広告代理店で「好きな広告」を聞かれたときの正解例を紹介|質問の目的も解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 「好きな広告」は広告代理店志望なら対策必須の頻出質問
  2. まずは「好きな広告」が問われる理由を理解しよう
  3. 就活生の本気度を知りたい
  4. 着眼点や発想力を知りたい
  5. 論理的思考力を知りたい
  6. これってどうなの? 「好きな広告」を選ぶ際の3つの疑問
  7. ①深いメッセージ性がないとだめ?
  8. ②古いものでもいいの?
  9. ③CMじゃないとだめなの?
  10. 面接で差をつける! 「好きな広告」を答える際の4つのコツ
  11. ①志望する企業が制作した広告を選ぶ
  12. ②制作者側の意図に即した理由を述べる
  13. ③志望動機や自己PRと一貫性のある広告を選ぶ
  14. ④自分のエピソードと絡めて差別化する
  15. 「好きな広告」に答えるときの注意点
  16. 制作した企業を知らないまま話す
  17. 一視聴者としての好みの話に終始する
  18. 今からでも遅くない! 「好きな広告」の質問への対策方法
  19. 広告の紹介サイトを見る
  20. 放映中や注目の広告について自分の考えをまとめてみる
  21. 周りの人にヒアリングしてみる
  22. 「嫌いな広告は?」と聞かれたときの回答方法
  23. 「自分ならこうしたい」と思えるものを選ぶ
  24. 特定の広告の批判に留まるのは危険
  25. 「好きな広告」回答例文
  26. GU(ジーユー)「ファッションは自由だ。」篇【電通】
  27. カップヌードルCM「イカよけダンス 篇」【電通】
  28. 住友生命CM「1UP」シリーズ【博報堂】
  29. 「好きな広告」NG例文
  30. au 5G「つながる歌」篇【電通】
  31. 好きな広告についての答え方に悩む学生からよくある質問に回答!
  32. 自分らしい「好きな広告」でアピールにつなげよう

「好きな広告」は広告代理店志望なら対策必須の頻出質問

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。広告代理店の面接では、

「好きな広告は何ですか?」
「印象に残っている広告を教えてください」

という質問をよくされます。広告代理店志望の学生であれば、この質問への回答内容が合否を左右するといっても過言ではないほど重要な質問といえるでしょう。

この記事では広告業界ならではの面接対策として、「好きな広告」を聞かれた時の回答方法や、広告の選び方、回答時のポイントについて詳しく解説していきます。広告代理店志望の学生は、必ず目を通しておいてくださいね。

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まずは「好きな広告」が問われる理由を理解しよう

「好きな広告」が問われる理由

そもそも広告業界ではなぜ面接時に「好きな広告は?」という質問をするのでしょうか。企業側がこの質問をする理由を正しく理解しておくことで、より入念な面接対策を練ることができるでしょう。

まずは広告代理店の面接で「好きな広告」が問われる、3つの代表的な理由について解説していきます。

就活生の本気度を知りたい

広告業界は例年学生達の間で人気の業界ではありますが、中には「広告代理店の志望度はあまり高くないけれど、念のため選考を受けている」という学生もいるでしょう。

そのような学生の場合、「好きな広告は?」という質問をされても、採用担当者が納得のいく回答を用意できていないというケースがよく見られます。

本気で広告代理店を志望している学生であれば、好きな広告について自分なりの考えを持っているはずです。また、これから広告を制作する側に立ちたいと思い、就活の場に臨んでいるなら、誰がどんな意図を持って作ったものなのか事前調査をして当然といえるでしょう

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キャリアアドバイザー

広告というものへの想いやリスペクトをどれだけ持っているかを測る質問でもありますね。

着眼点や発想力を知りたい

広告代理店の多くは、ユニークな着眼点や柔軟な発想力を持った学生を求めています。このような能力を持った学生は、入社後も他にはないアイデアで高品質な広告を提案できる可能性が高いため、企業側も重宝するのです

