目次
- 成長産業の玩具業界を理解して就活を進めよう!
- 玩具業界はおもちゃ分野とゲーム分野にわかれる
- おもちゃ分野
- ゲーム分野
- 玩具業界の特徴
- 市場規模
- ビジネスモデル
- 玩具業界の現状と課題
- 新型コロナの影響で玩具業界は好調
- 家庭用ゲームからスマートフォン用ゲームへとシフト
- 玩具商品の多様化
- 玩具業界の将来性
- 少子化の影響もありターゲットを広げた商品展開が必要
- スマホなどのテクノロジー進化に合わせた商品の開発が求められる
- アニメ需要で海外市場が期待される
- 玩具業界の職種
- 企画
- 営業
- 設計・デザイン
- マーケティング
- 販売
- 物流
- 玩具業界の魅力
- 老若男女問わず人を楽しませることができる
- 発想力が活かせる
- さまざまな分野にかかわる(趣味だけでなく教育など)
- 玩具業界に向いている人の特徴
- 流行やおもしろいことに興味がある人
- クリエイティブな発想力がある人
- 玩具業界の代表的な企業10選
- おもちゃ分野
- ゲーム分野
- 選考で差をつけるポイント
- 玩具業界の課題と解決策をまとめる
- 語学力を身に付ける
- インターンシップに参加する
- 玩具業界の志望動機に盛り込むべきポイント
- なぜ玩具業界か
- なぜその企業か
- 自分がどのように貢献できるか
- 玩具業界の志望動機例文
- おもちゃが好き
- おもちゃの製造に携わりたい
- 新しい商品を開発したい
- 玩具業界を志望する際にライバルに差をつける情報収集の方法
- 人気のある商品をインターネットで検索する
- おもちゃ売り場を見てみる
- おもちゃショーなどのイベントに参加する
- 玩具業界について理解を深めて就活を有利に進めよう!
成長産業の玩具業界を理解して就活を進めよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「玩具業界を志望していますが、就職を有利に進めるにはどうしたら良いでしょうか」
「玩具を扱う代表的な企業を教えてほしいです」
といった質問を受けます。玩具業界は、子ども向けのおもちゃだけでなく、大人も楽しめるアイテムを扱う魅力のある業界です。玩具業界を志望している方は、どのような業界なのか、どのようにアピールしていったら良いのかを知りたいですよね。
この記事では、玩具業界の概要や現状と今後の動向など、業界全体について解説します。記事の後半では、志望動機をつくるときのポイントを例文付きで紹介します。ぜひ、玩具業界について理解を深めて、就活を有利に進めてくださいね。
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玩具業界はおもちゃ分野とゲーム分野にわかれる
玩具業界というと、小さいころに遊んでいたおもちゃを思い浮かべる方が多いでしょう。玩具業界には、子どもが遊ぶおもちゃに加えて、カードゲームやジクソーパズル、テレビゲームが含まれます。
玩具業界は「おもちゃ分野」と「ゲーム分野」にわけられ、玩具の製造から流通、卸売や小売りなどの業種があります。
近年では、子ども向けだけでなく、大人を対象にした商品も多く販売され、時代の変化に合わせた新しい玩具を提供しているのです。
おもちゃ分野
おもちゃ分野は、プラモデルや人形、レゴなどが含まれます。「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」といった有名商品を製造する「タカラトミー」や、レゴブロックを販売しているレゴグループの「レゴジャパン」、世界中のおもちゃやベビー商品を扱う「トイザらス」が代表企業です。
業績は、流行やトレンドの影響を受けやすいという特徴があります。アニメや特撮シリーズなどテレビや映画がブームになると、それにともなって売上が上がります。
近年では、家庭用ゲーム機の売上が不振な一方、定番のおもちゃの売上は堅調に推移しており、時代が変わっても愛されるおもちゃが多数販売されているのが特長です。
ゲーム分野
ゲーム分野に含まれるのは、テレビゲームや携帯用ゲームなどの家庭用ゲーム機です。
「3DS」や「Nintendo Switch」を販売する「任天堂」や「Play Station5」を扱うソニー、「太鼓の達人」や「機動戦士ガンダム」といったゲームソフトを扱う「バンダイナムコエンターテインメント」が代表的な企業です。
新しいゲームソフトやゲーム機の販売で、大手企業間での競争が激しいという特徴があります。近年では「コロプラ」のように、オンラインゲームの開発や運営をする企業もあります。ゲーム分野の中でも、どの企業に行きたいかをしっかり選ぶことが大切です。
玩具業界の特徴
就活生
玩具業界の特徴について教えてほしいです。
キャリア
アドバイザー
玩具業界は10年連続で市場規模がプラス成長しています。
就活生
なるほど。どんどん拡大しているんですね。
キャリア
アドバイザー
玩具業界は、一般消費者向けの商品を扱っています。ニーズの移り変わりが激しいため、定期的に買い替えられる商品が多いのが、プラス成長の一因といえるでしょう。
就活生
消費者に求められる商品をこまめに販売しているんですね。
玩具業界の市場規模と、ビジネスモデルについて解説します。
市場規模
玩具業界は業界規模が6.7兆円(40位/190業界)、成長率が10.2%(11位/190業界)とコロナ禍でも堅調に成長を続けている業界です。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年度における玩具販売金額は675億5,000万円で、前年24.2%増の伸びを見せました。また、「おもちゃ分野」にしぼって見ていくと、一般社団法人日本玩具協会のデータでは、2020年度の玩具市場規模は8,268億円と、前比1.5%増、過去20年間で3番目に高い結果です。
