目次
- ゼネコン業界を理解してから志望動機を書こう
- そもそもゼネコンとは?
- 建築会社や工務店と何が違うの?
- スーパーゼネコンとは?
- ゼネコンの主な業務内容4つ
- 営業:取引先との連携を図る
- 設計:設計図の作成を担う
- 施工管理:建設現場を取りまとめる
- 研究開発:独自技術の研鑽を積む
- ゼネコンで働くメリット
- 社会に貢献できる
- やりがいがある
- 需要が廃れない
- 収入が安定している
- 定年まで働き続けやすい
- ゼネコンで働くデメリット
- 長時間労働の可能性がある
- 年功序列である
- 転勤の可能性がある
- 仕事の責任が重い
- 大手と下請けで格差がある
- ゼネコンで求められる人物像
- 課題を引き出すヒアリング能力がある人
- 計画的に実行できる人
- 交渉力がある人
- 他社・他部署の人と協力できる人
- ゼネコンの志望動機をつくる前にやっておきたい3つのポイント
- ①自己分析で強みと弱みを明確化する
- ②なぜゼネコンなのかを言語化する
- ③業界・企業研究をする
- 企業ごとの特徴を知って具体的な志望動機にしよう
- 企業の事業内容を知る
- 企業の事業戦略を見る
- 企業の施工実績を見る
- 4ステップで完成! ゼネコンの志望動機を書こう
- ①結論から書く
- ②ゼネコン業界に魅力を感じた理由を書く
- ③その企業を選んだ理由を書く
- ④どう活躍したいかを書く
- 職種別!ゼネコンの志望動機の例文
- 例文:営業
- 例文:設計
- 例文:施工管理
- 例文:研究開発
- 例文:事務
- ゼネコン業界が抱える課題も押さえておこう
- 人手不足
- 利益率が低い
- 建設業界の需要減少
- 海外事業の難航
- ゼネコンのNG志望動機
- 給与が高い
- 企業の知名度が高い
- ものづくりがしたい
- ゼネコンだから実現できる目標を志望動機に書こう
ゼネコン業界を理解してから志望動機を書こう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。建設業界に興味を持つ学生から、
「志望動機をうまく言葉にできない」
「ゼネコンで評価される志望動機がよくわからない」
といった悩みが寄せられています。志望動機は書類選考ではもちろん、面接でも最も重要な要素ですが、魅力的な志望動機を考えるためにはまず志望業界について正しく理解する必要があります。
この記事では建設業界の現状や今後の見通しについて紹介しつつ、効果的な志望動機の書き方を例文付きで解説しますので、ゼネコンを志望する人はぜひ志望動機作成に役立ててください。
関連する仕事として建設コンサルが挙げられます。建設コンサルについてはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそもゼネコンとは?
就活を始めたばかりの人の中には、そもそもゼネコンとは何なのかよくわからない人もいるかもしれません。
ゼネコンとはゼネラルコントラクター(General Contractor)の略称で、日本語に訳すと「総合建設業者」を意味します。具体的には、実際の現場で土木・建築工事を担うサブコンと顧客の間を取り持ったり、作業の管理をしたりすることがゼネコンの主な役割です。
ゼネコンとその他の建設業者の違いに明確な定義はありませんが、一般的には設計・施工・研究・の3つを自社内でおこない、さらに売り上げが数千億~数兆円にのぼる企業がゼネコンと呼ばれています。
建築会社や工務店と何が違うの?
ゼネコンによく似た概念として、建築会社や工務店といった名前を耳にしたこともあるのではないでしょうか。どれも法律上では建設業の許可業者であるため明確に定義するのは難しいのですが、大きな違いは、ゼネコンが設計・施工・研究の3つすべてを自社内でおこなっているのに対し、建築会社や工務店ではたいてい設計・施行のみという点です。
また、ゼネコンがオフィスビルや道路、ダムなどの大きな規模の建造物を扱う一方、建築会社や工務店は住宅建築が事業の中心という点も違いの1つです。いずれにしても明確な違いはないので、規模の大きな建造物を扱うのがゼネコン、戸建住宅などの規模の小さな建造物を扱うのが建築会社や工務店という認識で問題ありません。
スーパーゼネコンとは?
