目次
- 志望動機が「家から近い」だけでは深掘り不足! 軸の立て方を押さえよう
- 「家から近い」を志望動機にしたい人が知るべき3つの前提
- 「家から近い」だけの志望動機は企業に刺さらない
- 深掘りしないと企業選びでつまずく可能性もある
- 希望条件としてもっておくのは問題ない
- 改善点を知ろう! 「家から近い」が志望動機の人に企業が抱く3つの懸念
- 「仕事内容には興味がないのでは?」:適性への懸念
- 「近ければどこでも良いのかも」:意欲への懸念
- 「より近い企業が見つかれば転職するのでは?」:早期離職の懸念
- 家から近いだけでは足りない! 志望動機に組み込むべき3要素
- ①自身が就職先選びにおいて大切にしている要素
- ②求める要素が志望企業でなら実現できると思った理由
- ③自分ならではの強みやスキルを企業でどう活かせるか
- 志望動機「家から近い」を企業に刺さる形に言い換える4ステップ
- ①なぜ家から近い企業がいいのか理由を洗い出す
- ②家から近い企業のなかでも志望企業を選んだ理由を整理する
- ③家から近い以上の志望動機がないか考える
- ④入社後その職場でどう活躍したいかを言語化する
- 参考にしよう! 「家から近い」の3つの言い換え表現と志望動機例文
- ①地域のために役立ちたい
- ②地元密着型の企業に貢献したい
- ③腰を据えて着実に成長したい
- どうしても「家から近い」以外の志望動機が思いつかないときの対処法
- 他己分析を活用して第三者の視点を取り入れる
- OB・OG訪問などで今働いている人の志望理由を聞く
- 就職エージェントに志望動機の深掘りを相談する
- 志望動機「家から近い」についてよくある質問に回答!
- 「家から近い」が志望動機なら徹底的に深掘りして効果的にアピールしよう!
志望動機が「家から近い」だけでは深掘り不足! 軸の立て方を押さえよう
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。就活中の学生から、
「『家から近い』を志望動機にしても大丈夫ですか?」
「『家から近い』の言い換え方を教えてください」
といった相談を受けることがあります。入社後は毎日のように通勤することになるだけに、企業選びで「家から近い」という要素は大切ですよね。ただし、そのまま志望動機にしてしまうと、家から近ければ他の企業でもいいのではないかと、意欲の面で不安を抱かれる可能性がありますよ。
そこでこの記事では、企業からマイナス評価を受けずに「家から近い」を志望動機にする方法を解説します。言い換え表現と志望動機例文も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
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「家から近い」を志望動機にしたい人が知るべき3つの前提
就活生
キャリアアドバイザー
そうですね。「家から近い」を志望動機にしても企業には刺さらないことが多いですよ。
就活生
ですよね。でも、それが一番の志望動機なんですよね……
キャリアアドバイザー
「家から近い」が最大の志望動機である場合、自分のためにも深掘りすることをおすすめします。
「家から近い」を志望動機にするにあたって、どんな点に注意すべきなのかを確認しておきましょう。選考や企業選びにおいて、マイナスに働く可能性を十分に理解しておく必要がありますよ。
「家から近い」だけの志望動機は企業に刺さらない
「家から近い」を志望動機にしても、企業にはあまり刺さらないことを理解しておきましょう。
志望動機で企業がチェックしているのは、おもに次のようなポイントです。
- 学生の人柄
- 入社意欲
- 自社とのマッチ度
上記のような内容を伝えるために、志望動機のなかで過去のエピソードや入社後にやりたいことを伝えます。一方で、「家から近い」だけでは人となりやマッチ度を読み取ることはできません。採用するメリットも見出しづらいため、どうしても企業から評価されにくくなってしまいますよ。
志望動機の基本的な書き方や例文はこちらの記事で解説しています。
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深掘りしないと企業選びでつまずく可能性もある
志望動機の深掘りが不十分なまま企業を選んでしまうと、入社後にミスマッチが起こる可能性が高くなります。「家から近い」を軸にして企業を探していると、業務内容などが自分と合わない企業を選んでしまう可能性があるため、十分に注意してくださいね。
