教育業界の志望動機は企業視点が不可欠|例文付きでコツを徹底解説

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目次

  1. 教育業界では2方向から成長への貢献を伝えることが大切
  2. まずは教育業界について詳しく知ろう
  3. 指導スタイル
  4. 対象
  5. 職種
  6. 知っておくと有利? 教育業界のトレンド
  7. ①プログラミング学習の義務化
  8. ②進む教育のIT化
  9. ③少子化の影響
  10. 教育業界で求められるスキル
  11. 伝える力
  12. 聴く力
  13. 情報収集をする力
  14. 責任を持って行動する力
  15. 押さえておきたい「公教育」との違い
  16. 公教育:最低限の教育を身に付けさせること
  17. 教育産業:+αの教育を身に付けさせること
  18. 教育業界の志望動機の構成
  19. ①なぜ教育業界か
  20. ②なぜその企業か
  21. ③自分がどう貢献できるか
  22. 教育業界の志望動機の例文
  23. 例文①
  24. 例文②
  25. 例文③
  26. 例文④
  27. 例文⑤
  28. 例文⑥
  29. 教育業界を目指す学生のよくある疑問
  30. よくある疑問①教員免許はアピールできる?
  31. よくある疑問②教育学部出身じゃないんだけど問題ない?
  32. 顧客だけでなくその企業の成長も考えた志望動機を作ろう

教育業界では2方向から成長への貢献を伝えることが大切

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。

「教育業界に興味があります」
「教育業界の志望動機を書く際に何か気をつけることはありますか?」

といった相談を受けることがあります。幼い頃に塾や学習教材などを利用して学びを得てきた経験から、教育業界に興味を持ち志望する学生は多いことでしょう。以前お世話になった人たちのように自分も人の成長に貢献したいといった話をよく聞きます。

しかし、教育業界においては顧客の成長に携わりたいと述べるだけでは少し不十分です。あくまでも利益を追い求める企業ですから、顧客だけではなく企業の成長への貢献も伝える必要があります。

この記事では、教育業界の基本的な知識から「公教育」と「教育産業」の違いについても徹底的に解説します。教育業界に興味がある人はぜひこの記事を読んで、志望動機で押さえるべきポイントを把握してくださいね。

まずは教育業界について詳しく知ろう

「教育業界に興味がある」という学生の多くは、その職種として塾の講師などを想像しやすいのではないでしょうか。しかし、実は学生に授業をするだけが教育業界の仕事ではなくさまざまな職種や仕事があります。

志望動機を作る際には教育業界の中でも希望する職種や企業の特徴に沿った内容にする必要があります。まずは、視野を広げ、自分の興味をさらに深めるために教育業界について詳しく知っていきましょう。

指導スタイル

教育と聞くと、大勢の学生や児童の前で教鞭を振るうことを想像しやすい人が多いでしょう。しかし「人に教える」という視点で見ればその指導スタイルは一例にすぎません。指導スタイルにも複数の種類があります。

対人で直接指導

講師や先生と生徒が対面で接し、講師が生徒に直接的に指導するスタイルです。上述したように、教育と聞いてもっとも多くの人が想像するスタイルでしょう。学校の教員や塾の講師などの教え方がこれにあたりますね

テキストなどで間接指導

反対に、人対人で指導をおこなうのではなく、テキストや資料などから間接的に指導を受けるスタイルもあります。小学生の頃、通信教育講座のテキストを購入し勉強をしていた人もいるのではないでしょうか。塾や学校とは違い「教育を受けている」という感覚は少ないかもしれませんが、これも教育業界の仕事のひとつです。

対象

教育と聞くとどうしても小学生から高校生の学生に向けた指導を想起する人が多いでしょう。しかし、教育で学ぶものは学問だけではありません。何を学ぶのか、広い視点で教育について考えてみると、教育対象の幅が広がりますよ

小中高生向け

小中高生に向けた教育では、学校で学ぶ学問を補足して教えています。学校での授業の成績向上や受験のために塾や通信教材を利用して勉強していた人もいますよね。こういった学生に向けた教育では、あくまで学校教育の延長線として学問を教えています

