目次
- 教員の志望動機では質問者の意図の理解が大切
- 学校種別ごとに解説! 教員の志望動機で見られるポイントとは
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 特別支援学校
- 教員の志望動機を書く前の3つの準備
- ①学校理解:志望する学校の教育方針を調べる
- ②業界研究:教育問題について考察して教育への理解を深める
- ③自己分析:原体験を振り返り理想の教員像を考える
- 4ステップで作成! 教員の志望動機の書き方を紹介
- ステップ①教員になって実現したいことを一言でまとめる
- ステップ②なぜ実現したいのか理由をまとめる
- ステップ③なぜ教員でなければならないか伝える
- ステップ④就職後の展望を伝える
- OK例文7選|教員の志望動機例文を紹介
- OK例文①小学校
- OK例文②中学校
- OK例文③高等学校
- OK例文④特別支援学校
- OK例文⑤教科教育(国語)
- OK例文⑥教科教育(数学)
- OK例文⑦教科教育(英語)
- NG例文付き|教員の志望動機の注意点を解説
- NG例文①志望動機が抽象的であいまい
- NG例文②条件を志望動機にしている
- 教員の志望動機でライバルと差を付けるための3つのメソッド
- ①「子どもが好き」「教えることが好き」だけでは不十分
- ②「教えてあげる」という目線ではなく「ともに学ぶ」姿勢を示す
- ③理想論だけでなく教育現場の課題を踏まえた視点も持つ
- 伝えるべき要点を理解しよう! 教員になりたい熱意を志望動機でアピール
教員の志望動機では質問者の意図の理解が大切
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。教員を目指している学生から、
「教員の志望動機は、どのように差別化を図れば良いのでしょうか?」
「教員ならではの志望動機のポイントはありますか?」
といった質問を受けることがあります。教員の選考は民間企業の採用とフローが異なるため、「志望動機においても、特別なことを意識しなければならないのでは?」と不安になることもあるかと思います。
教員の志望動機においては、質問者の意図を理解することが何より重要です。志望動機で見られるポイントを把握しておけば、伝えるべきことが明確になり、高い志望度をアピールすることができますよ。
この記事では、教員の志望動機の書き方や差別化のポイントなどについて解説していきます。学校種別や教科別の例文も紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
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学校種別ごとに解説! 教員の志望動機で見られるポイントとは
教員の志望動機において採用担当者が重視しているポイントとしては、以下の3つが挙げられます。
- 教育に対する思いがあるかどうか
- 教育分野で何を達成したいか
- 目標を達成する力があるかどうか
ただし、上記の3つはすべての教員にもとめられる資質です。志望動機で見られるポイントは応募する学校によって異なってくるため、それぞれの学校が重視しているポイントを把握しておく必要があります。
そこでまずは、教員の志望動機で見られるポイントについて、学校種別ごとに見ていきましょう。
小学校
小学生は社会性や人格の形成にとても大きな影響を及ぼす時期で、6年間というほかの学校に比べると長い期間を見守る特徴があります。そのため、子どもとかかわることが好きという点は大前提となり、子どもと向き合い指導できるかどうかがポイントとなります。
- 子どもが好きかどうか
- 人間性を育むサポートがしたいかどうか
- 教えることが好きかどうか

就活生
相手が小学生であることの意味をしっかりと理解し、教員としてどのような対応がもとめられるのかを考えてみてくださいね!
中学校
中学生は子どもから大人へと成長する思春期で、不安やイライラ、自尊心、劣等感などを抱えやすい不安定な時期です。そのような状態の生徒と向き合い、義務教育として社会人にも必要な基礎学力の強化や社会人としても必要になるマナー・ルール遵守について教える役割を果たします。
- 個性や能力を育むサポートしたいかどうか
- 生徒に対して提供したい価値があるかどうか
- 教えることが好きかどうか

