就職難易度が高い製薬会社へ入社するために必要な事前情報を解説!

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目次

  1. 製薬会社へ就職するには職種ごとに求められる人材を把握しておくことが重要
  2. 製薬会社のビジネスモデル
  3. 製薬会社の主な採用職種と求められる人材の特徴4選
  4. ①研究職
  5. ②開発職
  6. ③MR職(営業職)
  7. ④事務職
  8. 製薬会社への就職難易度が高いとされる3つの原因
  9. 待遇の手厚さにより学生人気が高く倍率が上がるため
  10. 定着率の高さから採用人数が少ないため
  11. 研究職は修士・博士課程修了など募集資格を満たすだけでもハードルが高いため
  12. 製薬会社に就職するために選考前の学生ができること3選
  13. ①選考でアピールできる材料を用意しておく
  14. ②企業が求める人物像を把握しておく
  15. ③入社後のキャリアビジョンを持つ
  16. 製薬業界のトレンドを把握しておこう
  17. 海外展開に舵を切る企業が増えている
  18. バイオ医薬品の研究・開発に注力している
  19. デジタル技術の活用
  20. 製薬会社の志望動機に盛り込むべき3つの要素
  21. ①製薬会社を志望する理由
  22. ②製薬会社でその職種を志望する理由
  23. ③製薬会社でどのように活躍できるか
  24. 職種別で解説!製薬会社の志望動機例文
  25. ①研究職
  26. ②開発職
  27. ③MR職(営業職)
  28. ④事務職
  29. 事前準備を徹底して製薬会社への就職を目指そう

製薬会社へ就職するには職種ごとに求められる人材を把握しておくことが重要

こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。製薬会社に興味を持つ学生から

「製薬会社の入社難易度は高いのでしょうか?」
「製薬会社に就職するにはどんな対策が必要でしょうか?」

といった悩みが寄せられています。製薬会社は学生から人気があるため、かなり倍率が高いですね。ただ、職種ごとに求められる人材を把握しておくことで選考を有利に進められるかもしれません。

この記事は製薬会社のビジネスモデルや製薬会社で求められる人材の特徴、今後の動向について紹介しつつ、効果的な志望動機の作成方法も例文付きで解説しますので、製薬会社を志望する学生はぜひ最後まで読んでみてください。

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製薬会社のビジネスモデル

製薬会社とは、医薬品を開発・製造して販売する一連の工程を担う会社のことです。

「製薬会社の収入源は薬の売上では?」と思う学生もいますよね。ただ、製薬会社によっては特許取得によるライセンス料が収入源の場合もあるのです

一般的に製薬会社は新薬開発をおこなう企業とジェネリック医薬品を作る企業に分かれています。

医療用医薬品を作る製薬会社のビジネスモデル
  • 新薬開発をおこなう企業:新薬開発後に薬の特許を取得する。新薬を作りたい企業からライセンス料を得る
  • ジェネリック医薬品を作る企業:新薬開発をおこなう企業が取得した特許が切れた後、同じ成分で作ったジェネリック医薬品を販売して利益を得る
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主な収入源は特許取得によるライセンス料と薬の販売から得られる利益になりますね。それぞれの企業のビジネスモデルは大きく異なるため、正しく理解しておきましょう。

製薬会社の主な採用職種と求められる人材の特徴4選

製薬会社と言えば、研究職を思い浮かべる学生も多いのではないでしょうか。ただ製薬会社では主に4つの職種で採用があります。特に文系の学生の場合は応募できる職種が限られているため、ここで把握しておきましょう。

①研究職

研究職の業務内容は新薬の開発や効能のアップデートのため、成分の合否実験や実験結果の分析などをおこなうことです

製薬会社の研究職は「基礎研究」と「応用研究」に分けられます。

基礎研究と応用研究の違い
  • 基礎研究:5〜10年後に必要になる技術の基盤を研究すること。会社の利益にはなりにくい。新成分の発見や病気の原因解明など薬を作る前段階の研究もおこなう
  • 応用研究:基礎研究で得られた結果を活かして利益を生み出す方法を発見する研究のこと。基礎研究から解明されたデータをもとにして薬の元素を探し、企業の技術と基礎研究の結果を組み合わせて化合物の生成をおこなう
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研究職の業務は新薬開発の基盤になるため、製薬会社にとって特に重要な職種でしょう。

