目次
- 国家公務員の種類は多岐にわたる! 適性の理解で向いている仕事を見つけよう
- そもそも公務員とは? 民間企業との違いを理解しよう
- 営利ではなく社会奉仕のために働く仕事
- 地方公務員と国家公務員がある
- 図表で解説! 国家公務員の分類を知ろう
- 国家公務員は大きく分けて3種類ある
- ①国家総合職:政策の企画や立案などをおこなう
- ②国家一般職:政策を実行する
- ③国家専門職:特定の行政分野で活躍する
- 気になる仕事を見つけよう! 国家公務員の種類一覧
- 国家公務員として働く魅力
- 雇用と収入が安定している
- 教育体制が整っている
- 社会的信用が高い
- 当てはまるかチェック! 国家公務員に向いている人3選
- ①スケールの大きな仕事に携わりたい人
- ②学ぶことが好きな人
- ③国や国民のために尽くす精神がある人
- 事前に確認しよう! 国家公務員を志望するうえで押さえておくべき3つのポイント
- ①学部が限定されている試験もある
- ②試験によって受付期間や試験日が異なる
- ③国家総合職はハイレベルな競争が予想される
- 国家公務員になるための方法を知っておこう
- 国家公務員試験や面接を受ける
- 志望先によっては官庁訪問をおこなう
- 国家公務員の種類について知りたい学生からのよくある質問に回答!
- 国家公務員は種類によって選考方法が異なる! 早めの対策で選考の突破を目指そう
国家公務員の種類は多岐にわたる! 適性の理解で向いている仕事を見つけよう
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。学生から
「国家公務員に興味があるのですが、どんな種類があるのかわかりません。」
「どうすれば国家公務員になれるのですか?」
といった質問をよく受けます。国家公務員は、社会的信用度と安定性があり人気の高い仕事です。しかし一口に国家公務員といってもさまざまな種類があり、その違いをしっかりと把握できている人は案外少ないでしょう。
この記事では、国家公務員の種類や仕事内容、試験方法などについて詳しく解説します。地方公務員と迷っている人や、やりたい仕事が定まっていない人はぜひ最後まで読んでくださいね。
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そもそも公務員とは? 民間企業との違いを理解しよう
学生の中には「安定しているから」「社会貢献がしたいから」など漠然としたイメージで国家公務員に憧れている人もいるでしょう。興味を持つ入り口としてはそれでも問題ありませんが、実際に国家公務員を目指すにあたっては、ほかの職業との違いをしっかりと理解することが大切です。
まずは民間企業と比較した公務員の特徴や、地方公務員と国家公務員の違いを確認していきましょう。
営利ではなく社会奉仕のために働く仕事
公務員とは、国や地方自治体の職員としてより良い社会を作るために働く仕事です。民間企業は会社や個人の利益を追求するのに対し、公務員は社会全体に公平性を持って奉仕することが主な役割となります。
公務員の仕事は営利目的ではないため、民間企業と違って活動資金は税金で賄われるのが基本です。また人件費についても仕事の成果として発生するのではなく、一定の基準に基づき給与や賞与が支給されます。
業績の悪化などが原因で減給されることはありませんが、逆に個人の頑張りが昇給に結びつくことも民間企業ほどはありません。安定というイメージが大きい公務員ですが、それがメリットになるのかデメリットになるかは本人次第ということです。
地方公務員と国家公務員がある
公務員は国に勤務する国家公務員と、都道府県や市町村などの地方自治体に勤務する地方公務員に大別されます。公務員を目指すのであれば、両者の違いを知ったうえで自分に合った仕事を選択することが大切です。地方公務員と国家公務員それぞれの特徴を押さえて、志望先を検討しましょう。
地方公務員の特徴
地方公務員は、県庁や市役所などの職員として、地域住民の生活に密着した業務をおこなう仕事です。事務中心の行政職のほか、土木や建築といった技術職、消防官、福祉職などさまざまな職種によって成り立っています。
採用時には初級(高卒レベル)、中級(短大・専門卒レベル、上級(大卒レベル)などと分類されることが多く、上級になるほど難易度が高くなるのが特徴です。
