就職四季報を活用しよう|3つのメリットと見るべき情報10選を解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. 就職四季報の活用方法を理解して就活を進めよう
  2. まずは就職四季報とはどのようなものかを理解しよう
  3. 就職四季報とは就職活動の役に立つ企業情報が網羅されたもの
  4. 就職四季報に載っている情報
  5. 就活で利用したい5種類の就職四季報
  6. ①就職四季報 総合版
  7. ②就職四季報 優良・中堅企業版
  8. ③就職四季報 女子版
  9. ④就職四季報 企業研究・インターンシップ版
  10. ⑤就職四季報 プラスワン
  11. 就職四季報を使うメリット
  12. ①業績や選考方法をまとめてチェックできる
  13. ②具体的な数字で定量的に企業を判断できる
  14. ③企業の全体像の理解が深まる
  15. 知っておこう! 就職四季報を使う際の注意点
  16. ①すべてが正しい情報とは限らない
  17. ②志望業種が決まっていないのに就職四季報を頼らない
  18. ③就職四季報の情報を参考にしすぎない
  19. 就職四季報を利用するのがおすすめな人
  20. 統計データに明るい人
  21. 年収や出世を志望企業選びの基準にしている人
  22. まだ志望企業が決まっておらず大まかな情報が欲しい人
  23. 就職四季報を買うのにベストな時期
  24. 買うなら大学3年生の4月がおすすめ!
  25. ライバルに差がつく! 就職四季報で見るべき情報10選
  26. ①エントリー情報
  27. ②採用プロセス
  28. ③男女別の採用数
  29. ④配属先
  30. ⑤3年後離職率
  31. ⑥有休消化年平均
  32. ⑦平均年収
  33. ⑧業績
  34. ⑨今後力を入れる事業
  35. ⑩NDとNAとは
  36. 就職四季報を利用して就活を有利に進めよう!

就職四季報の活用方法を理解して就活を進めよう

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、

「就活のために就職四季報を購入したのですが活用方法がわからないです」
「就職四季報って何種類かありますが、それぞれの違いについて知りたいです」

といった質問を受けます。就職四季報はインターネット上ではなかなか手に入れられない情報も載っていて、うまく活用できれば周りと大きく差をつけることができる武器になるため、活用方法を理解して就活を進めることが大切です。

そこで今回は就職四季報の活用方法について徹底解説していきます。この記事を読むことで就職四季報を使っての就活の進め方がよくわかり、知らないライバルと大きな差をつけることが可能になりますよ。

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まずは就職四季報とはどのようなものかを理解しよう

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就活生

就職四季報ってよく聞きますがどういうものでしょうか?

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キャリアアドバイザー

会社四季報は聞いたことがあると思いますが、発行元は同じ東洋経済で、就職活動用に情報をまとめたハンドブックと理解しましょう。

まず初めに就職四季報とは何かについて説明します。就職四季報と聞いてもそもそも何なのか、会社四季報と何が違うのか、という疑問が残ると思います。そんな疑問に答えながら、就職四季報に記載されている基本情報について紹介していきます。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認しましょう

自分に合った職業・合わない職業を見つけることは、就活の成功に不可欠です。しかし、見つけることが難しいと感じる人も多いでしょう。

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強みや性格が分析され、向いている職業・向いていない職業が診断できます

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就職四季報とは就職活動の役に立つ企業情報が網羅されたもの

就職四季報とは学生が知りたい企業の基本情報を完全網羅しているガイドブックのようなもので、多数の情報が詰まっているため就活を進めるのに役立つ書籍です。

最近ではインターネット上で情報を集めることも多くなっていると思いますが、どうしてもネットは誰の意見かがわからず信憑性に欠けることもあります。そこで、企業研究のために信頼できる書籍の一つとして、就職四季報を購入するのはおすすめできます

正直、就活で就職四季報を使わなくても進めること自体は可能ですが一冊に多数の情報が詰まっている書籍はほとんどないと言えますし、正しく活用することで他の学生と大きな差をつけられることもまた事実です。

