内定承諾書の期限は? 延期のマナーやお願いメールを例文付きで解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 内定承諾書は意志が固まってから提出しよう
  2. 内定承諾書とは入社の意志を示した誓約書のこと
  3. 企業が内定承諾書を提出させる理由
  4. 入社意志を確認するため
  5. 内定辞退を防止するため
  6. トラブルを防止するため
  7. 内定承諾書の期限は?
  8. 2週間以内が多い
  9. 企業が提出を急かす場合もある
  10. 期限が書いていない場合は早めに返信をする
  11. 期限内に返信ができない場合の対処法
  12. 期限内に決断できない場合は期限延長をお願いしよう
  13. 内定承諾書の期限を延長してもらう時のマナー
  14. いつまでに返答するかこちらから伝える
  15. できるだけ早く担当者に伝える
  16. 悩んでいる理由を伝える
  17. 言葉遣いや配慮に気をつける
  18. 内定承諾書の期限を延長してもらうときの例文
  19. 電話で伝える時
  20. メールで伝える時
  21. メールで内定通知がきた時
  22. 内定承諾書を提出した後でも内定辞退は可能か
  23. 内定承諾書には法的拘束力はないので辞退は可能
  24. 内定承諾書を提出する前に確認しておくべきこと
  25. 労働条件通知書
  26. 内定取り消し事由
  27. 内定承諾書のマナーを守って納得のいく就活をしよう!

内定承諾書は意志が固まってから提出しよう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、

「内定承諾書を受け取ったがいつまでに返信をすれば良いのかわかりません」
「内定承諾書の返信期限を伸ばしてもらいたいのですが、そのようにお願いをしても問題ないのでしょうか?」

といった質問を受けます。内定獲得後に受け取る内定承諾書は本来嬉しいものですが、就活の進み具合では悩みの種に感じる方もいることでしょう。

この記事では、内定承諾書とは何かということから、内定承諾書の提出期限について、そして、内定承諾書の返送期限を延長してもらうためのコミュニケーションの取り方について解説します。

内定承諾書は、前提としてその企業に入社する意志が固まってから提出するものです。ぜひ、事前に知識をつけて納得のいく就職活動を進めてくださいね。

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内定承諾書とは入社の意志を示した誓約書のこと

そもそも、内定承諾書とは何かを説明します。就活では入社を希望する学生が志望の企業に選考の申し込みをします。選考の結果、内定を獲得した企業から送られる「内定を承諾しその企業に就職することを誓約する」ための書類が内定承諾書です

なかには「入社誓約書」「入社承諾書」と呼ぶ企業もありますが、目的としては内定承諾書と同様の書類です。

学生の立場から考えると、内定承諾書を提出した企業に入社の意志を固めたことを伝えるための書類になります。企業の立場から考えると、入社予定の学生を確定させるための書類になります。

企業側は内定承諾書を受け取った学生を正式な内定者と位置付けて、入社に向けたさまざまな準備を進めていくのです。内定承諾書の意味を知らずに軽率に署名をして返送してしまうことは学生にとっても企業にとっても避けたい行動と言えます。

企業が内定承諾書を提出させる理由

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就活生

企業ってなぜ内定承諾書を提出させるのにこだわるのでしょうか?

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アドバイザー

それは入社意思を確認するためや内定辞退を防止するためが主な理由ですが、内定者側とのトラブルを防止するためという側面もあります。そのため、企業側だけでなく学生側にとっても大切な観点と言えるでしょう。

内定承諾書を提出される理由がわかれば、きちんと対応する重要性についても理解できます。内定を出した学生に内定承諾書を提出させる企業側の理由について、それぞれ解説していきます。

入社意志を確認するため

内定承諾書を提出させる目的の1つは、内定を出した学生の入社意志を確認するためです。面接の段階では、どの学生も「御社が第一志望です」と答えるでしょう。

実際には第一志望の企業が他にあっても、そのことをきちんと伝える学生は少ないのではないでしょうか。内定の連絡をした後に、別の企業に入社するという理由で内定を辞退する学生も一定数います。

企業は、内定者の入社に向けてさまざまな準備を進めていきます。また、新卒内定者の確保のために時間や費用を掛けているため、入社の直前で内定辞退の連絡を受けると、再度候補者を探したり、これまでの準備が1からやり直しになったりと大きな影響を受けることになります

