目次
- 価値観の例を参考に自分だけの価値観を言語化しよう!
- 大前提! なぜ就活で「価値観」について考える必要がある?
- 選考で「大切にしている価値観」を聞かれるケースがある
- 今後のキャリアビジョンを描くための材料になる
- アピールにつながる価値観の例30選! 当てはまるものを見つけよう
- 3段階で絞り込もう! 価値観の例から自分の価値観を明確にする方法
- ①少しでも共感できる・引っかかる価値観の例をメモする
- ②過去の経験で共感できる体験がないか洗い出す
- ③最も譲れない価値観は何か優先順位をつけて整理する
- どうしても自分の価値観が言語化できない場合の対処法
- 今までの楽しかったことやつらかったことを振り返る
- 尊敬する人や大切な友人を「そう思う理由」を考える
- 自分の価値観を魅力的にアピールする3ステップ
- ステップ①企業が求める価値観を調べる
- ステップ②企業が求めるものと自分の間にある共通点を洗い出す
- ステップ③実際の仕事にどのように活かせるか言葉にする
- 「あなたにとって仕事とは?」を想定した価値観の回答例文4選
- OK例文①社会貢献
- OK例文②自己成長
- OK例文③人とのつながり
- OK例文④創造性
- NG例付きで解説! 価値観の回答で避けておきたい注意点
- NG例文①個性がない
- NG例文②安定や金銭面を押し出しすぎる
- 価値観についてよくある質問に回答!
- 選考で聞かれる価値観に関する質問にはどのような例がありますか?
- 価値観に関して質問されたときの正しい答え方の例を教えてください。
- 価値観の例をベースに自分だけの価値観を見つけてキャリア指針にしよう!
価値観の例を参考に自分だけの価値観を言語化しよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から、
「選考で価値観を質問されたとき、どう答えれば良いですか?」
「大切にしている価値観の考え方がわからないので、例文を教えてください」
という相談を受ける機会がよくあります。
ES(エントリーシート)や面接では「働くうえで大切にしたい価値観は何ですか」「人生で大切にしたい価値観はありますか」という質問をされるケースが多いので、就活対策の一つとして、価値観の言語化は必要です。
しかし、自分一人ではうまく答えが思いつかない人もいるでしょう。そこでこの記事では、大切にしている価値観の考え方、例文、魅力的にアピールするためのポイントなどを解説します。
記事を最後まで読み終える頃には、面接官に「魅力的な学生だな」と評価してもらえるような、自信をもってアピールできる価値観が見つかりますよ。
大前提! なぜ就活で「価値観」について考える必要がある?

就活生
そもそも、なぜ価値観を言語化しておく必要があるのですか?

キャリアアドバイザー
就活では「価値観の言語化」ができていないと回答しづらい質問があるからです。事前に価値観を考えておくと、選考でもスムーズに回答できます。
ESや面接でアピールする価値観を考える前に、なぜ就活では価値観を伝える必要があるのかを理解しておきましょう。意味が理解できていれば対策にも身が入りますよ。
選考で「大切にしている価値観」を聞かれるケースがある
就活では「大切にしている価値観は何ですか」などと質問されることがよくあります。
たとえば企業が目指す方向性や社風と学生の価値観が合わなければ、ミスマッチな人材を採用してしまうことになり、結果的に早期離職につながる可能性があるあど、双方にとってデメリットです。
そのため、学生との相性を確認する目的で、その人の内面がとくにわかる価値観を聞くことが多いのです。