キャリアアドバイザー
中学校では進路指導などもあり、生徒のキャリア選択にも大きく影響します。そのため、生徒一人ひとりの進路に向き合ったり、サポートをしたりすることももとめられますよ。
高等学校
高校生になるとアルバイトが可能になる学校もあり、社会との接点が増えるタイミングです。また、卒業後に就職する生徒も多く、社会人として活躍できる人材を育てたいと思っているかどうかが志望動機で見られています。
- 人材を育てたいと思っているかどうか
- キャリア支援をしたいと思っているかどうか
- 教えることが好きかどうか

キャリアアドバイザー
短期大学や専門学校、大学などへ進学する生徒に対しては、将来のキャリアを大きく左右するタイミングとなるため、適切なキャリア支援も必要です。中学校までの義務教育とは異なり、より専門的な内容を学ぶため、教えることに対する熱意も見られますよ。
特別支援学校
特別支援学校は、心身に障がいを抱える児童や生徒が通学しているため、障がいを理解する姿勢、障がいに向き合う姿勢があるかどうかが最も重視されます。理解する姿勢を示すためには、知識を持っているだけでなく、実際にサポートをしたことがあることを伝えられると良いですね。
- 児童・生徒のサポートをしたいと思っているかどうか
- 障がいに対する理解があるかどうか
- 教えることが好きかどうか

キャリアアドバイザー
特別支援学校は幼稚部、小学部、中学部、高等部があるため、志望動機を書く際は障がいへの理解だけでなく、指導をする生徒の年齢によっても記載内容を工夫する必要がありますよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!私立と公立ではもとめられる人物像が異なる
それぞれの特徴を踏まえたうえで志望動機を作ろう
志望する学校が私立か公立かによっても、志望動機で評価される視点は変わってきます。
私立学校は、独自の教育方針やカリキュラムを持っているため、応募者が学校の特色を深く理解したうえで志望しているのかや、価値観や教育方針に共感しているかを重視します。そのため、学校のホームページやパンフレットなどをしっかり読んで、内容を深く理解しておく必要があります。最近では、SNSで学校の様子を発信しているケースも多いため、こまめにチェックすることをおすすめします。
一方で、公立学校は地方自治体が運営しており、教員は公務員となります。そのため、公務員としての資質を備えているかという点も重要な評価ポイントです。公務員には地域や社会への貢献度がもとめられるため、その資質が感じられる志望動機が評価されます。
このように、私立と公立、それぞれの学校の特徴やもとめられる人物像を理解したうえで、志望動機を作りましょう。
教育業界を幅広く見ているという人は以下の記事もあわせて確認してみてくださいね。
教育業界の全体像を大解剖! 8つの業種とおすすめ企業例で適職発見
教育業界の志望動機は企業視点が不可欠|例文付きでコツを徹底解説
教育学部の就職先9選|学部ならではの頻出質問や対策ポイントも解説
教員の志望動機を書く前の3つの準備


就活生
志望動機で見られるポイントは理解できたので、さっそく志望動機を書きたいと思います。

キャリアアドバイザー
いきなり志望動機を書こうとしても、なかなか良いものはできません。まずは準備が必要ですよ。
ここからは、教員の志望動機を書く前の3つの準備について解説します。具体性のある魅力的な志望動機を書くためにも、しっかりと準備をおこなうようにしましょう。
①学校理解:志望する学校の教育方針を調べる
教育方針は学校ごとや都道府県・市区町村ごとに決められています。教育方針によってもとめる教員像が異なるため必ずチェックしましょう。