このような事態を防ぐために、内定を連絡した段階で最終の入社意志を確認するために内定承諾書の提出を求めます。

内定辞退を防止するため

実は内定承諾書自体には法的拘束力はありません。しかし「入社の意志があることを誓約する」という書面を学生に提出させることで、学生側としては「内定辞退はできない」という気持ちになります。

このような心理的な拘束力をもたせる目的も内定承諾書を提出させる理由の1つです。仮に内定承諾書の提出がなかったと仮定しましょう。

初めは志望していた企業から内定を獲得できて喜んでいた学生も、4月1日の入社日が近づくにつれてその気持ちに変化が生じてしまう可能性も否定しきれません。その結果、入社日直前に、入社を辞退する学生が出てきてしまうこともあるでしょう。

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アドバイザー

学生側の入社意向を書面で提出させることで内定辞退を防止するという目的があるのですね。

トラブルを防止するため

内定承諾書を提出させる目的には「学生と企業間でのトラブルを防止するため」ということもあります。

たとえば、企業から送付される内定承諾書には「内定期間中に下記事項か生じた場合は、内定取り消しされても不服申し立てはいたしません。」といった記載がある場合があります
そして、この文言に続く形で次のような事項が提示されています。

  • 健康上の問題で、就業が困難となった時
  • 書類等に虚偽が発覚した時
  • 卒業できなくなった時
  • 犯罪行為またはそれに類する非行を犯し、もしくは社員として不適切ないし品位を害する事由が生じた時
  • その他、勤務に支障をきたす事象が認められた時

残念ながら、内定獲得後にたがが外れたように自由な気持ちになり、何らかの問題行動を起こす学生もいるのです。そのような学生が入社してくることは企業にとっても不利益につながります。

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企業はリスク回避、トラブル防止のために、内定を取り消す可能性について内定承諾書で示唆しているのですよ。

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内定承諾書の期限は?

企業側も限られた時間のなかで採用活動をおこなっているため、内定承諾書には期限がある場合がほとんどで、期限までに自分の答えを出す必要があります。

企業によって内定承諾書の提出期限は異なりますが、一般的に内定承諾書の期限はどのように定められているのかを解説します。期限を守って内定承諾書を提出しましょう。

2週間以内が多い

学生が企業から内定承諾書を受け取ってから提出するまでの期限としては、2週間以内としている企業が多いです。内定承諾書の提出期限は、各企業の裁量で決められています。

短い場合だと、1週間以内、長い場合だと1ヵ月以内の場合もあります。内定承諾書を受け取ったら、まずは提出期限がいつかを確認するようにしましょう

また、内定承諾書は企業から内定の連絡を受けてから数日後に届く場合もあれば、内定通知書と同封されて送られてくる場合もあります。

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内定承諾書を提出すると、正式に入社の意志を企業に伝えることになりますので、複数社の選考を受けている人や入社に迷っているという方は慎重に提出を検討する必要がありますね。

企業が提出を急かす場合もある

内定を獲得したということは、企業からみて魅力的な人材であるということです。そのため、優秀な人材を他の企業に取られてほしくない、自社に入社を決めてほしいという思いの強い企業の場合、企業側が内定承諾書の提出を急かす場合もあります。

もちろん、第一志望の企業であれば、学生側もすぐに提出ができるでしょうが、じっくりと考えたいと思う場合には、企業に急かされても焦らない方が良いです。

どの企業に入社するかの意志決定は今後の社会人としての生活に大きな影響を与えます。すぐには決められないという場合には、しっかりと期限を守りつつ、提出するかどうかは時間を掛けて検討するようにしましょう

これは行き過ぎると「オワハラ」になりかねません。オワハラについてはこちらで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

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期限内に出せないと最悪の場合は内定辞退と見なされる

期限内に内定承諾書を提出できない場合、内定辞退と見なされる可能性もあります。

このように何の連絡もなく辞退になることを「サイレント辞退」と呼ぶこともあり、企業に内定辞退を伝えず、企業からの連絡もなくフェードアウトしてしまう状態のことです。

学生側のスケジュール管理が足りず、誤って提出期限を過ぎてしまったとしても、企業から見たら大きな迷惑です。他の同業他社に入社して、サイレント辞退してしまった企業の担当者に会った場合に、不信感を与えることにもなりかねません。

