目次
- 飲料業界の就活はトレンドを把握して臨もう
- 飲料業界とは
- 飲料業界の最新トレンドは?
- コーラなどの炭酸飲料のニーズは低下
- 健康志向の高まりでトクホ商品が好調
- 無糖強炭酸水の人気が拡大中
- コーヒーは高級志向が増加
- 飲料業界にも押し寄せるSDGsの波
- ボトルtoボトル推進が加速
- ラベルレス商品が増加
- 新機能リサイクルボックスの登場
- 飲料業界の新規事業とこれからの未来
- 健康食品など他事業への進出
- 海外で新たな市場を開発
- サブスクなど自販機の新サービスの開発
- 今後も新規事業やサービスのイノベーションに期待
- 大手メーカー売上高ランキング
- 1.サントリーホールディングス
- 2.コカ・コーラボトラーズ
- 3.伊藤園
- 4.ヤクルト本社
- 5.アサヒグループホールディングス
- 6.大塚ホールディングス
- 7.キリンホールディングス
- 飲料業界の求める人物像
- チャレンジ精神のある人
- リーダーシップのある人
- 分析力と創造性のある人
- 飲料業界の志望動機を作る際の3つのポイント
- ①なぜ飲料業界を目指すのかを述べる
- ②飲料業界で何を実現したいのかを盛り込む
- ③自分の強みをどう活かせるのかで締める
- 飲料業界の志望動機例文
- 例文①
- 例文②
- 例文③
- 飲料業界のトレンドを知って選考突破を目指そう
飲料業界の就活はトレンドを把握して臨もう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。飲料業界に興味を持つ学生から、
「飲料業界の就活にはどんな対策が必要ですか?」
「どんな人が飲料業界に向いていますか?」
といった質問が多く寄せられています。飲料業界は数ある業界の中でも、トレンドの移り変わりが激しい業界です。たとえば2020年にはバナナジュース、2021年には抹茶ラテが好調になるなど、毎年のように流行りの製品が目まぐるしく変化しています。
そのため飲料業界の就活は、しっかりとトレンドを把握することが大切です。世間ではどんな製品が流行っているのか、飲料業界はどのような状況に置かれているのかを把握したうえで就活に臨みましょう。
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飲料業界とは
飲料業界とは、お茶や炭酸飲料、果実飲料、ビールなどのあらゆる飲料の製造・販売に関わる業界です。各メーカーが取り扱う飲料は、清涼飲料、牛乳・乳飲料、酒類の3つに大きく分けられます。
- 清涼飲料‥お茶、コーヒー飲料、炭酸飲料、ミネラルウォーター、果実飲料など
- 牛乳・乳飲料‥牛乳、生乳に味や栄養素を加えた飲料など
- 酒類‥ビール、日本酒、ワイン、焼酎、ウイスキーなど
時代によって需要の高さにこそ違いはありますが、身近で欠かせない存在である「飲料」を取り扱う業界として、飲料業界の重要性はいつの時代も変わりません。近年では、消費者の健康志向の高まりから、特定健康保健用食品(トクホ)飲料やお茶などの需要が高まっているのが大きな特徴です。
メーカーの就活対策に欠かせないポイントはこちらの記事で解説しています。
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飲料業界の最新トレンドは?
