人材派遣業界に向いている人は? 業界動向や選考対策まで解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 人材派遣業界の魅力を知って就活の候補に入れよう
  2. まずは知っておきたい人材派遣業界の基礎知識
  3. ①人材派遣は人材業界の事業のひとつ
  4. ②人材派遣は企業と求職者をつなぐ
  5. ③派遣契約にも種類がある
  6. 人材派遣業界にはどんな仕事があるか知っておこう
  7. 法人営業
  8. コーディネーター
  9. ジョブカウンセラー
  10. スタッフ支援
  11. 人材派遣業界の人気の理由は? 働く魅力を徹底解説
  12. 人の人生に深くかかわることができる
  13. 人脈や視野が広がる
  14. 知っておきたい人材派遣業界の大変なところ
  15. 人を相手にする難しさ
  16. クライアントとスタッフの間で板挟みになる
  17. 突発的な仕事が入ることも
  18. 人材派遣業界に向いている人の3つの特徴
  19. ①本音を引き出せるコミュ力の高い人
  20. ②勉強や情報収集が好きな人
  21. ③仕事と割り切れるメンタルの強い人
  22. 業界トップ企業の特徴を見てみよう
  23. リクルートホールディングス
  24. パーソルホールディングス
  25. パソナグループ
  26. 業界の現状と今後の課題を知っておこう
  27. 景気の影響を受けやすい業界
  28. 新型コロナによる影響も大きい
  29. 法改正による利益率の低下
  30. 少子高齢化による労働人口の不足
  31. 人材派遣業界の選考対策で押さえておきたい4つのポイント
  32. ①人材派遣業界全体の研究をする
  33. ②その企業を選んだ理由を明確にする
  34. ③その企業でどう貢献できるかを明確にする
  35. ④人付き合いの柔軟性をアピールする
  36. 人気の業界なので選考対策をしっかりしよう

人材派遣業界の魅力を知って就活の候補に入れよう

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。

「人材派遣業界ってどういう仕事があるんですか?」
「どんな選考対策をすれば良いですか?」

就活生から人気の人材派遣業界ですが、こうした相談をいただくことが多々あります。
あまり接したことがない業界だからと、業界研究に苦戦している就活生も多いようです。この記事では、そんな人材派遣業界の仕事内容や魅力だけでなく、選考対策のポイントまで解説していきます。業界の理解を深めて、選考を有利に進めましょう。

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まずは知っておきたい人材派遣業界の基礎知識

人材派遣業界に、どんなイメージを持っているでしょうか。「人脈を活かしての仕事が多そう」「若いうちからバリバリ働いて、キャリアを積めそう」などの、華やかなイメージを持っている人は少なくないでしょう。

イメージ通りの場合もありますが、それはあくまでも一面に過ぎません。イメージだけで就職すると、就職後のギャップに悩まされる場合もあるので、しっかりと特徴を理解しておきましょう。

①人材派遣は人材業界の事業のひとつ

人材派遣業の4事業

まず人材派遣は、人材業界の事業のひとつだと理解しておきましょう。人材業界は、大きく「人材派遣」「人材紹介」「求人広告」「人材活用」の4事業に分けることができます

人材業界には、この4事業いずれかに特化した企業もあれば、複数の事業にまたがって総合的に展開している企業もあります。ただし、事業ごとにサービスの内容やユーザーも違うので、人材業界とひとくくりにしても、事業が違えば全く別の仕事と言えるかもしれませんね。人材派遣業界と合わせて、人材業界全体についても調べておくと、より業界理解が深まりますよ。

②人材派遣は企業と求職者をつなぐ

人材派遣業界のビジネスモデル

人材派遣は「人材を探している企業」と、「仕事を探している求職者」をつなぐのが基本的な仕事です。人材業界の他事業との大きな違いは、文字通り「人材」を「派遣」するということでしょう

働く場合には、企業と「雇用契約」を結んで、企業の社員として働くのが一般的です。それが派遣の場合だと、派遣スタッフが実際に働くのは「派遣先企業」ですが、雇用契約は「派遣会社」と結びます。下の図を見てもらうと、イメージしやすいかもしれませんね。