キャリアアドバイザー
教育方針のほかにも、学校や地域ごとに取り組んでいることやカリキュラムが異なることもあるため、事前にリサーチしておきましょう。
②業界研究:教育問題について考察して教育への理解を深める
学校現場では、不登校やいじめ、少子高齢化など多くの問題や課題を抱えています。教員になれば、これらの問題に当事者としてかかわることになるため、業界研究を通じて問題や課題を把握しておくようにしましょう。
- いじめ
- 不登校
- 非行
- 学級崩壊
- 教育格差
- 学力低下
- 都市化
- 少子高齢化
- 教員の人材不足
志望動機で伝える内容に教育問題を関連付けることができれば、課題を解決するスキルや経験があることのアピールにもなります。たとえば、学生時代にフリースクールでボランティアをしたことがあれば、問題解決に役立つ経験を有しているとアピールすることができますよ。
③自己分析:原体験を振り返り理想の教員像を考える
教員としてどのような人や考え方がもとめられているかを把握したうえで、「自分はどのような教員になりたいのか」について、自己分析を通じて考えておきましょう。
自己分析をすることで、自分の価値観や就活で重視することがわかってくるため、志望動機でのアピールポイントも見つかりやすくなります。
ただし、理想の教員像を考えるだけでなく、理由やきっかけについても考えることが必要です。教員になりたい熱意だけをアピールをしても、採用担当者は本当に教員になりたいのかを判断することができないため、理由やきっかけと紐づいたエピソードも探すようにしましょう。
- 今までを振り返り、時系列で書き出す
- 自分の思考を具現化する
- 自己分析ツールを用いる
自己分析の質を上げる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
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学校種別の例文9選|教員の志望動機の書き方から差別化方法まで解説
教員の志望動機は、学校別にみられているポイントを理解したうえで作成する必要があります。この記事では、キャリアアドバイザーが教員の志望動機を作成するための方法から、面接での話し方まで解説していきます。学校・教科別の志望動機例文も紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
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4ステップで作成! 教員の志望動機の書き方を紹介


就活生
志望動機を書く前の準備が完了しましたが、いざ書いてみるとなかなかうまく書けません……。

キャリアドバイザー
魅力的な志望動機を書くには、これから紹介する手順に沿って進めていくのが良いですよ。
ここからは、教員の志望動機の書き方を4ステップで解説していきます。この手順に沿って書いていけば、論理的で伝わりやすい文章構成になりますよ。
ステップ①教員になって実現したいことを一言でまとめる
まずは教員になって実現したいことを、「私は教員になって◯◯を実現したいため志望します」などと一言でまとめましょう。
はじめに結論以外を話してしまうと、「志望動機を教えてください」という面接官の質問に答えられていないため、まずは端的に回答をした後に詳細を話すようにしましょう。
また、結論を先に伝えることで、エピソードの内容が理解しやすくなり、面接官にも志望動機をより理解してもらいやすくなります。教員には相手に伝わるように話す能力ももとめられるため、就活の時期から意識しておきましょう。

キャリアアドバイザー
「なぜ教員になりたいのか」をしっかり振り返ったうえで、その熱意を始めの一文で伝えることが重要ですよ。
ステップ②なぜ実現したいのか理由をまとめる
志望動機を端的に伝えた後は、「なぜ実現したいのか」という理由について、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。
エピソードを交えることで説得力が増すだけでなく、後に語る内容の導入にもなるため、面接官がストレスなく話を聞くことができます。
たとえば、「児童館でのボランティア活動を通じて、○○が重要であると感じたためです」といったように、理由とエピソードを紐づけることで、説得力のある内容にすることができますよ。
エピソードを探す際は、自分史の作成が効果的です。自分史の作り方については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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自分史を作成することは、就職活動を効率的に進めるのに役立ちます。 この記事では、自分史の作成方法と自己分析の仕方をキャリアアドバイザーが解説します。 自分史を活かせる質問例や回答例も紹介しているので、自己分析の際の参考にしてみてくださいね。
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ステップ③なぜ教員でなければならないか伝える
実現したい理由を述べたら、続いてなぜ教員でなければならないかを伝えましょう。教育業界への熱意だけでは、教員以外の塾講師や予備校講師などにも当てはまってしまう可能性があるからです。
教員でなければならないことを説明するには、過去のエピソードのなかで教員になりたいと感じた経験を伝えるようにしましょう。
たとえば、「教員の影響で入部したテニス部で大きく成長することができ、授業以外でもキャリアに良い影響を及ぼすかかわりがしたいと感じた」といったように、具体的なエピソードを伝えることで、教員でなければならない熱意を効果的にアピールできます。
ステップ④就職後の展望を伝える
最後に就職後の展望を伝えて、志望動機を締めくくりましょう。
高評価につながる志望動機にするためには、「12年間のサッカー部経験によって人間的にも大きく成長できたため、教科教育だけでなくクラブ活動を通じて生徒たちにスポーツの楽しさを伝えていきます」といったように、就職後の展望まで伝えることが必要です。
志望するきっかけのエピソードを通じて「何を学んだのか」、そして「その学びを活かしてどのように学校へ貢献できるのか」を伝えることで、前向きな姿勢をアピールすることができます。

