銀行は将来なくなる? 動向や将来性をキャリアアドバイザーが解説!

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変化する業務も知っておこう 銀行が将来なくなる可能性が低い理由は〇〇

目次

  1. 銀行が将来なくなる可能性は? 現状を知って今就職すべきか見極めよう! 
  2. 銀行は将来かなり数が少なくなる可能性が高い! 考えられる2つの理由
  3. ①AIの台頭により人がいなくてもできる業務が増えたから
  4. ②実際に人員削減に乗り出す企業が増えているから
  5. 銀行がゼロになるとは限らない! 需要があるといえる理由
  6. 社会インフラとして安定的なニーズがあるため
  7. AIには代替されにくい業務があるため
  8. キャリアアドバイザーが解説! 今銀行に就職すべき? 
  9. 銀行が将来完全になくなる可能性は低い! 現状を正しく理解して就活に活かそう

銀行が将来なくなる可能性は? 現状を知って今就職すべきか見極めよう! 

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。銀行業界への就職を考えているものの、将来性について不安に思っている学生から、よくこのような相談を受けます。

「銀行って将来なくなるのでしょうか?」
「今就職したら将来後悔しますか?」

銀行業界では近年大量の人員削減が話題になるなど、就職しても大丈夫なのか心配になるニュースが多いため、不安に思う学生からの相談が増えています。その際に前提としてお伝えしているのは、銀行というビジネス形態そのものが現在変革の時期を迎えているということです。

そこで、今回は銀行の将来性について詳しく解説します。これから就活を進めるうえで銀行業界を選択肢に入れるかどうか判断する一つの材料にしてくださいね。

銀行は将来かなり数が少なくなる可能性が高い! 考えられる2つの理由

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就活生

就職するなら銀行が良いかと思っていたのですが、将来性がないという話を聞きました。本当ですか? 

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キャリアアドバイザー

一概に将来性がないとは言えませんが、今後銀行の数自体が少なくなるとはいわれていますね。

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就活生

銀行はなくてはならないものなのに、なくなるなんてことはあるのですか? 

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キャリアアドバイザー

実は銀行はAI(人工知能)の台頭によって大きな影響を受けているのです。ここで詳しく解説しますね。

現在、銀行は私たちの生活になくてはならないもの。にもかかわらず、埼玉大学が銀行の店舗の減少数について調べた「銀行業の国内有人店舗の存続・廃店の状況と影響要因: 1992~2023年」によると、この約30年で銀行は42%減少しており、将来的にもますます数が少なくなるといわれています。

ここからは、なぜ銀行が将来なくなるといわれているのか、現在はどのような状況に置かれているのかを詳しく解説していきます。

①AIの台頭により人がいなくてもできる業務が増えたから

近年AIが銀行業務の一部を代替し始めたことで、人手を必要としない業務が増えました。その結果、銀行員の数が減少して閉店する店舗が増えています。

実際、以下のような繰り返しが多い業務や、膨大な量のデータを参照して情報をまとめる業務はAIの得意分野であるため、すでに人間ではなくAIが対応し始めていますよ。

AIに代替され始めている業務の例
  • 問い合わせ対応:AIを活用したチャットボットで自動化する
  • 書類手続き・データ処理:文字読み取り機能を搭載したAIツールで自動化する
  • 与信の一次判断:顧客の収入や取引履歴などのデータからAIでスコアリングする

ここからさらに詳しくAIの台頭が影響している側面について解説していくので、しっかりと目を通して現状を把握しておきましょう。

AIによって業務が効率化されることで、銀行の将来性が不安になり「銀行はやめとけ」と言われているのかもしれません。以下の記事で、「銀行はやめとけ」と言われる理由を解説しているので参考にしてみてください。

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「銀行はやめとけ」と言われる6つの理由|向いている人の特徴も解説

銀行以外の企業がFinTechを活用した金融サービス事業に参画した

2010年代から銀行以外の一般企業が金融サービス事業を始め、金融サービスとテクノロジー技術を組み合わせた「FinTech」が台頭しました。

FinTechのサービスでできること
  • 預貯金の管理
  • 振込・送金
  • 口座開設

FinTechのサービスによって銀行に行かなくともできることが増え、それが銀行の店舗の減少につながっています。

今後もAIなどを活用したオンライン対応が中心になると予想されている

今後はオンライン対応が中心の銀行が増え、店舗そのものが必要なくなる可能性があります。

オンライン対応が今後も増える理由
  • 店舗に足を運ばなくても手続きができ、ユーザーにとって利便性が高いため
  • 顧客のデータ収集がしやすくなり、次の金融ビジネスに活かせるため
  • 人件費の削減につながり企業が利益を生み出しやすくなるため