キャリアアドバイザー
入社後すぐに学生が退職してしまうと、採用コストが無駄になってしまうので価値観を知りたい企業は多いのです。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!実際の選考で聞かれる価値観に関するさまざまな質問
価値観について直接的に聞かれることは少ない
価値観について、実際の選考ではどのように質問されるでしょうか。最もよく聞かれるのは「就活の軸(企業選びの軸)は何ですか?」という質問で、多くの企業で問われます。この記事のなかで具体的な回答の考え方を記載しているので、必ずチェックしてくださいね。
ほかには「将来どのような人物になりたいですか?」や「最も尊敬する人は誰ですか?」といった将来像や理想像を質問するパターンもあります。この質問を通してあなたが目標とする姿をイメージし、それが企業の方向性と合致するか確認しています。
価値観についての質問は二次選考で聞かれることが多い
このような価値観を問う質問はあらゆる選考フェーズで聞かれますが、体感で最も多いと感じるのは二次選考です。二次選考は、就活生の価値観や志望動機を質問することで、企業の求める人物像とマッチングしているか見たいという企業の思いがあります。
しかし質問されるタイミングは企業によって異なり、選考フローが少ない企業では一次面接から聞かれることもあります。いつ質問されても答えられるように準備してから臨みましょう。
今後のキャリアビジョンを描くための材料になる
価値観を言語化しておくことは、単に選考対策にだけ役立つわけではなく、キャリアビジョンを描くための材料になるというメリットもあります。
たとえば、「裁量権のある環境で働きたい」という価値観なら、年功序列の企業よりも、年齢に関係なく裁量権がある企業のほうが、実現したい働き方ができる可能性が高いです。
さらに、志望企業でどのような働き方を実現したいかも明確になります。価値観が「裁量権のある環境で働きたい」なら、入社10年、20年後も自分の意識でキャリアを築ける企業が向いているとわかります。

キャリアアドバイザー
価値観を言語化しておくことでキャリアビジョンが明確になるので、入社後も「この会社を選んで良かった」と思える企業に、出会える可能性が高まるでしょう。
「働くうえで大切にしたい価値観」の考え方や例文は、以下の記事で解説しています。例文を参考にしながら回答を作成し、いつ質問されてもスムーズに受け答えできるように準備しておきましょう。
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「仕事に対する価値観」の3つの見つけ方|面接での回答方法と例文
仕事に対する価値観を定めることは、就活をスムーズに進めることや入社後のやりがいにつながます。 この記事では、価値観を定めるメリットや見つけ方、面接で価値観を問われる理由などをキャリアアドバイザーが解説します。 就活で悩んでいる人にも参考になりますよ。
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アピールにつながる価値観の例30選! 当てはまるものを見つけよう
就職未来研究所が、2022年に企業が採用で重視する項目について調査した「就職白書2022」によると、1位が人柄、2位は企業への熱意、3位は今後の可能性だということがわかっています。
企業の求める価値観に合わせたものを自分の価値観として話さなければならないわけではありません。しかし、どういった価値観なら選考の場でも話しやすいのかを考えるうえでは一つの指針になりますよ。
そこで、ここからはその3つに焦点を当てた価値観の例を30個紹介します。働くうえでどんなことを大切にしたいのか、人と接するうえで大切にしていることは何か、会社に求めるものは何か、下記のリストを使って言語化してみましょう。
- 誠実さ:安心感がある、信頼感がある
- 協調性:チームプレーが得意、いつも周囲に人がいる
- 思いやり:他人のために行動できる、相手の気持ちに寄り添える
- 芸術性:美的な感覚に優れている、芸術に興味がある
- 共感力:相手の気持ちを考えられる、人のために行動できる
- 責任感:自責思考で考えられる、約束やルールを遵守する
- 勤勉:学業や資格取得に力を入れてきた、学ぶことに対してモチベーションが高い
- 礼儀:いつも敬意をもっている、挨拶やお礼を欠かさない
- 道徳心:ボランティア経験がある、誰かのために行動するのが好き
- 傾聴力:人の話を聞くのが上手、相手のことを理解するのが得意
- 素直さ:嘘をつかない、アドバイスを受け入れ実践できる
- 周囲とのつながり:人間関係を大切にしている、友人が多い
- 貢献意欲:チームや人のために貢献できる、自分を犠牲にして行動できる
- 貢献意欲:企業理念に共感している、人のために行動できる
- 熱意:志望企業への熱意が高い、一度決めたことはやり遂げる
- 情報収集:企業に関するリサーチを徹底している、用意周到
- 経済力:売上にこだわって行動できる、企業や人のためにお金を生み出したい
- 長期志向:一社で長く活躍したい、長期目線で考えて行動できる
- 知識:志望企業の知識が豊富、知識意欲が高い
- 影響力:影響力を高めて組織を大きくしたい、誰かの上に立つ仕事がしたい
- 向上心:大きな目標をもっている、現状維持が嫌い
- 継続力:最後までやり遂げられる、コツコツ取り
- 成長意欲:成長することにやる気を感じる、知識欲が高い
- 挑戦心:新しい物事に取り組める、変化の早い環境が好き
- 柔軟性:新しい知識や意見を受け入れられる、臨機応変に対応できる
- 問題発見・課題解決力:問題を発見するのが得意、課題が解決するまで行動できる
- 臨機応変:状況に応じて考えや行動を変えられる、じっくり考えるより行動するのが得意
- 自律性:周囲の助けに頼りすぎない、主体的に考えて行動できる
- リーダーシップ:影響力を高めたいと思っている、チームをまとめられる
- コミュニケーション:会話や自己表現を大切にしている、初対面の人とでもすぐに打ち解けられる