社会人や大人向け

社会人や大人に向けた教育も盛んにおこなわれています。こういった人たちに向けてはキャリアアップにつながるスキルを教えています。例としては簿記や秘書検定などの資格や、プログラミングのスキルなどが挙げられますね。社会人だけではなく大学生のうちにこういった資格をすでに取得している人もいるのではないでしょうか。

学校生活に紐づく学問だけが教育ではありません。こういったスキルや資格の取得もひとつの学びであり教育のひとつです。

法人企業向け

「企業」という組織単位でも教育はおこなわれています。企業ではかならずといっていいほどさまざまな場面で研修がおこなわれます。たとえば新入社員研修や管理職研修、面接官になるための研修などが考えられますね。

こういった研修では、その仕事をおこなったり役職に就くうえでの知識をつけます。個人の枠組みを超えた組織単位でも、知識を学ぶための教育がおこなわれているのです。

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社会人向け・法人向けの領域は現在成長を続けている

教育事業の中には、子ども向けに限らず社会人向けや法人向けのものもあるとお伝えしましたが、この領域は現在成長を続けています。

人生100年時代と言われるなかで、定年が延び労働年齢が長くなると、1つのスキルのみで働くことが難しくなると言われています。また、副業やパラレルキャリアも増え、大人になってからも自主的に勉強する人が増加しています。また、オンライン授業が普及したことから、時間に忙しい社会人に向けた授業の展開が容易になったことも大きな要因です。上記の状況により、教育業界でも社会人向けや法人向けの領域が注目を集めています。

特に人気のサービスは、英語や中国語といった語学習得、プログラミングやWebデザインといったIT領域、ビジネス向けのセミナーといったダイレクトに仕事に結びつきそうなものから、フィットネスやヨガなどカルチャー向けのものまでさまざまです。

このように、教育といってもジャンルは多岐にわたるため、自分が得意な分野にかかわることもできるでしょう。働き方の多様化に伴い、教育にも多くの選択肢が増えていますので、自分にあった分野や職種を選択できると良いですね。

職種

ここまで教育業界について深掘りをおこなうと、教育業界の職種も「講師だけではないのでは」と考える人もいるかもしれませんね。その通り、教育業界における職種も講師一択ではありません。どのような職種があるのか紹介していきますね。

講師

まずは教育業界の職種として、講師が挙げられます。人と対面で授業や研修などの指導をおこないます。また小中高生を対象とする企業では、生徒の質問や悩みに答えアドバイスをする機会も多いことでしょう。

「教育業界」と耳にした時に一番初めに講師をイメージする人も多いかもしれませんね。

サポートスタッフ

特に塾などの小中高生向けの企業で多い職種です。授業や研修で使用する資料の作成や編集をおこなうほか、過去の試験の出題傾向などから試験問題の研究をおこなうこともあります

教育を受ける人の内容理解を促進するような資料が求められるということはもちろんですが、講師側も指導しやすいような内容やレイアウトであることも踏まえながら資料を作成する必要があります。

運営・事務

運営や事務の仕事は非常に幅広く多岐にわたります。講師や学生などが学びに集中しやすいような環境を整えることはもちろんですが、企業によっては塾や研修に人を集客するための広報活動をおこなうこともあります。企業によっておこなう仕事が違うので、企業ごとにどのような仕事を任せられるのか事前に調べておく必要がありますね。

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キャリアアドバイザー

私立の高校や大学に設置されている事務も、教育業界の職種のひとつですよ。

基本的な事務の仕事内容はこちらの記事で紹介しています。

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編集

主に通信教育用の教材を取り扱う企業にある職種です。学生はさらに勉学を向上させ、社会人は必要なスキルを取得できるような教材を編集しています。

対面の教育では講師の直接指導で学びを得ますが、こういった教材を通した間接的な指導ではその教材だけで顧客が結果を出さなければなりません。どうしてもテキストコミュニケーションよりも対面でのやりとりのほうが理解は促進されるため、こういった資料編集業務においてはレベルの高いわかりやすさが求められるでしょう

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知っておくと有利? 教育業界のトレンド

教育業界で現在トレンドとなっている3つのキーワードについて紹介します。このキーワードを押さえておき、アピール内容に自然に盛り込むことができれば、業界への理解や熱意が伝わるでしょう。