誰もが思いつくような意見や、誰かの受け売りの意見では、面接官に「おもしろい」と思ってもらえない可能性が高くなります。なぜその広告を好きだと思ったのか、どこが良かったのかなど具体的に伝えられるようにしましょう。

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キャリアアドバイザー

ユニークさが大切とはいえ、本当は好きではない広告を、面接でのインパクトだけの理由で選んでしまうと説得力がなくなります。本心で思うことだけを伝えるようにしましょう。

面接で嘘をつくことのデメリットはこちらの記事で解説しています。

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論理的思考力を知りたい

面接で「好きな広告」を聞かれた際、なぜその広告が好きなのか、自身の考えを面接官にわかりやすく伝える必要があります。企業によっては、学生の回答に対してさらに「なぜ?」と内容を深堀していくケースもあるでしょう。

これは学生が自分の意見をロジカルに説明できるか、面接官が学生の論理的思考力を試すためのものです。

今お伝えしたように、広告業界では学生のユニークさが重宝されます。しかし、ただおもしろいだけでは、人や社会を動かす広告は作れません

「どのターゲットに当てた広告か」「どんなニーズに注目して打った広告か」など、自身の考えやアイデアを深堀りし、論理的に相手に伝えられる力がなければ、良い広告を作ることは難しいと判断されるでしょう。

分析力を自己アピールするときの例文はこちらの記事で紹介しています。

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キャリアアドバイザー

この理由では、どの広告を選ぶかよりも、いかに論理的に整理して相手に伝えられるかということに重点をおいて評価されます。

津田 祥矢

キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる

単におもしろいだけでは広告の目的を果たすことができていない

広告の目的は、広告を通じて顧客に企業の商品やサービスを認知してもらい、興味を持ってもらい最終的には購入してもらうことです。この顧客の心理を表した「AISAS」や「AIDMA」というマーケティング用語がありますが、顧客はこの一連の流れをほとんど無意識のうちにおこなっています。

広告業界に求められていることは、この顧客の無意識な潜在的ニーズをいち早く捉えて言語化していくことです。その結果、顧客は「わかるわかる!」と共感をして商品を手に取っていきます。

広告業界では独創的な思考ができる人材も必要ですが、世の中のニーズを年齢や性別、ライフスタイルなどで区分しておおよその価値観に目星をつけられる想像力、調査力、そして言語化能力も必要です。好きな広告を語る際にこれらの観点を持ち得ているかどうかも評価の対象となります。

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これってどうなの? 「好きな広告」を選ぶ際の3つの疑問

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就活生

「好きな広告」って、なんだか漠然としていて……。疑問ばかりが出てくるのですが……。

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キャリアアドバイザー

具体的な選び方のコツに入る前に、就活生が抱きやすいよくある疑問を見ていきましょう。

広告が好きで、広告業界を目指す学生なら、好きな広告が多すぎて絞れないという人もいるかもしれません。

そこで「好きな広告」を選ぶ際によく質問に上がる3つの疑問について、それぞれ回答していきます。

①深いメッセージ性がないとだめ?

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就活生

好きな広告を選ぶ際は、深いメッセージ性があるものを選ばないと選考を通過しにくいのでは?

と不安に思う学生もいるようですが、決してそんなことはありません。

もちろん世に出ている広告の多くは、何かしらのメッセージ性を含んでいるものがほとんどです。とはいえ、中にはインパクト勝負やおもしろさ重視のCMがあるのも事実でしょう。

そのような広告を「好きな広告」に選んだからといって、企業側があなたと不採用にするということはありません。一番大切なのは、なぜあなたがその広告を好きなのか、ということです

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キャリアアドバイザー

一般的にあまりメッセージ性がないと思われている広告を「好きな広告」に選んだとしても、あなたならではの着眼点や発想力をアピールできれば、選考時に不利益になることはありません。

②古いものでもいいの?

