企業もあります。状況によっては交渉の余地はあるので、一度企業の担当者に相談してみると良いですね。
③SNSなどで不適切な内容を投稿した
内定をもらった後に油断しがちなのがSNSなどでの投稿です。不特定多数の人が閲覧できるSNSで公序良俗(社会的に認められる道徳観や法にかかわる内容)に反する不適切な投稿が見つかった場合は、内定が取り消されてしまう可能性もあります。
というのも、内定した企業の社員や関係者がSNSを見ている、もしくはチェックしている可能性も十分にあるためです。誰かへの誹謗中傷や機密情報の漏洩などその企業にとって不利益になるような内容があれば、内定を取り消す合理的な理由として成立することもあると考えられます。
キャリアアドバイザー
裏アカウントや匿名だからといって安心はできません。開示請求などSNS使用者本人を特定する方法はあるため、内定をもらった後もSNSでの発言には十分に注意しましょう。
SNSは就活ツールとしても活用されていますが、使い方には注意が必要です。就活でのSNSの使い方についてこちらの記事で解説しているので、ぜひあわせて読んで正しい使い方をマスターしておきましょう。
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④経歴詐称があった
選考時の履歴書やES(エントリシート)、面接などにおいて、経歴や保有資格、個人の体験や経験で情報を詐称していた場合は、発覚すると内定が取り消される場合があります。
企業側は応募者から伝えられた内容をもとに採用するかどうかを検討するため、情報が嘘だった場合は内定を取り消す理由の1つとなるのです。
この際には、詐称する意思があったのかどうかが重要になると考えられます。もし、書類の記載ミスや不本意な発言であった場合は、理由を説明することで内定取り消しを取り下げてもらえる可能性もありますよ。
⑤犯罪行為があった
これまでに犯罪行為があった場合や内定獲得から入社するまでに犯罪行為をおこなった場合は、内定取り消しになる可能性が高いです。
犯罪行為をした人を採用するとなれば、企業側としては自社の社会的なイメージダウンにつながりかねず、その結果売り上げなどにも悪影響がでるリスクを背負うことになります。
採用すること自体が自社にマイナスの影響を及ぼす可能性があるといえるため、犯罪行為をおこなった内定者が内定取り消しとなるのは妥当性が高いといえますね。
キャリアアドバイザー
ただし、犯罪行為だったとしても事件に巻き込まれたりした場合は、交渉の余地がある可能性があります。その際は、弁護士などに相談をするのがおすすめです。
⑥就労が難しい健康状態になった
内定をもらってから入社するまでの間に通常業務に支障が出るような健康状態になった場合は、内定取り消しを検討される可能性があります。
企業は選考時の健康状態をもとに、入社後に取り組む仕事を想定して採用しています。その点で考えれば、仕事をするのが難しい健康状態で想定していた業務を任せられないというのは、企業側としては大きなデメリットがあります。こうした観点から、内定取り消しには妥当性があると判断されるケースもあります。
キャリアアドバイザー
もともと持病などがあり、選考時に申告などしたうえで企業側が了承して内定を出している場合は、内定取り消しにはならないので安心してください。
⑦企業の経営状況が厳しくなった
①~⑥まではおもに応募者側の原因を取り上げてきましたが、企業側の事情で内定を取り消されることもあります。特に、不測の事態により企業の経営状況が厳しくなった場合は、人員整理として内定取り消しとなる可能性が高いでしょう。
しかし、経営状況が厳しくなったとしても内定を取り消す合理的な理由にはならないこともあります。内定取り消しは解雇と同様の扱いになるため、法的に正当だと認められない場合は内定取り消しが認められない場合もあるのです。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
内定取り消しになる理由は、「自分側の原因」と「企業側の事情」の2つに大別することができます。取り消しの理由が「企業側の事情」だった場合は、いつまでもその企業に執着するのではなく、ときにスパッと気持ちを切り替えて別の企業へ目を向けた方がうまくいく場合もあります。
たとえば、経営状況が悪化して「当初の新卒採用の人数では、今いる従業員の賃金が払えなくなるかもしれない」といった事情で内定を取り消されたとします。何らかの手段を使って、内定取り消しを取り下げてもらえたとしても、経営状況が悪化している企業だと、待遇面の不安を抱えたり、自分自身が望む働き方ではなくなったりしてしまうこともあり得ます。「新人で仕事を覚えるのも大変なのに、企業の経営状態も気になってしまう」という状況だと、仕事に集中できないですよね。また、簡単に内定を取り消しするような企業は、人材をおろそかにする可能性もあるのではないでしょうか。