一般的な四季報との違い

四季報は会社四季報と就職四季報の二種類がありますが、前者は金融や株式に関してのデータが豊富に掲載されており、株式投資をするために重宝されるハンドブックです。

一方、後者は学生が企業研究を進めるために必要となるエントリーや選考情報、給与体系や福利厚生などの情報がたくさん載っています。

就職四季報の方が志望企業を選ぶときに必要な情報が詰まっていますから、就活のために利用する場合にはそちらのほうが良いでしょう

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キャリアアドバイザー

就職四季報は会社四季報とは違い、経済界の中でその会社の位置づけや業績の伸び具合、ビジネスの状況という部分はあまり載っていない点は理解しておきましょう。

就職四季報に載っている情報

就職四季報には企業のあらゆる情報が掲載されています。

さまざまな情報を他のサイトで企業ごとに調べることは非常に時間がかかりますし、自分で企業の比較をしようとしても、たとえば年収の計算方法1つでも企業によって異なるため一律に比較することは困難です。

そんなときに就職四季報なら統一されたデータとして情報がまとまっているため非常に便利です

就職四季報の記載項目

就職四季報に掲載されている収録項目は次の通りです。

就職四季報の記載項目
  • 社名
  • 本社住所
  • 企業URL
  • 求める人材
  • 新卒文理別採用実績
  • 採用実績校
  • インターンシップ実施有無
  • インターンシッププログラム概要
  • 中途採用数
  • 外国人採用数
  • 留学生採用数
  • 初任給
  • 平均年収
  • 賃金格差有無
  • 平均ボーナス
  • 25歳平均賃金(最高、最低含む)
  • 30歳平均賃金(最高、最低含む)
  • 35歳平均賃金(最高、最低含む)
  • 転職者の給与構成
  • 残業代平均
  • 海外留学制度
  • ジョブローテーション制度 etc

就活に必要となる情報は完全に網羅されています。パラパラとみて項目ごとに企業同士を比較してもよいですし、志望企業に絞って全情報をじっくり確認するのも良いです。

大手の会社・優良会社以外も載っている

就職四季報では大手を志望する学生だけでなく、中小企業を探している学生や、地元で働きたいと思っている学生にとっても非常に有益なデータが得られます。

特に学生の中には大企業ばかりに絞って応募する人がいますが、最初から大手のみに絞ってしまうことは自分の就職活動における選択肢の幅を狭めてしまい、内定率を下げてしまうことにもつながるので危険です

大手や優良会社以外にも条件の良い会社はたくさんありますから、就職四季報の中で探して選択肢を広げるために活用してみましょう。

高橋 宙

キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる

就活四季報は使い慣れておくことが大切!

就活四季報にはたくさんの情報が載っていることがわかったと思います。1冊でこれだけの情報があれば、就活準備も万全だと考える人もいるでしょう。しかし、たくさんの情報を持っていても、使いこなせなければ意味がありません。

就活が本格的に始まると、会社説明会やOB・OG訪問などのイベントが多く開催され、忙しくなります。就活四季報の中にどんな情報がどこに書かれているかを正しく把握しておけば、すぐに調べることができるため、それだけでも他の就活生よりもリードできるかもしれません。情報戦とも言われる就活を制するためにも、就活四季報を何度も開いて活用できるようにしておきましょう。

あなたが受けないほうがいい職業を診断しよう

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就活では、自分に合った仕事が見つからず悩むことも多いでしょう。

そんな時は「適職診断」が役に立ちます。簡単な質問に答えるだけあなたの性格や強みを分析し、適職・適さない職業を提案してくれます

自分の適職・適さない職業を知ることで、自信を持って就活を進めましょう。

就活で利用したい5種類の就職四季報

就活で利用したい5種類の就職四季報
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就活生

就職四季報っていろいろな種類があると聞いたのですが本当でしょうか?