地方公務員は地域の人々の身近な存在として働けることや、転勤の範囲が狭いことなどが魅力としてあげられるでしょう。また3〜4年に1回程度異動があることから、さまざま仕事を経験できるのも魅力の1つです。
キャリアアドバイザー
国家公務員の特徴
国家公務員は、府省や裁判所といった国の機関で働く公務員です。税金や農業、労働、教育などの幅広い分野で、国の予算を有効活用し国民が暮らしやすい社会を作る仕事と言えるでしょう。
労働基準法が適用されない国家公務員は、かつて長時間労働などが問題となっていましたが、現在では是正に向けた取り組みが進んでいます。民間企業の手本となるよう、フレックスタイム制度の導入や育児休暇促進などの改革も積極的におこなっていますよ。
また、女性の活躍を推進しており、内閣府が令和5年に発表した女性国家公務員の採用状況のフォローアップによると平成17年度に25.5%だった女性採用比率は、令和5年度には38.7%となりました。
キャリアアドバイザー
地方公務員と比べて一つひとつの仕事のスケールが大きく、特定の分野に特化して働くことが多いのも特徴です。
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
公務員試験の面接では、「なぜ民間ではなく公務員なのか」といった質問をよくされるので、それぞれの社会的役割や仕事内容の違いをしっかり理解しておく必要があります。
たとえば「誰のために仕事をするのか」や責任の重さの違いなど、いくつか具体的に違う点を取り上げて回答することで面接官の納得度を高めることができます。また「なぜ地方ではなく国家公務員なのか」といった質問も多いですが、この場合は自身のエピソードを交えて話せると効果的ですよ。
国家公務員の仕事は、国内外のプロジェクトや政策の規定、キャリアの多様性など仕事そのものが地方公務員に比べてダイナミックです。そのような仕事に対する関心の高さや適性について、具体的なエピソードが話せると効果的にアピールができます。自己分析を徹底し、国家公務員と自分の接点を考えてみましょう。
図表で解説! 国家公務員の分類を知ろう
日本では約339.3万が公務員として働いていますが、そのうち17.4%にあたる約59万人が国家公務員に該当します。
国家公務員は、大臣や裁判官、国会議員などの特別職と、そのほかの一般職に大別され、一般職は国家公務員についての基準を定めた「国家公務員法」が適用されるのに対し、特別職は業務の性質上適用されません。
就活において一般的にイメージされるのは一般職のことで、国家公務員試験に合格して採用されるのが特徴です。ここから先は国家公務員=一般職として解説していきます。
国家公務員は大きく分けて3種類ある
国家公務員は、大きく分けて国家総合職と国家一般職、国家専門職の3種類があり、それぞれ役割や仕事内容、働き方が異なります。それぞれの特徴を詳しく解説するので、どれが自分に合っているか考えながら読んでくださいね。
①国家総合職:政策の企画や立案などをおこなう
国家総合職は「政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する事務をその職務とする係員」と位置付けられており、法案の作成や予算編成などに携わります。いわゆる「官僚」と呼ばれる職種であり、若いうちから責任あるポジションを任され一般職よりも早く昇格していくのが特徴です。
幹部候補として採用される国家総合職は、幅広い知見を身に付けられるよう多くの場合1〜3年程度で異動になります。勤務地は基本的に東京都の霞が関ですが、地方の機関に出向したり海外の大使館に派遣されたりするケースがあることも覚えておきましょう。
キャリアアドバイザー
優秀な人材であれば海外の大学院へ留学することもできますよ。
②国家一般職:政策を実行する
国家一般職は「政策の実行やフィードバックなどに関する事務をその職務とする係員」と定義されており、大卒者の場合はおもに事務の仕事を担当します。国家総合職が企画した政策や法案を、サポート役として実行することが主な役割です。
職場としては、本府省のある霞が関、または地方の出先機関に分かれます。本府省で働く場合は各府省に配属され、国家総合職とともに企画立案などをおこなうことが多いです。地方の出先機関で働く場合は、法務局や税務署などの職員として事務作業や住民へのサポートをおこないます。