「おもちゃ分野」では、ジクソーパズルやハイテク系のトレンドトイの伸び率が大きく、玩具が子どもの成長に欠かせないことがうかがえます。
10年連続プラス成長の市場
玩具業界の主要企業の売上高は、2013年以降10年連続で増加傾向です。近年では、消費者の好みが変わるスピードが早くなり、製品自体も短い期間で買い替えられるようになっています。
玩具業界は、ヒット商品がどれだけ出るかで業績が大きく変わります。2017年3月に販売された「Nintendo Switch」は、2022年3月時点で販売台数が1億765万台を突破しています。テレビでも、据え置きでも、持ち歩いても楽しめるという3つのモードが多くの方から支持され、家庭用ゲーム機の販売戦略のロールモデル的存在です。
今後も、時代のニーズに合った商品を開発して成長を続ける業界といえるでしょう。
ビジネスモデル
玩具業界のビジネスモデルは基本的にはBtoCで、企業が一般消費者を対象に商品を販売します。玩具業界では、メーカーが製造業者から原材料を仕入れ、玩具を作ります。その後、メーカーは小売店に玩具を販売し、小売店が一般の消費者に商品を販売するビジネスモデルです。
販売経路には国内と海外の2種類があり、バンダイのように国内を中心に販売している企業もあれば、シルバニアファミリーを扱うエポック社のように、海外に販路をもつ企業もありさまざまです。
「おもちゃ分野」と「ゲーム分野」によって、扱う商材は大きく異なるため、玩具業界を志望するなら、どちらの分野の商材を扱いたいのかを明確にするようにしましょう。
玩具業界の現状と課題
玩具業界は、そのときの流行やトレンドで大きな利益を出す業界です。過去にも「たまごっち」や「ポケモン」など、社会現象が起こるほどの大ヒットを生み出してきました。
時代のニーズをしっかりと捉え、それに合わせた販売戦略をおこなうことが、安定的な成長につながる業界といえるでしょう。2020年時点で、玩具業界を取り巻く現状には次のようなものがあります。
- 新型コロナの影響で玩具業界は好調
- 家庭用ゲームからスマホ用ゲームへとシフト
- 玩具商品の多様化
それぞれについて解説していきます。
新型コロナの影響で玩具業界は好調
新型コロナウィルスによる外出自粛の影響を受け、玩具業界の売り上げは好調でした。家で過ごす時間を楽しむために、玩具を購入する人が増えたためです。
たとえば、ジクソーパズルの売り上げが前年比58.7%増、ハイテク系トレンドトイが24.9%増と家の中での楽しみとして玩具に注目が集まりました。
任天堂の「あつまれどうぶつの森」は、販売から6週間で1341万本を売り上げる爆発的なヒットを記録しました。玩具は子どもの心身の健康を保つための必需品であるとともに、家庭内で楽しく遊ぶ役割があることが明らかになったといえるでしょう。
家庭用ゲームからスマートフォン用ゲームへとシフト
スマホが普及し、ゲームアプリが多数配信されているため、家庭用ゲーム機は不振が続いています。スマホだけで簡単に遊べるゲームや子ども向けのアプリなどが台頭し、家庭用ゲームからスマホ用ゲームへと人が流れています。
スマホでアプリをダウンロードするだけでゲームが楽しめるので、ゲーム機本体やソフトを購入する手間や費用がかからないというのがスマホ用ゲームのメリットです。
2020年のゲーム人口は5,273万人ですが、そのうち、スマホのアプリゲームユーザーは3,976万人、家庭用ゲームユーザーは2,707万人と、スマホのアプリゲームユーザーの方が多いのが現状です。
玩具商品の多様化
これまでは子ども向けの玩具を多く販売していた各社も、大人も楽しめる雑貨系の玩具や、高機能なハイテク系のトイ、遊びを通して学べるおもちゃを開発し、商品は多様化しています。
ハイテク系トイには、スマホやタブレット端末と連携ができるものや、カメラの付いた超小型ヘリコプター、磁力を使って動くリニアライナーなどがあり、多種多様です。
取り扱う商品が多様化するほど、購入する一般消費者も増えるため、より多くの消費者を魅了する商品開発が求められています。
その中でも特に売り上げアップに貢献しているのが「学べるおもちゃ」と「大人向けの玩具」です。それぞれについて、解説していきます。
「学びながら遊べるおもちゃ」が普及
タブレットやパソコンの形をした玩具が人気を集めているのは、2020年から開始された小学校でのプログラミング教育必修化の影響です。
一般社団法人日本玩具協会のデータでは、タブレットやパソコン型の玩具は2020年度に前年比50%以上の伸びを達成しており、キャラクターと一緒に楽しくプログラミングや小学校の必須科目を学べるおもちゃが人気を集めています。
たとえば、タカラトミーが販売する「COZMO」は、AIが搭載され遊べば遊ぶほど感情表現が豊かになるおもちゃで、プログラミングができる機能つきです。
未就学児でも抵抗感なく遊べるものから、簡単なロボット制作まで幅広い「学べるおもちゃ」が販売されています。
大人向けの玩具を展開
大人向けの玩具も多数販売されています。昔遊んでいた世代を対象に、クオリティの高い商品を復刻版として販売しているのです。
たとえば、バンダイは2017年に特撮ヒーロー番組「五星戦隊ダイレンジャー」の「大連王」を復刻販売しました。1993年当時に販売されていた玩具をもとに、ディテールを一新した「DX大連王」は、税込み2万3,760円と高価でしたが3日で3,000個の受注を達成しました。
「子どものころは買えなかった商品を今は買える」という大人の気持ちを刺激して、消費者の購買意欲を高めています。
玩具業界の将来性
就活生
10年連続でプラス成長しているので、将来的に見ても安定している業界といえますよね?
キャリア
アドバイザー
たしかに、成長しつづけているのは業界としての大きな魅力ですね。しかし、玩具業界にも課題はあります。
就活生
なるほど、どのような課題ですか?