企業選びでの失敗を避けるポイントは、「家から近い」以外の条件もしっかりと考えておくことです。たとえば、「強みの課題解決力を活かせる仕事」「人の生活への貢献を実感しやすい仕事」などの軸があると、ミスマッチのリスクを減らせますよ。
キャリアアドバイザー
「家から近い」だけでは選考でも企業選びでも不利に働くため、ほかの要素もきちんと深掘りしましょう。
希望条件としてもっておくのは問題ない
ここまで注意点を紹介してきましたが、「家から近い」を自分のなかの希望条件の一つとしてもっておくこと自体は問題ありません。仕事に求めるものは人それぞれであり、何を条件にするかは個人の自由です。
そのほか、NGな志望動機に挙げられやすい「給与が高いから」「大企業だから」なども、希望条件として胸の奥にしまっておくのは問題ありませんよ。
ただし、志望動機として伝えるとなれば話は別です。志望動機では自分にとってのメリットではなく、企業側の採用メリットを考慮しながらアピールする必要があります。
キャリアアドバイザー
これを伝えたら企業にどう評価されるのか、企業が知りたいポイントに答えられているのか、よく考えてから伝えることを選びましょう。
キャリアアドバイザーコメント堀内 康太郎プロフィールをみる
日本にある多くの企業のなかから志望先を絞り込む際に、「家から近い」ことは重要な要素の一つです。またそれ以外の収入や待遇、福利厚生などの条件面も検討材料にしておくことは必要と言えます。ただし、それは自分にとってのメリットにすぎません。
企業が新たな人材の採用をする目的は、末長い自社の事業の継続と発展のために、「同じ方向を向いて共に尽力してくれる仲間」を迎え入れるためです。そういう人物かどうかを見極めるために企業は書類審査、面接など複数の試験をおこなっています。企業にとっての貢献が期待できる人物でなければ採用には至らないということです。
つまり、就活を進めるうえでは企業側の視点に立って自分を採用するメリットをアピールする必要があります。そのためにも自分がどういう人間で、どんな強みやスキルをどういう仕事にどのように発揮して貢献できるのか、将来はどうなっていたいのかを自己分析で明確にしましょう。
そのうえで業界・企業研究をし、どんな人材が求められているのか、自分の強みやスキルが活かされるのかをよく検討してください。この作業が志望動機や自己PRの基盤になりますよ。
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・志望動機の作成時間を短縮したい人
改善点を知ろう! 「家から近い」が志望動機の人に企業が抱く3つの懸念
なぜ「家から近い」だけを志望動機にすると企業に刺さらないのか、具体的な理由を見ていきましょう。「家から近い」を志望動機にした場合、次のような懸念を企業が抱く可能性がありますよ。
「仕事内容には興味がないのでは?」:適性への懸念
「家から近い」という理由だけでは、仕事内容に興味がないように見えます。仕事に対する理解と熱意が感じられず、企業そのものへの関心も薄いと思われてしまいますよ。
仕事内容に興味がない場合、学生の適性を判断するのが困難です。たとえば、「家から近いから志望しました」と面接で伝えても、学生の性格や価値観が仕事内容にマッチするのか見極められないですよね。
キャリアアドバイザー
相性を見極められないと入社後の活躍をイメージできないため、企業から採用を敬遠されてしまう可能性がありますよ。
「近ければどこでも良いのかも」:意欲への懸念
「家から近い」という条件に当てはまる企業は、志望先以外にも数多く存在します。複数の企業に該当するような志望動機は、「近ければどこでも良いのかも」という懸念につながってしまいますよ。
企業は単に予定人数を確保するだけでなく、できるだけ長く貢献してくれる人を採用したいと考えています。そんな考えを持つ企業に対して、「家から近いから御社を選びました」と伝えても、長く活躍してくれそうなイメージが湧きづらいですよね。
キャリアアドバイザー
企業は「家から近い」という自分本位な理由ではなく、企業への興味や仕事内容への意欲を聞きたいと考えています。
「より近い企業が見つかれば転職するのでは?」:早期離職の懸念
「家から近い」だけの志望動機では、仮に採用に至ったとしても早期離職の不安が残ります。より自宅から近い企業や、通勤が楽な企業が見つかったときに、すぐに転職するのではないかと疑問を持たれてしまいますよ。
実際に転職するつもりはなくても、限られた採用枠のなかで、早期離職の可能性が高い人を優先的に採ろうとは思いませんよね。
キャリアアドバイザー
