建設コンサルだからこその熱意が伝わる志望動機の作り方|例文5選

この記事のアドバイザー

目次

  1. 建設コンサルへの熱意を志望動機でアピールしよう
  2. まずは知っておくべき! 建設コンサルとは?
  3. 仕事内容
  4. ビジネスモデル
  5. 建設コンサルのやりがい
  6. まちづくりに貢献できる
  7. 規模の大きい仕事に携われる
  8. 差別化必須! 建設に携わる仕事との違いを把握しておこう
  9. 国土交通省
  10. ゼネコン
  11. 施工管理
  12. 建設コンサルでアピールできるスキル
  13. 強い責任感
  14. 論理的思考力
  15. 協調性
  16. タフさ
  17. 情報収集力
  18. 建設コンサルの志望動機に盛り込みたい4要素
  19. ①なぜ建設コンサルか
  20. ②なぜその企業か
  21. ③入社後にやりたいこと
  22. ④企業にどう貢献できるか
  23. 建設コンサルの志望動機例文5選
  24. 例文①道路
  25. 例文②トンネル
  26. 例文③橋梁
  27. 例文④ダム
  28. 例文⑤大型建築物
  29. 建設コンサルならではの魅力を理解して志望動機を作ろう

建設コンサルへの熱意を志望動機でアピールしよう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。建設や建築に興味のある学生から、

「建設コンサル職に興味があります」
「建設コンサルの志望動機の書き方を教えてください」

といった相談を受けることがあります。しかし、建設コンサルについてその仕事内容などを具体的に知らず、「とりあえず建設系の仕事が良いから」と考えている人もいるのではないでしょうか。

この記事では、まずは建設コンサルの仕事内容やビジネスモデルなどのほかに、近しい職種との差別化を図るコツまで徹底解説します。「建設系の仕事」ではなく「建設コンサルが良い」理由を見つけ志望動機でアピールできるよう、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まずは知っておくべき! 建設コンサルとは?

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就活生

とりあえず建設コンサルを志望しています!

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キャリアアドバイザー

良いですね! ちなみに、どんな仕事内容なのかなど、建設コンサルについてきちんと理解していますか?

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就活生

あんまり理解はできていませんが、とりあえず建設にかかわる仕事ですよね!

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キャリアアドバイザー

…それはいけませんね。志望動機を書く前に、まずは建設コンサルについて理解を深めましょう。

まず建設コンサルについてきちんと知っておかなければ、具体的な志望動機も書けません。志望動機を考える前に、まずは建設コンサルがどんな仕事をしており市場のなかでどんな立ち位置にいるのかなどを詳しく知っておきましょう。

仕事内容

建設コンサルは、橋や道路などをスムーズに建設できるよう施工者をサポートするのが主な仕事です。その中でも、その仕事内容は大きく2つに分けることができます。

事前調査

橋や道路を建設する前に、そもそもその予定地がその建造物の建設に適した土地なのかを知っておかなければなりません。たとえば地盤が緩い土地に大規模な橋を造ってしまうと、災害が起こった際に地盤が崩れて橋が崩壊してしまい、人や周辺地域に大きな被害を与えてしまうことが考えられます。

そういった被害を防ぐために、建造物を建設する予定の場所について、地質や地盤の調査や環境を汚染する恐れはないかなどの調査をおこないます。

建設計画の立案

事前調査が完了し建設予定地が定まったら、次はその調査結果をもとにして建設計画を立案します。専門知識を十二分に活用し、安心・安全かつコストなどの無駄をなくした最善の計画を立てます

あくまで建設コンサルは「コンサルタント」であり、クライアントからの建設依頼に対し最適な建設計画を提案する必要があります。建設の専門家という立場で最適な計画案を考えるのがこの建設コンサルの仕事の醍醐味ともいえるでしょう。

ビジネスモデル

建設コンサルのビジネスモデル

建設コンサルは、自身で「ここに○○を建設したい」と提案するわけでも、建設計画をもとに実際に施工するわけでもありません。あくまでクライアントからの依頼に対して、事前調査のもと最適な建設プランを提案するのが建設コンサルの仕事です

