目次
- プラント業界の優良企業への就職を考えてみよう
- まずはプラント業界の全体像を理解しよう
- プラントの建設やメンテナンスが主な事業
- プラント業界に含まれる企業の種類
- プラント業界の主な仕事をチェック
- 営業
- 設計
- 提案
- 調達
- 建設・試運転
- 点検・保守
- 文系でもプラント業界への就職を狙える理由
- 業界状況や近年の傾向は?
- 世界景気に左右されやすい
- 新規プラント需要の中心は海外
- 業界トップ優良企業5社を押さえよう
- 日揮ホールディングス株式会社
- 千代田化工建設株式会社
- 東洋エンジニアリング株式会社
- 栗田工業株式会社
- 株式会社タクマ
- プラント業界で働く魅力とは
- 世界を舞台に活躍できる
- 「インフラのインフラ」を作る重要な仕事に携われる
- 規模が大きな仕事で達成感が得られる
- どんな人が向いている? プラント業界で求められるスキル
- コミュニケーション能力
- マネジメントスキル
- 英語力
- プラント業界への就活に活かせる資格
- 機械設計技術者試験
- CAD利用技術者試験
- TOEIC
- プラント業界の志望動機を作る際のポイント
- ①志望企業にカスタマイズした内容にする
- ➁業界で叶えたいビジョンを明確にする
- ③自分がどう企業に貢献できるかを盛り込む
- プラント業界の志望動機例文
- 発展途上国の経済発展に貢献したい
- 世界各国の人とつながりながら活躍したい
- 学んだことを活かしてエキスパートを目指したい
- プラント業界への理解を深め就活成功につなげよう
プラント業界の優良企業への就職を考えてみよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
プラント業界に興味を持つ学生から、
「プラント業界ってどんな業界なのですか」
「どんな仕事があるのか教えてください」
といった疑問が寄せられています。
プラント業界はBtoB企業が多いため、世間での知名度はあまり高くありませんが、実は隠れ優良企業が多い狙い目の業界です。自分の適性や活躍できそうな仕事を見つけるため、まずはプラント業界への理解を深めていきましょう。
この記事では、プラント業界の仕組みや主な職種、働く魅力などをご紹介します。選考での志望動機例も解説しますので、プラント業界を志望する人はぜひ自分の就活に役立ててください。
まずはプラント業界の全体像を理解しよう
就活生
キャリアアドバイザー
それも一つですが、建設だけではなく、メンテナンスやプラント内の設備の製造を手掛ける企業もプラント業界に含まれます。
プラント業界とは、石油やガス、発電などのエネルギー関連や化学製品の製造工場、ゴミ処理場など、複数の設備を備えた大型生産設備の建設やメンテナンスなどをおこなう業界のこと。主に官公庁や企業を顧客としています。
ひとくちにプラント業界といっても、事業内容や業界に属する企業の種類はさまざまです。業界について正しい知識をつけるために、まずはプラント業界の全体像を理解しましょう。
プラントの建設やメンテナンスが主な事業
プラント業界の事業は、「プラントエンジニアリング」と「プラントメンテナンス」に大別されます。
- プラントエンジニアリング
新しいプラントの企画や設計、建設工事、施工管理などが主な業務。新しいプラントだけでなく、既存のプラントの増設や改造も業務に含まれます。 - プラントメンテナンス
プラントの性能を維持・改善するため、設備管理や保全、整備、改造をおこないます。プラントは建設して終わりではなく、定期的なメンテナンスによって事故の危険性を減らすことが重要です。
プラントの建設やメンテナンス以外では、プラント建設のための機械や部品を製造する事業もあります。溶接機や発電機、建設現場用施工ロボットなどの開発・製造はその代表例です。
プラント業界に含まれる企業の種類
プラント業界の企業は大きく4種類に分けられます。それぞれの企業の特徴と業界内での役割は以下のとおりです。まずはそれぞれの役割をざっくりと把握しましょう。
- EPC
EPCは「Engineering(設計)」「 Procurement(調達)」「 Construction(建設)」の略称。官公庁や企業などの顧客から依頼を受けてプラント建設を一括で請け負う、いわゆる”元請け”の企業を指します。 - サブコン
