目次
- キャリアプランは面接の合否にかかわる重要質問
- まずは知っておきたいキャリアプランとは?
- 「キャリアプラン」に似た言葉の意味も知っておこう
- キャリアビジョン
- キャリアパス
- ライフプラン
- キャリアプランの評価基準
- 自主性がある人材か
- 自社のビジョンと相違がないか
- 社会人として働くイメージが持てているか
- 自社で学生のキャリアを支援できるか
- 目標に対する実行力があるか
- キャリアプランを考えるメリット
- 仕事に対してモチベーションを高く保てる
- 自分が何をすべきか明確になる
- 働くうえでの軸が持てる
- キャリアプランを考える前に知っておくべきこと
- ①企業について
- ②目指すべきキャリア像
- 簡単3ステップ! キャリアプランを考えてみよう
- ステップ①自己分析をする
- ステップ②将来なりたい像を具現化する
- ステップ③現状と理想のギャップを埋める方法を考える
- キャリアプランは完成後のチェックも抜かりなく!
- 仕事に関係があるものか
- 実現可能か
- 企業の方向性と合っているか
- その企業だからこそ叶うものか
- 志望理由と一貫性があるか
- 面接でのキャリアプランの答え方
- ①最終的な目標を伝える
- ②目標を叶えるための計画を伝える
- ③達成に向けてしていくべき努力を伝える
- キャリアプランが見つからない…困ったときの答え方
- ①役職ではなくスキルベースで答える
- ②これから見つけていく姿勢を見せる
- 【職種別】キャリアプランの例文6選
- 営業職×スペシャリスト
- 営業職×経営者
- 販売職×企画職
- 販売職×マネージャー
- 事務職×スペシャリスト
- 技術職×フリーランス
- 頻出注意! 「キャリアプラン」によく似た質問と回答のヒント
- 将来の目標
- 将来の自分
- 入社後にやりたいこと
- その企業ならではのキャリアプランで入社後の姿を想像させよう
キャリアプランは面接の合否にかかわる重要質問
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。面接では、自分の過去の経験に基づいた質問だけでなく、自分の未来についての質問をされることもあります。その中で学生から
「面接でキャリアプランを聞かれました」
「キャリアプランってどう答えれば良いですか?」
という声を聞くことがあります。キャリアプランは自分の将来にかかわる質問であり、まだ社会人経験のない学生には、自分の今後のキャリアを詳細に描くことは難しいと考える人もいるでしょう。しかし、キャリアプランはここできちんと説得力のある回答ができるかどうかで面接の合否が変わることもある重要な質問なのです。
この記事ではキャリアプランを考えるためのヒントから実際に面接で聞かれた際の答え方などを解説していきます。面接対策としてはもちろん、今後のキャリアを考える良いきっかけとしてぜひ読んでみてくださいね。
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まずは知っておきたいキャリアプランとは?
- 働くうえでの将来像をかなえるための具体的な行動計画のこと
人それぞれなりたい将来像はあると思いますが、ただ「なりたい」と考え何となく働くだけではその将来像をかなえることはできませんよね。
将来像を見定めたうえで、ではその将来像に向かいどのようなスキルが必要でどのような行動をするべきかを洗い出し、逆算して計画を立てたものがキャリアプランです。
「キャリアプラン」に似た言葉の意味も知っておこう
就活生
キャリアアドバイザー
良い疑問ですね! 似たような言葉ではありますが意味が違います。この機会にこれら似た意味の言葉の違いを明確にしておきましょう。
面接では、キャリアプランだけでなくキャリアビジョンについて問われることもあるもの。加えて、就活中には「キャリアパス」などの言葉も耳にすることがあるのではないでしょうか。一見似たような言葉ですが、実は少しずつ意味が変わってきます。キャリアプランを考える前に、まずはこれらキャリアプランと似通った言葉の意味をそれぞれ把握しておきましょう。
キャリアビジョン
- キャリアビジョン:働くうえでのなりたい将来像
キャリアビジョンは「ビジョン」という名の通り、自分のなりたい将来像そのもののことを指します。キャリアプランがなりたい将来像への過程を指すならば、キャリアビジョンはその過程を経て目指すべき到達点と考えると良いでしょう。
キャリアパス
- キャリアパス:ある1つの企業内でのステップアップの流れ
キャリアビジョンは個人が自由に考えられる将来像であり、いわゆる願望です。一方キャリアパスとは、キャリアを重ねるためにその企業の中ですでに決まっているルートです。
たとえば、「20代のうちに年収1,000万に到達する」というキャリアビジョンがあったとしても、その企業では昇進についての年齢や勤続年数がキャリアパスとして定められている場合、思い描く将来像をかなえるのは難しいかもしれませんよね。
自分のなりたい将来像をかなえるために、またなりたい将来像とその企業が合っているかを確認するために、キャリアパスを把握することは非常に重要です。
ライフプラン
- ライフプラン:人生においてなりたい将来像をかなえるための行動計画
キャリアプランが「働くうえでのなりたい将来像」をかなえる計画であるとすれば、ライフプランは働くことだけではなく結婚や出産などのライフイベントを交えた人生設計のようなものと考えると良いでしょう。
結婚や出産などをライフプランとして考えている場合は、自身が描きたいキャリアもそれによって時期などが変動します。ライフプランそのものを面接で聞かれることは少ないですが、働くことはあくまでも人生の一部であるため、キャリアプランを考えるうえでライフプランも視野に入れておくべきでしょう。
キャリアプランの評価基準
キャリアプランを問われたからといって、ただ自分の考えるままに回答をしても高評価には結びつかないでしょう。企業が問うキャリアプランにはいくつかの評価基準があります。企業がキャリアプランを問う際、どこを評価しているのかを解説します。
自主性がある人材か
キャリアプランは将来像をかなえるための道のりです。働くことに対してなりたいゴールとその道のりを自ら設定できている学生は、自主性があると捉えられます。