就活生
飲料のトレンドか…そこまで意識していませんでした。
キャリアアドバイザー
普段、自分の好きなものを買っていると気づきにくいかもしれませんが、実は時代によって大きく変わっているのですよ。
身近で欠かせない存在である飲料業界は安定性の高い業界ですが、トレンドの移り変わりが激しい側面もあります。
業界や企業の将来性を見極めるためにも、飲料業界の最新トレンドをしっかりと把握してから就活に臨みましょう。最新トレンドを把握することは、業界研究や企業研究にもつながります。
コーラなどの炭酸飲料のニーズは低下
消費者の食習慣の変化や健康志向の高まりによって、コーラやサイダーなどの炭酸飲料のニーズは低下しています。たとえば、飲料メーカーのコカ・コーラやペプシコーラの炭酸飲料における業績は年々悪化傾向で、売上高は右肩下がりになっています。
このようにニーズが低下し続ける炭酸飲料市場の状況を鑑み、大胆な戦略転換を図る企業の動きが目立っています。その代表的な例として挙げられるのが、コカ・コーラがアルコール分野への参入を決めたことです。
成長著しい日本のチューハイ飲料市場を最初のターゲットとし、新たな収益性を確保しようとしています。
健康志向の高まりでトクホ商品が好調
健康志向の高まりから炭酸飲料のニーズが低下しているのとは反対に、特定健康保健用食品、いわゆる「トクホ商品」のニーズは高まっています。新型コロナウイルス拡大の影響で運動不足に悩む人が増えたことで、さらにトクホ飲料を求める人が増えています。
- からだすこやか茶W(日本コカ・コーラ)
- 2つの働き カテキン緑茶(伊藤園)
- ヘルシア緑茶(花王)
- 伊右衛門 特茶(サントリー)
- 三ツ矢サイダーW(アサヒ)
各飲料メーカーは健康に関するトレンドを把握しながら、健康効果が期待できる商品を続々と開発しています。健康への好影響と美味しさの両立が、トクホ商品の課題の一つです。
無糖強炭酸水の人気が拡大中
就活生
あ、僕も無糖強炭酸水、大好きです。
キャリアアドバイザー
スーパーなどでもたくさん並ぶようになりましたよね。
炭酸飲料市場そのものは縮小傾向にありますが、炭酸水に限っては消費が拡大しています。
特に好調ぶりを発揮しているのが家庭内での消費です。コロナ禍のストレスによって、「せめて家の中ぐらいはストレスから解放されたい」という風潮が強まり、爽快感のある炭酸水の需要が高まったと見られています。
炭酸水の中でも、特に人気拡大中なのが”無糖強炭酸水”です。健康志向の高まりから、炭酸水においてもやはり無糖タイプが人気で、今後も無糖強炭酸水の人気は拡大していくと予想されます。
コーヒーは高級志向が増加
現在コーヒー業界では、生豆の相場高や物流費高騰などの影響でレギュラーコーヒーの価格が上昇しており、それに伴って高級志向を持つ消費者が増加しています。
また、コンビニエンスストアのドリップコーヒーが社会的ブームとなったことも、缶コーヒーの需要減につながりました。とはいえ、缶コーヒーにも一定数のニーズはあるため、各社から味にこだわった本格派の缶コーヒーが販売されています。
キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
面接でも飲料業界のトレンドを理解していることは重要です。飲料業界の面接では、企業研究にくわえトレンドも理解しておかなくては答えにくい質問をされることがあるからです。
たとえば「弊社の新商品を考えてください」と質問されたときは、トレンドと企業の特徴を理解しているほうが答えやすくなりますよね。
回答の際は「自分の意見」を盛り込むようにしよう
答えるときは「私がスーパーで飲料水の棚割りを調査したときに気づいたのですが~」「知り合いの居酒屋の店長に話を聞きに行ったときに教えていただいたのですが~」など自分の足を使ってトレンド調査と企業研究をしていることがわかるようにアピールしましょう。
「コロナ禍前より無糖強炭酸水の陳列量が多くなっているので人気なのだと感じています。私も気分のリフレッシュができ食事にも合う商品を開発したいです」と答えると商品の陳列量の推移からトレンドを理解していることが伝わりますよね。
飲料業界のトレンドを理解すると、背景にある消費者のニーズも把握できるので「あなたならどんな商品を企画しますか」「どのように広報活動をしますか」と聞かれても答えやすくなります。消費者心理を意識して自分のオリジナリティが出る解答を用意しておきましょう。
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飲料業界にも押し寄せるSDGsの波
- ボトルtoボトル推進が加速
- ラベルレス商品が増加
- 新機能リサイクルボックスの登場