採用には多くのコストがかかります。せっかく採用した社員がすぐに辞めるのは企業としてもダメージが大きいため、そういった兆候がある人は採用を避けたいのが企業の本音なのです。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
勤務先が家から近いほうが身体的にも楽ですし、時間的余裕も得られます。勤務先を選ぶ際の条件の一つになるのは当然のことであり、決して悪いことではありません。
ただし、家からの近さはあなたが企業に求めている条件であって、企業側が志願者に求めている条件ではないですよね。そのため、家から近いことよりは企業が求める要素を押し出すことが、就活をスムーズに進めるためには重要です。
あまりにも家から近いことを押し出してしまうと、採用担当者から適性への懸念、意欲への懸念、早期退職への懸念を抱かれかねません。家からの近さはあくまで自分が希望する条件の一つとして、就職先を絞り込む際の検討材料にとどめるのがおすすめです。主たる志望動機には企業への貢献度を中心にアピールするようにしましょう。
家から近いだけでは足りない! 志望動機に組み込むべき3要素
企業から評価してもらえる志望動機に仕上げるには、「家から近い」以外の要素が不可欠です。
具体的にどんな要素を組み込むべきなのか、一緒に見ていきましょう。自分本位ではなく、企業側の視点もきちんと考慮することがポイントですよ。
①自身が就職先選びにおいて大切にしている要素
就職先選びで大切にしている要素、いわゆる「就活の軸」は志望動機の根幹にあたる部分です。何を基準に業界や仕事を選んだのか、自分なりの理由を述べることで、自分が企業で何を成し遂げたいのかを伝えることができ、意欲の高さをアピールできますよ。
- 人に直接感謝される機会が多い仕事をしたい
- 生まれ育った地域のために役立ちたい
- 新しいサービスが次々と登場している業界で働きたい
就活の軸は、志望動機を作る際はもちろん、業界や仕事選びにも役立ちます。自分に合う業界・仕事がわからず行き詰まっている人は、まず就活の軸を考えてみてくださいね。
就活の軸の見つけ方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事
就活の軸の見つけ方11選! 企業選びの基準を作って効率化しよう
就活の軸の見つけ方がわからない人必見! 今回は就活の軸の見つけ方11選をキャリアアドバイザーが紹介していきます。就活の軸を持つべき理由や、決める時の注意点も合わせて解説。また選考で答える時の例文も業界別に紹介しているので参考にしてみてください。
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②求める要素が志望企業でなら実現できると思った理由
業界や仕事を選んだ理由が明確でも、志望企業ならではの差別化ができていないと、刺さる志望動機にはなりません。求める要素が志望企業だからこそ実現できると考えた理由を伝え、別の企業ではダメなことを示しましょう。
たとえば「生まれ育った地域のために役立ちたい」という考えは立派ですが、それだけでは志望企業を選んだ理由にはなりません。地域に役立ちたい気持ちを実現するだけなら、業界・業種問わずあらゆる企業が候補になりますよね。
キャリアアドバイザー
地域に役立ちたい気持ちを、どのようにして志望企業を選んだ理由に結びつけるかが肝心ですよ。
③自分ならではの強みやスキルを企業でどう活かせるか
熱意と意欲が高くても、能力が仕事内容にマッチしていないと入社後の活躍に疑問を持たれてしまいます。強みやスキルを企業でどう活かせるかを伝え、自分を採用するメリットをアピールしましょう。
強みやスキルは、企業に沿ったものにするのがポイントです。魅力的な能力を持っていても、それを実際の仕事に活かせないようでは高評価にはつながりません。
キャリアアドバイザー
企業研究を入念におこない、求められる人物像に沿った能力をアピールするよう心掛けましょう。
自分の強みや弱みの見つけ方はこちらの記事で解説しています。
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強み・弱みが必ず見つかる10の自己分析法|OK・NG例文付き
強み・弱みの把握には自己分析が大事 こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「自分の強み・弱みを把握する方法を知りたいです」「自己分析の方法っていろいろありますが何が自分に合っているのかわかりません」 エントリーシ […]