①プログラミング学習の義務化

先日、文部科学省が発表している小学生の学習指導要領が改訂され、2020年からプログラミング教育が小学校の授業で必修化されました。これまでも特にIT業界に従事する人にとってプログラミングスキルは欠かせないものでしたが、小学生やその親にとっても非常に重要なものになります。

それに加えて近年は社会人の副業としてもプログラミングが主流になりつつあり、社会全体としてプログラミング学習のニーズが増加しています。教育業界を目指す学生はぜひ押さえておきたいキーワードであるほか、少しでもそのスキルが身に付いているとさらに良いでしょう。

②進む教育のIT化

近年、教育業界ではIT化が急速に進んでいます。たとえば多くの企業では、新入社員研修として「eラーニング」というインターネットを利用した研修が導入されるようになりました。また、実際にリクルートでは「スタディサプリ」というオンライン学習サービスの提供も始まっています。

授業や研修をおこなう側としても手間が省け、受ける側もインターネットに接続さえできれば自分の自由な時間に研修を受けられるという、双方に大きなメリットをもたらしています。

③少子化の影響

就活において、近年の少子化により打撃を受けている企業は多くあります。教育業界の先行きも不安に思う人もいるかもしれませんね。しかし、まず教育の対象は小中高生だけではないとお伝えしたほか、最近ではWEBによるオンラインスクールなども増加しつつあるなど、実は近年の業界規模は拡大傾向にあります。

また、経済産業省の経済構造実態調査によると、2020年の学習塾の受講者は前年に比べて4.5%減ったものの、売上高は5.2%増加していました。つまり、児童や生徒1人当たりの養育費が増加傾向にあることが考えられますね。

このように、教育のもともとの定義の広さと養育そのものにかける金額の増加などにより、教育業界において少子化の影響は他業界に比べて緩和されていると考えられるでしょう

教育業界で求められるスキル

教育業界で求められるスキル

志望動機では、教育業界への熱意を伝えるだけではなく自分が教育業界に向いているということも併せて伝える必要があります。もちろんやりたいという熱意は重要ですが、そもそも企業は自社の成長に貢献できる人材を求めています。そのため、仕事に向いていることもアピールできると採用メリットを感じてもらいやすいですよね。

ここからは、教育業界で求められるスキルを解説していきます。自分の持つ強みがあるかぜひ確認してみて、アピールできそうなものがあればそれをぜひ志望動機でも伝えてみてくださいね。

伝える力

教育とは人に物事を教え育てることが大きな仕事です。そのため、必然的に伝える力は欠かせないスキルになります。ここでの「伝える」の定義とは、こちらの情報や指導をただ押し付けるような一方的なコミュニケーションではなく、相手がきちんと理解できるようなわかりやすいコミュニケーションを指します

教育とはこちらが情報を伝えて終わりではなく、相手がその情報を受け取り自分のものにして結果を出してこそです。相手の成長につながってこそ「伝える力がある」といえることは理解しておきましょう。

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キャリアアドバイザー

さらに、相手の年代・個人か法人か、などによっても最適な伝え方は変わってきますよね。それによって求められる伝える力も変わってくることも押さえておきましょう。

聴く力

こちらが伝えたものに対して、相手から質問が返ってくることもしばしば。そんなときに相手の話をよく聞いて意図をかみ砕き、言いたいことを理解する傾聴力も重要なスキルです。特に小中高生を顧客とする教育においては、相手からの疑問にきちんと答えられるかも生徒の成長を分けるカギになるでしょう

傾く力の有無で相手が何を求めているかの理解が変わってきます。傾く力は上記の伝える力にもかかわってくる重要なスキルともいえるでしょう。

情報収集をする力

情報を提供し、指導をおこなう側として情報収集力は欠かせません。特に教材や資料の編集などにかかわる職種においては、伝える力よりも大切といえるかもしれませんね

学問の世界は年々進化を遂げています。毎年ノーベル賞などで表彰されるように、さまざまな法則や技術が生まれていますよね。また、進むIT化により学びのスタイルも大きく変わってきました。このような情報をいち早く取り入れ、教育に活かしていくことが重要です。

責任を持って行動する力

教育では、自分の指導が相手の常識や知識となり蓄積されていきます。自分の指導が相手を形作るため、非常に責任のある重い仕事であることは理解していく必要があります。

さらに特に学問を教える教育においては、自分の指導で生徒の成績が大きく伸びることもあれば、思うように成長ができないこともあるでしょう。しかし、人はその伸びや成長に期待をしてお金を払っています。自分の指導で利益を得ている以上はそれを結果に結びつけなければならないという面でも、自分の行動に対する強い責任感が必要になります