キャリア
アドバイザー
まずは、スマホ用のゲームの台頭による需要の落ち込みですね。
就活生
たしかに。僕もスマホでゲームしてます。
キャリア
アドバイザー
さらに、少子化による市場全体の縮小も心配されています。
就活生
しっかりと業界の将来性についても知る必要がありますね。
玩具業界の将来性と今後の展開について解説します。
少子化の影響もありターゲットを広げた商品展開が必要
少子化の影響を受け、おもちゃを買う子どもの数は減少しています。日本国内の子ども向けのおもちゃの販売のみでは、頭打ちといえる状況でしょう。
そのため、玩具のターゲットを子どもから広げたり、海外の子どもを対象にしたりと、ターゲットを広げた商品展開が必要です。大人向けやマニアをターゲットに、昔流行したアニメ商品の復刻版を販売するのも、ターゲットを広げる戦略の1つです。
ほかにも、シニア向けの玩具も販売されています。タカラトミーは画像AIで顔を判別するシニア向けコミュニケーション人形「うちのあまえんぼ あみちゃん」を販売し、ビジネスの拡大を図っています。
スマホなどのテクノロジー進化に合わせた商品の開発が求められる
おもちゃの分野でもIoT化が進んでいます。IoT機能をもった「スマートトイ」はスマホやタブレットと連携ができ、スマートトイの操作も可能です。子どもが興味を示しやすく、学びながら遊べるとして人気を集めています。
一方で、スマホの画面上ではできない「体験型のおもちゃ」にも力を入れています。室内でできる砂場遊び玩具など、実際に手で触れて楽しめるという点で、スマホゲームなどとの差別化を図っています。
テクノロジーの進化に合わせて、進化を取り入れたり、テクノロジーでは満たされない部分を探したりといった商品開発が今後も必要です。
アニメ需要で海外市場が期待される
日本の玩具は、海外でも人気を集めています。特に、日本のアニメや漫画は海外からの評価が高く、そのキャラクターのプラモデルやフィギュアは海外市場で需要が高いです。
たとえば、「機動戦士ガンダム」のプラモデルは中国や韓国、台湾といったアジア諸国で需要があり、「DRAGON BALL SUPER CARD GAME」はアメリカ、フランス、中南米で人気です。
今後は、展開国をさらに広げ、文化や年齢、国境に関係なくグローバルに受け入れられる玩具の開発に力を入れていくでしょう。
キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる
後述する通り、老若男女問わず、エンターテイメントは人々を笑顔にしますし、人を楽しませる方法はたくさんあります。だからこそ、「玩具業界はこうあるべき」という考えはあまりしないほうがいいでしょう。時代に合わせてどのような楽しませ方ができるだろうか、と考えていくと玩具業界にはまだまだできそうなことが秘められています。
また、記載した通り日本のエンタテイメントであるアニメやゲームコンテンツは海外で根強い人気を得ています。日本の魅力が外に発信される勢いは今後も続くでしょう。文化が違うと、国ごとに玩具の楽しみ方も変わってくる可能性もあります。もしかすると、逆に海外のコンテンツを国内で扱う機会もあるかもしれません。玩具業界が持つ強みを活かしながら、国を超えたビジネスチャンスを作り出せることは大きな魅力の1つでしょう。
玩具業界の職種
玩具業界では、玩具企画から制作、商品の流通まで幅広い職種にわかれており、協力しながらさまざまな玩具を消費者に届けています。それぞれの職種ごとに求められる役割や能力が異なるため、アピールポイントも変わってくるでしょう。
玩具業界で働きたい方は、どのような職種があるのかを知り、自分にあった職種は何かを明確にしていきましょう。玩具業界で働くにはどのような職種があるのかを紹介します。
企画
すべての玩具づくりの起点となるのが、企画職です。おもちゃ分野でもゲーム分野でも、ヒットする商品を産み続けていく必要があります。
子ども向けの商品では、実際に購入するのは親が多いですが、遊ぶのは子どもです。そのため「子どもはどんな玩具が欲しいのか」「親はどのような玩具なら購入しようと思うのか」といった視点で製品を企画していきます。
自分が出したアイデアが実際に採用されるのはわずかです。多くの人から人気を集める商品を開発するために、想像力や情報収集力が求められます。おもちゃが好きで、自分の考えを生み出すのが得意というクリエイタータイプの方に向いている職種です。
企画職についてはこちらで詳しく解説しています。
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営業
人気のキャラクターの商品や、有名企業の商品をしっかりと一般消費者に届けるためには、小売店への営業力が必要になります。
玩具専門店や玩具を扱っている店舗に、自社の玩具を売り込んだり新しい販売店を確保したりするのが主な仕事内容です。
ときには、実際の売り場で商品を魅力的に見せるためのディスプレイにかかわることもあります。自社商品についての深い知識が求められ、高いコミュニケーション能力がある方に向いているでしょう。
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設計・デザイン
実際の商品の設計やパッケージのデザイン、販売促進用のPOPなどのデザインを担当するのが仕事内容です。設計では、営業や製造などの職種と検討を重ねて、ターゲット層の好みやトレンドを取り入れながら素材や色、デザインを決定していきます。
新商品のデザインを書いたり、見本を作ったりすることもあります。具体化した商品の設計や図面作成では、3DCADなど設計用ソフトを使用することが多いです。
デザインや美術の知識、設計の知識が必要で、専門性の高い職種といえるでしょう。消費者を惹きつけるデザインについて、粘り強く考えられる力がある方が向いています。
マーケティング
リサーチを通して、販売計画を立てるのがマーケティングの仕事です。雑誌やテレビCM、広告など商品のPR活動を担当することもあります。
ゲームの場合は、誤った情報が広がると販売がうまくいかないことがあるので、記事や攻略本をチェックし、情報をコントロールするのも仕事の1つです。
玩具業界は季節性が強く、クリスマスや正月など年末商戦に需要が集中します。時期に合わせて商品の魅力を伝え、購買意欲をかき立てる力が求められる職種です。
近年では、SNSやYoutubeを使った拡散性の高いメディアがあるので、どのような販売戦略をうつかが腕の見せどころでしょう。
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販売
玩具店で一般消費者に向けた接客販売をします。顧客は「おもちゃを買って楽しみたい」「おもちゃを送って喜んでもらいたい」という気持ちで来店します。大量の商品の中から顧客の要望にあった商品を案内したり、楽しい気分を増幅したりする接客が求められる職種です。
一般的に、多くの小売店では次のように玩具を分類しています。
- 幼児玩具
- 教育玩具
- 男児玩具
- 女児玩具
- 人形
- ホビー
- ゲーム
- エレクトロニクス・ゲーム
メーカーが販売する新商品の知識をアップデートする、地道な努力が必要な職種です。特別な資格や免許は不要ですが、誰とでもかかわれる明るさがあり、周囲の変化に素早く適用できる方が向いているでしょう。
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物流
生産した商品の輸送や倉庫での在庫管理を担当するのが物流です。玩具業界はクリスマスや正月の年末商戦や夏季商戦があり、季節によって需要が増えます。それにともなって物流も増大するので、繁忙期の対応力が必要です。
また、企画開発・販売は国内ですが、生産拠点は海外に移している企業も多いです。海外でも日本と同様の高品質な在庫管理とスムーズな出荷が求められます。
近年では、自社だけでなく、他社の配送網も活用して、物流の効率化やコスト削減などに取り組んでいる企業もあります。
小売店に安心、安全に商品を届けることはもちろん、効率的に働く力が求められる職種といえるでしょう。
玩具業界の魅力
就活生
玩具業界は子どもたちに夢を与えられる魅力ある業界ですよね。
キャリア
アドバイザー
そうですね。ただ、夢を与えられるのは子どもだけではありません。大人向けやシニア向けの玩具も多く販売されているので、誰もが楽しめるように力を尽くしています。
就活生
確かにそうですね。他にも玩具業界の魅力はありますか?
