目次
- 社員の人柄を見ることは重要! ただし志望動機にするのは危険
- 志望動機を社員の人柄にする前に知っておきたいこと
- 社員の人柄が企業のすべてを体現しているわけではない
- 就活中に出会った社員と働けるわけではない
- 社員の人柄を志望動機にした際の想定される評価
- 説得力がない
- 企業分析が甘い
- 志望度が低く感じられる
- 働くことへの意欲が感じられない
- 社員の人柄を盛り込んだ志望動機の説得力をアップさせる方法
- 企業説明会に参加して社員とのつながりを作る
- OB・OG訪問をして実際に働いている社員から話を聞く
- インターンシップに参加して社員の人柄を深く知る
- 社員の人柄の良さを志望動機に盛り込む際の考え方
- ①自分が社員の人柄を重視する理由を考える
- ②社員の人柄に惹かれた時の状況を具体的にアウトプットする
- ➂どういった人柄に惹かれたのか具体的に言語化する
- ④なぜその人柄に惹かれたのかを考える
- 社員の人柄の良さを志望動機にする際の話し方
- ①社員の人柄に惹かれたことを簡潔に述べる
- ②社員の人柄に惹かれたエピソードを述べる
- ➂自分がなぜ社員の人柄を重視するのかを述べる
- ④入社後どのように働きたいかを述べる
- 社員の人柄の良さを志望動機にする際のポイント
- 人柄は具体的な言葉で丁寧に説明する
- エピソードは噂や聞いた話ではなく実体験を述べる
- 事業内容や企業理念など社員の人柄以外の要素にも触れる
- 複数の社員の人柄に惹かれた場合は社風や社内の雰囲気に言い換える
- 社員の人柄を盛り込んだ志望動機のOK例文
- 例文①:企業で働く人の人柄に惹かれた
- 例文②:企業理念や社長の考え方に惹かれた
- 例文➂:企業全体の雰囲気や社風に惹かれた
- 社員の人柄を盛り込んだ志望動機のNG例文
- 例文①:惹かれた社員の人柄が漠然としている
- 例文②:1人の社員の人柄にフォーカスしすぎている
- 例文➂:1人の社員の人柄を企業全体の社風と勘違いしてしまっている
- 社員の人柄の良さを盛り込んだ志望動機に対する質問を押さえておこう
- 志望動機に社員の人柄を書いてもいいか悩む学生からよくある質問に回答!
- 社員の人柄の扱い方を知り企業側に納得してもらえる志望動機を書こう
社員の人柄を見ることは重要! ただし志望動機にするのは危険
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。本選考のエントリーが近づいてくる時期になると、
「社員の人柄の良さは志望動機になりますか? 」
「社員の人柄を志望動機にする場合は、どのように書けば良いのでしょうか? 」
など、社員の人柄を志望動機にしようと考えている学生から多くの質問が寄せられます。企業説明会やインターンシップ(インターン)に参加し、働く社員の方々の人柄に魅力を感じて、その企業を志望しようと決めた人は少なくないでしょう。
しかし、実は志望動機を社員の人柄の良さにしてしまうと、良くない評価をされてしまう可能性があるのです。
そこで今回は、社員の人柄を盛り込んだ志望動機について解説します。社員の人柄を盛り込んだ志望動機がなぜ良くない評価を受けてしまうのか、どうすれば高い評価を受けられる志望動機にすることができるのかなど、細かい部分まで解説するので、ぜひ参考にしてください。
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志望動機を社員の人柄にする前に知っておきたいこと
志望動機を社員の人柄の良さにすることは、悪いことではありません。しかし、社員の人柄は、その企業で働きたいという理由としては説得力が弱く、選考の通過率を下げる恐れがあります。そのため、志望動機として人柄の良さに魅力を感じたことだけをエントリーシート(ES)に書いたり、面接で述べたりすることは、あまりおすすめできません。
ではなぜ、社員の人柄を主張する志望動機は他のエピソードと比べて説得力が弱くなってしまうのでしょうか。
ここでは、社員の人柄の良さを志望動機に盛り込むことで説得力が弱まってしまう理由について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
社員の人柄が企業のすべてを体現しているわけではない
1つ目に知っておきたいことは、社員の人柄が企業のすべてを体現しているわけではないということです。
社員の人柄に魅かれた学生の中には、素敵な人柄の社員がいるから良い会社だと思ったり、人柄の良い社員が多い会社は働きやすそうだと思っていたりした人もいるかもしれません。
しかし、人柄の良い社員が在籍していることと、その企業の働く環境が良いかどうかや人間関係が良好かどうかについては何の因果関係もありません。人柄の良い社員が在籍していることは事実ですが、その企業で働くすべての社員が人柄が良いとは限りませんし、相手が納得する志望動機とはなりにくいでしょう。つまり、人柄の良い社員に魅力を感じたということということを、その企業で働きたい理由とするには、説得力が弱いといえますね。