これまでにも伝えてきたように、面接官に「好きな広告」を聞かれた際は、その広告が好きな理由をいかに具体的に伝えられるかがポイントです。そのため、自分が好きな広告が古いものであったとしても、面接官を納得させられる理由があれば特に問題ないでしょう。

しかし、広告業界では、業界の現状や社会のトレンドなど、最先端の情報をいかに把握できるかという点も欠かせない能力のひとつです。実際に最新の広告をいくつか見てみると、その大半が時代性をさりげなく反映しています。

「最近の広告に疎いだけで、何となく古い広告が記憶に残っている」という程度の場合は、新しい広告を「好きな広告」に選んだ方が、自身の情報把握能力などを面接官にアピールしやすいかもしれません。

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キャリアアドバイザー

「広告業界を目指すきっかけになった」など、自分にとって非常に重要な意味を持つ広告であれば、古いものでも大丈夫です。

③CMじゃないとだめなの?

「広告=テレビCM」というイメージが強い学生も多いかもしれませんが、一口に広告といっても、広告には様々な種類があります。新聞や雑誌、駅構内や電車のつり革広告、インターネット上で流れる広告もすべて「広告」です

確かにテレビCMが一番わかりやすくインパクトがあると思いますが、自分が一番好きな広告がCM以外の広告の場合は、面接時にCM以外の広告を「好きな広告」として答えても問題ないでしょう。

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キャリアアドバイザー

もちろん、インターネット広告を専門に手がけている企業の面接では、積極的にテレビCMではなくインターネット広告を選ぶようにしましょう。

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面接で差をつける! 「好きな広告」を答える際の4つのコツ

「好きな広告」を答える4つのコツ

「好きな広告」を答える際は、これから挙げる4つのポイントを押さえておくことが大切です。面接時に他の学生と差をつけるためにも、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

①志望する企業が制作した広告を選ぶ

「好きな広告」を答える際は、志望企業が制作した広告を選ぶようにしましょう。

A社を志望しているにもかかわらず、「B社が制作した広告が好き」と答えてしまったら、面接官はどう思うでしょうか?

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面接官

うちではなくB社が第一志望なのでは?

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面接官

その広告が好きなら、B社を受ければいいのに……。

と思われても仕方ないですよね。

そのような事態を避けるためにも、広告代理店を志望している学生は常に広告へのアンテナを高く張り、「好きな広告」の回答を企業ごとに用意しておくことが大切です

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キャリアアドバイザー

普段から広告を制作会社とともにチェックしておくことで、その会社への広告制作への取り組み方が見えてくるため、志望動機を作る際にも役立ちます。

②制作者側の意図に即した理由を述べる

広告の裏側には、必ず制作者側の何かしらの想いや意図が隠れています。面接で「好きな広告」を答える場合は、その広告が好きな理由を制作者側の意図と絡ませながら回答することが重要です。

そうすることで、「この学生は広告を正しく読み取る力がある」と、面接官に好印象を感じてもらうことができるでしょう

専門誌やWeb上でリサーチすればその広告が作られた背景などが分かる場合もありますが、自身の発想力や想像力を養うためにも、できれば最初は「なぜこの広告が作られたのか?」と自分なりに考えてみるのがおすすめです。

③志望動機や自己PRと一貫性のある広告を選ぶ

自身の志望動機や自己PRと一貫性のある広告を「好きな広告」として選ぶと、あなたの人柄が伝わりやすくなり、面接官の印象に残りやすくなるでしょう。

たとえば、あなたが東北出身で

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就活生

広告を通して東北の良さを全国に伝えたい!

という理由から広告代理店を志望しているとします。

志望動機としてその話をするのであれば、ダンスが印象的な全国展開の食品のCMより、東北への旅行を促す広告や地方の良さをアピールする広告を「好きな広告」として選ぶと、あなたという人間性に一貫性が感じられ、志望動機の説得力が増すでしょう

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キャリアアドバイザー

面接の限られた時間では、自分のさまざまな側面を売り込むより、アピールする方向性を絞り、一貫性のある内容で強くわかりやすい印象を残すと効果的です。

④自分のエピソードと絡めて差別化する

話題になったCMであれば、「好きなCM」として同じ作品を回答している就活生も多いでしょう。重要なのは、なぜその広告が好きなのかという理由を、自分ならではのエピソードと絡めることで差別化することです。