内定取り消しが、経営の悪化など企業側の事情だとすれば、「自分とは縁がなかったんだな」「入社前に分かって良かった」とポジティブに考えることも大切です。そのためには、1つの企業に固執せず、視野を広く持って就職活動することをおすすめします。
⑧企業がほかの応募者を優先して採用した
企業側の事情で内定が取り消しになる理由の1つに、ほかの応募者を優先して採用し人数調整で一方的に内定を取り消す企業も存在します。
この場合は、合理的な理由でない可能性が高いため、内定取り消しを取り下げるために交渉の余地が十分にあるといえます。弁護士や専門機関に相談したうえで判断すると良いですね。
キャリアアドバイザー
本来は企業側が応募者に内定を出す前の段階でおこなうべきことのため、このようなことをおこなう企業は稀ですが、もし被害にあったら内定取り消しを取り下げてもらう方向で動きましょう。
順番に実行しよう! 内定取り消しといわれたらとるべき3つの行動
就活生
内定取り消しになる原因はたくさんあるのですね。原因がわかったところで、これからすべきことを教えて頂きたいです。
キャリアアドバイザー
わかりました! 内定取り消しといわれたらすべき行動が3つあるので解説していきますね。
内定取り消しといわれた直後は動揺が大きく、どうしたら良いかわからない不安になりますよね。ここでは、内定取り消しといわれたらとるべき行動を3つ紹介するので、まずは落ち着いて一つずつ実行してみてくださいね。
①整理:自分の状況と必要な情報を整理する
内定取り消しといわれたら、まず最初に今の自分の置かれた状況と、現状を把握するための情報を整理しましょう。
内定取り消しといわれると動揺して何がなんだかわからないという状況になりがちです。しかし、そのままだと次に何をすべきなのかが見えないまま時間だけが過ぎてしまいます。適切な判断や次の行動をすぐに実行できるようにしておくことが大切です。
特に内定を取り下げる場合、内定をもらった「証拠」を示すことが重要になります。具体的には、以下のようなものは集めておくと良いでしょう。
- 採用関連の書類やメールの履歴
- 内定通知書・採用通知書
- そのほか内定者向けの案内 など
この段階で、早期にかつ迅速に対応するため準備をしておきましょう。
②確認:企業に内定取り消しの理由を確認する
状況と情報の整理が終わったら、企業に「なぜ自分が内定取り消しになったのか」理由を確認しましょう。
取り消し理由によって、取り下げてもらえる可能性の有無やその後の対応が変わってきます。特に取り下げを要求する際には、取り消し理由の妥当性を検証する必要があるため、なぜ内定取り消しになったのかを把握しておくことは欠かせません。
また、内定取り消しの理由を電話など口頭で伝えられる場合もありますが、再度書面など記録として残る形式で送ってもらいましょう。裁判などになった際に証拠として重要な役割を果たすものになります。
③相談:専門機関に今後すべきことを相談する
状況や情報が整理でき、内定取り消しの理由も確認できたら、それらの情報をもって専門機関に相談にいきましょう。内定取り消しのように法的な事情がかかわってくる場合には、1人で抱え込まずに誰かに相談することが今の状況を解決するための近道となります。
まずは、自分の一番相談しやすい専門機関に相談するのが良いでしょう。たとえば、大学のキャリアセンターなどであれば、学生の味方として親身に事態に向き合ってくれます。就活に関する知見も豊富なため有用なアドバイスをもらえる可能性が高いのでおすすめですよ。
また、総合労働相談コーナーに連絡するのも1つの手です。総合労働相談コーナーは誰でも利用でき、労働に関する相談に乗ってもらえる専門機関です。各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署などにあり、電話での対応も受け付けているので連絡してみると良いでしょう。
こちらの記事では就活で困ったときに頼るべき相談先を紹介しています。ぜひこちらの記事も参考にして、適切な相談先に連絡してみましょう。
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4ステップで解説! 内定取り消しを取り下げてもらう方法
就活生
動揺していましたが行動すべきことがわかり少し不安が収まりました。これから企業に内定取り消しの取り下げをたいのですが、どうしたら良いでしょうか?