就活中に出会った社員と働けるわけではない
2つ目に知っておきたいことは、入社後、就活中に出会った社員と必ずしも一緒に働けるわけではないということです。
社員の人柄を志望動機にしようと考えている学生の中には、就活中に出会った人柄が良い社員と働きたいという理由で、その企業を志望している人もいますよね。
しかし、入社後に就活中に出会った社員と一緒に働ける可能性は100%ではありません。従業員が少ないベンチャー・スタートアップ企業であれば、一緒に働ける可能性は高いですが、中小企業や大企業の場合は、日本各地に複数のオフィスがあるうえに、部署や課がいくつも分かれているので、一緒に働ける可能性は高くありません。
つまり、人柄が良い社員と働きたいという志望動機は、その企業したからといって実現できることではないため、志望動機としては説得力が弱いのです。
さらに、特定の社員のみを目的として企業を選んでいると、その人が転職や独立をすれば辞めそうだと、企業側に思われてしまう可能性もあります。
社員の人柄を志望動機にした際の想定される評価
- 説得力がない
- 企業分析が甘い
- 志望度が低く感じられる
- 働くことへの意欲が感じられない
社員の人柄の良さを盛り込んだ志望動機は評価されづらいといえるでしょう。しかし、具体的に企業側にはどのような評価をされるのでしょうか。
そこでここからは、社員の人柄を志望動機にした際の想定される評価について解決します。社員の人柄を志望動機にしようと考えている人は、ぜひ一度目を通しておいてください
説得力がない
社員の人柄の良さという志望動機は、その企業の社員と接したことがある学生であれば、誰にでも言えてしまうため、説得力がないと評価される可能性があります。
また、さきほども解説したように、1人の社員の人柄がその企業のすべてを体現しているわけでもなく、その社員と一緒に働ける可能性も高くもありません。
そのため、人柄が良い社員が在籍していることは事実であったとしても、その企業で働くことの理由としては説得力がないと思われてしまうのです。
企業分析が甘い
社員の人柄の良さを志望動機にすると、企業分析が甘いと評価をされてしまうことも考えられます。
社員の人柄はあくまで抽象的な表現のため、人柄に惹かれたエピソードだけを志望動機にすると、社員の人柄以外に惹かれる部分を見つけることができなかったと捉えられてしまう可能性があります。
どのようなな企業でも、企業理念やビジョン、事業内容やサービスなど、独自のものを追求して行ています。そんな中で、社員の人柄だけを志望動機として挙げられると、企業分析が甘いと判断されても仕方ないことだといえます。
志望度が低く感じられる
志望度が低いと感じられてしまう可能性もあります。
社員の人柄を志望動機にすると、企業分析が甘いと評価される可能性があるため、企業によっては「力を入れて企業分析をするほどの志望度ではないのかもしれない」というような印象を与えてしまうこともあるでしょう。
さらに、社員の人柄しか魅力を見つけられなかったと受け取られてしまうと、仕事には魅力を感じていない、サービスや事業に貢献しようと思う気持ちはないと思われてしまう可能性もあります。
働くことへの意欲が感じられない
社員の人柄の良さばかりを志望動機で述べてしまうと、働くことや業務内容などへの意欲が伝わらない志望動機となってしまい、相手に働くことへの意欲を伝えることが難しくなる可能性もあります。
また、就活は自分と相性が良い人や自分が好きになれる人を探す場ではなく、働く場所を探すためのものです。そのため、志望動機で社員の人柄についてばかり述べてしまうと、就活の目的をはき違えていると思われることもあるでしょう。
志望動機の作成方法についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
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社員の人柄を盛り込んだ志望動機の説得力をアップさせる方法
社員の人柄を志望動機にすると評価されにくくなってしまったり、場合によっては不合格の原因となってしまう可能性もあります。
しかし、それでも社員の人柄を志望動機にしたい場合には、次に紹介する社員の人柄を盛り込んだ志望動機の説得力をアップさせる方法をぜひ取り入れえてみてください。志望動機に必要なエピソード作りにもなるので、ぜひ実践してみましょう。
企業説明会に参加して社員とのつながりを作る
社員の人柄の良さを志望動機に盛り込もうと考えている人は、企業説明会に参加して社員とのつながりを作っておきましょう。
実際に社員と接した経験があれば、志望動機に自分が経験した具体的なエピソードを盛り込むことができるので、説得力がアップします。
そのため、企業説明会に参加した際は、単に説明会の話を聞いているだけではいけません。休憩時間や説明会終了後に、社員に話しかけたり質問したりすることで、つながりを作っておくことが大切なのです。