サブコンは「subcontractor(下請け企業)」の略称。プラント建設を一括で請け負うのではなく、空調や排水などの一部設備の設計・施工を担当するのがサブコンの役割です。 - 工事会社
EPCやサブコンから依頼を受けて現場での工事を担当する、いわゆる”孫請け”の企業。建設するプラントの種類に応じて、工事会社の専門分野はそれぞれ異なります。 - 各種メーカー
プラント建設のための機械や部品を取り扱う企業です。取り扱う機械・部品には、溶接機や発電機、熱交換器、ポンプなどがあります。
メーカー就活の対策や志望動機の書き方はこちらの記事で解説しています。
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キャリアアドバイザーコメント柴崎 拓也プロフィールをみる
プラント業界を志望する学生は海外志向の人が多いため、留学経験者やTOEICハイスコア保持者もエントリーしています。そのため他の業界に比べてハードルが高いとも言えますね。特にプラントエンジニアリング業界はこのような学生が多いですよ。
では留学経験やTOEICハイスコアがなければ、プラント業界の内定獲得ができないかというと必ずしもそうではありません。留学経験がなくてもTOEICを受験していない人でも内定獲得している学生はいます。
ただし優秀な学生が多くエントリーすることは事実なので、きちんと業界について理解を深めて就活を進めることが必要です。企業によってはグループディスカッションで、「企業の課題解決方法を考える」などが議題として課されることもあります。すると業界知識があることが前提で就活が進んでしまうのです。
プラント業界の就活で失敗しないためにも、これから紹介する仕事内容なども詳しくチェックすることが大切ですよ。
プラント業界の主な仕事をチェック
就活生
プラント業界というと理系のイメージがありますが……。
キャリアアドバイザー
プラント業界では文系も十分活躍できますよ。
まずは文系だから無理と決めつけず、多角的な視点でプラント業界の仕事内容を見ていきましょう。
入社後のミスマッチを避けるためにも、まずはプラント業界にはどんな仕事があるのか、おおまかな仕事の流れとともに理解しましょう。それぞれの仕事の具体的な業務内容を見比べ、自分の能力を活かせそうな仕事を探してみてください。
営業
自社の設備や関連製品を顧客に提案し、購入・契約につなげる仕事です。基本的には法人営業を主体とし、インフラ関係に携わる場合は官公庁への営業もおこないます。
営業では相手のニーズを的確に読み取り、適切な提案をするコミュニケーション能力が求められます。プラント建設のような大規模な案件を取り扱うのは大きな責任が伴いますが、企業への貢献を実感しやすい点は営業ならではのやりがいといえるでしょう。
- アプローチ先の検討
- 営業活動
- 工期スケジュールの調整
- 各部門との連携
- メンテナンスの調整などアフターフォロー
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設計
自社で企画した内容や、営業が顧客から獲得してきた案件を具体的な計画にまとめていく仕事です。顧客の要望と実際に建設する際のコスト、自社の利益をうまく擦り合わせながらプラントを設計していきます。
コストが高すぎては他の企業との競争に勝てず、反対にコストが安すぎては自社の利益にならない点が設計の難しさです。自社に依頼してもらえるかにも大きく影響するため、設計の仕事はプラント業界の企業にとって腕の見せ所になります。
- 基本設計
自社で企画した内容と顧客の要望に基づき、プラントの大まかな仕様や能力を決める仕事。プランをもとに人やモノの動線、設備の配置を検討 - 詳細設計
基本設計を踏まえ、建物や設備、配置、配管、配線などを記載した設計図を作成する仕事。化学、機械、建築・土木、電気・電子などの高度な専門知識が必要 - 他部署との連携
設計完了後、調達や施工時に設計にかかわる問題が起こった際には他部門と連携しながら対応
提案
設計でまとめた内容と見積もりをもとに、説明用の資料を作成し、自社に仕事を依頼するメリットを顧客にアピールする仕事です。顧客は各社が提案するプランのメリットとコストを比較しつつ、実際に仕事を依頼する企業を選んでいきます。
近年はどの業界もコンプライアンスへの意識が向上しており、プラント建設の仕事にも今まで以上の安全性が求められるようになりました。そのような社会情勢もあって、プラント業界においてもコスト面だけではなく、プラントの安全性や可用性が重視されています。