それだけではなく、自分の在籍する学生の評判を落とす可能性もあるため、しっかりと期限内に提出をしましょう。

期限が書いていない場合は早めに返信をする

なかには、内定承諾書の提出期限が記載されていない企業もあります。しかし、期限がないからと言っていつまでも提出を待ってもらえるわけではありません。

明確な期限を決めていないのは、学生の意志に任せるという思いがあるからですが、期限の記載がない場合にも、通例と同様に1〜2週間以内には内定承諾書の返信をしましょう。

期間の定めがないからといって、必要以上に答えを保留するのはマナー違反です。長期間にわたって返信をしなかった場合には、期日を過ぎてしまった場合と同様にサイレント辞退になる可能性もありますので、注意しましょう。

返信時は添え状を同封することを忘れずに

添え状の書き方

内定承諾書を返送する際には、内定承諾書の様式に加えて添え状を同封しましょう。添え状とは、書類を送付する際の挨拶文です。添え状があることで、内定を連絡してくれた企業への感謝の気持ちと、同封書類の内訳を明らかにすることができます

添え状に必要な項目
  1. 日付
  2. 宛名
  3. 大学名、氏名、連絡先
  4. 件名
  5. 本文
  6. 記書き
  7. 締め

添え状の書き方はこちらで詳しく解説しています。

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期限内に返信ができない場合の対処法

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就活生

内定承諾書は期限内に必ず提出する必要があることはわかりました。しかし、第一志望の結果が出る前に、別の企業から内定承諾書が届いた場合はどうしたら良いのでしょうか。

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内定承諾書の期限内には、第一志望の結果はわからないということですよね?

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就活生

そうですね。期限内に返信できません。

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その場合には、内定承諾書の提出期限を延長してもらうことを検討しましょう。

他社の選考状況で、どうしても期限内に内定承諾書の返信ができない場合の対応について解説します。

期限内に決断できない場合は期限延長をお願いしよう

就職は自分の人生を左右する大切な決断です。そのため、時間をかけたいという方もいることでしょう。内定承諾書の提出期限内に返信ができない場合には、企業に期限の延長をお願いすることができます。

本来の提出期限内に延長をお願いすれば、理解を示してくれる企業は多いです。そのため、正しいマナーを守ったうえで、企業に期日の延長を依頼しましょう。

確かに期日の延長を申し入れることは、ベストな選択ではないかもしれませんし、リスクも伴います。しかし、自分の入社したいという気持ちがあいまいなままで入社を決める方が、自分にとっても企業にとっても悪影響を及ぼすと言えるでしょう

企業によっては延長は認められない場合もある

基本的には期日の延長は認められる場合が多いとお伝えしましたが、もちろん企業によっては期日の延長は認められない場合もあります。

期日の延長が認められるかどうかは、さまざまな要因によって決まるため、一概に理由を特定できるわけではありません。次のような場合には期日の延長が認められないことも想定されるでしょう。

  • 延長を申し出た学生の他にも優秀な学生がおり、期限内に返信がないなら別の学生に内定を出したいと企業が考えている場合
  • すでに辞退者が出ることを想定して多めに内定を出している場合
  • 他の学生にも同様の期日で示しているため、特別な配慮が難しい場合
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アドバイザー

期日の延長を申し入れる時点で、企業側には第一志望の企業でないことが伝わってしまいます。そのため、印象が悪くなってしまう可能性があることは理解しておきましょう。

乾 花穂子

キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる

企業側に期日の延長が認められなければ潔く決断しよう

他の企業も受けたい状況の場合でも、期日の延長を企業から認められなければ、決められた期限までに内定を承諾するか断るかの決断をする必要があります。

企業としても、内定承諾後に辞退されてしまうと困るため、本来であればしっかりと入社意思を固めてから決断をしてほしいと考えています。しかし、企業都合などもあり期日の延長が難しい場合も多々あるため、その場合は潔く決断するしかありません。

