目次
- 文系出身者でもITエンジニアとして活躍できる!
- 文系出身者でもITエンジニアを目指せる理由
- 数学的知識は必要ない
- 文系出身者もITエンジニアとして活躍している
- 実務的な経験と知識がものをいう仕事
- ITエンジニアに求められるスキルとは
- 言語能力
- 論理的に考える力
- コミュニケーション力
- 文系も理系も関係ない! ITエンジニアに向いている人
- ものづくりが好きな人
- 新しい技術を学ぶのが好きな人
- 変化に強く臨機応変に対応できる人
- 文系出身者がITエンジニアとして働くメリット
- 手に職がつけられる
- 高収入が狙える
- 文系出身であることの強みを活かせる
- 文系出身者がITエンジニアとして働くデメリット
- スタートの知識が劣る可能性が高い
- 論理的思考力が理系出身者に比べて劣る場合がある
- ITエンジニアがきついといわれる理由
- 常に高い技術力がもとめられる
- エラーの解決に根気がいる
- 激務で収入が割に合わない場合がある
- ITエンジニアの働き方のタイプときついポイント
- SES:客先で孤立しやすい
- 社内SE:成長を実感しにくい
- 保守・運営:夜勤が必要な場合がある
- 文系出身者がITエンジニアとして成功する3つのコツ
- ①自分で学ぶ癖をつける
- ②最新知識を貪欲に習得し続ける
- ③コミュニケーション能力を活かす
- 文系出身者がITエンジニアの選考を突破するための3つのコツ
- ①志望理由を明確にする
- ②少しでもITスキルを高めておく
- ③論理的思考の持ち主であることをアピールする
- 文系出身者におすすめのプログラミング資格
- ITパスポート
- Java SE8
- Webクリエイター能力認定試験
- 文系からIT技術者はきついと決めつけずに適性を見極めよう
文系出身者でもITエンジニアとして活躍できる!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活中の学生から、
「文系ですがITエンジニアになれますか? 」
「ITエンジニアに向いている人の特徴は何ですか? 」
などの質問が寄せられています。
結論から言うと、これまでITエンジニアになるには理系が向いているとされていましたが、需要拡大と共にITエンジニアの人手不足が広がり、現在では文系出身のエンジニアも数多く活躍しています。
しかし、文系理系にかかわらず、ITエンジニアにも向き不向きがあります。そこでこの記事では、文系出身者でもITエンジニアを目指せる理由や、もとめられるスキル、向いている人、文系出身者がITエンジニアとして成功するコツなどを詳しく解説します。
ITエンジニアに興味があるという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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文系出身者でもITエンジニアを目指せる理由
就活生
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そんなことはありませんよ。人手不足解消のためにも、文理不問でITエンジニアを採用する企業も増えています。
就活生
でも、運よく入社できても苦労しそうな気もします。
キャリアアドバイザー
ではまずは、なぜ文系出身者でもITエンジニアを目指せるのか、その理由から見ていきましょう。
数学的知識は必要ない
実は、ITエンジニアには数学的知識が絶対に必要になるというわけではないのです。エンジニアと聞けば「理系の専門知識が必要なのでは」と考えてしまいますが、そこに大きな誤解があります。
実際に理系で学ぶ専門的な知識が必要なのは、機械やハードウェアを作るエンジニアです。ITエンジニアに必要なのはプログラミング言語を使えるスキルであり、数学的な知識を有していなくとも働くことは可能なのです。
キャリアアドバイザー
プログラミング言語は、文系出身者でも外国語を覚える要領で学ぶことができますよ。
文系出身者もITエンジニアとして活躍している
文系出身者でもITエンジニアとして活躍している人が増えているという背景から、企業側も文系出身のITエンジニアを積極的に採用するようになっています。
PA(独立行政法人情報処理推進機構)発行の「IT人材白書2020」によると、IT従事者の最終学歴での専攻分野が文系である人の割合が、先端IT従事者で30.2%、先端IT非従事者で34.6%となっています。
キャリアアドバイザー