研究職に求められる人材の特徴

研究職は製薬に関する専門的な知識が必要になるため、理系学生のみが応募できる職種です。研究職はチームで業務をおこなったり、異なる分野の研究者や別の職種と連携を取ったりするため、一定のコミュニケーション能力が求められます

また、自分の研究に対する知識がない人にもわかりやすく説明しなければなりません。そのため、対人折衝力も必要になるでしょう。

研究職に求められる能力
  • 製薬に関する専門的な知識
  • コミュニケーション能力
  • 対人折衝力

研究職に求められる人材の特徴について詳しく知りたい学生はこちらの記事を参考にしてみてください。

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②開発職

開発職の業務内容は臨床試験の企画や実施をして、実際に新薬の開発をおこなうことです。

  • 臨床試験:人を対象として研究で生成した薬の効果や安全性などを調べる試験のこと。動物実験や培養した細胞を使用した実験でも評価する

ただ、臨床試験は外部に委託する場合が増えており、製薬会社の開発職の主な業務は臨床試験の企画がメインになるかもしれません

開発職に求められる人材の特徴

開発職も研究職と同様に製薬に関する専門的な知識が必要になるため、基本的には理系学生を中心とした応募枠になる職種になります。

臨床試験は実際に患者に投薬する仕事です。薬の成分や患者の体質によって思いがけない副作用が出て、健康被害を及ぼすかもしれません。実験や治験によるデータが医薬品の安全性を守るために重要なものだと理解しておいてください

開発職に求められる能力
  • 製薬に関する専門的な知識
  • 責任感
  • 粘り強さ

③MR職(営業職)

製薬会社の営業職はMR職と呼ばれています。MR職は他の業界の営業職とは違い、商品の販売・流通、価格交渉には関与しません。医師や薬剤師に自社の薬を患者に処方してもらうために、薬の効能に関する情報を伝える職種です

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製品の紹介から症例提案やフォローまでおこない、医師の処方に影響を与えて売上に貢献しています。

MR職に求められる人材の特徴

製薬企業のMR職には高いコンプライアンス意識が求められますね。医薬品開発では大きな金額が動くからこそ、目先の利益に目を眩ませてはいけません。社会全体や患者の健康に貢献するために働く倫理観は最低限必要でしょう

文系学生も募集できる職種ですが、入社後には導入研修の修了後に「MR認定証」の資格を取得しなければなりません。

  • MR認定証:病気や治療、病理学に関する医療全般の知識を問われる試験のこと。

加えて、入社後は医薬品の情報提供と収集をして、使用情報や副作用など幅広い情報を取り扱うため、理系分野の勉強に抵抗がないことが重要です。もちろん、営業職として顧客が求める潜在的なニーズを見抜き、提案する能力も必要になりますね。

営業職に求められる能力
  • 倫理観
  • 理系分野への興味
  • 潜在的なニーズを見抜く力

営業職を目指す学生はこちらの記事も読んでおきましょう。

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④事務職

「製薬会社の事務職は特殊な業務があるのでは?」と思った学生もいますよね。ただ、製薬会社の事務職の業務内容は他の業界と大きな違いはありません。事務職として書類作成からデータ入力、来客・電話対応などをおこないます

事務職の種類
  • 経理
  • 労務
  • 人事
  • 営業
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事務職自体が文系の学生から人気の職種であるため、かなり採用倍率は高い傾向がありますね。

事務職に求められる人材の特徴

業務自体は他の業界と違いはありませんが、専門分野に精通している部門の社員と連携を取る必要があるため、医薬品に関する知識は必須になるでしょう

文系出身者でも理系分野の勉強に抵抗も持たず、目的のために努力できる学生に向いていますね。

事務職に求められる能力
  • 医薬品に関する知識
  • 協調性
  • 理系分野への興味

事務職に求められる能力について詳しく知りたい学生はこちらの記事も参考にしてみてください。

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製薬会社への就職難易度が高いとされる3つの原因

製薬会社への就職難易度が高いとされる3つの原因

「製薬会社の就職難易度は高い」と耳にしたことがある学生もいるのではないでしょうか。実際、製薬会社への就職は難しいです。ただ難易度が高い理由を把握しておくと、対策が立てやすくなるかもしれません。ここでは製薬会社への就職難易度が高いとされる原因を3つ解説します。

