内定とは|内々定との違いや獲得後にすることをご紹介

この記事のアドバイザー

熊野 公俊

高校卒業後、航空自衛隊に入隊。4年間在籍後、22歳で都内の大学へ入学。大学では心理学・教育学などを学ぶ。卒業後、大手総合人材サービス企業にて人材派遣営業やグローバル人材の採用支援、女性活躍推進事業に従事。NPOでの勤務を経て現職。将来の目標はキャリアコンサルタントとして幅広い人たちの前向きな一歩をサポートすること。皆さんのより良い一歩を応援できるご支援が出来ればと思います。

長尾 美慧

大学卒業後、アミューズメント業界において3年間店長として従事。年間売上高2億円を超える店舗を2店舗兼任し、新店舗の立ち上げと新卒教育を担当して参りました。店舗開発の経験から組織の課題を解決するには『人』が一番大事だということに気づき、人を扱うプロになりたいという想いで人材業界へ転身、キャリアアドバイザーとして入社2か月後に新人賞・ベストチーム賞獲得いたしました。就活も仕事も『だるいもの』ではなく『楽しいもの』です。一緒に楽しみながら内定を勝ち取りましょう。

コラムの目次

  1. 内定について正しく把握しておこう
  2. 内定とは労働契約のひとつ
  3. 内定と内々定の違いとは
  4. 内定獲得後にすることとは
  5. 内定や内々定の意味を理解した上で就活をすすめよう

内定について正しく把握しておこう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から

「内定と言われたのですが、これで就職ってことでいいんですよね…?」
「内定辞退っていつでもできるんですか?」

という質問を多く聞きます。就活は内定の獲得を目指して活動を進めますが、そもそも内定とは何か正しく理解できていない人は多いです。内定は企業がくれるもの、もらうと就職できるものといった漠然とした認識だけでは、失敗する可能性もあるため注意しなければなりません。特に内定に関する失敗は、就職に大きな影響を及ぼす可能性が高いです。

場合によっては就職できなくなるといった大きなリスクも潜んでいるため、正しい知識を持っておくことが大切です。内定とは何かはもちろん、内定に関係する用語や状態についての理解を深めると、就職までの流れもスムーズになります。内定は新卒での就活だけではなく、社会人になってから関係する場合もあるため、今のうちに正しい知識を身につけておきましょう。

内定とは労働契約のひとつ

内定とは簡単に言えば労働契約のひとつで、これを結ぶことで入社が決定します。労働契約は非常にややこしく、書面を交わして初めて正式な契約の締結となります。つまり、内定が決まる、内定契約を締結するとは、契約書の提出を持って完了することは覚えておきましょう。

企業によって呼び方は違いますが、一般的には「内定承諾書」と呼ばれるものが内定契約を結ぶための契約書です。内定が決まった状態は企業から内定を言い渡された時ではなく、内定契約書にサインし提出した状態と考えましょう。

企業は簡単に取り消すことができない

内定契約の大きなポイントは、一度契約を交わすと企業側からは簡単に破棄できないということです。企業と労働者は対等な関係にありますが、どうしても企業のほうが力を持ちやすいため、内定契約は労働者の権利を保護する仕組みが備わっています。そのため、一度書類を交わすと、企業の意志だけでは内定の破棄はできません。

内定承諾書を提出し、企業がそれを受諾した時点で、就職は決まったと考えていいでしょう。ただし、100%企業側から契約破棄ができないわけではなく、正当な事由に該当する場合は、企業側からこれを取り下げることができます。

・卒業できない
・健康上の理由があり働ける状態ではない
・犯罪行為を起こす・逮捕される
・企業が倒産・採用できないレベルの負債を抱える

上記のようなケースに当てはまる場合は、企業の一存で内定契約が破棄される可能性があるため注意が必要です。

学生からの辞退は可能

一度結んだ内定は、よほどの理由がない限り破棄できませんが、学生側、つまり労働者側からは別です。学生側からは申し出ひとつで簡単に破棄が可能で、内定承諾書提出後に内定を辞退することも可能です。企業によっては内定承諾書以外に誓約書などを書かせ、絶対に就職させると誓わせることもあります。