仕事においても、自主性が高く、上司からの指示を待つだけではなく自ら積極的に動ける人材は、成長スピードが速いと捉えられ重宝されます。そのため、企業はキャリアプランを問うことで学生の自主性を測っているのです。
自社のビジョンと相違がないか
どの企業も、企業としての将来のビジョンを持っています。たとえば、とある事業を海外に展開させグローバルな発展を望む企業もあれば、地方への事業展開をすることで日本でのシェアを広げたいと考える企業もあるでしょう。
日本でのシェア拡大を目指す企業において、「将来はグローバルに活躍したい」というキャリアプランを掲げる学生が入社すると、働く中でやりたいことがかなえられずにミスマッチを感じてしまうかもしれませんよね。
企業と学生とのそういったミスマッチを防ぐために、キャリアプランをたずねている側面もあります。
社会人として働くイメージが持てているか
キャリアプランが描けているということは、その社会人として働く自分がイメージできているということでもあります。働くイメージが詳細にもてていなければ、入社後に学生と社会人の違いに順応できず、働くことを苦に感じてしまうかもしれません。最悪の場合、せっかく入社した企業から早期に離職してしまうことも考えられます。
早期離職は学生にとっても企業にとっても痛手です。キャリアプランをたずねることで社会人と学生の違いを理解したうえで、社会人として働く自覚やイメージがあるのかを判断しようともしています。
自社で学生のキャリアを支援できるか
企業によって目指すビジョンも働き方もさまざまです。企業によっては、その企業で長く働くことよりも、自社を自分の望むキャリアを歩むための成長過程にしても良いと考えている企業もあります。そのような企業では、学生の歩みたいキャリアプランに対して自社が貢献できるかを測っているところもあります。
また、企業によっては入社と同時に配属先が決まることもありますよね。キャリアプランをたずねることで、配属先を決めるための材料としているところもあります。
目標に対する実行力があるか
企業が学生が社会人として働く自覚があるか、自社が掲げるビジョンと相違がないかを知りたいなら、「キャリアビジョン」をたずねれば良いはずですよね。
わざわざ「キャリアプラン」をたずねているのは、なりたい将来像という目標を机上の空論で終わらせず、きちんと実行に向けてのプランを考えられているかを知りたいとも考えているからです。
仕事をするうえでも、さまざまな企画や目標を考えることがあるでしょう。その際は、やりたいことをただ伝えるだけでなく実現に向けてのプロセスもきちんと伝えることが欠かせません。キャリアプランをたずねることで、目標だけでなく過程の部分が実行可能かもきちんと考えられているかを知ろうとしています。
キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる
企業にとって、「自社でキャリアを支援できるか」どうかは非常に大切です。たとえば将来は海外勤務の経験を積みたい学生がいたとします。学生がアジアに関心があると言っても、実はその企業は今後欧米への進出を強化している可能性もある場合、「なぜ」という価値観まで深く聞いていくでしょう。なぜアジアに関心があるのか、そこでどんなことをおこないたいのか、などを明かにすることで「万一アジアではないエリアでの勤務になっても大丈夫か」を確認します。
こう聞くと、「その支援ができない」と思われたらすぐにお見送りという判断に直結するのでは?と不安になるかもしれませんがそうではありません。企業は、学生を落とすためではなく入社後のギャップによる早期離職などを防止するために、ポジティブな意味で相互のすり合わせをおこないたいのです。
学生が現段階における「想像」で話をしている、ということは企業も想定内です。入社後に希望が変わってしまっても仕方がありませんので合否を恐れすぎずにできる限り素直な気持ちを伝えましょう。
キャリアプランを考えるメリット
就活生
まだ働いていないんだからキャリアプランなんてわかんないよ……。めんどくさいなあ。
キャリアアドバイザー
気持ちはわかりますが、キャリアプランは面接対策としてだけではなく自分自身にとっても考えておくメリットがあるんですよ。
まだ社会に出て働いたことのない学生にとって、キャリアについて考えるのは難しいですよね。キャリアプランを面接対策の一環としてでしか捉えておらず、考えることが億劫に感じている人もいるかもしれません。
しかし、キャリアプランを考えることは単なる面接対策となるだけでなく、学生自身にとってもメリットがあるのです。ここからはキャリアプランを考えることにどんなメリットがあるのかをお伝えしていきます。
仕事に対してモチベーションを高く保てる
働くうえで目指す像となる目標があると、日々の仕事にも意味や目標が生まれますよね。キャリアプランがあると、仕事をするうえで目標が生まれるため仕事へのモチベーションを高く保つことができます。
上司から与えられるタスクや達成目標も、ただ「きつい」と感じるのではなく、自分のビジョンをかなえるために必要な壁のひとつだと捉え、仕事ひとつひとつに対して意志ややる気を持って取り組むことができるでしょう。
自分が何をすべきか明確になる
キャリアプランがあると、それだけでやるべきことが明確になります。これは、仕事をするうえで仕事への迷いや疑問がなくなるともいえます。
一部の学生は、社会人になり働きだすと「自分は何をやっているんだろう」「本当にやりたかったことなのかな」と仕事に対し疑問や迷いを抱えることがあります。しかし、キャリアプランがあれば「この仕事はキャリアプランの一環であり、なりたい将来像をかなえるために必要なものだ」と考えることができるでしょう。キャリアプランがあることで、仕事に対してまっすぐに取り組むことができます。
働くうえでの軸が持てる
企業は、社会の流れや取引先など周囲の環境によって変動します。新規事業の立ち上げや組織編成などで、社員の業務やともに働く仲間など、働く環境が大きく変わることもよくあるものです。
こういった変動に対しキャリアプランがあると、自分の身の振り方を自分で判断することができます。たとえば想定していない部署への配属が決まったとき、今後のキャリアプランと照らし合わせたうえで異動先で得られるものがあれば異動後もいきいきと働けることでしょう。逆にキャリアとの相違があれば異動に対し納得のいく主張ができますよね。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