2015年に国連総会で持続可能な開発目標(SDGs)を含む「アジェンダ2030」が採択されて以来、SDGsへの注目は年々高まっており、その波は飲料業界にも押し寄せています。
SDGsとは、2030年に向けて解決しなければいけない課題を17の目標で示したもの。目標達成のためには官民一体となって協力する必要があるため、人々の生活に身近な飲料業界でもSDGsへの注目が高まっています。
ボトルtoボトル推進が加速
SDGsへの取り組みの一環としておこなわれているのが、「ボトルtoボトル(BtoB)」の推進です。これは、使用済みPETボトルをリサイクルし、新たなPETボトルとしてリサイクルする取り組みのことを指します。
レジ袋問題やストロー問題に代表される脱プラスチックの流れが世界的に加速する中で、「プラスチック含有量の高いPETボトルも再利用しよう」というのがこの取り組みの大きな目的です。
- コカ・コーラ
2022年までにPETボトルを再利用したリサイクルPET樹脂の使用率を50%減、さらに2030年までにPETボトルのための新たな石油由来原料の使用ゼロを目指す。 - 伊藤園
2025年度までに「お〜いお茶」ブランドの全ペットボトル製品を100%リサイクル素材等に切り替えることを目指す。 - アサヒ飲料
2030年までにプラスチック製容器包装の全重量の60%にリサイクルPET、植物由来の環境配慮素材などを使用することを目指す。
ラベルレス商品が増加
ボトルtoボトル推進と同様の理由で、ラベルレス商品が増加傾向にあります。ラベルレス商品とは、食品表示法と資源有効利用促進法に基づく表示を印字したラベルが付けられていない商品のことです。
法律では商品情報の表示が義務付けられていますが、その情報を箱や外装紙に印字することで、PETボトル一つひとつの情報表示を省略しています。ラベルレス商品の多くが通販限定なのは、こうした制約が背景にあるためです。
巣ごもり需要によってまとめ買いをする消費者が増えており、今後もラベルレス商品が増加していくと見込まれています。
キャリアアドバイザー
消費者からは「ラベルを剥がす手間がないのは助かる」と評価が高く、環境にも消費者にも優しいアイデアといえますね。
新機能リサイクルボックスの登場
ボトルtoボトルの推進に伴って問題となるのは、リサイクルのための手間が増えること。その手間を解消することを目的に新機能リサイクルボックスが登場し始めています。
新機能リサイクルボックスとは新しい形態の回収ボックスのことで、消費者の分別行動を促すのが最大の目的です。従来の回収ボックスでは、PETボトルと一緒に普通のゴミを入れられたり、キャップやラベルが付いたまま廃棄されたりすることがリサイクルの支障になっていました。
このような問題を解決するため、新機能リサイクルボックスには、消費者の分別行動を促すようなさまざまなデザインが施されています。
キャリアアドバイザー
ペットボトルとキャップ、ラベルの3分別を啓発したり、飲み終えた飲料容器のみを投入できるようにしたデザインの新機能リサイクルボックスが登場しています。
飲料業界の新規事業とこれからの未来
キャリアアドバイザー
ところで、学生の皆さんは缶ビールはどのくらい飲みますか?
就活生
僕はほとんど飲まないですね。
キャリアアドバイザー
そういう人も増えていますよね。一昔前までは飲料業界における缶ビールは非常に大きな存在でした。
若者のビール離れによって、従来よりビールが売れなくなってきているように、飲料業界の一部事業では売上が頭打ち状態にあります。
そのような背景から、新たな取り組みによって飲料事業以外の事業で収益を確保しようとする企業も少なくありません。
飲料業界の他事業への進出や新サービスの開発に関する情報も、飲料業界への理解を深めるためには欠かせない要素です。
健康食品など他事業への進出
今後の飲料業界の大きな成長に期待しづらいことや、一部事業での売上の伸び悩みに伴って、飲料事業以外の事業に進出する動きが活発化しています。
たとえばキリングループは2007年より、バイオケミカル事業を展開する協和発酵グループと資本提携し、医薬事業の拡大に注力しています。2021年時点では、グループ全体の収益の約20%を担う事業にまで成長しています。
キャリアアドバイザー
そのほか健康食品事業や不動産事業などに進出する企業もあり、今後も成長が見込まれる市場への進出の流れが加速していきそうです。
海外で新たな市場を開発
人口減少や若者のビール離れなどによって国内市場は縮小傾向にあります。そのため、海外市場の開発に力を入れる企業が増えています。
特に、安定した収入先として期待されているのが、経済成長著しい東南アジアです。東南アジアは比較的味の好みが日本人に近く、海外進出における大きな課題の一つである、嗜好の違いをクリアしやすいとされています。