人材派遣の特徴は、企業と求職者をつないで終わりではありません。人材派遣は、派遣スタッフが派遣先で働いて売上が生まれます。派遣スタッフが派遣先で働いている間は、継続的に売上が発生するというのも特徴のひとつでしょう。

売上を増やすには、派遣スタッフに派遣先で長く活躍してもらうことが大切になります。そのために面談や研修などのサポートをして、派遣スタッフが働きやすく活躍しやすくようにしている派遣会社もありますよ。

③派遣契約にも種類がある

人材派遣の契約には大きく3つの種類があります。全てを扱っている派遣会社もあれば、一部だけ扱っている派遣会社もあります。まずは派遣契約の種類を知り、自分が志望する人材派遣会社が何を扱っているかを理解しましょう

①登録型派遣
  • 求職者はあらかじめ派遣会社に登録をする。その上で、希望や条件に合う仕事があれば派遣会社と雇用契約を結んで、派遣スタッフとして派遣先企業で働く。「派遣期間」=「雇用期間」となることが一般的。
➁常用型派遣
  • 求職者は派遣会社と正社員での雇用契約を結び、必要に応じて派遣先企業に派遣される。登録型派遣は、派遣契約が終われば雇用契約も終わるが、常用型派遣では派遣契約が終わっても、雇用契約が続く。次の派遣先がすぐに見つからなくても、その間も給与が発生するのが特徴。
③紹介予定派遣
  • 求職者は派遣先企業で一定期間、派遣スタッフとして働いて、お互いの合意があれば正社員などの直接雇用になる働き方。直接雇用が前提なので、派遣スタッフとしての期間は最長6カ月まで。派遣期間の間に、求職者・派遣先企業それぞれがマッチするかを確かめることができる。

人材派遣業界を志望する人はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。志望動機の書き方や必要な力についても紹介しています。

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人材派遣業界にはどんな仕事があるか知っておこう

続いて、人材派遣業界にはどんな仕事があるか解説していきます。派遣会社の規模や特徴によって、職種としてそれぞれ分かれている場合もあれば、複数の業務を兼務している場合もあります。主に以下のような仕事があります。

法人営業

企業に対して、人材派遣を活用した企画やコンサルティングを提案する業務です。商品やサービスを売るのではなく、クライアントの課題やニーズを掘り起こして、課題解決のための提案をするというのが、人材派遣の営業の特徴と言えるでしょう。大きく分けると「新規開拓営業」と「ルート営業」の2つがあるので、それぞれ見ていきます

新規開拓

新規開拓は、人材が必要になるタイミングを逃さないためにも、ニーズを予測しながら新たなクライアント企業を開拓していきます。新規開拓というと、手当り次第に営業をかけるイメージがあるかもしれませんが、最近の人材派遣の営業は、業績が好調な企業に絞って綿密な調査や分析をした上で提案するという量より質重視の営業に変わってきているのもひとつの特徴ですね。

ルート営業

ルート営業は、既存クライアントの状況を確認し、ニーズに合わせた企画や改善の提案をします。人材派遣は、競合との差別化がしづらい業界でもあるので、既に取引があるからと安心していると、競合企業に契約を奪われてしまう場合も考えられます。そうならないためにも、日頃からクライアントと関係性を作っておくルート営業が大切になってくるのです

コーディネーター

人材を探している企業と、仕事を探している求職者の間に立ち、お互いの条件や希望をふまえてマッチングする業務です。登録した求職者がどんなスキルや経験があるのか、どんな職場や働き方を希望しているかをふまえて、最適な派遣先を探していきます。

企業、求職者それぞれの条件が一致すれば良いですが、必ずしもそうなるとは限りません。その場合に、それぞれと交渉して条件をすり合わせ、企業も求職者も納得できるところを探していくのは、コーディネーターの腕の見せ所でしょう。

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キャリアアドバイザー

コーディネーターは、相手から本音を引き出すヒアリング力や傾聴力がなにより大切になります。

ジョブカウンセラー

働いている派遣スタッフのフォローも大切な業務のひとつです。派遣スタッフが派遣先で安心して仕事ができるように、仕事内容や人間関係など困っていることがないかをカウンセリングしていきます。カウンセリング内容になにか問題があれば、派遣先と話し合って問題を解決したり、キャリアアドバイスをしたりと、派遣スタッフにとことん寄り添う場合もあります。

