【5ステップで完成】人生で一番辛かったことの回答を例文付きで解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 人生で一番辛かったことは回答のステップを理解して述べよう!
  2. 面接で人生で一番辛かったことを聞く企業の意図を把握しよう
  3. ①どのようなときに辛いと感じるか知るため
  4. ②ストレス耐性を測るため
  5. ③辛いことをどう乗り越えるのか知るため
  6. ④辛いことから何を学んだかを知るため
  7. 5ステップで完成! 人生で一番辛かったことの回答方法を理解しよう
  8. ステップ①辛かったことの概要を簡潔に述べる
  9. ステップ②何が辛いのかを定量化する
  10. ステップ③辛かったことを乗り越えるための工夫を伝える
  11. ステップ④取り組んだ結果を伝える
  12. ステップ⑤経験から学んだことを今後どう活かすかを述べる
  13. 周りに差をつけよう! 人生で一番辛かったことを回答する際の3つのコツ
  14. ①挑戦した事例から辛かった経験を述べる
  15. ②定量的に伝えることで初見の人でもイメージできるようにする
  16. ③現在進行形のものではなく乗り越えた経験を話す
  17. 人生で一番辛かったことを回答する際の4つの注意点を把握しておこう
  18. ①単なる苦労話とならないようにする
  19. ②克服が困難なことは話題にしない
  20. ③仕事で活かせる経験を選ぶ
  21. ④辛さのレベルにも注意する
  22. エピソードがない学生必見! 人生で一番辛かったことの回答の見つけ方
  23. ①自己分析をおこなう
  24. ②困難を乗り越えた経験を探す
  25. ③挫折経験を振り返る
  26. 人生で一番辛かったことのOK回答例を参考にしよう
  27. ①部活動
  28. ②受験勉強
  29. ③アルバイト
  30. ④兄弟・姉妹との比較
  31. ⑤趣味・習い事
  32. こんな回答は避けよう!人生で一番辛かったことを回答する際のNG例
  33. ①身内の不幸話
  34. ②嘘のエピソード
  35. ③辛くてやめてしまった話
  36. 人生で一番辛かったことの回答のコツを把握して面接を突破しよう

人生で一番辛かったことは回答のステップを理解して述べよう!

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、

「面接で、人生で一番辛かったことを聞かれましたが、うまく回答できませんでした。」
「面接官は、辛かったことを質問して何が知りたいのでしょうか? 」

といった相談を受けます。どんな人でも人生で辛い思いをした経験はあるでしょうが、突然「一番辛かったことは? 」と聞かれるとすぐには思いつかず、言葉に詰まってしまいますよね。

適切に回答するためには、事前縦鼻が重要です。1つずつ段階を踏みながら考えていくことで、面接官の質問意図に沿ってスムーズに回答をしていくことができるようになります。

本記事では、人生で一番辛かったことを質問された際の回答方法や注意点などを説明するとともに、実際の回答例もお伝えしていきます。記事を読んで回答のコツをつかみ、面接で質問されても自信を持って答えていけるようにしましょう。

面接で人生で一番辛かったことを聞く企業の意図を把握しよう

面接で人生で一番辛かったことを聞く企業の意図
  1. どのようなときに辛いと感じるか知るため
  2. ストレス耐性を測るため
  3. 辛いことをどう乗り越えるのか知るため
  4. 辛いことから何を学んだかを知るため
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就活生

人生で一番辛かったことを話すのは、なんだか気が重いです。なぜ面接官はそのようなことを知りたいのでしょうか?

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キャリア
アドバイザー

面接官は、ただ辛かったことを知りたくて質問しているわけではありません。この質問を通して、学生の性格や考え方を知り、自社への適性があるかを判断しています。

人生の中で、辛かったこと、苦労したことなどの経験は、その人の生き方や価値観に大きく影響を及ぼしている可能性が高いため、面接でもよく聞かれる質問の1つです。

ただ、質問意図を理解せず、頭の中で浮かんだ経験をそのまま話してしまうと、面接官が知りたいこととずれてしまうこともあるため、回答の仕方には注意が必要です。

ここでお伝えする質問意図を理解し、回答の方向性を正しく定めていきましょう。

①どのようなときに辛いと感じるか知るため

「辛い」と感じる基準は、人によって異なります。たとえば、「部活動で部員同士のライバル意識が強すぎて雰囲気が悪いことが辛かった」と感じる人もいれば、「部員が友達感覚で馴れ合いになっており、本気で練習したい自分との温度差を感じて辛かった」という人もいます。