一連の流れとしては、まずクライアントからの建設依頼に対し、建設コンサル会社数社が入札をおこないます。その入札で選ばれた企業がその依頼を受注し、事前調査のもと建設計画を立案します。そしてその計画をもとにゼネコンなどの施工管理者が施工をおこなうのが建設コンサルにかかわるビジネスの流れになっています。

その中でも建設コンサルが請ける建造物の多くは橋や道路、ダムなどの公共機関であることが多いです。つまり、クライアントも民間企業ではなく国家や地方自治体などの公務員が多くなります。

建設コンサルの利益はクライアントである公務員から得ることになりますが、必然的にその利益は国民の税金から生まれたものとなります。こういったお金の流れも理解しておくと、建設コンサルの仕事に対してより身が引き締まるのではないでしょうか。

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酒井 栞里

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「〇〇コンサル」と言われる業界モデルを理解しよう

建設コンサルに限らず、「〇〇コンサル」と業界で働く人たちは、基本的には実際に手を動かして事業を動かすわけではありません。たとえば多くの就活生に人気と言われる経営コンサル企業は、依頼主の経営課題にアドバイスをすることが主な業務内容であり提案内容を実行するのはあくまでも依頼主です。しかし、依頼主からすると「経営コンサルが言ったのだから安心だ」と心理的な信頼を寄せています。建設コンサルも同様で、実際に建物を施工することがなくても「この企業が言っているのだから信頼しよう」と思われる、逆に何か不備があった場合には信用を失う可能性もある非常に責任ある業務をおこなっていると理解しましょう。

また、なぜ公務員との関係が深いのかと言うと、国や自治体が持つ土地の活用をする際には国民や地域住民に対する説明責任が伴うからです。「何も調べていないけれども多分大丈夫です」と言って万一のことがあれば重大な問題につながります。このように、一つ一つの条件をクリアして初めて建造物を建てられると考え、基礎作りをおこなうために必要不可欠な業界であることをまずは認識しましょう。

建設コンサルのやりがい

建設コンサルのやりがい

建設コンサルは直接建設に携わるわけではありませんが、建設コンサルがいなければ安全な建設をおこなうことはできません。ここからは多くの人が感じる建設コンサルの仕事の魅力ややりがいを紹介していきます。建設コンサルへの意欲をさらにふくらませてみてくださいね。

まちづくりに貢献できる

先ほどもお伝えした通り、建設コンサルが計画する建造予定物の多くは橋や道路、ダムなど、まちを暮らしやすく豊かにするためのものが多いです。そういった意味では、建設コンサルはまちづくりへの貢献性が高い職業であるといえます。

また自分が考えた計画をもとにその建造物が形となったとき、大きな達成感や喜びを感じることもあるでしょう。自分がまちづくりに携わりまちを良くしていくことにかかわれることは建設コンサルの大きなやりがいといえます。

規模の大きい仕事に携われる

家やビルなどの建造物に比べ、建設コンサルが扱う建造物は非常に規模が大きいです。このような規模の大きい仕事に携われることにやりがいを感じる人も多いのではないでしょうか。

橋やダムなどの建造物を建設するのは一筋縄ではいきません。莫大な時間はもちろん、緻密な調査や計画が必要になります。時間も手間もかかりますが、その分建造物が完成した際の喜びもひとしおでしょう

規模が大きい分責任も大きい!