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さまざまな生徒に適応し、それぞれに合わせた対応も求められる

教育業界でほかに求められるスキルとして、環境適応力も挙げられます。職場環境にもよりますが、常に同じ生徒を教えていることは少なく、定期的に生徒が変わったり複数の生徒を担当したりしますよね。多くの生徒を一度に受け持つ集団授業の場合は、何十人もの生徒をまとめなければなりません。

その際、相手の性格に合わせて接し方を変える必要があります。職場環境が変わるわけではありませんが、接する人物が短期スパンで変わっていくため、このような環境にストレスを感じずに次々にこなせる力が重要になります。

責任感がもっとも重要! 選考では忘れずにアピールしよう

ここまでで紹介したスキルはどれも重要ですが、中でも重視されるのは「責任感」でしょう。塾やスクールなどスキルの定着を前提とした事業に携わる場合、数ヶ月〜1年など長期間生徒とかかわることが多いですよね。この期間中に、つらいことや大変なことがあっても投げ出さずに常に真摯な態度で向き合うことが大前提となります。

この姿勢がないと、傾聴力や伝える力など教育者としてのスキルが備わっていたとして、生徒から信頼を得ることは難しいでしょう。生徒との関係性があってこそ成り立つのが教育の仕事ですので、選考では責任感は忘れずに必ずアピールしましょう。

押さえておきたい「公教育」との違い

公教育と教育産業の違い
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就活生

本当は教師になりたかったんですけど、「教える」ってことは同じなので教育業界に就職するのでも良いかなって思ってきました。

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キャリアアドバイザー

なるほど……。もちろん教えるという観点ではやっていることは同じですが、学校教育と教育業界の教育では絶対に押さえておきたい大きな違いがあります。

「人にものを教える」という基盤が同じだからと、学校教師がおこなう公教育と教育産業を同じ目線で見ている人もいるのではないでしょうか。しかし、具体性のある教育業界の志望動機を作る際は、自分の行きたい企業がどちらの方向性に近いのかをしっかり見定めておくことが重要になります。

「教育業界だから学校のイメージ」などのふんわりとした固定観念ではライバルと選考で差をつけられてしまう可能性もあります。ここからはその違いについてお伝えしていきますね。

公教育:最低限の教育を身に付けさせること

  • 公教育:家庭の事情に左右されず、公権力に基づいて国民として最低限の教育を等しく身につけさせること

公教育とは、誰しもが当たり前に持っているべき最低限の教育の権利、または公権力によって管理される教育機関を指します。想像しやすいのは小学校や中学校の義務教育ですね。

全国どこの学校においても同じ教育がされ、児童や生徒は等しく一定の知識を取得しています。ちなみに私立学校であっても、公権力の規制を受けるため公教育に位置づけられています。

この公教育は、教育基本法や学校教育法などの法令のもとでその活動を制限されているのです。

こちらの記事では小中学校の事務職の志望動機について解説していますので、興味がある学生はぜひ併せて参考にしてみてください。

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教育産業:+αの教育を身に付けさせること

本来求められている教育とは公教育の範囲でかまわないものの、多くの人からは高校や大学への進学を見据えた+αの教育が求められています。そのニーズに応えているのが教育産業です。国から求められている教育の範囲を超えた教育になるため、+αの教育を提供するのは国ではなくあくまで企業となります。

つまり、教育産業に従事する以上はあくまでも利益を追い求める「企業」であることを忘れてはいけません。子どもや人の成長に貢献したいだけではなくその視点も持って企業成長にも貢献できる・したいことを伝えることが重要になると押さえておきましょう。

上村 京久

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利益を得てこそ仕事ややりがいが生まれることを忘れないようにしよう

公教育は国から支援を受けている場合もありますが、教育産業はあくまで一企業なので、国から支援を受けるわけではありません。そのため、事業を持続させるための利益を得ていく必要があり、それが難しくなると倒産してしまいます。