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志望動機「家から近い」を企業に刺さる形に言い換える4ステップ
「家から近い」を志望動機に含めるのはNGではありませんが、伝え方には注意が必要です。そのまま志望動機にすると適性や意欲に疑問を持たれるため、表現をうまく言い換えて伝えましょう。
表現を言い換える方法を4ステップで解説していきますね。
①なぜ家から近い企業がいいのか理由を洗い出す
まずは、なぜ家から近い企業がいいのかをよく考えてみましょう。「家から近い」を掘り下げてみると、より具体的な動機が見えてくるはずです。
- 幼少期から慣れ親しんだ場所で働きたい
- 通勤の負担を減らして健康を維持し、長く企業に貢献していきたい
- 通勤時間を短縮して、ワークライフバランスを充実させたい
- 浮いた時間をスキルアップのための勉強にあてたい
- 仕事に集中できる環境を整えたい
通勤の負担を減らして健康を維持し、長く貢献できれば企業側にとってもメリットがありますよね。「家から近い」を志望動機にする際は、それが仕事にどんな好影響を及ぼすのかを強調することが大切です。
②家から近い企業のなかでも志望企業を選んだ理由を整理する
「家から近い」だけでは魅力的な志望動機になりません。企業への興味や仕事に対する意欲を示すため、志望企業を選んだ理由を整理しましょう。
たとえば食品メーカーには、冷凍食品に強みを持つ企業もあれば、お菓子に強みを持つ企業もありますよね。こうした企業ごとの違いを把握し、選んだ理由を整理していくことが志望動機作りでは大切です。
キャリアアドバイザー
企業独自の商品やサービス、事業、社内制度などに着目してみると、選んだ理由を考えやすいですよ。
志望動機が上手くまとまらないときの対処法はこちらの記事で解説しています。
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③家から近い以上の志望動機がないか考える
「家から近い」を動機にする理由と、志望企業を選んだ理由を整理できたら、両者を照らし合わせてみましょう。
以下のように比較してみてくださいね。
・「家から近い」を動機にする理由
⇒幼少期から慣れ親しんだ場所で働きたい
・志望企業を選んだ理由
⇒子どもから大人まで幅広い世代に愛される「お菓子」を企画する仕事がしたい。地元のお菓子メーカーに絞って就職先を探すなかで、志望企業は地域の特色を反映した商品が多いことに気づいた。地元の企業で、地域特有のニーズに対応した商品を作ってみたい。
企業側の目線に立った、より魅力的な志望動機が見つかれば、「家から近い」をあくまで補足的な内容としてアピールできますよ。
④入社後その職場でどう活躍したいかを言語化する
企業に刺さる志望動機にするには、入社後に長く活躍するイメージを持ってもらうことが肝心です。志望企業の職場で、どう活躍したいかを言語化しましょう。
「○○を発揮して企業に貢献していきたい」と伝えるのも悪くはありませんが、やや抽象的な言葉に聞こえます。具体的な活躍をイメージしづらいため、入社後のビジョンを伝える際は、仕事内容と絡めてアピールするのがおすすめです。
キャリアアドバイザー
たとえば「○○の業務で特に強みを発揮できる」「こんな仕事にかかわってみたい」などと伝えると、活躍をイメージしてもらいやすいですよ。
志望動機の締めの部分で熱意を伝えるコツはこちらの記事で解説しています。
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志望動機のしめの文では、入社してやりたいことをしっかりと伝えることで面接官に熱意を伝えることができます! 今回は熱意の伝わる志望動機のしめ方をOK例文とNG例文とともに紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、魅力的なしめを作るポイントも紹介するので参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
エントリーシート(ES)や面接では、自分が採用担当者に何を伝えたかではなく、相手にどう伝わったのか、相手がどう受け止めたのかが重要です。自分はこういうことを言ったつもりでも、相手には別のイメージで伝わっている、ということはよくあります。また、仮に10人の面接官がいたとすれば、10人が同じ解釈やイメージをしてもらえなければ、あなたに対する評価が分かれ不採用になる可能性もありますよ。