実際に「ネット銀行」や「インターネットバンキング」と呼ばれる、口座開設から送金・ローン申請までオンラインで完結できる銀行が増えており、かなり多くの人がネット銀行を利用し始めています。

実際にネット銀行の利用実態について調査したマイボイスコムの「インターネットバンキングの利用に関するアンケート調査(第25回)」によると、回答者の約7割が「現在インターネットバンキングを利用している」と回答しています。

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キャリアアドバイザー

この流れは銀行業界に限った話ではありません。保険や証券など金融にかかわるさまざまな業界において共通している流れで、金融全体のビジネス構造が変化しつつあるといえます。

ほかの業界でも、AIによってなくなる仕事が出始めています。詳しくは以下の記事で解説しているのであわせてチェックしてみてくださいね。

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ビッグデータを活用した金融サービスの開発が増える傾向にある

今後の銀行業界の動きとしては、AI・オンライン化に加えて「ビッグデータを活用した金融サービスの開発」も予想されています。

ビッグデータとは
  • データ量が大きく内容も幅広い、膨大なデータのこと。銀行業界に関しては、顧客の取引履歴や世界の株価データなどが当てはまる。AIはビッグデータを分析して、集めた情報の傾向やパターンを見つけることができる

オンラインバンキング、キャッシュレス決済などデジタル金融サービスを利用する人も増えているため、銀行は今顧客データを集めやすい状況にあります。この状況がオンラインへの移行をさらに加速させており、ますます実店舗の銀行が少なくなっていますよ。

ビッグデータを活用した金融サービスの例
  • 普段と異なる取引パターンが発生したときの不正利用探知
  • ライフステージの変化に合わせた金融サービスの提案

キャリアアドバイザーから就活に悩むあなたへ銀行は将来が不安? 志望すべきか悩んでいる学生へのアドバイス

吉川 智也

キャリアアドバイザー

吉川 智也

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キャリア選択を後悔しないためにも志望理由を深掘りしよう

銀行業界のように将来性を危ぶまれている業界に進んでしまうと、キャリア選択を後悔することになるかもしれないと悩んでいる人も多いと思います。そこで今回お伝えしたいのが、キャリア選択を後悔しないために最も重要なことは「自分がその業界で働きたいと思う明確な理由があるか」であるということです。

「この業界の○○な部分に魅力を感じる」「この業界で○○を達成したい」など、その業界で働きたい具体的な動機や目的意識があるなら、その気持ちに従って挑戦することをおすすめします。

自分一人の力で業界全体の流れを変えるのは難しいですが、そこで働きたいという強い意志があるのなら挑戦する価値があると思います。あとになって後悔しないためにも、なぜそこを志望するのかについて改めて深く考えてみましょう。

②実際に人員削減に乗り出す企業が増えているから

将来的に銀行の数が減ると予想されているもう一つの理由は、人員削減に乗り出す企業が増えていること。銀行が減るのは遠い未来の話ではなく、現在進行形の変化なのです。

企業の人員削減の方法
  • 店舗の数を減らす
  • 新卒採用の枠を減らす
  • AI導入を加速させる

特にメガバンクは数千人規模の人員削減に乗り出していて、地方銀行や中小銀行でも合併や再編が進んでいます。具体的にどのような影響が出ているのかは、この先でより詳しく解説しますよ。

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キャリアアドバイザー

近年は経営強化のために新卒採用よりも中途採用に注力する企業もあり、学生の就職難易度が上がっています。

メガバンクが数千人規模の人員削減に乗り出している

日本の3グループは、すでに数千人規模の人員削減に乗り出していたり、計画を立てていたりします。

メガバンクの人員削減の例
  • みずほフィナンシャルグループ:2017年からの10年間で1万9,000人を削減予定
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ:2017年度からの5年間で三菱UFJ銀行の8,000人程度を削減
  • 三井住友フィナンシャルグループ:2019年度からの3年間で7,000人程度削減

AIの導入や支店の削減などによって、非常に多くの銀行業務が減っていることがわかります。

地方銀行や中小銀行では合併や再編が進んでいる

地方では人口減少によって地域経済が縮小し続けていて、地方銀行の収益につながりにくい状況になっています。また、低金利・マイナス金利が長く続いていたことも、地方銀行や中小銀行が単独で十分な収益を挙げられない構造を作ってしまいました。

そこで地方銀行や中小銀行では現在、同じ地域で事業を展開する2社で合併や再編に踏み切る動きがあります。

地方銀行や中小銀行の経営統合・再編の例
  • 青森銀行とみちのく銀行:2025年1月に合併して「青森みちのく銀行」になった
  • 愛知銀行と中京銀行:2025年1月に合併して「あいち銀行」になった
  • 福井銀行と福邦銀行:2026年5月に合併予定
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キャリアアドバイザー