- 顧客のニーズ調査やデータ分析
- 説明用の資料作成
- 顧客に対するプレゼンとヒアリング
調達
工事に必要な機械や部品、現場で必要となる人手などを調達する仕事です。購入にかかるコストはもちろん、納期や品質なども考慮しつつ、多くの取引先の中から最終的に取引する企業を決めていきます。
最前線の仕事である営業に対し、調達は後方支援的な役割が強いのが特徴です。取引先のみならず、社内で利害が対立した場合にもうまく妥協点を見つけていく必要があるため、交渉力や視野の広さ、専門知識といった能力が求められます。
- 発注企業の検討と決定
- 見積価格の評価と価格交渉
- 他部門との連携
- 注文書の作成
- 受入検査、検収
建設・試運転
プラント建設の準備が整ったら、いよいよ実際の工事に取り掛かります。決められた納期までに工事を完了させるためには、進捗状況の把握とスケジュールへの反映がポイントです。
また、予算が限られている建設プロジェクトでは、迅速かつ適切な人員・物量の投入が求められます。コスト増加を恐れるあまり人員・物量の投入を躊躇してしまい、結果的にスケジュールの遅延を招いて赤字幅が拡大する、という建設段階でのよくある失敗を防ぐ必要があります。
- 架台(設備機器を設置するための架構)の設計と施工
- 点検歩廊の設置
- 機械、設備の設置
- 配管工事
- プラントの安全性や生産能力のテスト
点検・保守
建設工事が完了して顧客に引き渡したのち、プラントを継続的に稼働させるためのサポートをする仕事です。火災の危険性が高い化学プラントでは、薬品による配管の磨耗に細心の注意を払うといったように、プラントの種類に応じた保守点検が必要になります。
契約内容にもよりますが、プラントの引き渡し後は数年間の保証期間を設けている企業がほとんどです。そのためプラントは建設して終わりではなく、保証期間を満了するまでは定期的な点検・保守、トラブル時への対応をしなければなりません。
- 保全計画の作成
- 装置の予備品購入
- 設備の点検
- 報告書の作成
- 設備の清掃と補修
キャリアアドバイザーコメント酒井 栞里プロフィールをみる
プラントを造るための設計では、紹介したとおり各分野の専門家で構成されるチームを組んでおこないます。設計フェーズでは専門的な知識が必要になるため、大学で専門的に研究をおこなっている理系学生の方がおすすめですね。プラント業界の設計の仕事は、化学や機械・電気・土木・情報などさまざまな専門家が活躍できるため、研究分野が仕事で活かしやすい業界の1つとも言えるでしょう。
逆に「設計」以外の職に関しては、大学の専攻を重視されることがほとんどありません。理系出身の方が営業として活躍していることもありますよ。そのため自分の学歴を気にせず気になる仕事を志望することがおすすめですね。
また調達の仕事内容を見ると営業力や交渉力に目が行きがちですが、大切なのは相手の目線で考えることです。調整をする相手である取引先企業も利益を追っており、お互いの利害は一緒ですよね。そのときに自社の利益だけでなく相手の目線に立ってビジネスを進められる人は、信頼関係が築けるので長期的な目線で考えたときに成功している人が多いですよ。
文系でもプラント業界への就職を狙える理由
「プラント業界は理系の就職先」というイメージが強い人も多いと思いますが、実は大学での専攻はそれほど重要ではありません。プラント業界が文系でも就職できる業界である理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、学生の差があまりない選考の段階では、今現在の能力より将来性が重視されるためです。たとえプラントに関する専門知識がなかったとしても、主体的に学んでいく姿勢さえアピールできれば文系出身であることは問題になりません。
2つ目の理由は、プラント業界の仕事ではコミュニケーション能力や細かな気配りが必要となるためです。専門知識の有無より、性格や他人との関わり方が重視される傾向にあります。
文系の仕事の種類や選び方についてこちらの記事で解説しています。
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キャリアアドバイザー
専門知識があれば早めに仕事を覚えられるのは確かですが、選考でより評価されるのは「人間性」や「仕事に対する姿勢」ということを頭に入れておきましょう。
業界状況や近年の傾向は?
就活生
業界的には安定しているのでしょうか?