決断するために追加面談やオフィス見学をお願いしてみるのも良い

もし期日までに時間があれば、社員との面談やオフィス見学などさせてもらえないか、企業に申し出てみるのも良いですよ。社員の都合もあるため必ず実施できるわけではありませんが「学生の意思決定につながるのであれば」と快諾してくれる企業もあります。また、内定の意思決定に向けて誠実に向き合っているとプラスの印象を企業に与えられるメリットもあります。他にも、内定承諾までの決断までに改めて就活の軸を振り返り、その企業が自分に合っているか再確認することもおすすめします。

このように、期日までに可能な限り判断材料を集め、後悔のない決断ができるように動きましょう。

自己分析がまだの人は、ツールを活用して今月中に終わらせよう

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自己分析がまだの人は、ぜひツールを活用してみてください。

内定承諾書の期限を延長してもらう時のマナー

内定承諾書の期限を延長してもらう際の4つのマナー

内定承諾書の提出期限を延長してもらう場合に、一番大切なことは誠意ある対応を心がけることです。内定を獲得した段階で、学生は選ばれる立場から選ぶ立場になります。延長の申し出はマナーを守れば可能なことですので、それぞれについて詳しく解説していきます。

いつまでに返答するかこちらから伝える

内定承諾書の提出期限を延長してもらう場合には、期限を自分自身で指定するようにしましょう。たとえば、迷っている企業の内定が、期限の5日後に出ることがわかっている場合には、1週間程度の期日の延長を申し入れるようにしましょう。

企業によっては、延長期限を指定される場合もありますが、当初の期日よりおよそ1週間程度延長してもらえることがほとんどです

もし仮に延長してもらった期日を超えた場合は、さらにマイナスな印象を与えるだけではなく、入社の意志がないと見なされてしまう危険性もありますので、注意しましょう。

できるだけ早く担当者に伝える

内定承諾書の期日までに返答が難しいとわかった時点でできるだけ早く担当者に伝える方が、誠意を見せられます。

そもそも、企業があらかじめ設定している採用スケジュールに基づいて内定承諾書の提出期限は決められています。期日の延長は学生側の都合に合わせることになるので、企業側にとっては多少なりとも迷惑のかかる行為です。

少しでも企業側に与える負担を軽減するために、提出期限の延長をお願いする必要があるとわかった時点で速やかに依頼をするようにしましょう。のちほど、期日の延長をメールまたは電話で申し入れる際の例文も紹介しますので、参考にしてくださいね。

悩んでいる理由を伝える

期日の延長をお願いするということは、その企業に入社するかを迷っているということになります。入社するかどうかを悩んでいる理由をきちんと採用担当者に伝えるようにしましょう。

なかには、延長を依頼した際に直接理由を聞かれる場合もあります。聞かれなかったとしても自分から正直に事情を伝えた方が良いでしょう。

悩んでいる理由として考えられるのは次のようなものです。

  • 他社の最終選考結果を待っている
  • 家族などと相談したうえで決めたい

事情をきちんと説明すれば、悪い印象にはつながりません。実際に、迷っている際には家族や友人など第三者にも相談して客観的なアドバイスを参考にしながら意志決定をしていきましょう。

言葉遣いや配慮に気をつける

繰り返しになりますが、内定承諾書の提出期限を延長してもらうことは企業から見たら特別な対応になります。延長してもらって当たり前という姿勢ではなく、感謝とお詫びの気持ちが伝わるように言葉遣いや配慮に気をつける必要があるでしょう。

まずは、内定を出してくれたことに対して感謝の言葉を伝え、延長をお願いする背景を丁寧に説明したうえで、申し訳ない気持ちであることを述べましょう

延長のお願いはメールでも電話でも構いませんが、電話の方がより気持ちが伝えられると考える方もいると思います。電話をする際は、通常の企業に電話をかける際のマナーも十分に意識すると良いでしょう。

言葉遣いの注意点はこちらを参考にしてみてください。

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石川 愛

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期日を延長してもうのは当たり前のことではない! 感謝の意を持って接しよう

再三になりますが、企業に内定承諾の期日を延長してもらう際に重要なのは「期日の延長は当たり前ではない」という気持ちをもつことです。特別対応の一つになるため、そのお礼として礼儀正しく行動することが大切です。

