目次
- 「思いやりがあります」だけでは自己PRとして不十分
- 思いやりのアピールをするとどんな印象を持たれる?
- ①集団行動に適している
- ②相手の立場に立って物事を考えられる
- ③細かいところまで気配りができる
- ④仕事に全力で励んでくれる
- 思いやりがマイナスの評価になるケースを押さえよう
- 志望する企業や職種で優先度が低い
- 思いやりのプラスポイントを強調できない
- 自己PRを思いやりにする際に必要な準備
- 自分なりの思いやりの種類を定義する
- 自分のエピソードを考える
- 企業の求めるスキルを把握する
- 伝わる構成を心掛ける
- 自己PRの基本の構成
- 結論
- エピソード
- 締め
- 思いやりの自己PR例文
- 例文①部活動で周囲のサポートをした経験
- 例文②部活動で相手を思って行動した経験
- 例文③アルバイトで実際に周りのために行動した経験
- 例文④アルバイトで人の立場になって考えた経験
- 例文⑤ボランティアで感謝を述べられた経験
- 自己PR以外からも思いやりに信憑性をつけよう
- ES:読む相手がいることを意識しよう
- 面接:細かな動作を丁寧に
- 「思いやり」を深掘りして印象的なアピールをしよう
「思いやりがあります」だけでは自己PRとして不十分
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。自己PRを考えている学生から
「自己PRで思いやりをアピールするのはありきたりすぎますか?」
「どのようにアピールすると効果的でしょうか」
などという相談を受けます。思いやりは誰もが持つべきものではあるので、アピール材料になるのかと心配になる学生も多いかもしれません。しかし、自己PRで魅力的に伝えることができれば、思いやりも立派な自分の強みになります。
この記事では思いやりをアピールして企業が持つ印象や自己PRを作るときのコツを紹介します。最後には例文も用意しているので、自分ならどのようにアピールするか考えながら読んでみてくださいね。
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思いやりのアピールをするとどんな印象を持たれる?
就活生
キャリアアドバイザー
はい、思いやりは自分の立派な強みになりますよ。まずは思いやりをアピールすることで、企業がどのような印象を持つか見てみましょう。
思いやりとは、相手の立場になって物事を考えられたり、さりげなく気配りができたりすることです。ありきたりだと考える人もいるかもしれませんが、社会人として思いやりは大切なスキルです。
まずは思いやりをアピールすることで企業が持つ印象を知りましょう。
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①集団行動に適している
会社という組織はさまざまな人が集まって成り立っています。そのような集団の中で、自分のことだけを考えていては仕事がスムーズに進みません。他人を思いやる意識を持ち、周囲に気を配りながら行動することが必要です。
思いやりがある人は周りを気にしながら行動できるため、集団行動に適していると捉えられて、会社でも周りと調和しながら働いてくれるだろうと思われやすいです。特にチームワークを重要視する企業では必須のスキルと言えるでしょう。
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チームワークや集団行動を重視する仕事はさまざまなものがありますが、代表的なものに広告代理店の営業が挙げられます。
広告代理店での仕事は、プロジェクトごとにチームとして動き、各部署の担当者と協力し企画をつくって広告主に提案します。営業は、各部署の担当者を取りまとめながらスケジュールを調整したり進行管理をおこなうため、チームリーダーの役割を担います。もちろん営業以外の職種もチームで1つのものをつくりあげるという点で、協調性が重視されます。
IT業界もチームワークが評価される
ほかにも、IT業界でもチームワークが評価される傾向にあります。エンジニアはPCに向かって黙々と作業を進めるイメージが強いかもしれませんが、エンジニアが最初から最後まで1人で開発することはあり得ません。基本的にはプロジェクトごとにチームで取り組みながら、メンバー同士でフォローしあうことが求められます。チームで動いた経験がある人には向いている仕事ともいえるでしょう。