規模の大きさは責任の大きさに比例します。規模が大きいからこそ、その建造物にかかわる人の量やかかる金額などの責任も大きいものになります。たとえば調査や計画に不備があり建設中や完成後に事故が起こってしまうと、その被害を受ける人の数は計り知れないでしょう。また、企業としての社会的信頼も失うことにつながります。規模が大きい分責任も重くのしかかってくる仕事だということは理解しておきましょう。

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差別化必須! 建設に携わる仕事との違いを把握しておこう

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就活生

この間建設コンサル会社のOB訪問に行ったとき、「ゼネコンじゃなくてどうして建設コンサルなの?」と聞かれました。でもうまく答えられなくて……。

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キャリアアドバイザー

そうだったんですね。「建設コンサルが良い」という気持ちをしっかり伝えるためにも、同じ建設系の企業との違いを明確にしておきましょうか。

建設コンサルを目指す学生の中には「とりあえず建設に携わりたい」という気持ちの人も一定いるもの。企業側もそういった実情は理解しているので、選考では「ゼネコンではなくどうして建設コンサルなの?」などといった質問をしてくることもあります。きちんと「建設コンサルだから志望している」ということが伝わるよう、同じように建設に携わる職種との違いを明確にしておきましょう。

国土交通省

  • 国土交通省:国土の利用・開発・保全・整備や交通政策を推進する官庁

国土交通省とは国土を利用した社会資本の整備や交通政策をおこなっています。民間企業ではなく日本の行政機関のひとつです。

建設コンサルとの関係性で考えると、国土交通省は建設コンサルのクライアントにあたります。国土交通省の「この地域に道路を建設したい」といった建設希望のもと、建設コンサルがその希望を計画として形にしていきます。建設コンサルは作りたい建造物を自由に考えることはできませんが、ぼんやりとした建設依頼から建造物をより具現化していくことができます。

ゼネコン

  • ゼネコン:総合建設業者と呼ばれ、建設現場で土木・建築工事を担うサブコンと顧客の間を取り持ったり、作業の管理をおこなう

建設コンサルは建設計画を立てるのが仕事なら、ゼネコンはその建設計画をもとに現場で建設をおこなうのが仕事です。建設そのものに携わるかどうかで仕事の違いを掴むと良いでしょう。

建設コンサルはクライアントの依頼を具現化することはできますが、実際に形にすることはできません。自分の手で建造物を造りたいと考える人は建設コンサルよりもゼネコンのほうが向いているかもしれませんね。

またゼネコンには建設のほか営業や研究開発などさまざまな業務があります。計画立案に特化せず、自社内でさまざまな業務ともかかわりたいという人もゼネコンのほうが良いかもしれません。

ゼネコンについてさらに理解を深めたい人はこちらの記事も読んでみてください。

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施工管理

  • 施工管理:安全な建物や設備を建設するために現場監督として現場を管理する

施工管理とは簡単にいうと工事現場の現場監督のことで、ゼネコンの業務内容のひとつです。建設コンサルの建設計画に合わせ、どのような手順で建設をおこなうのか具体的な活動計画を立案したり、建造物の品質を保ったりなど、建設現場で起こることすべてを管理しています。ゼネコン同様、現場で直接手を動かして建造物を造る点が建設コンサルとの大きな違いでしょう。

施工管理について詳しくはこちらの記事で解説しています。

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酒井 栞里

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大きな業務をしようとすればするほど役割分担が大切になる

建設事業は非常に大きな事業です。近年ではIT業界や農業などさまざまな業界で「生産から販売まで一気通貫サービスをおこなっています」と謳う企業も増えてきましたが、建設事業が1社単体でできる業務はまだまだ限られています。

その場所をどのような用途で活用するのか、保守管理はどのようにおこなうのか、法律の規制に違反していないか、資材や作業員をどこから調達するのか、電気や水道工事はどうするのか、など考えるべきことがたくさんあり、それぞれの専門家が力を合わせています。

みなさんも、たとえば学生時代にサークルのイベントを実行しようとした際に「〇〇担当」と役割分担をした経験はあるのではないでしょうか。そして、担当ごとにまったく異なる相手と折衝したりスキルが必要だったりしたはずです。

建設コンサルも同様で、ただ「建設にかかわりたい」とだけ漠然と考えていても、希望する業務ではない場合にはかかわる相手も忙しさも仕事の進め方も異なります。川上から川下までのビジネスモデルを捉えたうえで自分の適性を見極めるようにしましょう。