面接官は、その人が辛いと感じることを知ることで、性格や価値観を浮き彫りにし、企業がもとめる人物像にマッチしているかを判断しています

そうした価値観は、そのまま仕事への取り組み方にも影響してきますので、この質問によってどういった職種が向いているのかを判断し、入社後の配属の参考にしていることもありますよ。

②ストレス耐性を測るため

ストレス耐性が低い人は、仕事でも小さなミスでひどく落ち込み、立ち直ることができなかったり、ストレスをため込んで結果的に短期間で退職してしまう可能性もあります。ストレス耐性の有無は合否を決めるうえで重要なポイントとなるといるでしょう。

「辛い」と感じる基準は人によって異なりますが、そのレベル感も人それぞれです。ある人にとって耐えられないくらい辛いと感じたことでも、ある人にとっては些細なことに感じ、まったく気にならない、という場合もあります。

面接官は、学生の話す「辛さ」がどの程度なのかを知り、ストレスにうまく対応できる精神的なタフさなども確認したいと考えています

ストレス耐性をチェックされている質問例はこちらを参考にしてみてください。

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③辛いことをどう乗り越えるのか知るため

仕事をしていれば、失敗をしたり、困難な課題に直面したり、ときには理不尽な思いをすることもあります。そういった辛い出来事に遭遇したときに、途中で逃げ出さずに立ち向かい、乗り越えていけるメンタルの強さがあるかをこの質問から判断しています。

そのため、回答するときは、他の人が解決してくれたことではなく、自分で考え、主体的に行動して乗り越えていったエピソードを選ぶようにしましょう。

うまく話を伝えることができれば、忍耐力や問題解決能力のアピールにもなり、仕事でも同様にスキルを発揮してくれるイメージが湧くので好印象となります

④辛いことから何を学んだかを知るため

誰であっても失敗をすることはあります。そのときに、失敗から学び、自分の経験にして成長していく向上心がある人は、仕事でも成長スピードが早く、活躍していく可能性が高いといえます。

採用担当は質問を通して、辛いことをただ受け流すのではなく、その出来事にしっかりと向き合い、学び、自分の糧として活かしていこうとする姿勢があるかを見ているのです。

したがって、回答する際は、過去の辛い出来事の話だけで終わるのではなく、そこから何を学び、今の自分にどうつながっているのかまで話していくことが大切です

困難を乗り越えた経験の回答方法についてはこちらの記事で解説していますので、併せて参考にしてみてください。

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長尾 美慧

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チャレンジ精神があるかを見極めている場合もある

面接で人生で一番辛かったことを聞く企業の意図として「チャレンジ精神があるのか知りたい」といったものもあります。

辛いと感じた出来事の背景には、失敗や挫折があることがほとんどです。そもそも「目標を達成しよう」と意欲をもって努力しないと、人生で一番辛いほどの失敗や挫折は感じられません。ただ日常生活をなんとなく過ごしているだけだと、目標を立てて真剣に努力をするといった機会はなかなかないですよね。辛いという感情は、目標に向けてチャレンジするからこそ得られるものです。

そういった、何かに熱中して頑張った経験があれば「入社してからも、目標に向けて目の前の仕事に精一杯取り組んでくれるだろう」と企業も安心して採用できます。このような背景から「チャレンジ精神があるかどうか」を見極めるために、面接では人生で一番辛かったことを質問することがありますよ。

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5ステップで完成! 人生で一番辛かったことの回答方法を理解しよう

5ステップ! 人生で一番辛かったことの回答方法
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就活生

人生で一番辛かったことを考えているのですが、うまく内容がまとまりません。

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キャリア
アドバイザー

いきなり完璧な回答を作成しようとすると、言いたいことが整理できず、思考が止まってしまいます。これからお伝えする方法に沿って、1つずつ段階を踏んで考えていきましょう。

「人生で一番辛かったことは? 」は複数の企業側の質問意図を含んでいるため、回答する際は情報に漏れがないようにし、採用担当が知りたいことを整理して伝える必要があります。これから説明する方法を参考に自分の考えをまとめ、スムーズな回答ができるようにしていきましょう。

ステップ①辛かったことの概要を簡潔に述べる

採用担当は辛かった出来事そのものを知りたいわけではなく、そこからどう考え、行動したのかを知りたいと考えています。そのため、辛かった出来事の説明だけで長々と話すことはせず、わかりやすくまとめて話すようにしましょう