例文

学生時代はサッカーを頑張ってきましたが、怪我をしたことで諦めていました。それもしかたないと考え、特に目標のない日々を送っていたある日、アスリートを応援する〇〇のCMを見て、胸が熱くなりました。いかに自分の気持ちに蓋をして生きていたかに気づき、これからは頑張る人を全力で応援する側に回りたいと強く思うようになりました。

自分のオリジナルのエピソードと絡めて「好きな広告」を選んでみると、その広告が好きな理由を一層面接官に伝えやすくなります

エピソードが具体的であるほど差別化につながるため、「好きな広告」と絡められそうなエピソードがないか、今一度振り返ってみるといいでしょう。

吉川 智也

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「好き」の背景にある理由こそがその人の人柄となる!

好きな広告を話す際に自分の実体験を話すのは非常におすすめです。何度もお伝えしているように、広告は顧客に共感をされなければ時には批判の対象にもなってしまいますし、商品の売上貢献にはつなげられません。

たとえば今お伝えした例のように「がんばる人を応援したい」という価値観とその理由を話せば、企業からは「学校や受験を応援する広告に向いていそうだ」など、その学生の配属を検討する材料を得ることができるでしょう。

何かが好きであることに理由は必要ない、という考えも立派ですが、広告業界を受ける際にはその「好き」の理由を自己分析することで自分をPRできるようにしてください。

面接本番まで時間がない人は、頻出質問の模範解答だけでも必ず押さえておこう

面接で聞かれる質問に答えられるか不安ですよね。ただ、何を質問されるか分からず対策しようにも出来ない人は多いはず。

そこで、活用したいのが無料の「面接回答集」です。この資料があれば、伊藤忠商事や森永製菓、トヨタ自動車などの人気企業の面接でも実際に聞かれたような質問とその答え方が一目でわかります

どんな質問が来ても確実に回答できるようになれば、面接はもう怖くありません。今すぐ活用し、面接を突破するのに役立てましょう!

「好きな広告」に答えるときの注意点

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就活生

「好きな広告」を答えるときのコツを知ったことで、自信がついてきました!

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キャリアアドバイザー

それはよかったです! 注意点も押さえておくと、より完璧になりますよ。

面接で「好きな広告」に答えるときは、これから挙げる2つの注意点に気をつけて下さい。それぞれについて、具体的に解説していきます。

制作した企業を知らないまま話す

いくら自分が好きだと思っても、その広告をどこの企業が制作したのかを知らないまま話すと、企業への志望度が疑われてしまいます。これまでにもお伝えしてきたように、企業側が学生に「好きな広告」を聞くのは、学生の本気度を図るという意図も含まれています

広告の制作会社は、専門誌やネットでリサーチすればよっぽどのことがない限り事前に調べられるはずです。採用担当者に「志望度が低い」と思われないよう、事前調査は怠らないようにしましょう。

一視聴者としての好みの話に終始する

企業は視聴者の意見を知りたいのではなく、制作側の人間としてどのように会社に貢献できる人材なのかを見極めようとしています

それなのに、あなたが「好きな広告」に対して、いちファンとしての話だけをしてしまったら、面接で自身の強みや良さをアピールすることは難しいでしょう。

×出演している俳優が好き
×BGMがとても素敵だった

〇この広告のキャッチコピーは社会に〇〇な影響を与えている点がすばらしいと思った
〇時代背景を的確に捉えたストーリー性のある演出に惹かれた

今からでも遅くない! 「好きな広告」の質問への対策方法

「好きな広告」の質問への対策方法

ここまで読んで、「まだどの広告を選ぶか決まっていない。自分は広告代理店の面接準備が全然できていなかったかもしれない」と落ち込んでいる学生もいるかもしれません。

でも、「好きな広告」の質問への対策は、今から始めても決して遅くはありません。これから紹介する3つの方法を試して、ぜひ広告代理店の面接に備えて下さいね。

広告の紹介サイトを見る

広告のリサーチに役立つサイト

「Adver times」や「web電通報」など、広告の紹介サイトを見ることも「好きな広告」の質問への対策としては有効です。このような広告の紹介サイトを見ることで、今注目されている広告はどの企業が手がけたのか、広告制作の裏側には制作者側のどんな想いが隠されているかなど、一つの広告に対して深い知識を得ることができます