キャリアアドバイザー
経験を通じて得られた学びをどう活かしたいかは、人によって考え方が異なるため、ほかの学生との差別化にもつながりますよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!教員の志望動機で評価されるポイント
「困難を乗り越える力」と「具体的な将来の展望」を示そう
教員の仕事は楽しいだけではなく、ときには緊張感やストレスを感じたり、仕事がつらいと感じる場面もあるでしょう。そのため、採用担当者は、応募者がそういった困難も乗り越えられる人物なのかを、志望動機の具体性や将来への展望で見極めているのです。
たとえば、「教育学部に所属しているから」「教育実習が楽しかった」といった抽象的な理由や経験だけでは、「困難な状況を乗り越えられるだろうか」と採用担当者から疑問を持たれてしまう可能性があります。そのため、これまで学んできたことや体験したことを、教員としてどのように活かしていきたいかを具体的に伝えることが大切です。これにより、志望度の高さや困難に立ち向かう覚悟を伝えることができます。
採用担当者に「この応募者なら、困難なことがあっても乗り越えられそうだ」「本気で子どもたちのことを考えている」といった印象を持ってもらうためにも、具体的な将来の展望を伝えましょう。
OK例文7選|教員の志望動機例文を紹介
ここまで教員の志望動機を作成するポイントについて解説してきましたが、具体的なイメージが湧かないという人もいるかと思います。
そこでここからは、教員の志望動機例文を学校種別や教科別に7つ紹介します。「今までのポイントをどのように活かしているのか」といった点に着目しながら、チェックしてみてくださいね。
OK例文①小学校
私は貴校で教員をすることで、児童の新しい可能性を開花させる一助になりたいと考えています。
このように考えるのは、私が小学生のときに、先生のおかげで新しいチャレンジをして教員になる夢を持つようになったためです。小学4年生のときのクラブ活動決めで、私は先生のおすすめの音楽クラブに所属しました。未経験で楽譜も読めませんでしたが音楽を楽しむことができ、中学校・高等学校・大学では吹奏楽部に所属しました。そして、吹奏楽部で大きく成長させてくれた顧問の影響で教員を目指しています。
貴校は理念として、「ゆとりある学校生活のなかで個性豊かな子どもを育てる」を掲げております。貴校でなら、個性を育み将来のキャリアに良い影響を及ぼすかかわり方ができると感じています。
教員として採用された際には、授業だけでなく音楽クラブの顧問として、音楽を通じて物事に熱中する楽しさを育み、貴校の理念の体現を目指したいと思います。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」

キャリアアドバイザー
自分が小学生だったころの経験を述べているため、小学校の教員を志望する理由に納得感がありますね。
OK例文②中学校
私は貴校の教員として、生徒に勉強の楽しさを教える支援をしたいと考えています。
このように支援したいと考えるのは、家庭教師のアルバイトで中学生に勉強の楽しさを教えたとき、生徒が進路選択に前向きになった経験があるためです。私がとある生徒を担当した当初は、ご両親からの依頼で勉強に後ろ向きでした。
そこで私は、その生徒に対して勉強を教えるだけでなく、学んだことがどのように活かせるのかを教えました。たとえば、数学の授業で「確率はSNSのフォロワーを増やすときの考え方に使える」と教えたところ、勉強に前向きになりテストで満点を取るまでになりました。この経験から、一人の生徒だけでなく、学校現場で勉強の楽しさを教えたいと思うようになりました。
貴校は「生徒の自主性を信頼する」を理念として掲げており、教えるだけでなく主体性を育む教育を実践していることに魅力を感じています。
採用された際には、家庭教師の経験を活かして、保護者も巻き込んで生徒のキャリア支援をおこないたいと考えています。