ただし、必要な情報を省き、相手にうまく伝わらなければ意味がありません。また、あまりに簡潔に話してしまうと、「それのどこが大変なの? 」と思われてしまう可能性もありますので、適切な長さ、内容を意識して話すようにしましょう。

ステップ②何が辛いのかを定量化する

辛いと感じるのは個人の感覚によるものであるため、「辛かった」といわれてもどの程度の辛さなのかなかなか相手には伝わりません。辛さを定量化することで、自分と相手の「辛さ」への認識がずれることを防ぐことができます。

たとえば、家庭教師のアルバイトで、「担当する生徒のレベルを上げるのは大変だった」とするよりも、「担当する生徒の志望校は県内で2番目に偏差値が高く、現在よりも偏差値を20以上も上げる必要があった」と説明するほうが、大変さの度合いが伝わりますよね。

数字で伝えるのが難しい場合でも、できるだけ客観的な視点で考え、誰が聞いても内容が正確に伝わるような情報を入れるようにしましょう

ステップ③辛かったことを乗り越えるための工夫を伝える

辛いことに対して、自分なりにその辛さを乗り越え、状況を打開するために工夫したこと、努力したことがあったはずです。困難に直面したからこそ発揮される個性があり、採用担当はそれを知りたいと思っています。

回答の際は、自分が何を考え、どのように対処したことで乗り越えたのか、困難への向き合い方をできるだけ具体的に伝えるようにしましょう。そうすることで、自分の長所や強みをアピールしていくことができます。

また、失敗やトラブルがあっても諦めずに対処していったことを話すことで、精神力や問題解決能力があると判断され、好印象につながりますよ

ステップ④取り組んだ結果を伝える

「店の売上が3倍になった」「チームの結束力が向上して県大会に優勝した」など、大きな成果がなければならないか、というとそんなことはありません。

辛かったことに対して、自分なりに考えて行動したものの、結果として何も変わらなかった、ということはないはずです。大きな成果はなかったとしても、自分の行動が、辛い状況を変えていくために自分自身やまわりに対して良い影響をもたらしたり、現状を改善するための手助けになったのではないでしょう。

結果まで伝えていくことでエピソードとしてまとまりが良くなりますし、困難に直面しても、結果が出るまで努力した姿勢が評価されます

ステップ⑤経験から学んだことを今後どう活かすかを述べる

最後に、経験から学んだことを今後どう活かすかを述べるようにしましょう。「辛いことを経験し、〇〇が大切だと感じた」「辛いことがあっても、~~という気持ちで取り組むことで乗り越えられることがわかった」など、その経験から学んだことを述べます。

さらに、志望する企業で働くにあたって、どう仕事に活かせるのかまで伝えていきましょう。そうすることで仕事への熱意や志望度の高さも伝わりますし、学生が企業で活躍していくイメージが具体的に湧くため、好印象となります。

辛いことを乗り越えただけでなく、次に活かしていく前向きな姿勢を見せることで、成長意欲や向上心の高さをアピールしていきましょう。

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周りに差をつけよう! 人生で一番辛かったことを回答する際の3つのコツ

人生で一番辛かったことを回答する際のコツ

回答方法についてお伝えしてきましたが、ここからはさらに周りと差をつけるための3つのコツについて説明していきます。志望動機や自己PRは、ある程度回答の型が決まっているため、それに沿って構成を考えれば、話す内容を大きく間違うことはありません。

一方、人生で一番辛かったことは、回答の自由度が高いため、答え方によっては採用担当に内容がうまく伝わらず、適切なアピールができない可能性があります。ここでお伝えするコツを踏まえ、採用担当に好印象を持ってもらうためにはどうすれば良いのかを理解し、適切な回答ができるようにしていきましょう。

①挑戦した事例から辛かった経験を述べる

辛い経験は人によってさまざまありますが、面接で話をする際は、挑戦した事例を選ぶようにすると良いでしょう。

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就活生

「何かに挑戦し、失敗してしまったが、努力を重ねて再チャレンジした」

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就活生

「困難な課題に直面したが、自分なりに考えて挑戦し、見事クリアした」

など、主体的に考え、行動を起こして乗り越えていった経験を選ぶことで、自分の長所やスキルをうまくアピールすることができます。その反対に、「最愛のペットが亡くなった」、「台風によって準備していたイベントが中止になった」など、自分の意思や行動に関係なく起こった辛い出来事をただ話すだけでは、評価はされにくいでしょう。