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キャリアアドバイザー

派遣スタッフへのフォローが足りていないと、離職率が上がってしまったり、派遣先との間で問題が発生してしまう場合もあります。人材派遣で欠かせない業務と言えるでしょう。

スタッフ支援

登録している派遣スタッフの教育や研修、サポートなどをする業務です。目指すキャリアに合わせて、教育訓練、キャリアコンサルティングなどの各種サポートをして、派遣スタッフのスキルをアップさせます。

正社員にしても派遣スタッフにしても、企業側としては「高いスキルを持った人材に働いてもらいたい」と考えるのは当たり前でしょう

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キャリアアドバイザー

派遣スタッフのスキルが上がれば、企業側からの需要も高まります。派遣会社にもメリットがあることなんですね。

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人材派遣業界の人気の理由は? 働く魅力を徹底解説

ここまでで人材派遣の仕事のイメージがついてきたのではないでしょうか。人材派遣は就職先としての人気も高く、非常に魅力のある業界です。では、具体的にどのような魅力があるのか、掘り下げて見ていきましょう。

人の人生に深くかかわることができる

人材派遣業界で働く大きな魅力は、人の人生に深く関わることができる点です。
どこまで深く関われるかは、人によって変わってくるでしょうが、多くの人と深く関われることは確かなやりがいになります。

仕事は人生でも多くの割合を占める要素です。その仕事を探したり紹介することは、求職者の人生に大きな影響を与えます。その分責任も大きいですが、求職者にマッチした仕事を紹介できれば、スキルアップや収入アップにもつながり、その人の人生の転機になる可能性もあります。自分の仕事が、人の人生を豊かにしているという実感が得られるのは、人材派遣業界で働く大きな魅力でしょう。

人脈や視野が広がる

もうひとつの魅力は、人脈が広がるという点です。たとえば、派遣スタッフを考えている企業は、なんらかの課題を抱えている場合も少なくありません。あなたの提案でその課題を解決できれば、企業とより深い関係性を築くこともできるでしょう。人材派遣の場合、派遣スタッフ導入には、企業の人事や役員クラスが関わっていることがほとんどなので、そういった人に認められれば、人脈も大きく広げられるかもしれません。

人脈が広がることは、出会いが増えて仕事の幅が広がることでもあります。人材派遣の場合は、企業とだけでなく多くの派遣スタッフとも関わることになります。もちろん、派遣スタッフのフォローやサポートが人材派遣の仕事ですが、逆に派遣スタッフから学ぶこともたくさんあるでしょう。

吉田 実遊

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失業率改善に貢献できるのも魅力のひとつ

人材派遣業界で働く魅力は、微力ながら失業率改善に貢献できることです。失業率は社会問題になることが多く、働きたいのに仕事がない状態は求職者の気持ちを落ち込ませます。

人材派遣の仕事をして、求職者を企業に紹介して就業が決まった時、わずかながらでも社会の役に立てたと思えてうれしくなりますよ。正社員と比べると安定性には欠けますが、派遣社員さんが少しでも安心して生活できるように時給を上げてもらうよう企業と交渉するなどやりがいのある仕事です。企業にもよりますが、頑張っている派遣社員さんの場合、時給アップに応じてくれるところは多いです。こうした自身の交渉を通じて喜んでもらえることも魅力のひとつですね。

知っておきたい人材派遣業界の大変なところ

これだけ紹介すると、人材派遣はとても素敵な業界に感じるかもしれませんが、業界ならではの大変なところもあります。入社後にギャップを感じないためにも、魅力と大変なところ、どちらも理解した上で、自分に合う業界か判断するようにしましょう。

人を相手にする難しさ

人材派遣の大変なところは、人を相手にする難しさです。人材派遣はさまざまな人と関わる業界ですが、企業の担当者にしても派遣スタッフにしても、考えや価値観は変わってきます。ある企業ではうまくいった提案が、また別の企業でもうまくいくとは限りませんし、派遣スタッフへの対応でも同様でしょう。

人を相手にするということは、予定やマニュアル通りにいかないことも多く、人間関係でのトラブルが発生してしまう場合もあるでしょう。それでも、派遣先と派遣スタッフの両方が納得いくように調整しなければいけません。こうした人間関係をうまく築き上げていくのも、人材派遣業界での大変なところですね。