先端IT従事者とはAIやIoT、ビッグデータ、クラウドなどに携わる人材のこと。AIやIoTの注目が高まる中、人手不足の状態であり、文系出身者にも幅広く人材をもとめています。
実務的な経験と知識がものをいう仕事
ITエンジニアとして活躍していくためには、プログラミング知識だけでは不十分です。知識だけでなく現場の経験を積んでこそ、ITエンジニアとして活躍できる第一歩を踏めるといっても過言ではありません。
実務経験を積んでいくには、実際に現場に出てITエンジニアとしてプロジェクトに参加していく必要があります。現場経験のない新社会人は、最初は専門的な知識は必須ではない場合も多いのです。
もちろん、ITエンジニアを目指すなら最低限の知識は必要になりますが、文系でもチャンスがある業界といえます。
キャリアアドバイザー
ITエンジニアにはITスキルや経験だけでなく、ビジネススキルや価値観など社会人として総合的な能力をもとめられる傾向にあるため、文系でもITエンジニアを目指せるのです。
ITエンジニアを含む文系に人気の仕事はこちらの記事で解説しています。
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文系出身者でITエンジニアに興味を持つ学生の中には、「文系でも就職できることは分かったけど、理系出身のプログラミング専攻している学生には勝てない」と思っている人もいるかもしれません。たしかに、プログラミングを専攻している学生は、大学4年間だけでなく大学院まで進学して研究している人もいるでしょう。そのため、文系学生は専門職の理系出身者と比べるとスキル面では劣ってしまいます。
しかし、ITエンジニアにもとめられるスキルはITの知識やプログラミングスキルだけではありません。プロジェクトを運営する際には、マネジメントスキルやチームワークなどももとめられます。つまり、面接で評価されるのはスキル面だけではないということです。そのため、文系出身者であっても評価される可能性は十分あります。
本文で説明されているとおり、文系出身者で活躍している人も多くいます。ITエンジニアとしてもとめられるスキルを把握し、自分の強みをアピールできるようにしましょう。
文系の大学院生の就活についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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ITエンジニアに求められるスキルとは
ITエンジニアにもとめられるのはプログラミングスキルだけではありません。
ITエンジニアの仕事には、企画や設計書の作成などをおこなう上流工程、実装などのプログラミング作業を担う下流工程があり、技術的なスキルだけでなく、コミュニケーションスキルやリーダーシップも重要です。
そこで、実際にITエンジニアにもとめられる主なスキルを3つ解説します。
言語能力
ITエンジニアで言語能力というと、プログラミング言語を扱う能力をイメージするかもしれません。それも不可欠ですが、日本語の言語能力そのものも重要です。
ITエンジニアは孤独な作業をするイメージが強いと思いますが、実は複数の人と一緒に協力して作業します。自分の組み立てたコードがどのように動くのか、どんな問題がありどのような改善が必要かなど、厳密に答えられるようにしなければなりません。そんな時に必要となるのが言語能力です。
自分の状態や組み立てた仕様をわかりやすく相手に伝えられるように言語化できれば、プロジェクトをスムーズに進めることができます。また、問題が発生した時は改善もスムーズにおこなえます。文系の人材が備えている言語能力は、ITエンジニアとしても充分に発揮できるスキルなのです。
キャリアアドバイザー
言語能力が高い人は、プログラミング言語もうまく扱えるという研究もありますよ。
論理的に考える力
ITエンジニアとしてシステムを作り上げていくためには、倫理的に考える力がもとめられます。
システムの設計や開発には、ユーザーやクライアントの要望や要求を正確に把握し、要件定義をすることからスタートしていきます。そこから、コストを意識しながらシステム仕様を決めていきますが、限られたコストのなかから最適なシステムを見出すためには、イメージを膨らませる「直観的思考」ではなく「論理的思考」が必要となるのです。
それだけでなく、プロジェクトの人員の確保とスケジューリング、システムエラーにおける原因の解明と改善にも論理的に考える力がもとめられます。
ITエンジニアが理系に向いているとされていたのは、理系出身者に論理的思考力がある人が多いためでもあるのです。
キャリアアドバイザー