教育産業でも、仕事に対する思いとして「人の成長にかかわりたい」「誰かの役に立ちたい」といった気持ちをもつことは大切です。しかし大前提として、企業の利益があってこそ上記のようなやりがいが成り立つことを忘れてはいけません。実際に、教育事業を展開する企業の選考では、ビジネスの視点で物事を考えられていないと不採用になってしまうことも多々あります。

視野を広げるために教育産業も受けることを考えている人は「教育をビジネスとして考えられるか」といった視点で、改めて自分のやりたいことや社会人として成し遂げたいことを考えてみてください。そのうえで、教育産業でもやりがいを感じられそうであれば良いですね。

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教育業界の志望動機の構成

教育業界の志望動機の構成

ここまで教育業界についてさまざまなことをお伝えしてきました。それを踏まえてここからは、何をどのように伝えていくべきかという志望動機の構成を説明していきます。各フェーズごとに自分の伝えたいことをイメージしながら、一緒に志望動機を作ってみてくださいね。

ここでは、あくまでも「公教育」ではなく民間の就活でメインとなる「教育産業」をベースとして志望動機の作り方を解説していきます。

①なぜ教育業界か

まずはなぜ教育業界を志望するのかを伝えましょう。実際に塾や予備校、資格取得などで教育業界とかかわりがあった人も多く、教育は多くの人にとって馴染み深い業界であるといえるのではないでしょうか。これまでの経験から、感銘を受けたり興味を持ったことをきっかけとして業界を選んだ動機にしても良いでしょう

また、学校教育との比較をするのも手です。学校教育は多くの学生とかかわることができますが、求められている教育の範囲が決まっている以上、教えられることも学生と向き合う時間も限られます。そのため、教育産業だからこそできる教育がしたいと伝えるのでも良いですね。

②なぜその企業か

教育業界と一口に言ってもそこに属する企業は非常に多くあります。そのため、「教育業界であればどこでも良いのではないか」と思われないよう、その企業が良い理由もしっかり明確にしておきましょう。

教育産業は公教育の+αの教育であるため、企業の取り組みは比較的自由でしょう。そのため企業の価値観や特徴がわかりやすいといえます。それぞれの企業が何を重要視し、どのような考えを持っているかをきちんと把握したうえで、自分が共感するポイントを明確に伝えるようにしましょう

③自分がどう貢献できるか

志望動機ではその企業に対する熱意や意欲の高さのほかに、自分が入社して企業にどう貢献できるかを示すことも同様に大切です。教える相手の成長に貢献することに加えて、企業そのものの成長に貢献できることもしっかりと伝えましょう。ここでは、先ほどお伝えした「求められるスキル」を盛り込むと良いですね。

教育業界の志望動機の例文

では、この志望動機の構成を踏まえて例文をいくつか見ていきましょう。自分のやりたいことなどに注目しながら参考にしてみてくださいね。

例文①

例文

私は学校外での教育を通じて子どもに新たな気付きや学びを得たいと考え教育業界を志望しております。

小学生の頃、授業についていけないことから学校やクラスにうまく馴染めず、勉強に苦手意識を持っていました。見かねた親が塾に入れてくれたのですが、そこで出会った講師の方のおかげで、勉強はもちろん社会との向き合い方などさまざまなことを教えていただきました。私もこの講師のように子どもに対して学校では学べないようなことも教えられる講師になりたいと考えました。

御社はさまざまな箇所に教室を構えておりますが、それぞれで講師や生徒に合わせた教室になっており、教室の色が場所によってまったく違うところに魅力を感じております。御社に入社後は、学生時代にしていた児童会館でのボランティアの経験も活かしつつ、子どもに寄り添い塾だからこそできる指導で子どもと向き合っていきたいです。自分の指導と子どもの成長を、自分の価値として御社の成長にもつなげていけたらと思います。

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教育業界への志望動機が過去の経験に結びついておりわかりやすいですね。またその企業を選んだ理由、そして活かせそうな自分のスキルや経験についてもしっかりと述べられており、非常にまとまりが良い志望動機になっています。

例文②

例文

私は、生徒一人ひとりと親身にきちんと向き合いたいと考えたために教育業界を志望しております。もともとは教員を目指しておりましたが、「学校教育」は多くの生徒とかかわれるものの一人ひとりと向き合う時間が限られていると感じました。そのため、さまざまな面から、その生徒一人ひとりに合わせた向き合い方ができるのは公教育を外れた教育業界であると考えております。