ゼネコンの中でも特に規模が大きく、技術力に優れる企業を「スーパーゼネコン」と呼びます。こちらもゼネコン同様に明確な定義はありませんが、主に「単独売上高が1兆円を超えていること」が基準とされており、現在は以下の5社がスーパーゼネコンとして挙げられています。
- 大林組
- 鹿島建設
- 清水建設
- 大成建設
- 竹中工務店
スーパーゼネコンの施工実績は、多くの人が利用する建造物や、誰もが知っているような建造物がほとんどで、各社とも国内だけではなく国外での施工実績も豊富であることが大きな特徴です。
キャリアアドバイザー
加えて、ゼネコンのことを理解する前にこちらの記事で建設業界についても理解を深めておきましょう。
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ゼネコンの志望動機は、ツールを使えば自動で作成できます
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ゼネコンの主な業務内容4つ
一口にゼネコンといっても、その事業は建築事業や土木事業、開発事業などさまざまで、さらに業務内容も多岐にわたります。業務内容を正しく理解しておかなければ、志望動機で熱意を伝えるのは難しくなるうえ、本当にゼネコンの仕事が自分に合っているのかも確かめられません。
入社した後で「イメージしていた仕事と全然違う」といった事態に陥らないよう、志望動機を考える前にまずはゼネコンの業務内容について知っておきましょう。細かく分ければ膨大な数になってしまうので、ここではゼネコンの主な業務内容を4つ紹介します。
営業:取引先との連携を図る
- 営業:官公庁や民間企業などの顧客と、下請けの工事業者の間を取り持つ仕事
顧客から依頼を獲得するほか、自社で企画した内容を顧客に提案したり、社内の各部門とやりとりしながら提案書や企画書をまとめたりします。
営業はどの企業にもある仕事ですが、ゼネコンの営業では契約金額が数億円〜数十億円にもなる大規模な案件を扱うケースもあるため、一般企業とは比較にならないほどの責任とやりがいがあることが特徴です。
また、顧客と工事業者の橋渡し役であるため、相手の要望を的確に汲み取り、適切な提案をするコミュニケーション能力が求められます。大きなスケールの案件を各所と連携を図りながら進めていくのは簡単ではありませんが、自分の活躍が直接企業の大きな利益につながるというのは営業職ならではのやりがいと言えるでしょう。
設計:設計図の作成を担う
- 設計:自社で企画した内容や、営業が顧客から獲得してきた案件を設計図として具体的な計画にまとめていく仕事
下請けの設計事務所に仕事を任せる場合もありますが、たいていは自社内に存在する設計部が営業や顧客とやりとりを重ねながら設計業務に当たります。設計の仕事は大きく分けて3つです。
- 「意匠設計」:建築物の外観・内部空間の間取りやデザインを考える
- 「構造設計」:災害にも耐えられるような構造を設計する
- 「設備設計」:室内で快適に過ごせるよう給排水・電気・空調などを設計する
建築物のデザインに関わる意匠設計の仕事が目立ちがちですが、安全で快適な建物を実現するためには、意匠設計・構造設計・設備設計いずれの分野も欠かせない仕事です。
施工管理:建設現場を取りまとめる
- 施工管理:計画に基づき、スケジュールや現場での安全面などの管理をおこなう仕事
現場のスケジュールや状態を常に把握し、納期までに作業を完了させることが求められます。施工管理の仕事は大きく分けて4つです。
- 「工程管理」:計画通りに工事を進められるよう管理する
- 「原価管理」:赤字にならないよう人件費や材料費をうまく調整する
- 「品質管理」:建造物の品質がきちんと守られているかを確認する
- 「安全管理」:現場での事故や違反を防ぐ
安全かつスムーズに顧客の要望に沿った建造物を完成させるため、工事全体のあらゆる要素の管理をする施工管理の仕事は欠かせません。責任をもって仕事に取り組むことに加え、状況を素早く把握して適切な対処をする判断能力が求められる仕事です。
研究開発:独自技術の研鑽を積む
- 研究開発:より良い建造物を造るため、工事の過程で必要な工法や材料、システムなどを研究・開発する仕事
具体的な例としては、地震の揺れに対する耐震技術の研究や、タブレット端末で建設機械を無人で動かす施工システムの研究などが挙げられます。
そのほか、工場関連の商品や医療分野で活用できる商品など、研究・開発のテーマとする分野は企業によってさまざまです。
ゼネコンの業務の中でも特に高い専門性が求められる仕事ですから、特定の分野における高度な知識が必要となります。また、常識にとらわれない柔軟な発想力や、多くの時間や体力を消耗する仕事に耐えうるだけの忍耐力や集中力も求められるでしょう。
研究職の仕事内容やキャリアプランなど、研究職の就活についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
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キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
土木や建築関係の学科に所属をしている学生は、アイディア出しに関与したいという気持ちから設計に興味があるケースが多いのではないでしょうか。また、文系の場合は営業職への配属を意識する人が多いでしょう。また「職種」をさほど重要視しておらず、「大きな事業に関わりたい」というように、ゼネコンの事業内容そのものに魅力を感じている人も多くいることでしょう。
大きな金額を扱う業界なので、1つの契約が取れるかどうかで会社の売上は大きく変わってしまいます。そのため、契約獲得段階では相手の懐に入り説得をしていく高いコミュニケーション能力が必要です。理論で説明をして信頼してもらう、何度も話をして人柄を好きになってもらう、など人によって営業手法はさまざまですが、何度断られても諦めない粘り強さと勢いのある行動力を持つことが大切です。
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ゼネコンで働くメリット
これまでゼネコンの定義や業務内容について詳しく解説してきましたが、ゼネコンで働くことで一体どのようなメリットがあるのでしょうか。将来働く業界を選ぶうえで、そのメリットを把握しておくのはとても大切ですから、自分が企業に求めるものとゼネコンで働くメリットを照らし合わせてみてください。
社会に貢献できる
ゼネコンは高層マンションやオフィスビルなどの大型建造物のほか、道路やダムといったインフラ設備など、多くの人が利用するさまざまな建造物の建設に携わるため、非常に社会貢献性の高い仕事です。
社会に貢献できる仕事は数多く存在しますが、ゼネコンの場合は建造物という目に見える形で成果が現れるため、自分の仕事が社会貢献につながっていると実感しやすいでしょう。
社会貢献性の高さを志望動機に盛り込みたい人はこちらの記事も読んでみてください。
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やりがいがある
ゼネコンの仕事は事業、金額ともに規模が大きいため、とてもやりがいのある仕事です。大きなスケールの仕事を無事終わらせた際には、何事にも代えがたい達成感を得られるはずです。
また「自分が造ったんだ」と誇れるような建造物が長期間にわたって残り、さらに自分の仕事が地図上でも大きく記されるのはゼネコンならではのやりがいと言えるでしょう。
需要が廃れない
