例文6選|志望動機で企業理念を盛り込む方法と失敗パターンを解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 面接官に響く志望動機は企業理念を活かして作ろう!
  2. 知っておきたい企業理念の基本
  3. 企業理念の意味
  4. 経営理念との違い
  5. 社是と社訓の違い
  6. 5つの構成要素
  7. 要チェック! 企業理念の伝え方で失敗しやすいケース
  8. ①安直に企業理念に共感している
  9. ②企業理念の内容を正しく理解できていない
  10. ③企業理念と自身の価値観が結びついていない
  11. ④使い回しの志望動機で内容が浅い
  12. 活用機会は? 志望動機に企業理念を用いると効果的なケース
  13. 企業理念に合致する経験がある
  14. ほかの就活生と差別化できる
  15. 企業理念を志望動機とする際にやっておくべき4つのこと
  16. ①事業内容・サービスを調べる
  17. ②会社の沿革や歴史を調べる
  18. ③インターンやOB・OG訪問を有効活用する
  19. ④自己分析と企業理念を結びつける
  20. 面接官は何を見る? 志望動機を評価するポイント
  21. 企業理念を正確に理解しているか
  22. 自身の考えや体験と企業理念がリンクしているか
  23. 心から企業理念に共感をしているか
  24. 企業理念はこう活かそう! 評価につながる志望動機の作り方
  25. ①企業理念に共感していると結論を述べる
  26. ②共感するに至った自身の経験を説明する
  27. ③経験から得た価値観を伝える
  28. ④価値観と企業理念のつながりを説明する
  29. 人事に刺さる! 企業理念を活かした志望動機例文
  30. 例文①「デジタル化で生活を豊かにする」IT企業のケース
  31. 例文②「顧客第一主義」サービス企業のケース
  32. 例文③「個人の成果を重視する」コンサルティング企業のケース
  33. 例文④「活き活き働ける環境をつくる」人材企業のケース
  34. 例文⑤「顧客のパートナー」保険会社のケース
  35. 例文⑥「社会基盤を支える」鉄道会社のケース
  36. NG例文①「顧客のビジネスを助ける」IT企業のケース
  37. NG例文②「顧客視点を重視する」アパレル企業のケース
  38. 企業理念を志望動機に活用して就活でアピールしよう!

面接官に響く志望動機は企業理念を活かして作ろう!

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。

「志望動機に企業理念を入れても問題ないのでしょうか」
「企業理念を志望動機とする場合どのようにアピールしていけば良いでしょうか」

志望動機に企業理念を盛り込んで良いのか迷う学生も多いでしょう。結論から言えば、企業理念を志望動機とすることは問題ありません。企業理念への共感は、内容次第で面接官に響く志望動機になります。

この記事では企業理念を志望動機に用いるポイントや注意点を解説します。企業理念ごとの例文を紹介するので、作成するときの参考にしてくださいね。

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知っておきたい企業理念の基本

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就活生

そもそも企業はどのような理由で企業理念を定めているのでしょうか?

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キャリア
アドバイザー

企業理念は学生に馴染みがないので、企業理念の意味や経営理念などとの違いもよくわかりませんよね。

企業理念は学生に馴染みがなく、正しく意味を理解していない学生も多いでしょう。企業理念について正しく理解できていないと、選考で言いたいことがうまく伝わらなかったり誤解を招いたりする可能性があります。

企業理念の意味や経営理念などとの違いについて解説するので、まずは正しい意味を理解しましょう。

企業理念の意味

企業理念とは「企業がもっとも大切にしたいと考えていること」で、主に以下の要素から成立します。

  • なぜ企業が存在するか
  • 何を目的に経営するか
  • 事業を通じて、どんな社会貢献をしたいか

このように、企業理念とは企業が存在する元となる考え方のことです。具体的な内容は、企業のあるべき姿・進むべき方向性を示したり、社員の行動規範や目指す社風などの項目があります

つまり企業理念を確認することで、その会社の考え方や在り方を一目で理解することができます。

なぜ企業理念が必要?