しかし、これを提出した、あるいは口頭で就職すると述べた場合でも、これらに法的な拘束力はありません。従ってこれを理由に企業が学生からの内定辞退の申し出を拒むことはできず、要求はそのまま通すことができます。連絡の方法はメールや電話でよく、方法に関係なく意志ひとつで解約が可能です。また、内定式の出席や調印も関係せず、これらをおこなった後でも解約できることは覚えておきましょう。

キャリアアドバイザーコメント

熊野 公俊

お世話になった人に辞退に至った理由を自分の言葉で伝えよう

内定辞退の連絡をする際は、選考段階でお世話になった人事担当者や社員の方たちがいますので、「なぜ内定辞退に至ったのか」しっかり自分の言葉で説明をしましょう。最も望ましいのは、メールを入れた上で電話することです。あなたが希望したことで企業側は選考の場を提供し、採用に至るまでの段階において様々な時間的、労力的手間をかけているはずです。特に就職先が内定辞退先と同じ業界の場合、就職後も仕事でやりとりする機会があるかもしれません。就職先の人たちもビジネスの枠にとらわれず、あなたが考え抜いて決めた選択なら応援してくれると思います。内定辞退は本心では残念でしょうが、あなたが誠心誠意、感謝の念を伝え「最良な選択としてここではない」のであれば、その選択を支持してくれると思います。必ずメールや電話だけで終わらせるのではなく、丁寧に対応することで誠意を示しましょう。

内定と内々定の違いとは

内定に似た言葉に内々定というものがあり、これらを混同してしまう人は多いでしょう。内定と内々定が同義だと思っている人もいるでしょうが、実際は大きな違いがあるため注意しなければなりません。内定と内々定は言葉こそ似ているものの、状態が全く異なります。どのような違いがあるのかを知り、ビジネス用語を正しく理解していきましょう。

労働契約の有無

内定と内々定のもっとも大きな違いは、労働契約の有無です。労働契約を結んでいるのが内定、結んでいない状態が内々定と覚えておきましょう。内定承諾書にサインすることで、労働契約を結んだことになります。採用の連絡を電話かメールでもらう→採用通知をもらう→内定承諾書にサイン→内定式という流れで内々定から内定に切り替わります。

内々定に法的な拘束力が発生しない大きな理由は、口約束でしか就職が決まっていないからです。正式な契約を交わすまでは内々定の状態であり、内定承諾書の受諾を持って、内々定から内定に変化することは覚えておきましょう。

内定:就職が内々に決まっている状態(労働契約締結済み)
内々定:就職が内々に決まっている状態(契約なしの口約束のみ)

内々定では安心できない

内々定と内定のうち、就職が確約されているのは内定状態です。内々定では就職が決まったといっても口約束に過ぎません。内定状態では労働契約という縛りがあるため、正当な事由なしに契約を破棄することはできません。しかし、内々定には労働契約の制限はなく、いわばこれまでの面接の合否を待っているのと同じ状態です。

面接後の結果が企業の一存で決まるのと同様、内々定の場合も企業の意志によって口約束は破棄され、就職の話はなかったことになる場合があります。内定通知書をもらった時点でも、まだ内々定です。内定承諾書は内定式で提出することが多く、10月の内定式に正式に内定となります。

キャリアアドバイザーコメント

長尾 美慧

心配な点や懸念点がある場合は人事との面談などで払しょくしよう

内定に関して心配な点・懸念点があるうちは、それを払しょくするための動きをしましょう。人事の人と面談を重ねることもひとつの手です。入社後に「聞いていた話と違うじゃないか」とならないように、分からない点を明確にすり合わせていきましょう。また、就活を継続する場合は、内定先の魅力に感じている点だけでなく懸念点も払しょくするような企業に絞って見ていきましょう。ただ、内定承諾期限というものもあるので、内定先に不安点を相談しつつ「〇〇会社だけ受けきるまで待ってほしい」という交渉をしてみましょう。また、懸念点や不安な点がない場合は決断してもいいかと思います。就活をだらだら続けて企業さんの温度感が下がってしまったり、内定取り消しになってしまったら元も子もないからです。