その中でも御社の、個別指導が充実している点を魅力に感じております。生徒の理解度や悩みなどに合わせて、授業だけでなく面談や相談会などに柔軟に対応しており、私の目指す教育ができると感じたために志望いたしました。

学生時代はコールセンターでアルバイトをしており、相手の話を聞く力を鍛えてきました。生徒一人ひとりの悩みに寄り添った指導をして、生徒の成長につなげ、その結果として御社の利益や成長に貢献していきたいと考えております。

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公教育と教育産業の違いを自分の中でかみ砕き、そのうえで教育業界を選んでいることがよく伝わります。教育業界で成し遂げたいことが明確になっているので、入社後も仕事に熱心に励む様子が想像できますね。

例文③

例文

私は教育を通じて、さまざまな人の可能性を広げたいと考えております。

現在は副業が当たり前の時代になり、多くの人が資格やスキルを取得し自身の新たな価値を見出して、本業にプラスの仕事をする世の中になっています。その中で御社は社会人がスキルアップを目指すうえで人気のプログラミングに関する指導に力を入れている点に共感いたしました。

大学時代には私も御社が出版している教材を使用し、プログラミングについて学びました。また、ショッピングモールでのアルバイトを通じて、さまざまな人からの質問や問い合わせに対応してきたことから、話す聞く双方のコミュニケーション能力を培ってきたと感じております。この経験を活かし、御社においても一人ひとりの成長に貢献できるように努めてまいります。

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教育の中でも社会人向けの教育に視点を置いた例文です。時代の流れを汲み取った例文で、情報収集力があることも読み取れますね。今後に活かせそうな経験やスキルも取得しており、入社後の活躍に期待が持てます。

例文④

例文

私は今後グローバル化がさらに進むことを見据え、幼い頃から世界に順応できるような人材を育てたいと思い教育業界を志望しております。

語学力をつけるために多くの企業から英語の教材が出版されておりますが、御社は英語以外にもさまざまな外国語のテキストを豊富に取りそろえており、かつ中高生の学生にもわかりやすく、学生のうちからさまざまな言語の勉強に取り組めるところが魅力に感じております。早い頃から語学や外国の知識を取得しておくことが今後さらに進むであろうグローバル化において非常に重要なことであると感じております。私も御社の一員として、世界に通用する人材を多く育て上げたいです。

また、私自身学生時代はさまざまな国に旅行に行った経験があります。この経験を活かし、現在出版されている御社の教材に加えて、さらにさまざまな国の言語の教材の出版に携わりたいです。そして御社のさらなる成長に貢献したいと考えております。

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こちらも社会の流れを見据えた例文になっています。業界の志望理由からその企業を選んだ理由、自分の貢献の仕方までが一貫しており意志の強さを感じられます。

例文⑤

例文

私は中学校で塾に通っていた経験から教育業界で働きたいと考えておりました。学生時代には家庭教師のアルバイトをしており、生徒の指導や教材や資料作成などをすべてまかされておりました。そこで気付いたのは生徒への指導はもちろんですが使用する資料もかなり大切になるということです。自分の作成する資料によって、生徒への理解度はもちろん指導する側も指導のしやすさが大きく変わると感じております。

御社は家庭教師の分野において世間から高い評価を得ています。私も御社の一員として、その高い評価に貢献するべく、資料や教材の編纂の面から貢献できればと考えております。アルバイトで培った知識や経験を活かし、御社のためにもまた生徒のためにも貢献できればと思います。

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アルバイトでの気付きが仕事選びの動機につながっており説得力が感じられますね。その企業を選んだ理由についてもう少し詳しく伝えられるとより良い志望動機になりますよ。

例文⑥

例文

私は地域による教育レベルの格差をなくしたいと考え教育業界を志望いたしました。私が中学生の頃、近隣の学校と自分の学校とで教育レベルに差があることに愕然といたしました。この格差をなくすために、教育産業が役立つと考えております。

御社は地域に密着した塾として、教室ごとにその地域の授業レベルに合わせたまったく違う授業が展開されている点に興味を持ちました。ただ授業レベルは違うながらも、目指すべきゴールはどの教室でも同じに設定されており、塾内で見ると地域ごとの教育レベルに格差はなく生徒皆が同等の学力を持ち合わせていることに感銘を受けました。