そもそも企業理念はなぜ必要なのでしょうか。企業理念を作成する目的は大きく3つあります。

企業理念を作成する3つの目的
  1. 企業の方向性や判断軸を明確にするため
  2. 自律して業務をおこなう組織を作るため
  3. 会社の思いや考えを社外へ発信するため

企業理念は経営をおこなううえで軸となる考え方です。たとえば会社が大きな決断をするときの羅針盤になったり、社員の日々の行動の規範になるなど、重要な役割を果たしています

また、社外に対しては、自社のブランドイメージをアピールする目的でも利用されています。

経営理念との違い

企業理念と近しい言葉に「経営理念」があります。企業理念と経営理念は広い意味では似ていますが、厳密には意味や役割が異なっています。

経営理念と企業理念の違い
  • 経営理念:経営者自身の考え方や想い
  • 企業理念:会社そのものが大切にする考え方や価値観

経営理念と企業理念では「誰」の考え方や価値観であるかという点が大きく異なっています。経営理念は経営者自身の考えのため、経営者が変われば内容も自ずと変わりますよね。

厳密に使い分けている企業もあるため、志望動機に用いる際には言い間違えがないようにしましょう。

社是と社訓の違い

経営理念と同様に、企業理念と近しい言葉に「社是」や「社訓」があります。社是や社訓と企業理念の違いについても説明していきます。

社是と社訓
  • 社是
    会社を経営するうえでの方針や主張です。企業理念と近しいように感じますが、あくまで「方針」や「主張」であり、企業理念の根本である「考え方」と厳密には異なります。また、企業理念は複数の項目があるのに対し、社是は基本的に1つに限定されている点も違いと言えるでしょう。
  • 社訓
    従業員をはじめ企業に属する全ての人が守るべき会社の考え方や心構えを示したものです。主に従業員に対して示されるもので、その点で企業理念と役割が異なっています。

社訓や社是も企業理念と混同しやすいため、違いを理解しておきましょう。

5つの構成要素

一般的に企業理念は以下の5つの要素で構成されています。

企業理解の5つの構成要素
  1. ミッション:過去から現在、未来に渡り、日々果たしている使命
  2. ビジョン:企業として実現したい未来・辿り着きたい未来
  3. バリュー:自社にしか生み出すことができない独自の価値や強み
  4. スピリット:ミッション、ビジョン、バリューを実現するために従業員が大切にすべきこと
  5. スローガン:ミッション、ビジョン、バリューを顧客に分かりやすく伝える言葉

各社の企業理念を見ると、5つの要素全てが掲載されていないこともあります。また、志望動機でも全ての要素を必ずしも盛り込む必要はありません

大切なことは企業や従業員が5つのうちどの要素を大事にしているかを把握することです。

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要チェック! 企業理念の伝え方で失敗しやすいケース

企業理念の伝え方で失敗しやすいケース
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就活生

企業理念について理解が深まりました! 志望動機で企業理念について述べれば、企業研究していると評価してもらえそうですね。

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キャリア
アドバイザー

実は志望動機に企業理念を使うことで、思わぬ落とし穴から面接官の評価を下げてしまう恐れがあるんですよ。

企業理念を志望動機に盛り込んで評価がマイナスになってしまった学生も少なくありません。ありがちな失敗パターンを紹介するので、志望動機を作成する際に注意しましょう。

①安直に企業理念に共感している

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就活生

御社の企業理念に非常に共感しております!