キャリアアドバイザー
なんとなく共感できたり、自分に当てはまりそうだと感じたりするものを選んでみてくださいね。
価値観は、自己分析をすることで手っ取り早く見つけられます。自己分析のやり方は以下の記事で解説しているので併せて読んでみてください。
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こんにちは!キャリアアドバイザーの北原です。この記事では、自己分析の目的や具体的な方法についてご紹介していきます。自己分析とは、自分の過去の経験を整理して、長所や短所などの性格や物事に対する価値観について理解を深めること […]
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3段階で絞り込もう! 価値観の例から自分の価値観を明確にする方法

就活生
価値観がたくさんありすぎて選びきれません。例を見ても自分の言葉に置き換えられないときはどうすれば良いですか?

キャリアアドバイザー
それだけ可能性や魅力がある証拠なので、無理に絞る必要はありませんよ。とはいえ、価値観を明確にしておくことは大切なので作成方法を押さえておきましょう。
ここからは自分だけの価値観を言語化するための3ステップを解説します。例を見てなかなか絞り切れなかった人は、ここで紹介するステップをもとにじっくり言語化していきましょう。
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面接で「働くとは何か」を聞かれたら、自分の考え方や価値観を言語化して答えることで面接官の印象に残りやすくなります。 この記事では、「働くとは何か」を質問する意図や、答え方や考え方、例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に志望意欲をアピールしましょう!
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①少しでも共感できる・引っかかる価値観の例をメモする
まず、「少しでも共感できる」「なんとなく気になるな」と引っかかった価値観は、すべてメモしておきましょう。
頭で考えて終わりではなく可視化することで、あとから整理しやすくなります。たとえば、似たようなニュアンスの言葉を統合したり、自分らしい単語に置き換えたりするときにも、メモを見ながらのほうが考えやすいです。
価値観は2〜3つほど書き出しておくと安心です。多すぎると選びきれませんが、2〜3つ程度であれば複数の価値観から企業によって選んだり、それぞれを組み合わせたりして自分だけの価値観を作りやすくなります。

キャリアアドバイザー
意味が似ている価値観を複数個選んでも構いません。それぞれに紐づく経験があれば説得力が増すので、面接官の納得感も高まりますよ。
価値観を洗い出すときは、マインドマップを使ってみるのもおすすめです。
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マインドマップで広く深く自己分析を進めることで、自己理解を深めて効率的に自分をアピールすることができます! 今回はマインドマップでわかる自分の特性や、自己分析で使うメリットを紹介していきます。またマインドマップの作り方や活用例もキャリアアドバイザーが解説していくので参考にしてくださいね。
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②過去の経験で共感できる体験がないか洗い出す
次に、過去の経験を振り返って、メモした価値観に共感できる体験がないか考えてみましょう。
価値観はあえて決めつけずに、少しでも近いエピソードがあればまずは書き出してみるのがおすすめです。書き出してみるうちに、気付けなかった経験が見つかることもあります。
たとえば、以下のような経験を振り返ってみると思いつきやすいですよ。
- 頑張った経験:部活動、サークル、アルバイト、研究
- 人間関係で嬉しかったこと:友人や先輩との交流、親戚の結婚、頼りにされた
- 悔しかったこと:テストで成績を残せなかった、アルバイト先でミスをした

キャリアアドバイザー
特別な経験でなくても良いので、まずは思い付くだけ書き出してみましょう。
③最も譲れない価値観は何か優先順位をつけて整理する
最後に、自分の価値観に近い候補をリストアップできたら、それに優先順位を付けて整理しましょう。優先順位を付けておくことで、スムーズに整理しやすくなります。
優先順位の付け方は、以下の例を参考にしてみてください。
- 絶対に譲れない価値観は何かを考える
- 価値観の根拠になるエピソードは話やすいものを選ぶ
- 面接で深掘りされたときに答えやすいものを選ぶ