待遇の手厚さにより学生人気が高く倍率が上がるため

製薬会社は景気に売上が左右されません。薬は病気にかかったときに必ず必要になるため、商品の需要が途絶える可能性は低いでしょう。ニーズが常にあれば、安定して利益を生み出せます。

製薬会社ではその利益を社員に還元している企業が多いのです。具体的には給与水準が高かったり、完全週休2日制や住宅手当など待遇が手厚かったりしますね。そのため、学生から人気が高く、製薬会社の採用は高倍率になりやすいといえるでしょう。

定着率の高さから採用人数が少ないため

マイナビ2025」によると、武田薬品工業の2023年度の入社予定者数は37名でした。一般的な大企業が100人前後採用することを考えると、募集人数は少なめでしょう

また、厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概要」によると、2022年度の全国平均離職率が15.0%に対して、第一三共株式会社の2022年度の離職率は1.9%でした。

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製薬会社はかなり定着率が高いため、多くの人数を採用しなくても業務をまわせる余裕がありますね。

研究職は修士・博士課程修了など募集資格を満たすだけでもハードルが高いため

「研究職は理系の職種」というイメージがある学生もいるのではないでしょうか。ただ、理系の大学を卒業しただけでは製薬会社の募集資格すら満たせない場合があるのです

事実、武田薬品工業株式会社の「2022年度新卒入社募集要項」によると、研究職の募集資格は「2022年3月に修士課程、博士課程を修了、もしくは6年制大学を卒業される方」とされています。つまり、4年制大学の学部卒業生は応募すらできないケースもあります。

研究職の募集資格の例
  • 修士課程修了:問題解決能力や特定の分野を突き詰めて研究した経験の証明になる。修士課程は最低条件になりやすい
  • 博士課程修了:博士の研究は研究職の業務に類似した流れであるため、即戦力と判断されやすい。海外での学会発表や民間企業との共同研究経験があると尚良い
  • 6年制の薬学部卒業:企業側が修士と同等と判断する場合がある。医薬品に対する基礎知識など薬学部でしか学習できない内容は加点対象になりやすい

文系の学生はMRと事務職応募が限られてしまうケースがある

開発職や研究職の応募の間口は一般的に理系学生に限られている場合が多いため、文系の学生はMRと事務職応募が限られてしまうかもしれません。

また、理系の中でも生物学・薬学・理学部など応募できる学部を絞っている企業もあり、製薬会社への就職がいかに狭き門であるかがわかりますね

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製薬会社へエントリーする場合は自分が応募できる職種を確認するところから始めましょう。

酒井 栞里

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必要不可欠な業界だからこそ就活で学べることがたくさんある

これらからもわかる通り、製薬会社への就職はさまざまな理由から決して簡単な道とは言い難いです。しかし、みなさんがこれまでに一度は何かしらの薬を服用した経験があるように、製薬会社は人々の生活にとって大切な産業です。

難易度が高いからといって初めから諦めるのではなく業界や企業研究を適性におこなうことで、たとえ最終的に製薬会社に入社をしなかったとしても社会に出てからも役立つ情報を得られるでしょう。また、自己分析と照らし合わせることで他の業界との比較検討をおこない自分の就活の質を高めることができるはずです。

業界として求められる業務や役割も日々拡大しているからこそ、製薬会社への就活対策が長い目で見ると自分のためになることが多いと感じられるといいですね。そのうえで、最終的に製薬会社に入社ができれば入社後も前向きに仕事を進められるでしょう。

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製薬会社に就職するために選考前の学生ができること3選

製薬会社に就職するために選考前の学生ができること3選

ここまでの内容で製薬会社への入社難易度の高さはわかったと思います。ただ、アピールポイントを作っておけば、選考で有利になるかもしれません。実績のない学生も実践できる内容のため、参考にしてみてくださいね。

①選考でアピールできる材料を用意しておく

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製薬会社にアピールできるような実績がありません……。

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就活までに期間があるなら今からでも実績は作れますよ!