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面接官

(うーん、企業理念の「どこ」に共感してくれたのかをもっと知りたいんだけど……)

企業理念を志望動機に用いるときに失敗しやすいケースの1つ目は、安直に企業理念に共感することです。企業理念に共感することは、極端に言えば誰にでもできます。

面接官としては、ただ企業理念に共感したことを聞きたいわけではなく、具体的に企業理念のどの部分に共感したのか、なぜ共感したのかを聞きたいのです。共感した理由を説明できないと、面接官は納得感を持てず、評価を落としてしまうでしょう。

具体的に企業理念のどの部分に共感したのか説明できないときは、企業理念を志望動機に使うのは避けてくださいね。

②企業理念の内容を正しく理解できていない

企業理念を正しく理解していないと「企業への関心が薄い」「志望度が低い」と判断され、評価を落としてしまう可能性があります。

企業理念は難しい言葉で書いてあることもあり、簡単には理解できないことがあります。また企業理念が作られた背景や創業者、経営者の想いを知らないと、企業理念の理解が不十分になるかもしれません

企業理念を志望動機に用いるときは表面的な言葉だけで理解しようとせずに、企業についてしっかり調べることを心掛けましょう。

③企業理念と自身の価値観が結びついていない

企業理念を理解し、共感したとしても、肝心の自身の価値観が企業理念と合致していないと面接官からは評価されません。以下の例を見てみましょう。

A社の企業理念
  • 顧客第一の事業運営をおこないます
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就活生

学生時代は、営業のアルバイトで売上ナンバーワンをとるために最善の努力を重ねてきました。

これでは、企業理念では顧客のために最善を尽くすことを大事にしているのに対して、実際に取っている行動は自分の売り上げを重要視しているので、企業理念にマッチしていないと捉えられるかもしれません。

このように志望動機に企業理念を用いるときは、自身の価値観やエピソードと企業理念の結びつきまで確認しましょう

自分の価値観を明確にする方法についてはこちらで解説しているので参考にしてください。

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④使い回しの志望動機で内容が浅い

企業理念を志望動機に用いること自体は簡単です。企業ごとに「御社の○○という企業理念に共感しました」と伝え、ほかの部分を変えなければ、その都度志望動機を考える必要はありません。

このように一部の内容だけを変更して使い回しているケースをときどき見かけます。

しかし、このような志望動機はどこの企業にも当てはまる内容のため、「その企業でなければならない」という深い内容になっていません。企業への熱意が伝わりにくくなるため、使い回しはせずに企業独自の志望動機を考えるようにしましょう。

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吉田 実遊

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企業理念を通じて何を伝えたいのかを忘れないようにしよう

志望動機を伝えるにあたって、企業理念はあくまでも「きっかけ」に過ぎません。共感した理由や根拠を述べることを忘れないようにしましょう。

たとえば友達や恋人を褒めるときに「どんなことにも挑戦するところが素敵だ」と伝えたとしましょう。この場合、褒められる相手を主語にしているだけで、褒めた人が「だから自分も一緒に何かに挑戦したい」「自分にも似ているところがある」とは言っていません。相手が「ありがとう」と感謝をするだけで終わってしまいます。

志望動機に企業理念を伝えるときにも同様です。もっともありがちなミスとして、企業の理念をとにかくべた褒めする学生がいるのですが、それによって自分の価値観やスキルを表せているわけではありません。思いだけではなくそれを裏付けできるようなエピソードを用意しておきましょう。

活用機会は? 志望動機に企業理念を用いると効果的なケース

企業理念を志望動機にして失敗するケースもありますが、内容によっては人事に響く志望動機とすることも可能です。企業理念を志望動機に用いると効果的なケースを解説するので、企業理念を使うべきか考えてみてくださいね。

企業理念に合致する経験がある

自身の過去の経験を通じて得た考え方や価値観が企業理念と合致していれば、企業理念に共感している裏付け・理由を十分にアピールすることができます。面接官も、なぜ企業理念に共感しているのか納得度を高め、高評価を期待できます

たとえば社内のチームワークを大切にするような企業理念であれば、あなたが過去にチームワークを発揮して成功した経験が当てはまりますね。過去の自身の経験を振り返り、企業理念と合致する経験があれば積極的に活用すると良いでしょう。

まずは十分に自己分析をおこなうことが必要

志望動機に企業理念を用いるかどうかを決めるにあたって、まず第一に自己分析を十分におこないましょう。企業理念ありきで志望動機を作ると、説得力に欠ける内容になってしまいます。