キャリアアドバイザー
実際に家庭教師として中学生と接した経験をアピールしており、採用後の働きをイメージしやすい点が良いですね。
小学校・中学校の事務職としての就職を考えている人は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
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OK例文③高等学校
私は高等学校の教員として教鞭を執ることで、生徒の視野をグローバルに広げたいと考えています。
このように考える理由は、学生時代にアメリカ留学を経験して、世界で活躍する日本人を増やしたいと感じたためです。留学中に新聞社でインターンシップを経験した際に、日本では当たり前とも言える「時間通りに仕事をすること」などを高く評価してもらえたことがあります。この経験から、グローバルな視点があれば日本人の活躍の幅が広がると感じました。
貴校はグローバルリーダーの育成に取り組んでおり、カリキュラムのなかで自身のグローバル経験が役立てられることに魅力を感じています。
採用された際には、総合学習で自身の経験を交えて授業をし、グローバル化の推進に寄与します。

キャリアアドバイザー
自分の学びをどのように教員として活かしたいかが、留学の経験を通じてしっかりと述べられていますね。
OK例文④特別支援学校
私は貴校の特別支援学校の教員になり、障がいを有する児童や生徒が自信を持って生きる一助になりたいと考えています。
このように考える理由は、学生時代に聴覚障がいのある児童とかかわるボランティアを通じて、児童支援をすることにやりがいを感じたためです。私がボランティアに参加した当初は、その児童は周囲となじめずに孤立していました。そこで私は、表情やハンドサインなどで、自ら積極的にコミュニケーションを取るようにしました。
すると、次第に意思疎通ができるようになり、ほかの児童も交えてコミュニケーションを取れるように変化したのです。この経験を通じて、自分がかかわることで自信を持てる児童を増やしたいと考えるようになりました。
貴校は「児童生徒の主体的な取り組み支援」を理念に掲げており、自信が持てるよう支援する方針に魅力を感じています。
採用された際には、ボランティア経験を活かして、児童に寄り添いながら自立支援をおこなっていきたいと思います。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」

キャリアアドバイザー
特別支援学校で何を成し遂げたいのかが、理由とともにしっかりと説明できていますね。ボランティアなどの実際の経験をアピールしているため、内容に説得力があります。
ボランティア経験を効果的にアピールする方法は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてくださいね。
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OK例文⑤教科教育(国語)
私は国語科の教員として、生徒の言語に対する苦手意識を減らす一助になりたいと考えています。
このように考えるのは、もともと私は国語に苦手意識があったものの、大学の哲学の講義をきっかけに克服したことで、読書量が増えて成長することができたためです。高等学校までは国語に苦手意識があり、高等学校の成績は5段階評価で2でした。
しかし、大学の哲学の授業を通じて文学の面白さに気付き、今まではまったく読書をしていませんでしたが、月5冊は本を読むほどの読書家になりました。そして、読書を通じて独学でライティングを学び、大手メディアの執筆を担当するまでになりました。読書が好きになったおかげで成長できたため、義務教育を通じて読書の素晴らしさを広めたいと思うようになりました。
貴校は出版企画のコンテストに毎年エントリーしており、読書に興味を持った生徒が活躍できる機会を提供していることに魅力を感じています。
採用された際には、教科教育だけでなく、出版企画コンテストなどの校外イベントの支援にも積極的に取り組んでいきます。