内定獲得後にすることとは

最終面接終了後、合格なら内定が通知されます。内定をもらうと就活は一段落しますが、ここですべてが終わるわけではありません。内定獲得後もすべきことは数多くあるため、やるべきことをすべて終わらせるまで、気を抜かないようにしてください。内定獲得後の行動を知り、どのように進めていくか把握しておきましょう。

まずは承諾・辞退の意思を伝える

内定獲得後は、まず企業に承諾か辞退どちらかの意志表示をしなければなりません。これは内定承諾書の提出を伴わず、口頭で連絡されることも多いです。内定承諾書は口頭での承諾後に送付され提出というケースが多いため、まずは承諾か辞退かを伝えましょう。内定が通知されてから返事をするまでの期間は企業によって違うため、悩む場合はいつまでに返事をすべきかも聞いておく必要があります。

連絡なしで定められた期間を過ぎてしまうと、自動的に内々定が破棄される可能性もあるため注意しましょう。どうしても迷う場合は、期間の延長を申し出ると了承してくれる場合もあります。承諾でも辞退でも期間内に連絡することが大切で、メールで通知されたならメール、電話なら電話と、連絡方法も相手に合わせるといいでしょう。

承諾後は就職に向けた準備をする

内定を辞退した場合は就活を続行する必要があるので、これまで通り他社選考を続けましょう。承諾した場合、就活は一旦終了します。しかし、完全に終わったわけではなく、ここから内定式への出席、事前研修といったイベントが待っています。内定式や事前研修については、企業によって実施の有無や頻度が違い、場合によっては全くおこなわないこともあるでしょう。

しかし、内定承諾書の提出はどの企業でも共通しているため、就職の確約を得るためにも、間違いなく提出しておかなければなりません。また、就職に向けた準備として卒業できるよう単位を取得したり、仕事に向けてのスキル磨きをしたりと、やるべきことは数多くあります。

キャリアアドバイザーコメント

長尾 美慧

内定後の入社準備をする場合は目標とスケジュールを立てておこう

内定後の入社準備として、同期と圧倒的な差をつけて早く成長したい場合は長期インターンなどを実施します。残りわずかな学生生活を謳歌したいといって何もしない人もいます。どちらも叶えたい場合は、充実した残りの学生生活を送るためにメリハリをつけた目標とスケジュールを立ててみましょう。

【例】
〇月までに仕事で使えそうなビジネス本を〇冊読む
夏休みは全力で遊ぶ
週〇日はインターンでがっつり働く

よく大人が言っている「学生時代しかできないことをしましょう」とは私は思いません。学生時代にしかできないことって、意外と社会人になってもできます。むしろ、自分の頑張り次第では学生時代よりも時間とお金に余裕のある楽しい未来が待ってます。未来をより明るく楽しいものにするために、動いてみましょう。頑張ってください。

本当にその企業でいいかよく考えよう

内定承諾書を提出した後は、入社日に備えて準備し、残りの学生生活を存分に謳歌しましょう。しかし、その前に本当にその企業でいいのか、もう一度よく考えておくことが大切です。就活は大変なので、上手くいかなかったり、なかなか内定がもらえなかったりすると、内定に飛びついてしまうことも少なくありません。よく考えず内定がもらえた企業に就職を決めてしまうと、後で後悔することも多いです。

他の可能性はないか、納得した就職先かどうかはきちんと考えておきましょう。内定承諾後でも、別の可能性を考えたいなら辞退して就活を再スタートさせることもできます。どの企業に就職する場合でも、最後には納得した形で就活を終えることが大切です。

内定や内々定の意味を理解した上で就活をすすめよう

内定について、就活生にとっては分からないことも多いでしょう。内定はただ企業から通知されて得られるわけではなく、労働契約への合意を持って初めて成立します。自分で就職するという意思を示し、書面での契約を交わさないと本当の意味での内定は得られません。内定以前の状態は内々定であり、これは就職が確定したものではなく、企業の意志次第でいつでも覆されます。

内々定状態のままで放置しておくと、いつの間にか就職の話が立ち消えになっているということもあるでしょう。就活が一段落するのは、企業から内定を言い渡された瞬間ではなく、内定契約を結んだ瞬間です。内定が確約するまでは油断せず、契約まできちんとおこない、自身の進路を確定させましょう。

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