自分の伝えたいことを確実に伝えるためには、「志望動機『家から近い』を企業に刺さる形に言い換える4ステップ」にあるように、頭のなかの漠然としたイメージを言葉にして内容を深掘りし、より具体的な表現をして論理的に話を組み立てることが大切です。
相手に自分の考えや思いをわかりやすく正しく伝える言語化能力は、就活時だけでなく就職後も取引先や顧客とのコミュニケーション、職場での報告・連絡・相談、商談の際のプレゼンテーションなどに必要とされるスキルです。この能力は、相手の立場で考える習慣を身に付けることで鍛えられますよ。
常に「この伝え方で相手に伝わるか」を意識し、よりわかりやすく、簡潔に要件を述べられるよう日頃から訓練する姿勢が大切です。
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参考にしよう! 「家から近い」の3つの言い換え表現と志望動機例文
「家から近い」の言い換え表現と例文を参考に、自分ならではの志望動機を考えてみましょう。そのまま伝えると適性や意欲に不安を持たれてしまいますが、うまく言い換えることで「家から近い」をアピール材料にできますよ。
①地域のために役立ちたい
「家から近い」ではなく、「地域のために役立ちたい」と言い換えてみましょう。地域への愛着を伝えることで、長く貢献していく意欲を企業にアピールできますよ。
自身の出身地以外を志望する場合は、「なぜその地域を選んだのか」を明確にする必要があります。出身地でないからこそ持てる客観的な視点から、地域の特色や魅力を分析しておきましょう。
そのうえで、その地域を選んだ理由と、どう活躍したいかを伝えると、入社後の具体的なビジョンを持っていると示せますよ。
例文
生まれ育った○○県の地域活性化に貢献したいと思い、人材派遣業界を志望しました。
人材派遣の仕事に興味を持ったのは、「若年層の県外流出」が○○県の課題だと知ったのがきっかけです。実際私の周りにも都会就職を志望する人が多く、大学卒業後は多くの友人と離れ離れになってしまうことを寂しく感じています。
人材派遣の仕事を通して魅力的な働き口を増やし、若者の活気あふれる街にしていくのが目標です。
志望先選びの段階ではIT業界にも興味があったため、ITパスポートや応用情報技術者試験の勉強をする過程で基本的なITの知識が身に付きました。人材派遣会社のなかで特にデジタル化に力を入れている貴社であれば、ITの知識が役立つはずです。
キャリアアドバイザー
実体験をもとに、生まれ育った地域で働きたい理由を明確に説明できていますね。「地域のために役立ちたい」を志望動機にする場合は、なぜわざわざその地域で働きたいのかをしっかりと説明することが大切ですよ。
②地元密着型の企業に貢献したい
「家から近い」を「地元密着型の企業に貢献したい」と言い換える方法もありますよ。地域密着型の企業は地域への貢献を理念に掲げることが多いため、自分の価値観と企業の方向性が一致しているとアピールできます。
志望動機を作るときのポイントは、地域への貢献だけでなく、企業への貢献も伝えることです。企業の本来の目的は自社の利益を追求することであって、地域への貢献ではありません。
利益にどう貢献してくれるかが志望動機の評価ポイントになるため、入社後に実現したいことを伝えましょう。
例文
子どもから大人まで幅広い世代に愛される「お菓子」にかかわる仕事がしたいと思い、お菓子メーカーの企画職を志望しました。
地元のお菓子メーカーに絞って企業研究を進めるなかで、貴社は地域の特色を反映した商品や、地元のスポーツチームとコラボした商品が多いことに気づきました。地元密着型の企業で、地域特有のニーズに対応したお菓子を企画してみたいと思ったのが貴社を選んだ理由です。
大学では、女子学生向けの化粧品を企業と共同開発する学生団体に所属しています。女子学生のニーズを調査したり、SNSで情報発信したりした経験は、お菓子の企画にも活かせると思います。
キャリアアドバイザー
「地元密着型の企業に貢献したい」を志望動機にする際は、企業でどんなことをしたいのかを伝えるのがポイントです。例文のように具体的な仕事内容に触れながら、入社後のビジョンを語りましょう。
③腰を据えて着実に成長したい
職場が家から近いと、腰を据えて成長できるメリットがあります。その点を重点的にアピールすると、長く働く意思や成長意欲を伝えられますよ。
ただし、腰を据えて成長したいだけなら、志望企業をわざわざ選ぶ必要がない点には注意しましょう。「成長したい」という言葉だけでは、どう成長したいのか、それがどう志望企業の仕事内容に結びつくのかが読み取れません。