建設コンサルでアピールできるスキル

建設コンサルでアピールできるスキル

志望動機にはもちろん建設コンサルへの仕事への熱意をアピールすることは欠かせません。しかし、やりたいという熱意のほかに「自分がその仕事に向いている」こともアピールする必要があります。企業は自社の成長に貢献できる人材を求めているため、建設コンサルの仕事への適性を伝えられれば、採用メリットを感じてもらいやすいですよね。

ここからは、建設コンサルの仕事においてアピールできるスキルをいくつか解説していきます。この中に自分にあるスキルがあれば、そのスキルを志望動機でアピールしてみてください。

強い責任感

先ほどもお伝えした通り、建設コンサルの仕事には非常に大きな責任が伴います。建設コンサルの立てた計画ひとつで、その後の建設にかかわる人々や建造物を利用する人々の人命に大きな被害を及ぼす可能性があります。また、そのような事故が起きた場合、会社としての社会的信頼も失いかねません。

自分の行動ひとつで周囲に大きな影響を及ぼすことを理解しましょう。強い責任感を持って仕事に臨むことが求められます。

責任感をアピールする際はこちらの記事を読んでみると良いでしょう。

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論理的思考力

建設コンサルはあくまでコンサルタント。そして論理的思考力はコンサルタント全般で必要な能力のひとつです。

特に建設コンサルの場合、クライアントからの依頼をどの企業が受注するかは入札で決まります。依頼に対し、どのような計画を立てどのように進めるのかなどを論理的かつ具体的に伝え、相手に納得してもらうことで初めて依頼を受注できるのです

論理的思考力は、ただ「ある」と伝えるだけでなく、志望動機や自己PRなどの文章からもそのスキルがあることをアピールできます。文章の構成をきちんと考え、物事をわかりやすく論理的に説明できるようにしておきましょう。

協調性

建設コンサルは、携わる仕事の規模が大きい分さまざまな人とのかかわりがあります。円滑に仕事を進めるためには周りの人と協力することが欠かせません。

また、事前調査では周辺住民に協力を仰ぐこともよくあります。地盤や地質、測量などは一日二日でできるものではなく、場合によっては半年ほどの長い時間を要すこともあります。そんなときにも近隣住民に快く協力してもらえるよう、コミュニケーションを取りながら協調していく必要があるのです。

協調性のアピールをしたい人はこちらの記事を読んでみてください。

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タフさ

建設コンサルは建設そのものに携わるわけではないため、体力がすべてというわけではありません。しかし、事前調査では現地に出向き、身体を使って現場を調べることもあります。また建造物の規模が大きい以上、どうしても建設計画にかかる時間も長くなりがちです。緊張を切らさず根気よく仕事に取り組めるタフさが精神的にも体力的にも必要になります。

情報収集力

建設計画を立てるうえで欠かせないのが市場のニーズをつかむこと。技術や資材、施工システムなど、建設にかかわるさまざまなものが日々進化を遂げています。そのような情報を確実につかみ、適切な建設計画を立てることが大切です

情報収集力でもっとも重要なのは、情報を集めることだけでなく、集めた情報から必要なものだけを選び取ること。情報を上手に活用できてこそ「情報収集力がある」といえます。すでに建設において最新のトレンドなどを押さえている場合は、それも併せて志望動機で伝えられると良いですね。

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吉川 智也

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学生時代に学んだ知識のアピールがマイナスになることは少ない!

特に理系の学生の場合、建設に関連した学部に通っている場合も多いでしょう。その場合には、今説明したスキルに加えて学校で学んでいる内容について話しても問題ありません。建設における基本の法律や建設の全体の流れは、知らないよりも知っていたほうがスムーズに教育をおこなえます。また、何か資格を取得している場合には、少なくともそうしたことを学ぶことに抵抗がない、と捉えてもらえます。もちろん学んでいる内容と実際の業務内容には多少なりともギャップがあるため、「自分は何でも知っています」という態度はご法度ですので注意をしてください。