まずは過去の経験を振り返り、その経験から得た学びや考え方、価値観を整理することから始めましょう。自己分析を通じて自身が得たものの中に、志望する企業の理念と合致する内容があるときは積極的にアピールすると良いですね

自己分析の方法がわからない人はこちらで詳しく解説しているので参考にしてください。

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ほかの就活生と差別化できる

志望動機を作るのはなかなか難しく、多くの学生が志望動機に企業理念を盛り込んでいます。そのため一般的な内容では面接官の印象に残らず、見送りになってしまうでしょう。

反対に、企業理念と自身のつながりがほかの学生が経験していないような珍しいエピソードであれば、面接官の印象に残りやすくなりますよね。このようにほかの学生と差別化できる場合は、志望動機に企業理念を盛り込んでみましょう。

塩田 健斗

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理念の必要性を感じるエピソードをいれてもOK

そのほかにも、「理念に共感することが組織を動かす際にいかに大切か」ということを表現できるエピソードを持っている場合には志望動機に企業理念をいれると効果的でしょう。

たとえば、これまでまとまりがなかった部活のメンバーだったけれども、チームスローガンを作ったら結束が高まった。また、トラブルが起きたときにはそのスローガンに立ち返って意思決定をしてきた、という実体験があるとします。

その場合にはこの話を通じて、「理念の大切さを実感した」ことと「会社の理念に共感をしている」という2つを結びつけることができますよね。こういった際にも、志望動機に企業理念を盛り込むと効果的になりますよ。

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企業理念を志望動機とする際にやっておくべき4つのこと

企業理念を志望動機とする際にやっておくべきこと

企業理念を志望動機に用いる際、より内容を濃いものにするため、事前の準備が必要です。企業理念を活用する前にやっておくべき4つのポイントを紹介します。志望動機を作る前に事前にチェックしておきましょう。

①事業内容・サービスを調べる

企業理念を活用する前に、事業内容や提供しているサービスについて調べ、理解を深めておきましょう。掲げている企業理念のもと、どのような事業やサービスを展開しているか理解することで、どんな背景や理由で企業理念が定められたのかを知ることができます。

事業内容やサービスは企業理念と同様、企業のホームページ(HP)に掲載されているのが一般的です。まずはHPの内容をしっかりと確認しましょう。もし理解できない部分があれば、調べたうえで説明会などで社員に聞いてみることがおすすめです。

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志望企業の同業他社と比較すると、あなたならではの切り口で企業理念の理解を深められるでしょう。

事業内容の把握方法についてはこちらで詳しく解説しているので参考にしてください。

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②会社の沿革や歴史を調べる

企業理念を理解するには志望企業の沿革や歴史を調べることも欠かさないようにしましょう。

企業理念は長年利用されるものです。企業の沿革や歴史を知ることで、どのような時代背景や当時の経済状況から企業理念が定められたかを知ることができます。同じ言葉でも時代によって捉え方は変化するため、沿革や歴史を知ることで企業理念の意味を正しく理解できるでしょう

企業のHPのほか、Wikipediaなど他のサイトにも掲載されている情報まで確認しておくと良いですね。また創業者や歴代の経営者が本を書いているケースもありますので、余裕があれば目を通すとより理解を深められます。

③インターンやOB・OG訪問を有効活用する

企業理念を活用するときは、インターンシップやOB・OG訪問を活用し、社員から直接情報を得ることも重要です。

HPや本を通じてたくさんの情報を得ることができますが、「百聞は一見にしかず」ということわざの通り、直接社員に話を聞くことで企業理念の理解を深められます

また、HPや本だけではほかの学生と同じような内容にまとまってしまいますが、直接社員から聞いた情報はあなただけの情報です。ほかの学生との差別化につなげられるので、時間が合えば積極的に活用してみましょう。

インターンの就活への活かし方はこちらで詳しく解説しているので参考にしてください。

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OB・OG訪問のやり方についてはこちらで詳しく解説しているので参考にしてください。

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④自己分析と企業理念を結びつける

せっかく企業理念の理解を深めても、内容が自己分析した結果と結びついていなければ面接官に納得感を持ってもらうことは難しくなります。

志望動機を考えたら、自己分析した内容と企業理念が結びついているかを確認しましょう。具体的な結び付け方は後半で解説しますね。

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面接官は何を見る? 志望動機を評価するポイント

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企業理念の理解を深めておかないと、効果的な志望動機は作れないことがわかりました。ちなみに、面接官は志望動機をどのように評価しているのでしょうか?