建設の仕事というと新たに建造物を造るイメージが強いかもしれませんが、実は新規工事に限らず、老朽化した建造物やインフラ設備の改修工事、耐震工事といった仕事もあります。
一度建設しただけで仕事が終わるわけではないため、建造物やインフラ設備が存在し続ける限り建設の仕事がなくなることはありません。
人口減少によって従来より建築の需要が減る可能性はありますが、ゼネコン各社は海外事業のほか、エネルギー事業や環境事業などの建設事業以外の分野にも力を入れているので、建設業界の未来は比較的明るいと言えるでしょう。
収入が安定している
仕事に一定の需要があれば必然的に収入は安定します。特に2021年にはオリンピック・パラリンピック開催に伴う都市部での建設ラッシュが起きており、今後も大阪万博に向けたインフラ整備やIRリゾートの建設計画など、高い建設需要が見込まれています。
建設業界全体が潤うと予想されるため、働き手も安定した収入を期待できるでしょう。またゼネコン全体の平均年収は約660万円、スーパーゼネコンでは約700〜850万円と、他の業界と比べてかなり高収入である点もゼネコンで働く大きなメリットです。
定年まで働き続けやすい
働き手の減少やビジネスモデルの変化などにより、日本では終身雇用制度の維持が難しくなっていると言われていますが、経験が物を言う建設業界では年功序列制度を採用しているゼネコンが多く見られます。
長く働いて経験やスキルを身につけるほど活躍の場が広がり、給与も上がっていくため、ゼネコンは定年まで働きやすい職場と言えるでしょう。もちろん誰でも定年まで雇ってもらえるわけではないので、自分の能力を磨き続ける向上心と、長く健康的に働き続けるための健康管理が不可欠です。
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ゼネコンで働くデメリット
ゼネコンで働くメリットの裏には当然ながらデメリットも隠されています。デメリットを理解しないまま入社すればミスマッチのリスクが高まってしまいますから、メリットだけではなくデメリットもしっかりと頭に入れて就活を進めましょう。
長時間労働の可能性がある
ゼネコンは顧客獲得競争に勝つため極力少ない日数で工事を終わらせることを重視しており、工期内に作業を完了させるため長時間労働になりがちです。
どの部門に勤めるかによっても忙しさは大きく変わりますが、朝早くに出勤して家に帰るのは日を跨いでから、というのもゼネコンでは珍しくありません。
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働く時間が長い分、残業手当などの各種手当が充実してはいますが、あまりに忙しすぎるのはプライベートを大切にしたい人にとって大きなデメリットでしょう。「仕事が大好きなのでプライベートの時間が少なくても大丈夫」という人でないとゼネコンに長く勤めるのは難しいかもしれません。
年功序列である
長く貢献するほど企業から評価してもらえる年功序列制度ですが、見方によってはデメリットにもなり得ます。
その一つが、成果を出しても評価されにくい点です。成果主義と比べ年功序列制度は若手社員の給与が低くなりやすい傾向にあり、いくらがんばっても評価が上がらない状況が仕事に対するモチベーションの低下につながる場合があります。
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基本的に年長者のほうが大きな権力を持っているため、若手の意見は通りにくい傾向にあります。「若いうちからどんどんチャレンジしていきたい」「成果を出して早く昇進したい」というような人は、自分の志望するゼネコンがどのような企業風土なのか、きちんと確かめたうえで選考先を決めるようにしてください。
転勤の可能性がある
ゼネコンは全国のあらゆる場所で建造物やインフラ設備を整えているため、他の業界よりも転勤の可能性が高いです。建造物は建築部門、インフラ設備は土木部門というように業務によって担当部門は変わりますが、いずれの部門も転勤の可能性があることには変わりません。
特に都市部での新規工事の需要が減りつつある現代では、人里離れた場所での工事や海外での工事の需要が高まっています。場合によってはあまり治安の良くない発展途上国に配属させられる可能性もあるため、地元志向の強い人にゼネコンは向かないでしょう。
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反対に「海外で活躍したい」「新しい環境にもすぐ適応できる」といった人がゼネコンに向いています。
仕事の責任が重い
仕事のスケールが大きい分、その責任も大きくなります。特に施工管理は作業をスケジュールどおりに進められるよう的確な指示を出さなければならないうえ、作業員の安全にも細心の注意を払わなければなりません。
数千人〜数万人が関わるような仕事で事故や不祥事を起こしてしまえば、メディアにも大きく取り上げられ、企業の信用低下につながってしまいます。大きな仕事は確かにやりがいのある仕事なのですが、その分責任がとても重く、一つのミスが数え切れないほど多くの人に迷惑をかける可能性があることを忘れてはいけません。
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「計画性のある人」や「一人で抱え込みすぎない人」でなければ、プレッシャーのかかる仕事を問題なく進めるのは難しいでしょう。
大手と下請けで格差がある
元請け事業者であるゼネコンが官公庁や民間企業から案件を受注し、下請け事業者となるサブコンに業務を発注する建設業界の構造上、どうしても大手と下請けでは少なからず格差が生まれます。
大手では給与が高く職場の環境も整っている一方で、下請けのさらに下請けともなると給与が低く労働時間も長くなりがちです。働き方改革を筆頭に企業規模間賃金格差の是正に向けた取り組みがなされてはいますが、ブラック企業と呼ばれるような企業は建設業界にも存在します。
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激務になりがちな建設業界では極端な長時間労働を課したり、パワーハラスメントが横行したりする企業も中にはあるため、より慎重に入社する企業を選ばなければなりません。
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そのほかの注意点として、一般的にゼネコンは男性比率が高いと思っている学生も多いのではないでしょうか。その理由には、一大プロジェクトを進める際に親睦を深める会食や残業が多いという一昔前のイメージがあるからなのかもしれません。
現在は、会社の規模にもよりますが女性の新入社員比率も徐々に高まってきています。その結果、育児休暇などの福利厚生も取得しやすくなっている会社も増えてきています。直属の上司になるであろう人はそうした時代の変化にも理解を示していることが多いでしょう。
一方で、当然ですが昔ながらの文化を大切にしている社員も存在します。そのおかげで築き上げられた関係性やつながりも多いので、そうした考え方がいけないというわけではありません。働き方に関してさまざまな考え方の人がいるということは注意をしておきましょう。
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ゼネコンで求められる人物像
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ゼネコンに興味があるのですが、自分に向いているか自信がありません。
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どうしてそう思うのですか?