キャリアアドバイザー
地方で採用された国家一般職は、転勤がない、もしくは少ないのが特徴です。転勤がある場合でも基本的にエリアが限定されているため、全国転勤が難しい人にもおすすめと言えます。
③国家専門職:特定の行政分野で活躍する
国家専門職は「特定の行政分野に係る専門的な知識を必要とする事務をその職務とする職員」と定義されており、国税や食品衛生、労働など特定の分野のスペシャリストとして働きます。
国家総合職や国家一般職は内定をとるまでどの官庁で働くかわかりませんが、国家専門職は試験の段階で配属予定の官庁が分かれており、合格すれば確実に希望の官庁で働けるのが特徴です。エリア採用であることが多く、国家総合職と比べて転勤の範囲は限定されている場合が多いですよ。
キャリアアドバイザーコメント石川 愛プロフィールをみる
国家公務員の仕事内容を知る方法として、インターンへの参加がおすすめですよ。開催時期は夏や冬など学生の長期休みに合わせて開催されることが多く、各省庁によって異なるためホームページなどで情報収集をしてくださいね。
インターンに参加すると実際の業務を体験したり近くで見ることができるため、仕事理解が深まり働くイメージがしやすくなります。現役の公務員と話せるのも大きな魅力です。インターンに参加した学生は志望動機に説得力が増し、面接でのアピール度も高くなる傾向にあるので、積極的に参加しましょう。
インターンに参加するために書類選考や面接試験を課す省庁もあるので、対策が必要です。選考を突破するためにも大学のキャリアセンターや就活エージェントに力を借りて、添削や面接指導を受けるのがおすすめですよ。
公務員のインターンについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してくださいね。
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気になる仕事を見つけよう! 国家公務員の種類一覧
上記で解説した国家総合職、一般職、専門職について、仕事内容や勤務地を一覧で見てみましょう。特に国家専門職は試験の時点で細分化されているため、どんな仕事があるのかを知っておくことが大切です。
なお、国家公務員は大卒者向け採用のほかに高卒者や経験者(社会人枠)もありますが、ここでは大卒者向け試験がおこなわれている職種のみ紹介します。
キャリアアドバイザー
国家公務員の種類によって仕事内容が違うのはもちろん、勤務地や受験資格なども異なるので、希望の仕事がある場合は早めに要件を確認しておきましょう。
国家公務員として働く魅力
国や国民のために尽くす国家公務員は働くうえでたくさんの魅力があり、毎年多くの就活生から人気を集めています。国家公務員として働く魅力を知って、自分の希望と合っているのかを確かめながら改めて国家公務員への想いを確認しましょう。
雇用と収入が安定している
民間企業の場合、業績や経済動向に左右されやすく倒産したりリストラされたりするリスクがありますが、国家公務員はよほどのことがない限りそのようなリスクはありません。収入においても安定していて、人事院の令和4年国家公務員給与等実態調査報告書によると国家公務員の平均年収は約622万円となっています。
一方国税局の令和4年分 民間給与実態統計調査によると民間企業の平均年収は458万円と、民間企業企業よりも国家公務員の方が平均年収が高くなっています。年齢や経験年数に応じて着実に収入が上がっていくことに加え、福利厚生や手当も手厚いため、長期的に安定した生活が見込めるでしょう。
ただし、安定している一方で成果が出たから給料が急激に上がるということもありません。また、公務員は副業が禁止されています。自分の頑張りで短期的に収入を増やすのは難しいことも理解しておきましょう。
教育体制が整っている
国家公務員は教育体制が整っており、新採用職員研修や若手職員・管理職向け研修など、豊富な研修制度が用意されています。
また会計事務やエクセル、経済分析といった特定分野のスキルを磨ける研修も豊富です。さらに、派遣研修といって海外の政府機関や大学院に職員を派遣し、専門的な知識や技能の習得を目指す制度もあります。