学校教育では最終的に答えを教えてくれます。大半の人は、小学校、中学校、高校、大学という年数が決められた組織に身を置きながら成長をしていきます。自分が特に何かをしていなくても、決められたことをこなしていけば周囲と一緒に入学と卒業を繰り返すことができました。
しかし、企業で働くことを考えてみるとどうでしょうか。もちろん年次によって肩書に変化が生じたり、給与が上がったりすることはありますが、「〇年働けば卒業ですよ」という明確な基準は定年までありません。自分の意志で、「〇歳でここまで到達する」「〇年後に〇〇に挑戦する」という目標を立てなければ、誰もキャリアに責任を取ってくれません。少し厳しい言い方をすると、大学を卒業するということは、それまでつながっていた線路が途中で途切れてしまい、あとは自分で敷かなければいけない状態なのです。
このような意味でも、就活でキャリアプランを考えることは、今後の自分の長い人生を考える上でも最初のきっかけとして非常に重要であることが想像できるのではないでしょうか。
キャリアプランを考える前に知っておくべきこと
キャリアプランを考える前に、いくつか知っておくべきことを紹介します。キャリアプランを具体的なものにするために必要なことばかりなので、ぜひ自身のキャリアプランに活かしてみてください。
①企業について
キャリアプランを考えるうえで、志望企業のことを知っておくことは不可欠です。企業ごとにおこなっている事業も違えば働く環境や求められるものも違うでしょう。その企業でどのようなキャリアを歩みたいか考えるための視点をいくつかお伝えします。
業務内容
- 業務内容:会社の事業をスムーズにおこなうために仕事を細かく分けたもの
たとえば百貨店事業をおこなう会社においても、その業務内容は販売だけに限りません。販売するための商品を仕入れるバイヤー業務もあれば、販売員を集めるための採用活動も業務内容のひとつです。
おこなう業務によって、そこから得られるスキルも変わるはずです。得られるスキルが違えば、そのスキルを活かしたキャリアプランも変わってくるでしょう。キャリアプランにつなげるために、その事業の中でどのような業務がありどのようなスキルを得られるかを知っておきましょう。
業務内容そのものやその把握の仕方はこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事
企業研究に必須! 業務内容の把握・活用方法を具体例付きで解説
業務内容を把握するのは、企業研究をする上で必須! 今回は部署別の業務内容について紹介し、業務内容を把握する方法をキャリアアドバイザーが紹介します。業務内容を把握すべき理由も紹介するので、企業研究をする際の参考にしてみてください。
記事を読む
求める人物像
「求める人物像」に含まれる要素としては、勤続年数の長さが挙げられます。企業によっては、自社で長く働き続けることで利益を生み出して自社に貢献してほしいと考えるところもあれば、スピード感を重視し速く利益に結びつけることや従業員の離職を今後のキャリアへのステップアップとして推奨している企業もあります。
また、顧客目線に立つことを重要視している企業にとって、企業や自分の成長ばかりを今後のプランとしてアピールしてもあまり刺さる回答にはならないでしょう。
企業が採用したいと思う学生には何が求められているのかを把握しましょう。そうすることで、キャリアを描く方向性も大きく変わってくるはずです。
キャリアパス
キャリアプランを考える際は、すでに企業で定められているキャリアパスに沿って考える必要があります。たとえば小売業の企業の中には、将来的に商品企画がしたいと考えていても、入社後すぐは必ず現場で販売業務に携わらないといけないところもあります。
その場合は、その企業において企画職に着くためには現場経験がどれくらい必要になるのか、そのほかにキャリアパスとして通らなければならない道はあるのかなどを調べておく必要がありますね。キャリアプランを考えるには企業が設けているキャリアパスを先に理解しておくことが欠かせません。
②目指すべきキャリア像
一言で「キャリア」といっても、歩みたいキャリアは人それぞれです。キャリアを積んだ先の目指すべき像としていくつかの例を紹介します。自分がどのような形で働きたいか、ぜひ参考にしてみてください。
スペシャリスト
- スペシャリスト:ある分野に特化して知識や技術を研鑽してきた人
キャリアを積み重ねるのにも、さまざまな道があります。その中で専門分野に特化して技術や知識を積み重ね、その道のスペシャリストを目指すのもひとつのキャリアプランです。
「その仕事を一生やり続けたい」という人はスペシャリストの道を検討しても良いでしょう。ただし、企業によってはジョブローテーションとして数年の間にさまざまな部署を経験させるところもあるため、企業のキャリアパスや部署異動の有無などは事前に確認しておく必要がありますね。
ジェネラリスト
- ジェネラリスト:幅広い経験や知識、技術を兼ね備えた人
スペシャリストが専門的知識の持ち主であるとすれば、ジェネラリストは総合的な知識の持ち主だといえます。ひとつの分野に特化するのではなく幅広くさまざまな分野の知識をつけることで、さまざまな部署を執りまとめたりします。
ジョブローテーションの仕組みを取り入れている企業だとジェネラリストの道を目指しやすいといえるでしょう。状況の変化に柔軟に対応することができるので、企業全体を包括し理解しておく必要のある人事や総務などの部署において求められる存在といえます。
マネージャー
- マネージャー:チームや組織をまとめ指揮を執る人
企業や職種によってマネージャーの定義は変わりますが、共通するのはチームや組織をまとめ指示を出す存在であるということ。また顧客との窓口をおこなうこともあります。部下の素質を見極め、やるべきタスクをメンバーに割り振り、プロジェクトや仕事の達成までの式を執る存在です。
マネージャーの場合、自ら手や体を動かして何かをするよりも、部下とタスクとを見極めて適切な人員配置をおこなうなど、チームをまとめる仕事のほうが大きくなります。人を統率したい、人の上に立ちたいと考える人はぜひ目指すべきポジションですが、自分で手を動かし続けたいと考える人には不向きかもしれません。
プレイヤー
- プレイヤー:マネジャーの指示のもと自ら動き成果を追う人