もしも、企業との面接を予定していたにもかかわらず、突然企業の都合で面接が延期になったとします。その際に、企業からの謝罪がなかったり対応が雑だった場合、その企業に誰もが嫌な印象を抱くでしょう。期日の延長のお願いもまったく同じで、自分の都合で企業に迷惑をかけることになるため、誠意のこもっていない対応は避けるべきです。結果的に入社することになったとしても、マナーがなっていないと企業内で悪い評判が出回り、入社前からマイナスでのスタートになってしまうかもしれません。入社後は数年、数十年と働くことになる場所なので、入社前から評価を落とすことは避けたいですね。

期日の延長は「延長してもらって当たり前」ではなく「延長してもらうことが奇跡」といった気持ちをもち、対応してくれた企業には誠意をもって接しましょう。

内定承諾書の期限を延長してもらうときの例文

先ほど、内定承諾書の提出期限を延長してもらう際にはできるだけ早く申し出をした方が良いことをお伝えしました。

内定承諾書の期限延長をお願いするための方法としては「メール」と「電話」の2種類があります。

最近では、内定の連絡をメールで受け取ることも増えているため、内定の連絡に返信する形で内定承諾書の期限の延長をお願いする場合もあるでしょう。

  • 電話で伝える時
  • メールで伝え時
  • メールで内定通知がきた時

3つのパターンに分けて、内定承諾書の期限を延長をお願いする例文を紹介します。

電話で伝える時

内定承諾書の本来の提出期限ぎりぎりで延長をお願いすることになった場合には、メールよりも電話で伝えた方が良いです。ただし、採用担当者は他の業務もおこなっているため、次の点に気を付けて電話をかけるようにしましょう

  • 始業直後や昼休み、終業間際の時間帯の連絡は避ける
  • 「もしもし」から始めない
  • 終話時に「本日はお忙しいところありがとうございました」とお礼を述べる
  • 電話を切るのは採用担当者が受話器を置いてから

電話の会話例

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就活生

お忙しいところ恐れ入ります。先日内定のご連絡をいただいた
◯◯大学◯◯学部港太郎と申します。
人事部の○○様はお手すきでしょうか?

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人事担当者

お電話代わりました。人事部の○○です。

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就活生

お忙しいところ恐れ入ります。先日内定のご連絡をいただいた、◯◯大学◯◯学部港太郎と申します。この度は、ありがとうございます。

早速入社を承諾するべきではありますが、家族が今回の就職について詳しく話し合いたいと申しています。実家に一度帰省し直接説明をして、家族にも納得してもらったうえで御社への入社を決めたいと思っております。

私事で恐縮ですが、内定のお返事を〇月〇日までお待ちいただくことはできますでしょうか。

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人事担当者

わかりました。良いお返事を期待しています。

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就活生

ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。

万が一採用担当者が電話で対応できなかった場合は伝言ではなく、再度改めてかけなおしましょう。電話口の方に、採用担当者の都合の良い時間を聞くのも良いですね。

例文を参考にして伝える内容をメモしておくとスムーズでしょう。

メールで伝える時

メールで伝える際も、内容は電話で伝える場合と大きな違いはありません。学生側の心理でいうと、電話よりもメールの方が内定承諾書の延長の依頼をしやすいようで、メールを選ぶ人も一定数います。

企業側は日々多くのメールのやりとりをするため、メールでは連絡したことに気付いてもらいにくい可能性があります。次のポイントを意識してメールを作成しましょう。

  • 簡潔でわかりやすい件名にする
  • 誰宛のメールかを冒頭に明記する
  • 文末に連絡先を記載する
  • 企業の営業時間内に送る

メールを送信する前には何度も読み返して、誤字脱字がないか、用件が明確に伝わっているかを確認するようにしましょう

メールの件名のコツはこちらで解説しています。

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例文

新規メッセージ

○○○○○@shukatsu.com

△△△△△@shukatsu.com

内定保留のご連絡 ◯◯大学◯◯学部 港 太郎

株式会社 ◯◯
◯◯部 ◯◯様

お世話になっております。
◯◯大学◯◯学部の港 太郎と申します。

◯月◯日に採用の内定のご連絡をいただきましてありがとうございました。

大変身勝手なお願いで恐縮なのですが、
内定をいただいた報告を兼ねて、就職先について家族と相談をさせていただきたいと考えております。

家族に自分の意志を説明し、家族の納得を得たうえで貴社へ入社したいと考えております。

誠に勝手ではございますが、
内定のお返事を◯月◯日までお待ちいただくことは可能でしょうか。

私事で大変ご迷惑をおかけいたしますが、
ご理解いただけますよう何卒お願い申し上げます。

―――――――――――――――
港 太郎(みなと・たろう)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:080-○○○○-○○○○
メール:minato@○○○○○○.ab.jp
―――――――――――――――