このようにチームワークが重視される仕事は多いですが、共通しているのはチームで1つのプロジェクトに取り組んだり、チームで同じ目標を目指すといった点です。そのような企業や仕事においては、思いやりは非常に刺さるアピールになりますよ。
②相手の立場に立って物事を考えられる
思いやりを持っている人は、相手の求めることを求められるより前にすることができます。つまり、相手の立場に立って物事を考えられているということ。言い換えれば、客観的な視野を持って動くことに長けているということです。
客観的な視野を持つことは仕事においても大切なスキルです。たとえば顧客に対して何か提案をするときは、その顧客がすでに持っているものを提案しても買ってもらうことはできませんよね。
困っていることや改善すべき点を推察して提案する必要があります。相手の立場まで降りて、顧客視点で物事を考えることが大切です。
③細かいところまで気配りができる
思いやりがある人は客観的な視野を持っているだけでなく、視野が広いため些細なところにも気が回る人が多いです。困っている人をよく見つけることができるうえに、その人に対して何をすればいいのかをすぐに判断できる気遣いも備えています。
このような細かな気配りは、さまざまな人とかかわり協力し合って仕事をおこなうためには欠かせないスキルです。また、社内外問わず良好な人間関係を築くことにも活きてきます。
④仕事に全力で励んでくれる
思いやりがある人は、自分よりも誰かのためにと考える自己犠牲の精神が強いことが多いです。それは企業においても同じことが考えられ、会社のためにと全力で仕事に励む姿が想像できます。
採用した人材には自社で長く働いてほしい、愛社精神を持ってほしいと考える企業もよくあります。また、自社が危機に陥った場合にも会社を支えるために尽力してくれるだろうと考えることもできます。思いやりをアピールすることで、仕事に全力で取り組み会社に尽くすことをアピールできるのです。
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思いやりがある人は「先を読んで行動ができる」という印象も抱かれやすいです。
先ほどお伝えした「細かいところまで気配りができる」点とかかわりますが、思いやりがある人は相手が喜んでくれることを率先して取り組もうという意欲が高く、クライアントや社内のチームメンバーのために積極的に行動を起こす人が多いです。
たとえば営業として成果を出す人の特徴の1つに、顧客に言われたことをこなすだけではなく「顧客が他に必要としているものはないか」と一歩踏み込んだ提案をできることが挙げられます。これは顧客が潜在的に求めているものを汲み取る力が必要になるため、誰でもできることではありません。
企業や面接官が感じる印象はさまざま
社内においても、上司が依頼しようと思っていた仕事を先回りして取り組んだり、チーム内で後々問題が発生しそうなことを先回りして解決していれば、周りからの信頼も厚くなるでしょう。
「思いやり」という強みで企業や面接官が感じる印象はさまざまです。具体的に相手にどのようなイメージを持ってほしいか想定したうえでアピールができると良いですね。
思いやりがマイナスの評価になるケースを押さえよう
ここまで思いやりをアピールした際に企業が持つ印象についてお伝えしましたが、思いやりは自己PRとしてプラスに作用するだけではなく企業や職種によっては逆にマイナスの評価につながってしまうこともあります。思いやりを強みとしてアピールできるよう、事前にマイナスの評価になるケースを押さえておきましょう。
志望する企業や職種で優先度が低い
思いやりは企業で働く上で大切なスキルではありますが、企業や職種によっては優先度が低い場合があります。
たとえば、ノルマが大きく競争が激しい営業職においては、思いやりよりもポジティブさや忍耐力、行動力が重視されるでしょう。そこで思いやりのアピールをしたとしても、競争力がなく周りに圧倒されてしまいすぐに辞めてしまわないかと思われる可能性があります。