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計画性はあるけど、リーダーシップを発揮できるタイプではないので……。
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ゼネコンにおいて計画性は重要な資質ですよ。求められる人物像をピックアップしますね。
ゼネコンではパートナーの企業や顧客など、さまざまな人々と関わり合いながら仕事を進めていくのが大きな特徴です。立場や価値観の異なる人たちともうまく信頼関係を築いていかなければならないため、高い対人能力が必要とされます。
ここではゼネコンで求められる人物像をいくつか紹介しますので、自分にその能力が備わっているか、自分の性格に合っているかを確かめてみてください。
課題を引き出すヒアリング能力がある人
関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出すためのヒアリング能力が求められます。ゼネコンで必要とされるヒアリング能力とは、ただ静かに相手の話を聞くことではありません。
適切な質問や意見をはさみつつ、相手の表情やしぐさ、言葉遣いなどから潜在的なニーズ、すなわち本音を読み取ることを指します。営業の仕事を例にすると、顧客がどのような建造物を必要としているのか正確に読み取り、ニーズを考慮した最適な提案をする能力が必要です。
ただし、相手の課題やニーズを引き出すのは簡単ではなく、一定の信頼関係を築かなければ相手の本音は引き出せません。短期間で身につけられる能力ではないため、普段から相手を注意深く観察したり、相手の立場から物事を考えたりしてヒアリング能力を高める練習をすることが大切です。
- クライアントや得意先に要件を確認する
- 問題が起こったとき、原因と課題を社内で確認する
計画的に実行できる人
スケジュール通りに作業を進めなければならないゼネコンでは、何事も計画的に実行できる人材が求められます。具体的には、予定どおり目標を達成するための工程を考えたり、あらかじめ起こりそうな問題を想定し対策したりすることです。
また、業務内容によって求められる計画性は異なります。施工管理であれば現場全体の状況を正確に把握し、作業がスムーズに進むよう計画を立てる能力が求められ、個人で進めるような事務作業であれば、自分自身を管理しながら計画を進めるセルフマネジメント能力が求められます。
このように業務内容によって求められる計画性は大きく異なるため、志望動機を考える前に、自分がやりたい仕事ではどのような計画性が求められているのか把握しておきましょう。
- 施工管理として現場全体の状況を把握し、作業がスムーズに進むよう計画を立てる
- 事務職として自分自身のスケジュールを管理しながら計画を進める
交渉力がある人
立場や役割の異なる人たちと利害を調整し、お互いが納得できるゴールに向かうための交渉力が必要とされます。ゼネコンで必要とされる交渉力とは、自分の意思を押し通すことではありません。
ヒアリング能力を発揮して相手が抱える課題やニーズを的確に把握し、お互いにとって良い結果につながるような関係性を築く能力を指します。交渉力というと営業の仕事で役立ちそうなイメージがありますが、交渉力は営業に限らず、あらゆる仕事で求められる能力です。
商談や会議、業務の指示などさまざまな場面で必要となるため、交渉力はゼネコンで働くために不可欠な能力と言えるでしょう。具体的な会話のテクニックを学ぶことはもちろん、相手を理解しようとする姿勢が交渉力の向上には欠かせません。
- 協力会社と金額や納期について交渉する
- 社内で稟議を通すために上司に交渉する
他社・他部署の人と協力できる人
ゼネコンではさまざまな価値観をもった人たちと関わりながら仕事を進めるため、他社や他部署とうまく連携がとれる人材が求められます。同じ部署の人との仕事であれば問題ないかもしれませんが、他部署と協力して仕事をする場合、仕事の進め方が全然違ったり、使用する専門用語が違ったりといった問題が起こりえます。
そのような問題に直面したときでもお互いを尊重し、円滑に仕事を進められるよう調整する能力をもった人材が求められているのです。
また、顧客はなるべくコストをかけずに素早く建物を完成させてほしいと考える一方で、ゼネコンは安全第一で大きな利益を上げることを重視しており、立場によって思惑はまったく異なります。事業を成功させ全体に利益を生み出すためには、お互いに尊敬しあえる関係性を構築しなければなりません。
- 営業が発注者からの要望を元に、社内の他部門と協力して企画書を作る
- 施工の一部を他社に外注し、連携しながら設計を進める
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これらの中でも、協力できる力を持っている人は重宝されると言えるでしょう。何度も説明している通り、ゼネコンは多額の金額を動かして長期間の事業を進めていきます。そのため、最初に決まったことから軌道修正をかけたりプロジェクト内で人員編成が変更になったりと、臨機応変に動く場面が多く存在します。そうなると、自分だけで判断ができないことも出てくるため周囲との協力が不可欠になってきます。
もちろんどのような仕事でも周囲と協力をする能力は必要です。しかし、ゼネコンを志望する際には「他者と協力して取り組んだ長期的な取り組み」において自分が担った役割をアピールするといいでしょう。もちろん個人での経験でもかまいませんが、ゼネコンは非常に多くの人とかかわりを持つ仕事です。団体での取り組みのほうが高い評価を得やすいといえるでしょう。
そのときは、どのような点にやりがいを感じて自分の強みを発揮することができたのか、具体的に説明をすることができればゼネコンで働く際の共有項を見出すことができてさらに説得力が増していきますよ。
ゼネコンの志望動機をつくる前にやっておきたい3つのポイント
ゼネコンがどういった企業なのかは理解できたものの、具体的にどんな志望動機が高く評価されるのかわからない人も多いかもしれません。漠然とした理由を持っていたとしても、志望動機として言葉にするのは難しいものですよね。
そこで、ゼネコンの志望動機をつくる前にやっておきたい3つのポイントをご紹介します。いきなり志望動機を考え始めてもうまくまとめるのは難しいため、しっかりと準備をしてから志望動機作成に取りかかってください。