キャリアアドバイザー
基本的には安定しているといえますね。
しかし、プラント業界といっても幅広く、必ず安定というわけではないことは理解しておく必要があります。
プラント業界は生活に必要なエネルギーを生み出すために不可欠な業界であり、歴史のある優良企業が多数存在しています。しかし、エネルギー業界と密接な繋がりがあるプラント業界には、世界景気に左右されやすいという側面もあります。
業界や企業の将来性を見極めるため、プラント業界の特徴と近年の傾向を把握しましょう。
世界景気に左右されやすい
プラント業界の企業は、人々の生活に欠かせないライフラインである「エネルギー」を扱う企業を主な顧客としています。
エネルギーの需給は、世界の人口やエネルギー価格などの情勢に影響されやすいため、必然的にプラント業界も世界景気に左右されやすいといえます。
一般社団法人海外建設協会によると、海外建設受注数は新型コロナウイルス感染症がまん延した2020年度に大きく減少していますが、2023年度には過去最高の受注数を記録するなど、社会情勢の影響を受けやすいことがわかります。
キャリアアドバイザー
現状では安定した業界であっても、少しのきっかけでそうではなくなる可能性もある、と理解しておく必要があります。
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新規プラント需要の中心は海外
人口減少などの影響によって国内の新規プラント需要は頭打ち状態にあり、需要の中心は海外に移っています。特に、経済の成長に伴って電力の需要が増える中東、アジア地域などはその代表例です。
コロナや原油価格下落の影響によるリスクがあるのは確かですが、今後も海外での新規プラント需要は続くと見込まれています。
一方、国内については、既存プラントのメンテナンス業務が中心です。高度経済成長期に建設されたプラントの経年劣化が問題となっており、高経年化したプラントの安全かつ安定した操業が一層求められています。
キャリアアドバイザー
コストの安い海外企業との競争をいかに勝ち抜けるかが、日本の企業の課題といえます。
業界トップ優良企業5社を押さえよう
ここからはプラント業界の主な企業をご紹介します。BtoB企業が多いプラント業界には、日常生活の中ではあまり耳にする機会のない企業が多いのが特徴です。
世間的な知名度は低いものの、安定した経営を続けている”狙い目優良企業”を見つけるため、実際にどんな企業があるのか確認していきましょう。
日揮ホールディングス株式会社
- 本社:神奈川県横浜市
- 代表者:代表取締役会長CEO 佐藤 雅之、代表取締役社長COO 石塚 忠
- 従業員数:7,275名(連結、2022年3月31日現在)
- 事業内容:国内における各種プラント・施設のEPC事業および保全事業など
- 創立:1928年10月25日
- 資本金:236億7,278万円(2022年3月31日現在)
世界有数の総合エンジニアリング会社として知られる日揮グループ。海外における各種プラント・施設のEPC事業および保全事業を「日揮グローバル株式会社」が担当し、国内における事業を「日揮株式会社」が担当しています。
日揮の強みは何といっても、たくさんの優秀なエンジニアの能力に裏打ちされる高い技術力です。広範囲かつ高度な技術を強みに、エネルギー、インフラ分野のプラント・施設をこれまでに数多く手がけています。
千代田化工建設株式会社
- 本社:神奈川県横浜市
- 代表者:取締役会長 榊田 雅和、代表取締役社長 太田 光治
- 従業員数:3,955名 (連結、含む持分法適用関連会社)
- 事業内容:総合エンジニアリング事業
- 設立:1948年1月20日
- 資本金:150億1,400万円 (2023年12月現在)
千代田化工建設は、日揮、東洋エンジニアリングと並び”エンジニアリング御三家”と呼ばれる企業の一つ。エネルギーをはじめ、化学や環境、省エネなどの幅広い分野で、各種プラント・施設のEPC事業を展開しています。
千代田化工建設が強みを持っているのは、水素に関する技術開発の分野。究極のクリーンエネルギーとも呼べる水素にいち早く注目し、水素を常温・常圧で運ぶ独自の技術の開発によって輸送問題を解決しようとしています。
東洋エンジニアリング株式会社
- 本社:千葉県習志野市
- 代表者:代表取締役 取締役社長 永松 治夫
- 従業員数:4,005名(2023年3月期連結)
- 事業内容:総合エンジニアリング事業
- 創業:1961年5月1日
- 資本金:181億9,897万円
東洋エンジニアリングは、アンモニアや尿素などの化学肥料分野に強みを持つエンジニアリング会社です。これまでに手掛けてきたプロジェクトの実績は全世界で50ヵ国以上、売上比率は海外対国内で約8:2と、海外事業をメインにしているのが特徴です。