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志望動機に企業理念が盛り込まれているからこそ見ているポイントもあるんですよ。詳しく解説していきますね。

志望動機に企業理念が盛り込まれている場合、いくつチェックしているポイントがありますので、そこを把握して評価される志望動機を作っていきましょう。

企業理念を正確に理解しているか

企業理念は志望動機に利用しやすく、多くの学生が使っています。中には十分に調べずに安易に企業理念を用いるケースもあり、企業理念を本当に正しく理解しているのか、面接官としては気になるところです。

面接の場合質問を通して確認されることもありますから、面接官が納得できる回答となるよう企業理念への理解を深めておく必要があります

自身の理解度に自信が持てないときは、説明会やOB・OG訪問で「企業理念の理解は、これで合っていますか?」と確認してみましょう。

企業理念の理解度を問う質問例
  • 弊社の企業理念のどこに共感を持っていますか?
  • 弊社の企業理念とあなたの価値観で共通している点は?
  • 弊社の理念やビジョンについてどのように思いますか?

自身の考えや体験と企業理念がリンクしているか

企業理念の内容を正しく理解していても、あなたの考え方や価値観と合っていなければ、なぜ企業理念に共感しているのか面接官は納得感を持てません。

企業理念を志望動機にする学生が多いからこそ、企業は企業理念に共感する「理由」を重視しています。ただ企業理念に共感したと伝えるのではなく、その理由として自身の価値観や経験と合致することを伝えましょう。

心から企業理念に共感をしているか

面接の場合は特に、心から企業理念に共感しているかどうかも評価しています。

面接官は数多くの学生と面接をおこなっており、学生の真剣さは態度や言葉から感じています。企業理念を調べ、自身の価値観と合致していても、あなた自身の発する言葉に熱量が乗ってなければ、面接官は心から企業理念に共感してくれていると評価しません。

面接は相手に気持ちを伝えるプレゼンテーションでもあります。自身の経験や価値観と合致し、心から企業理念に共感していると熱量を込めてアピールするように心がけてください

自分だけで判断ができないときは、模擬面接をおこなって周りの人にチェックしてもらうのも1つの方法です。模擬面接の方法はこちらの記事を参考にしてください。

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面接で熱意を伝える方法についてはこちらの記事で解説しています。

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塩田 健斗

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企業理念を自分の体験と結びつけることが最重要

何度も繰り返しになりますが、企業が重視している点は、単なる理念への共感ではなくて共感への根拠となる自分の経験をしっかりと持っているかどうかです。

「この商品が好き」「企業理念が素敵」など、自社のことを褒めてくれる学生に対しては「そのままうちのファンで居続けてほしい」とは思いますが、だからといって「ぜひうちの会社に入社をしてほしい」までのきっかけを生み出すことは難しいでしょう。

企業理念を正しく理解したうえで自分の経験を振り返ろう

そして、根拠となり得る自分の経験を探すためには、企業理念そのものをきちんと理解しておかなければいけません。

たとえば「強固なチームワーク」が企業理念として掲げられているとします。あなたがその理念に共感したとしてサークルメンバーとの仲の良さをアピールしたとしても、企業が大切にしている価値観が「仲の良さ」ではなく「1人ではできないことを成し遂げる」「より高い成果を上げる」ということであれば、企業理念に合致した経験とは言えないですよね。この場合、チームで成果を上げた経験を話す必要があります。

このように、間違った解釈をしたまま企業理念について話をしてもマイナス評価になってしまう恐れがあります。事業内容、沿革や社長メッセージなどさまざまな情報から正しく企業理念を判断してくださいね。