複数のアピールポイントを散りばめるのも1つの手

また体力や協調性のアピールでは体育会の部活やサークル活動のエピソードがうってつけでしょう。しかし、建設コンサルは着実かつ丁寧に調査と折衝を進めなければ命取りになってしまうリスクも抱えています。そのため、時には勉強や個人で黙々と何かに取り組んだエピソードも必要になるかもしれません。

しかし、これらのアピールポイントやエピソードは一見すると正反対のものに見えるため、志望動機を伝える際にはどちらかのエピソードに特化しておいたほうが話がすっきりします。そのうえで、会話の途中で「ちなみに〇〇の活動もしておりまして」など、別のエピソードやアピールポイントを織り交ぜることで、時と場合によって必要なスキルを使い分けて発揮できる、という伝え方ができないかも考えてみましょう。

建設コンサルの志望動機に盛り込みたい4要素

建設コンサルの志望動機に盛り込みたい4要素

ここまでの解説を踏まえて、建設コンサルへの意欲や熱意がさらに増してきたのではないでしょうか。ここからは、建設コンサルの志望動機に必ず盛り込むべき4つの要素を紹介します。どれも説得力のある志望動機を作るために欠かせないものですので、ひとつひとつしっかり確認していきましょう。

①なぜ建設コンサルか

まずは数ある建設系の仕事の中でもどうして建設コンサルを選んだのかを伝えましょう。先ほどもお伝えした通り、建設コンサルを志望する学生の中には「建設に携われるならどこでもいい」と考えている学生もいるものです。そのため、ほかのどの業種でもなく建設コンサルが良いという熱意は必ず伝えるようにしましょう

ここでは、先に説明した建設に携わるほかの職種との違いについて触れると良いですね。業界研究がきちんとできていることも伝わりやすいです。

②なぜその企業か

建設コンサルがやりたいとはいえ、建設コンサルに携われる企業は数多くあります。建設コンサルになれるならどこでもいいのではないか、と思われないためには「なぜその企業なのか」を強く伝えることも同様に欠かせません

ここでは、「その企業が良い理由」を見つけるためのヒントをいくつかお伝えしますね。

視点1:総合か専門か

「建設コンサルタント」といっても、建設コンサルに特化した専門コンサルタント企業もあれば自社でいくつかおこなっている事業のひとつとして建設コンサルをおこなう総合コンサルタント企業もあります

建設コンサルに特化した専門企業であれば既存の知識を仕事に十分活用することも、また仕事をする中で専門知識に触れ建設コンサルの一任者としてさらにその知識を伸ばすことも可能でしょう。

総合企業であれば、ほかの事業と掛け合わせた新しい建設計画を生み出すことができるかもしれません。既存の建設の枠を超えた新しい計画を練りだせる可能性があると考えられます。

実際の企業例
  • 建設:日本工営、建設技術研究所
  • 総合:オリエンタルコンサルタンツ

視点2:どのような建造物の設計が得意か

企業によって取り扱う建造物はさまざま。道路の建設を専門でおこなう企業もあれば、ダムの建設をメインとしておこなう企業もあります。同じ建設コンサルでも取り扱う建造物には違いがあります。自分が何の建設に携わりたいかを考えてみると志望企業の絞り込みに役立つかもしれませんよ

実際の企業例
  • 株式会社長大:橋梁(きょうりょう)、道路が得意
  • パシフィックコンサルタンツ:道路が得意
  • 建築技術研究所:河川にかかわる建造物が得意

視点3:その企業の強みは何か

企業ごとに売りとなる強みに目を向けるのも良いでしょう。先の通り、建造物の分野において強みを持っている企業もあれば地域に密着したスタイルが売りの企業もあります。また建設コンサルの仕事の中でも「事前調査」の部分を強みとする企業もあります。

自分が建設コンサルの仕事の中でもどのような部分に魅力を感じたのかを振り返ってみましょう。自分が魅力に感じる部分が強い企業を選ぶのも企業選びの手段として有効ですし、その企業と自分がマッチしていることもアピールしやすくなります