キャリア
アドバイザー
商品展開が広がったことで、教育にもかかわれるようになったことも魅力の1つですね。
玩具業界の3つの魅力について、解説していきます。
老若男女問わず人を楽しませることができる
子どものころ、おもちゃを買ってもらうとわくわくしたという方も多いでしょう。もちろん、多くの子どもたちに夢を与えていますが、老若男女問わず、玩具を購入した企業を楽しませているのが玩具業界です。
子どものころに買えなかった玩具を購入したり、昔からコレクションをしていたりと、大人になってからもおもちゃに夢を感じている方もいます。
自分の開発した商品が、長い期間多くの人に喜びを与えられるのは、玩具業界ならではの魅力といえるでしょう。
発想力が活かせる
玩具業界では、時代のニーズに合った新商品を次々に開発していく発想力が求められます。
過去のヒット商品を再度売り出す場合でも、今の時代に合った新しい機能や特徴を盛り込む必要があり、アイデアを出すのが好きという方には発想力が活かせる業界でしょう。
今はまだ世の中にないものを開発して、爆発的なヒットにつながることもあるかもしれません。試行錯誤を繰り返しながらPDCAを回すことにやりがいを感じられるでしょう。
社会の変化やトレンドをキャッチするのが好きという方は、玩具業界で力を発揮できます。
さまざまな分野にかかわる(趣味だけでなく教育など)
小学校でのプログラミング教育が必修化されたことで、学べるおもちゃの需要が高まり、玩具業界は教育分野との関連性をもつようになりました。知育系の玩具も好調なので、玩具を通じて教育にかかわりたいという方は、力を発揮できるでしょう。
ただ遊ぶだけでなく、社会の変化やトレンドに合わせて、かかわる分野が広がっていくのも玩具業界の魅力です。
また、プラモデルやジクソーパズルは、趣味として捉えている方も多くいるでしょう。完成するまでの過程を味わえ、達成感を得られるとあり、幅広い年代に支持される趣味としても愛されています。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
その他の魅力として、自分がかかわったコンテンツや商材を実際に目にできるやりがいも挙げられます。働くと、楽しいことだけではなく大変なこともたくさん出てきます。しかし、おもちゃ売り場やテレビCMなどでコンテンツが売り出されていると、こうした苦労が報われた気持ちになれますし、「がんばってきてよかった」という大きな達成感を得ることができます。
特に子供たちに提供する玩具の場合、子供たちが関連した文房具を買ったり、放課後にその玩具を使って友達と遊んだりするでしょう。そしてその経験は、大人になったときに「あのとき〇〇というコンテンツがすきだったな」など、その人の人生に大きな影響を与えるはずです。単に商品を提供するだけではなく、人生の記憶にも残すことができる業界であることをぜひ忘れないようにしましょう。
玩具業界に向いている人の特徴
玩具業界に向いているのは次の2つの特徴がある人です。
- 流行やおもしろいことに興味がある人
- クリエイティブな発想力がある人
一般消費者のニーズの移り変わりは激しいので、安定した業績を出すためには、続々とヒット商品を売り出す必要があります。そのために、情報に敏感で豊かな発想力がある人を求めている業界です。「おもちゃが好き」ということはもちろん、玩具業界で力を発揮できる強みをアピールしましょう。玩具業界に向いている人の特徴について、詳しく解説します。
流行やおもしろいことに興味がある人
玩具業界で売り出す商品がヒットするかどうかは、時代にニーズに合っているかで決まります。時代の流行に興味があり、情報収集が苦ではないという方なら、ヒットの手がかりを得やすいでしょう。
玩具業界では日々新しい商品が販売されます。自社でキャラクター関連商品を扱う場合は、もとになったアニメなどの知識を取り入れないといけません。また、自社製品以外にも他社製品の動向を探り、自社製品の差別を図っていく力が求められます。
常にトレンドに敏感で、新しいことを取り入れられる力があること、自主的に情報収集した経験をアピールできると効果的です。
クリエイティブな発想力がある人
玩具業界は商品を通して「夢」や「希望」を売っています。基本的には子ども向けの商品が多いため、童心に返って「どんな玩具がおもしろいか」を考える発想力が必要です。自分が経験していないことや現実には存在しないことでも頭の中で強く思い描くことで、良い企画が生まれます。
また、誰も考えられなかった個性的なアイデアが独自のヒット商品を生み出す原動力になります。周囲を驚かせるような考えを出すのが得意という方には、活躍のチャンスがあるはずです。