製薬会社では職種別採用がおこなわれており、必要とされるスキルも異なります。ここで文系と理系で製薬会社側に評価してもらいやすい材料を解説しますね。

理系学生:研究に打ち込んで実績を作る

新薬の開発をメインにおこなっている企業では他社との開発競争に勝たないと利益を得られません。他社との開発競争に勝つには、できるだけ即戦力の学生を採用する必要がありますよね。そのため、在学中に研究で実績を作りましょう。

研修内容は製薬に関する専攻だけが評価されるわけではありません。入社後に活かせる分野の研究をおこなっている場合は選考で有利になる可能性があります。

実際、製薬業界ではテクノロジーの進化や研究の細分化によって、薬学部だけでの創薬が難しくなっており、さまざまな専攻の学生を採用する傾向があるのです

選考で有利になりやすい分野
  • 生物学:分子生物学、生理学、ゲノム科学などの分野が製薬に大きくかかわるため。
  • 分析化学:薬の元になる物質にどんな成分があるか分析をおこなう研究で必要になるため。

文系学生:英語力を磨いておく

製薬会社のMR職では募集要項に「TOEIC〇〇点以上」と条件が明記されている場合が多いですね。

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なぜ外資系企業でもないのに英語が必要になるのだろう?

と疑問に思った学生もいるのではないでしょうか。MR職では英語の文献を読み調査する機会があるためです。英語の理解度が高い人ほど文献を読むスピードは上がりますよね。

英語力があると選考突破しやすいため、入社前に英語力がアピールできる程度の700点以上を取れるように勉強しておきましょう

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将来的に海外事業部へのキャリアアップを考えている学生は、入社後に海外で商談できるレベルの800点以上を取得することをおすすめします。

英語力のアピール方法などはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。

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柴崎 拓也

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目に見える資格取得は興味のアピールにもつながる!

この他にも、直接的なアピールにはつながらずとも早めに普通自動車免許の取得をしておきましょう。特にMR職は東京に限らず地方のさまざまなエリアでの勤務が想定されます。顧客となる医療機関は交通の便が不便なところにある場合も多いですし、営業の際にはたくさんの荷物を持ち歩くため車移動が不可欠です。

また、他の学生と差別化を図りたい場合には、資格取得も視野に入れるといいでしょう。わかりやすい例だとパソコン関係や医療事務の資格です。製薬会社で働き始めると、どうしても専門用語でやりとりをすることが増えるため入社直後は勉強をしても追いつけないことだらけになってしまいます。

最悪の場合、耳慣れない言葉ばかりで全然頭に入らず、自分は実はあまり製薬会社に興味がなかったのかもしれない、と感じてしまうリスクもあります。事前に関連する資格を取得するということは、少なくともその業界に関心があることをアピールできるので、入社後も熱心に勉強を続けられる、という安心感を与えらえます。誰でもやっているのでは? と不安にならず、ぜひできるところから始めてみましょう。

②企業が求める人物像を把握しておく

企業の風土に馴染める人材でなければ、思うような結果を残せない可能性が高いです。入社後に短期離職してしまう場合もあり、企業側は採用コストが無駄になるため、採用を避けられてしまうかもしれません

そこで自分が企業が求める人物像とマッチしていることをアピールしましょう。

企業が求める人物像を見極める方法
  • OB・OG訪問で質問する
  • 社長のインタビューを読む
  • 採用サイトをチェックする
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ただ研究・開発職の場合はスキル重視で採用される傾向があるため、求める人物像に寄せることより実績をアピールしてみてはどうでしょうか。

OB・OG訪問についてはこちらの記事も参考にしてくださいね。

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③入社後のキャリアビジョンを持つ

入社後のビジョンがある人材は志望度の高いと判断されやすいです。企業で活躍するイメージを共有できるレベルなら内定を出しても辞退せず、自社に入社してくれる安心感があるでしょう。