同じように、個人主義・実力主義の企業においても思いやりのスキルはそれほど重要視されていない傾向にあります。思いやりが強みとして光るのは周りとのかかわりが多いときです。あらかじめ志望する企業について調べておき、求められる人物像からアピールするべき強みを想像しておきましょう。
- 実力主義
- チャレンジ精神
- スピード感
思いやりのプラスポイントを強調できない
「思いやりとは何か」をしっかりと捉えきれていなければ、流されやすい気弱な性格などとマイナスな印象に受け取られてしまうこともあります。
たとえば「部活で忙しい友人に頼まれたから代わりに提出予定の課題をやってあげる」というのは思いやりでしょうか。困っている友人を助けたい気持ちはわかりますが、その行動では正しい意味で友人の助けにはなっていませんよね。
相手の都合通りに動くことと相手に思いやりの気持ちを持って接することはまったく違うので、その線引きをきちんとおこなっておきましょう。思いやりはあくまでも相手を慮って自ら動くことです。そして本当に思いやりがある人はときには厳しい態度を見せることもあります。アピールする際は、そのようなエピソードも一緒に盛り込めると良いでしょう。
- 気弱
- 流されやすい
- 自分の意思が感じられない
- リーダーシップがない
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思いやりがあることは、エピソード次第では当たり前のことと思われる場合もあります。
たとえば「電車でご年配や妊婦の方が目の前に立ったら席を譲る」「早朝や深夜には電話やメールは送らないようにしている」といった一般的に常識とされる内容では、面接におけるアピールとしては成立しません。必ずしも目を引くようなエピソードである必要はありませんが、一般的に「できて当然」と思われるようなことをアピールするのは避けましょう。
自己満足でないかも確認しよう
ほかにも、思いやりが自己満足な内容になっている場合もマイナスな印象を与えてしまいます。たとえば「学校を休んだ友人に、ノートを代理でとった」という行動は一見心優しいものに見えます。しかし、もしその友人がそもそも代筆を頼んでいなかったり、他の友人にノートを見せてもらい自分でノートを取りたかった場合、先程の行動はきっと相手を困らせてしまっていますよね。思いやりは成立していません。
自分では自己満足であるという自覚がない場合も多いですが、客観的に見ると「思いやりではなくおせっかいでは」と思われる可能性もあるので注意が必要です。
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自己PRを思いやりにする際に必要な準備
ただ「私の強みは思いやりがあることです」とアピールしても企業には刺さりません。思いやりを魅力的にアピールするために、まずは必要な準備を整えましょう。
自分なりの思いやりの種類を定義する
一口に「思いやり」とは言っても、人によってその捉え方はさまざまです。たとえば「相手に喜んでもらえる行動が思いやり」と考える人もいれば「相手が成長するような言動が思いやり」と考える人もいます。まずは自分が考える思いやりを考え、定義付けておきましょう。そうすることで論理的な回答を作ることができますよ。
- 相手に感謝されるような言動
- 相手が成長できるような言動
- 周りが過ごしやすい環境を作る言動
自分なりの思いやりを定義するためには自己分析をしっかりやりこんでおくことが欠かせません。こちらの記事ではさまざまな自己分析の方法を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
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自分のエピソードを考える
「思いやりがあります」と伝えるからには、それを立証するエピソードも欠かせません。「思いやりがある」と言うのは誰でもできますが、思いやりが本当にあるという人は必ずそれを発揮したエピソードがあるからです。
エピソードを思い起こすときは、思いやりが生まれた経験をヒントにして考えてみると良いでしょう。
①主体的に行動した経験
思いやりとは自分から相手の立場に立って考え、自分から行動を起こすことで生まれます。つまり、思いやりは主体的なものであるとも捉えられますね。誰かのために自分から動いたことはなかったか考えてみましょう。