商品分野では、石油化学と肥料分野において特に大きな存在感を発揮。全世界で生産されるエチレンの16%、アンモニアの15%、尿素の20%はTOYOが建設したプラントからの製品とされています。
栗田工業株式会社
- 本社:東京都中野区
- 代表者:代表取締役社長 江尻 裕彦
- 従業員数:7,784名(連結) 1,624名(単体) 2023年3月31日現在
- 事業内容:総合水処理事業
- 設立:1949年7月13日
- 資本金:134億5,075万1,434円(2022年3月31日現在)
栗田工業は「“水”を究め、自然と人間が調和した豊かな環境を創造する」という企業理念のもと、主に水と環境の分野を中心に事業展開している企業です。水処理薬品、水処理装置、メンテナンス・サービスの3つの領域で、総合的なソリューションを提供しています。
具体的には、水処理装置や薬品の製造・販売、土壌・地下水浄化、水処理施設の運転・維持管理などが主な事業。水処理プラントのリーディングカンパニーとして、東アジアや東南アジアなどを中心とする海外でも事業を展開しています。
株式会社タクマ
- 本社:兵庫県尼崎市
- 代表者:取締役社長 南條 博昭
- 従業員数:【単体】1,002人【連結】4,247人(2023年3月31日現在)
- 事業内容:各種ボイラ、機械設備、プラントなどの設計・施工
- 設立:1938年6月10日
- 資本金:133億6,745万円
国産初のボイラ技術を発明したことで知られるタクマは、環境・エネルギープラント分野のリーディングカンパニーです。ボイラの技術を源流に、一般廃棄物処理プラントやエネルギープラント、水処理プラントなどのEPC事業および保全事業を展開しています。
タクマの強みはやはり、廃棄物処理プラント事業におけるノウハウと実績です。長年この分野に特化して事業展開してきたことで培われた独自の技術を活かし、海外でも廃棄物処理プラントの事業を手がけています。
プラント業界で働く魅力とは
ここまでプラント業界の仕組みや主な職種について詳しく紹介してきましたが、この業界で働くことにはどのような魅力があるのでしょうか。
やりがいをもって長く続けられる企業や仕事を見つけるため、自分が就活の軸にしていることとプラント業界で働く魅力を照らし合わせてみましょう。
世界を舞台に活躍できる
海外事業の展開も多いプラント業界では、世界を舞台に活躍できるのが一つの魅力です。海外建設現場への出張、海外事務所や海外現地法人への駐在などが他の業界よりも頻繁に見られます。
たとえば、海外事業をメインにしている東洋エンジニアリングは、海外出張の多さが特徴です。期間は2泊3日の短期出張から、数年間の長期出張までさまざまですが、平均的に社会人人生のうちの20〜25%程度を海外で過ごすことになるそうです。
また、文系であっても例外ではありません。プロジェクト経理やビジネスマネジメント部門であれば一つの現場に長期間滞在し、海外営業部門であればあらゆる国への短期出張を繰り返していくことになります。
「インフラのインフラ」を作る重要な仕事に携われる
プラント業界は石油や化学、製鉄、発電などのプラントを対象に、EPC事業および保全事業を請け負う業界です。人々の生活を支える重要な物資の生産に携わるということは、「インフラのインフラ」を作る重要な仕事に携われるとも言い換えられます。
プラントが停止すれば石油やガス、化学、医薬、金属などのあらゆる物資を作れなくなってしまうので、プラント業界の仕事が重要なのは言うまでもありません。
キャリアアドバイザー
インフラのインフラを作る仕事なだけに、自分の仕事が社会貢献につながっていると実感しやすいでしょう。
インフラにかかわる仕事の特徴や魅力についてこちらの記事でも解説しています。
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規模が大きな仕事で達成感が得られる
プラント業界の仕事は事業規模、取引金額ともに大きいため、仕事を終わらせたときの達成感もその分大きくなります。大規模なプロジェクトを無事終わらせた際には、何事にも代えがたい達成感を得られるでしょう。
特に、発展途上国でのプラント建設プロジェクトなどはその代表的な例です。「新しいプラントを建設する」というやりがいのある仕事に加え、その国や地域の発展に携われることも大きな達成感につながります。
キャリアアドバイザー
プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、それに伴う責任も大きくなりますが、これほどの達成感を得られるのはプラント業界ならではの魅力といえるでしょう。
どんな人が向いている? プラント業界で求められるスキル
プラント業界に興味はあっても、自分が活躍できるか不安に感じている人も多いのではないでしょうか。自分の能力が活かせる仕事を見つけるためには、まずはプラント業界ではどんなスキルが求められているのかを知ることが大切です。