今までに自分なりの考えを発揮したり、既存の仕組みを改善してより良いものづくりをしたりした経験がある方は、志望動機や自己PRに盛り込みましょう。
玩具業界の代表的な企業10選
玩具業界には企画から販売まで、多くの関連企業があります。商品によっては中小企業がおこなっている場合もあるので、生産元や販売元はとても多いです。
業界全体を理解するためには、代表的な企業について知り、その中から分野や仕事内容で志望企業を選んでいくと良いでしょう。
玩具業界の代表的な企業をおもちゃ分野から4企業、ゲーム分野から6企業、合計で10個の企業を紹介します。企画、生産、販売など、どのような企業があるのか参考にしてくださいね。
おもちゃ分野
おもちゃ分野は玩具業界の中でも堅調な売り上げを維持しています。少子化が進んでいますが「妖怪ウォッチ」や「鬼滅の刃」といった新しいキャラクター商品や「仮面ライダー」といった定番キャラクターの需要が安定しているためです。
日本国内でシェアを誇る「タカラトミー」や「サンリオ」のほかにも、「トイザらス」や「ピジョン」について紹介します。企業ごとに扱う商材には大きな違いが見つかるでしょう。それぞれの企業の特徴や違い、強みを把握しましょう。
タカラトミー
タカラトミーは「トミカ」や「プラレール」、「リカちゃん」などロングセラー商品を扱う玩具メーカーです。2006年にタカラとトミーが合併して誕生しました。
ベトナム、タイ、中国などのアジアの工場で生産をおこない、世界130以上の国と地域に商品を届けています。「世界のタカラトミー」を目指してグローバル展開している企業です。
社長メッセージでは、会社と商品を通じて子どもたちに夢を届けているという事実を強く認識することを求めています。時代の変化のなかで、積極的に考え、周りの人を巻き込んでチャンスをつくれる人材を求めている企業です。
人を巻き込む力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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サンリオ
サンリオは、キャラクターなどのライセンスビジネスや、実店舗、オンライン店舗の運営、テーマパーク事業など、キャラクタービジネスを展開しています。
一般的な玩具以外にも、企業へのソリューションとしてのグッズ展開や、ギフト商品の企画なども手がけているグローバルエンターテインメント企業です。
企業理念を「みんななかよく」と掲げており、人と人とをつなぐことに注力しています。現在ではブラジルをはじめとした12ヵ国にも関連会社があり、求める人物像は次の通りです。
- グローバル展開に対応できる語学力や海外志向の働きができる人
- 新しいビジネスを発展させられるマーケティングスキルのある人
- デジタルやテクノロジーに強い理系の人
トイザらス
トイザらスは、アメリカ発祥の玩具量販店で、1991年に日本1号店をオープンしました。日本最大級の玩具・ベビー用品販売店として、全国で約160の実店舗とオンラインストアを運営しています。
2017年9月にアメリカのトイザらスは経営破綻しましたが、日本のトイザらスはアジア地域を管轄する別法人の傘下にあるため、現在でも通常通り営業している状況です。
玩具・子ども用品は「トイザらス」、マタニティ・ベビー用品は「ベビーザらス」として業態がわかれており、求める人物像として次のような人物を挙げています。
- コンビテンシーを体現できる方(顧客志向、人材強化、協働、成果志向、コミュ二ケーション、順応と学習、問題解決)
- 想像力をはたらかせて、業務に活かそうとできる方
ピジョン
ピジョンは、ベビー用品・育児用品全般を扱う日本のメーカーです。特に哺乳瓶のトップブランドとして有名ですが、歯がためなどのベビートイも扱っています。
グループ企業も含めると、託児施設の運営や開設にともなう指導やヘルスケア、介護事業にも取り組んでいます。
現在、売り上げの50%を海外が占めておりグローバル化が進んでいるのも特長です。海外でマーケットを開拓するために、不屈の精神でチャレンジできる精神の強い人材を求めています。
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チャレンジ精神を上手に自己PRするには|言い換え表現や例文を紹介
チャレンジ精神を自己PRにするときは、3つのポイントを押さえたアピールが重要です。 この記事では、チャレンジ精神をアピールする際のポイントや自己PRの例文、注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画も参考に、魅力的な自己PRで差をつけましょう!