文系には論理的思考力がないというわけではないので、ITエンジニアを目指すなら自分の論理的思考力を上手にアピールできるようにしましょう。
コミュニケーション力
ITエンジニアにもコミュニケーション力は欠かせません。
ITエンジニアはチームや他部署の人と協力しながらプロジェクトを進めることが多く、上流工程に携わればプロジェクトを円滑に進めるためにコミュニケーション力は必須となります。1人で黙々と作業をこなすイメージが強いITエンジニアですが、コミュニケーションを必要とする場面も多いのです。
そのためITエンジニアにはコミュニケーション力も重視されます。文系出身者は、理系学生に比べプレゼンテーションやディスカッションをする機会も多く、コミュニケーション力が高い傾向にあるため、ITエンジニアとしても力を充分に発揮できるはずです。
コミュニケーション力を効果的にアピールするための言い換え表現はこちらの記事を確認してください。
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文系学生だと「理系に比べて論理的に考える機会が少ない」と考えている人もいるのではないでしょうか。たしかに、理系学生は数学や物理、プログラミングなどで論理的な思考がもとめられるため、講義や研究で論理的に考える機会は多いです。しかし、文系の学生であっても、日常生活で少し意識するだけで論理的思考を身につけることができますよ。
たとえば電車に乗った時、広告を使って論理的に考える力を身につけることができます。商品・サービスのターゲットや広告の訴求ポイントを考えたり、広告出稿することによる費用対効果を計算したりすることでトレーニングになります。また、仮説を立てた後にインターネットでリサーチをすることで、自分の仮説の妥当性を判断することもできます。
文系学生で論理的に考える機会が少ないと感じる場合には、このように日常生活を利用して論理的に考える機会をつくるように意識してみてくださいね。
文系も理系も関係ない! ITエンジニアに向いている人
- ものづくりが好きな人
- 新しい技術を学ぶのが好きな人
- 変化に強く臨機応変に対応できる人
就活生
言語能力もコミュニケーション力もそこそこはあると思うのですが、自分が向いているかどうかわかりません。
キャリアアドバイザー
では、文系理系にかかわらず、ITエンジニアに向いている人の特徴を見ていきましょう。
ものづくりが好きな人
ITエンジニアの仕事は簡単に言うと、何もないところからクライアントの要望をもとにシステムを作り上げていく仕事です。今までなかったものを作り上げる、0からチームで協力してものを作り上げるのはITエンジニアの仕事の醍醐味といえます。
そんなITエンジニアの醍醐味をやりがいとして感じられる人は、ITエンジニアとしてどんどん力をつけて活躍できる素質を持っています。好きなことにかかわれることで、前向きに業務に従事できるので力もつけやすいのです。
キャリアアドバイザー
プログラムではなくても、人と一緒に何かを作るのが好きだという人に向いている仕事です。
新しい技術を学ぶのが好きな人
IT技術は日夜進歩し続けており、1〜2年前の知識ですら古いとされてしまうこともあるほどです。そのため、常にアンテナをはり新しい技術を学んでいく姿勢は、ITエンジニアとして欠かせない適性です。
「IT人材白書」の調査を見ると自主的な勉強をしている人の割合は、先端IT従事者で73.8%、先端IT非従事者で48.4%です。つまり、IT人材の多くが自主勉強をしているわけです。このように学び意欲を常に持っている人は、最新技術もキャッチアップできるので、チャンスを掴みやすいといえます。
キャリアアドバイザー
最新のIT情報は海外から発信されることも多いので、英語が得意な人はより新しい情報をキャッチしやすくなります。
変化に強く臨機応変に対応できる人
ITエンジニアになると、場合によっては複数のプロジェクトに参画して業務を進めていくことになります。また、システムの不具合やエラーなどに対し、迅速に対応し改善できる姿勢も重要となります。
新しい技術の進出が目まぐるしいIT業界において、エンジニアは変化の最前線にいる職種です。そのため、変化に強く、臨機応変に対応できる人がITエンジニアに向いているのです。
キャリアアドバイザー
周りをしっかり見て冷静に状況判断ができる人、チームワークを大切にできる人も臨機応変な対応が得意な人が多い傾向にあるため、ITエンジニアに向いている素質があるといえます。
臨機応変に対応できる力をうまくアピールするコツはこちらの記事で読んでください。