また、海外メーカーとの提携や買収も増加傾向です。たとえば2020年には、アサヒグループがオーストラリアの最大手ビールメーカー、カールトン&ユナイテッドブリュワリーズを買収したことで話題になりました。
サブスクなど自販機の新サービスの開発
他事業への進出や、海外での新たな市場の開発以外では、既存のサービスに新たな価値を見出そうとする動きも目立ちます。
代表的な例として挙げられるのが、JR東日本ウォータービジネス(現JR東日本クロスステーション)が提供する「every pass(エブリーパス)」というサービスです。
これは自販機にサブスクリプション(定期購入)の仕組みを採り入れたもので、月額料金を払えば、ユーザーは毎日1本好きな飲み物を受け取ることができます。
専用の自販機でしか受け取れない、現状の月額2980円ではユーザーのメリットが薄いといった問題点はありますが、こうした新たな戦略は今後も増えていきそうです。
キャリアアドバイザー
今までのあり方に満足せず、新しいサービスを模索しようという企業の想いが感じられますね。
今後も新規事業やサービスのイノベーションに期待
いつの時代も一定の需要がありますが、時代に合わせた新しいアイデアや商品を求められるのが飲料事業の特徴です。特に近年は、事業拡大やサービスの新開発を目的とした資本提携や買収の動きも活発化しており、さらなる新しい動きが注目されます。
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大手メーカー売上高ランキング
ここからは、売上高ランキングで上位にランクインする大手メーカー7社をご紹介します。業界研究では企業名や商品名だけでなく、企業ごとの特徴を把握することが大切です。
飲料業界の大手メーカーがそれぞれどんな強みを持っているのか、正しく把握したうえで選考に臨みましょう。
1.サントリーホールディングス
- 本社:大阪府大阪市
- 代表者:代表取締役会長 佐治 信忠 代表取締役社長 新浪 剛史
- 従業員数:40,044人(2020年12月31日現在)
- 事業内容:グループ全体の経営戦略の策定・推進、およびコーポレート機能
- 創業:1899年
- 資本金:700億円
売上高で業界トップを誇るサントリーホールディングスは、清涼飲料やお酒まで多種多様な商品を製造・販売しているメーカーです。お茶や水をはじめとする清涼飲料のほか、ビールやワイン、スピリットなどのお酒も取り扱っています。
飲料事業以外の事業としては、健康食品事業や外食・加食・花・サービス事業にも注力しています。アイスクリームの製造・販売メーカーとして知られるハーゲンダッツジャパンも、実はサントリーが関わる合弁会社の一つです。
2.コカ・コーラボトラーズ
- 本社:東京都港区
- 代表者:代表取締役社長 最高経営責任者 カリン・ドラガン
- 事業内容:清涼飲料水の製造、加工および販売
- 設立:2001年
- 資本金:1億円
コカ・コーラボトラーズは、コカ・コーライーストジャパンとコカ・コーラウエストが経営統合して誕生した企業です。アメリカの大手飲料メーカー、コカ・コーラ・カンパニーの製品の製造・販売をおこなうメーカーです。
同じくコカ・コーラグループの企業として日本コカ・コーラ株式会社もありますが、日本コカ・コーラが製品の企画開発やマーケティング活動の役割を担っているのに対し、コカ・コーラボトラーズジャパンは製品の製造・販売の役割を担っています。
3.伊藤園
- 本社:東京都渋谷区
- 代表者:代表取締役会長 本庄 八郎
- 従業員数: 5,403名
- 事業内容:茶葉関連事業、飲料関連事業
- 設立:1966年
- 資本金:200億円
フロンティア製茶株式会社を前身とする伊藤園は、お茶の研究開発や製造・販売に強みを持つメーカーです。PETボトルに代表される飲料製品はもちろん、ティーバッグをはじめとしたリーフ製品も展開しています。
海外においては、北米や中国、東南アジア、オーストラリアを中心に事業展開しています。「世界のティーカンパニーへ」という長期的なビジョンをもとに、高品質な日本茶の魅力を世界に広めようとしています。
4.ヤクルト本社
- 本社:東京都港区
- 代表者:代表取締役社長 成田 裕
- 従業員数:2,876名 (2019年3月末日現在)
- 事業内容:食品事業、化粧品事業、医薬品事業、国際事業
- 創業:1935年
- 資本金:311億
ヤクルトは、創始者である医学博士・代田稔氏の考え方を事業の基盤とし、世界の人々の健康に寄与することを目的に掲げているメーカーです。主力事業の食品事業のほか、化粧品事業、医薬品事業、国際事業の3つを展開しています。