マネージャーがチームを取りまとめる存在なら、プレイヤーはそのチームに属するメンバーです。マネージャーからの指示をもとに手や体を動かして成果を追います。人をまとめるよりも、現場で長く働き続けたいと考える人には向いているといえるでしょう。
どんな業界にせよ、新卒で入社した学生はまず初めにプレイヤーとして現場経験を積むことがほとんどです。そのためプレイヤーになることを最終的なキャリアプランとしてはじめに伝えてしまうのは、向上心のなさを疑われてしまうかもしれません。キャリアプランを述べる際は、先ほどお伝えしたスペシャリストなどと掛け合わせながら、プレイヤーで「あり続けたい」と伝えるようにすると良いですね。
経営者
- 経営者:ひとつの企業を設立し経営をおこなう人
ひとつの会社で生涯働き続けることが当たり前ではなくなってきた世の中で、ゆくゆくは起業し経営者になりたいと考える人もいるでしょう。経営者になる道もキャリアプランのひとつです。
ただし、経営者になるということは志望企業からいつかは離れるということでもあります。自分の会社を持つためにその企業で何を学び、かつ自分が学ぶだけではなくその企業の成長にどのように貢献できるかも併せて考えておく必要がありますね。また企業の傾向として長く働き続けることを求めている会社では、あまり良い印象を持たれない可能性もあるので注意しましょう。
フリーランス
- フリーランス:企業に属さずさまざまな企業からの依頼のもと、自分の技術を提供する人
フリーランスは、ひとつの企業に属さずにさまざまな企業と業務提携を結び、自分の技術を提供する人のことを指します。業務提携先に求められる成果物を作成することが仕事になるので、時間に縛られずに自分の好きな時間で働くことができます。自由なライフスタイルを築きたい人、自分のスキルを売りたい人にはおすすめのキャリアでしょう。
しかし、経営者同様フリーランスもいつかは志望企業を退職するということになります。いつかはいなくなるとわかっている人を採用することにリスクを考える企業もあるので、目指す将来像の中で自分がその企業にどう利益をもたらすことができるかはよく考えておきましょう。
別職種
新卒は仕事に活かせる経験もスキルも持ち合わせていない場合が多いため、就ける職種に限りがあることもあります。たとえば学生に人気のマーケティング職ですが、ファーストキャリアからマーケティング職に就ける企業はごくわずか。多くの場合は販売や営業など、商品に触れる経験を何年か積んだのちにやっとマーケティング職に配属される流れになります。
そのため、キャリアプランとして別職種を挙げるのも良いでしょう。なりたい姿に向けて、どのような知識や経験が必要なのかを逆算できていることが伝わるため、自主性や計画性を強く感じることができます。
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簡単3ステップ! キャリアプランを考えてみよう
ここまででキャリアプランを考えるために必要な要素を紹介してきました。それらを踏まえて、ここからは実際にキャリアプランを考えてみましょう。
働いたことがない学生にとって一見考えるのが難しそうなキャリアプランですが、実は3ステップで簡単に形にすることができます。これから説明する3ステップに沿って、ぜひ一緒に考えてみてくださいね。
ステップ①自己分析をする
キャリアプランを考えるためには、まずは「自分がどうなりたいか」を考えることが欠かせません。特にうまく将来像をイメージできない学生の場合、そのヒントはこれまでの経験に隠されていることが多いです。まずは自己分析から過去の自分を遡ってみましょう。
ここでは、部活やアルバイトなどこれまで所属してきた組織内でどのような立ち位置でどのような動きをしてきたか、また居心地が良いポジションは何だったかを理解する程度でかまいません。また、その立ち位置を確立するまでにどれくらいの時間を要してきたかも思い返してみましょう。その長さが将来像をかなえるための期間の目安ともなります。
自己分析についてはこちらの記事でその方法をいくつか説明しています。ぜひ試してみてください。
関連記事
自己分析の質を上げる4つの方法|オススメの本・サイトも紹介
こんにちは!キャリアアドバイザーの北原です。この記事では、自己分析の目的や具体的な方法についてご紹介していきます。自己分析とは、自分の過去の経験を整理して、長所や短所などの性格や物事に対する価値観について理解を深めること […]
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ステップ②将来なりたい像を具現化する
自己分析でこれまでにどのような役割でどのように立ちまわってきたかがわかったら、それをもとに将来なりたい像を具体的に言葉にします。
たとえば、組織のトップとしてチームをまとめることが多かった人は「マネージャー」の道を検討しても良いかもしれません。人より優れていることにこだわりたい人は「スペシャリスト」、組織の調整役だった人は幅広い視野が必要な「ジェネラリスト」というように考えてみると良いでしょう。
キャリアアドバイザー
役職だけでなく、「誰もが知るヒット商品を生み出す」などとやりたいことベースで考えるのでもかまいませんよ。
ライフプランを視野に入れるのもアリ
就活生
将来的には家庭をもって出産もしたいけど、キャリアにもできるだけこだわりたい!
たとえばこのように、キャリアもライフイベントも大切にしたいと考える人もいるでしょう。この場合は専門分野への知識やスキルを特化させ、スペシャリストの道を検討することができますね。また、同じ企業で働き続けることはもちろんですが、家庭と仕事とを両立させたいならその専門知識を活かしフリーランスの道を歩むこともできるでしょう。
このように、キャリアプランを考える際はライフプランも視野に入れてみるとさらに考えやすくなるでしょう。
ステップ③現状と理想のギャップを埋める方法を考える
「キャリアビジョン」を問われた際は、ここまでの2ステップで完結しても良いでしょう。しかしキャリアプランは「そのビジョンをかなえるための計画」である以上、現状からその理想像に到達するために現状不足しているものも明確にしておかなければなりません。
今の自分と目指したい将来像とを比較して、自分に何が足りないのかを逆算して考えます。
将来はマネージャーになりたい!