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キャリアアドバイザー

ええ、本当ですよ。全部で5種類あります。

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就活生

どういった種類があって、それぞれどんな特徴があるのか教えてください。

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キャリアアドバイザー

わかりました。詳しく解説しますね。

就職四季報には全部で5種類ありますが、利用するにあたってはそれぞれの特徴を理解しておく必要があります。違いやどんな人向けなのかを理解せずに、やみくもに使ってしまってもうまく活用できません。

まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。

①就職四季報 総合版

こちらはもっともオーソドックスな1冊になります。総合版には企業からの掲載費用をもらっていないため、中立的な立場から約1300社分の詳細なデータが記載されています。離職率や、就活サイトには掲載されにくい裏情報も掲載されているので、かゆい所に手が届く1冊と言えるでしょう

総合版は就活を始めたばかりで、これから広く企業研究をおこないたいと考えている人に向いています。始めの1冊として最適ですので、どの種類を買うかで迷ったらこの総合版がおすすめです。

②就職四季報 優良・中堅企業版

こちらは就職四季報総合版を補う形で出版された1冊です。総合版では国内の上場企業限定で取り上げられていたため情報に偏りがありました。しかし、近年では新卒で中堅やベンチャー企業への就職を希望する学生も多く、その希望に応えて未上場優良企業である4300社が掲載されています。

地方の有力企業や、近年注目されているメガベンチャーなどが多数取り上げられています。大手企業だけでなく、中堅やベンチャー企業の情報にも目を通しておくことで視野が広がります。そのため、大企業だけでなくその他の企業情報を知りたい人にはおすすめの1冊です。

優良企業についてはこちらで解説しています。

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③就職四季報 女子版

女性の社会進出により共働きを希望して働き続ける女性が増えてきました。これに伴い、将来の結婚や出産も考える中で、どのようなキャリアプランを立てられるのかが気になる女子学生もいるでしょう。

女性版は女子学生の悩みに寄り添ってデータが掲載されており、女性目線からの企業研究が可能です。

  • キャリアプランの選び方
  • 産休の取得情報
  • 女性の活躍情報

など、女性として理想通りの環境が整っているかをチェックすることができます。また、女性新入社員の配属先や部署、総合職と一般職の採用人数など、女子学生のための就活情報に特化しているのが特徴です

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キャリアアドバイザー

女子版には「くるみんマーク」や産休や育休の制度が詳しく掲載されています。これにより、女性に優しい企業を簡単に見抜くことができますよ。

④就職四季報 企業研究・インターンシップ版

業界・企業研究や選考を有利に進めるためにインターンへ参加する学生が増えているなか、企業研究・インターンシップ版は本格的な就活時期前の準備段階にいる大学3年生以下を対象とした1冊です。

インターン参加への選考の有無や、本採用選考との関係についても取材されているため、インターンをきっかけに企業研究をしたい人にも役立ちます

この時期はまだどの業界に行きたいのか、業種はどうするのかということが決まり切っていない状況が多いと思いますが、企業研究の仕方、業界・業種選びという就活を始める前に必要となる前提条件を決めるのに最適な1冊です。

インターンへの準備の重要性はこちらで解説しています。

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⑤就職四季報 プラスワン

プラスワンは紙媒体ではなく就職四季報のオンライン版となっており、有料の書籍を購入せずとも無料でコンテンツを閲覧できます。学生向けのコラムが掲載されており、手軽に閲覧して情報収集ができます。

定期的に更新され、最新の就活コラムを見ることができるので、定期的にチェックしてみるといいかもしれません。こちらは、オンラインで会社の情報を得たい、お金を使いたくない学生におすすめです

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キャリアアドバイザー

こちらは企業別の情報を見るというよりも、就活に役立つ情報をコラム形式で閲覧するものですのでプラスワンだけですべてを補うのは難しいですね。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

そんな時におすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけあなたの強み・弱みを分析したうえで、合う仕事・合わない仕事を診断できます