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アドバイザー

感謝の気持ちとお詫びの気持ちが端的に伝わりますね。

メールで内定通知がきた時

メールで内定通知を貰った場合は、まず受領した旨を返信しましょう。メールの場合は受信から24時間以内に返信をするのが望ましいです。返信をするのは企業側に内定通知がきちんと届いていることを伝えるためです。

そのうえで、内定承諾書の提出を保留したい場合はこれまでの電話やメールの場合と同様に企業へ依頼をしましょう。

その際は企業からの内定通知に返信する形で送付すると企業の採用担当者が状況をスムーズに理解できるでしょう

返信例文

内定通知に返信する形で内定承諾書の期日延長を依頼する場合の例文を紹介します。

新規メッセージ

○○○○○@shukatsu.com

△△△△△@shukatsu.com

Re:{元の件名}

株式会社 ◯◯
◯◯部 ◯◯様

お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の港 太郎と申します。

先日は内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。
貴社から高い評価をいただいたこと、大変感謝しております。

今回の就職について、内定の報告を兼ねて家族と相談する時間をいただきたいと考えております。
家族も納得したうえで貴社へ入社したいと考えておりますので、
誠に勝手ではありますが内定のお返事を◯月◯日までお待ちいただくことは可能でしょうか。

私事でご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

―――――――――――――――
港 太郎(みなと・たろう)
○○大学○○学部○○学科○年
携帯電話:080-○○○○-○○○○
メール:minato@○○○○○○.ab.jp
―――――――――――――――

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アドバイザー

メールに返信することで、読む側の採用担当者へ配慮ができますね。

内定通知への返信のポイントはこちらで解説しています。

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内定承諾書を提出した後でも内定辞退は可能か

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就活生

内定承諾書を提出したら内定を辞退することはできないのですよね?

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アドバイザー

できるだけ避けた方が良いですが、内定承諾書を提出した後でも内定を辞退することは可能です。

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就活生

そうなのですか?何か罰を受けたりはしないのでしょうか?

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アドバイザー

もちろん多大な迷惑はかけるでしょうが、法令違反ではありませんよ。

最後に、内定承諾書を提出した後に内定辞退をできるのか解説します。

内定承諾書には法的拘束力はないので辞退は可能

内定承諾書が重要な書類であることは、ここまで記事を読んでくださった方であれば十分に理解いただいていることでしょう。

しかし、内定承諾書は基本的に法的拘束力をもつ書面ではありません。あくまで学生の入社意志を確認する目的であり、内定承諾書を法的に位置付けているものはないからです。

民法では、労働契約は解約の申し出から2週間で解約できると定めています。つまり、入社日の2週間前までに内定辞退を伝えれば内定承諾書を提出していたとしても、入社する必要はなくなります

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アドバイザー

「職業選択の権利」から考えても、内定辞退は学生側の正当な権利です。とはいえ、あまりにも常識に反するような内定辞退は社会通念上認められないでしょう。

多くはありませんが、会社から損害賠償の請求をされる可能性もあります。理由としては、会社は学生の入社に備え、さまざまな準備をおこなうためです。内定辞退をすると決めたら、できるだけ早く、誠意をもって会社にその意志を伝えることが最良でしょう。

ただし、迷惑はかかるので極力控えよう

ただし、法的拘束力がないからといって、安直な気持ちで内定辞退をすることは避けましょう。

内定承諾書を受け取った企業は、承諾した学生が入社することを前提に準備を開始しています。たとえば社用PCを用意したり、配属先の調整をしたりと学生側には見えない準備をしているものです。