キャリアアドバイザー
価値観は変わるものなので、定期的に順位を整理するのも忘れずにおこないましょう。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!自分の価値観を明確にするヒント
就活の軸をとことん深堀りしよう
これまで紹介した価値観の例を見ても、どれもぴんと来ない人もいるかもしれません。そのうえで、自分の価値観をより明確にするためには、就活の軸を自分自身が納得するまで深く掘り下げることが大切です。
焦らず、じっくりと自分自身と向き合う時間を持つことが、納得のいく就職活動の第一歩となります。自分のペースで、深く掘り下げる作業を進めてみてくださいね。
どうしても自分の価値観が言語化できない場合の対処法

就活生
価値観の例や選び方はわかりましたが、どうしても価値観を言語化できないです。

キャリアドバイザー
そうですよね。上手く価値観を自分の言葉で表現できない気持ちはとてもわかります。では、言語化できないときの対処法を解説しますね。
価値観を自分の言葉で言語化するためには、今までの楽しかったりつらかったりした経験を振り返る、尊敬する人や大切な友人を「そう思う理由」を考えることで解決できます。
ありきたりではない言葉で表現した価値観を作成し、自信をもって面接官にアピールできるようになりましょう。
今までの楽しかったことやつらかったことを振り返る

自分の価値観がわからないときは、今までの楽しかった経験やつらかった経験を振り返ってみましょう。楽しかったことやつらかったことからは、そのときの感情がわかるので、自分の大切にしている価値観を考えやすいです。
たとえば、自分の実現したい価値観が関係しているから「楽しい」と感じたのかもしれません。「つらい」と感じたのは、価値観に反する経験だったからと考えられます。
大学時代だけでなく、高校・中学校・小学校時代の経験まで振り返れば、あなたの生き方・考え方の傾向などが見えてきます。卒業アルバムや当時の通知表があれば、当時の担任が書いたコメントやクラスメイトのメッセージを読んでみるのも良いですね。

キャリアアドバイザー
そのうえで、モチベーショングラフや自分史などを使って考え方の共通点や傾向を整理してみましょう。自分の価値観や特徴を、さらに理解しやすくなりますよ。
モチベーショングラフや自分史を使った自己分析方法は、以下の記事で解説しています。
テンプレ付き! モチベーショングラフの作り方と就活活用法を大公開
簡単3ステップ! 自分史を使った自己分析で説得力をアップしよう
尊敬する人や大切な友人を「そう思う理由」を考える
自分が尊敬する人や大切な友人を思い浮かべ、なぜそう思うのか理由を深掘りしてみることも、価値観を明確にする一つの方法です。
尊敬したり大切に思えたりする理由の背景には、「自分もこうありたい」などの価値観が根底にあるケースが多くあります。
尊敬したり大切に思ったりする理由を考えるときは、「なぜだろう」「何に対してそう思うのだろう」と深掘りすると考えやすいです。たとえば、母親を尊敬している例で考えてみましょう。
母親を尊敬している→(なぜ)→仕事が忙しいときでも家族のために尽くしてくれるから→(何を)→家族団欒の時間を作ってくれること→(なぜ)→私たち家族が一番の宝物だと話していたから

キャリアアドバイザー
深掘りから「家族第一で行動してくれる母親の愛情深さを、尊敬しているのかも」とわかれば、大切な価値観は「愛情」や「思いやり」などがあると判断できますよ。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!価値観を明確にするためのコツ
周囲に自分が生き生きとしているときを聞くのも一つの手
価値観を明確にするには、家族や仲の良い友人、アルバイト仲間などの周囲の人からあなたの性格やあなたがいきいきと取り組んでいることは何か聞くことも良いですね。自分ではわからなかった価値観が浮き彫りになることがあります。
もしアルバイトの経験があれば、アルバイト仲間に積極的に聞いてみましょう。家族や友人も良いですが、プライベートと社会の場では立ち回り方が異なることもあります。
たとえば、アルバイトをこなすなかで、先輩や上司から良い評価をもらえることがモチベーションとなる人もいれば、一緒に働く人との相性を大切にし、できるだけ心地の良い環境で働けることを大切にする人もいます。こうしたアルバイト中に大切にしていることは、社会人になった後も同様に重要な価値観となることが多いですよ。
アルバイトをしていないという人は、サークルや部活動など、同じ目的や目標に向かって取り組んだことのある人に聞いてみると良いですね。
就活では尊敬する人を聞かれることもあります。以下の記事では尊敬する人の答え方や例文を解説しているので、参考にしてみてください。
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「尊敬する人は?」面接で聞かれたら必ず押さえたいポイント3つ
面接で尊敬する人について聞かれたら、尊敬する理由も合わせて答えると面接官の意図に沿えますよ。 この記事では尊敬する人を質問する意図や、答え方のポイント、回答例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に充実した回答にしましょう!
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尊敬する人が思いつかない人はこちらの記事で対策法を解説しているので、参考にしてみてくださいね。
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【例文8選】尊敬する人がいない場合の対処法|回答のコツも解説
尊敬する人がいない場合は理由を伝えることが重要です。この記事ではキャリアアドバイザーが企業が尊敬する人を質問する目的や、尊敬する人がいないときの対処法を解説します。尊敬する人がいないと回答する際の注意点も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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自分の価値観を魅力的にアピールする3ステップ