また、可能であれば名刺などから連絡先を得て、後日追加の質問をしたり、OB・OG訪問のような形で話を聞かせてもらえる機会を作ってもらったりすると、より説得力のあるエピソードとすることができます。
企業説明会には、大学内にておこなう学内説明会も存在します、学内説明会とはどのようなものなのか、興味のある学生はこちらの記事を参考にしてみてください。
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OB・OG訪問をして実際に働いている社員から話を聞く
社員の人柄を盛り込んだ志望動機に説得力を持たせるためには、OB・OG訪問をおこない実際の社員とコミュニケーションをとり、働いている人の人柄、社風、職場の環境を知ることも重要です。、社員と接した経験を作ることで具体的な志望動機を作成することができるでしょう。
OB・OG訪問をおこなう際は、ゼミやサークルなどの先輩を訪ねるだけでなく、大学のキャリアセンターなどを利用して、訪問先を探すようにしましょう。
社員の人柄を盛り込んだ志望動機を提出しようと決めた企業があれば、ぜひ積極的にOB・OG訪問をおこなうことをおすすめします。
OB・OG訪問に興味のある学生はこちらの記事を確認しましょう。OB・OG訪問の際に注意すべき点などについて解説しています。
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インターンシップに参加して社員の人柄を深く知る
社員の人柄を盛り込んだ志望動機に説得力を持たせる方法として、最もおすすめなのが、インターンに参加することです。特に、長期インターンがおすすめです。
さきほども述べたように、社員の人柄を志望動機に盛り込むのであれば、社員の人となりを知ることができるくらいの時間、社員と接した経験がある方が説得力が生まれます。
そのため、企業で働く社員と長い期間接する長期インターンがおすすめなのです。そして、長期インターンでは、たくさんの社員と接することもできるので、特定の社員の人柄だけでなく、会社の雰囲気や社風についても知ることができます。
インターンしプの探し方については、こちらの記事で紹介しています。
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社員と話をする際には、距離を縮めるペースを間違えないように注意をしてください。たとえば、みなさんもプライベートな場面で、初対面にもかかわらず自分のことを根掘り葉掘り聞かれた場合、すべてを話そうという気持ちになりにくいのではないでしょうか。
同様に、学生側は「志望動機に盛り込みたいから」「〇〇のことを知りたいから」など社員に対して聞いてみたいことがたくさんあるはずです。しかし、社員の立場から考えると、学生と話すことは単に好意でおこなっていることかもしれません。
いきなり不躾にあれもこれもと聞くのではなく、最初はお話をできることへのお礼や、自分自身の状況を説明してお互いの心を開き、その上で本題に入れるように段階を経ていくことを忘れないようにしてください。
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社員の人柄の良さを志望動機に盛り込む際の考え方
社員の人柄の良さを志望動機に盛り込む場合は、ほかの理由の志望動機を書く時以上に入念な準備をする必要があります。
また、事前に準備をせず、いきなり志望動機を書こうとすると、なかなかペンが進まないという状態になってしまう可能性が高くなります。
そこでここからは、社員の人柄の良さを志望動機に盛り込む際の考え方について解説します。これから解説する方法を段階を踏んで実践していけば、志望動機が書きやすくなるので、ぜひ自分の考えや思いを書き出しながら読み進めてください。
①自分が社員の人柄を重視する理由を考える
志望動機では、自分が惹かれた企業の特徴を挙げるだけでは、具体的な理由が相手に伝わらず、志望動機に対する説得力が生まれません。
そのため、志望動機に社員の人柄の良さについて書こうと考えている場合は、なぜ自分が社員の人柄を重視するのかということを考えておく必要があるのです。
また、社員の人柄を重視したいと考えるようになったきっかけについても思い出しておくと、志望動機が書きやすくなるのでおすすめです。
②社員の人柄に惹かれた時の状況を具体的にアウトプットする
次は、社員の人柄に惹かれた時の状況を具体的にアウトプットしましょう。
社員の人柄を志望動機に盛り込む場合は、単に社員の人柄を、優しい・かっこいい・おもしろいなどの言葉で説明するだけでは、説得力が生まれません。
そのため、社員の人柄を表す言葉と一緒に、その人柄を目にした時の状況を一緒に述べることが大切なのです。状況をうまくアウトプットできない人は、以下の項目に沿って書き出してみてください。
社員の人柄に惹かれたのは、
- いつ?