クライアントとスタッフの間で板挟みになる

クライアント企業と派遣スタッフの間で板挟みになることも、大変なところでしょう。たとえば、派遣先からは「派遣スタッフに求めていたスキルと違う」「勤務態度が良くない」とクレームを受ける一方で、派遣スタッフからは「派遣先の人間関係が合わない」「イメージしていた仕事と違う」とクレームを受けるかもしれません。

また、派遣スタッフが契約途中で仕事をリタイアしてしまった場合も、派遣会社にクレームが届きます。派遣先と派遣スタッフ、それぞれの条件をふまえてマッチングしていきますが、それでもうまくいかない場合もあります。人材派遣業界で働くには、こうしたさまざまなクレームやトラブルにもうまく対応しないといけません

突発的な仕事が入ることも

人材派遣では、突発的な仕事が入りやすいことも大変なところです。人を相手にすることが多いので、相手に合わせた時間設定をしていると、どうしても残業が多くなってしまいます。

たとえば、派遣スタッフとの連絡は、派遣先での勤務が終わってからが多くなりますし、派遣先に合う人材がなかなか見つからなければ、見つかるまで候補者を探して連絡をとりつづけることもあるでしょう。派遣スタッフのフォローや連絡などの業務が、夕方以降に突発的に発生しやすく、あらかじめスケジュールを立てておいても、崩れてしまうことが少なくないようです。

人材派遣業界に向いている人の3つの特徴

人材派遣業界を目指すなら、どんな人が向いているかも知っておきましょう。さまざまなタイプの人が働いているので一概に言うことは難しいですが、傾向としてどんな特徴があるかを紹介していきます。

①本音を引き出せるコミュ力の高い人

まず、コミュニケーション力は欠かせません。とくに人材派遣は、あらゆる業務で人を相手にするので、どんなキャリアを目指すにしてもコミュニケーション力が大切になります。ただコミュニケーション力があるだけではなく、より高いレベルが求められることも少なくありません。とくに人材派遣の場合は「話す力」だけでなく、相手から本音を引き出す「聞く力」が大切なのが特徴でしょう

たとえば、求職者から相談を受ける際には、どんな仕事がしたいのか、どんな条件があるのか、どんなキャリアを描きたいのかを表面的な言葉ではなく、その人の本音から引き出さなければいけません。もちろん、企業に求職者を紹介したり、求職者に仕事を紹介する場合には、魅力をわかりやすく伝えて説得する、話す力も必要になります。両方の能力が求められるため、高いコミュニケーション力が必要な仕事といえるでしょう。

コミュニケーション力があることをアピールしたい学生はこちらの記事も参考にしてみてください。

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②勉強や情報収集が好きな人

続いて大切なのは、勉強や情報収集が好きなことです。人材派遣の仕事では、さまざまな業界・企業と関わります。なかには、あまり知らない業界や企業を担当する場合もあるでしょう。

そんな時でも業界や企業、仕事内容をいちから勉強して、どんな人材なら活躍してもらえるかを考えて提案する必要があります。求職者の相談を受ける際も、その人に合った仕事を紹介するには、あらゆる業界・職種の知識を身につけておかなければいけないので、日々の勉強や情報収集は欠かすことができないでしょう

また、人材派遣は派遣法という法律に沿っておこなわれているビジネスです。派遣法を理解していないと、違法な派遣をしてしまったり大きな問題を抱えるリスクもあるので、派遣法の勉強はどの派遣会社でも必須でしょう。他にも、労働基準法や各種社会保険などの知識も必要になります。これらの法律や制度は、世の中の変化に合わせて改正されることも多いので、改正の度に改めて勉強し直す必要があるということも知っておきましょう。

③仕事と割り切れるメンタルの強い人

そして大切なのが、仕事と割り切れるメンタルの強さです。人材派遣の仕事では、就業のサポートをしていた求職者と突然連絡が取れなくなったり、苦労して条件が良い派遣先とマッチングしたのにすぐに辞められてしまったりというような、それまでの努力や思いを裏切られてしまう理不尽な出来事も、残念ながら少なくありません。