5・10年後のビジョンの例
  • 5年後:トップクラスの実績を残して営業所長になる。
  • 10年後:MR職育成のためにトレーナーのポジションに就く。

将来のビジョンが明確化されていると、目標から逆算して身につけるべきスキルや積むべき経験がわかるメリットもあります

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製薬会社に入社することがゴールだと考えている学生より入社後の目標がある学生を採用したい採用担当者は多いかもしれませんね。

キャリアビジョンを考える際はこちらの記事も参考にしてください。

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乾 花穂子

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先輩社員の生の声を聞いて仕事のイメージを膨らませよう

選考前には、説明した通りなるべく多くのOB・OG訪問をおこなえるといいでしょう。どんな業界でもそうですが、特に医療業界は専門性が高いため想像だけではやりがいや仕事のイメージを掴むことは難しいです。百聞は一見に如かずだと考えて生の情報を入手していきましょう。もしもなかなか自分の大学に該当する先輩がいない、という場合には中高の知り合いや恩師のツテを辿ってみるなどをして自ら見つけてください。

特にMR職は、常に忙しい医療機関を相手に仕事をする仕事です。自らの積極性や行動力がなければなかなか信頼関係を築くことは難しいかもしれません。まったく知らない人にOB・OG訪問をすること自体に恐れをなすのではなく、将来の仕事のやり方と類似する点があると思い楽しんで該当する先輩を見つけられるようにしましょう。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

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製薬業界のトレンドを把握しておこう

製薬業界のトレンドを把握しておこう

製薬業界は今後も需要がなくなることはありませんが、各企業は収益を維持するためにさまざまな工夫を凝らしています。今の製薬業界で何が起こっているのかを把握しておくと、志望動機に厚みが出たり、業界知識を問われても答えられたりします。ここで製薬業界のトレンドをチェックしておきましょう。

海外展開に舵を切る企業が増えている

近年、国内メーカーは海外企業の買収や業務提携で海外進出を進めて、海外売上高の比率を伸ばしています。

新薬開発は年々難易度が高くなるうえに膨大な開発費用が必要になるのです。薬価抑制策により、国内市場で高収益を維持する難易度が高くなっています。

ただ、国内市場をメインにしている企業は薬価の引き下げの影響を受けていますが、海外展開を積極的におこなっている企業の業績は好調ですね

海外展開している企業の例
  • 武田薬品工業:2019年にアイルランドのシャイアーを6兆円超で回収して希少疾患を強化。2024年までに14の新製品の販売を予定している
  • アステラス製薬:アメリカのファイザーと提携して前立腺がんの治療薬を開発。2019年に中国とアメリカで認証された
  • 第一三共:2019年にイギリスのアストラゼネカと提携して抗がん剤分野を強化した
  • エーザイ:2018年にアメリカのミルクと抗がん剤分野で提携。バイオジェントとは認知症薬の開発に着手している

新薬の開発能力や巨額の開発費用を得る目的もある

厚生労働省の「令和元(2019)年度 国民医療費の概況」によると、国民一人当たりの医療負担は年々増加傾向にあり、今後も薬価抑制策が継続されると予想されていますね。日本の製薬会社は業界規模の大きい海外でシェアを拡大できるかが勝負の分かれ目になるでしょう

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画期的な新薬の開発能力や巨額の開発費用が必要になるため、資本力のある海外企業との提携が積極的におこなわれることが予想されていますね。

バイオ医薬品の研究・開発に注力している

これまでの製薬は低分子化合物によるものがほとんどでした。低分子化合物は分子量が小さく構造が簡単なのが特徴ですね。

ただ、新しい製薬技術として登場したバイオ医薬品により、遺伝子工学を利用して微生物や動物細胞を介して複雑な分子構造を持つ薬を作る技術がトレンドになっています

バイオ技術で作られているものの例
  • がんやC型肝炎の治療に使用されるインターフェロモン
  • 糖尿病の治療で使用されるインスリン

今後、製薬会社はバイオ医薬品の研究・開発に注力していくでしょう。

デジタル技術の活用

製薬業界にはデジタル技術を利用しているイメージがない学生もいるのではないでしょうか。実際、最先端のデジタル技術との融合は始まったばかりです。AI技術などを導入することで、薬の研究や開発に必要な期間を大幅に短縮できることがわかっています。