広告の紹介サイトでは広告業界への知見を深めるためのオンラインイベントやライブ配信講座などを視聴することも可能です。「好きな広告」の質問への対策に限らず、広告代理店の面接への幅広い対策ができるので、ぜひこまめにチェックしてみて下さい。

放映中や注目の広告について自分の考えをまとめてみる

広告代理店の採用担当者は、学生がどんな広告を知っているかではなく、なぜその広告が好きなのかという点を重視しています。

そのため、先に紹介したような広告の紹介サイトを見て業界全体を勉強することも大切ですが、まずは「自分がその広告を見てどのように思ったのか」という、広告に対する自身の考えをまとめるトレーニングをしてみましょう。

その広告が良いと思った理由、その広告が伝えたいであろうことを、自由に書き出してみて下さい。「自分がなぜその広告を好きなのか」を端的に面接官に伝えられるよう、日頃から自身の意見をまとめる癖をつけることが重要です。

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キャリアアドバイザー

メモに残すなどして、内容をブラッシュアップしていけると良いでしょう。

周りの人にヒアリングしてみる

友人や家族など周りの人がどんな広告を好きなのかヒアリングしてみると、「この人だからこの広告が好きなんだな」など、説得力のある回答が得られる可能性があります。これは自分の回答を作るうえで参考になるかもしれません。

聞いた後は自分の「好きな広告」の質問に対する回答を話し、相手がどう思うか意見を聞いてみましょう。

「好きな広告」への意見をある程度まとめられたら、OB・OG訪問などを通して実際に広告代理店で働く社員の方に練習として自身の考えを伝えてみて下さい。最初は緊張するかもしれませんが、これを繰り返して周りの人からの意見をヒアリングしていくことで、「好きな広告」の質問に対する回答の質がぐっと上がるはずです。

OB・OG訪問のやり方や質問などはこちらの記事でまとめています。

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清水 沙也香

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周囲の意見に耳を傾ける柔軟性を大切にしよう

周りに意見を聞くことは働き始めても非常に大切なスキルになります。どんな業界で働いていてもそうですが、仕事に慣れてくるとどうしてもその業界の常識で物事を考えるようになってしまいます。

たとえば化粧品業界で働く人はメイク情報に詳しいですが、その知識を基準にして友達と話したら全然話が通じなかった、コンサル業界で働く人が専門用語を使い会話をしたら話が難しすぎるといわれた、などは働き始めると経験することでしょう。

広告業界で働き始めると、どうしてもその目線で物事を捉えてしまうようになりますが、広告を見るのはまったく異なる業界で働く人、時にはまだ働いたことがない学生や年齢も国籍も性別も異なる人です。自分たちがいくら正しいと思っていても、広告の良し悪しは顧客の判断によって決まります。井の中の蛙にならずに常に外部の情報を入手するためにも周りの意見を素直に聞く大切さを心得ておきましょう。

「嫌いな広告は?」と聞かれたときの回答方法

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面接官

なるほど、好きな広告についてはわかりました。ちなみに、嫌いな広告は何ですか?