実際の企業例
  • 応用地質株式会社:地質調査に強み
  • 株式会社建設技術研究所:河川分野に強み
  • 日本工営株式会社:業界一の技術力が強み

乾 花穂子

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ひとつずつステップを踏んで企業研究をおこなっていこう

なぜその企業がいいのかあまりピンと来ない場合には、どのようなグループ会社があるのか、拠点は関東か関西か、海外事業にも取り組んでいるのか、など目に見える情報から企業研究を進めてください。グループ会社が多い場合には、そうした企業と連携して事業を進めることが多く、少ない場合には自社で取引先を見つける必要がありそのような企業ならではの営業や調査などの業務内容も抱えているかもしれません。

次に、実際にかかわった業務実績に着目をします。人通りの多いエリアを中心に対応をしているのか、過疎化が進んでいるエリアなのか、同じ橋でもどのような大きさに特化しているのか、など特徴を集めていきます。

これらの情報を得られたら、そこで終わりにするのではなく、「なぜ」そのような特徴があるのか理由を深めていきます。創業者の想いや沿革、IR情報などにヒントが散りばめられているかもしれないので着目してみましょう。

③入社後にやりたいこと

内定や入社はゴールではなく、あくまでも業務のスタートになります。入社後もしっかり意欲的に働けるよう、また企業側にも自身が入社後に努力している姿をイメージしてもらえるように、入社後にやりたいことも志望動機で伝えるようにしましょう。

ここでは「多くの建造物の計画を立案したい」などと、どの企業でも通じるようなことを伝えるのは避けましょう。志望企業の実際の仕事内容を交えると、その企業ならではの志望動機につながります。また現実的に新卒一年目からすぐ計画の立案にかかわれるとは限らないでしょう。実際に一年目はどの程度の業務レベルに携われるかを事前に調べ、今後の姿と併せて伝えるのも将来性を感じられて良いですね。

④企業にどう貢献できるか

志望動機ではその企業への熱意だけでなく自分が企業に貢献できることも併せて伝える必要があります。どれだけ意欲が高くても、仕事で活躍し企業の成長に貢献するのが難しいと判断されると評価が下がってしまうことも。先ほどお伝えしたようなスキルがあることと、それを裏付けるエピソードを盛り込みながら、企業に自分を採用するメリットを提示しましょう。

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建設コンサルの志望動機例文5選

ここまでの解説を踏まえて、志望動機の例文を見ていきましょう。例文は建造物の分野で分けてありますので、自分の志望する企業の分野と照らし合わせて参考にしてみてくださいね。

例文①道路

例文

私は交通インフラをさらに充足させたいという思いがあります。地方出身で、道路などの交通インフラが整っていないことから移動に苦労をしました。その経験から、より使いやすい交通網を発達させる計画を立案したいと考え建設コンサルを、そして建造物の中でも道路に強みがある事から御社を志望しております。

学生時代はスポーツに励み、精神と体力どちらも鍛えてきました。またゼミ活動において地方創生プロジェクトとして地域住民の方とのかかわりやインフラ目線での課題点についても知見を深めてまいりました。この経験を活かし、まずは先輩の補助的役割が多いと思いますので、さらに道路整備についての知識を増やしていきます。そのうえで将来的には大規模な道路開発計画に携わり、御社の成長はもちろんですがさまざまな人の生活の向上に役立ちたいです。

選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう

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キャリアアドバイザー

建設業の中でも建設コンサルを選んだ理由がわかりやすいですね。また、自分の興味と志望企業の強みとがマッチしているのもよく伝わります。

例文②トンネル

例文

私が御社を志望したのは、交通インフラに強みがあり、かつ近隣住民の方々との関係性がしっかり築かれている部分に感銘を受けたからです。

交通インフラに携わりたいと考えている中で御社を知りました。道路やトンネルの建設にかかわっていることに魅力を感じたほか、建設にあたり環境破壊や近隣住民とのかかわりを大切にし、事前調査やヒアリングに力を入れている点に共感いたしました。どうしても建設では近隣住民の方の協力が必要になると思うので、そういったところまできちんと気遣えている企業は御社しかいないと思います。