- どこ?
- どんな状況?
- 自分は何をしていた?
- 社員は何をしていた? 何をしてくれた?
書き出す際は具体性を意識しましょう。抽象的な表現だと、相手に自身の考えや感情が伝わりにくいことがあります。
➂どういった人柄に惹かれたのか具体的に言語化する
社員の人柄に惹かれた状況を整理できたら、次はどういった人柄に惹かれたのかを具体的に言語化していきます。
さきほども述べましたが、優しい・かっこいい・頼りがいがあるなどの言葉で社員の人柄を述べてしまうと、本当に社員の性格を知っているのかと疑問に思われてしまい、説得力が薄れてしまいます。
また、状況を具体的に述べたとしても、人柄を表す言葉が抽象的すぎると、面接官に響かない志望動機となってしまう可能性があります。そのため、社員の人柄については、1つの言葉でまとめるのではなく、具体的に述べることが大切なのです。
たとえば、優しいという人柄でも、同僚を気遣うことができる優しい人柄、部下のためを思って厳しいことでも伝える優しい人柄、顧客の思いにとことん寄り添おうとする優しい人柄など、さまざまな種類の表現をすることができます。
④なぜその人柄に惹かれたのかを考える
最後は、なぜその人柄に魅かれたのかということを考えることが重要です。
優しい人柄に惹かれる人がいれば、厳しい人柄に惹かれる人もいるように、惹かれる人柄は人それぞれで、惹かれた理由が明確になっていなければ、面接官に納得してもらうことは難しいからです。
- しっかりと叱ってくれる厳しい人柄に惹かれる理由は、諦め癖がある自分の成長に必要だと感じたから
- みんなを励ます優しい人柄に惹かれるのは、褒められたり励まされたりすることで自分のモチベーションが上がるから
また、惹かれた理由は、仕事と結びついていなければ、企業に提出する志望動機としてはふさわしくないので注意しましょう。惹かれた理由と仕事を結びつけ、より相手が共感することができる内容にしましょう。
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社員の人柄の良さを志望動機にする際の話し方
志望動機に必要な情報をアウトプットすることができたら、次は聞き手に伝わりやすい構成にしていく必要があります。
そこでここからは、社員の人柄の良さを志望動機にする際の話し方について解説します。これから解説する順番で志望動機を述べると、聞き手に話の内容が伝わりやすく、説得力も生まれるので、ぜひ実践してみてください。
①社員の人柄に惹かれたことを簡潔に述べる
冒頭は、社員の人柄に惹かれことを簡潔に述べます。
志望動機にかかわらず、面接で相手に伝わりやすいように話すためには、話の冒頭で結論や話のテーマとなる大枠を述べておくことが大切なのです。
たとえば、「私が御社を志望する理由は、御社の社員の方の人柄に惹かれたからです」というように述べるとわかりやすいでしょう。
また、冒頭で長々と話してしまうと、話の内容が伝わりづらくなってしまうので、あくまでも簡潔に、誰にでもわかる言葉を選ぶように意識しましょう。
②社員の人柄に惹かれたエピソードを述べる
冒頭で、社員の人柄に惹かれたことを伝えたら、次は社員の人柄に惹かれたエピソードを述べましょう。
さきほど志望動機の考え方でアウトプットした、社員の人柄に惹かれた具体的な状況と社員の人柄を具体的に言語化したものを組み合わせれば、社員の人柄の良さがしっかりと伝わるエピソードとなります。
➂自分がなぜ社員の人柄を重視するのかを述べる
次は、自分がなぜ社員の人柄を重視するのかを述べます。
社員の人柄に惹かれたエピソードだけでは、社員の人柄に惹かれたことはわかりますが、その企業を志望する理由としては説得力に欠けてしまいます。
また、なぜその社員の人柄に惹かれたのかということも組み合わせると、より説得力のある志望動機になるでしょう。
④入社後どのように働きたいかを述べる
最後は、入社後どのように働きたいかということを述べます。
入社後どのように働きたいかについては、社員の人柄に関係なく、その企業でしかできないことやその企業で実現したいことなどを述べることでしっかりとその企業で働きたいと思っていることを伝えられます。
また、大きな夢や目標を掲げるだけでなく、それらを叶えるために具体的にどのような行動をするのか、どういった努力を積み重ねていくのかということを述べられると、面接官に働く姿をイメージしてもらいやすくなり、良い印象を与えることができます。