私も御社の一員として、私の目指す社会と生徒の成長のために責任を持って仕事に励みたいと考えております。学生時代はアルバイトリーダーとして、新人アルバイトの教育を任されておりました。これは教育業界に通ずるものがあると考えておりますので、この経験を学生への指導に活かせればと思います。

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キャリアアドバイザー

教育産業の役割をしっかりと理解できているのが伝わりますね。熱意や将来かなえたいことについて非常にわかりやすいので、加えて自分がどう貢献できるかをもう少し具体的に示せるとさらに強いアピールになりますよ。

教育業界を目指す学生のよくある疑問

教育業界の志望動機を作る際に資格について触れたい学生や、ライバルたちとの現時点での差が気になる学生もいますよね。教育業界を目指す学生によくある疑問にお答えします。

よくある疑問①教員免許はアピールできる?

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就活生①

もともとは教師を目指していて、教師免許を持っているのですがこれはアピールできますか?

そもそも教員免許は「学校の教員になるための」免許であり、教育業界においては必須の資格ではありません。塾などの講師であっても特に必要はない場合が多いです。

しかし、企業によっては運営の方針などにより教員免許が募集要項に含まれている場合や、教員免許が選考においてプラスになる場合もあります。さらに、教員免許を取得しているということは、児童や生徒の成長や各教科の指導方法など、教育にかかわるスキルやノウハウを持っていることの証明であるともいえます

持っていて損はない資格ですので、教員免許を取得している場合はぜひ積極的にアピールしていきましょう。

よくある疑問②教育学部出身じゃないんだけど問題ない?

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就活生

僕は教育学部出身じゃないんですけど大丈夫でしょうか……。

まず教育業界に従事する=教育学部出身でなければならない、というわけではありません。先ほどもお伝えした通り、教育業界に対して教員免許が求められていない以上、教育にかかわる学びだけが教育業界で活きるというわけではないことが想像できるのではないでしょうか

また、教育のIT化が進む現在で情報系の学生の知識やスキルは今後求められるものでしょう。語学系の学部で学んできた人は、その語学に関する知識は教育学部の学生よりも強みとしてアピールできますね。また直接指導に当たらない編集や事務などの職種を志望するというのも手です。

自分の学びが教育業界のどこでどのように活かせるかを考えてみると、教育学部でないことは意外とネックにはならないのではないでしょうか。

塩田 健斗

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そもそも教育業界の志望者に教育学部の学生は少ない

教育業界を志望する学生のなかには教育学部出身の学生もいますが、決して多いわけではありません。むしろ、人数の割合でいうと教育学部以外の学生の方が多いでしょう。また、教育学部出身であることを必須条件とする企業はほぼありません。教育産業では、教育に関する知識が豊富であることよりも、ビジネスとして企業利益を追求できることや、講師であれば「伝える力」「傾聴力」「責任感」といったスキルを潜在的に備えていることが重要視されます。

重要なのは学部よりも業界で活かせる力が備わっているかどうか

このように、教育学部出身であることよりも、教育業界で活躍できる力が備わっていることが重要です。そのため、自分に適性があることをアピールできれば、教育学部出身でなくても問題ありません。ただ「教育学部出身でないのになぜ教育産業に携わりたいのか」といった志望動機をしっかりと準備する必要があるでしょう。志望動機がうまく伝えられないと、軸がなく適当に受けていると思われてしまいます。

教育産業で活躍できるスキルがあり、かつ明確にやりたいことがあると企業にアピールできれば採用される可能性は十分にあるでしょう。そのため、選考では事前準備に力を注いでくださいね。

顧客だけでなくその企業の成長も考えた志望動機を作ろう

教育業界では、顧客の成長に貢献するだけではなく企業成長も見据えた志望動機を作ることが大切です。また、ただ「教育に貢献したい」というだけでは、教員ではなく教育業界を選ぶ理由としても少し物足りないと感じられるかもしれません。公教育ではなく教育産業だからこその理由を見つけアピールすることも同様に重要です。

さまざまな面で視野を広げ、さまざまな角度から自分の考えを伝えることで「教育業界が良い」という理由を強くアピールしていきましょう。

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