特に国際事業への取り組みは早く、1964年には既に初の海外事業所として、台湾ヤクルトが営業開始していました。その後も事業の提供範囲を着実に広げていき、現在では世界の40の国と地域で、毎日4,000万本のヤクルトを販売しています。
5.アサヒグループホールディングス
- 本社:東京都墨田区
- 代表者:代表取締役社長兼CEO 勝木 敦志
- 従業員数:29,850名(連結、2020年12月31日現在)
- 事業内容:グループの経営戦略・経営管理
- 設立:1949年
- 資本金:2,200億
アサヒは酒類事業、飲料事業、食品事業、国際事業の4つの事業を展開するメーカーです。ロングセラー商品である「アサヒスーパードライ」を核とした、ビール類に特に強みを持っています。
近年は消費者の健康志向ニーズに応えるため、無糖タイプの炭酸飲料を続々とリリースしています。これまで主力としてきたビール類以外の酒類の販売拡大にも力を入れています。
6.大塚ホールディングス
- 本社:東京都千代田区
- 代表者:代表取締役社長兼CEO 樋口 達夫
- 従業員数:33,151名 (連結)
- 事業内容:グループの経営戦略・経営管理
- 設立:2008年
- 資本金:816億
大塚ホールディングスは医療関連事業、ニュートラシューティカルズ事業、消費者関連事業、その他事業の4つの事業を展開するメーカーです。包括的なヘルスケアサービスを提供する「医療関連事業」と、健康食品と飲料を製造・販売する「ニュートラシューティカルズ事業」を収益の柱としています。
飲料の代表的な商品としては、「ポカリスエット」や「オロナミンCドリンク」が挙げられます。医薬品事業で培われたノウハウを活かし、科学的根拠に基づく製品を多く取り扱っているのが大塚ホールディングスの特徴です。
7.キリンホールディングス
- 本社:東京都中野区
- 代表者:代表取締役社長 磯崎 功典
- 従業員数:31,151人(連結、2020年12月31日現在)
- 事業内容:グループの経営戦略策定及び経営管理
- 設立:1907年
- 資本金:1000億
キリンは食領域、ヘルスサイエンス領域、医療領域の3つの領域で事業を展開するメーカーです。発泡酒売上トップの「麒麟 淡麗」シリーズを核とした発泡酒に特に強みを持っています。
主力とする食領域と医療領域以外では、ヘルスサイエンス領域の育成にも力を入れているのがキリンの特徴です。自然由来の原料や、細胞・微生物に関する研究で培った独自のノウハウをもとに、健康という社会課題解決に取り組んでいます。
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飲料業界の求める人物像
- チャレンジ精神のある人
- リーダーシップのある人
- 分析力と創造性のある人
飲料業界に興味はあっても、本当に自分に合った業界なのか不安に感じる人も多いと思います。入社後のギャップを防ぐためにも、飲料業界の求める人物像を理解し、自分が活躍できそうな業界なのかを確かめておきましょう。
チャレンジ精神のある人
トレンドの移り変わりが激しい飲料業界では、チャレンジ精神のある人が求められています。「好調な売れ行きだった商品が急に売れなくなる」「社会情勢に応じてニーズが目まぐるしく変化する」といったケースは、変化の多い飲料業界では珍しくありません。
たとえば近年は、健康志向の高まりから無糖タイプの飲料に人気が集まったり、巣ごもり需要で携帯性の高い小型PETボトルの需要が落ち、大型PETボトルの需要が高まったりしています。
キャリアアドバイザー
業界の特徴から、飲料業界では今までの常識にとらわれず新しいことにも積極的にチャレンジできる人が常に求められています。
チャレンジ精神を上手くPRする方法についてはこちらの記事で確認してください。
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リーダーシップのある人
新しいチャレンジが求められているということは、主体的に行動できるリーダーシップも必要になります。企業にとって何が必要かを考え、自ら行動できる人材は飲料業界のどの職種でも重宝されるでしょう。
飲料業界で求められるリーダーシップとは、組織やチームをまとめて先導する旗振り役に必要な能力だけではありません。従業員が働きやすいような環境をつくったり、自分の働きぶりによって周りに好影響を及ぼしたりする能力も、飲料業界で求められるリーダーシップです。
分析力と創造性のある人
これまでの製品にはない新しい価値を生み出すには、分析力や創造性が必要になります。市場のニーズを正確に分析し、それを具体的な製品として実現する創造性が備わっている人は、飲料業界で活躍できるでしょう。
市場の変化に応じた製品の開発・改良が求められる飲料業界では、自社や顧客、他社の動向などを考慮した多角的な分析力が欠かせません。