就活生
価値観をどのようにアピールすれば良いのかわかりません。

キャリアアドバイザー
確かに難しいですよね。価値観を魅力的にアピールするためには、考え方の手順を知っておくと良いですよ。
自分だけの価値観がわかったところで、実際にそれを選考でアピールすることができないと効果は得られませんん。そこで、ここからは価値観を魅力的にアピールするための3ステップを解説します。次のステップとしてしっかり押さえておきましょう。

キャリアアドバイザー
魅力的な価値観をアピールする方法がわかれば、「この学生と一緒に働きたい」と評価してもらえる可能性が高まりますよ。
ステップ①企業が求める価値観を調べる
まずは、企業が求める価値観を調べることからはじめましょう。自分の価値観を考える前に企業の価値観を知っておくことで、どのような内容を伝えれば良いか考えやすくなります。
企業が求める価値観は、以下の方法で調べられます。就活をはじめて間もない時期なら、業界研究も兼ねて合同企業説明会に参加するのも良いですね。
- 企業の公式SNSを見る
- 口コミサイトを確認する
- 社員インタビューを読む
- インターンシップに参加する
- OB・OG訪問を利用する

キャリアアドバイザー
企業の価値観に合わせるために自分を偽るのは禁物です。嘘は必ず見抜かれますし、自分を偽って入社しても実際の社風や周りの社員に合わせるのに苦労することになります。ありのままの自分で就活に取り組みましょう。
上記のリストで紹介した手段を使う際、役立つ記事も併せて紹介します。ぜひチェックしてくださいね。
OB・OG訪問:
OB・OG訪問攻略ガイド|企業理解や選考に役立てるコツを解説
インターン:
インターンの目的とは|持つべき心構えや充実度アップのコツを解説
ステップ②企業が求めるものと自分の間にある共通点を洗い出す
企業が求める価値観がわかったら、次にその価値観と一致するあなたの価値観をピックアップしましょう。たとえば、以下のように共通点を洗い出してみてください。
- 「自ら進んで学びを得られる人材」と「成長」
- 「挑戦を恐れない人材」と「挑戦」
- 「わくわくしながら仕事ができる人材」と「冒険性」
もしアピールしたい価値観が複数ある場合は、より志望企業で活かしやすいと思える価値観を伝えるのがおすすめです。

キャリアアドバイザー
一度に複数の価値観を伝えると企業側もあなたのアピールポイントがつかみにくくなるので、最も伝えたいことを1つに絞るのが大切ですよ。
ステップ③実際の仕事にどのように活かせるか言葉にする
最後に、あなたの価値観は実際に仕事においてどのように発揮できるかを考えてみましょう。できるだけ具体的な仕事内容に言及できると、より高評価につながりやすくなります。
- 既存の能力を活かす:語学力を海外顧客とのコミュニケーションに活かせる
- 裁量権のある環境で働く:入社直後から主体的に行動し売上に貢献する