再編のタイミングで全体の支店数を減らす銀行もあり、銀行の数や銀行で働く人の数がますます減っているとわかります。

地方銀行に就職したいと考えている場合は、このことを押さえてどう入社後に自分が活躍したいかしっかりイメージし、志望動機でその意気込みをアピールする必要があります。詳しくは以下の記事で解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。

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銀行がゼロになるとは限らない! 需要があるといえる理由

銀行がゼロになるとは限らない! 需要があるといえる理由
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就活生

銀行は将来かなり少なくなってしまうのですね……。怖いので就職するのは辞めたほうが良いでしょうか。

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キャリアアドバイザー

そうとは言い切れません。たしかに減少傾向にはあるのですが、完全になくなるとは考えにくいです。これからの将来にも安定した需要がある業務がありますよ。

ここからは、銀行のデジタル化が進んでも一定の需要が残ると考えられる2つの理由を解説します。これから銀行でどのような人材や役割が求められるのか、理解を深めていきましょう。

社会インフラとして安定的なニーズがあるため

銀行は、社会のなかでお金が循環するように預金・融資・送金などの役割を担う「社会インフラ」の一つです。現在の社会は銀行を中心とした金融の仕組みが出来上がっているため、個人からも一般の企業からも安定的なニーズがあります。

確かにこれまで解説したようにさまざまな民間企業がデジタル金融サービス事業に参画していたり、AIの導入が急速に進んでいたりするため、実店舗での金融サービス提供については縮小する流れがあります。

しかし、それでも銀行がはたしてきた社会インフラの機能が将来的に完全になくなるとはあまり考えられません

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キャリアアドバイザー

社会インフラとしての機能に深くかかわりたいなら「法人営業」や「ITシステムの運用・保守」などの職種がおすすめです。

AIには代替されにくい業務があるため

銀行業務のなかにはAIが代替できないものがあることも、銀行が完全にはなくならないといえる理由の一つです。

特に以下のような人間同士の信頼関係によって成り立っている仕事は、今後もAIには代替されない可能性が高いですよ。

AIに代替されにくい業務の例
  • 法人営業
  • 資産運用のアドバイス
  • 事業再生・継承支援 など

たとえば事業再生のケースを考えてみます。もし自分が事業主だったら、AIがどんなに優れた事業再生案を出したとしても、AIが一緒に手足を動かして協力してくれるわけではないので、提案をそのまま受け入れる気にはあまりならないですよね。

そのため事業再生業務において、顧客に「この銀行の担当者と一緒に頑張りたい」と思ってもらえるような信頼関係を築ける人は、銀行でも長くキャリアを積むことができます

以下の記事では、銀行員を目指すうえで就活の進め方や気を付けるべきことなどを解説しています。ぜひあわせてチェックしてくださいね。

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キャリアアドバイザーが解説! 今銀行に就職すべき? 

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そこで、ずばり今銀行に就職しても大丈夫なのか、キャリアアドバイザーとしての意見をもとに解説します

キャリアアドバイザーが読み解く!銀行業界への就職はやめたほうが良い? 

成瀬 遼

キャリアアドバイザー

成瀬 遼

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あきらめる必要はないが他業界にも視野を広げるべき

結論から言うと、銀行への就職をあきらめる必要はないと思います。あなたに銀行で働きたい明確な動機があるのならその気持ちを大切にして挑戦するべきでしょう。

ただ銀行のみに業界を絞って就活をすることはおすすめしません。これは銀行に限った話ではありませんが、不安を抱えているのにもかかわらずその業界のみに絞って就活をしてしまうと、仮に内定を獲得して入社しても「やっぱり他の業界の方が良かったかも……」などと漠然とした後悔を感じながら働くことにもなりかねないためです。

ほかの業界の内定も同時に持っていれば、さまざまな要素を比較したうえで最終的な意思決定ができるので、後悔を抱きづらくなりますよ。

銀行が将来完全になくなる可能性は低い! 現状を正しく理解して就活に活かそう

この記事では、銀行の数は将来大幅に減るものの完全になくなる可能性は低いと解説しました。社会インフラとしての機能や人間同士の信頼が重要な業務は、AIに代替できる業務が増えたとしても残ると考えられていますよ。

しかし大量の人員削減がおこなわれていたり、会社同士の統合が進められているのも事実。これから新卒で就職を目指す場合は、このことを頭に入れてどのような仕事をしたいのか、どのようなキャリアを歩みたいのかをしっかりと考え、ベストな就職先を見つけましょう。

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