自分の考え方や、物事への向き合い方がわかるようなエピソードを選ぶことが、採用担当の質問意図に沿った回答のコツとなります

②定量的に伝えることで初見の人でもイメージできるようにする

辛かった経験は定量的に伝え、初見の人でもイメージができるようにしましょう。大学の授業やアルバイトの仕事内容など、学生同士、職場の仲間同士で話をすれば「それは辛いね」と共感できる話でも、面接官からすると何が大変なのかイメージしにくい場合があります。

抽象的な言葉だけでいかに辛かったかを力説しても、場合によっては「そんなに辛いことなのかな? 」「ストレス耐性が低いだけなのでは? 」と思われてしまうおそれもありますので注意が必要です。

数字を用いて客観的な視点で「辛さ」をとらえ、表現することによって、何がどのように辛かったのか、大変だったのかが正確に相手に伝わり、共感を得やすくなります

③現在進行形のものではなく乗り越えた経験を話す

エピソードを選ぶ際は、現在進行形のものではなく、乗り越えた経験を話すようにしましょう。面接官は、辛い経験をどう乗り越えたのかを知りたいと思っています。「辛い出来事があって立ち直れません」と言われてしまうと、面接官は話を深掘りできませんし、場の雰囲気も暗くなってしまいますよね。

過去のこととして自分の中で完結している話をすることで、全体としてまとまりのある内容になります。辛さを乗り越え、未来に向かって前向きに行動している姿勢をアピールしましょう。

加藤 大智

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誰にでも伝わる表現を心掛けよう

人生で一番辛かったことを回答する際は、専門用語や友人としか伝わらないような表現は控えるようにしましょう。選考では、誰が相手であっても理解できるように話すことが重要です。社会人になると、社内外問わず相手に知識がない前提のもと、何かを説明するようなシーンが多々あります。なかでも、顧客対応をするような営業職や接客業だと、誰もが理解できるような伝え方がとくにもとめられますね。

人生で一番辛かったことを回答する際に、専門用語や友人間でしか伝わらないような表現を使ってしまうと、企業担当者は話が理解できなくなってしまいます。繰り返しにはなりますが、企業担当者が評価しているのは、話すワードや表現ではなく、物事をわかりやすく伝える能力があるかどうかです。

とくに友達間でしか伝わらない表現は、習慣から無意識のうちに使ってしまう可能性があるため注意しましょう。面識のない、小学生でもわかるような説明ができるくらいを目指すとよいですよ。

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人生で一番辛かったことを回答する際の4つの注意点を把握しておこう

人生で一番辛かったことを回答する際の注意点
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就活生

人生で一番辛かったことについて、教えてもらった方法で回答を考えていこうと思いますが、何かほかに注意することはありますか?

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アドバイザー

大まかな回答作成の流れはイメージできたでしょうから、ここからはエピソードの構成について、細かな注意点をお伝えしていきます。

自分では良いと思っている内容でも、客観的に見ると採用担当へのアピールとして弱い場合もあります。注意点を確認して回答の方向性を正しく定め、効果的なアピールができるようにしていきましょう。

①単なる苦労話とならないようにする

「人生で一番辛かったこと」という質問に忠実に答えようとするあまり、辛かった出来事を事細かに説明して終わってしまう人がいます。しかし、それでは採用担当は苦労話を聞かされただけになりますので、評価のしようがありません。

また、辛い経験だけを長々と話されてしまうと、「仕事で辛いことがあったらすぐに心が折れてしまいそう」と思われ、マイナス評価を受けるおそれもあります。

回答は採用担当の質問意図に沿って、辛かったことをどう乗り越え、何を学び、今後どのように活かしていくのかまで話すようにしましょう。そうすることで、仕事に対しても向上心を持って前向きに取り組んでくれるように感じ、評価されやすくなります。

②克服が困難なことは話題にしない

面接官の印象に残りたい気持ちが強いあまり、克服が困難なことを話す学生もいますが、あまりに度を超えたエピソードを選ぶのは控えた方が良いでしょう。

面接官は、いかに辛い思いをしたかを知りたいわけではありません。自分の力では克服できないようなこと、現状どうしようもないことについて話してしまうと、面接官もそれ以上話を深掘りすることができませんので、面接で選ぶ話題としてはふさわしくありません。