①自己分析で強みと弱みを明確化する
魅力的な志望動機を作るためには、まず自己分析で自分の強みと弱みを明確にする必要があります。自分の特徴を正しく理解していなければ、企業に自分を売り込むことができません。
特に企業が重視しているのは、「入社してからどのように活躍してくれるのか」というポイントです。自己分析で明らかにした自分の強みを仕事でどう活かせるのか説明することで、入社後あなたが活躍する姿を企業にイメージしてもらいやすくなります。
具体的な方法としては、過去の経験をどんどん深堀りしていくやり方がおすすめです。たとえばアルバイトの経験を掘り下げるのであれば、「なぜ長く続けられたのか」「どんな形で貢献したのか」などと自問自答を繰り返していくことで、自分の強みと弱みを明確にできます。
自己分析のひとつとして自分史を作る手法もあります。手順についてはこちらの記事を参考にしてください。
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②なぜゼネコンなのかを言語化する
志望動機では、なぜ数ある業界の中からゼネコンを選んだのかを説明してください。企業は志望動機から学生の熱意を見極め、長期間にわたって企業に貢献してくれる人材かどうかを確かめています。そのため志望動機では自分を売り込むことに加え、ほかの業界と差別化し「絶対にこの業界で働きたい」という熱意を伝えなければなりません。
反対にゼネコンを選んだ理由が明確でなければ「入社してすぐに辞めてしまうのでは?」と疑問を持たれ、採用される可能性が下がってしまうでしょう。
また、業界の差別化だけではなく企業の差別化も必要です。数あるゼネコンの中からなぜこの企業を選んだのかを説明できなければ、採用担当者を納得させられないため、就活で何を重視しているのかという「企業選びの軸」を定めておきましょう。
就活の軸がまだ見つけられていない学生には、こちらの記事がおすすめです。
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③業界・企業研究をする
なぜゼネコン業界なのかを言語化するには、業界・企業研究が不可欠です。企業のホームページやパンフレットの情報はもちろん、説明会やインターン、OB訪問などを活用し、業界・企業それぞれの動向や特徴を把握しましょう。
業界・企業研究では、複数の分野の情報を比較しながら研究していく方法が効果的です。たとえばゼネコン業界を志望している場合でも、ゼネコン業界のことだけを調べるのではなく、そのほかの業界と比較しながらそれぞれの業界にどんな強みや魅力があるのかを明らかにしてください。
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他の業界の強みや魅力を理解することで、「なぜゼネコン業界を選んだのか」を明確にでき、さらに自分が本当にゼネコン業界に合っているのかを確かめられます。
業界研究ではほかの業界を知ることも大切です。こちらの記事では就活で役立つ8業界の解説をしています。
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ほかの業界との比較をおこなう際はぜひ業界研究ノートを作ってみてくださいね。
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企業ごとの特徴を知って具体的な志望動機にしよう
業界の差別化ができたら、次は企業の差別化です。ゼネコン業界を選んだ理由が明確であっても、「その中でなぜこの企業を選んだのか」を説明できなければ、この学生を採用したいと企業に思ってもらえません。
入社への熱意をアピールするために企業ごとの特徴を理解し、他の企業ではダメな理由が伝わるような志望動機に仕上げましょう。そのためには、以下の3つの視点から企業研究を進める必要があります。
企業の事業内容を知る
ゼネコンを例にすると、前提として顧客から案件を受注して利益を出すという請負型のビジネスモデルがあります。ただ、このビジネスモデルはあくまでもあらゆるゼネコンに共通するものであって、企業特有のものではありません。
志望動機を考えるために必要となるのは、企業独自の事業内容です。たとえば大林組では、今後の新規工事の需要低下を見据え、新たな事業開発の一つとして農業ビジネスに注力し自社工場での葉菜類栽培を推進しています。
- 大林組:農業ビジネスに注力し自社工場での葉菜類栽培を推進
- 大成建設:川崎駅や千葉駅など市街地再開発事業に多く取り組む
- 竹中工務店:東京ドームやあべのハルカスを手がけ、建築事業に多く取り組む
キャリアアドバイザー
企業独自の事業内容や、新たに構築しようとしているビジネスを調べ、企業ごとの特徴を明らかにしてみてください。
企業の事業戦略を見る
一口にゼネコンと言っても建築事業のみならず、土木事業や開発事業、再生可能エネルギ事業など、さまざまな事業をおこなっています。企業の特徴を理解するために、各企業がどのような事業に力を入れているのか、またどんな事業戦略をとっているのかを把握しましょう。
たとえば大林組では、少子高齢化によって働き手が減少していくことを見据え、建設業界の持続的な成長のために「生産性の向上」に着目。安全性や品質の向上だけではなく、現場におけるさまざまな「ムリ・ムダ・ムラ」の削減に向けた取り組みを推進しています。
キャリアアドバイザー
企業の事業戦略を調べ、各企業が事業の中で何を重視しているのか、将来に向けたどんな構想を持っているのかを確かめてみましょう。
企業の施工実績を見る
各企業の強みは施工実績からも読み取ることができます。過去に施工した建造物に使われている技術や、なぜそのゼネコンが担当業者に選ばれたのかなど、建造物に関するさまざまな背景を知れば企業ならではの特徴を理解できるはずです。
以下にスーパーゼネコン5社の施工実績をご紹介しますので、気になった建造物があれば、それぞれにどんな技術が使われているのか調べてみてください。
4ステップで完成! ゼネコンの志望動機を書こう
志望動機はその企業を選んだ理由だけ述べればいいわけではありません。チグハグな内容では自分の魅力を十分にアピールできませんし、他の学生とも差をつけられないでしょう。