ただ、日本は製薬分野に関する最先端技術で世界に遅れをとっているのが現状です。AI技術の応用で製薬業界が発展すれば、日本の産業全体や社会全体の活性化につながるかもしれません。そのため、製薬業界ではデジタル技術を活用できる部分を模索しています。

製薬会社の志望動機に盛り込むべき3つの要素

製薬会社の志望動機に盛り込むべき3つの要素

企業独自の内容を志望動機に盛り込むのをおすすめします。どの企業にも言える内容では他の就活生に埋もれてしまうかもしれません。ここでは、製薬会社の志望動機に盛り込むべき要素を3つ解説します。志望動機の書き方がわからない学生はぜひ参考にしてみてください。

①製薬会社を志望する理由

中途採用では職務経歴書で実績やスキルを判断できますが、まだ社会にでた経験のない新卒の学生には職務経歴書がありません。そこで企業側は志望理由で入社後に業績に貢献できる人材かどうかを判断しています。

新卒採用はポテンシャル重視な側面が大きく、入社意欲の低い学生は採用を避けられてしまうかもしれません。そこで次に応募先の製薬会社ではいけない理由を提示する方法を解説します。

トレンドを絡めた内容がおすすめ

製薬業界のトレンドを把握している業界知識がある学生は志望度が高い傾向があります。志望度の高い学生は入社後も高いモチベーションを維持して働いてくれるため、志望動機はトレンドを絡めた内容にしましょう。

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就活生

アナログな部分が残る臨床試験でAI技術を導入して新薬開発までの時間とコストの削減を図る姿勢が、効率良く開発したい私の信念とリンクしたため、志望しました。

などはトレンドが伝わる内容ですね。

トレンドを絡めて話すことで応募先の製薬会社ではないといけない理由になりやすく、採用担当者に納得してもらえるでしょう。

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入社後の早期離職を避けるためには、自分に適性のある職業を選ぶことが大切です。しかし、それがどんな職業なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

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自分に適性のある職業を早めに知って、就活を成功させましょう。

②製薬会社でその職種を志望する理由

製薬会社では職種別採用が盛んにおこなわれていますね。応募する職種に合わせて、自分のスキルや能力を活かせる理由や職種を目指そうとしたきっかけを具体的なエピソードを交えて伝えましょう

具体的なエピソードの例
  • 自分のスキルや能力を活かせる理由:民間企業との共同研究経験から業界を牽引している自社がベストな研究環境だと判断したため。
  • 職種を目指そうとしたきっかけ:生物学の研究が創薬に役立つことを知ったため。
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実績がない学生は職種を目指そうとしたきっかけ、理系かつスキルや実績がある学生は自分のスキルや能力を活かせる理由を記載するのをおすすめします。

③製薬会社でどのように活躍できるか

企業側は自社の業績に貢献できる人材を求めていますね。製薬会社で将来的に強みを活かして、どのように業績に貢献できるかを締めの一文で記載しましょう。採用担当者に自社で働く姿をイメージしてもらいやすくなるかもしれません。

「民間企業との共同研究経験で得た粘り強さを活かして、御社の新薬開発業務に取り組みたいと考えています。」などのように締めてみてはどうでしょうか

職種別で解説!製薬会社の志望動機例文

製薬業界の企業に面接で志望動機を伝える際の例文を4つ用意しました。ここまで説明した手順を網羅しているので、ぜひ参考にしてみてください。

①研究職

例文

私はバイオ医薬品の研究に着手したいと思い、御社を志望しています。御社は低分子化合物での新薬開発が主流だった頃から研究を重ねて、バイオ技術での新薬開発に取り組む先見の明がありました。

大学では生物学を専攻しており、民間企業と共同で基礎研究をおこないました。最初は企業の研究職の方の指示に従うだけでしたが、次第に自分の研究であるという自覚が芽生え、他部署の方に協力を仰ぎ、研究を効率的に進められました。結果的に基礎研究の基盤を整えることができました。民間企業との共同研究経験で発揮した折衝能力を活かして、効率的な研究ができるようにしたいと思います。