もし、人生で最も辛いことがいまだに克服できていないことだった場合は、正直に話すことばかりにとらわれず別のエピソードを選ぶことも、選考を突破するためには必要な判断です

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キャリア
アドバイザー

辛いことに対して自分なりに行動し、結果を出したものであれば、仕事で活かせるスキルや経験として話すことができますので、アピールとして効果的ですよ。

③仕事で活かせる経験を選ぶ

採用担当は面接を通して、自社で活躍してくれる人材かどうかを判断しています。したがって、辛かったことを回答するときは、仕事で活かせる経験を選ぶようにしましょう。

たとえば、「ずっと応援していたアイドルが引退してしまったが、なんとか気持ちを整理することができた」といったエピソードでは、そこから仕事への活かし方をアピールすることは難しく、良い評価を得ることはできません。

失敗や挫折の経験から学び、仕事で活かせるスキルや価値観を得たことをうまく伝えられるエピソードを選ぶようにしましょう。さらに、志望する企業のもとめる人物像や、仕事内容に則して具体的なアピールをすると、企業に貢献できる人材として評価されやすくなります

④辛さのレベルにも注意する

エピソードを選ぶ際は、辛さのレベルにも注意するようにしましょう。「部活の試合当日に寝坊してしまった」「アルバイトで習ったことをメモしていなくて怒られた」など、辛さのレベルがあまりに低いものを選ぶのは良くありません。

そういったエピソードを人生で一番辛かったこととして話すと、入社後も同じように些細なことですぐに落ち込んでしまうのではないかと採用担当から不安視され、それだけで印象が悪くなるおそれがあります。

すぐには対処できないような困難に対して、自分なりに工夫して乗り越えたからこそ、仕事に活かせる経験としてアピールできます。「相手が共感してくれるか」という点も踏まえて考えるようにしましょう。

石川 愛

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相手に何を伝えたいのかを意識しよう

「人生で一番辛かったこと」を話すうえでは「自分が相手に伝えたいことは何か」を意識することが重要です。

何も考えずに話すと、辛かった出来事に焦点を当てて話してしまいがちですが、それは避けましょう。企業が知りたいのは、辛かった出来事そのものではなく「辛かった経験をどう乗り越えたのか」「辛かった経験から何を学んだのか」といった点です。辛かった出来事だけを一方的に話してしまうと、企業がもとめている回答とズレてしまいますよ。「相手の立場に立って物事を考えられない」「相手に必要な情報を適切に伝える能力がない」とマイナス評価を受けてしまいかねません。

辛かった出来事はほどほどにし「乗り越えるために具体的にどのような努力をしたのか」「この経験から何を学び、社会人になって学びをどうやって活かすのか」といった点に重きをおいて伝えるとよいでしょう。「面接で評価してもらうためには、相手に何を伝えるべきなのか」を意識しながら話すことで、伝える内容や話の構成がより魅力的になりますよ。

エピソードがない学生必見! 人生で一番辛かったことの回答の見つけ方

人生で一番辛かったことの回答の見つけ方

「人生で一番辛いことといっても、なかなかエピソードが思いつかない」など、エピソードがなくて困っている方もいることでしょう。ただ、自分では回答としてふさわしいエピソードがないと思っていても、再度過去を振り返ってみると、案外使えそうなものがあるかもしれません。

しっかりと自分の過去に向き合うことで、自分の良さがうまくアピールできるエピソードを厳選していくことができますので、対処法を1つずつ実践し、一緒に考えていきましょう。

①自己分析をおこなう

いきなり「辛かったこと」に焦点を絞って回答を考えるよりも、自分の過去をすべて洗い出し、整理してから考えたほうが、スムーズに回答作成をすることができる場合があります。

自分の過去にしっかりと向き合うためには、自己分析が最も適しているでしょう。「自分史」や「モチベーショングラフ」で自分に起こった過去の出来事を書き出していき、面接で使えるエピソードを見つけていきましょう。

また、自己分析をおこなうことで、価値観や自分らしさが浮き彫りになっていきます。そうした自分らしさを、「辛いことを乗り越えるためにした工夫」や「仕事で活かせること」にうまく組み込んで回答していくことで、自分の良さを最大限アピールしていくことができるようになります

自分史

自分史とは、自分の過去の出来事を時系列で整理し、まとめたものです。具体的な方法としては、まず小学校、中学校、高校、大学で年代を分け、各期間ごとに自分に起こったエピソードを書き出していきます。運動会で活躍したこと、友達と仲たがいしてしまったことなど、自分にとって印象に残っている出来事を書いていきましょう。