早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

就職四季報を使うメリット

就職四季報を使う3つのメリット

つづいて就職四季報を使うメリットについて紹介していきます。就職四季報を持っていても、そのメリットを理解せずに使うのは非常にもったいないことです。

ぜひこれから解説する3つのメリットを理解して、積極的に就職四季報を活用しましょう。

①業績や選考方法をまとめてチェックできる

就職四季報には出版元である東洋経済が多くの企業からのアンケート回答をもとに作成したデータをまとめて掲載しています。そのため、選考フローや実際の配属先など本来は自分で企業ごとに調べなければならない情報をまとめて見ることができます

また、業績などに関しても算出方法を統一しているため、自力では比較しにくい項目を同じ目線で確認することが可能です。また、過去の業績との比較の項目もありますから、実際就職先候補の企業の業績が伸びているかなど、将来性についても把握できる点は非常に便利と言えますね。

②具体的な数字で定量的に企業を判断できる

就活サイトに載っている企業の口コミは情報の客観性に欠けますが、就職四季報なら、掲載企業から回答された事実に基づく数字から客観的な判断が可能です。

さらにデータの基準が統一されているため、具体的な数字をもとにそれぞれの企業を定量的に判断できます。情報ソースが不明な情報を鵜吞みにするのではなく、東洋経済という信頼できる発行元がまとめた数字をもとに客観的に志望企業を見られる点はおすすめです。

③企業の全体像の理解が深まる

ページの右下には企業のこれまでの業績や、どのような部分に力を入れているのかが記載されています。そのため、今後企業が注力する事業を把握することができ、企業の全体像の理解がさらに深まります。

そして、今後企業が注力する事業を把握したうえで、自分の目指す目標と企業が目指す方向性を合わせた内容をエントリーシート(ES)や面接で答えると、面接官から企業研究を良くしていると思われ、好印象につながることでしょう。

根岸 佑莉子

キャリアアドバイザーコメント根岸 佑莉子プロフィールをみる

隙間時間を使って就活を進められるツールになる!

就活四季報はコンパクトで持ち運びもしやすいのもメリットの一つです。特に面接直前の待合室など、スマートフォンを使用するのはあまり好印象ではないと言われています。その際に就活四季報を1つ持っておけば、会社の基本情報を再度確認できるのでそれだけでも面接対策になりますよね。

いつでもどこでも会社の情報を調べることができるのは、就活四季報ならではの利点です。就活をある程度進めている人でも、本腰を入れていない人でも、就活四季報を読むだけで学べることはたくさんあるので、隙間時間を有効活用して就活を進めましょう!

知っておこう! 就職四季報を使う際の注意点

メリットの大きい就職四季報ですが注意が必要な点もあります。特に企業が回答した事実に基づくデータであるからといって、盲目的にそれらを信じるのは危険です。批判的な観点からデータを読み取ることを忘れずに、他のサイトからの情報などを総合的に考えて判断をするようにしましょう。

①すべてが正しい情報とは限らない

就職四季報のデータは基本的に掲載企業からのアンケートがもとになっているためデータの信頼性は比較的高いものです。一方で、すべての情報が正しいとは限らないということも認識しておきましょう。

たとえば、平均残業時間の数値は企業側が把握している実績値であり、サービス残業の時間は含まれていない点は理解しておきましょう。そのため、情報を参考にしながらもすべてのデータを盲目的に信じるのではなく、OB・OG訪問をするなど、実際に働いている人に直接話を聞くのが一番良いでしょう。

OB・OG訪問のやり方についてはこちらで解説しています。

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②志望業種が決まっていないのに就職四季報を頼らない

就職四季報の総合版には実に1300社もの企業が掲載されていますが、全企業の情報を見るのは現実的ではありません。

また基準などを決めずに漠然と就職四季報を眺めていても、おおまかな知識は身につくかもしれませんが、結局志望企業が決めきれなくなってしまいます。就活を始める際にはまず業界分析をして興味のある業界を絞ってから利用するようにしてください

業界の絞り方はこちらで解説しています。

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③就職四季報の情報を参考にしすぎない

先ほども述べたように、就職四季報は確かに信頼できる書籍ですが、すべての情報が正しいとは限りません。これは企業側が情報提供をしているので、不都合な情報を隠すことができてしまうからです。