雇用が安定していることに加え、学ぶ機会が豊富にあるため、国のために自分を磨きたいと考えている人にはぴったりの環境です。民間企業の場合研修制度が充実しているところとそうでないところがありますが、国家公務員であれば確実にしっかりとした教育を受けられるでしょう。
社会的信用が高い
雇用と収入が安定している国家公務員は、社会的信用が非常に高いと言えます。また国家公務員の身分は国が保証している点も社会的信用が高くなっている理由の1つです。
社会的信用とは、経済力や社会的地位によって得られる信用のことで、たとえばローンを組むときに有利になります。また、将来住宅や車を購入するときに国家公務員であれば「返済能力がある」と判断されローンの審査が通りやすくなるでしょう。
キャリアアドバイザー
社会的信用が高いと、クレジットカードの審査も通りやすくなりますよ。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
国家公務員は良い面だけではなく、大変なこともあります。たとえば国家公務員の仕事は法的手続きや規制にかかわることが多く、自分なりの見解で仕事を進められない場合があります。制約やわずらわしさを感じてしまい、ストレスを抱えることもあるでしょう。
また国家公務員の仕事は地方公務員に比べてダイナミックさがある分、プレッシャーも大きくなります。1つの失敗が日本の企業、国民の負担となってしまうことがあるので、普段から緊張感を持って仕事をする必要がありますよ。
それを「やりがい」と捉えるか「ストレス」と捉えるかは自分次第です。国家公務員は転勤もつきものですが、「いろんな地方に行けて楽しい」と考えるか「生活環境が変わるのは抵抗がある」と考えるかは人それぞれですよね。自分の好む働き方、理想の職場環境など「自分なりの職業観」を確立させて職種を選びましょう。
当てはまるかチェック! 国家公務員に向いている人3選
- スケールの大きな仕事に携わりたい人
- 学ぶことが好きな人
- 国や国民のために尽くす精神がある人
たくさんの魅力がある国家公務員ですが、自分に向いているのか悩んでいる人も多いでしょう。自分に向いていない仕事を選んでしまうと、就職してからミスマッチを感じ早期離職につながってしまうケースもあるので、適性を踏まえたうえで志望先を決めることが重要です。
では、国家公務員に向いている人とはどんな人なのでしょうか。ここでは、民間企業や地方公務員との違いを踏まえながら国家公務員に向いている人の特徴を紹介します。
①スケールの大きな仕事に携わりたい人
国家公務員は国のために働く職業であることからスケールの大きな仕事に携われることが多く、そういった仕事を通じて達成感を味わたい人には向いているでしょう。たとえば、スポーツの発展や教育の改革、環境問題の改善など、民間企業では難しい大規模なプロジェクトを、国全体に対しておこなえます。
ただし、仕事のスケールが大きければかかわる人や予算が多くなり、責任も重くなります。ちょっとしたミスが、国民の生活に影響を与える可能性もゼロではありません。
キャリアアドバイザー
優秀な人材と一緒に責任の大きな仕事ができるのは誇らしいことですが、そのプレッシャーに負けない精神的なタフさも必要であることを覚えておいてくださいね。
②学ぶことが好きな人
国家公務員は入社前だけでなく入社後も日々学び続けていく必要があるため、さまざまなことに挑戦したい人や新しい知識を得ることに喜びを感じられる人も国家公務員に向いているでしょう。
種類にもよりますが国家公務員は数年ごとに部署を異動することが多く、専門性の高い仕事を幅広く経験していくことになるため、それだけたくさんの知識を身につけなければなりません。
キャリアアドバイザー
また国家公務員は研修制度が充実しているため、学ぶ意思がある人は手厚いサポートを受けながら自らのスキルを磨いていけるでしょう。
③国や国民のために尽くす精神がある人
ターゲットとなる客層に対してサービスを提供し利益を生む民間企業に対し、公務員はすべての人に公平なサービスを提供し生活を支えるのが主な役割です。そのため、自分たちの利益のためでなくても、国や国民のために一生懸命尽くす意欲がある人は向いているでしょう。
特に総務省や外務省などの中央省庁で働く場合は、地方公務員のように住民と直接かかわる機会は多くありません。直接感謝を伝えられたり意見を聞いたりすることは少ないですが、長期的視点かつ大きなスケールで人の役に立ちたいと考える人にも国家公務員はおすすめと言えますね。