キャリアアドバイザー
憧れの教員像と自分の実体験をうまく結び付けられていますね。教員になりたい理由と目指す姿がしっかりと伝わってきます。
OK例文⑥教科教育(数学)
私は貴校の数学科の教員になることで、自分の考えをきちんと伝えられる生徒を増やす一助になりたいと考えています。
このように考えるようになった理由は、ボランティアで数学を教えた生徒のコミュニケーションスキルの向上を感じ、文理に問わず数学の魅力を広めたいと思ったためです。その生徒は、数学に苦手意識があるだけでなく、家族からコミュニケーションが苦手という情報をもらっていました。
数学のわからない問題を説明するときに、言葉に置き換えて説明することで理解が深まり、中間テストでは80点を獲得するまでに成長しました。そして、生徒の親からは「コミュニケーションが取れるようになり、部活でリーダーを担当するようになった」という感謝の声もいただきました。この経験から、数学を学ぶことで論理的にわかりやすく伝えるスキルが身に付けられると感じ、学ぶことの魅力を感じました。
貴校は「主体的な生徒を育む」ことを理念に掲げており、私の専攻である数学を通じて理念の体現にかかわれることに魅力を感じています。
採用された際には、ボランティアでの経験を活かして、保護者と良好な関係を構築しながら生徒の成長に寄与したいと思います。

キャリアアドバイザー
数学を教えたい熱意について、自分ならではの言葉でアピールできていますね。自分の体験談は誰にも真似ができないため、ほかの学生との差別化にもつながりますよ。
OK例文⑦教科教育(英語)
私は、英語教員として「生徒が英語を通して世界とつながる喜びを感じ、自信を持って自己表現できる力を育むこと」を実現したいと考えています。
私自身もかつて英語に苦手意識を持っていましたが、熱意ある先生との出会いによって英語の楽しさに目覚め、海外留学を経験するまでになりました。留学経験を通じて、「言葉を通して他者と心を通わせる喜び」や「異文化理解の重要性」を実感し、それを次世代の生徒にも伝えていきたいと強く思うようになりました。
貴校は「豊かな国際感覚の育成」にも力を入れており、貴校であれば、英語を通じて広い視野を持った人材の育成に携われると感じました。
採用された際には、英語の楽しさを伝える指導法を磨きつつ、将来的には教科指導のみならず、学校全体の国際理解教育や留学支援にもかかわっていきたいと考えています。

キャリアアドバイザー
就職後の展望について、将来のビジョンまで述べている点が良いですね。英語教育に携わりたいという熱意が伝わってきます。
自己PRで英語力を伝えたい人は以下の記事もあわせて参考にしてみてくださいね。
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英語力の自己PRはエピソードを交えてアピールしましょう。今回は英語力をアピールする前に知っておきたいことやアピールする際の注意点をキャリアアドバイザーが紹介します。英語力をアピールしたいと思っている人は参考にしてみてください。
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NG例文付き|教員の志望動機の注意点を解説
ここまでに紹介したポイントを意識して実践すれば、高評価を得られる志望動機が作成できるようになります。しかし、ポイントを履き違えると、マイナス評価につながる志望動機となってしまいます。
ここからは、教員の志望動機の注意点についてNG例文とセットで解説していくので、思わぬ点で評価を落とすことがないよう、しっかりとチェックしておきましょう。
NG例文①志望動機が抽象的であいまい
私は小学校で教員をすることで、子どものキャリアを豊かにしたいと考えています。
私が小学5年生のときに、担任の先生の影響で私立中学進学を目指し、志望校に合格することができました。志望校に入学できたおかげで、自分がやりたいことを見つけることができました。そして、教員になるために学生時代から家庭教師のアルバイトをし、教育の魅力を感じています。
私が教員になった際には、納得感あるキャリアを歩むことができるように、そのきっかけを児童に与えたいと思います。
※選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
高評価な志望動機を厳選!「志望動機例文集」