企業理念はこう活かそう! 評価につながる志望動機の作り方

企業理念を活かす志望動機の作り方

企業理念への共感をどう伝えるかで、志望動機の評価を高めることができます。企業理念を盛り込んだ志望動機の作り方を解説するので、ぜひ参考にしてください。

①企業理念に共感していると結論を述べる

まずは「企業理念に共感している」という結論から伝えましょう。

エピソードや理由を先に述べてしまうと、何を伝えたいのかが面接官に伝わらず、話の焦点がずれてしまうかもしれません。その結果面接官の印象に残らない志望動機になってしまう恐れがあります。

まず簡潔に結論を伝えることで、あなたが何の話をしたいのかを面接官にイメージさせましょう。

共感した点を具体的に記載する

企業理念に共感したポイントは具体的に伝えることが重要です。具体性に欠けてしまうと納納得感のある志望動機とは言えず、逆に評価を下げてしまう恐れがあります。

以下の2つの例を比較してみましょう。

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就活生A

私は御社の企業理念に共感し、志望します。

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就活生B

私は御社の企業理念のうち、顧客第一主義に共感し、志望します。

どちらの方が面接官は志望度が高いと判断するでしょうか。 多くの人がBを選択するでしょう。

単に「企業理念に共感した」ではなく、具体的に企業理念のどの部分に共感したのかを伝えるように心がけてください。企業理念の中の単語や文章など、企業理念に用いられている表現を抜き出して使うと良いでしょう。

②共感するに至った自身の経験を説明する

企業理念に共感していると結論から述べたあとは、なぜ共感するに至ったかあなたならではの経験を伝えてください。自分ならではの経験を伝えることで、企業理念に共感する理由や背景に説得力が生まれますよ

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就活生

私は御社の顧客第一主義の企業理念に共感しています。なぜならアルバイトを通じて、顧客から感謝の言葉をもらうことにやりがいを感じ、顧客を中心に考える企業で働きたいと考えたからです。

③経験から得た価値観を伝える

次に、経験からどんな価値観や考え方を得たのか伝えましょう。

経験を伝えただけでは、あなたの価値観と企業理念のつながりが見えません。面接官は、あなたの経験から得た価値観や考え方はどのようなものか、企業理念と通じるものがあるのかを知りたいのです

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就活生

私は御社の顧客第一主義の企業理念に共感しています。なぜならアルバイトを通じて、顧客から感謝の言葉をもらうことにやりがいを感じ、顧客を中心に考える企業で働きたいと考えたからです。

接客のアルバイトで顧客ごとにお声がけの方法を変え、喜んでもらうことが私のやりがいであるとわかりました。

④価値観と企業理念のつながりを説明する

次に、あなたの価値観や考え方と企業理念のどの点がリンクしているか説明しましょう。

先ほどの例文に付け加えると以下のようになります。

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就活生

私は御社の顧客第一主義の企業理念に共感しています。なぜならアルバイトを通じて、顧客から感謝の言葉をもらうことにやりがいを感じ、顧客を中心に考える企業で働きたいと考えたからです。

接客のアルバイトで顧客ごとにお声がけの方法を変え、喜んでもらうことが私のやりがいであるとわかりました。顧客を第一に喜んでもらいたいという私の考えと御社の顧客第一主義は非常に似ており、御社の企業理念に共感しました。

企業理念とあなたの価値観や考え方のどの部分がリンクしているかを説明することで、面接官は一連の志望動機の納得度を高め、志望度が伝わりやすくなりますよ

長尾 美慧

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自己分析を繰り返すことで志望動機の質を高めていこう

志望動機では、経験から価値観を伝える部分を特に丁寧に作り込みましょう。自己分析の段階で、すでに自分のこれまでの経験を通じて学んだことを振り返っている場合には、志望動機にも活用することは難しくないかもしれません。

しかし、すでに自己分析を終えている場合でも、志望動機を考える際は改めてあなたの経験を振り返ってみましょう。経験から学んだことを深めるともっと多様な価値観が出てくるかもしれませんし、いくつか異なる経験を引き合いに出したほうが説得力が増すかもしれません。