そのため、内定承諾書を提出した後の辞退は企業側に多大な迷惑をかけることになるので、極力避けましょう

内定承諾書を提出する前に確認しておくべきこと

入社の意志が固まっていざ内定承諾書を提出する段階になったら「労働条件通知書」「内定取り消し事由」の2つについて改めて確認しましょう。内定承諾書自体は法的拘束力はありませんが、内定承諾書を提出した時点で実質的な労働契約を結んだものとして見なされるからです。

入社した後に「聞いていなかった」「こんなはずではなかった」とショックを受けないためにも、きちんと書面を確認するようにしましょう。自分一人では確認が難しい場合には、家族と一緒に確認をしたり、大学のキャリアセンターなどを活用することも視野に入れてみてください。

労働条件通知書

労働条件通知書とは、労働基準法などの法律に基づいて決められたもので、雇用主である企業が採用者に労働条件を書面で通知するものです。平成30年1月の職業安定法改正の施行により、新卒者については、内定までに労働条件通知書を交付することになりました。

書面の記載事項は法令で定められており、次のような記載があります。

  • 入社日
  • 就業場所
  • 業務内容
  • 労働時間
  • 休憩時間
  • 休日
  • 待遇

これらの内容については採用説明会や面接でも説明があると思いますが、労働条件通知書に記載されている内容が適用されることになります。これまで説明を受けていた内容と相違がないかをしっかりと把握したうえで、内定承諾書を提出しましょう

内定取り消し事由

内定承諾書には、企業側が不利益を被る可能性のあるトラブルを防止するという目的もあります。そのため、内定取り消しの事由についても確認をしておきましょう。

内定取り消しとは、採用予定の人材に対して出した内定を取り消すことです。企業側の都合による内定取り消しは一方的な契約破棄に当たるため、正当な理由がないと無効になります。

そのため、企業側も内定を出した学生がトラブルを起こす可能性を想定し、内定取り消し事由を明示しています。取り消し事由としては次のようなものが記載されているようです。

  • 単位取得不足などで大学を卒業できなかった
  • 病気やケガなどの健康上の理由により働けない状態になった
  • 犯罪行為や不適切な言動があった
  • 書類に虚偽の内容が記載してあった
  • 会社の業績が悪化した

このような言動を意図的におこなう学生は少ないと思いますが、留意しておくためにもきちんと確認しましょう。

内定の取り消し事由についてはこちらでも解説しています。

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内定取り消しの対処法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみましょう。

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内定取り消しの8つの原因|整理・確認・相談が適切に対処するカギ

内定取り消しといわれたら冷静に整理・確認・相談することが早期解決の鍵になります。この記事ではキャリアアドバイザーが内定取り消しの8つの原因や遭ったときの対処法などを解説していくので、原因と対策を把握して適切に対処してくださいね。

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吉田 実遊

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労働条件を確認する際は退職金制度の有無も確認するのがおすすめ

内定承諾書の提出前には労働条件の確認が必要ですが、その際に退職金制度に関する確認も忘れずにおこないましょう。ひと昔前だと退職金制度があって当たり前でしたが、最近では退職金制度を廃止し、その積立分を毎月の給与に上乗せして払う企業も増えています。入社前から退職に関することを確認するのは気が引けるかもしれませんが、後々重要なことになるため、今のうちに確認しておくようにしましょう。

他にも、内定承諾書以外にも提出書類がないかも確認しましょう。企業によっては、内定を承諾した場合の今後のスケジュールだったり、内定者懇親会などのイベントに関する書類も事前に学生に送付していることもあります。その場合、内定承諾書だけでなくイベントの出席確認の書類なども同時に提出しなければならない可能性もあるため、企業から受け取った書類は再度一通り目を通すようにしましょう。

内定承諾書のマナーを守って納得のいく就活をしよう!

内定承諾書の目的や提出するまでに熟考が必要なことについて、ご理解いただけたのではないでしょうか。また、内定承諾書の提出の仕方や内定承諾書の期限を延期したい場合の伝え方についても例文付きで説明しましたので、不安感が薄れたという方もいることでしょう。

内定を獲得したことは非常に喜ばしいことですが、この内定承諾書の提出が就活のゴールとも言えます。きちんとマナーを守ったうえで納得感のある就活をしましょう。

内定承諾書の提出期限は?延期のマナーも解説【就活】

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