キャリアアドバイザー
「子どものキャリアを豊かにしたい」と述べていますが、具体的にどのようなことなのかが説明されていません。熱意をアピールするためには、具体的に何を実現したいのかを志望動機として伝えるようにしましょう。
NG例文②条件を志望動機にしている
私は安定した学校で働き、日本の教育に貢献したいと思っています。
私は、教育は「良いものを提供し続けること」が重要だと考えています。塾や家庭教師などは学校に比べると、サービスが終了してしまうリスクがあります。実際に、私は塾でアルバイトをしていましたが、経営状況の悪化でサービス終了を経験しました。そのため、安定して働ける学校に魅力を感じています。
採用された際には、良い教育を提供することだけでなく、学校の教育レベルを上げられるように貢献したいと考えています。

キャリアアドバイザー
安定して働ける点を志望動機にすると、採用担当者から「条件が良ければほかの仕事でも良いのでは?」と懸念される可能性があります。教員の志望動機では、教育への熱意を伝えるようにしましょう。
教員の志望動機でライバルと差を付けるための3つのメソッド
- 「子どもが好き」「教えることが好き」だけでは不十分
- 「教えてあげる」という目線ではなく「ともに学ぶ」姿勢を示す
- 理想論だけでなく教育現場の課題を踏まえた視点も持つ

就活生
できればライバルと差が付く志望動機にしたいのですが、その場合はどうすれば良いのでしょうか?