「一度考えたから終わり」ではなく、自己分析とアウトプットを行き来することで、より質の高い志望動機を作ることができるでしょう。

人事に刺さる! 企業理念を活かした志望動機例文

企業ごとに企業理念は異なっており、どのように志望動機をまとめれば良いか悩む人も多いでしょう。

こちらでは代表的な企業理念ごとに志望動機の例文を紹介します。業界ごとに似通った企業理念はありますので、志望企業に近い例文を参考に志望動機を作ってみましょう。

さまざまな業界・業種の志望動機も参考にしたい人は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね。

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例文①「デジタル化で生活を豊かにする」IT企業のケース

例文

私が御社を志望した理由は、デジタル化で生活を豊かにする企業理念に共感したからです。私の祖母は介護施設に入所しており、新型コロナウイルス感染症を機に直接会えなくなってしまいました。しかしビデオ会議システムを用いて、祖母の状況を知ることができました。会えない中でも、デジタル化のおかげでコミュニケーションが取れたことは非常に嬉しく思います。

祖母との関係を通じて『デジタル化で生活を豊かにする』という企業理念を体感し、デジタル化で多くの人の生活を豊かにしていきたいと思い、貴社を志望するに至りました。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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アドバイザー

企業理念の「デジタル化で生活を豊かにする」実体験を通し、面接官に説得力を持って志望動機を伝えることが出来ていますね。

例文②「顧客第一主義」サービス企業のケース

例文

私は貴社の『顧客第一主義』の企業理念に共感し、志望しました。アパレルのアルバイトを通じて、顧客に喜んでもらうことが販売につながると実感しています。

顧客と一緒に話し、どんな服を着たいか、どんな風に見られたいかなど一人ひとりの考えや価値観をお伺いし、顧客が心から納得した商品をおすすめしてきました。ネットで服を変える時代ですが、この接客から店舗に足を運んでもらう顧客が増えました。

この経験を通して顧客のことを第一に考えることの重要性を知り、貴社の企業理念に共感したため志望いたします。

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企業理念に「顧客第一主義」を掲げる企業は多いです。その中で、自身の経験からなぜ顧客第一が良いのか、自身の価値観とリンクしているかを説明しており、納得度の高い志望動機になっています。

例文③「個人の成果を重視する」コンサルティング企業のケース

例文

貴社の『個人の成果を重視する』という企業理念に魅力を感じ、志望しました。私は大学時代、陸上競技で常に上を目指し、成果を出してきました。一人では心が折れそうなときもありましたが、常に高みを目指し一番を取りたいという気持ちから乗り越えることができました。

この経験から、働くうえでも成果を求めることでモチベーションを維持できると考えており、貴社の企業理念が私の考えに合致していると考えました。入社後は高い成果を求め、周囲の刺激になる存在として貴社に貢献します。

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企業理念にリンクする自身の価値観を伝えるとともに、入社後にどのように会社に貢献するか伝えているのは面接官の印象に残りやすいですね。

例文④「活き活き働ける環境をつくる」人材企業のケース

例文

私は貴社の『活き活き働ける環境をつくる』という企業理念に共感し、志望しました。

私の父は週末や長期休の際に会社の方を招いて食事会を頻繁におこなっていました。父いわく「仕事の充実度はプライベートの充実度が大きく左右する」ということから、休みの日でも会社の仲間を招いて関係構築を大切にしていました。こうした取組みの甲斐あって父が率いる組織は社内でも抜群の成果を挙げるようになりました。

このことから、仕事の成果は仕事へのモチベーションが大切ではないかと感じ、仕事とプライベートを充実させて働ける人が少しでも増やせるお手伝いを仕事にできたらと考えた際に貴社の企業理念を知りました。私が実現したいことが貴社の企業理念にまさに表れており、ぜひ一緒に働きたいと思いました。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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働いた経験がなくとも、家族や周囲の人たちから得た考え方や価値観を志望動機に利用しています。働くイメージがつきにくい場合は、すでに働いている人から得た影響を利用してもいいでしょう。