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ゲーム分野
ゲーム分野は大きく「ハードウェアメーカー」と「ソフトウェアメーカー」に分類できます。
ハードウェアメーカーは、ゲーム機器を開発・製造する企業で、任天堂やソニーグループが代表例です。ソフトウェアメーカーは、ゲームソフトの製作や販売をする企業で、バンダイナムコホールディングスやスクエア・エニックスが代表企業です。
近年では、ゲーム機器以外にも、スマホやVR端末を用いたゲーム開発も進んでおり、既存の家庭用ゲーム機器以外の商品開発にも力を入れています。どちらのメーカーを選ぶかで業務内容が異なるので、企業情報や業務内容をしっかりと確認しましょう。
ソニーグループ
ソニーグループはゲーム、音楽、映画や電化製品など、多様な事業を展開するグローバル企業で全世界で約11万人の社員がいます。玩具業界の売り上げトップに君臨しており、代表的なゲーム機であるPlay Stationは世界中に知られるヒット商品です。
事業でも人材でも、社員一人ひとりが自立し互いに影響し合うことを重視しています。そのため、挑戦心と成長意欲に満ちており、組織のなかで成長し続けられる人材を求めています。
任天堂
任天堂は、1983年にファミリーコンピューターを販売して以来、日本のゲーム業界をリードしてきた企業です。その後も数多くのゲーム機を販売しています。
「マリオ」などの親しみやすいキャラクターや、「どうぶつの森」など幅広い年齢層が楽しめるゲームを長年リリースしており、独自のサービスを展開しています。
任天堂は「従来と違うこと、他のとは違うことに価値がある」という精神を大切にしており、新しくユニークな提案をし続けることに価値を見出している企業です。
そのため、さまざまな分野における知識や経験をもった個性的な人材を求めているので、自分なりの強みをしっかりアピールしましょう。
バンダイナムコホールディングス
バンダイナムコホールディングスは、デジタル事業やトイホビー事業を扱う、エンターテインメントユニット、アニメーションなどのIPプロデュースユニット、アミューズメントユニットと関連企業にわかれ、幅広い事業を展開しています。
有名なコンテンツとしては、トイホビー事業のバンダイが扱う「機動戦士ガンダム」「仮面ライダー」や、デジタル事業の株式会社バンダイナムコエンターテインメントが扱う「太鼓の達人」などがあります。
バンダイナムコホールディングスは、同じ志をもった異なる才能をもつ人材の集まりです。そのため、エンターテインメントへの熱い想いと、他の人には負けない強みをもった人材を求めています。
自分の強みを見つける方法についてはこちらで解説しています。
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就活でアピールすべき強みや伝え方がわからない就活生は多い こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活生から 「どういう強みをアピールすればいいのかわかりません」 「強みを具体的に話すにはどうすればいいですか」 とい […]
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コナミホールディングス
コナミホールディングスは、ゲームソフトやアミューズメント機器の製造・販売とスポーツクラブの運営などを手がける企業です。
年齢を問わずに楽しめるゲームの開発を中心におこなっており、音楽ゲームを中心としたアーケードゲームや、スポーツをモチーフにしたゲームソフトの開発など、事業展開は幅広いです。
社会のルールを守り、時代のニーズに応える柔軟性と挑戦心をもった人材を求めています。
柔軟性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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スクウェア・エニックス
スクウェア・エニックスは、デジタルエンターテインメント事業に分類される、ゲームソフトの販売を中心とする企業です。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった有名RPGゲームを多数販売しています。
近年では、モバイル向けゲームなど新しいゲーム開発にも取り組んでおり、多様なコンテンツを提供しています。
企業理念を「最高の『物語』を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」と設定しており、次の価値観を大切にする人材を求めている企業です。
- プロフェッショナリズム
- 創造性・革新性
- 柔軟性・多様性
セガサミー
セガサミーはセガグループのデジタルゲーム事業と、サミーを中心としたパチスロ・パチンコなどの遊技戯事業、リゾート事業を手がける総合エンタテイメント企業です。
コロナウィルスの影響を受け、ゲームセンター事業や遊技戯事業は客数が減少したため、事業を縮小し、一般向けゲーム事業に力を入れています。
「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」というミッションを掲げており、顧客の期待値を上回るサービスを提供することを目指している企業です。
ただ与えられたことをただこなすだけではなく、自律的・能動的な行動を起こせる人材を求めています。
積極性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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選考で差をつけるポイント
就活生
玩具業界は、大人にも子どもにも夢を与える業界なので、志望する学生も多いですよね。
キャリア
アドバイザー
そうですね。玩具の楽しそうなイメージがあり、おもちゃ好きな学生から志望される業界です。
就活生
少しでも有利に就活を進めるために、選考で差をつけるポイントが知りたいです。
キャリア
アドバイザー
玩具業界は、どの企業も独創的なアイデアをもった人材を求めています。就活のときから、自分の考えをしっかりアピールする姿勢を見せると良いですね。
ほかの学生と差別化を図る就活の進め方をお伝えします。
玩具業界の課題と解決策をまとめる
玩具業界では、少子化やスマホゲームの台頭など、向き合うべき課題があります。厳しい現状を打破するための解決策を見つけられる発想力の持ち主かどうか、採用担当者は見極めています。
「少子化が進むなかで、新しいターゲットになるのはどの層か、どんな商品が売れるか」「新しく市場を展開するなら、どこが適切と考えるか」など、自分の考えを事前にまとめておきましょう。なぜそう考えたのか、理由も伝えらえれると説得力が増します。
面接で聞かれたときにしっかりと意見を述べられれば、面接官からも高い評価を得られるでしょう。
語学力を身に付ける
国内の需要は少子化の影響で減少傾向が続いています。そのため、海外での販路を広げ、グローバルに展開する企業が増えている状況です。日本の玩具は世界からも人気が高く、世界各国の特色に合わせて売り出すことで、今後の業績アップにつながります。
海外とのかかわりが多い部署や海外の子会社で働けるように、語学力を身に付けておくと有利に就活を進められるでしょう。
実際に、サンリオでは求める人物像として「グローバル展開に対応できる語学力や海外志向の働きができる人」と明記しています。
就活が始まる前にTOEICを受験するなど、語学力を身に付けエントリーシートや面接でアピールする準備を進めましょう。
自己PRで英語力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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インターンシップに参加する
インターンに参加することで、自分が思い描いていたイメージと、実際の仕事現場とのギャップを埋められます。
玩具業界は、取り扱う商材の特徴から「楽しそう」というイメージをもつ方も多いでしょうが、実際に働いてみると楽しいだけではなく、地道な一面や困難な状況にぶつかることもあります。
インターンに参加すれば、実際の業務内容とイメージのミスマッチが防げるでしょう。さらに、玩具業界や企業への理解が深まり、自分の適性も見極められます。
たとえば、任天堂では理工系、サウンド系、デザイン系と3つのコースのインターンを用意しています。数日の短期インターンなので、ほかの企業と比較して参加することも可能です。
インターンの就活への活かし方はこちらで解説しています。
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玩具業界の志望動機に盛り込むべきポイント
就活生
玩具業界の志望動機では、自分がどれだけおもちゃが好きかを伝えたら良いですよね?
キャリア
アドバイザー
たしかに、おもちゃ好きをアピールする人は多いですが、それだけでは志望動機としては弱いです。
就活生
では、それ以外に何を入れたら良いですか?