どうしても企業がこの一冊だけで情報収集をするのではなく、他の就活サイトやアプリで調べてみたり、先輩やOB・OGに直接話を聞くなど、さまざまな情報源から情報を集めたうえで、そのなかから信用できる情報のみを取捨選択していきましょう

自己分析をするならツールを使って簡単に済ませましょう

自分の弱みは言語化できても、強みを言語化できない人も多いでしょう。

そんな時は「自己分析ツール」がおすすめです。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけ選考で使えるあなたの強みを言語化できます

自分の強みがわからない人は、今すぐ診断してみましょう。

就職四季報を利用するのがおすすめな人

就職四季報を利用するのがおすすめな人

就職四季報は確かに就職活動に役立ちますが、漠然と使うには情報量が多すぎて非効率的です。そのため、明確に就職四季報を利用する目的を決めてから就職四季報を使うのがおすすめです。

また、これから紹介する3つのどれかにあてはまる人にはぜひ活用をおすすめできます。

それぞれを詳しく見てみましょう。

統計データに明るい人

まずは統計データに明るい人には就職四季報をおすすめできます。基本的に就職四季報に載っているデータは企業からのアンケートをもとに出された数字ですが、この情報を盲目的に信じているだけでは大事な情報を見落としてしまいます。

このデータがどの項目とどの項目を掛け合わせて出された数字であるかを理解したうえで初めて、正確に数字から企業の情報を読み取ることができます

年収や出世を志望企業選びの基準にしている人

年収や出世などを企業選びの基準にしている人にもおすすめです。四季報には初任給や賞与額に加えて、25歳、30歳、35歳の給与の目安が掲載されているため、キャリアプランを考えるうえで非常に参考になります

企業選びの条件が年収や出世などの場合は就職四季報をもとに情報分析をするのが最適でしょう。

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キャリアアドバイザー

逆に言えば、職場の雰囲気やマッチング具合など個人の好みに左右される項目はあまり掲載されていないので、自分自身で確かめるようにしましょうね。

まだ志望企業が決まっておらず大まかな情報が欲しい人

就職四季報にはさまざまな企業の情報が網羅されているため、志望企業が具体的に決まっていないという場合には、就職四季報を見ながら大まかに企業の情報を集めていくといいでしょう。

ただ、志望業界と希望条件を大体でいいので決めてから、就職四季報を見るようにしましょう。何も決めない状態でいきなり就職四季報を見ても情報が多すぎて取捨選択できないことにつながりますので注意しましょう

就職四季報を買うのにベストな時期

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就活生

就職四季報って毎年出版されると思うのですが、いつ購入するのがよいのでしょうか?

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キャリアアドバイザー

そうですね、「この時期でないとダメ」というものはないですが効率よく就活を進めるという意味では「この時期がおすすめ」というのはありますよ!

就職四季報の購入時期についてはベストな時期を考えて購入するようにしましょう。刻々と企業の労働環境や事業環境は変化していきますので、なるべく就活を始める年の最新版のものを参考にするといいです。

買うなら大学3年生の4月がおすすめ!

就職四季報は例年11月末に販売されるため、可能なら発売後に購入したいところですが、強いて時期を限定するのであれば大学3年生の4月がおすすめです。

この時期は夏のインターンの募集が始まる直前期になります。インターン前に就職四季報を利用して企業研究をしてインターンの面接に臨むことでスタートダッシュをきることができるでしょう

夏のインターンシップが始まる前に買う

インターンの第一弾とも言える夏季インターンは、大学3年の夏休みの時期におこなわれるのが一般的です。夏休みの実施に向けて募集はさらに早い時期になります。

夏季インターンのスケジュールは企業によって差がありますが、大まかな時期は把握しておきましょう。

  • 4月中旬〜5月中旬:企業がサマーインターンの情報を公開
  • 5月末〜6月:募集・エントリー開始

ここで多くの場合、エントリーシート(ES)の提出やSPIの受験などが求められるので、その対策をするためにも早めに企業を絞り、就職四季報で採用プロセスを確認しておきましょう。