- マーケティング
- 研究開発
- 商品企画
分析力の自己アピール例文はこちらの記事で紹介しています。
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飲料業界で求められる人物像の中でも特に重宝される人材は「チャレンジ精神のある人」です。飲料業界は規模が大きいため、今まで経験したことのないようなイレギュラーな事態が発生することもあるからです。
たとえば、大手飲料メーカーは外国で原材料を生産して世界中に販売するなど、世界をまたにかけて企業活動をしています。そのため、原材料の不作や文化的違い、為替変動などから想像を超えたトラブルに直面することもあります。これまでの前例がないような事態でも素早く反応し、大きな金額になっても判断できるチャレンジ精神は必要不可欠です。
トラブルにたじろがず行動することで、自社製品の安定供給につなげることができます。また、最後までやりぬく責任感も大切です。飲料業界は予測できない結果に怖気づいて動けなくなるタイプより、果敢に挑戦するタイプを求めています。学生時代にさまざまなことに挑戦してきた方は向いている業界といえますよ。
飲料業界の志望動機を作る際の3つのポイント
飲料業界の志望動機では、「貴社の製品が好きだからです」と伝えるだけでは評価してもらえません。企業にとって採用する価値のある人材だと評価してもらえるよう、熱意だけでなく、飲料業界を選んだ理由や入社後のビジョンを具体的に伝えましょう。
①なぜ飲料業界を目指すのかを述べる
まずは何がきっかけで飲料業界を目指しているのかを述べましょう。自分ならではの理由を伝えることで、他の学生の志望動機との差別化を図れます。
飲料業界を目指す理由を伝える方法としては、過去のエピソードを交えながら伝える方法が効果的です。実際の経験に基づくエピソードであれば志望動機に説得力が増し、企業に納得してもらいやすくなります。
キャリアアドバイザー
過去に経験したエピソードを含めることで、志望動機に自分ならではのオリジナリティを出すことができます。
②飲料業界で何を実現したいのかを盛り込む
志望動機では、飲料業界で何を実現したいのかを盛り込むことも大切です。入社後にどんなことを実現し、どのような社会人になっていたいかなど、長期的なビジョンを伝えましょう。
志望動機は企業に対して入社の熱意を伝えるものですが、企業にとっては学生の将来性と、自社との相性を見極めるためのものです。長期的なビジョンが不明瞭であれば大きな成長が望めないと判断されてしまうため、飲料業界で実現したいことを志望動機に盛り込む必要があるのです。
また、長期的なビジョンを伝えることは、企業に対する理解度の高さのアピールにもつながります。企業で実現できることを入念に調べたうえで、長期的なビジョンを伝えれば、「その企業でなければならない理由」が明確な志望動機になるでしょう。
日本文化を大切に残すためにも、PETボトルのお茶の魅力を伝えていきたい
③自分の強みをどう活かせるのかで締める
志望動機の最後は、自分の強みを企業でどう活かせるのかで締めましょう。入社への熱意を伝えるだけでなく、どう企業に貢献していけるのかをアピールすることが大切です。
強みの活かし方を伝える必要があるのは、自分が企業にとって採用する価値のある人材だとわかってもらうためです。何が強みでそれがどんな場面で活きるのかを伝えれば、組織に必要な人材かどうかを見極めるための判断材料になります。
企業への活かし方を伝える際は、企業理念や求める人物像、そして飲料業界ならではの特徴や傾向に即した内容を伝えるのがポイントです。
常に流行に敏感で分析力があり、商品開発としてその強みを活かしたい
強みの見つけ方はこちらの記事で解説しています。
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飲料業界の志望動機例文
それでは、飲料業界の志望動機例文を3つご紹介します。これまでに紹介してきた飲料業界のトレンドや、志望動機の作り方のポイントを踏まえ、自分なりの回答を考えてみてください。
例文①
私は日本の茶文化を通して世界の人々との結びつきを強めたいと思い、お茶を強みとする貴社を志望しました。
このような考えを持つようになったのは、同じ大学に通う留学生と初めて会話をしたときの経験がきっかけです。初対面で何を話せばいいのかわからずに気まずい空気が流れる中、私がちょうど手元に置いていた「お〜いお茶」が話のきっかけになったのです。
同じものが好きだったおかげで話が盛り上がり、安心感を覚えたのと同時に、日本のお茶の魅力を外国の人に理解してもらえたことに嬉しさを感じました。
それ以来、異文化コミュニケーションにも高い興味を持つようになり、海外に旅行した際などにも積極的に外国の人に日本の文化を伝えてきました。もちろん、特によく話題にしたのがお茶の話です。