↓
組織のマネージャーになるには能力やスキルを裏付けるマネジメント経験が必要
↓
ひとつの小さなプロジェクトをマネジメントする実績が不足している
↓
まずは目先の関わっているプロジェクトでの実績を積み重ね、新人賞を受賞する!
将来はIT系の仕事のスペシャリストになりたい!
↓
業務では○○というITスキルを使うことが多い
↓
現状はまだ完璧にそのITスキルを使いこなせていない
↓
まずは実務経験を積みつつ、関連資格を取得する!
キャリアアドバイザー
このときは先ほどお伝えした企業についての情報とも見比べながら考えてみてくださいね。
細かく年数を区切って考えることも大切
企業によっては、「10年後の自分は何をしていますか?」などとそのキャリアを細かく限定した質問がされることもあります。また、細かく年数を区切って「○年後までに~~を実現する」と回答できれば、回答にさらに現実味が増し将来像を詳細にイメージできている様子が伝わりますよね。
キャリアプランを考えるときは、具体的に「何年後にかなえたい将来像か」、そして「そのために何年後にはどのようなスキルや知識を習得していたいか」を細かく考えておくと良いでしょう。
10年後の自分を考える方法についてはこちらの記事で詳しく解説をしています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事
【例文11選】「10年後の自分」は5つの方法で見つけられる!
10年後の自分についてを面接で聞かれることはよくあります。そこでうまく回答することができなければ、せっかくのチャンスを活かせないばかりか、マイナスな印象につながってしまうことも。対策必須の頻出質問と言えますよ。この記事ではキャリアアドバイザーのアドバイスを交えて、10年後の自分の考え方から、回答方法、また回答の参考となる例文を11個紹介しています。就活対策としてとても役立つ記事なので、ぜひチェックしてくださいね。
記事を読む
キャリアプランは完成後のチェックも抜かりなく!
実際にキャリアプランができたら、それが企業に評価されるものであるか確認作業も怠らないようにしましょう。せっかく考えたキャリアプランですから、企業にも高く評価されたいですよね。自分のキャリアプランが以下の項目を満たしているかを確認しておきましょう。
仕事に関係があるものか
就活生
私は将来家庭を持って自分の親のような母親になりたいです!
キャリアプランはその言葉の通りあくまでも仕事における「キャリア」の計画です。プライベートを重視しすぎた回答は避けるようにしましょう。先ほどライフプランも交えて考えても良いとお話ししましたが、あくまでもライフプランは目指すキャリアをかなえるための参考程度に捉えるようにしてください。
採用活動はその企業をさらに成長させるためにおこなわれます。大前提として、企業に自分を採用するメリットを感じてもらう必要があることは押さえておきましょう。働くうえでどのような人材になりたいかを示すようにしてくださいね。
実現可能か
就活生
1年以内に社長になります!
キャリアプランはあくまで未来予想図です。また、学生はまだ社会人になってまもないため、ある程度は夢物語のようなプランを伝えても大きく評価に響くことはないでしょう。しかし、あくまでも今後自分がそのビジョンに向けて歩んでゆくためのプランであることは忘れないようにしましょう。
飛躍しすぎていたり、突拍子がなく実現が難しそうなプランでは、「社会人としての基礎知識が足りない」とマイナスな評価になってしまうこともあります。また、ビジョンのみで過程がない回答も、あまり現実性を感じることはできません。あくまでもかなえられそうな目標を掲げたうえで、それに対しどのように努力を重ねていくのかという過程の部分を盛り込むことが大切です。
企業の方向性と合っているか
就活生
将来はマネージャーになりたいです。そのために、一年目から現場の最前線に立ち多くの契約を獲得し、御社の売上に貢献したいです。
面接官
(うちはお客様の立場に立つことを一番に考えているけど、この学生は売上や契約獲得ばかりを考えてしまわないかな……。)
どの企業も、企業理念や経営方針など、その企業として大切にしていることや将来のビジョンなどがあります。もちろん個人の将来像は自分自身のものなので、自由に考えてかまいません。しかし、その夢が志望企業と沿わないものであった場合は、ミスマッチと判断されてしまうこともあります。
企業の方向性と自分の方向性が合わなければ、その企業で夢の実現がかなえられず志半ばでその企業から離れてしまうことになるかもしれません。なりたい将来像がその企業の方向性と合っているかきちんと確認しておきましょう。
その企業だからこそ叶うものか
就活生
将来もプレイヤーとして、一生涯現場で働き続けていたいです。
面接官
(それって別にうちじゃなくても働き続けられるよね……?)