それまでのやり取りや、派遣先での仕事になにか問題があったのであれば、まだ納得もできますし、改善の余地もあるでしょう。ただ、そういった前触れもなくいきなり起きることも非常に多いので、その場合は「運が悪かった」と気持ちを切り替えて、すぐ別の仕事へ取りくめるようなメンタルの強さが大切です。その度に落ち込んでしまっていては、仕事もはかどりませんし、なにより精神的に不安定になってしまう可能性もあります。

上村 京久

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クレーム対応のできるタフさが必要

人材派遣業は人を紹介する仕事だから大変です。先ほどお伝えした特徴のなかでとくに強調したいのは「メンタルの強い人」です。一般的な営業職は、車やスマホなどの有形商材や保険やサービスなどの無形商材を販売します。人材派遣業は「人材」という感情をもった人を紹介する仕事です。

車は買った人からクレームが入ることはあっても、車からクレームが入ることはありません。人材は派遣した企業からクレームが入ることがあるうえ、派遣した人材からもクレームが入ります。クレームの発生源が通常の2倍です。メンタルが強くないともちません。

しかし反対に、派遣した人材から「いい企業を紹介してくれてありがとう」と言われることもあります。このような人と人だからこそのやりがいを感じられる方が人材派遣業に向いています。

また、人材派遣業界をはじめ人とかかわる仕事に興味はあるけれど、自分に適性があるのか不安な学生もいるでしょう。こちらの記事も参考にしてくださいね。

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業界トップ企業の特徴を見てみよう

それでは続いて、人材派遣業界にはどんな企業があるのか知っておきましょう。トップの企業に共通するのは、人材派遣だけでなく人材業界全体に事業展開しているということです。その分CMなどでも目にする大手企業も多く、就活でお世話になっている企業もあるかもしれませんね。

企業規模が大きいので、さまざまな業種へ人材を派遣している企業が多いですが、子会社という形に分かれ、業種やエリアなどに特化した専門的な人材派遣をおこなう企業もあります。ここからは具体的に、業界トップ企業の特徴を見ていきましょう。

リクルートホールディングス

リクルートホールディングス(リクルートHD)は、人材派遣や求人広告の人材事業だけでなく、旅行や結婚、住宅など、ライフスタイルに関するあらゆる事業を手掛けるリクルートグループの持株会社です

リクルートHDでは複数の企業が人材派遣を扱っていますが、なかでも「スタッフサービス・ホールディングス」のシェアが大きく、業界最大級の求人数を誇っています。エンジニアリングやメディカル専門の子会社がグループにあるので、取り扱っている業種も幅広く、営業販売やオフィスワーク、IT・エンジニア、医療などの仕事にも人材派遣をしています。

さまざまな事業を手掛けるリクルートHDですが、2021年4月現在では、人材派遣事業への就職については「スタッフサービス・ホールディングス」や「リクルートスタッフィング」で個別に採用をおこなっています。他の事業に関しては、基本的に「リクルート」での一括採用となるため注意しておきましょう。

パーソルホールディングス

パーソルホールディングス(パーソルHD)も持株会社で、なかでも人材派遣は「パーソルテンプスタッフ」が中心になっています。

各エリアの人材派遣会社と合弁会社を設立して、エリアに特化した人材派遣をしたりと、子会社を活用した人材派遣がパーソルの特徴です。都心部ほど選択肢の多くない地方でも、派遣社員という働き方が選べるのは意義のあることでしょう

テンプスタッフで取り扱う業種はオフィスワークが中心ですが、パーソルグループにはテンプスタッフ以外にも、エンジニアや製造の人材派遣・アウトソーシングを請け負う企業もあります。

パソナグループ

パソナグループも持株会社で、人材派遣は「パソナ」をはじめとする子会社が中心になっています。エリアごとだけでなく業種や人材によって子会社を分けて、人材派遣をしているのが特徴的です。

パソナグループの人材派遣の中には、農業の人材派遣やシニアの人材派遣などの社会課題に取り組むものから、特定の企業グループに特化して人材派遣をする子会社もあります。通常の人材派遣と比較して、より条件に特化した人材派遣を得意とするのが、パソナグループの特徴ですね

またパソナグループは、2024年を目処に本社機能の一部を淡路島に移す準備を進めています。人材派遣の場合は、各拠点での勤務になることが多いでしょうが、興味がある方は今後の動向も追っておくと良いでしょう。