キャリア
アドバイザー
志望動機では、業界を選んだ理由、その企業を選んだ理由、企業で発揮できる自分の強みを順に伝えることが大切です。
志望動機に盛り込んでおきたい3つのポイントを紹介するので、自分の考えをまとめていきましょう。
なぜ玩具業界か
玩具業界は子どもから大人まで幅広い世代を対象に、夢や希望を与える玩具を提供しています。長い間、変わらずに愛される玩具の開発や製造、販売にかかわれるのがほかの業界にはない魅力といえるでしょう。
また、時代の流行に敏感に反応し、新しい発想力を活かせる業界でもあります。既定の路線に捉われずに、どんどんと新しいチャレンジができること、柔軟な発想ができる業界なので、独創性のある人が向いています。
玩具に限らず、ほかの業界との関連性がある点など、自分が玩具業界を志望しようと思った理由を言語化してわかりやすく説明できるようにしましょう。
なぜその企業か
志望動機には、なぜその企業を選んだのかをきちんと盛り込みましょう。玩具が好きというだけでは、採用担当者にどの企業でも良いのではないかと思われてしまいます。
どの企業も、強みのある分野や今後注力していきたい事業があります。たとえば、任天堂なら「マリオ」などのオリジナリティあふれるキャラクターがおり、長い間愛されていることが強みです。ほかの企業と比較することで企業ごとの強みがわかるようになります。
また、インターンや会社訪問、OB・OG訪問でも社風を理解できるので、積極的に参加しましょう。そこで感じたことを述べるのも、その企業を志望する理由になります。
自分がどのように貢献できるか
玩具への愛情や、企業の強みを理解したうえで、自分が入社後に貢献できる内容を伝えましょう。
たとえば、営業職であれば、取引先との円滑なコミュニケーション能力が求められます。学生時代に、部活動やサークル活動など、チームワークを大切にして適切に連携してきたことを伝えると、具体的な業務とのつながりがアピールできるでしょう。
また、入社後に具体的な仕事で成し遂げたいことを伝えるのも効果的です。志望企業が学べる玩具に力を入れているのであれば、「玩具を通して子どもの知育発達に役立つ商品の企画がしたい」など、具体的に伝えられると熱意が伝わります。
玩具業界の志望動機例文
玩具業界や企業を志望する理由や、入社後に活躍できる点がまとまったら、志望動機として組み立てていきましょう。
志望動機では、まず自分の強みを一文で言い切るようにしてください。その後、具体的な理由を伝えるようにして、最後に自分の強みを入社後に発揮できることを述べましょう。
「おもちゃが好き」「おもちゃの製造に携わりたい」「新しい商品を開発したい」という3つの志望動機の例文を紹介します。例文を参考にして、ほかの学生よりもアピールできる志望動機を作成しましょう。
おもちゃが好き
「おもちゃが好き」と志望動機で伝える学生はたくさんいるので、好きな気持ちだけでは、アピールとして不十分です。
玩具に対する熱意を発揮する場面は職種によって変わります。たとえば、企画職であれば、情報収集やアイデアを出すのに、玩具への愛情が必要になります。営業職であれば、自社の製品を取引先に売り込むのに、玩具への熱意が求められるでしょう。
「おもちゃが好き」という気持ちを、志望する職種の具体的な仕事内容でどのように活かすかを伝えるようにしましょう。
回答例
私の強みは、わかりやすく相手に伝えられる言語力です。
私は大学時代、塾講師として専門の数学を教えるアルバイトをしました。担当している子どもに寄り添い、どのように伝えたら理解できるか、説明の方法を試行錯誤しました。その結果、成績を半年でアップさせ、子どもに達成感を与えた経験があります。
私は、小さいころから貴社の戦隊ものが好きで、買ってもらったときのワクワクした気持ちを今でも覚えています。自分の好きな玩具の魅力を、相手にもかみ砕いて説明できると自負しています。
貴社に入社した際には、営業職として商品の良さやそれを引き出すためのアピール方法を、誰にでも理解しやすく伝え、商品の売り上げアップに貢献していきたいです。
キャリア
アドバイザー
学生時代の経験が、営業職として発揮できることを伝えられています。おもちゃが好きだからこそ、取引先への説明にも力が入るので、活躍のイメージがもてますね。
おもちゃの製造に携わりたい
学生時代までは、玩具を供給してもらう立場ですが、玩具業界では製造という供給する側になります。なぜ、供給に携わりたいと思ったのか、志望のきっかけを盛り込むと、オリジナリティある志望動機になるでしょう。
また、玩具は大人から子どもまで幅広い年齢層が楽しむものです。どの年代でも安心して使える安全性の高い玩具を作る必要があります。
おもちゃの製造では、ヒットにつながる製品の設計やデザインができる技術職もあり、専門性の高さが求められます。専門性の高い職種を志望する場合は、どのような学習を進めてきたかを伝えるのも効果的です。
回答例
私の強みは、市場分析を正確におこなうマーケティング力です。大学時代はマーケティングを専攻し、どのような商品が人気を集めるのかを研究しました。
大学時代、女の子向けのカードゲームが販売され、たくさんの子どもたちを惹きつけているというニュースを見ました。玩具業界は、商品を通してたくさんの方に楽しみを与えられる業界だと知り、供給する側になりたいと志望しました。
ヒットする玩具を作るためには、市場調査は欠かせません。これまでに身に付けた調査能力・分析能力を活かして、企画開発職や営業職と連携してヒット商品の製造にかかわりたいと思います。
キャリア
アドバイザー
大学時代に学んだことが、製造の場面で活かせると初めに伝えているのがわかりやすいですね。
新しい商品を開発したい
玩具業界は、時代の変化に合わせた新商品を続々と売り出す業界です。ヒット商品を開発できるかどうかが、会社の業績にも大きくかかわるため、どの企業も企画力のある人材を求めています。
社会の変化を敏感に捉えられるアンテナの高さをアピールすると、採用担当者から高評価をもらえます。また、商品を開発する過程では、情報を幅広く集めたり、アイデアをいくつも出したりと、粘り強さが求められるでしょう。
学生時代に、こつこつと努力した経験と紐づけながら、商品開発に携わりたいことを伝えると良いです。
回答例
私の強みは、誰にも思いつかないアイデアを出す発想力と実行力です。私は、大学時代、文化祭の広報担当を務めました。今までは活用していなかったSNSやYoutubeでの告知を企画、実行し、歴代最多の来場者を集めることに成功しました。
玩具業界では、現在、海外への進出が進んでいます。まだ、進出していないアフリカ地域や発展途上国では、日本の知育玩具を通して、教育支援もできるのではないかとアイデアを広げているところです。
私は、アイデアを思いつくだけでなく実践することも大切にしていきます。新しいチャレンジには失敗がつきものですが、貴社入社後も、発想を現実に変えられるように継続的に努力していく所存です。
キャリア
アドバイザー
玩具業界の課題と、自分なりの解決策を伝えられているので、アイデアを出すのが得意、という自己PRに説得力が増しますね。
玩具業界を志望する際にライバルに差をつける情報収集の方法
就活生
玩具業界の情報を集めているのですが、業界紙を読むのは効果的ですか?