そこで重要となるのが志望動機の「構成」です。構成とは話を伝える順番のことで、順番の工夫によって伝えたいことを上手に伝えられる効果があります。志望動機で最も伝えたい内容を相手にきちんと理解してもらうために、効果的な構成方法をもとに志望動機を考えていきましょう。
①結論から書く
志望動機に限らず選考でのあらゆる質問に言えることですが、質問に答えるときは、まずは結論から話し始めるよう心掛けてください。結論を最初に伝えることで、「私は今から◯◯について話します」という宣言になり、聞き手は話の内容を理解するための準備ができます。
反対に結論を話の最後に伝えてしまうと、あなたが何のエピソードを話しているのか理解してもらえず、アピールポイントも伝わらない可能性があります。そうなってしまうと高評価を得るのは難しくなるため、ESや履歴書、面接での受け答えは常に結論を先に伝えるのが重要です。
結論から伝えるのは聞き手に内容を理解してもらいやすくするための心遣いになり、さらには自分が話を構成しやすくなるメリットもあります。
②ゼネコン業界に魅力を感じた理由を書く
志望動機では「ゼネコン業界に興味があるから志望した」だけで終わるのではなく、なぜ興味を持ち、どういった点に魅力を感じたのかまで言及する必要があります。
「好き」や「興味がある」だけの志望動機だと企業はあなたが入社後に活躍する姿をイメージできませんから、数ある業界の中からなぜゼネコン業界を選んだのかが分かるようなエピソードを伝えてください。ゼネコン業界を選んだ理由が明確であれば、志望動機にも説得力が生まれます。
エピソードを伝える際のポイントは、その経験をしたときの自分の感情や考えを交えながら話すことです。過去の出来事を淡々と話しただけでは、どんな考え方からゼネコン業界を志望するに至ったのか読み取れないため、過去の自分が何を考え、どのように感じたのかを詳しく伝えるようにしてください。
③その企業を選んだ理由を書く
ゼネコン業界を志望した理由が明確であっても、企業の差別化ができていなければ「ほかのゼネコンでも別にいいのでは」と採用担当者に疑問を持たれてしまうため、その企業を選んだ理由も具体的に書かなければなりません。
ゼネコンと言っても企業によって特徴と強みはまったく異なりますから、企業研究でそれぞれの企業について入念に調べ、「◯◯だからこの企業を選んだ」と自信を持って答えられるようにしてください。
その業界と企業を選んだ理由が明確であれば、他の学生とは違うあなたならではの志望動機に仕上がるはずです。
④どう活躍したいかを書く
最後に、入社後どんな仕事をしたいのか、どのような形で活躍していきたいのかを伝えましょう。いくら入社への熱意が強くても、企業に貢献してくれる人材であると採用担当者に判断してもらえなければ採用には至りません。
そのため志望動機では、その業界・企業を選んだ理由と合わせて入社後のビジョンも書きましょう。具体的なビジョンを伝えれば、採用担当者は企業に貢献してくれる人材かどうか判断しやすくなりますし、企業についてしっかりと理解しているアピールにもつながります。
入社後のビジョンを伝える方法としては、具体的な事業・業務内容を交えて答えるのが効果的です。たとえば「営業職として自分の交渉力を活かしたい」などと伝えれば、入社後にどう活躍したいのかがよく分かります。
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キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
志望動機を書く際によく見られる例が、いきなりその企業が携わっている施設を1つだけ褒めて、最後に「自分も〇〇のようなプロジェクトに関わりたい」と占める書き方です。しかしこの場合は他の学生との差別化をすることが難しいです。
なぜなら、学生が知っている施設は上記に挙げたような消費者が訪れるものが多いのですが、実際にはそのほかの事業も手がけていることが多いからです。そのため学生があまりにも1つの施設にこだわった書き方をしていると、企業は「誰もが最初からこういう大きなプロジェクトに関われるわけではない」「もしマイナーな案件に関わったときにやる気をなくさないか」など疑問に思ってしまうリスクがあります。
もちろん施設を挙げて志望動機を作ることは悪いことではありません。その場合には最初にその会社の戦略そのものの特徴を記載するといいでしょう。会社全体の戦略に魅力を感じたことをきちんと伝えたうえで、「たとえば〇〇の施設にその戦略が反映されていた」など施設単体の話はあくまで具体例の1つに留めておくようにしましょう。
職種別!ゼネコンの志望動機の例文
営業、設計、施工管理、研究開発、事務の5つの職種別にゼネコンの志望動機例をご紹介します。これまでに紹介してきたゼネコンの概要や志望動機の書き方を踏まえ、自分なりの回答を考えてみてください。
事前にゼネコン業界や各企業についてしっかりと研究したうえで、自分ならではのエピソードを加えた回答に仕上げていきましょう。志望動機が完成したあとは、面接でさらに深堀りされることを想定し、深堀り質問への回答も用意しておくと安心です。
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例文:営業
台風や大雨などによる水害に負けない街づくりに携わりたいと思い、貴社を志望しました。
水害に強い街づくりの仕事をしたいと考えるようになったのは、高校生の頃、西日本豪雨災害によって自宅が浸水被害に遭ったことがきっかけです。幸い大きな被害は出なかったのですが、この経験から日本の都市の多くは水害に弱いのにもかかわらず、対策が十分できていないのを知り、早急な治水対策が必要だと感じるようになりました。
数あるゼネコンの中から貴社を選んだのは、ダムの建設や河川工事などに確かな実績があり、治水事業に大きな強みを持っているためです。入社後は営業職として水害の危険性を世に知らしめながら、安心して暮らせる街づくりに貢献していきたいと思います。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
身をもって水害を体験した経験から、営業職として危険性を伝えたいという志望の理由が論理的に分かりやすい文章です。企業の特色や実績もよく理解していることがわかります。
例文:設計
私はより安全な建造物の設計に携わりたいと思い、貴社の建築職を志望しました。