キャリアアドバイザー
特にポテンシャルを重視する新卒採用では、入社後の成長や活躍のイメージをもってもらえるかが大切です。企業の強みや具体的な仕事内容を調べたうえで、あなたの価値観を仕事にどう活かせるかまで伝えられると、魅力的な回答になりますよ。
「あなたにとって仕事とは?」を想定した価値観の回答例文4選
価値観を問う質問としては、「あなたにとって仕事とは?」という聞かれ方が多い傾向にあります。就活という場にもマッチしていますし、仕事観は価値観に直結するので質問としては有効だからですね。
実際この質問に答えはありませんし、どう答えようが否定されるものではありません。ただ、好印象を得て選考突破を狙うなら、どういった回答が印象良く映るのか押さえておくことは対策として大切です。
ここからは大事にする価値観ごとに、回答するうえでのポイント・注意点や好ましい回答例を紹介するのでぜひチェックしてくださいね。
「あなたにとって仕事とは」という質問の対策はこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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面接で聞かれる「あなたにとって仕事とは」の5ステップ回答法と例文
「あなたにとって仕事とは」と面接官が聞くのには5つの意図があります。今回は企業から「あなたにとって仕事とは」と聞かれた際の答え方をパターン別で6つ紹介します。また、回答する際に避けたい注意点4つや必要な心構え3つをキャリアアドバイザーが解説しているので、対策の参考にしてください。
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OK例文①社会貢献
私は「医療で地域社会に貢献すること」が仕事だと考えています。もともと人と接するのが好きな性格でした。5年前に祖母が闘病したときの経験から、医療関係で働きたいという思いが強くなりました。
厳しい治療のなかでも、祖母だけでなく家族の心も支えてくれました。そのなかで「人の心に寄り添って働く」大切さを深く実感したのです。この経験があって、「ソーシャルワーカーとして地域連携医療部門で働きたい」と思うようになりました。
地域の高齢者や障害のある人の話を丁寧に聞いて、気持ちよく診察を受けられる雰囲気を作りたいです。御院の「友愛の精神をもって最善の医療を提供」という理念に共感したため、志望いたします。

キャリアアドバイザー
「医療で地域社会に貢献すること」を仕事だと考える理由を、実体験に基づいて具体的にアピールできています。自分が大切にしている価値観を、業務でどのように仕事に活かしたいかまで言及できていて良い例文ですね。
※自己PRが思いつかない人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
「自己PR作成ツール」を試してみる
病院への就職を志望している人は、以下の記事も参考に選考対策を進めておきましょう。
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病院の仕事は幅広い患者と接するため、面接でコミュニケーション能力や対応力を確認しています。もちろん回答する内容も重要であるため、志望先の理解も必須ですよ。キャリアアドバイザーが調べ方から志望動機の作り方まで徹底解説します。
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OK例文②自己成長
私は「自分の成長を会社の成長につなげること」が仕事だと考えています。大学1年生のときから飲食業でのアルバイトを続けており、コミュニケーション能力が身に付きました。この能力だけでなく、お客様への提案力も高めたいと思っています。
自分だけでなく、チーム全体のスキルを高めて売上を伸ばすのが夢です。アルバイトでも失敗を経験しましたが、仲間とフォローし合って乗り越え、自分と仲間が一緒に成長できました。
部署を超えてチームワークを大切にする御社の考え方と、失敗を恐れずに挑戦するという御社の行動規範に感銘して、営業職を志望いたしました。

キャリアアドバイザー
大切にしている価値観と、企業の考え方が一致していることをアピールできていますね。アルバイト経験は深掘りされる可能性があるため、どのような出来事から価値観が形成されたか話せるよう準備しておきましょう。
※自己PRが思いつかない人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
「自己PR作成ツール」を試してみる
面接での深掘り対策は、以下の記事で解説しています。
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OK例文③人とのつながり
私は「人とのつながりを大切にすること」が仕事だと考えています。高校時代から6年間スーパーマーケットでのアルバイトを続けています。
スーパーはいつもお客様で賑わっていますが一方で、レジの待ち時間に関するクレームも頻発した時期もあり、そのために退職するアルバイトが多いという課題を抱えていました。
そこで、周りと積極的にコミュニケーションを取り、お客様への接客方法を工夫するようにしたところ、徐々にレジ周りの雰囲気が変わり、お客様から励ましの言葉もいただけるようになったのです。
御社の仕事でも、お客様や協力会社の心をつかむ対応をしたいです。多様な人材が活躍し、チャレンジを歓迎する御社の一員として貢献していきたいです。

キャリアアドバイザー
周囲との円滑なコミュニケーションだけでなく、クレームを減らすために自ら行動した積極性や主体性もアピールできていますね。どのように周囲とコミュニケーションを取っていたのかまで説明できると、さらに納得感のあるアピールができますよ。
※自己PRが思いつかない人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
「自己PR作成ツール」を試してみる
OK例文④創造性
私は「創造性をもって取り組むこと」が仕事だと考えています。
小学生の頃からプログラミングに興味があり、勉強を進めるにつれて「ITの力で社会を便利にしたい」と考えるようになりました。
一方、操作が難しいアプリがあったり、祖父母などITの恩恵を受けられていない人がいることに気付き「誰でも使いやすいアプリの開発をしたい」と思うようになりました。そのために創造性は欠かせないと思っています。
アプリ開発にはスピード感と創造性が求められるため、ベンチャー企業で個人の裁量が大きい御社を志望いたします。