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国家公務員は私利私欲を持たずに、公平な言動をとる姿勢ももとめられますよ。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
国家公務員と地方公務員のどちらを選択するか悩む人もいますよね。そのような場合はそれぞれの特徴ややりがいに注目して判断しましょう。
たとえば直接住民から「ありがとう」と言われたり、困りごとの解決に向けて相談を受けたりする仕事にやりがいを感じられる人は、地方公務員を好む傾向にあります。また地方公務員は部署は変わっても働く地域や尽くすべき住民は変わらないため、地域愛が強い人も仕事にやりがいを感じやすいですよ。
国家公務員と比較して仕事のダイナミックさには欠けるかもしれませんが、住民と密着して仕事がしたいという人は実力を発揮できます。自分の特徴と照らし合わせて、国家公務員になりたいのか、それとも地方公務員になりたいのかを考えましょう。
事前に確認しよう! 国家公務員を志望するうえで押さえておくべき3つのポイント
就活生
国家公務員としての適性がありそうなので、国家公務員を目指してみます!
キャリアアドバイザー
ちょっと待ってください! 国家公務員を志望するなら事前に押さえるべきポイントもありますよ。
国家公務員試験は、地方公務員や民間企業と異なる点も多いため、事前に注意点を知って備えておくことが大切です。国家公務員を志望するうえ押さえておくべき3つのポイントを解説するので、国家公務員を志望したい人はぜひチェックしてくださいね。
①学部が限定されている試験もある
国家公務員試験は公平性の高い試験であるため、受験資格を満たしていれば大学や学部、年齢によって有利になったり不利になったりすることは基本的にありませんが、一部専攻が限定されている試験もあるため注意が必要です。
たとえば、総合職院卒者試験(法務区分)は法科大学院修了かつ司法試験合格者、または司法試験予備試験合かつ司法試験合格者のみ受験できます。専門職の食品衛生監視員採用試験では、「薬学、畜産学、水産学または農芸化学の課程を修めて卒業した者」と定められています。
- 総合職院卒者試験(法務区分)
- 専門職の食品衛生監視員採用試験
専攻によって受けられない試験があることを頭に入れておきましょう。
キャリアアドバイザー
志望する国家公務員の種類がある場合は、事前に応募条件を確認することが重要ですよ。
②試験によって受付期間や試験日が異なる
国家公務員試験は試験の種類が複数あり、それぞれ受付期間や試験日が異なることも覚えておきましょう。そして試験は1日で終わるものではなく、複数回実施され、面接も受けなければなりません。
のんびりして受付期間が過ぎてしまったり、勉強時間を確保できなかったりすることのないよう、志望先を決める段階でスケジュールをしっかりと確認しておきましょう。
また、後で詳しく説明しますが、国家公務員試験では併願する人も少なくありません。併願することにより内定獲得のチャンスは広がりますが、その分1つの試験にかけられる時間が減るため、それぞれのスケジュールを見て併願先を決めましょう。
③国家総合職はハイレベルな競争が予想される
安定した環境でスケールの大きな仕事ができる国家公務員は、毎年多くの志願者が集まるため、簡単に合格できるほど甘くはありません。特に国家総合職大卒試験は競争が激しく、倍率は10倍程度となることが多いです。
また、単に倍率が高いだけではなく、ハイレベルなライバルが多いのも特徴です。人事院の2023年度総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)試験の区分別実施結果を見ると、合格者の中で一番多いのは東京大学、次いで京都大学となっています。そのほか、早慶や旧帝大などの有名大学の出身者も多いため、学歴は関係ないとはいえ高い学力が必要であることは否定できないでしょう。
国家公務員を目指すのであれば、そもそも難易度の高いところに挑戦しているという自覚を持ち、対策をしたりほかの選択肢を考えたりすることが大切です。