キャリアアドバイザー
少し不安が収まったようで良かったです。内定取り消しを取り下げるための方法ですね、わかりました! 4つのステップがあるので順番に解説していきますね。
内定取り消しに合理的な理由がなさそうだと感じた場合は、内定取り消しを取り下げてもらうために動くこともできます。これから解説する4つのステップに従って実行することでスムーズに進められるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
①企業に内定取り消しの理由を文書で要求する
まず最初におこなうことは、企業から内定取り消しの理由を「文書」にして送ってもらうよう要求することです。
まず、取り下げを求めるためには、内定取り消しの理由がわからないと合理的な理由かどうかが判断できません。
また、文書としてその理由が残されていないと証拠として提示することが難しくなります。1人では不安という場合は、専門機関や家族などに相談しつつ企業とやり取りしましょう。
キャリアアドバイザー
直接的な要求ができない場合でも、電話や口頭だけではなくメールや書面でやりとりし、内容が残るようにしておくことがポイントです。
②内定したことを証明する書類や情報を集める
企業と正式に労働契約を結んでいたことを示すために、内定したことを証明する書類や情報を証拠として手元に持っておく必要があります。
これまでに企業とやりとりをした書類やメール、通話履歴などを確認し保存しておきましょう。特に、以下のものは内定をもらった証拠になるため、集めておくと良いですね。
- 採用・内定通知書(内定承諾書)
- 内定者説明会や懇親会の案内
- 内定式の案内
- 入社式の案内 など
③弁護士に連絡する
必要な情報や書類が手元に準備できたら、法的な内容の専門家である弁護士に相談しましょう。内定の取り消しは法的な情報や事由を扱うため、企業と対等に交渉するためには専門家に頼るのがスムーズな解決への近道です。
というのも、企業側には顧問弁護士が付いていることが一般的なため、自分自身の知識や知見だけでは取り下げ可能な状況であっても交渉で不利になってしまう可能性があるのです。取り下げてもらえる確率がどのくらいかを確認するためにも、まずは一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
キャリアアドバイザー
初回面談であれば無料で相談に乗ってくれる弁護士事務所も多いです。労働関連の分野を専門としている事務所を中心に連絡してみると良いですよ。
④弁護士とともに企業に内定取り消しの取り下げを求める
弁護士と話し合った結果、内定取り消しが取り下げ可能な理由だと判断された場合は、企業に対して弁護士とともに取り下げを要求しましょう。もちろん、実際に動くとなれば弁護士費用はかかってしまいますが、1人で進めるよりも確実かつ迅速に状況を進展させられる可能性が高いです。
また、交渉を続ける中で話がまとまらない場合は、裁判で争うことになるケースもあります。この場合も、引き続き弁護士と相談しながら法的手段で企業と対峙することになるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント酒井 栞里プロフィールをみる
内定取り消しに対して法的手段に出る場合には、知識がない人では多くの時間と労力がかかってしまいます。そのために大学生活が犠牲になってしまうのはもったいないと思いませんか。法的問題に対処するには、専門家の力を借りて解決するのが得策です。
専門家は、過去の事例や解決に導くプロセスを熟知しているため、学生の知識や経験値では足りない所を補ってくれるでしょう。また、相談することによって、起こった出来事を客観視することができ、怒りの感情や落ち込みを軽減できる場合があります。
法的手段に出ると決めたら、1人で抱え込まずにその道のプロにサポートしてもらい、自分が納得できる答えに近づいていきましょう。時間は有限であるため、大学生活も大切にしながら就活もうまく進められることを願っています。