サマーインターンの攻略法はこちらで解説しています。

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サマーインターンとは7月~9月に実施されるインターンのことで、参加することで他の就活生に差をつけることができます。今回はサマーインターンに参加することのメリットを紹介していきます。キャリアアドバイザー監修のもと、サマーインターンで好印象を残す秘訣や就活に活かすためのコツも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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志望企業が決まっていないときに幅広い業界研究・企業研究になる

就職四季報には、企業理念や業績など会社の情報から、選考フロー、勤続年数や離職率など企業研究に役立つ情報が満載です。企業を絞った後の企業研究にも有効ですが、志望企業が決まっていなくても幅広く業界や企業について知ることができるのでこれから就活の準備を始める人にも非常に有用です。

また、就職四季報には特典サイトがあり、会員登録すればWeb上で業界地図を見ることができます。そのため、業界地図で大まかな業界の状況を確認した後に、就職四季報で気になる企業の詳細を確認するというように併用して企業研究を進めましょう

ライバルに差がつく! 就職四季報で見るべき情報10選

次にライバルに差がつく就職四季報で見るべき情報10選を紹介します。これら10個の情報を中心に情報をチェックすることで、効率良く企業研究を進められるでしょう。

就職四季報で見るべき情報10選
  1. エントリー情報
  2. 採用プロセス
  3. 男女別の採用数
  4. 配属先
  5. 3年後離職率
  6. 有給消化年平均
  7. 平均年収
  8. 業績
  9. 今後力を入れる事業
  10. NDとNAとは

①エントリー情報

就職四季報には選考の時期やプロセスだけでなくどのような試験を実施していて、選考でどのポイントを重視しているかなどのエントリー情報が詳細に書かれています。

「企業がどこを重視しているのか」や「どの種類の適性検査をおこなっているのか」を企業自身が回答しているデータは非常に少ないので、これら見てから、ESや適性検査、面接の対策に活用するだけで他の学生と大きく差をつけられるでしょう。

ポイント:何月にどの採用プロセスが実施されるか

エントリー情報をチェックする際に重要になるのが、何月にどの採用プロセスが実施されるかです。時期ごとに書類選考、面接、など選考項目は変わるため、事前にスケジュールを把握したうえで何月にどのような対策をおこなうべきかを把握しておきましょう

②採用プロセス

志望企業の採用プロセスも就職四季報でチェックしましょう。多くの企業でESの提出は共通していますが、それ以降のプロセスは各社異なります。

企業ごとの面接回数や適性検査のタイミングなど選考の流れを把握しておくことで、適切な対策が取れるようになるため、就職四季報でチェックのうえ、それぞれのプロセスを把握して対策をしましょう。

ポイント:試験内容と選考ポイントはどうか

採用プロセス情報を見る際は試験内容については特に見ていく必要があります。試験に関しては実施回数や適性検査のタイミングを把握することはもちろんのこと、面接で重視している点も情報として記載があるため、その情報をもとに対策をしましょう。

③男女別の採用数

男女別の採用数も非常に重要な指標になります。男女別の採用比率を同じにしようという社会の流れがある中で、明らかに男女の採用比率に偏りがある場合は要注意です

そもそも男女どちらかに偏りがある企業はさまざまな事情はあるものの、結果的にバランスを取っていない意図があるはずです。多様性を重視する社会のなかで、女性の社会進出に積極的かどうかを知るには良い指標と言えるでしょう。

ポイント:自分の学校からの採用実績はあるか

採用数の項目をチェックする際には自分の学校から採用実績があるかどうかを確認するようにしましょう。また、同時にその他の採用校もチェックしておくと、周りの学力レベルも把握できます。

一方、採用校が難関大学ばかりに集中している場合には学歴フィルターが機能している可能性もある点は留意しておきましょう

乾 花穂子

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大学の採用実績は就活の手掛かりに!