公務員試験の勉強方法について知りたい人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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国家公務員になるための方法を知っておこう
国家公務員を目指すにあたって、試験があることは知っていても区分や受験資格などがわからない人も多いのではないでしょうか。また、試験以外にどんな採用プロセスがあるのかを知らない人もいるでしょう。
国家公務員になるための方法として、大まかなプロセスや各職種の試験概要を解説していきます。
国家公務員試験や面接を受ける
国家公務員になるには、まず国家公務員試験に合格しなければなりません。試験内容は筆記や面接がメインで、学歴や年齢、性別などによる有利不利はなく、公平性が重視されます。総合職試験、一般職試験、専門職試験に大別されており、さらにそれぞれの区分に分かれているのが特徴です。
国家公務員試験をもっと詳しく知りたい人は、人事院ホーム―ページより最新の情報をチェックしましょう。
国家総合職試験の概要
国家総合職は、院卒者試験と大卒程度試験があります。院卒者試験は大学院修士課程または専門職大学院の課程修了者(見込み)、大卒程度試験は大学の卒業者(見込み)やそれと同等の資格があると認められた人が受験可能です。
どちらも一次試験(基礎能力試験+専門試験)と二次試験(専門試験+政策課題試験+面接)があり、それぞれ行政や工学、デジタルといった区分から、自らの専門分野を選択して受験できます。またTOEICやTOEFLなど英語力を証明できるスコアは加算対象となり、試験の総得点に加算して評価されますよ。
試験は全国の主要都市で開催され、勤務予定地にかかわらず受験に便利な場所を選択可能です。
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なお大学院卒者が大卒程度試験を受けることは可能ですが、人事院では院卒者試験を受けることを推奨しています。
国家一般職試験の概要
国家一般職試験は、大卒程度試験と高卒者試験に分けて実施されます。大卒程度試験は大学や短大卒業者(見込み)や、人事院がこれと同等の資格があると認めた人が受験可能です。機械や行政、農学といった10個の区分に分かれており、専門分野に合わせて選択できますよ。
試験は一次(筆記)と二次(面接)があり、一次試験では基礎能力試験(選択式)や専門試験、一般論文試験などがおこなわれます。同じ日に1日かけて複数の試験をおこなうため、集中力と体力を切らさずに解けるよう準備しておくことが大切です。
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国家総合職とは違い二次試験は面接のみで、筆記試験は含まれません。
国家専門職試験の概要
国家専門職試験も大卒程度と高卒程度に分けて試験がおこなわれます。大卒程度は全部で8種類の試験があり、いずれも大学卒業者(見込み)であることが必要ですが、食品衛生監視員採用試験はさらに薬学や畜産学、水産学など専攻分野が限定されており、該当しない人は受けられません。
試験内容は種類によって異なり、たとえば航空管制官採用試験であれば、一次では筆記と外国語試験、二次では面接、三次では身体検査や適性試験がおこなわれます。また、総合職や一般職と比べると試験会場が少ない傾向があるため、人によっては遠方に出向くことになります。
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国家専門職は一次試験の日が重なっているため、専門職内での併願はできません。
日程が被らなければ併願も可能
国家公務員は、試験の日程が被っていなければいくつでも併願できます。たとえば国家総合職と一般職の併願や、民間企業、地方公務員との併願も問題ありません。実際に、リスク回避や場慣れのために、3~6種類程度併願する人も多いですよ。
国家公務員試験は競争の激しい世界なので、希望の職に就くためには積極的に併願を検討しましょう。
ただし、国家公務員試験は1日で終わるものではなく、二次、三次と複数の試験をクリアしなければなりません。また、一つひとつが専門性の高い試験であるため、闇雲に受けるのは逆にリスキーです。スケジュールや勉強時間を考慮し、できる範囲で併願を考えましょう。