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冷静な判断が重要! 内定取り消しに直面したときに役立つ考え方
就活生
内定取り消しを取り下げてもらうにはいろいろと手続きが必要になるのですね。時間もかかりそうで少し大変な気がしてきました……。
キャリアアドバイザー
たしかにそうですね……。内定取り消しを取り下げてもらうことも重要ですが、最も大事なことは自分の将来を考えた選択をすることです。一度先のことも考えて、取り下げてもらう以外の選択肢も視野に入れてみると良いでしょう。
内定取り消しを企業から取り下げてもらうには、ある程度の労力と時間がかかります。もちろん、納得できない理由で一方的に内定を取り消された場合は煮え切らない気持ちになることもあるでしょう。
一方で、そのような選択をした企業に入社したとしても納得のいく仕事ができるかどうかは怪しいですよね。
そのようなときは、内定取り消しを取り下げてもらうことだけを選択肢とせずに、冷静に今後のことを考えて行動することが大切です。自分の将来にとって何がベストなのかを見極めましょう。
働き口は1つではないと気持ちを切り替える
内定取り消しといわれたら、働き口はその企業だけではないと気持ちを切り替えてみるのも1つの手です。
いろいろと準備し選考を突破してやっと内定を獲得した企業であるほど、内定取り消しになったときのショックは大きいですよね。一方で、世の中にはほかにも無数の働き口が存在します。もしかしたら、この後巡り会う企業がより自分にマッチした働き口の可能性もあるのです。
キャリアアドバイザー
内定取り消しを取り下げてもらえる可能性が低かった場合は、ほかにもっと自分に合う企業があると考えて割り切るのも1つの選択肢ですよ。
今後の就職活動にかける時間も考慮する
内定取り消しを取り下げてもらえなかった場合、また就職活動をする必要が出てきます。そのため、今後の就職活動にかける時間や労力も考慮したうえで、自分の就職活動をスムーズに進められるように考えて行動しましょう。
場合によっては、その企業から内定を取り戻すことを考えるよりも、一度割り切ってほかの企業の選考や今後の仕事のことを考えて行動したほうが、自分に合う就職先に出会う機会が広がるかもしれません。
その企業のことだけではなく、就職活動全体に視野を広げスケジュールを考えたうえで適切な選択ができるようにしましょう。
自分の将来から逆算して今すべき選択をする
その企業から内定取り消しを取り下げてもらって入社したとしても、その選択がこれからの自分のキャリアの最適解とは限りません。そのため、今だけに焦点を当てるのではなく、自分の将来像から逆算したうえで、今すべき行動をとることが大事です。
具体的には、自分がこれから歩みたいキャリアやなりたい姿を改めて考え直してみるのはどうでしょうか。
企業から内定を取り消された後もどうにかならないかと、その企業にこだわってしまうこともあるかもしれません。ですが、一度冷静になって視野を広げ、今何のために行動しているのかを自分の将来も見すえたうえで考えると、適切な行動が見えてくることもありますよ。
こちらの記事ではキャリア形成について解説しているので、自分の将来を考えるときに参考にしてみてください。
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キャリア形成とはなりたい自分に近づくためのステップ! 考え方を徹底解説
キャリア形成とは仕事の経験やスキルを計画通りに積んでいくことです。このビジョンが明確だと周囲と差別化できますよ。 この記事ではキャリア形成のために必要な力や方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に、学生のうちから考えを深めておきましょう。
記事を読む
就活を再スタートする際は厚労省の「内定取り消しに関する情報」もチェック!