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研究職として即戦力であることが伝わる例文でした。研究職を目指す人材に必要になる対人折衝能力があるため、企業から重宝されるでしょう。

②開発職

例文

私はデジタル技術を利用した開発に興味があり、御社を志望しています。御社はアナログな部分が残る臨床試験でAI技術を導入しており、新薬開発までの時間とコストの削減を図っています。

私は学生時代は医療薬学を専攻しており、薬の効果を最大限に発揮して副作用を防ぐ薬物療法を模索していました。投薬では患者さんに危険が及ぶため、アナログな部分が多いのは仕方ありません。ただ、私は文献をデータ化するなど危険の伴わない部分ではデジタル化を進めてきました。結果的に研究の効率は前年度の学生より上がっています。前例に囚われない発想力を活かして、御社の臨床試験の企画に貢献したいと考えています。

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開発職に企画に必要な発想力があることはもちろん、安全性を守るために必要な責任感も持ち合わせていることが伝わる内容でした。具体的な研究のエピソードから採用担当者も入社後に働く姿が想像しやすいでしょう。

③MR職(営業職)

例文

私は患者に適切な薬を提供したいと考え、御社を志望しました。御社は国内市場の現状を把握して、いち早く海外企業と提携して新薬の開発をおこなっていました。患者に適切な薬を提供するには新薬の開発が進んでいる御社がベストだと考えました。

私は学生時代にフィリピンへ留学しました。発展途上国で薬不足が深刻化している現状を目の当たりにしました。そこで私は帰国後はボランティア団体に加入し、薬不足の国の支援をおこないました。結果的に現地で交流した人にも薬が届いたと手紙をいただきました。語学力と行動力を活かして、御社のMR職として活躍したいと考えています。

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キャリアアドバイザー

MR職として必要な語学力をアピールできる例文でした。きちんとトレンドを絡めた内容になっているため、志望度の高さが伝わるかもしれません。

④事務職

例文

私は新薬の開発をサポートしたいと思い、御社を志望しました。御社は薬価の引き下げの影響を受けないように新薬開発のために海外事業を展開しています。私は学生時代は野球部の主将を務めていました。全国大会出場を掲げたものの、目標を達成するには戦力が足りなかったため、特別枠に目をつけました。

特別枠は県大会優勝が条件ではなく、地域との取り組みや伝統校であるなど複数の条件がありました。私たちはもともと興味があった野球教室を地元で開催するなど練習の合間を縫って行動しました。結果的に県ベスト8ながら、特別枠で全国大会に出場できました。この目標達成能力を活かして、御社の業績に貢献したいと考えています。

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キャリアアドバイザー

事務職は専門的なスキルや知識は必要ありませんが、入社後には専門職と連携を取るなど製薬関係の学習が必要になります。目標を達成する姿勢は評価されやすいかもしれませんね。

乾 花穂子

キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる

企業の事業目的とそれを達成するプロセスをきちんと読み解こう

日系企業、外資系企業問わず各製薬会社には当然得意な分野があります。また、今後の社会も見据えて注力をしたいエリアやターゲット、研究手法、テクノロジーなども異なります。各社の中期経営計画などを適切に読み込み、企業の戦略を理解したうえで志望動機を書くようにしましょう。

たとえば、ガンの早期治療薬開発に注力をしていきたいと企業が謳っている場合には、その方法をどのようにおこないたいのかまで分析できるといいでしょう。ある会社はM&Aなどによって創薬技術を統合することを通じて、ある会社は画像認識技術に注力することを通じて、と言っているかもしれません。

どちらに魅力を感じるかは学生それぞれによって異なるでしょうが、どんなに目的に共感できてもそのプロセスに関心を持てなければやりがいを持って働くことは難しいです。これらの戦略を読み解きながら、絡められそうな自分のエピソードを伝えていきましょう。

事前準備を徹底して製薬会社への就職を目指そう

製薬会社の選考を有利に進めるには事前準備が重要になりますね。業界のトレンドを把握するなど業界研究を徹底したり、自分が受けられる職種で有利になる実績を作ったりするのがおすすめです。この記事で解説した内容を実行して、製薬会社の内定獲得につなげましょう。

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