キャリアアドバイザー
アピールした価値観を大切にするようになったきっかけを、具体的なエピソードを踏まえて説明できているのが良いですね。ありきたりな価値観という印象がなくなり、あなただからこそ伝えられる魅力的な内容になっています。
物を作る仕事を志望している人はこちらの記事も参考にしてみましょう。25種類の職種の特徴や自分に合う物を作る仕事を見つけるための分析方法についても紹介していますよ。
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職種25選|物を作る仕事を目指すなら「作りたい」の言語化が必須!
「物を作る仕事がしたい」と思ったときに、物を作る仕事には具体的にどのような仕事があるのか、どうすれば希望の物を作る仕事に就くことができるのかが知りたい人も多いですよね。この記事では、キャリアアドバイザーが物を作る仕事の種類とそれぞれの特徴、希望の仕事に就くためのポイントについて解説します。
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※自己PRが思いつかない人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
「自己PR作成ツール」を試してみる
NG例付きで解説! 価値観の回答で避けておきたい注意点
価値観は人それぞれでありそれは否定されるものではありませんが、それを受け取る採用側も人なので、回答によって「自社には合わないな」と思われる可能性があります。
選考突破を最大の目標として選考対策を進める以上は、価値観についての答え方における避けるべき注意点の理解も欠かせませんよ。

キャリアアドバイザー
ここで紹介する価値観の回答で避けておきたい注意点を理解しておきましょう。
NG例文①個性がない
価値観はそもそもその人の人となりを図る目的で聞いているわけなので、就活本や就活サイトを参考に丸暗記したような受け答えだと、企業への熱意が感じられず、面接担当者の印象には残りません。
以下のようなNG例文のような受け答えにならないよう、あなたならではの具体的なエピソードを入れて質問に答えられるようにしておきましょう。
私は「医療で地域社会に貢献すること」が仕事だと考えています。医療は人々の健康を守る役割で、医師や看護師などが日夜患者さんの対応に携わっている姿を見て、私も看護師になりたいと思い国家試験を受けて合格しました。
私の家から近く夜勤にも対応できるので、定年まで働ける御院を選ばせていただきました。患者さんに寄り添いながら地域の人に親しまれる看護師として活躍したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

キャリアアドバイザー
「家から近い」という理由は熱意が伝わりません。ありきたりな価値観にならないように「なぜその価値観を大切にしているのか」を深掘りして、面接官の心に響く回答を考えましょう。
医療業界を志望している人は、以下の記事を読んで熱意の伝え方を理解しておくと良いですよ。
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医療業界への内定に導く志望動機の書き方|文系でも高評価を得るコツ
医療業界の志望動機を作成する際には、まずは医療業界を詳しく知ってから書き始めましょう。今回は医療業界に属する企業と仕事内容を押さえ、志望動機作成のコツをキャリアアドバイザーが解説します。職種別の例文も紹介しているので是非参考にしてください。
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NG例文②安定や金銭面を押し出しすぎる
長く働き続けられるかどうかや、希望の収入を得られるかを自分なりの就活軸として提示することは重要なことですが、それをESや面接で強調しすぎるのは考えものです。
「自社がベストマッチというわけではないかも」「就職意欲はあまりないのかも」という印象が面接担当者に残ってしまうかもしれません。
私は、「長く働いて収入を安定させること」が仕事だと考えています。新商品の開発や販売促進に努力する自信はあります。高校1年生から野球部に所属し、大学でも野球サークルなので体力と根性には自信があります。
アグレッシブに努力し続け、御社の商品をトップシェアにしてみせます。正社員で働ける御社でどんどん仕事を覚えて、3年後には年収1,000万プレイヤーを目指したいです。