就活生
企業から内定取り消しを取り下げてもらうことに少し固執しすぎていました。改めて視野を広げてほかの選択肢も考えてみようと思います。
キャリアアドバイザー
気持ちの整理が難しい部分はあるかと思いますが、前向きに考えられているのは素晴らしいですね。就活を再スタートする際にはぜひ「内定取り消しに関する情報」もチェックしておくと良いですよ。
いざ就活を再スタートするとなった場合は、最近どのくらいの企業がどのような理由で内定取り消しや入社時期の延期などをおこなったのか、厚生労働省が発表している情報などをチェックしておくと良いでしょう。
令和5年でいえば、厚生労働省のホームページ内にて「令和5年3月新卒者内定取消しなどの状況を公表します」というものが掲載されており、新型コロナウイルス感染症の影響で内定取り消しになったという情報などが発表されています。
こういった情報をチェックしておくことで、世の中の状況や社会情勢などから内定取り消しが出そうな企業の傾向が少しわかるようになります。そうすると、自分自身が原因で内定取り消しになることを防ぐだけでなく、内定取り消しが出そうな企業を事前に避けやすくなるでしょう。
就職活動にかける時間や労力を無駄にしないためにも、内定取り消しに関する情報は確認しておくのがベターです。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
内定取り消しの理由の1つに、「企業の経営不振」が挙げられていますが、応募する前に情報収集をしておけば避けられたかもしれませんね。「安定した待遇が望めないようだったら、そもそも応募しなかった」という人もいるのではないでしょうか。
事前に企業の経営状況を調べる方法として有効なのは、東洋経済新聞社が出している「四季報」を読むことです。特に「就職四季報」なら、企業が順調に成長しているかどうかを知るための売上高、利益など業績に関する情報が掲載され、他にも平均年収、残業時間など会社の実情を知るための情報が満載です。1冊の本から多くの企業情報を知ることができるのはありがたいですね。
また、企業に関する報道やニュースは欠かさず見るようにして、最新の経営状況を理解するようにしておきましょう。ほかにもOB・OG訪問では、「まだ公式発表されていないけど、実は……」といった情報も得やすいので、積極的に活用することをおすすめします。
就職四季報についてはこちらの記事で解説していますので、使い方や読み方などぜひ参考にしてみてください。
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また、OB・OG訪問についてはこちらの記事で解説しています。連絡の仕方や活用の仕方も説明しているのであわせて参考にしてくださいね。
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内定後も注意しよう! 内定取り消しされないために気を付けるべきこと
就活生
気持ちを切り替えて本格的に就活を再スタートしたいと思います。いろいろと相談に乗っていただきありがとうございました!
キャリアアドバイザー
気持ちが切り替えられたようで何よりです。それでは最後に、できるだけ内定取り消しにならないように、気をつけるべきことをお伝えしておきますね。
内定を取り消されることはほとんどありませんが、可能性はゼロではありません。企業側の事情での内定取り消しに事前に対策することは難しいですが、自ら内定取り消しにならないように注意することはできるので、これから解説することには十分に気をつけて就職活動してくださいね。
入社までの期間も節度ある行動を心掛ける
内定をもらうと今まで張り詰めていた緊張が解けて、つい気が緩んでしまいがちですが、入社までの期間もまだ内定取り消しの可能性があることを頭に置き、内定者として節度ある行動を意識しましょう。
たとえば、羽目を外しすぎて公序良俗に反しかねない行動をしてしまったり、SNSなどで不適切な発言をしてしまうと内定取り消しにつながりかねません。
企業は内定を出した後も内定者の行動をチェックしていることもあるので、自分の発言や行動は内定先にまで届くかもしれない、という意識を持って行動するようにしましょう。
企業からの連絡はこまめにチェックする
内定をもらってから入社までは半年〜1年ほど期間が空くことも珍しくありません。その間に内定者説明会や内定式、懇親会など、内定者向けに企業からいろいろな情報が発信されるので、見逃さないように企業からの連絡はこまめにチェックしておきましょう。
連絡の確認漏れや遅れがあると、入社前に必要な準備ができず、最悪の場合内定取り消しを検討される場合もあります。企業からのメールや電話の通知をオンにしておくことはもちろん、確認が漏れていないか都度確認するようにしましょう。
キャリアアドバイザー
同じ内定者と連絡を取りあって、何か状況に進展がないか確認するのも良いですね。
卒業するまで学業にも気を抜かずに取り組む
晴れて内定を獲得し内定者となった後も、まだ学生であることに変わりはありません。卒業するまでは本業である学業にも最後まで気を抜かずに取り組むことを心掛けましょう。
せっかく内定をもらったのに、卒業できないために内定取り消しになってしまったら、今までの頑張りが報われません。ちゃんと卒業できる状態なのかを確認したうえで、担当教授や大学のキャリアセンターの職員などと相談しながら卒業までの計画をあらためて見直すことをおすすめします。
学業でやるべきことをやり切って、すっきりした気持ちで入社日を迎えられるようにしましょう。
内定取り消しに関してよくある質問に回答!