就活四季報の情報の中に「採用大学実績」というものがあります。これは、その企業の社員がどの大学出身かを示しています。すべての社員の大学名が記されている訳ではありませんが、志望企業を見つける大きな手掛かりになります。

もし、気になっている企業の実績に自分の大学名があれば、目指せる指標にもなりますし、大学のキャリアセンターに問い合わせればOB・OGとつながるきっかけになるかもしれません。志望企業がぼんやりしている人も、採用大学実績欄から大まかな企業選びをするのも1つの手です。同じ大学出身の社員がいるというだけで就活のモチベーションにもなりますよね。

ただし、志望企業に自分の大学の名前がなかったとしても諦める必要はまったくありません。あくまでも1つの手がかりです。情報は上手に取捨選択して、自分に合う企業を見つけましょう。

④配属先

配属先の情報を見ておくと、その企業でどのようにキャリア形成をしていけば良いかをイメージしやすくなります。あなたのキャリアと配属先にアンマッチが起きてしまうと、せっかく入社した企業でも長続きしません

たとえば、将来のキャリアを見据えた際に、研究職を希望しているにもかかわらず、理系は全員生産技術職からスタートという配属の場合、ミスマッチが起きます。

こうした入社後のミスマッチを防ぐためにも、配属先情報は必ず頭に入れておきましょう。

ポイント:新卒の配属先はどこか

多くの企業において、新人が希望通りの部署に配属されることは多くありません。なぜなら、会社にとっては個人の意見よりも、全体的に見て、各部署への最適な人員配置の方が優先度が高いからです。

部署ごとに希望する人数に偏りがあることが多いですから、希望が通らない場合も考えたうえで企業を選びましょう。そのためには、新卒で配属される可能性のある部署を把握しておくことをおすすめします。

⑤3年後離職率

就職四季報には、各企業の3年後離職率のデータも記載されています。今後長く働きたいと考えている場合には要チェックの項目になります。3年後離職率は、業種によっても異なりますが、おおむね30%程度が平均とされています。

もし仮に、これを大幅に超えるような場合は長く労働できない環境である可能性が高いので注意が必要です。この他に、四季報には、男女別の定着率のデータも掲載されています。これによって、男女それぞれの定着率を知ることもできます。

短期間での離職率があまりに高い企業やそもそもデータを公表していない企業は要注意と言えるでしょう。

こちらでも離職率の調べ方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ポイント:長く勤務できる労働環境か

企業選びで大切なのは長く労働できる環境であるかどうかです。せっかく入社しても短期間で退職することになるのは避けたいですよね。残業時間、離職率、有給・産休・育休取得率を総合的に判断して、自分が続けられる条件がどうかを検討してください

また、勤続年数や平均年齢もチェックすることで、その企業には実際に長く続けられる環境があるかを客観的に把握することができます。勤続年数や平均年齢が極端に低いと、設立間もない企業を除き、若いうちに早く辞めてしまう人が多いということがわかるでしょう。

⑥有休消化年平均

有休消化年平均をチェックすることでその企業が休みを取りやすい環境があるかがわかります。厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査」によると、令和4年の有給休暇の年間平均取得日数は10.9日、有給休暇取得率は62.1%となっているため、世の中の平均よりもその企業が上回っているかどうかを確認すると良いでしょう。

また、有休消化の実態は業種によって多少バラツキがあるので、業種平均と比べてみたときに消化率が上回っているのであれば、業界のなかでは比較的休みを取りやすい企業と言えますね

ポイント:プライベートを両立できる労働環境か

プライベートと両立できる職場を探すためには有給取得率に加え、残業時間、産休・育休取得率も必ずチェックするようにしましょう

企業のホームページ(HP)や説明会などで「当社はワークライフバランスの取れた会社です」とアピールしていても、これらの客観的データが伴っていない企業もたくさんあるため、客観的な情報も踏まえて総合的に判断していくことを心がけましょう。