どんな人がプラント業界に向いているのかを知り、自分が活躍できそうな分野を探してみましょう。
コミュニケーション能力
プラント業界では、高いコミュニケーション能力が求められます。
特に、顧客と密にコミュニケーションをとる必要がある、営業や調達の仕事がわかりやすい例です。自社の利益だけでなく、顧客の利益のことも考えながら意見を擦り合わせていかなければなりません。
また、設計や建設・試運転、点検・保守などの専門的な仕事であってもコミュニケーション能力は欠かせないでしょう。
直接顧客とコミュニケーションをとる機会は少なくとも、幅広い部門とうまく連携を図りながら業務を進める必要があります。
- 相手の考えを汲み取る力
- 自分の意見をわかりやすく伝える力
- 相手と自社の視点や利益を考えながら意見をすり合わせていける力
コミュニケーション力をアピールするときの効果的な言い換え表現はこちらの記事で確認してください。
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マネジメントスキル
幅広い分野の企業や技術者と協力しながら業務を進めていくプラント業界では、業務を円滑に進めるためのマネジメントスキルが求められます。
ここでいうマネジメントスキルとは、現場の作業をスムーズに進めるために、目標や計画、進捗をうまく管理する能力のことです。プラントはさまざまな要素で構成される複雑なシステム総合体であるため、チーム単位での正確な管理が必要となるのです。
立場が上になればなるほど、高いマネジメントスキルが求められるのは言うまでもありませんが、それは作業員を総括する立場の人だけに限った話ではありません。
キャリアアドバイザー
複雑なプラントをうまくコントロールしながらスケジュ-ル通りに建設工事を完了するため、従業員一人一人のマネジメントスキルが重要になります。
英語力
新たなプラント建設のプロジェクトの多くは海外でおこなわれるため、海外事業がメインの企業では英語力が必須です。最低限、プラントに関する専門用語を正確に聞き取れるだけの英語力は、どの仕事でも必要となるでしょう。
実際、日揮グローバル株式会社では「英語力は業務上必須のスキルである」と明言されています。
国内事業がメインの企業であっても、取り扱う機械や部品が海外製というケースも多いので、英語力が無駄になることはまずありません。
英語力を就活で効果的にアピールする方法はこちらの記事で解説しています。
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キャリアアドバイザー
また、英語以外では、使用人口の多いフランス語や中国語、スペイン語、ロシア語などを得意にしていると活躍の場を広げやすくなります。
プラント業界への就活に活かせる資格
できることの幅を増やし、就活での自分の価値を高めるためにも、余裕があればぜひ資格取得にチャレンジしましょう。ここでは大学在学中に取得可能かつ、プラント業界への就活に活かせる資格を3つ紹介します。
学生が取得しやすい就活に有利な資格はこちらの記事で紹介しています。
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機械設計技術者試験
- 主催団体:一般社団法人 日本機械設計工業会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:実務経験の必要なし
- 試験日:年1回(11月頃)
- 試験形式:マークシート方式
機械設計技術者試験の3級は、機械工学に関する基礎的な知識を問う試験です。1級・2級を受験するには実務経験が必要になりますが、3級は特に受験資格が定められていないので大学在学中でも取得できます。
機械設計の業務に携わるにあたって必須の資格というわけではありませんが、取得しておけば機械設計の基本知識を持っている証明になります。将来的に1級や2級を取得できれば、資格手当を出してくれる企業もあるので、学生のうちに取得しておいて損はありません。
理系の就職に役立つ資格について、こちらの記事でも紹介しています。
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理系は資格を取得していると、アピール次第で高評価をもらえることがあります。今回は、就活に役立つ理系の資格を紹介していきます。キャリアアドバイザーが資格を選ぶ切り口も紹介しているので、どんな資格を取ればいいか迷っている人は参考にしてみてください。
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CAD利用技術者試験
- 主催団体:一般社団法人 コンピューター教育振興協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:制限なし