キャリアアドバイザー
入社後に対するやる気は伝わりますが、これでは金銭や雇用の安定性があればどの企業でも構わないような印象をもたれる可能性があります。企業理念などを見直してみて、企業の求める価値観をもう一度考えてみましょう。
安定志向の人は、以下の記事も参考に選考対策をしておくのがおすすめです。
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安定志向を就活で伝えて良いのか不安に感じる人も多い こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。就活をおこなう学生からこのような質問をされることがあります。 「安定志向で就活を進めるのはダメなのだろうか」「安定志向で仕事 […]
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価値観についてよくある質問に回答!
価値観について面接官はどのように質問してくるのか不安な人もいますよね。ここでは、そのような疑問や悩みをもつ学生からの質問に、キャリアアドバイザーが回答していくのでぜひ参考にしてください。
ね。
選考で聞かれる価値観に関する質問にはどのような例がありますか?
価値観の質問は大きく2つに分けられます。まず「職業観」の質問です。たとえば「企業選びの軸は」「仕事をするうえで大切にしたいことは」などの質問は、応募者の仕事に対しての価値観を知る目的があります。
また「人生観」についての質問もあり、「これまでの人生で感動したことは」といった質問からは、応募者が何に価値を置き、何が重要であるかを見極めています。これらの質問の回答が企業の文化や社風と一致していれば高評価を得られるでしょう。
価値観に関して質問されたときの正しい答え方の例を教えてください。
価値観を伝えるときは、経験談をもとに話すことをおすすめします。たとえば「仕事で大切にしたいことは何か」と聞かれたときに、「チームワークを大切にしています」とだけ答えては魅力が伝わりません。
「飲食業のアルバイトで、チーム全体が協力して働いた経験から、お客様に効率的にサービスを提供する魅力を実感したためです」と具体的にアピールしたほうが価値観が伝わります。
具体性のある価値観ほど、説得力が増し、面接官に納得してもらいやすくなりますよ。
価値観の例をベースに自分だけの価値観を見つけてキャリア指針にしよう!
「大切にしている価値観は何ですか」と質問される理由は、企業が価値観をとおして学生と目指す方向性が一緒か知りたい、社風や価値観に合うか知りたいためです。
価値観の言語化ができていれば、企業研究がスムーズにできたり、入社後のキャリアを考えるときの指針になったりするメリットもあります。
この記事で解説した内容を実践すれば、自信をもってアピールできる価値観が見つかり、次の面接で良い結果が出せますよ。自分だけの価値観を見つけて、人生やキャリアの指針にしながら就活を進めていきましょう。
キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!働くうえで定期的に価値観を見つめ直すことも大切
価値観のアップデートは仕事のやる気にもつながる
実際に就職すると、日々忙しい環境で繰り返し業務をこなしていくなかで、就活の際に明確になった価値観や将来像は忘れがちになってしまいます。そのような状況が続くと、働く意味がわからなくなったり仕事のやりがいを失うことにつながりかねません。
また、働いていると今まで出会わなかったタイプの人と仕事をする機会も多いため、価値観自体が変化することも多いです。価値観や考え方が変わったと思うタイミング、もしくはやりがいもなく何となく働いていると感じたタイミングで、改めて自己分析をするのも良いですね。改めて自分が大切にする価値観を認識し、それが現職で叶えられると再確認できたらやる気につながりますし、どうしても現職では叶えることが難しいと感じたら転職も一つの手です。
一番避けたいのは、やりがいもなく違和感を感じながら仕事をこなすことです。仕事は人生に大きく影響しますので、常に価値観や考え方をアップデートすべきということを頭の片隅に置いておいておきましょう。だからこそ、今のうちに自分の価値観を明らかにしておくことは重要とも言えます。
【就活】価値観の伝え方とは?ポイントと例も合わせて紹介!
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キャリアアドバイザーは実際にこうアドバイスしています!「価値観」について答えるときのポイント
キャリアアドバイザー
加藤 大智
プロフィールをみるあまり難しく考え過ぎずに自分の思いを率直に伝えるのがベスト
面接では「価値観は何ですか」とストレートに聞かれることはあまりないかもしれませんが、たとえば、「就活の軸は?」など別の言葉で聞かれるケースはあります。
絶対に内定が欲しいというのであれば、ある程度企業が求める人物像に寄せていく必要はあるかもしれません。しかし、これは入社後のミスマッチや早期離職につながってしまうリスクもあるため、基本的には自分の思っていることを正直に伝えるほうが良いですよ。
そうして自分の価値観を正直に伝えることで、企業との相性を確認し、入社後に長く活躍できる可能性を高めることができます。長い目で見ればこの選択を取るほうが圧倒的にメリットがあるといえますよ。