建造物の安全性に興味を持ったのは、小学生の頃に自宅が地震の被害に遭い、数週間避難所で生活したことがきっかけです。プライバシーのない避難所での生活は想像以上に疲れるもので、その経験から私は「避難しなくてもいい家があればいいのに」と考えるようになりました。
災害の多い日本でそんな建造物を造るのは難しいのかもしれませんが、「ラピュタ2D」や「デュアル・フレーム・システム」といった高度な免震・制振技術を持つ貴社であれば、近い将来実現できるのではないかと考えています。
「災害が起きても避難しなくていい」を実現するため、貴社の構造設計者として、より安全性の高い建造物の設計をしたいと考えています。
地震の経験から感じたリアルな想いから、構造設計者として地震に耐える設計への意欲につなげています。具体的な技術に触れることで企業研究の深さも知ることができます。
例文:施工管理
多くの人々が利用し、後世に残るような建造物の建設に携わりたいと思い、貴社を志望しました。
数あるゼネコンの中から貴社を志望したのは、貴社が建設に携わった瀬戸大橋の近くに幼少期から住んでおり、交通輸送の面において瀬戸大橋が大きな役割を果たしているのを間近で見てきたからです。私がまだ幼かった頃、瀬戸大橋を通るたびに「人間はこんなに大きいものが造れるんだ」と感動したのをよく覚えています。
それ以来、将来は瀬戸大橋の建設に関わった貴社に入社し、物流の大動脈になるような道路や橋の建設に携わりたい考えるようになりました。入社後は現場でしっかりと建設に関する知識力と技術力を身に付け、施工管理の資格を取得したいと思っています。
後世に残るような建造物の建設に携わりたいという想いの源が、幼き頃の感動であることが分かるエピソードです。「人間はこんなに大きいものが造れるんだ」と工程への興味を伝えることで、施工管理を目指した理由も納得できる志望動機になっています。
施工管理の志望動機の書き方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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例文:研究開発
私は今までにないモノや技術を自分の手で生み出すことにやりがいを感じ、研究開発職に就きたいと考えるようになりました。
建設業の研究開発職に興味を持ったのは、貴社の「宇宙エレベーター建設構想」の記事を読んだのがきっかけです。記事を読む前は「そんな夢物語……」と疑心暗鬼だったのですが、いざ記事を読んでみると、この構想は貴社の確かな技術力に裏づけされたものであるとわかり、壮大なスケールの構想にワクワクさせられると同時に、私もこんなプロジェクトに携わりたいと考えるようになりました。
建設業は地球上で建造物を造るのが仕事だと思っていたので、将来的に宇宙事業にも進出する可能性があることに、当時とても驚かされたのが強く印象に残っています。大学で研究した建築構造の知識が宇宙の建造物にも役立つのかは分かりませんが、新たなモノや技術を開発するため、貴社の研究室で力を発揮していきたいと思います。
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研究開発では技術力もさることながら研究に対する熱意も求められます。企業の具体的なプロジェクトに触れたうえで自分にはどんな知識があるのか、どう関わっていきたいのかを伝えています。興味を持ったきっかけと意欲が伝わる志望動機です。
技術職の志望動機の書き方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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例文:事務
建築物を通して人の暮らしや命を守り支える「建設業」の仕事に惹かれ、建設業界を長年リードし続ける貴社を志望しました。
建設業のさまざまな職種から事務職を選んだのは、大学時代に取り組んだ一般事務のアルバイトの経験から、細かい作業をコツコツとこなしていく事務の仕事が私の性格に合っていると感じたためです。一般事務のアルバイトでは電話応対や書類作成、在庫・備品管理などを担当していたため、これらの経験を建設業の事務職にも活かし、貢献していけると思います。
また、女性活躍推進のための専任組織を設置したり、出産後に退職する女性社員を減らすために企業内助産師のサービスを導入したりといったように、ゼネコンの中でも特に女性社員が働きやすい職場づくりに力を入れている点も貴社を志望する理由の一つです。
建設業に惹かれた理由と事務職を選んだ理由を経験から伝えています。「他の業界の事務職でもいいんじゃないか」「事務職じゃない職種でもいいんじゃないか」と思われないよう、どちらの要素も盛り込むことがポイントです。
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ゼネコン業界が抱える課題も押さえておこう
就活生
志望動機が書けたのですが、いまいちオリジナリティに欠ける気がします。
キャリアアドバイザー
そういう場合は、ゼネコン業界の課題について触れるのも一つの手ですよ。
志望動機を考えるためには、ゼネコン業界の良い面だけでなく抱える課題も把握しておきましょう。課題を知れば、自分がその業界で働いていくうえでの目標や活躍できる領域の理解につながりますし、本当に自分がゼネコン業界に合っているのかを確かめられます。
ゼネコン業界が現状どのような課題を抱え、どんな対策を講じているのかを調べ、自分が今後活躍していけそうな領域を考えてみてください。業界の情報は新聞やニュース、就職情報サイトのほか、各企業が所属する団体のホームページなどからも入手できます。
人手不足
建設業界の深刻な課題の一つが「人手不足」です。その要因として考えられるのが、少子高齢化による働き手の減少と、建設業界に対するイメージの悪化です。建設業界の仕事は数ある業界の中でも特に過酷と知られており、さらに近年、現場での事故や過労による自殺などが続々と報道されたことで、若い働き手が建設業界を敬遠する傾向にあります。
労働環境と人手不足を解決するため、政府が講じているのが同一賃金同一労働や週休二日制の導入などの対策です。これらの「建設業界の4改革」という政策は2024年までの猶予が与えられているため、現在、各ゼネコンは2024年に向けて労働環境の改善に取り組んでいます。
キャリアアドバイザー