面接にて志望動機を話す際のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
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社員の人柄の良さを志望動機にする際のポイント
ここまで、社員の人柄の良さを志望動機にする際の考え方と書き方を解説してきましたが、それだけではありふれた志望動機になってしまい、ほかの学生の志望動機との差別化はできません。
そこでここからは、社員の人柄の良さを志望動機にする際のポイントについて解説します。面接官の印象に残ることはもちろん、社員の人柄を盛り込んだ志望動機であっても説得力がより強いものになるので、ぜひポイントを押さえてみてください。
人柄は具体的な言葉で丁寧に説明する
惹かれた人柄の説明は具体的な言葉で丁寧に説明するようにしましょう。
志望動機の考え方でも述べたとおり、人柄を1つの言葉で端的に表してしまうと、ありふれた表現となってしまうので、その社員の人柄についてよく知らない人でも言えてしまう内容だと思われてしまう恐れがあります。
そのため、社員の人柄に惹かれた場面や状況なども踏まえて、その人特有の人柄を表現できる言葉を探してみるようにしましょう。そして、できるだけ具体的な言葉で丁寧に人柄を説明するように心掛けてください。
エピソードは噂や聞いた話ではなく実体験を述べる
社員の人柄に惹かれたエピソードは、自分自身の実体験であることが重要です。
同じ企業を受けている学生と話す機会があると、社員の評判や噂を耳にすることがあるかもしれません。しかし、それらの情報は、事実かどうかはっきりしないものなので、志望動機に書くエピソードとしてはふさわしくありません。
また、そのエピソードについて深掘りをされたときに、人から聞いただけの情報だと上手く回答ができなくなってしまう可能性が高いです。
そのため、友人や就活仲間から得た情報をもとに書くのではなく、自分自身の経験に基づいたエピソードを書きましょう。
事業内容や企業理念など社員の人柄以外の要素にも触れる
冒頭から何度も述べているように、やはり社員の人柄だけでは、企業を志望する理由としては説得力に欠けてしまいます。
そのため、志望動機の中では、社員の人柄だけでなく、事業内容や企業理念についても触れるようにしましょう。
そうすることで、社員の人柄だけでなく、企業そのものに惹かれていることもアピールできるので、志望動機に説得力が生まれます。
複数の社員の人柄に惹かれた場合は社風や社内の雰囲気に言い換える
インターンシップに参加したことで、社員の人柄に惹かれたという人の中には、1人の社員ではなく複数の社員に惹かれたという人もいるでしょう。
そういった場合は、社員の人柄に惹かれたことを志望動機にするのではなく、社風や社内の雰囲気に惹かれたと言い換えた方が、志望動機として説得力が生まれます。
社風や社内の雰囲気は、その企業特有のものなので、その企業を志望する理由として成立するからです。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
人柄を判断するときには、その人の価値観を把握できるといいでしょう。何かトラブルが起きたときにどのような判断軸で動いているか、また、働いていてどのような瞬間にやりがいを感じることができるか、などを聞くことで人柄を判断できます。
少し聞きにくい質問かもしれませんが、表面的な出来事だけではなくて「なぜそう思ったのか」といった心情にまで踏み込んでコミュニケーションを取ることができると、より一層その人の人柄を判断することができるでしょう。最初は難しいかもしれませんが、場数を踏んで様々な発見ができるようにしてくださいね。
社員の人柄を盛り込んだ志望動機のOK例文
ここまで、志望動機を書くためのステップをたくさん解説してきましたが、いざ自分の志望動機を書くとなると、思いがまとまらなかったり、良い言葉が出てこなかったりするなど、志望動機を上手く書けなくなってしまう人もいるでしょう。
そこでここからは、社員の人柄を盛り込んだ志望動機のOK例文を紹介します。志望動機の作成がなかなか進まない人は、ぜひ例文に自分のことを当てはめながら志望動機を考えてみてください。