学生によくあるのが「仕事を通じて成長したい」「ずっと第一線で働き続けたい」などという回答ですが、これではどの企業、さらにはどの業界でもかなえられそうな将来像と捉えられてしまうこともあります。将来像としてはおかしくありませんが、その企業への志望度や熱意の高さは感じることができません。
また、海外進出の予定がない企業で「将来はグローバルに活躍できる人材になりたい」と述べても、逆に「自社のことをまったく調べていない」と判断され、マイナスの評価になってしまうことも考えられます。
キャリアプランを語る際は、その企業の事業内容や業務内容を盛り込むことを忘れないようにしましょう。「その企業での仕事を通じて成し遂げたい将来像」であることをアピールできると良いですね。
志望理由と一貫性があるか
就活生
御社の魅力的な製品を私が先陣を切って日本全国、ひいては海外にまで広げていきたいと思っています。
就活生
以前から人と人とを仲介する役回りであることが多かったので、将来はジェネラリストとしてさまざまな部署と部署とをつなぐ潤滑油のような存在になりたいと考えています。そのために~
面接の場でよくきかれる志望動機ですが、志望動機の締めなどでは「入社後にやりたいこと」などとして自分の未来図を述べることがあります。そういった志望理由とキャリアプランに齟齬がないようにすることも大切です。
上記の例だと、志望理由からは営業職として製品のシェア拡大のために長く現場で活躍してくれそうな印象を持ちますが、キャリアプランでは部署にこだわっていないように感じられます。これでは、実際にその企業でやりたいことはもちろんその将来像にも信憑性が感じられませんよね。
志望動機とキャリアプランの内容がかけ離れていると、それぞれの完成度がどんなに高かったとしても総合的にみると一気に説得力が下がります。内容に一貫性をもたせることは忘れないようにしましょう。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
近年では、育児休暇、在宅勤務や副業解禁などさまざまな制度を活用している企業が多くなってきました。当然こうした制度を使うことは労働者の権利ではありますが、キャリアプランを伝える際にそればかりを強調することは避けましょう。
たとえば、「〇年後には子育てもおこないたいので、〇年間は育児休暇を取りたい。復帰後も、しばらくは在宅勤務で子育てとの両立を図りたい」と思っている学生がいたとします。今後もこのような希望を持つ人は増えていくでしょうし、企業としても対策を練る必要はあります。
しかし、面接の場ではこのような制度利用に関する希望ではなくて、できれば「途中で私生活に変化が起きるかもしれないが、そのときにできる最大限の力を発揮しながらキャリアアップをしたい」くらいに留めておくといいでしょう。あくまでもキャリアプランは、仕事で具体的にどのようなことに携わりたいのかに重きを置いて話せるようにしましょう。
面接でのキャリアプランの答え方
満足いくキャリアプランができたところで、ここからは実際に面接でキャリアプランを問われた際にどのように答えるべきかを解説します。せっかく良いキャリアプランが考えられても、それが面接官に刺さらないのは残念ですよね。どのようにアピールすべきかを一緒に確認していきましょう。
①最終的な目標を伝える
就活生
私は将来お客様からご指名をいただけるような、販売員のプロになりたいです!
キャリアプランは現状から将来のビジョンまでの過程を示すものです。そのため、まずは将来なりたい姿を簡潔に述べるようにしましょう。
キャリアプランに限った話ではありませんが、話をわかりやすく伝えるためにはまず結論から先に述べてしまうことが大切です。先になりたい像を述べることで、このあとあなたがどのようなプランを考えているのか、面接官の興味を掻き立てることができます。
②目標を叶えるための計画を伝える
就活生
入社後はまず現場で接客の基礎を学びます。御社では3年間は半年~1年スパンで店舗異動があるとお伺いしたので、その期間はさまざまな人の接客を学ぶ機会にできればと思います。そのうえで、3年後にはまずはひとつのお店に腰を落ち着けて、お客様との信頼関係の構築に務め、ゆくゆくは一日にさまざまなお客様から指名が入るような販売員になりたいと考えています。
目標をただ述べるだけではそれは「プラン」とはいえません。目標達成に向けた計画こそがキャリアプランであるため、この計画の部分は特に力を入れて伝えましょう。
このとき、先ほどお伝えしたようにキャリアを1年後、3年後、5年後、10年後などと細かく区切って伝えるのがおすすめです。年次ごとの目標ややるべきことがはっきりしていると、計画性の高さも感じられるほか最終的な目標を見失わずに進んでいきそうな印象も持てますね。
③達成に向けてしていくべき努力を伝える
就活生
現在の私は、自分の祖父母世代への接客は得意としているのですが、同年代の客層との会話に苦手意識を感じています。入社後の3年間はその点の強化に努めていきたいです。また、指名を受けるためにはその人それぞれに合った商品の提案が欠かせないとも考えています。接客スキルももちろんですが、お客様一人ひとりに最適な商品のご提案ができるよう自社製品への知識もよりつけていきます。
なりたい将来像と現在の自分の間には何かしらのギャップがあるはずです。そのギャップを埋め、将来像をかなえるためにやるべき努力を伝えることも忘れないようにしましょう。プランそのものだけではただの願望と捉えられかねません。
キャリアプランを「計画」だけで終わらせずどのような努力を重ねていくかも伝えることで、そのキャリアプランに説得力がつくほか必ずかなえる意志の強さのアピールにもつながりますよ。
39点以下は要注意!面接を受ける前に面接力を測定しよう!
やみくもに面接を受ける前に、自分の面接力を知っておくことが大切です。
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キャリアプランが見つからない…困ったときの答え方
就活生
うーん、やっぱりうまくキャリアプランを想像することができません!
キャリアアドバイザー
まだ社会人経験もないし、人によっては少し難しいですよね。少し違った考え方のヒントを教えるので、ぜひ参考にしてみてください。
まだ企業で働いたことがない学生からすると、キャリアについて考えるのはどうしても少し難しいものでしょう。ここまでの解説を踏まえてもキャリアプランを描くことができない人に向けて、少し違ったキャリアプランの考え方を説明します。
①役職ではなくスキルベースで答える
ここまで、キャリアプランを考えるためのヒントとして「マネージャー」「スペシャリスト」などの役職をお伝えしてきました。しかし、役職ベースでうまくキャリアプランを考えられない場合は、「何になりたいか」ではなく「どんなスキルを付けたいか」という視点で考えても良いでしょう。
自分が就くであろう・就きたい職種で活かせそうなスキルを考えてみましょう。困ったときは社会人の先輩にたずねたり、インターネットで検索してみても良いかもしれません。そしてそれらのスキルをどの順番でいつ頃までに取得していくか計画を立てます。それだけでも立派なキャリアプランができあがっていますよ。
キャリアアドバイザー
特に現在は転職が当たり前の時代になり、かつ専門的スキルを持った人材の需要が増加しています。専門スキルの取得はどの企業や業界でも使えるあなただけの武器にもなりますよ。
②これから見つけていく姿勢を見せる
どうしてもキャリアプランが思いつかない人は、正直に「まだ考えられていない」と述べるのもひとつの手です。ただしその際は、その企業で働きながらキャリアプランを考えていく姿勢を見せることが重要です。
「ない」と述べるだけでは、自主性や積極性が感じられず、ただ何となく仕事をこなしていくような受け身な姿勢に受け取られてしまいます。企業はキャリアプランをたずねることで自主性の有無を測っています。今はまだはっきりとしたプランがなくとも、これから見つけていくと伝えることで前向きに仕事に取り組む様子をイメージしてもらうようにしましょう。
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どうしてもキャリアプランが見つからない場合には、自分の価値観を伝えるのも1つの手です。たとえば「自分の強みはどんな場所でも柔軟に対応できることだ」と伝えます。そして、与えられた環境でできることをまずはコツコツとこなしていくこと、そうすると道が拓けてくるはずだという価値観をエピソードも交えて伝えます。さらに、そうした強みを活かすために、なぜその企業がいいのかという理由を付け加えます。具体的には、〇〇という経営方針があるから、先輩社員のキャリアパスが〇〇だから、などが挙げられるでしょう。
ヒントにするために、時には世の中に多種多様に存在する適性検査の結果を参考にしてみてもいいでしょう。ただし、SPIなど企業に伝わっている適性検査の結果とまったく違う内容を伝えてしまわないように注意をしてください。
現段階でキャリアプランを明確に見つけることができなくても、自分の言葉で誠実に伝えることができれば、企業に対して何か訴えかけることができるはずですよ。
【職種別】キャリアプランの例文6選
ここからは、キャリアプランの例文を6つ紹介していきます。学生がファーストキャリアでよく就く職種と、そこから考えられるキャリア像とを掛け合わせた例文になっているので、自分の目指す将来像があればぜひ参考にしてみてください。
キャリアプランの例についてはこの記事でも紹介しているので、こちらも併せて確認しておきましょう。
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キャリアビジョン例11選|例文から選考で刺さるビジョンを作成!