公務員と民間企業を併願する際に注意すべき点についてはこちらの記事で紹介しているので、あわせて確認してくださいね。
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公務員と民間の併願で注意すべき点|スケジュールやメリットも解説
公務員と民間の併願はメリット・デメリットを理解し、自分に合った対策を練る必要があります。 この記事では就活スケジュール、併願を成功させる秘訣、対策などをキャリアアドバイザーが解説します。 事前準備が重要なので解説動画も参考に対策を講じてくださいね。
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志望先によっては官庁訪問をおこなう
国家公務員は、志望先によっては官庁訪問をおこなう場合がありますよ。官庁訪問とは、志望官庁を訪問し業務説明や面接を受けることです。民間企業でいう採用面接のようなプロセスで、各官庁に適した人材であるか、行政に対して意欲はあるかなどを判断し、採用者を決定していきます。
国家一般職では一次試験合格発表後に、国家総合職では最終試験合格発表後に官庁訪問をおこないます。試験に合格したからといって内定というわけではなく、官庁訪問を経て内定が決まるので最後まで気を抜かないようにしましょう。
キャリアアドバイザー
官庁訪問のスケジュールは試験によって異なるため、詳しくは人事院ホームページを確認してくださいね。
国家公務員の種類について知りたい学生からのよくある質問に回答!
国家公務員に興味がありつつも、どんな種類の仕事があるのかわからない人も多いでしょう。民間就活で企業研究をするのと同じように、国家公務員も仕事の全体像を知って志望先を絞り込むことが大切です。ここでは、国家公務員の種類について知りたい学生からのよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。
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国家公務員にはどんな種類の仕事がありますか?
国家公務員は、大臣や国会議員、裁判官などの特別職と、公務員試験を経て採用される一般職に大別されます。一般的に就活でイメージされるのは一般職のことで、役割や業務内容によってさらに国家総合職と国家一般職、国家専門職の3種類に分けられます。それぞれ大卒者向け、高卒者向けの試験があり、専攻分野によって試験区分を選択可能です。
公平性が重視される国家公務員試験では、受験資格を満たしていれば学歴は不問ですが、一部専攻が限定されている試験もあるため注意しましょう。
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国家総合職と国家一般職は何が違うのですか?
国家総合職は、一般的に「官僚」と呼ばれるポジションで、幹部候補として採用され政策の企画や立案などをおこないます。それに対し国家一般職は、総合職のサポートとして、政策を実行する役割を担う仕事です。総合職は一般職と比べ昇格が早いのが特徴で、数年ごとの異動で幅広い仕事を経験していきますが、一般職は異動が少なく、あったとしても基本的にエリアは限定されています。
よりスケールの大きな仕事をしたい人は総合職が、全国転勤が難しい人は一般職がおすすめですよ。
国家公務員は種類によって選考方法が異なる! 早めの対策で選考の突破を目指そう
国家公務員は総合職と一般職、専門職の3種類に分けられ、さらに同じ試験でも複数の区分があります。
また、官庁訪問など民間企業にはない採用プロセスがあることも国家公務員試験の特徴です。「国家公務員になりたい」という漠然とした希望だけでなれるほど甘い世界ではないため、自分に合った仕事を見つけて早めに対策を始めましょう。
また、国家公務員試験は日程が被っていなければ併願も可能です。内定獲得のチャンスを増やすためには、時間が許す限り併願を検討すると良いでしょう。この記事を読んで国家公務員への意欲が高まった人は、ぜひ人事院の公式サイトから試験のスケジュールを確認してくださいね。
地元に貢献したい気持ちが強い人や、特定の地域で腰を据えて長く働きたい人は地方公務員が向いているでしょう。