たとえば、電車に乗ってきた老人に席を譲ってあげた、ショッピングセンターで泣いていた子どもに声をかけたなどが考えられますね。誰かに何かをしてあげただけが思いやりではありません。相手の状況などを踏まえて、時には厳しい態度に出ることも立派な思いやりですよ。
- 大学で自習後、次の人が自習室で過ごしやすいように換気や軽い掃除をおこなうなど環境を整えた
- 部活の後輩が結果が出ずつらそうにしていたが、自分で試行錯誤することも必要だと考えてあえて見守る行動に出た
- お客様からのクレームを受けた友人がイライラしていたので話を聞いた
②集団で過ごした経験
思いやりは集団行動の中でもよく生まれます。思いやりが人のことを考えた行動である以上、多くの人とかかわる場面では大切になるものです。
また、企業という集団の中で働くううえでは、集団の中で思いやりが発揮されたというエピソードは強いアピールになるでしょう。
- 相手の立場に立って争いが起こらないよう過ごした
- 部活では主将としてチームのためを思って怒鳴ることもあった
- ゼミのグループワークでは人の意見を否定ばかりせずにまずは賛同を述べるようにしていた
③他者を動かした経験
思いやりとは主観的な強みではありません。他人からの感謝や評価があってこその思いやりであると言えます。自分一人が「相手のためになることをした」と考えていても、相手にしてみれば実はまったく役立っていなかったとなればそれは思いやりであるとは言えないものです。
そのため、エピソードを考えるときは「相手から感謝をされた経験」について考えてみても良いでしょう。
- 重そうな荷物を半分持ってあげたらありがとうと言われた
- 自分のやったことで人に感謝されることが多かった
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思いやりといっても、企業や仕事内容によって評価するポイントは異なるため、自分が受ける企業に合わせてアピールする経験の種類を選ぶ必要があります。
たとえば、主体的に行動した経験は事務や総務などバックオフィス系の職種で特に評価されるでしょう。周囲が働きやすいように自ら率先して動くことができるのは、同僚をサポートすることを求められる仕事でダイレクトに活かすことができるためです。
集団で活かした経験は、プロジェクトごとにチームを組んで周りを引っ張る営業や、チームでの協調性が求められるIT業界がぴったりです。相手から感謝をされた経験は、飲食業界、アパレル業界などの販売職、介護職で評価されやすいです。日々多くの人と接し、顧客の「ありがとう」があってこそ成り立つ仕事だからこそ、相手の視点に立って動いた結果感謝されたエピソードが適しています。
このように、自分が受ける企業や職種によって好印象を与えやすい経験が異なるため、業界研究や企業研究を進めたうえでアピールする経験を考えるようにしましょう。
企業の求めるスキルを把握する
先ほどお伝えした通り、企業や職種によっては思いやりがマイナスに響いてしまうこともあります。そのため、志望企業で思いやりが必要なのかを先に把握しておきましょう。事前にインターンシップやOB・OG訪問ができるならば、実際にその企業で働く社員や部署の空気感を知ることができますね。
実際の企業に足を運ぶことが難しければ企業の経営理念や企業が掲げるビジョンなどからも想像することができますよ。たとえば「すべての人にあたりまえのよろこびとしあわせを」という理念からは、周りの人への思いやりを大切にしている企業であることが想像できるでしょう。
キャリアアドバイザー
それぞれの企業で必要な思いやりも「仲間と調和するため」「周りの動きをサポートするため」などさまざまな役割が考えられます。その企業や仕事に合った思いやりの形も一緒に考えるようにしましょう。
伝わる構成を心掛ける
どんなに良いアピール内容ができたとしても、それがうまく相手に伝えられなければ刺さる自己PRにはなりません。企業に思いやりを強くアピールするために、「結論→エピソード→締め」のわかりやすい構成で話すことを心掛けましょう。
まず初めに結論から話すことで、伝えたい内容を相手にしっかりと理解してもらうことができます。その結論の根拠となるエピソードを次に述べてから、最後に締めの言葉を伝えましょう。