例文⑤「顧客のパートナー」保険会社のケース

例文

私は貴社の『顧客のパートナー』という企業理念に魅力を感じました。中高大とバレーボールを続ける中で、試合にはあまり出られませんでしたが、レギュラーメンバーの自主練や相談をよく受けました。私は実力は足りなくても、誰かを支えてベストなパフォーマンスを出すお手伝いはできると感じ、仕事をするうえでも誰かの支えになりたいと考えています。

貴社の『顧客のパートナー』という企業理念に共感し、また保険という何かあったときにサポートできる商品を通じて、顧客が余計な心配をせずに安心して過ごせるお手伝いをしたく、志望しました。

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企業理念とのリンクだけでなく、事業内容の理解を深めて志望動機を伝えている点は評価できます。具体的にどのようなことをおこないたいのか伝えているのも、面接官のイメージが膨らみ良いですね。

例文⑥「社会基盤を支える」鉄道会社のケース

例文

私は『社会基盤を支える』貴社の企業理念に共感し、志望しました。私は部活動でマネージャーを努めてきました。練習メニューや道具、練習試合の組み方などルール化されておらず、チームの土台作りが不十分でした。

選手が練習や試合に取り組みやすいようさまざまなルールを決めたり、先生や保護者の力を借りて備品をそろえるなど1年かけて基盤作りをおこないました。結果チームは公式戦に初めての勝利して市内のベスト8まで進出できました。

この部活動の経験から、基盤作りの重要さを肌で感じ、縁の下の力持ちとして「社会基盤を支える」貴社を志望しました。

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「社会基盤を支える」という企業理念に共感するのはなかなか難しいですが、部活動で土台やベースを作った経験から基盤を支える重要性に触れています。身近な経験を言い換えることで、企業理念とのリンクを見つけられるかもしれません。

NG例文①「顧客のビジネスを助ける」IT企業のケース

例文

私は貴社の『顧客のビジネスを助ける』企業理念に共感しました。数多くの企業が自社の利益を追求する中、貴社は自社の利益にならなくても、顧客のために日々ビジネスをされています。奉仕の精神を持ち、顧客のビジネスを助けることができる企業はなかなかないと思います。

私も貴社にて困っている企業の助けとなるべく、日々顧客のビジネスをサポートしていきたいと思います。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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「奉仕の精神」など企業理念の中にない単語が出ており、企業理念を正しく理解していないことが読み取れます。文脈から「助ける」という言葉が一人歩きしてしまっていますね。

事業内容や歴史、経営理念などを確認しながら、企業理念の意味を正しく把握したうえで、志望動機に利用しましょう。

NG例文②「顧客視点を重視する」アパレル企業のケース

例文

私は貴社の『顧客視点を重視する』企業理念に共感しました。服や靴は顧客が着たいと思っていただける製品でないとなかなか売れません。貴社の製品は顧客のニーズを的確に捉え、いつもヒット製品を世の中に提供されています。

これは貴社の企業理念である『顧客視点を重視する』からこそできることだと感じています。企業理念である『顧客視点を重視する』姿勢を大事に、貴社でヒット製品を世の中に送り出したいと思います。

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企業理念に共感するポイントが一般的な内容で、自身の経験や考え方とリンクしていません。これでは説得力に欠ける内容になってしまいます。あなた独自の経験を盛り込むようにしましょう。

企業理念を志望動機に活用して就活でアピールしよう!

学生に馴染みが薄く扱いにくい企業理念ですが、正しく理解することで高評価を得られる志望動機となります。今回紹介したポイントや注意点をしっかりと理解したうえで志望動機を考えてみましょう。

まずは志望する企業の企業理念について理解を深め、あなたの価値観に合っているかを確認することが大切です。あなたの価値観や経験にマッチした企業理念があれば志望動機に活用してアピールにつなげていきましょう。

志望動機で企業理念を盛り込む方法!失敗パターンについても解説【就活】

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