⑦平均年収

就職四季報には年収欄には平均年収と合わせて社員の平均年齢が記載されているため、何歳の時点で到達する年収なのかを把握することができます。

また、初任給と30歳時点の月給を比較して算出した昇給率を確認することで、どのような賃金カーブを描く企業なのかも予測ができます。

ただし、平均年収を見る場合の注意点は平均年収のなかに残業代が含まれている企業がある一方で、含まれていない企業もあるという点には留意しましょう。また、年収に含まれる賞与も業績連動型の企業が多いため、業績次第では記載されている平均年収に届かないこともある点は理解しておきましょう。

ポイント:平均年収は高いほうか低いほうか

平均年収を見るうえで大切なのが、複数社で比較するということです。たとえば、業界同士で比べていくことで、年収の高い業界と低い業界の傾向がつかめてきますし、1つの業界の中で比較することで業界内での序列が見えてきます

年収の高さも働くうえで大事なモチベーション要素になることは間違いないので、あなたが志望する企業の平均年収は他企業と比べて高いか低いかを把握しておきましょう。

⑧業績

業績の情報は、会社の将来性をはかるうえでチェックしておきたい項目です。売上高の推移をみることで企業の成長性を読み取ることができますし、企業の儲けである営業利益がちゃんと出ているのかをみることで事業の健全性を確認できます

また、売上高と営業利益の数字を用いて営業利益率(ROS)を算出することで、その企業の「稼ぐ力」の有無を判断することができます。

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キャリアアドバイザー

売上高が伸びているにもかかわらず赤字が続いている企業がありますが、そういった企業がすべてダメかというとそうではありません。特に若い企業であれば成長のために投資をおこなうため、売上高が伸びていても赤字というケースはよくあることです。

ポイント:右肩上がりになっているか

業績に関する各指標をチェックする際に気にする点は右肩上がりになっているかという点です。成長を見込める企業というのは着実に業績が上がっている企業であり、そういった企業こそ優良企業と言えます

一方、いくら売上高の絶対値は大きくても右肩下がりやでこぼこに推移している企業であれば良い企業とは判断しにくいと言えるでしょう。

⑨今後力を入れる事業

将来性をはかるもう1つの指標としてその企業が今後力を入れる事業は必ず押さえておきましょう。今後力を入れる事業が時代の流れを汲んだものか、成長の余地がある事業かをしっかりと考えて、就職を希望するかを判断することが大切です

また、今後力を入れる事業はその企業の方向性とも言えるため、企業の方向性とあなた自身の方向性がずれていないかを知ることも重要になります。

ポイント:今後どのような事業に注力するか

ポイントは今後どのような事業に注力するかです。VUCA時代においては大企業ですら安泰の企業はないため、時代の流れと逆行する形の事業に取り組んだとしたら、最悪の場合倒産するリスクもあります

今後注力する事業が時代の流れに沿っていて、成功する可能性があるのかどうかは慎重に見極めましょう。見極めるのは難しいですが、実際に働いている社員1人ひとりがビジョンを理解しているかなどを見ていくと良いでしょう。

⑩NDとNAとは

就職四季報の掲載データのなかには、NDやNAといった回答があります。

  • ND:データなし(No Data)
  • NA:無回答(No Answer)

これらはデータがないものやあまり公表したくない情報、学生に知らせる必要がないと企業側が判断した情報ということになります。その会社が情報開示に積極的でない場合は「開示欄」の★の数が少なくなります。

情報公開度も企業の信用度には影響しますから、自分が気になる項目が回答なしの場合は他のサイトなどで詳しく調べ直す必要があるでしょう

就職四季報を利用して就活を有利に進めよう!

今回は就職四季報について活用するメリットと具体的な活用方法について解説しました。就職四季報はこれから就活準備をする人にとっても、もうすでに希望の企業が決まっているという人にとっても、持っていて損のない有益な本になります。

そのため、積極的に就職四季報をうまく活用することで企業研究を進め、情報量という点でライバルに差をつけて就活を有利に進めましょう。

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