キャリアアドバイザー
方法は3つあります。順に見ていきましょう。
ここからは、教員の志望動機でライバルと差を付けるためのメソッドを3つ紹介します。ライバルとの差別化を図りたいのであれば、積極的に取り入れてみましょう。
①「子どもが好き」「教えることが好き」だけでは不十分
教員の志望動機として、「子どもが好き」「教えることが好き」という理由を挙げる人もいますが、それだけでは志望動機として不十分と言えます。
確かに子どもや教えることが好きなことは、教員にとって重要な要素ですが、それらは教員を目指すうえでは前提として捉えられている傾向があるため、採用側からするとあまり効果的なアピールにはなりません。
子どもが好きな点や、教えることが好きな点を志望動機にするのであれば、好きという思いを活かして「どのように教育に貢献できるのか」といった点まで言及するようにしましょう。
キャリアアドバイザーが読み解く!教員の志望動機を伝える際のポイント
「好き」から一歩踏み込んだ視点が大切
教員や講師を目指すうえで、「教えることが好き」「子どもが好き」という理由だけでは、十分なアピールになりません。実際の教育現場では、子どもたちへの指導だけでなく、保護者との円滑なコミュニケーションも非常に重要です。つまり、「子どもだけを見ていれば良い」というわけではないのです。採用側は、保護者とも対等にコミュニケーションをとり、業務を円滑に進められるかという点も重視しています。
そのため、単に「好き」という気持ちにとどまらず、「どのような教育現場を実現したいか」「そのなかで自身がどう教育に向き合っていきたいか」そして「なぜ講師や教員という道を選ぶのか」といった、より大きな視点から自分の考えを具体的に述べることが重要です。
なお、塾講師の場合は、教育の質だけでなく、売上への貢献ももとめられるため、教育現場をビジネスとしてどのように成り立たせるかという視点も必要になりますよ。
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②「教えてあげる」という目線ではなく「ともに学ぶ」姿勢を示す
ライバルと差を付ける志望動機にするには、「教えてあげる」という目線ではなく、「ともに学ぶ」姿勢を示すようにしましょう。
質の高い教育をおこなううえで、「教員自身も児童や生徒とともに学びながら成長していく姿勢」は非常に大切です。ともに学ぶ姿勢は、児童や生徒の主体的な学びを促すだけでなく、教員自身の専門性を向上させることにもつながります。
志望動機においてともに学ぶ姿勢を示すことができれば、将来的に学校全体の教育力を高める存在として、採用担当者の採用意欲を高めることができます。
③理想論だけでなく教育現場の課題を踏まえた視点も持つ
ライバルと差を付ける志望動機にするには、理想論だけでなく教育現場の課題を踏まえた視点も持つようにしましょう。
前述の通り、学校現場では不登校やいじめ、学力低下や少子高齢化といった、多くの課題を抱えています。理想を持つことは大切ですが、これらの課題を考慮せずにただ理想論を述べるだけでは、採用担当者にはあまり響かないでしょう。
教育現場の課題を踏まえた視点も持つことで、志望動機の説得力が増し、効果的なアピールにつながりやすくなります。
- 学校だけでなく家庭や地域と連携しながら、いじめの防止に取り組む
- ICT(情報通信技術)を活用して、授業の効率化を図る
- AI(人工知能)を活用して、学習効果の向上を図る
キャリアアドバイザーからあなたにメッセージ面接ではポジティブな雰囲気も大切!
志望動機は熱意と明るさを感じる話し方で伝えよう
教員が生徒と良好な関係を築くためには、ポジティブな考え方や明るい雰囲気がもとめられます。そのため、志望動機を伝える際は、笑顔で話したり、聞き取りやすい声を意識したりすることも重要です。
たとえば、朝のホームルームで先生が暗い顔をして教室に入ってきたら、生徒のやる気も起きないですよね。面接官は、志望動機を聞きながら「この学生が教壇に立ったら、どのように生徒たちと接するのだろうか」といった想像をしています。生徒たちに「今日も一日頑張ろう」と思ってもらえるような、明朗快活な雰囲気を出せると良いですね。
また、志望動機は自分の「情熱」を伝える大切な場面です。一生懸命、熱心に話している態度も好印象につながります。オーバーにならない程度であれば、ときには身振り手振りを使って伝えるのも効果的です。「この人だったら、生徒たちを安心して任せられそうだな」と思ってもらえるように、ポジティブさを意識してみてくださいね。
身振り手振りを効果的に使うコツは以下の記事で解説しているので、参考にしてみてくださいね。
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身振り手振りは正しいタイミングで使うことで面接官とのコミュニケーションが円滑になりますよ。 この記事では身振り手振りを使って話すメリット・デメリット、使いたいシーン、テクニックをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考にして、印象アップを目指しましょう!
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伝えるべき要点を理解しよう! 教員になりたい熱意を志望動機でアピール
志望動機を通じて教員になりたい熱意をアピールするためには、学校現場でもとめられている資質を伝えることが重要です。そのうえで、教育問題に対して考えている姿勢や、解決したい・実現したい熱意を述べれば、教員に対する高い志望度が伝わりますよ。
今回解説した内容を参考にしながら、熱意の伝わる志望動機を作成してみてくださいね。
キャリアパーク就職エージェントは、東京証券取引所グロース市場に上場しているポート株式会社(証券コード:7047)が運営しているサービスです。

キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!採用側が特に注目しているポイント
キャリアアドバイザー
塩田 健斗
プロフィールをみる社会の変化に目を向けて教員として達成したいことを考えよう
教員の志望動機で見られているポイントのなかでも、「教育分野で何を達成したいか」という点は、応募者それぞれの個性や価値観が最も色濃く表れる部分です。社会の目まぐるしい変化のなかで、教育分野や子どもを取り巻く環境も大きく変わっています。だからこそ、今後を見据えたうえで「自分は何をしたいのか」を具体的に考えることが重要です。
たとえば、近年、新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン授業やハイブリット形式の授業など、新たな教育の可能性が広がりました。教員として何を達成したいかを考えるには、まず教育業界の新たな取り組みや将来的な展望といった視点で情報収集することをおすすめします。
また教員の志望動機では、固執した考え方ではなく、広い視野を持ったオープンマインドな人柄なのかも見られていますよ。現在の教育環境は、多様なバックグラウンドを持つ生徒がいます。そうした生徒たちを尊重し、対応できる力がもとめられているのです。そのため、変化や新しさ、多様性などを受け入れられる点についても具体的に表現できると良いですね。