私自身も大学時代のサークル活動では協調性をもっとも重視して活動してきました。御社に入社後は、先輩方に帯同しながら早く近隣住民の方との信頼を得たいです。そのうえで、多くの人の役に立つ道路やトンネルの建設に携わりたいと考えています。

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キャリアアドバイザー

企業の特徴や方向性に共感していることが伝わり、企業研究がしっかりできている印象を受けます。企業風土に早く馴染み、活躍してくれそうなイメージを持てますね。

例文③橋梁

例文

私は世界に誇れる橋を造りたいと考えて御社を志望いたしました。日本の建築物は世界からも評価が高いと感じています。そして橋梁は交通インフラの中で欠かせないものであるとも思っております。交通に欠かせない橋梁に付加価値を与え、日本の誇りとなるような橋を計画したいです。

御社は河川分野が得意なほか、技術力にも定評があるとお伺いしました。また私自身も大学では建築に携わってきたほか、デザインに関する知識もあります。これらの知識を活かし、まずは小さな橋梁から建設計画を練っていきたいです。そしていつかは地域の、ひいては日本のシンボルとなるような橋梁の建設計画を立てたいです。

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橋に付加価値を与えたいという思いが独自性があり非常に興味深いです。やりたいことを実現するまでのステップも考えられているのも良いですね。

例文④ダム

例文

もともと、幼い頃に見学に行ったダムに感動し、ダムや水道に関する仕事に就きたいと考えていました。当時はその大きさに驚くだけでしたが、私たちが日々利用する水道は生活に不可欠な存在であると気付くようになりました。

それと同時に、ダムは規模が大きいために周囲からの協力が大切になります。ただ建設するだけでなく、周囲との連携をうまく図りながら多くの人に役立つダムの建設に携わりたかったため建設コンサルを、そして地域でもっともダムの建設に強い御社を志望いたしました。

現場経験はまだありませんが、大学では建設にかかわる知識をつけてきました。まずはこれまでの知識を生の現場の実際とすり合わせることで、業務への理解を深めていきます。将来は多くの人の生活に活きるようなダムの建設に携わりたいです。

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キャリアアドバイザー

建設コンサルとその企業を選んだ理由がしっかりと明示されており、志望企業への強い思いを感じます。入社後に取り組む業務についても、段階を踏んできちんと考えられているのが伺えますね。

例文⑤大型建築物

例文

私は都市のベンチマークとなるような建物に携わりたいと考えていました。自分がそのような施設を利用する際、「もっとこうだったらいいのに」と改善すべき点を感じることも多く、利用者の目線でそのような建物の建設計画から携わりたいと考えています。

御社は建設コンサル事業のほかにも多くの事業を展開しており、建設計画でもそれらの事業を活かし、広くさまざまな人に役立つ計画ができるのではないかと考えております。大学のゼミでも、建設計画を立ててゼミ生に共有、説明する機会を多く経験してきました。言葉の組み立て方など、論理的に物事を伝える力は身に付けてきたと考えております。新卒一年目など初めのうちはできることは限られると思いますが、ひたむきに勉強を続け、早いうちに自分の目標であるまちのベンチマークとなるような建物の建設に携わりたいと考えています。

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キャリアアドバイザー

こちらも建設業の中でも建設コンサルを選んだ理由がわかりやすいですね。企業の特徴についてもしっかりつかめており、自身のやりたいことや将来像が明確にイメージできていることがよくわかります。

建設コンサルならではの魅力を理解して志望動機を作ろう

建設コンサルの志望動機では、建設に関連するさまざまな仕事の中で建設コンサルを選んだということをはっきりと示すのがもっとも大切です。

まずは建設コンサルにかかわる業種との違いや建設コンサルの魅力を理解しましょう。そのうえで企業の特徴を知り、建設コンサルの中でもその企業に入りたいというアピールができると説得力のある志望動機ができますよ。

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