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自己PRの基本の構成
ここまでの説明を踏まえて、ここからは自己PRを実際に作ってみましょう。伝わる構成に則って、まずは思いやりを効果的にアピールできる構成を考えます。ここでの結論は自分の強みですから、まずは「思いやりがある」と伝えることから始めましょう。そのあとに、その強みを裏付けるエピソードを話します。
最後の締めでは、自分の採用メリットを理解してもらうためにその強みをどう活かして企業に貢献できるかを伝えましょう。それぞれで気を付ける部分やコツをさらに解説していきますね。
結論
「思いやり」は社会人において必ず必要になるスキルでもあるので、就活生がよくアピールするスキルの一つです。そのため、効果的に伝えるためには周りと差別化を図ることが欠かせません。ここでは、ただ「思いやりがあります」とアピールするのではなく、その思いやりを別の言葉に言い換えて伝えると良いでしょう。
言い換え方を考えるときは、先ほど定義した自分なりの思いやりを使いましょう。「思いやり」の捉え方は人それぞれなので、自分が考える思いやりを述べることは差別化につながります。また、自分がどういう人間なのかを企業に理解してもらいやすくもなりますね。
キャリアアドバイザー
企業は入社後に活躍できる人材を求めているものです。そのため、強みを言い換えるときは入社後の再現性を視点にして考えても良いでしょう。
エピソード
ここでは、先ほど準備したエピソードを用います。ただし、ここでそのエピソードについて改めて振り返ってみてほしい点が2つあります。思いやりとは人のためになってこそのもの。エピソードが誰から見ても思いやりだと感じられるものでなければ、逆に「思いやりがない人」「自己分析ができていない人」と捉えられてしまうことも。
独りよがりなエピソードになっていないか、ここで確認しておきましょう。
他者からの感想や評価があるか
その「思いやり」の行動が、他人の役に立っているか再度考えてみましょう。他人の望んでいることを推察することと、相手の気持ちを勝手に決めつけることは似ているようで大きく違います。相手が求めていないことを自分本位でおこなってはいなかったか今一度振り返ってみましょう。
思いやりとおせっかいは紙一重です。「別の行動のほうが助かった」「相手が少し困っていた」などの評価があれば、それは思いやりのエピソードではなくおせっかいのエピソードかもしれません。他者からの感想や評価はあなたが思いやりのある行動を取ったことを裏付ける一つの要素にもなり得ますよ。
当たり前な行動ではなかったか
そのエピソードの内容があまりにも一般的すぎることや社会人として当たり前のマナーではないかも振り返っておきましょう。思いやりとはあくまでゼロをプラスに変えたエピソードのことです。気付いて当然・やって当然のエピソードでは説得力は付きません。
自分のエピソードが当たり前なものか判断がつかない人は、周りの人に訊ねてみましょう。エピソードそのものをどう思うか聞いても良いですし「こういった言動はあなたなら嬉しいか」と聞いてみると良いですね。
締め
最後は、自分のその思いやりという強みを企業でどう活かせるかを伝えましょう。企業は自社に貢献してくれる人を求めています。そのため、自分の強みが何かを知らせるだけでなく、自分が入社した際にはどう企業に貢献できるかを述べるようにしましょう。
ここでのポイントは企業での再現性を示すことです。たとえば、事務の業務は会社や社員が円滑に業務を遂行できるようにサポートをおこなうことです。思いやりを活かして「些細なことにも気を配り、周りの人が働きやすい環境づくりをする」などと述べると良いでしょう。企業や職種の特徴を盛り込むことで、自分の将来像をイメージしやすくしましょう。
思いやりの自己PR例文
これまでの説明を踏まえて、ここからは自己PRで思いやりをアピールするときの例文を紹介していきます。エピソードを学生が使いやすい部活動・アルバイト・ボランティアを例にしているので、自分の経験に近い例文を見つけて参考にしてみてくださいね。
ほかにも、チームワークや協調性などの例文を確認したい人は、こちらの記事にまとめています!