- 試験日:年2回、随時開催
- 試験形式:マークシート方式
CAD利用技術者試験は、設計や製図に使用するCADシステムの知識を問う試験です。2次元CAD利用技術者試験と3次元CAD利用技術者試験の2つに分かれており、高い階級になると筆記試験だけでなく実技試験も実施されます。
2次元CADの基礎と2級、3次元CADの2級であればマークシート方式の筆記試験のみなので、大学在学中でもチャレンジしやすいでしょう。
従来、プラントの設備や配管の設計には2DCADが利用されてきましたが、近年は3DCADを利用するケースも増えてきました。自分の志望する企業がどちらを主に利用しているのかによって、受ける試験を選択するのがおすすめです。
TOEIC
- 主催団体:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
- 資格種類:民間資格
- 受験資格:制限なし
- 試験日:年10回程度
- 試験形式:マークシート方式
TOEICは、日常生活における英語のコミュニケーション能力を測定するための試験です。測定する能力によって4つの試験に分かれており、中でも最も知名度が高いのは「 Listening & Reading Test」です。
TOEICのL&Rスコアを英語力測定のための指標の一つにしている企業は多いため、プラント業界への就活にも大いに活かせます。特に、海外事業に力を入れている企業において、大きなアピール材料となるでしょう。
プラント業界の志望動機を作る際のポイント
志望動機では、「プラント業界で働きたいから」「プラント設計の仕事が楽しそうだから」などと伝えるだけでは評価してもらえません。自分が企業にとって有益な人材だと理解してもらえるよう、熱意を伝えるだけでなく、入社後のビジョンや企業への貢献方法を合わせて伝えましょう。
①志望企業にカスタマイズした内容にする
志望動機に説得力を持たせるため、志望企業に適した内容にカスタマイズするよう心掛けましょう。
EPCやサブコン、工事会社、メーカーなど、プラント業界の中にはさまざまな種類の企業が存在します。EPCを志望するのであれば、「なぜサブコンや工事会社ではなくEPCなのか」という問いに答えられるようにしなければなりません。
また、同じEPCであっても、企業によって特徴は異なります。たとえば千代田化工建設は「水素」の分野に強みがあり、東洋エンジニアリングは「化学肥料」の分野に強みがあります。
キャリアアドバイザー
各企業の特徴を理解することで、志望企業に適した志望動機を仕上げやすくなるため、まずは企業研究で各企業の強みと弱みを明らかにしてみましょう。
面接の段階ごとの志望動機の答え方はこちらの記事で解説しています。
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➁業界で叶えたいビジョンを明確にする
その企業を選んだ理由を伝えた後は、プラント業界で自分が何を成し遂げたいのかを伝えましょう。目先のことだけではなく、将来的なことも考えたうえで業界・企業を選んだというアピールができます。
そもそも志望動機とは、企業が学生の熱意を見極め、自社に長く貢献してくれる人材かどうか確かめるためのものです。ビジョンが明確でない学生は入社後の活躍に疑問が生まれてしまうため、志望動機ではビジョンを明確にする必要があるのです。
また、ビジョンを明確にすることは、企業に対する理解度の高さのアピールにもつながります。その企業で何が実現できるのかしっかりと調べたうえで、自分のビジョンを伝えれば、自社についてきちんと理解していると評価されるでしょう。
キャリア形成について考えるときのポイントはこちらの記事で読んでください。
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他の業界では経験を積んで課長や部長のような役職がつかなければマネジメントを経験できないことが多いです。ですが、プラント業界では役職とは別にプラントをつくるプロジェクトごとに役割が割り振られます。プロジェクトの中で、プロジェクトリーダーやマネージャーとして早期からマネジメント経験を積むこともできるのです。もちろんマネジメントに興味がない人は、プレイヤーとして活躍することもできますよ。
このように最初は規模が小さいプロジェクトのマネジメント経験を積み、将来的には大規模のプロジェクトも経験ができます。
また自分の現状をきちんと把握していると、将来のビジョンや目標を立てるために役立ちます。将来のビジョンや目標とは、今の自分ができていないことを克服することとも考えられます。できていないことも明確化するだけで、将来の目標となるきっかけが見つかるのです。そして、「できること」は目標を達成するために活かせる強みということになりますね。