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文系出身者がITエンジニアとして働くメリット
ITエンジニアは、需要が高く、幅広い挑戦が可能な職種です。また、大きく社会に貢献できるポジションでもあり、やりがいを感じて働くことができます。
そんなITエンジニアに、文系出身者が挑戦する3つのメリットについて解説します。
手に職がつけられる
文系出身だと、技術力のような手に職をつけるのは難しいと感じている人もいますよね。その点、ITエンジニアとして働くことで、文系出身でも専門的な技能スキルを身につけることができます。
ITエンジニア不足が深刻化しているなか、ITエンジニアとしての経験やスキルは需要が高まっており、IT人材は引く手数多です。そのため、ITエンジニアとしての技能スキルを身につければ、変化する社会でも安定して職につける可能性が高くなります。
社会情勢の変化や、IT技術の進歩など社会がどんどん変化していくなか、将来が不透明な時代となってきました。しかし、ITエンジニアとなれば手に職をつけることができ、将来の不安も軽減できるはずです。
高収入が狙える
ITエンジニアとしてスキルを磨き、経験を積んでいけば高収入を狙うことができます。
「IT人材白書」の調査によると、IT人材で年収800万円以上の人の割合は先端IT従事者は39%、先端IT非従事者は19.4%となっており、平均よりも高水準であることが伺えます。
特に外資系や大手企業では、より上流の工程に携われることからITエンジニアの収入も高くなる傾向があります。
キャリアアドバイザー
個々のスキルや経験、実績などによりますが、ITエンジニアは高収入を目指せる職種といえます。
文系出身であることの強みを活かせる
ITエンジニアの仕事は、プログラミングだけではありません。クライアント向けの資料を作成したり、進捗管理や折衝などのコミュニケーションが必要であったり、意外と幅広い業務を担います。その際、文系出身であることの強みを活かすことができます。
- 言語能力
- コミュニケーション能力
- 英語力
文章を書いたり、コミュニケーション力は文系出身者であることで活かせる強みでもあります。もちろん、理系出身者だからと言って、言語能力やコミュニケーション能力が劣っているというわけではありませんが、文系出身者は文章作成の経験が理系よりも多い傾向にあります。
プログラミング知識だけでなく、幅広い強みを活かして活躍できる点は、文系出身者がITエンジニアとして働くメリットです。
文系出身者がITエンジニアとして働くデメリット
メリットがあれば、もちろんデメリットもあります。
ITエンジニアという仕事は深刻な人材不足が問題になっており、離職率の高さ、長時間労働、技術力の急激な進歩などさまざまな問題を抱えており、それがデメリットにも大きな影響を及ぼしています。
キャリアアドバイザー
文系出身者がITエンジニアとして働くデメリットについて把握することで、就職前から対策することもできますよ。
スタートの知識が劣る可能性が高い
理系出身者が専門知識や技術スキルを入社前から持っていた場合、ITエンジニアの採用から入社まで、文系出身者より有利に進む傾向にあります。そのため、入社1年目〜2年目くらいは、理系出身者の方が活躍の場が多いと感じてしまうかもしれません。
文系出身者には、コミュニケーション力や文章力があるものの、スタートから活躍していくのは難しい傾向にあります。そのため、文系出身者がITエンジニアとして活躍していくためには、入社後の継続的な努力が必要です。
経験を積めばクライアントとのコミュニケーションやチームをまとめるリーダーシップなど、プログラミング以外のスキルももとめられるようになります。そこまで努力できれば、理系も文系も関係なく、活躍していくことができますよ。
論理的思考力が理系出身者に比べて劣る場合がある
文系出身者の場合、なかにはITエンジニアに必要な倫理的思考力が理系出身者に比べ劣ってしまうこともあります。
そもそも論理的思考の代表的な考え方として数学があげられます。そのため、物事を論理的に捉えて考える数学的な考え方は、理系につきやすいといわれています。
一方、文系が学ぶ科目はイデオロギー的な考えがメインです。理系出身者に比べて、哲学的な考えを深掘りしていく場合が多いので、論理的思考力とは離れているように捉えられることがあります。
ITエンジニアがきついといわれる理由
就活生
ITエンジニアはきついという声もよく聞きますよね。
キャリアアドバイザー
確かに、文系出身者に限らず、ITエンジニアにハードワークというイメージを持っている人も多いようですね。
就活生
やっぱり激務なのですか……?