実現したいことやかかわりたい仕事を述べ、志望企業でなければならない理由を示しましょう。
例文
新しい技術にいち早く触れられるシステム開発の仕事に魅力を感じ、貴社を志望しました。
システム開発に興味を持ったのは、家庭教師のアルバイトがきっかけです。業務にAI(人工知能)が導入され、生徒のカリキュラム作成や教材の準備が格段に楽になったことがありました。
最新システムの影響力を身をもって体験したことで、教育現場に好影響を及ぼすようなシステムを自分でも開発してみたいと思うようになりました。
なかでも貴社は、教育機関向けのユニークなシステムを多く開発しています。情報学部で身に付けた「ITスキル」と、家庭教師のアルバイトで学んだ「教育の知見」を活かすのに最適な環境だと思い、志望先に選びました。
また、自宅から通いやすい立地にあるのも貴社を選んだ理由の一つです。できる限り移動の負担を減らし、そのぶんの時間をスキルアップのための勉強にあてたいと考えています。
キャリアアドバイザー
「家から近い」をメインの志望動機ではなく、あくまで補足的な内容として伝えた例文ですね。より魅力的な志望動機がある場合はそちらを先に述べ、家から近いことで得られるメリットは後から付け加えるのがおすすめですよ。
キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
前述の「家から近い」を言い換えた3つの志望動機例文を読んで皆さんはどのような印象を受けましたか。
いずれも企業への志望理由とそこに至った具体的なエピソード、その企業で実現したいこと、自分のどういう面を発揮して貢献できるのか、企業研究をしたうえでその企業のどこに惹かれたのかが盛り込まれています。①と②に関しては、一言も「家から近い」という言葉が出てこず、地域への貢献へと表現が変えられているため、本音は「家から近い」ことがおもな動機だったとしても、この2つの例文からはまったく感じられません。
③は最後に家から近いことによるメリットに触れてはいますが、それがおもな動機であるとは思えません。いずれの例文も意欲的で説得力があり、高評価につながる志望動機になっています。
皆さんも、この例文を参考に表現を工夫して、説得力のある志望動機を作成してくださいね。作成後には、キャリアセンターや就活エージェントのアドバイザー、家族や先輩など、必ず誰かに添削してもらい、ブラッシュアップをしていきましょう。
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どうしても「家から近い」以外の志望動機が思いつかないときの対処法
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うーん。やっぱり、「家から近いから志望した」としか言いようがないんですよね……
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「家から近い」が志望動機だったとしても、潜在的にはその企業を魅力に感じている理由があるはずですよ。
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そうですよね。何かあるような気がするのですが、うまく思いつかなくて……
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「家から近い」しか思いつかない場合の対処法を紹介するので、試してみてくださいね。
「家から近い」以外の志望動機が思いつかないときは、以下の対処法を試してみましょう。視点を変えたり、周りの人の意見を取り入れたりすることで、新しい発見につながる可能性がありますよ。
他己分析を活用して第三者の視点を取り入れる
他己分析は、周りの人の意見を自分の分析に活かす手法です。第三者の視点を取り入れることで、自分自身が気づいていない特徴を発見できる可能性があります。
- 向いていると思う業界、職種
- 集団のなかでの自分の役割
- 長所、短所
- 自分との印象的な出来事
- どんなときに楽しそうにしているか
同じ質問でも、相手との関係性によって回答は変わります。家族や友人のような身近な存在だけでなく、先輩や社会人などの関係性が少し薄い相手にも質問してみると、幅広い視点で分析を進められますよ。
他己分析の方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
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他己分析は自己理解アップに役立つ奥の手|ステップでやり方を解説