キャリア
アドバイザー
業界研究をするうえで、業界紙はとても役立ちますね。就活中の半年だけ購読するのも良いでしょう。
就活生
ほかにも玩具業界の情報を集める方法はありますか?
キャリア
アドバイザー
おもちゃで遊ばなくなると、実際の売り場を見る機会が減るので、実際の売り場に足を運んでみるのもおすすめですよ。
実際の玩具について知ることで、面接の回答内容にも深みが増します。ライバルに差をつける玩具業界の情報収集の進め方を紹介します。
人気のある商品をインターネットで検索する
近年では、インターネットでおもちゃを購入する保護者も増えています。そのため、今売れている商品や人気のある商品をネットで検索してみると、傾向をつかみやすいです。
対象とする性別や年齢に合わせて、ランキング形式で紹介されているので、ターゲットごとに違いがあることに気づけるでしょう。
また、実際のおもちゃ売り場とインターネットとでは、おもちゃの売り出し方や値段に違いがある場合もあります。なぜ、ネットでは売り出し方を変えているかを考えると企業の戦略を考えるきっかけになります。
おもちゃ売り場を見てみる
家の近くにある販売店で、おもちゃ売り場を覗いてみるのも良いです。実際におもちゃを手にして、自分が子どもだったころと今のおもちゃを比べてみましょう。
たとえば、おもちゃの電話であれば、以前は固定電話の形をしていたものがスマホ型のものに変わっていることがわかるでしょう。しかし、今も昔も、電話のおもちゃが販売されていることから、子どもを惹きつける定番商品であるといえます。
今と昔の変化を比べると、大きく変わった点やあまり変化がない点など、玩具業界の商品開発の経過が感じられるはずです。
また、店舗によっては、来店することで店舗限定の通信がおこなえるなどの取り組みをしている場合もあります。ネットで手軽におもちゃが買える時代だからこそ、どのように店舗に集客しているか、各企業の工夫も見つかるでしょう。
おもちゃショーなどのイベントに参加する
一般社団法人日本玩具協会が主催するおもちゃショーなどのイベントに参加するのも業界理解を深めるきっかけになります。
おもちゃショーは年に1回開催され、4日間のうち2日間は一般公開されています。2022年はコロナウィルス感染拡大防止のために一般公開は中止になっていますが、来年以降参加できる可能性もあるでしょう。
おもちゃショー以外にも「おもちゃ博」など、イベントに参加することで、最新のおもちゃを肌で感じられます。イベントでは各企業の担当者との交流ができるのもメリットの一つです。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
この他にも、雑誌で情報を収集してみてください。書店で趣味関係のことを扱っているコーナーに行くと、最新のゲームや玩具を特集した月刊誌が売られています。最初はまったくわからなくても、何度か読み続けていくと流行をキャッチすることができます。子供向け商品に興味がある場合には、子供向けのコミック誌や教育系の雑誌の付録などに着目してみるのもいいでしょう。
また、何と言ってもやはり生の声を聞いたり、自分で触ってみたりすることも大切です。周囲に玩具がすきな人がいれば話を聞いてみてください。また、もちろんお金はかかってしまいますが、ヒットしている商品を実際に購入してどうして人気が出ているのか自分なりに考察をしてみましょう。選考の場でも、実体験を堂々と話せるようになるのでおすすめです。
玩具業界について理解を深めて就活を有利に進めよう!
おもちゃ業界は扱う商材の性質上、顧客に夢や希望を与えることを重視している業界です。年齢に関係なく楽しんでもらう商品を作り出すためには、柔軟な発想力と挑戦心が必要です。
この記事では、玩具業界をとりまく現状や今後の将来性についてお伝えしたので、玩具業界についての理解が深まったでしょう。
選考を通過するためには、現在の課題について自分なりの解決策をもっていることを伝える必要があります。実際の玩具に触れて、自分の強みをアピールできる志望動機を作りましょう。ぜひ、玩具業界について理解を深めて、就活を有利に進めてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
おもちゃ分野もゲーム分野もそれぞれ様々なニーズがあるため、どちらのほうが今後成長するかどうか、明確に言い切ることはできません。それよりも、あまり大きな線引をしすぎずに、どちらも相互に関連しあっているという視点を持てるようにするといいかもしれません。たとえばゲームがヒットしたらその作品のおもちゃが開発されるかもしれませんし、その逆も然りです。その業界が活気づくためにはその周辺業界の協力が不可欠です。
反対に、どちらにも共通しているのは誰かを楽しませることができるという点です。そのため、「勢いがあるからその分野を志望する」という考え方だけではなくて、最も自分の強みを活かせると思う分野から業界全体の持つビジョンに貢献しようとする姿勢を忘れないようにしてください。