企業から内定取り消しされたら、不安になったり動揺してしまってどうして良いかわからないと悩む人もいますよね。ここでは内定取り消しといわれた場合によくある質問に対して、キャリアアドバイザーが回答していきます。
内定取り消しといわれてどうして良いかわからない人や内定取り消しの対処法を知っておきたい人はぜひ参考にしてくださいね。
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内定取り消しといわれたらまず何をすれば良いですか?
企業から内定取り消しといわれたら、まずは一度気持ちを落ち着けることを第一に考えましょう。選考を突破しやっともらえた内定を取り消された場合は、動揺したり不安な気持ちが強い状態になってしまいますよね。しかし、その状態では冷静な判断ができず間違った選択をしてしまうことになりかねません。まずは一度気持ちを落ち着かせたうえで、今の自分の状況を整理していきましょう。
落ち着いて自分の状況を整理できた後は、企業に内定取り消しになった経緯や理由を確認しておくと良いです。後々内定取り消しを取り下げてもらう要求をする際に、内定取り消しになった理由がわかっていないと正しい要求ができません。きちんと確認しておきましょう。
気持ちの整理や必要な情報が揃ったら、1人で抱え込まずに専門機関に相談しましょう。まずは大学のキャリアセンターなど身近で親身になって話を聞いてくれるところに連絡するのがおすすめです。総合労働相談コーナーなどの公的機関に連絡してみるのも良いですね。
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内定取り消しを取り下げてもらうにはどうしたら良いですか?
企業に内定取り消しを取り下げてもらうには、弁護士に相談をしたうえで取り下げの要求をすることがおすすめです。弁護士を介さずに企業と交渉することも可能ですが、「内定」に関する問題については法的な内容が絡んでくることになるため、法律の専門家である弁護士を通しておこなうのがベターです。
費用はかかってしまいますが、自分自身の将来に大きく影響を与える可能性がある事柄なので、迅速かつ適切に対応するためにも1人ではなく専門家と一緒に交渉するようにしましょう。
内定取り消しになったときこそ冷静さが重要! 将来を見すえたベストな選択をしよう
企業からいきなり内定取り消しといわれたら、不安を感じたり動揺もしてしまいますよね。しかし、そのようなときこそ一度落ち着いたうえで冷静に判断することがとても重要です。
特に、1人で抱え込むと視野が狭くなり間違った判断をしてしまいがちになります。そのため、自分の状況や情報を整理したら、誰か身近な人や専門機関に相談をして、次にとるべき行動を検討するのがおすすめです。内定に関することは法的なことなので、自分1人で解決しようと無理しないようにしてください。
内定取り消しは就職活動をする人なら誰にでも起こり得ることです。適切な対処法を知っておき、いざ内定取り消しといわれたときに、焦らず自分の将来を見すえたうえで自分にとってベストな選択ができるようにしておきましょう。
企業から「内定を取り消しにさせてほしい」といわれたのですが、そもそも内定取り消しは違法なのではないですか? 納得がいかないです。