広告代理店の面接では、「好きな広告」の他にも「嫌いな広告は?」という質問をされることがよくあります。「好きな広告」の対策だけをしていると、「嫌いな広告」を聞かれたときに慌ててしまうかもしれません。

嫌いな広告を聞かれたときも、ただ一視聴者としての意見を聞かれているわけではないことを押さえておく必要があります。

「自分ならこうしたい」と思えるものを選ぶ

「嫌いな広告」について回答する際は、「自分ならこの広告をもっとこうしたい」という考えを面接官に伝えることがポイントです。

・この広告は△△な点が良かったけれど、この部分をもっと◯◯するとさらによかったのではないかと思います。それは自分がこの状況に近い体験をし、このように考えたからです。
・△△という制作意図を感じたけれど、自分なら◯◯という伝え方をすると思います。そのほうがもっと幅広い人の心に届くと考えるからです。

「この広告はもっとこうしたら良くなるのに」という、自分なりの考えを述べることで、自身の広告への着眼点や発想力を面接官にアピールすることができます

特定の広告の批判に留まるのは危険

「嫌いな広告」を聞かれたからといって、なんとなく気に入らなかった広告を自由に批判しても良いというわけではありません

もしその広告制作に目の前の面接官が携わっていた場合、あなたの面接時の印象は決して良いものにはなりませんよね。また、そのCMが実際に採用されたことには何かしら理由があったはずです。

自分の思いだけで一方的に批判を繰り広げると、入社後のチームワークを不安視される可能性もあります。

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キャリアアドバイザー

「嫌いな広告」の質問に対して、特定の広告批判をするのはリスクが高いということを覚えておきましょう。

「好きな広告」回答例文

それでは、面接で「好きな広告」を聞かれた際の具体的な回答例文について紹介します。3つの例文を用意したので、ぜひ参考にして自身の面接対策に活かして下さいね。

GU(ジーユー)「ファッションは自由だ。」篇【電通】

例文

私は国際女性デーである3月8日に限定的に放送された、GUの「ファッションは自由だ。」という広告に惹かれました。

私は女性ですが、中学の頃からスカートを履くことが嫌で、ズボンばかり履いていました。それを友だちに「変」だと言われて、とても傷ついたことがありました。

多様性を認めることが当たり前になってきた今の社会でも、SNSを通じて指先一本で人を傷つけようとする、あるいは無意識に傷つけてしまう人は後を断ちません。そんな中で、キャラクターの異なる8名の女性達がネガティブな発言をポジティブに捉え、それぞれバリエーション豊かなGUのワンピースを身にまとって前進していく姿がとても印象的でした。

ファッションCMという枠を超えて、多様性や女性の自由といった課題に対し、生活者に寄り添う視点で嫌味なく爽やかに描いている点が素敵だなと思いました。そうしたことを考えたことがない人にも、強くシンプルに訴えかけるCMだと感じました。

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「多様性」や「女性の社会進出」など、現代社会の課題を認識しつつ、それをどう描いていくかという制作者側の視点も考えられた回答です。

カップヌードルCM「イカよけダンス 篇」【電通】

例文

私はイカをよけながら踊る人物を描いた、日清食品のカップヌードルのアニメーションCMがとてもおもしろいと思いました。

カップヌードルはある程度の年齢になれば誰もが知っている有名な即席麺です。そのため、このCMでは既にカップヌードルを認知している世代ではなく、次世代ユーザーである若年層をターゲットにして、キャッチーな音楽とクセになるアニメーションで若者の心を掴む演出を非常に上手く行っている点に魅力を感じました。

キャッチーでクセになる、それはまさにカップヌードルの魅力の一つです。母親の美味しい料理が食べられる実家生活でも、大学で一人暮らしを始めてからも、ときどきどうしても食べなくなるカップヌードルの魅力を表してくれていると感じて、見ていて思わず笑顔になりました。「夏はシーフード」というメッセージも、とてもダイレクトに伝わります。

YouTubeやTikTokなどで短編動画を視聴することに慣れている若者だからこそ刺さるであろう、時代の流れや若年層のトレンドを的確に捉えたすばらしい広告だと思います。

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こちらのCMは決して社会的な深いメッセージ性がある広告というわけではありません。しかし、この例文のように「広告のターゲットは誰か」「なぜ魅力的なのか」というポイントに焦点を当てて意見を述べることで、面接官も納得できる中身のある回答を述べることができます。