他己分析をすると、周囲の人からの評価も取り入れられて自己理解が深まりますよ! この記事では他己分析をするメリット、やり方、質問項目、活用方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に実践して自分の長所・短所を把握しましょう。
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OB・OG訪問などで今働いている人の志望理由を聞く
現役で働いている人の志望動機を参考にするのも一つの方法です。
企業の最前線で働いている人たちは、いわば就活の先輩です。自分と似たような苦労や悩みに直面した就活の先輩なら、経験に基づく的確なアドバイスをもらえますよ。
社会人が身近にいない場合は、インターンシップやOB・OG訪問を活用するのがおすすめです。先輩たちがどのような志望動機を伝えたのか質問し、参考にしてみましょう。
キャリアアドバイザー
OB・OGの志望動機は、興味のある業界・企業と自分の特徴がマッチしているのかを見極めるのに役立ちますよ。
OB・OG訪問の方法はこちらの記事で確認してください。
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OB・OG訪問攻略ガイド|企業理解や選考に役立てるコツを解説
OB・OG訪問をして周囲と差をつけよう こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「OB・OG訪問って必要なんですか?」「OB・OGってどうやって見つければいいんですか?」 就活生から、こんな声を聞くことがあります。 […]
記事を読む
就職エージェントに志望動機の深掘りを相談する
自分では魅力的な志望動機ができたと思っていても、内容が相手に正しく伝わらない場合があります。セルフチェックだけでは文章の不自然さにも気づきにくいため、就職エージェントに志望動機の深掘りを相談しましょう。
志望企業に精通した就職エージェントであれば、企業側の視点を踏まえたアドバイスをもらえます。求められる人物像や、仕事内容に沿った志望動機にできるのがメリットです。
また、改めて自分の過去の経験を振り返ることで、周りの学生と差別化できるメリットもありますよ。「家から近い」以外の志望動機が思いつかずに行き詰まっている人は、就職エージェントに相談してみてくださいね。
志望動機「家から近い」についてよくある質問に回答!
「家から近い」をどう言い換えるべきなのか、そもそも志望動機にしていいのかは悩むところですよね。そのような学生からの質問にキャリアアドバイザーが回答します。疑問の解決に役立ててくださいね。
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志望動機を「家から近い」にするのはNGですか?
NGではありませんが、それだけを志望動機にするのは避けましょう。「家から近いから志望しました」と伝えるだけでは、仕事に対する意欲を読み取れません。これでは入社後の活躍に疑問を持たれてしまうため、ほかの要素も組み込む必要がありますよ。「就職先選びで大切にしている要素」「志望企業を選んだ理由」「強みやスキルの活かし方」を伝えて、企業への興味と仕事に対する意欲を示しましょう。
-
「家から近い」以外に何を志望動機にすれば良いですか?
言い換え表現に、「地域のために役立ちたい」「腰を据えて着実に成長したい」などが考えられますよ。「家から近い」はあくまで自分本位の理由であり、企業側のメリットにはなりません。志望動機では自分を採用するメリットを示す必要があるため、「家から近い」ことが仕事にどんな好影響を及ぼすかを強調することが大切です。
たとえば「家から近い→通勤と帰宅の負担を減らせる→浮いた時間をスキルアップの勉強にあてられる」と結びつけると、企業側にもメリットがある志望動機にしやすいですよ。
「家から近い」が志望動機なら徹底的に深掘りして効果的にアピールしよう!
「家から近い」をそのまま志望動機にするだけでは、仕事に対する意欲が企業に伝わりません。「家から近い」ことでどんな好影響が生まれるのかを深掘りし、採用メリットを見出してもらえるような志望動機に仕上げましょう。
どうしても志望動機が思いつかないときは、第三者に意見を求めるのがおすすめです。家族や友人、就職エージェントなどに相談してみると、自分では気づかなかった新しい発見につながるかもしれませんよ。
「家から近い」を志望動機にするのはやっぱり良くないですよね?