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例文①部活動で周囲のサポートをした経験
私の強みは周囲の変化にもよく気付く思いやりがあるところです。学生時代は野球部のマネージャーをしていました。見た目ですぐわかるような怪我はもちろんですが、選手の動きが少し鈍くなっていたり、選手の表情から、すぐに怪我などに気付いて手当てをすることがよくありました。小さな不調にいち早く気付けたことでその後大けがになることを防げたこともあり、選手からも監督からも感謝を述べられたことがあります。
このような周りによく気付く強みを活かし、今後取引先と良い関係を築いていくことや、相手の求めていることを察知することで貴社に貢献していきたいと考えております。
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自分の思いやりをしっかり定義づけられており非常に良いですね。また、他者からの感謝もエピソードに含まれており思いやりという強みに説得力があります。
部活動の経験をアピールする方法はこちらの記事で解説してあります。
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自己PRで部活のエピソードを話すのは好印象? こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活で部活の経験をアピールする就活生は多いですよね。マイナビの2024年卒マイナビ企業新卒採用予定調査によると、採用担当者が選考時 […]
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例文②部活動で相手を思って行動した経験
私の強みは思いやりがあるところです。私は思いやりとは真に他人のためになる行為を選択できる強さだと考えています。学生時代はバスケ部で主将を務めておりました。後輩の一人で、うまく結果が残せずに一人で悩み、よく泣いている姿を目にすることがありました。
一緒に練習をしようと声をかけることもできましたが、私自身同じような状況を体験したこともあり、一人でこの困難を乗り越えてこそ成長につながると身をもって感じていたため、何も言わずに見守ることにしました。
その結果、彼女は壁を乗り越えて大きく成長し、同期や本人から、一人で考え乗り越える時間を与えてくれたおかげだと声をかけられました。この強みを生かして、自分も周りに頼るだけでなく一人で悩み考える時間を大切にして成長につなげるのはもちろんですが、周りの人たち一人一人を深く理解し、相手のためになるような行動をすることで、チームを大きく成長させていきたいと考えています。
キャリアアドバイザー
思いやりを「相手のために何かすること」ではなく「相手のために何もしないこと」と定義しているパターンです。独りよがりな決断ではなく、しっかりと周りからの評価も得ているところから一種の思いやりであると考えることができますね。
また、強みの活かし方も強みを派生させて答えており、印象的です。
例文③アルバイトで実際に周りのために行動した経験
私は人のためを思って行動ができる思いやりを持っていることが強みです。私は、学生時代に知り合いの経営している会社の事務としてアルバイトをしていました。その中で、社員の皆さんが会議や取引で使う資料を探すのに手間取っていることを多く目にしてきました。実際に私も、積んである資料の中から欲しい資料を探し出すのには非常に苦労しました。
そこで私は、資料を五十音順に並び替えて、それぞれのファイルにナンバリングラベルを貼ることでわかりやすく整理をおこないました。このような工夫に対し、社員の方からとても見やすくなったとお褒めの言葉をいただきました。貴社でも事務職として、周りの人が働きやすい環境づくりを目指してこの強みを活かしていきます。
キャリアアドバイザー
自分の強みやそのエピソードも詳しく伝えられており、非常にわかりやすい文章になっています。特に活かし方では募集職種についてしっかりと触れられており、入社後の姿もイメージしやすいですね。
アルバイト経験を魅力的にアピールするためにはこちらの記事を読んでみましょう。
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アルバイト経験は自己PRのテーマにおすすめです。「どのように考え行動したのか」を押さえれば効果的なアピールが可能になります。 この記事では、アルバイト経験を伝えるメリットや伝え方、例文をキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考にして魅力的な自己PRにしましょう!