キャリアアドバイザー
それは企業や環境、役割によって異なりますよ。ITエンジニアがきついといわれる理由を知っておきましょう。
常に高い技術力がもとめられる
ITエンジニアは常に高い技術力がもとめられる職種です。働き手が減少する今の時代では、それを解消する手立てとしてビッグデータやIoT、人工知能など、先端IT技術が注目されています。そのような背景から、ITエンジニアにもこのような最先端の技術力がもとめられてきています。
ニーズに応えるには、自主的に力を伸ばしていくしかありません。そのため、成功しているITエンジニアの多くは、自己啓発を積極的におこなっています。
キャリアアドバイザー
1つの技術に精通したからといって安心してはいられないため、「きつい」と感じてしまう人も多いようです。
エラーの解決に根気がいる
ITエンジニアには、システムエラーの改善という業務がつきものです。組んだプログラムがエラーを起こし、急遽改善しなければならないケースも少なくありません。
さらにいうと、エラーの解決には根気が必要です。エラーを起こした原因を分析し、改善をしていく必要があります。わからなくても投げ出すことができないので、1から原因を追求していかなければならないこともあります。
このようなイレギュラーな対応が必要になったり、迅速な解決がもとめられたりすることが重なり、心の余裕がなくなってしまう場面もあります。そうした環境が、ITエンジニアに「きつい」というイメージを持たせてしまう要因となっています。
激務で収入が割に合わない場合がある
ITエンジニアは激務で割に合わないというイメージを強く持っている人もいますよね。実際に、ITエンジニアには「きつい」と感じる就業環境もあります。
特に注意したいのが二次請け、三次請けの案件がメインの企業での就業です。システム開発も建築業のように下請け構造で行われる傾向にあります。
この二次請け、三次請けがメインの企業に就職すると、下流の仕事を中心に任されるだけでなく、スケジュールがタイトになりやすく、激務をこなさなければならない場合が増えてきます。志望企業を選ぶうえでは、仕事の流れの中のどこを担当するのかについても、しっかりとリサーチしておくことをおすすめします。
キャリアアドバイザー
ITエンジニアがきついかどうかは、自分にあった環境を見つけられるかどうかにもかかっているといえます。
キャリアアドバイザーコメント川﨑 瑛久プロフィールをみる
ITエンジニアの仕事が激務の可能性があると聞くと、不安を感じる学生もいますよね。たしかに企業によっては勤務時間が長かったり、エラーや障害の対応に多くの時間を費やしたりすることがあります。しかし、大切なことは自分が納得して働ける企業で、納得できるITエンジニアとして就職することです。
どんなに楽な仕事であっても、その仕事に対してやりがいを感じられなければ辛いと感じてしまいます。一方で、どんなに忙しい仕事であっても、自分が成長ややりがいを感じられる仕事であれば困難を乗り越えることができるのではないでしょうか。
つまり、ITエンジニアが激務かどうかよりも、ITエンジニアに興味を持って働けるか、やりがいを感じられる企業で働くかどうかが重要ということです。どんなに興味があるITエンジニア職であっても、就職する企業によってはやりがいが感じられずミスマッチになる可能性もあります。
職種の特徴だけでなく、企業ごとの特徴を把握して志望職種を判断するようにしましょうね。
ITエンジニアの働き方のタイプときついポイント
- SES:客先で孤立しやすい
- 社内SE:成長を実感しにくい
- 保守・運営:夜勤が必要な場合がある
ITエンジニアにはさまざまな働き方があり、それぞれ就業環境によって「きつい」と感じるポイントが異なります。ITエンジニアとして働く3つのタイプと、それぞれきついと感じるポイントについて詳しく解説していきます。
SES:客先で孤立しやすい
SES(System Engineering Service)を提供する企業では、プロジェクトごとにアサインされ、クライアント先に常駐する働き方をします。SESはさまざまな経験が積めるという魅力もありますが、クライアント先で孤立しやすいというデメリットもあります。
クライアント先に常駐になるので、教えてもらう機会が少なく、自分で調べるなどして解決していく必要があります。また、常駐先によっては雑務を頼まれたりすることもあり、スキルアップをしていくという観点では、知識も身に付きにくい場合があります。
キャリアアドバイザー
自身の会社からも距離があるため、ときに評価されにくいというのもSESがきついと思われるポイントとなっています。
社内SE:成長を実感しにくい
社内SEは、自分が所属する企業の情報セキュリティ、デジタル端末のインフラ整備などをメインにおこなう仕事であり、IT企業以外にも設けられています。