住友生命CM「1UP」シリーズ【博報堂】

例文

私は「住友生命保険の「1UP」のCMがとても好きです。

瑛太さんが演じる不器用な「上田一」が、地味でありながらも小さな成長を遂げていく姿を見せることで、「1UP」というのは日常の中で誰にでも実現できることで、まずは小さな成功を繰り返すことが大切なんだ、ということを多くの人に伝えることができていると思います。

このCMを見ていた頃、私も日常生活の中でうまくいくことがあるとよく「よし、1UP」と心の中で考えていました。テスト勉強でつらいときも、ゲーム感覚でそう考えることで支えられたのです。

そして広告代理店への就職を志したとき、CMが人の中であんなにも大きな存在となり得ることに、自分のことながら感動しました。

生命保険会社のCMと聞くと、つい「死」にまつわる何かを連想してしまいがちですが、このCMではポジティブな印象しか感じられないのも面白い点です。かつ「1UPが保険である」ことをさりげなく視聴者に刷り込ませていて、広告っぽさのない親近感のある内容がとても良いと思いました。

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キャリアアドバイザー

決して華やかなわけではないドキュメンタリー調のCMに対して、自分なりの意見を上手にまとめている例文です。また、生命保険会社の広告全体に対する自分なりの見解も述べており、着眼点を面接官にアピールすることもできそうですね。

「好きな広告」NG例文

最後に、「好きな広告」のNG回答例についても紹介します。このような回答をすることがないよう、実際の面接では十分に気をつけて下さいね。

au 5G「つながる歌」篇【電通】

例文

私はauの広告である「三太郎」シリーズのCMが大好きです。

何と言っても、松田翔太さん、桐谷健太さん、濱田岳さんなど、私自身も昔からファンである人気俳優扮するキャラクターが最高です。3人の掛け合いがいつも面白く、ゲストキャラとして出てくる俳優さんや女優さんも有名な方ばかりで、いつも新シリーズがテレビで流れるたびにワクワクしています。

BGMも流行りの曲を上手に使っていて、若者が見ていて飽きない工夫がされていると思います。

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キャリアアドバイザー

この例文の一番の問題点は、「いちファンとしての意見」しか述べていない点です。先にも伝えたように、面接で「好きな広告」を聞かれた場合は、視聴者としての意見ではなく、制作者側の視点を想像しながら自分の考えを述べることが何よりも大切です。

好きな広告についての答え方に悩む学生からよくある質問に回答!

面接で好きな広告を質問される意図を知りたい学生や回答する際のコツを知りたい学生もいるでしょう。そういった学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。

  • 面接で好きな広告が問われるのはなぜですか?

    広告代理店や広告制作会社ではよく好きな広告について質問されますが、質問を通じて応募者がどれだけ広告に対して関心があるのかを知ることで業界への意欲を知りたいという意図があります。

    回答する際はただ好きな広告を延べるのではなく、その広告について自身の考えを述べることで、センスや感性もアピールできるでしょう。日ごろから広告に関心を持ってアンテナを張りめぐらせることをおすすめします。

  • 好きな広告を回答する際のコツを教えてください。

    好きな広告を回答する際は、志望する企業が制作した広告を選ぶようにしましょう。ライバル社の広告を選んでしまうと志望度が低く見えてしまう可能性があるので注意してくださいね。また、自分自身のエピソードと絡めて伝えると説得力が増すのでおすすめですよ。

    たとえば、広告を目にして励まされたことや、癒された、広告をきっかけに商品を購入したことなど話せるといいですね。

自分らしい「好きな広告」でアピールにつなげよう

学生人気の高い広告代理店の面接において、「好きな広告」は頻出であるだけでなく、答え方によっては合否を左右してしまう重要な質問です。

広告代理店志望者であれば「好きな広告」くらいある、と思う人もいるかもしれませんが、大切なのは、なぜ好きで、どのようなところが魅力なのか、制作者の視点を取り入れながら論理的に答える必要があることです。

今回紹介した内容を参考にしながら、自分らしい「好きな広告」で企業にアピールできるよう、ぜひじっくりと対策をしてみて下さいね。

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