また、それぞれの出来事に対して、「自分の行動」「そのときの心情」「その後の自分の変化」を詳しく書きます。書き出した項目に共通する自分の心情や、行動原理をチェックしていくと、行動のもととなっている価値観が見えてきますよ

そうしてわかった「自分らしさ」も考慮しつつ、書き出したエピソードの中から「人生で一番辛かったこと」が何かを考え、それに対する自分の考えや行動を書き出していくと、回答の構成ができてきます。

自分史についてはこちらを参考にしてみてください。

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モチベーショングラフ

モチベーショングラフとは、過去に起こった出来事を振り返り、それらにおける自分のモチベーションを時系列でグラフ化したものです。自分史を先に作っておくと、出来事の書き出しからグラフ化がスムーズにできます。

縦軸にモチベーションの高さ、横軸に年齢を書き、「中学校のサッカー部でレギュラーに抜擢された」「大学受験に失敗して浪人生活へ」など、自分に起こった代表的な出来事からそのときの気持ちを数値で表していきましょう

グラフが完成したら、グラフの数値が特に下がったところに注目し、どうしてモチベーションが下がったのか、何が辛いと感じたのかをさらに突き詰めて考えていきます。そこに、「人生で一番辛かったこと」を見つけるヒントがあるはずです。

②困難を乗り越えた経験を探す

自己分析をしても回答がうまく思いつかない場合は、書き出したエピソードの中から「困難を乗り越えた経験」を探してみましょう。

面接官は質問を通して、学生の価値観やスキル、ストレス耐性の有無を知りたいと考えています。困難を乗り越えた経験であれば、困難を乗り越えるために工夫し、考え、行動したという経緯があるはずです。そこに自分の個性や長所があります。

「辛かったこと」という言葉だけにとらわれてしまうと、「どれだけ苦労をしたか」をアピールすることだけに意識が寄ってしまうため、注意が必要です。面接官が知りたいことは何かを考えたうえで、エピソードを選んでいくと内容がうまくまとまり、適切なアピールをすることができますよ

③挫折経験を振り返る

挫折した経験を振り返ってみるのも良いでしょう。これまでの人生の中で、目標を持って努力し、挑戦したにも関わらず、結果に結びつかなかった経験はあるのではないでしょうか。

そうした挫折経験をもとに、エピソードをいくつか書き出し、回答として使えそうなものを選んでいくのも1つの手です。ただし、大切なのは、「挫折して途中でやめてしまいました」と言って終わりにしないことです。途中でやめた経験や諦めた経験というのはストレス耐性がない印象を持たれる可能性があります。

「挫折して失敗に終わりましたが、そこから〇〇を学び、再度チャレンジした結果、~~をすることができました」というように、挫折経験から立ち直り、主体的に行動して乗り越えていったところまで話すようにしましょう

挫折経験を魅力的に伝えるコツはこちらを参考にしてみてください。

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人生で一番辛かったことのOK回答例を参考にしよう

ここまで、人生で一番辛かったことを質問された際の回答方法について説明してきましたが、ここからは回答例をお伝えしていきます。

回答方法がわかっても、いざ「人生で一番辛かったこと」を考えようとすると、なかなかエピソードが思い浮かばない人もいるでしょう。部活動、受験勉強など、回答としてよく用いられるテーマを使って回答例を作成していますので、回答の方向性を決める際の参考にしてみてください。

①部活動

例文

私が人生で一番辛かったことは、ラグビー部の部長に就任した際、自分のせいでチームの雰囲気が悪くなったことです。チームを引っ張っていこうとするあまり、練習方法などをすべて自分とコーチだけで決めてしまい、一部メンバーから反感をかってしまいました。

それ以降は、すべて自分で背負うのはやめ、部員1人ひとりと積極的に対話をして意見に耳を傾け、チームづくりについて話し合う場を作るようにしました。

その結果、部員それぞれが意見を言いやすい環境ができ、練習の質が向上したことで今年は3年ぶりに関東大会に出場することができました。

この経験から、チームとして良いパフォーマンスを出していくためには、協力しやすい環境を作ることが必要だと学びました。入社後もこのことを忘れず、協調性とチームワークを大切にして仕事に取り組んでいきたいです。

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部長としての責任感の強さや、失敗を素直に受け入れてすぐに改善していく実行力などの長所を、失敗談の中にうまく入れてアピールできていますね。