少子高齢化による働き手の減少の流れを変えるのは難しいものの、働き方改革によって建設業界のイメージが良くなれば、人手不足を少しは改善されるかもしれませんね。
利益率が低い
ほかの業界と比べ利益率が低いことが建設業界の大きな課題となっています。売上自体はそこそこ確保できていても、資材費や労務費、外注費といった各種経費や、銀行借り入れの金利などを差し引くとほとんど利益が残らないケースも少なくありません。
東京商工リサーチによると、上場ゼネコン55社だけを見た場合、リーマン・ショック以降は利益率が順調に回復していたものの、2017年頃からは伸び率が大きく鈍化し、2019年3月期にはついに下降に転じています。建設業界の利益率の低さは建築資材の高騰に加え、人手不足による労務費上昇などのコストアップを吸収するのが難しくなっているためだと考えられています。
建設業界の需要減少
2021年は、東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博、リニア新幹線、IRリゾート計画などの大規模な建設プロジェクトの進行が数年以内に予定されているため、高い建設需要が続いています。
しかし、問題となるのはこれらの需要が満たされた後の状況です。国内の人口減少も大きく影響し、建設業界の需要、特に新規工事の需要低下は避けられないと予測されています。
こうした状況を踏まえ、各ゼネコンが対策として力を入れているのが新領域事業への進出です。再生可能エネルギー事業やPPP事業、農業ビジネスなどの新たな事業を推進し、ゼネコンの大黒柱である建設事業や土木事業以外の事業での収益拡大を目指しています。
キャリアアドバイザー
長く安定して成長し続ける企業を見極めるため、各ゼネコンがどんなビジョンを持っているのかという視点も、企業を選ぶうえで重要なポイントの一つになりそうです。
海外事業の難航
国内での建設需要は減少傾向にあるものの、海外ではアジア・アフリカ地域を中心に建設需要が急速に高まっています。新たな収益源確保に向けてゼネコンもこぞって海外事業の拡大を図っているのですが、ビジネスチャンスの裏には当然リスクもあります。
たとえば海外事業を拡大させるには、現地通貨の為替レート変動に伴って生じるリスクや現地国の政治的状況に起因するリスク、現地施工業者の施工能力に関わるリスクなど、さまざまなリスクが伴うことを考慮しなければなりません。
キャリアアドバイザー
ゼネコンは日本の優れた建設技術を武器に海外で勝負している状況ですが、海外事業拡大に伴うリスクをどう管理していくのかが大きな課題です。そのため企業研究では、各企業が今後の海外事業に対してどんな構想を抱いているのかも見極める必要があります。
ゼネコンのNG志望動機
魅力的な志望動機に仕上げるためには正しい書き方を理解するのはもちろん、注意すべきポイントやNG回答についても知っておく必要があります。自分では入社の熱意をアピールしたつもりが逆にマイナスの評価につながらないよう、どんな回答が印象を悪くしてしまうのか知っておきましょう。
ゼネコンのNG志望動機を3つ紹介しますので、すでに作成済みの人は自分の志望動機がNG事項に触れていないか確認し、まだできていない人は参考にしながら自分なりの志望動機を考えてみてください。
給与が高い
私が貴社を志望するのは、これまでに世界に誇れるような建造物を数多く建設してきた実績に感銘を受けたためです。また競合他社よりも平均給与が高く、住宅手当や残業手当などの各種手当も充実していることも貴社を選んだ理由の一つです。
仕事を長く続けていくためには、高い給与を安定して貰える企業を選ぶことが重要だと考えています。貴社に入社した際は、大学のゼミで研究した建造物の耐震性についての知識を活かし、構造技術の研究開発に取り組みたいと思います。
たとえ企業選びでもっとも重視するポイントであっても、給与や福利厚生を志望動機にするのは避けましょう。高い給与を貰いたいだけなら他の業界でも実現可能ですから、建設業界で働きたいという熱意が相手に伝わりません。
企業の知名度が高い
私はオフィスビルやダムの建設などのスケールの大きな仕事に関わりたいと思い、貴社を志望しました。数あるゼネコンの中から貴社を選んだのは、400年以上の長い歴史があり、世間的な知名度が高いからです。
知名度の高い企業であれば経営基盤が安定しているため、働き手である私たちとしても、経済的な不安を抱えることなく長期間にわたって企業に貢献していけると思います。入社後は営業職としてさまざまな人と連携を図りながら、大きな目標の達成に向けて活躍するつもりです。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
数あるゼネコンの中からその企業を選んだ理由が「知名度の高さ」だけではアピールに欠けますし、知名度が高ければ高いほど自分に合うとも限りません。世間での評判ばかりにとらわれて視野が狭まらないよう、知名度の高さだけを基準に企業を選ぶのは避けましょう。
ものづくりがしたい
私はものづくりに関わる仕事をしたいと思い、さまざまな建造物の建設に従事する貴社を志望しました。
ものづくりに興味をもったのは、中学校の授業で本棚を作り、それを母親にプレゼントしたのがきっかけです。母親はその本棚を現在に至るまで愛用してくれており、その経験から自分が苦労して作ったものを人が長く使ってくれる喜びを知りました。
それ以来ものづくりが好きになり、将来もものづくりに関わる仕事をしたいと考えています。貴社に入社した際は、多くの人が長期間にわたって安心・快適に利用できる建造物を造るために努力したいです。
「ものづくりがしたいから」だけではゼネコンで働きたいという気持ちが伝わりません。数多く存在するものづくり関連の仕事の中で、なぜ建設業を選んだのか、また建設業のどのような仕事をしたいのかを伝えるようにしましょう。
ゼネコンだから実現できる目標を志望動機に書こう
高く評価される志望動機に仕上げるコツは、ゼネコンだからこそ実現できる目標を書くことです。どの業界でも実現できるような目標だと強いアピールにはつながりませんから、「どうしてもゼネコンで働きたい」という熱意を相手に理解してもらえる目標を、今回ご紹介してきた内容を参考にして書いてみてください。
いずれも創業100年以上と長い歴史を持っている点も特徴の一つ。もっとも古くから存在する竹中工務店は、1610年創業で実に400年以上の歴史があります。