SE(システムエンジニア)という名前がついていますが、企業によってはシステムエンジニアの仕事とは遠く、社員のサポートセンターのような業務が中心となる場合もあります。
社内SEは業務幅も広く、さまざまな業務をこなさなければならないポジションです。そのため、システムエンジニアとしてのスキルが身に付きにくく、成長を感じにくいというデメリットが生じます。
キャリアアドバイザー
企業によって社内SEの役割に違いがあるので、社内SEを目指すなら業務内容をしっかり確認する必要があります。
保守・運営:夜勤が必要な場合がある
保守・運営は、リリースされたサービスが正常に動き続けられるようメンテナンスを定期的におこなったり、エラー発生時の対応をおこなう役割を担っています。
イレギュラーの対応が多く、システムによっては夜勤などがあり、24時間体制で保守をおこなわなければならない場合も発生します。
夜勤があるため、体力的に「辛い」と感じる人が多いのがこの仕事です。さらに、システムを開発する仕事ではないため、仕事に面白さを感じにくいというデメリットもあります。
保守・運営はシステムを正常に運用するために必要不可欠なポジションではありますが、1からものを作り上げていく「ものづくりがしたい」と感じる人は、つらさを感じやすいといえます。
文系出身者がITエンジニアとして成功する3つのコツ
- 自分で学ぶ癖をつける
- 最新知識を貪欲に習得し続ける
- コミュニケーション能力を活かす
ITエンジニアとして働いていく際に、理系と文系ではスタートラインが変わってきてしまうのは事実です。しかしその後、経験を積むことで理系と文系の差がなくなってきます。
つまり、文系出身者は入社後が勝負といえます。文系出身者がITエンジニアとして成功するには3つのコツがありますので押さえておきましょう。
①自分で学ぶ癖をつける
文系出身者がITエンジニアとして活躍していくなら、積極性も必要になります。
ITエンジニアには論理的に考える力がもとめられており、クライアントの要望に対し、自分で調べて学び、どのようにシステムを組んでいけば良いかを考える力が必要となります。
初めから自分で考えることを放棄し、正解を教えてもらっていると、実践力をつけることは難しくなります。早い段階から自分で学ぶ癖をつけることで、難しい局面でも乗り越えられる力が身についてきますよ。
キャリアアドバイザー
自分で考え学ぶ癖をつけることで、文系出身者でも十分にITエンジニアとして活躍できます。
②最新知識を貪欲に習得し続ける
文系出身者が理系出身者に追いつくためには、知識をつけなくてはなりません。スタートラインでは、理系出身者の方が有利です。しかし、そこから差を詰めていくことは自分の努力次第となります。
ITエンジニアは高い技術力がもとめられる職業なので、常に最新技術などの情報を入手し、積極的に学んでいかなければ成功に近づくことができません。
貪欲に知識を習得し、自分のものにしていくことで、チャンスも広がり、ITエンジニアとして活躍することができるのです。
③コミュニケーション能力を活かす
文系出身者の強みを活かすこともITエンジニアとして活躍するコツです。
文系出身者はコミュニケーション能力が優れている傾向にあります。ITエンジニアとなれば、チームでプロジェクトを進めたり、クライアントにプレゼンしたりする機会が出てきます。
そんな場面では、文系出身者が有利になります。自分の得意分野で力を発揮していくこともITエンジニアとして活躍するためのコツになります。
キャリアアドバイザー
コミュニケーション能力以外にも、文章力や英語力など理系には負けない強みを発見し、それを活かせるようにしていきましょう。
文系出身者がITエンジニアの選考を突破するための3つのコツ
ITエンジニアの選考では、理系であることが有利に働く場合もあります。しかし、文系出身者も以下のコツを掴めば、ITエンジニアとして採用される可能性も高めることができますよ。
①志望理由を明確にする
職種に限らず採用面接では、志望動機を必ず聞かれます。特に文系出身者は「なぜ文系なのにITエンジニアを選んだのか」と聞かれる可能性が高くなります。そのため、志望理由を明確にし、説得力のある回答ができるようにする必要があります。
- 自己分析でITエンジニアを目指す理由を深掘りする
- 活かせるスキルを明確にする
- どのような目標を持っているかを伝える
また、企業研究を徹底し、「なぜその企業のITエンジニア」を目指したのかも明確にしておくようにしましょう。
②少しでもITスキルを高めておく
入社前に少しでもITスキルを高めておくことで、企業に本気度を伝えることができます。
ITエンジニアを目指す理系出身者は、大学在学中にプログラミングを学び、実際にプログラムを開発している人もいます。そんな人たちと並んでITエンジニアを目指すなら、少しでもITスキルを高めておいたほうが実際に入社してからもラクですよね。