部活動で学んだことを考えたい人はこちらの記事も読んでおきましょう。

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②受験勉強

例文

私が人生で一番辛かったのは、大学受験です。出身高校は大学付属校であったため、9割以上の生徒は内部進学を予定しており、孤独感や焦燥感の中、受験勉強を続けるには精神力が必要でした。

私は受験までの日数を逆算し、期間ごとの目標を設定することでモチベーションを維持しながら、平日は5時間、休日は10時間を勉強に費やしました。

その結果、3年生の春には模試でD判定だった志望校に、無事合格することができました。この経験を経て、目標のために必要なことを考え、計画を着実に実行していくことの大切さを学びました。

仕事においても、先を見通した計画を立て、粘り強く努力を重ねていくことで、結果を出していける人材となっていきたいです。

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アドバイザー

定量的な表現により、苦労したことが客観的にもわかるようになっていますね。また、「計画性」「粘り強さ」「継続力」をうまく組み込んでスキルのアピールができています。

③アルバイト

例文

人生で一番辛かったことは、デパートの接客アルバイトで、自分のミスにより常連客が店に来なくなってしまったことです。

繁忙期で通常の3倍以上の来客があったため対応がおろそかとなり、注文商品と異なるものを箱詰めして渡してしまったことが原因です。それが大切な方へのプレゼントだったため、購入後に大きなクレームとなり、店への信頼を失ってしまいました。

私はそれ以来、ミスを減らすためのチェック項目を自分で作成して確認作業を強化し、どんなときも冷静な対応を心がけました。その結果、取り組みが評価され、店全体でもそのマニュアルを共有してもらえることになりました。

この経験を通して、正確な仕事をするためにはミスをしないための仕組みづくりが大切だと学びました。

入社後も、先回りをして必要なことを判断し、正確でスピーディな仕事ができるように心がけていきたいです。

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失敗をそのままにせず、ミスを減らすために自分なりに考えて前向きに行動していったことが書けていますね。

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④兄弟・姉妹との比較

例文

人生で一番辛かったことは、優秀な兄と比較され、自分の努力を認めてもらえなかったことです。

大学受験では、偏差値を1年で20以上あげて志望校に合格しましたが、それでも兄の大学よりはレベルが低く、「お兄さんの大学には受からなかったんだね」と言われたことがとてもショックでした。

兄の存在により、私は小さい頃から劣等感を感じることが多く、「兄に負けたくない」とばかり思っていました。しかし、大学から始めたラグビー部で練習に打ち込み、大会で結果を出していけるようになってからは、兄の存在をあまり意識しなくなり、自然と自分に自信が持てるようになりました。

この経験から、人と比べることで自分の価値を見出すのではなく、自分にできることを探し、前向きに行動していくことが大切だと学びました。

仕事においても、目の前の仕事に集中して取り組み、努力をしていくことで結果を出していきたいです。

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キャリア
アドバイザー

兄弟・姉妹との比較では、「努力をして勝つことができた」という話が多いですが、この学生は自分の考え方を変えることで挫折を乗り越えており、アピールとして印象に残ります。

⑤趣味・習い事

例文

人生で一番辛かったことは、大学1年生の時、ダンススクールで大きなイベントの前に怪我をしてしまい、メンバー全員に迷惑をかけてしまったことです。

以前から足の違和感を感じていたにもかかわらず、本番までに完璧になりたいという思いから練習量を1.5倍に増やし、半年間無理をし続けた結果、イベント3日前に疲労骨折をしてしまいました。

この経験から、目的達成のためには冷静な判断と計画性が必要であり、無理をすることだけが努力ではないことを学びました。

それからは、イベントの日程から逆算してできることを考え、無理のない計画を立てて練習をするようにしました。そして次の大会ではメンバーの一員として準優勝に貢献することができました。

仕事においても、状況を的確に把握し、自分にできることを考え冷静な対処をしていくように心がけていきたいです。

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キャリア
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失敗からきちんと原因を分析し、学んだことを活かして次の行動に移している点が評価できます。努力家で、一度失敗しても諦めず立ち直っていける前向きさに好印象を持ちます。