業界の現状と今後の課題を知っておこう

ここからは、人材派遣の現状と今後の課題を解説していきます。人材派遣の現状を知り、今後の課題を知ることは、選考でもきっと役に立つはずですので、しっかり理解しておきましょう。

景気の影響を受けやすい業界

人材派遣は景気の影響を受けやすい業界です。景気が良ければ、社員を増やして売上をさらに増やしたいと企業は考えるので、積極的に派遣スタッフを雇用します。一方で景気が悪いと、人件費や採用予算もなるべく抑えたいので、派遣スタッフの雇用には消極的になってしまう可能性もあります

新型コロナによる影響も大きい

順調に市場規模を拡大してきた人材派遣ですが、ご存じの通り2020年からは新型コロナの影響で経済が大きく停滞しています。経済の先行きが見えなくなったことで、派遣スタッフを含めて雇用を控える企業も増加しました。とくに飲食や宿泊、小売、イベントなど、外出自粛の影響が大きい業界への人材派遣は大幅に減少しています

ただし、すべての業界が雇用を控えているわけではなく、医療や介護、食品、物流などの業界では人材ニーズが拡大しているので、業界に強い派遣会社には追い風になっています。
また、派遣会社によって対応は変わりますが、新型コロナの影響で営業体制にも大きな変化が見られます。

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対面だった商談や面談、面接も、ほとんどがオンライン化されたり、在宅勤務やリモートワークが導入されて、派遣会社での働き方も変化してきているようです。

法改正による利益率の低下

人材派遣は派遣法に沿ったビジネスなので、派遣法の改正によっても大きな影響を受ける業界です。たとえば、2004年にはそれまで禁止されていた製造業への派遣が解禁になって、人材派遣は一気に市場を拡大しました。以前はこのような規制緩和の法改正も多くありましたが、最近の法改正は派遣スタッフの権利を守るための規制強化が目立っています

待遇が良くなることで、派遣スタッフとして働きたい人材が増える場合もあるでしょうが、その分、派遣会社が負担するコストは増えていて、利益率は低下傾向にあります。

さらに2020年4月からは、「同一労働同一賃金」という、同じ労働内容なら雇用形態に関係なく同じ賃金にするという制度が始まっています。今後さらに派遣会社の利益率が低下することも考えられます。

人材派遣に影響を及ぼした2つの法改正
  • 2004年:製造業への派遣が解禁
  • 2020年:同一労働同一賃金の導入
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この機会をチャンスと捉えて、特化型の派遣で利益率を上げたり、人材紹介などの別業界へ参入する派遣会社も増えていくかもしれません。人材派遣業界を志望するなら、法改正での影響にも注目しておきましょう。

少子高齢化による労働人口の不足

企業と求職者をつなぐ人材派遣は、人がいなければ成立しない業界です。ですが国内では少子高齢化が進んでいて、労働人口は年々減少しています。労働人口が減ってしまうと、派遣スタッフとして働く人も減ってしまうので、業界全体の業績に大きな影響を与えるかもしれません

注目が集まっているのが、外国人やシニア人材の活用です。減ってしまう国内の労働人口を、外国人やシニアを活用して穴埋めするのが狙いです。実際に、外国人やシニアを派遣する人材派遣会社もありますが、今後はさらにその動きが活発化していくでしょう。志望する企業に新しいサービスや事業が生まれることも考えられるので、今後の動向も追っておくと良いですよ。

自己分析をするならツールを使って簡単に済ませましょう

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人材派遣業界の選考対策で押さえておきたい4つのポイント

人材派遣業界の選考で押さえておきたい4つのポイント

人材派遣の選考を通過するためには、押さえておきたいポイントがあります。これから紹介する4つのポイントをしっかりとを押さえておけば、選考で好印象を与え、内定に近づくことができるでしょう。

①人材派遣業界全体の研究をする

まずは、人材業界だけでなく人材派遣業界の研究をすることです。まず、人材業界の研究をすることで、「人材派遣」「人材紹介」「求人広告」「人材活用」それぞれの事業の特徴や違いもわかってくるでしょう