就活においてキャリアビジョンを考える際は、例を参考にするのも方法の1つです。この記事では例だけでなく、キャリアビジョンの考え方についてもキャリアアドバイザーが詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください
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営業職×スペシャリスト
私は将来営業職のスペシャリストとして、第一線で働き部署一の契約数を誇る存在になりたいと考えております。
入社後半年ほどは先輩の営業に帯同させていただくことが多いと思いますので、まずはそこで営業テクニックやノウハウを学んでいきます。また顧客には「ぜひ契約したい」と思ってもらえることが重要だと思っています。自分がその商品のファンでなければ相手にその魅力は伝えられないと思うので、まずは自分が商品知識を付け、誰よりも商品に詳しくなろうと考えています。商品知識、トークスキルなどを地道につけ、時期に制限は設けずに、営業一筋で頑張りたいです。
人に何かを伝えることは得意ですが、人の話をよく聞いたり推察することが苦手に感じています。今後はその点を特に強化していくことで、営業に必要なスキルの研鑽に励んでいきたいです。
キャリアアドバイザー
「第一線で働きたい」という言葉を使いつつも、しっかりと具体性のある内容になっていますね。苦手な部分に対しても誠実に向き合っていこうという姿勢が感じられる例文です。
営業職×経営者
以前から自分のやりたいこととして経営者になることを掲げていました。やりたいことに合致する企業を探すよりも、自分でやりたいことを始めることが自分の希望通りの仕事ができると考えたためです。
とはいえ現状はビジネスに関する知識やスキルがありません。その中で、商品はもちろん企業そのものを売り込み、何かあったときに自社を守るために欠かせないものが営業力であると考え、まずは御社で営業力をつけようと考えております。
5年後には経営者として独立を考えております。限られた時間で営業力を身に付けるにはスピードと効率が大切だと思うので、御社において1年目はまずはがむしゃらに仕事にぶつかっていこうと思います。2年目以降は新規の顧客獲得などに力を入れ、御社のさらなる成長と人脈の拡大に力を入れていきたいです。3年目以降は営業職についての理解が深まってきていると思うので、その時点で必要なもの・さらに伸ばすべきものを取捨選択して効率良く営業力をつけていきたいです。
キャリアアドバイザー
最終的には独立を考えているという内容ですがそこで終始せずに、企業へどう貢献していくかというところがきちんと話せている例文ですね。
販売職×企画職
私は御社において、多くの消費者に愛されるお菓子を一から作りたいと考えております。
御社では企画職に就くためには、現場での実務経験が数年必要だと伺っております。まずは販売員として現場で働きながら、お客様のリアルな声や実際のニーズを理解していく機会にします。そのうえで、セカンドキャリアで企画職に就ければと考えているので、商品の見せ方やお店の装飾など、商品にこだわらずできる場面でさまざまな企画を自主的に考え出していきたいです。
キャリアアドバイザー
セカンドキャリアについて触れている例文です。企画職に就くために必要なスキルに関してすでにリサーチを重ねてきていることが良くわかりますね。
販売職×マネージャー
私は将来はエリアマネージャーとして周辺地域の店舗を統括する立場になりたいです。
もともと人をまとめることが得意で、部活やアルバイトでもリーダーのポジションを任されていました。チームをまとめることが自分のモチベーションにもつながるので、エリアマネージャーになることで常にモチベーション高く働きたいと考えています。
初めは一店員として、経営や販売の基礎を学んでいきます。その後1年でまずはチーフのポジションにつき、ひとつのチームをとりまとめたいです。そこからおよそ5年ほどでマネージャーに昇格する人が多いと伺っておりますが、3年ほどでマネージャーまで登り詰められればと思っています。
私は人と話すことや人をまとめることが好きで得意なことではありますが、次に何が売れるかなど、情報を集めてこれからの流れを予測することが苦手です。現在は新聞やニュースを積極的に見るなどして、情報収集の癖づけに励んでおります。入社後は収集した情報を現場に活かすことを学び、マネージャーとして必要な、仕入れるべき商品の選択など、技術的な面を鍛えていきたいです。
キャリアアドバイザー
数字をを用いて短期的な目標と中長期的な目標の2つの視点でキャリアプランについて話している点が好印象な例文ですね。苦手な物事に対する努力も垣間見えます。
事務職×スペシャリスト
私は将来事務職のスペシャリストとして、会社全体を円滑に回せるようになりたいです。
几帳面さや周囲に求められていることを先んじておこなえることが自分の強みだと感じております。入社後はいち早く仕事に慣れ、迅速かつ正確な業務をおこなうことを目標とします。その後は周囲のサポートだけでなく、業務フローの改善提案もできるようになり、事務部門はもちろん会社全体の効率的な運営に貢献したいと考えています。そのために、現在はまず事務職に活かせそうな簿記や経理、PCスキルの習得に勤しんでおり、ゆくゆくは事務にかかわる資格の取得もできればと思います。
キャリアアドバイザー
自分の強みをキャリアプランの話に上手に盛り込めている点が良いですね。資格の取得の話でまとめている点も向上心がうかがえます。
技術職×フリーランス
私は将来どこにいても、どのような状況でも職に困らないようになりたいと考えています。自分の母親が仕事で忙しく家にいないことも多かったため、今後結婚・出産をしたときに家庭のことも大切にしたいと思いました。そのような働き方をするために、自分の武器となる専門スキルを習得しフリーランスとして働きたいと考えております。