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例文④アルバイトで人の立場になって考えた経験
私の強みはさまざまな相手の立場になって考えられる思いやりがあるところです。学生時代は居酒屋でアルバイトをしていました。特に繁忙期になると一部のお客様からクレームをつけられることもありましたが、相手の立場になって考えると、たしかに改善すべきところがあると感じたこともあり、その際は必ず店長に改善案を申し出るようにしていました。
また、クレームに対して同期がイライラしているようなそぶりを見つけたときは、営業終了後に必ず声をかけ、ストレス発散してもらえる機会を作っていました。
その結果、年に一度おこなわれる会社の感謝祭でその働きぶりを表彰してもらえました。この強みを活かして、良い組織を作るために、さまざまな立場で物事を考え、相手の求めることをできる限りかなえられるよう尽力します。
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顧客と同期の話をしていることから、さまざまな立場で物事を考えられるという強みに説得力がついています。また、この経験から考えたことはしっかりと実行に移す行動力のアピールにもつながりそうですね。
相手の立場になって考えられる力については、こちらの記事でも解説しています。ぜひ併せて読んでおきましょう。
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相手の立場に立って考える力は、多くの企業でもとめられる大切な能力なので、自己PRに活用するのはおすすめです。 この記事では、相手の立場に立って考える力を養う方法、自己PRの仕方・例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に効果的にアピールしましょう。
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例文⑤ボランティアで感謝を述べられた経験
私は、自分が苦しい状況でも他者を優先する思いやりが強みです。震災をきっかけにボランティアに興味を持ち、瓦礫を集める作業や炊き出しなど、被災地ボランティアに出向きました。
そんな中、ある日1人の被災者の方に「いつも私たちのために一生懸命動いてくれてありがとう」と声をかけられ、非常にあたたかい気持ちになり、やりがいを感じました。それからは、人のためを思い、自分が苦しい状況でも他者を優先することを意識するようになりました。
たとえば「電車では周囲を見渡して自分が座っても良いか考える」など、小さなことでも大切なことであると考えて行動しています。貴社でもこの人を気遣う力を活かして、チームが円滑に回ったりスムーズな人間関係を築けるよう、誠心誠意努めて参ります。
キャリアアドバイザー
強みとエピソードに整合性があり、わかりやすい自己PRになっています。このエピソードから真面目さや積極性などのアピールに膨らませることもできそうですね。
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自己PRでボランティア経験をアピールすときは、能力や人柄が伝わる内容にすることで効果的に伝えましょう。今回は、自己PRでボランティア経験で効果的に自己PRする4つのステップや自己PR例文をキャリアアドバイザーが紹介します。
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自己PR以外からも思いやりに信憑性をつけよう
自己PRで思いやりをアピールするなら、自己PRそのものではなく選考すべての対応で矛盾がないよう気をつけましょう。思いやりを強みとしているのに、面接などの態度から、本当に思いやりがあるのだろうかと不審に思われてしまうこともあるものです。意外と細かいところまで面接官は見ているということを忘れないようにしましょう。
また細かい点で思いやりを感じられると、自己PRにもより説得力を持たせることができますよ。
ES:読む相手がいることを意識しよう
エントリーシート(ES)では、文字や文章の丁寧さなどから思いやりを図ることができます。たとえば、忙しい採用担当にとって、ESの備考欄などに感謝の気持ちやこちらを気遣うような言葉が述べられていると「この学生は思いやりがある人だな」と感じることでしょう。
また、ESや必要書類の郵送を求められた場合、文字は丁寧に書けているかはもちろんですが、書類に折れがないか、向きが間違っていないかなど細かいところにも気を配るようにしましょう。当たり前の心掛けですが、こういったことができていなければ本当に思いやりがあるのかと疑問に思われてしまうかもしれません。
面接:細かな動作を丁寧に
面接では面接官と対面する分、より注意が必要です。ドアの開け閉めや座り方、話し方など、さまざまな部分に気を配りましょう。
また、たとえば移動中のエレベーターやほかの就活生の会話なども面接官は見ているものです。積極的にボタンを押したり、周囲に迷惑にならないような声の大きさで話すなどを心掛けられると良いですね。普段はできている気遣いも緊張しているとつい忘れてしまうものです。自分らしさを失わずに、細かな動作にも気を配って面接に臨みましょう。
「思いやり」を深掘りして印象的なアピールをしよう
思いやりはアピールする強みとして非常に有効なものです。ただし、企業によっては響かないところや、多くの就活生が使う強みであるため、思いやりをアピールする際は注意が必要です。
効果的なアピールをするためにはしっかりと自分の思いやりがどういったものであるか深掘りして、定義づけておくことが欠かせません。自分の思いやりがどういったものであり、企業にどう活かせるかを明確にして、企業に刺さる思いやりのアピールをしましょう。
思いやりって当たり前に持っているべきものですよね? 自分の強みとしてアピールはできるのでしょうか……。