その中でなぜ人材派遣業界を目指すのか、その理由を明確にしておきます。とくに就活生の場合は、派遣スタッフとして働いた経験がない人も多いと思うので、実体験がない分、人材業界の他事業との違いやビジネスモデルはしっかりと理解しておきましょう。また、派遣会社や派遣スタッフが社会的にどんな意義や役割を持っているのか、業界の将来性はどうなのかという点まで理解できていると、さらに良いですね。

②その企業を選んだ理由を明確にする

2つ目は、人材派遣の中でもその企業を選んだ理由を明確にすることです。業界研究がしっかりできていれば、人材派遣を選ぶ理由は思い浮かぶでしょう。そこからさらに深掘りして、その企業を選んだ理由を明確にしていきます。

大切なのは、徹底した個別の企業研究と自己分析です。志望企業はもちろんですが、競合企業も研究して、企業ならではの特徴や独自性を見つけていきましょう。人材派遣は差別化が難しいビジネスなので、研究が浅いと他の企業でも良いのではないかと思われてしまうこともあります。企業理念や社風、経営計画はその企業ならではの特徴がでるので、それらをとっかかりに調べてみるのも良いでしょう。

可能であれば、調べた内容をもとにOB・OG訪問などで社員に事実を確認できると、説得力が増しますよ。

酒井 栞里

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企業公式サイトは情報の宝庫

企業ならではの独自性を見つけるには、企業規模や、事業拠点、代表取締役社長のキャラクター、業績、ダイバーシティの取り組みなどをチェックするのがいいですよ。ほかにも、企業の公式サイトに書かれている「自分の興味ある分野」についての記事を読み込むのも近道です。

企業公式トップページのURLの前に「(自分の興味のあるキーワード) site:」と入れてサイト内を検索します。たとえば、パソナグループの企業公式サイトを「子育て」というキーワードで調べると「ひとり親の就労支援」や「企業内に保育園を設置」などの取り組みについて書かれた記事がでてきます。競合他社はこれらの取り組みをしているのかを調べ、その企業ならではの独自性を絞り込んでいきます。関連記事を読み込んで理解を深めてから会社説明会などに行くと質問の質があがるので返答も具体的なものになりやすいです。

③その企業でどう貢献できるかを明確にする

その企業でどう貢献できるかを明確にすることも非常に重要です。企業は「長く活躍してもらえる人材か」というのを重視して選考をしています。そのためにも志望度の高さだけでなく、企業にどう貢献できるかもしっかりと考えておきましょう。

新卒はポテンシャル重視での採用が基本なので、評価されるには将来性を感じてもらわなければいけません。「今までの人生で何を経験して、どんな気付きを得たのか」「それを仕事でどう役立てて貢献するのか」までアピールできると、採用メリットがわかりやすく好印象になりますね。自分が目指すキャリアや、企業の利益につながることを意識して、どう貢献するかを考えてみましょう。

④人付き合いの柔軟性をアピールする

アピールポイントとしてぜひ取り入れてたいのが、人付き合いの柔軟性をアピールすることです。人材業界のなかでも、とくに人材派遣はさまざまな人と深く関わる業界です。企業担当者はもちろんのこと、多くの派遣スタッフとも関わることになるでしょう。話しが合う人や、相性が合う人とだけ関われれば良いですが、多くの人がいると、なかにはどうしても合わなくて苦手な相手もいるかもしれません。

それでも、プロとして苦手なことを表に出さずに対応することが求められます。そんな業界なので、どんな人でも対応できる柔軟性があることをアピールすると好印象を与えられるでしょう。人の好き嫌いがない、適応能力の高さなどもアピール材料としてはおすすめです。アピールする際には、苦手な人と関わって何かを成し遂げたエピソードを語り、人付き合いの柔軟性をアピールしていきましょう。

人気の業界なので選考対策をしっかりしよう

人材派遣業界は、人の人生に深く関わることができるからと、就活生に人気の業界です。選考を有利に進めるためにも、業界への理解を深めて、しっかりと選考対策をしておきましょう。

とくに人材業界で人材派遣を選ぶ理由や、その企業を選ぶ理由は、しっかりと業界・企業研究ができていないと説得力のある内容になりません。この記事で紹介した対策をすれば内定に近づくことができるはずですので、しっかりと対策をしたうえで選考にのぞみましょう。

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