- プログラミング資格を取得する
- 学習したプログラミング言語を伝える
- 独学でプログラミングを学んでいる場合はどの程度学んできたかを伝える
③論理的思考の持ち主であることをアピールする
理系出身者に比べ論理的思考力が弱いというイメージを持たれてしまうのが、文系出身者の不利な点です。そのため、ITエンジニアとして活躍できる論理的思考力があることをアピールすることも大切です。
ただ「論理的思考力があります」とアピールするのではなく、具体的なエピソードを踏まえ、自分自身がどのような考え方ができるのかを伝えるようにしましょう。
- 問題を分析して原因を追求できた経験
- 問題の本質を捉え、解決に導いた経験
- 複雑なものをシンプルにわかりやすく伝えることができた経験
文系出身者におすすめのプログラミング資格
- ITパスポート
- Java SE8
- Webクリエイター能力認定試験
文系出身ということで、「ITに疎いのではないか」「実際にプログラミングを始めたら向いていないことに気づくのではないか」と危惧されてしまう可能性もあります。
IT技術に興味があることやスキルをアピールする方法としては、プログラミングの資格取得が一番有効です。また、資格取得を通して基礎知識を高めておけば、入社後ITエンジニアとしてどんどん成長していくことができますよ。
文系出身者におすすめの主なプログラミング資格を紹介します。
ITパスポート
IT系の知識がまったくない人向けにおすすめなのが「ITパスポート」です。IT初心者向けの資格で、ITネットワークやセキュリティー、ビックデータやAIなどの基礎知識の他に、経営全般の知識など幅広い分野において学ぶことができます。
このITパスポートを取得しておくことで、ITに関する基礎的な知識があることを証明できます。
国家試験ですが、参考書や勉強サイトなども充実しているため独学でも勉強することが可能です。試験も自宅で受けることができるので、IT初心者にとってチャレンジしやすい資格といえます。
- 全国の試験会場にてCBT(Computer Based Testing)方式により随時実施
- 時間 120分
- 試験手数料 7,500円(税込)
Java SE8
プログラミング言語「Java」に関する一定の知識を保有していることを証明するために有効な資格であり、正式には「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8」資格といいます。
この資格は、Javaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識を保有しており、上級者の指導の下、開発作業ができることを証明できます。
ITエンジニアとしては初心者向きの資格ですが、スキルの証明と基礎知識を保有していることを証明するには最適です。また、Java上級者向けの「Java Gold」の資格取得には、Java Silver資格保有が必要なので、ステップアップのための第一歩にもぴったりの資格といえます。
- 監督付き試験:ピアソンVUE社テストセンターまたはオンライン)での受験
- 監督なし試験:オンラインでの受験
- 試験時間: 150分
- 受験料: 29,400円(税抜)
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験とは、国際基準に準拠したホームページ作成のスキルがあることを証明する試験です。試験にはスタンダードとエキスパートの2種類があり、まずはスタンダードを目指すのがおすすめです。
Webサイト制作に必要なHTMLやCSSを編集できるスキルを証明するだけでなく、デザインスキルを磨くことができるので、フロントエンドエンジニアを目指したい人におすすめの資格試験です。参考書やテキスト、学習動画などで学べるので独学で学習しやすいというメリットもあります。
- 全国の認定試験会場で随時開催、年2回のリモートWebテストも選択可能
- 試験時間: 会場によって異なる
- 受験料:スタンダード5,900円(税込)
文系からIT技術者はきついと決めつけずに適性を見極めよう
文系出身者でも実際にITエンジニアとして活躍している人は多くいます。理系出身者とスタートラインに差がありますが、入社した後の努力によっては、先端IT従事者として活躍するチャンスがあります。
プログラミングスキルだけでなくコミュニケーション力や言語力を有した文系出身者は、ハイブリット型エンジニアとして活躍できる能力を秘めています。IT技術職はきついと決めつけず、自分の適性を見極めてITエンジニア職に挑戦してみましょう。
文系出身でITエンジニアを目指すのは無謀なのでしょうか?