こんな回答は避けよう!人生で一番辛かったことを回答する際のNG例

人生で一番辛かったことのNG回答例
  1. 身内の不幸話
  2. 嘘のエピソード
  3. 辛くてやめてしまった話

辛いと感じる基準は人それぞれであるため、「これは辛いとはいえない」と他者が決めつけることはできませんが、面接で回答する際には避けたほうが良いものもあります。

面接では、辛いことに直面した際の、あなた自身の考えや行動を知りたいという意図があるため、そうした意図から外れるものは、評価を下げないために話題として選ばないほうが無難です。

NG例として3つあげていきますので、回答を考える際の参考にしてください。

①身内の不幸話

人生で一番辛かったこととして身内の不幸話をあげるのは避けるようにしましょう。

家族やペットが亡くなった、重い病気にかかっているなどの不幸話は、本人にとってはかなり深刻な問題であっても、面接の回答として適切であるとはいえません。また、身内の不幸話は非常にデリケートな問題であるため、面接官はそれ以上深掘りすることができなくなるため、控えるようにしましょう。

回答する際は、「失敗したけれど、こんな学びがあった」、「辛い経験をして得たスキルを、仕事でも活かしていきたい」など、ポジティブな内容としてまとめることができる話題を選ぶようにしましょう

②嘘のエピソード

面接では、あらゆる質問を通して学生を評価していきます。1つ嘘をつくと、他のすべての回答でも整合性を取らなくてはなりませんが、話をするうちにどこかで矛盾が生じて嘘がばれてしまう可能性が高いです。

面接官は一度違和感を感じると、「本当のことを言っているのだろうか? 」と不信感を抱き、回答を深掘りして真偽を確かめようとします。すると、ますます言葉に詰まったり、慌てたりするため、最終的に「この学生の話は信頼できない」と判断され、評価の対象外になるおそれもあります。

大切なのは、インパクトのある話をすることではなく、自分のことを正しく知ってもらうために、適切なアピールをすることです。これまでの経験を振り返り、自分の価値観やスキルがうまく伝わるエピソードを探し、回答をしていくようにしましょう。

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③辛くてやめてしまった話

辛くて途中でやめてしまった話をするのも、回答としてはおすすめできません。人生には、辛いことを避ける判断も時に必要ですが、面接であえてそういった話題を選ぶのはリスクが大きいです。

辛いことから逃げたという印象を持たれ、「ストレス耐性がなさそう」、「仕事でも辛いことがあったらすぐ辞めてしまうのでは? 」と、面接官から不安に思われてしまう可能性が高いからです。

困難に直面し、それを乗り越えていくときに発揮される個性やスキルを面接官は知りたいと思っています。したがって、回答もその意図に沿った話題を選ぶことが大切です。辛いことがあっても、決して諦めず挑戦していった姿勢をうまくアピールできれば、物事に対する粘り強さや向上心がある学生としてプラスに評価されます

吉川 智也

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内容だけでなく、話し方や視線、姿勢も意識しよう

面接では、話の内容だけでなく、話し方や姿勢もよく見られるので注意が必要です。実は視覚情報で半分以上の印象が決まってしまう「メラビアンの法則」という心理学の法則があるんです。そのため、目線が合わなかったり姿勢が悪かったりすると、いくら話の内容がしっかりしていても、自信がなさそうに見えてしまいますよ。また、話の内容と見た目の印象があまりにもかけ離れていると「話の内容は嘘かもしれない」と疑われてしまうかもしれませんよ。

面接中は、企業担当者と目線を合わせたり、姿勢を正しくすることが重要です。とくに目線に関しては、目線を合わせることで自信や熱意があることを伝えやすくなります。ただ、常に相手と目線を合わせ続ける必要はありません。鼻や口やおでこなど、目以外のパーツに適度に逸らすと良いでしょう。しかし、あまりにも目線を逸らしすぎると目が泳いでいるように見えてしまい、印象が悪くなってしまうため注意してくださいね。

話し方についても「アピールしなければ」「たくさん話さなければ」と焦るあまり、早口になってしまうともったいないです。面接では基本的にゆっくりと、聞き取りやすいスピードと音量で話すようにしましょう。また、語尾の「です」「ます」まではっきりと発音することで、自信があるようなプラスの印象を与えられますよ。

人生で一番辛かったことの回答のコツを把握して面接を突破しよう

質問意図を正しく理解し、自分の性格やスキルがうまく表現できるエピソードを話していくことが、自分らしさを効果的にアピールしていくためには大切です。

また、辛かったエピソードは、相手に共感してもらえるかがとても重要になります。客観的な視点を持ってエピソードを精査し、事前にしっかりと準備をおこなってから面接に臨んでくださいね。

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