このように自分を振り返ると、スムーズに将来のビジョンが考えられますよ。
③自分がどう企業に貢献できるかを盛り込む
志望動機では業界や企業への熱意を伝えるだけではなく、自分がどう企業に貢献していけるのかをアピールしましょう。
いくらプラント業界に対する熱意が強くても、企業にとって採用する価値のある人材だと判断してもらえなければ採用には至りません。そのため、志望動機では業界や企業を選んだ理由に加え、何が自分の強みで、その強みを仕事にどう活かせるのかを伝えましょう。
キャリアアドバイザー
具体的な仕事内容を例に挙げつつ、自分の持っている能力やスキルをアピールしていけば、入社後に活躍する姿をイメージしてもらいやすくなります。
プラント業界の志望動機例文
ここからは、プラント業界で叶えたいビジョン別に3つの例文をご紹介します。これまでに紹介してきた将来の自分の考え方と面接での答え方を踏まえ、自分なりの回答を考えてみてください。
発展途上国の経済発展に貢献したい
私は仕事を通じて発展途上国の経済発展に貢献したいと思い、プラント業界を志望しました。
プラント業界に興味を持ったのは、学生時代にタイでホームステイを経験した際、電力インフラの整備が不十分なせいで頻繁に停電や瞬断が起きることを知ったのがきっかけです。
その経験から、経済的に不利な立場にある発展途上国の人々の生活環境を根本から改善できる仕事をしたいと思い、インフラのインフラを作るプラント業界を志望しました。
学生時代からボランティア活動を通し、困っている人や地域の状況を知り、解決へと導くコミュニケーション力や分析力、行動力を培ってきました。
数ある企業の中から貴社を選んだのは、幅広い地域での実績を持つ点に惹かれたためです。アジア地域だけに限らず、中東や南北アメリカでの実績もある貴社であれば、まだまだインフラが整っていない地域で働くチャンスが多いと考えています。
キャリアアドバイザー
「業界で叶えたいビジョン」が読み取れる文章です。
ホームステイの経験談から、発展途上国の経済発展に貢献したい気持ちが芽生えたことがわかります。
世界各国の人とつながりながら活躍したい
プラント建設の仕事で世界各国の人とつながりながら活躍したいと思い、貴社を志望しました。
グローバルに活躍できることを就活の軸にしているのは、インドネシアで暮らした幼少期の経験から、自分の知らない文化に触れる楽しさを知ったからです。また、この頃から国境や文化を超えたコミュニケーション力を身につけることを目標にし、その後も海外を旅しては現地の人と積極的にコミュニケーションをとってきました。
あらゆる国の人たちと密にコミュニケーションをとり、新しい知識を身につけていけるプラント業界であれば、高いモチベーションをもって長く働いていけると考えています。
中でも、御社の研修制度は他社と比べ、実践的な内容のものが多いように感じました。入社後は貴社の研修制度で実践的な知識とノウハウを身につけつつ、自発的に仕事のやり方を学んでいき、ゆくゆくは世界で活躍する営業マンになるつもりです。
キャリアアドバイザー
志望企業の研修制度を例に挙げることで、他の企業との差別化を図っている例文です。
研修制度だけに頼らず、主体的に学んでいこうとしている姿勢に好感が持てますね。
学んだことを活かしてエキスパートを目指したい
私は新しいモノや技術を自分の手で生み出すことに魅力を感じ、プラント業界の技術職を志望しました。
中でも興味を持っているのが、化学プラントのレイアウト設計です。大学で「化学プラントにおける設置スペースの有効活用と高機能化」というテーマの研究に取り組んだのがきっかけで、決められたエリア内にプラントを収めていくレイアウト設計の楽しさを知りました。
多くのエンジニアリング会社がある中で貴社を志望するのは、石油化学や化学、化学肥料関連プラントに特に強みを持っているためです。大学で学んだことを活かし、化学分野に特化したエキスパートを目指したいと考えています。
キャリアアドバイザー
大学での研究内容をわかりやすく説明できており、化学分野に興味を持ったきっかけと企業を選んだ理由が明確です。
面接で具体的な研究内容や実験について聞かれた際、詳しく答えられるように準備しておくと安心です。
プラント業界への理解を深め就活成功につなげよう
インフラのインフラを作るプラント業界の仕事は人々の生活に欠かせないものであり、学生にはあまり知られていないものの、就活の狙い目といえる優良企業が多いのが特徴です。
同じプラント業界の企業であっても、強みや企業風土はまったく異なります。業界に対する正しい知識を身につけるのはもちろん、企業研究で各企業の違いについても明らかにすることが大切です。
興味のある企業について理解を深め、説得力のある志望動機で選考突破を目指しましょう。
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