IT系の技術の中でも、最近は○○というITスキルが主流になっていると感じております。御社の業務でもそのスキルを基にした設計がおこなわれることが多いと伺っているため、御社に入社したあとはその知識やスキルの研鑽に勤しみたいです。具体的には1年かけて関連資格の2級を、そして2年後には1級を取得したいと考えております。このスキルの取得が御社の成長にもつながると考えているため、自分の成長を御社の成長にしっかりと活かします。
キャリアアドバイザー
ライフプランを加味した例文ですが、仕事の話とのバランスが取れているので企業にマイナスにうつることはなさそうですね。業界の動向についての知見も評価されそうです。
頻出注意! 「キャリアプラン」によく似た質問と回答のヒント
就活生
この間面接で「将来の目標」について聞かれました。用意してなかったので、咄嗟にキャリアプランを答えてしまったのですが、合っていたのでしょうか……。
キャリアアドバイザー
そうだったんですね。基本的には大きくかけ離れてはいないので安心してください。一応キャリアプランとよく似た質問の回答方法についてお伝えしておきますね。
面接では、キャリアプランのように学生の未来を問う質問がいくつかされます。将来にまつわる質問である以上、答え方やその内容にキャリアプランとの違いはそこまで大きくあるわけではないですが、それぞれで回答にコツがあります。この機会に類似質問の答え方も押さえておきましょう。
将来の目標
将来の目標は、先ほど説明した「キャリアビジョン」と同じようなものだと捉えると良いでしょう。仕事において成し遂げたいことやなりたい姿を指します。
「将来の目標」は目標そのものにフォーカスして答える必要があります。そのため、目標そのものに加えてその目標を掲げる理由やきっかけなども回答に組み込むことが大切です。
ただし、面接で将来の目標を問われたからといって目標やその理由だけを伝えるのではあまり響きません。その目標を叶えるための道のりや、今している努力、これからやるべきことなども併せて伝える必要があります。その過程の部分はまさにキャリアプランと同じだといえるでしょう。
将来の目標を答える際は、その目標に関する話も踏まえたうえで、その目標をかなえるためのプランも併せて伝えるようにしましょう。
将来の目標の回答を考える際はこちらの記事を参考にしてみてください。
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将来の目標は、入念な自己分析や企業研究をおこない明確に答えると活躍イメージを持ってもらえます。 この記事では企業が将来の目標を聞く意図、回答のポイント、目標の決め方などをキャリアアドバイザーが解説します。 動画や例文も参考に自分のキャリアに向き合いましょう。
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将来の自分
「将来の自分」も、キャリアビジョンと大きな違いはないと捉えて良いでしょう。しかし「将来の目標」や「キャリアビジョン」に比べて、少し抽象的なものだと考えてみてください。
たとえばキャリアビジョンでは「マネージャーになりたい」と表していたものを「仕事においてさまざまな人に頼られる存在になりたい」と表すように、働くうえでどのような自分でいたいかを述べられればそれが「将来の自分」の回答になります。
またキャリアビジョンでは「○○を成し遂げたい」というように、やりたいことベースでキャリアを考える人もいるでしょう。しかし将来の自分はあくまでも「社会において自分がどのような人になりたいか」という視点で答える必要があります。答え方としては「~~存在・人になりたい」と述べるのが良いですね。
将来の自分の考え方についてはこちらの記事を読んでみると良いでしょう。
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面接で「将来の自分像」を聞かれることは少なくない こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。面接で志望動機と並んでよく聞かれる質問項目が「将来の自分像について」です。具体的に、「5年後、10年後の自分の姿をどう想像して […]
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入社後にやりたいこと
将来の目標や将来のビジョン、キャリアプランは自分のキャリア全体を見据えた広義の質問になります。しかし「入社後にやりたいこと」はもう少し狭義であり、かつなりたい自分についてはあまり触れなくてもかまいません。
あくまでも「入社してからその企業でやってみたいこと」であり、将来像と結びつけなければならないわけではありません。今後のキャリアについて知りたいという意図はそれほどないので、ここでしっかりキャリアプランを語ってしまうのは「質問の意図を理解できていない」と逆効果になる恐れもありますので十分注意しましょう。
その企業ならではのキャリアプランで入社後の姿を想像させよう
学生にとってキャリアプランを考えることは少し難しいかもしれません。しかし、キャリアプランは社会人になる自覚があることや、その企業で働くイメージが詳細に持てていることの表れでもあるため、面接ではよくたずねられる質問です。ここをきちんと答えられるかが合否に関係するといってもおかしくないでしょう。
志望企業ごとに描けるキャリアプランもさまざまです。自分がなりたい将来像と、志望企業とを掛け合わせながら、オリジナルのキャリアプランを描いてみてくださいね。
この間企業の面接でキャリアビジョンを問われたのですが、キャリアプランとキャリアビジョンは違うものなのですか?