このような経験から、時には人間関係を築くきっかけにもなるお茶の魅力を、世界中の人々に知ってもらいたいと思うようになりました。世界のティーカンパニーを目指す貴社であれば、私の夢が実現できると確信しています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
飲料業界を目指すきっかけとなったエピソードが非常に具体的な文章です。自分ならではの経験談が、そのまま企業を選んだ理由にもつながっています。
コミュニケーション力をアピールしたいときの例文はこちらの記事で解説しています。
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例文②
私が貴社を志望するのは、お酒の製造・販売を通じて多くの人に明日への活力を与えたいと思ったからです。
このような考えを持つようになったのには、お酒好きの父の存在が大きく影響しています。毎晩お酒を飲んでは「これがあるから明日も頑張れる」と語る父に対し、自分が子どもだった頃は大げさに言ってるだけだと考えていました。
しかし、実際自分が大人になってお酒を飲んでみると、父が言っていたことの意味が少しはわかるようになりました。お酒は単に気分が良くなる飲料というだけでなく、活力を与える役割も担っていると気づき、飲料メーカーでの仕事に興味を持ったのです。
長年続けてきた野球では大学時代、主将を務めましたが、試合に勝利した後に、仲間とお互いを称え合う際にもビールが欠かせませんでした。
貴社は長年ビール事業において存在感を発揮してきた企業ですが、最近は若者のビール離れなどによってビールの売上が伸び悩んでいると伺っています。そのような背景も頭に入れつつ、入社後は持ち前のリーダーシップを活かしながら、商品開発として今の時代に合った製品を開発していきたいです。
キャリアアドバイザー
飲料業界で何を実現したいのかがよく伝わる文章です。自分が興味を持っている分野への理解度の高さも読み取れます。
例文③
私は将来、社会への貢献を実感しやすい仕事に就きたいと思い、生活に欠かせない飲料を取り扱う飲料業界を志望しました。
どんな業界の仕事でも社会に役立っているのは同じですが、自分が製造・開発に携わった製品への消費者の反応を、実際に確認できるのは飲料業界ならではの働きがいだと考えています。
技術者としての私の強みは、結果が出るまで粘り強く取り組むことと、研究に熱心に向き合う真面目さです。入社後は生産研究部門の一員として、持ち前の粘り強さと真面目さを活かし、貴社の強みであるビールを通じて多くの人に楽しい時間を提供したいと思います。
社会への貢献を実感しながら、新製品の開発や既存製品の改良に励み、ゆくゆくは自分の仕事に自信と誇りを持てる技術者になりたいです。
キャリアアドバイザー
入社後のキャリア設計が明確な文章です。生産研究部門の一員としてどんな技術者に成長していきたいのかがよくわかります。
飲料業界のトレンドを知って選考突破を目指そう
飲料業界は人々の生活に欠かせない製品を取り扱う業界ですが、トレンドの移り変わりが激しい一面を持ち合わせています。業界や企業の将来性を見極めるためにも、今現在の飲料業界ではどんな製品のニーズが高まっているのか、何が課題となっているのかを理解したうえで就活を進めましょう。
また、同じ飲料業界のメーカーといっても、事業領域はもちろん、強みとしている分野もそれぞれ異なります。自分の能力を活かしやすい企業を見つけるためにも、企業研究によって各メーカーの特徴を正しく捉えることをおすすめします。
キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる
飲料業界における近年の就活傾向として、入社難易度が非常に高いことが挙げられます。飲料メーカーは知名度が高いうえに、他業種と比べて業績も安定傾向にあるため、学生からの人気を集めるからです。
工業製品の部品メーカーのようなBtoBの企業と比べると、BtoCの飲料メーカーは一般消費者に自社ブランドをアピールする機会が多いですよね。毎日、清涼飲料やお酒のテレビCMは流れますし、スーパーや自動販売機でも商品を目にします。
「コロナ禍の影響でアルコール販売量減少」のニュースが流れたと思えば「巣篭り需要で濃縮飲料の売上が伸びている」といったチャレンジングな業界という情報も入ってきます。BtoBで一般消費者の知名度が低い企業なら、企業の取り組みや成功事例をニュースなどで報じてもらう機会はあまりありません。
そのため、飲料業界は学生からの興味を集めやすく、内定の競争倍率の高い企業が多いといえますよ。飲料業界で内定を得るために、就活対策はしっかりおこないましょう。