例文①:企業で働く人の人柄に惹かれた
私が御社を志望する理由は、御社の社員の方の人柄に惹かれたからです。
私は、数カ月前に御社の営業部の〇〇さんにOB・OG訪問をさせていただきました。〇〇さんは、大学の後輩でもない私に対して、丁寧に質問に答えて下さり、私の就活の悩みに対しても真剣に考えアドバイスを下さりました。さらに、OB・OG訪問後も、メールなどで質問するととても丁寧に回答をしてくださり、私は、〇〇さんのどんな人にでも真剣に向き合う姿勢に惹かれました。
私は、大学のボランティアサークルでの経験から、真剣に向き合ってくれる仲間や先輩がいることが自分の成長につながるということを学びました。そして、就職先を決める最も重要な軸として自己成長を掲げているので、社員の方の人柄を重視して就職活動を進めてきました。そのため、どんな人にも真剣に丁寧に向き合う〇〇さんの人柄に惹かれて御社を志望いたしました。
私が御社に入社することができた際には、御社が独自に開発した□□をより多くの人に知ってもらうために、新規開拓営業に取り組みたいと考えています。また、将来的には、マネジメント職に就き、後輩や部下と真剣に向き合い、成果を出せる営業職の人材を育てていきたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
OB・OG訪問で社員の人柄に惹かれるというのはよくあるエピソードですが、エピソードの後に、社員の人柄を重視する理由やその社員の人柄に惹かれた理由が、理論立てて書かれているので、説得力のある志望動機となっています。
例文②:企業理念や社長の考え方に惹かれた
私が御社を志望した理由は、御社の社長〇〇さんの考え方に惹かれたからです。
私は3ヵ月前に開催された、〇〇さんがご登壇される企業説明会に参加しました。講演では、御社の歴史について話されており、その中の1年ごとの目標を立てて、これまで必ず目標を達成されてきたというお話に衝撃を受けました。そして、「目標を達成するためには、先を見すえて常に努力することが重要」という〇〇さんの言葉を聞き、〇〇さんの下で働きたいと思うようになりました。
私は、小学校の頃から大学まで野球をやっており、その中で目標を掲げて努力することの重要さを学びました。一方で、目標を達成することの難しさも知っています。この経験から、企業選びの際は、目標を達成することができる力を身につけられる企業を選ぼうと考えてきました。そのため、〇〇さんが社長を務められている御社を志望しました。
私が御社に入社することができた際には、御社が20年前から取り組んでいる地方創生事業に携わりたいと考えています。そして、御社が大切にされている、住民の方々の声に耳を傾け、サービスに反映させていきたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
エピソードと自分自身の経験を繋げられているので、この企業を志望する理由がよくわかります。また、入社後の展望では、やりたいことが明確に述べられているので、働く姿をイメージしてもらいやすく高評価につながるでしょう。
例文➂:企業全体の雰囲気や社風に惹かれた
私が御社を志望する理由は、御社の社風に惹かれたからです。
私は1年ほど前に御社の長期インターンに参加しました。私はほかのインターン生と比べて、パソコンの操作が遅く、社員の方に迷惑ばかりかけてしまっていました。普通であれば、不機嫌な顔をされたり、仕事を取り上げられたりしてもおかしくない状況にもかかわらず、御社の営業事務チームの方々は、根気よく向き合って下さりました。また、私が失敗をした時も、たくさんの社員の方が励ましの言葉を掛けてくださいました。
私は、高校の部活動の経験から、周りの人との関係性が、自分にとっては大きなモチベーションになるということを学びました。そして、就活でも自分に合った社風の企業を探すために、さまざまな企業を見てきましたが、御社ほど支え合って仕事をしようという社風の企業はありませんでした。そのため、私は御社を志望いたしました。
私が御社に入社することができた際は、これまでの1年間で取得したMOSやITパスポートなどの知識やスキルを活かして、営業職の方をサポートできる営業事務になりたいと考えています。また、入社後も御社に役立てるようスキルアップのための勉強を続けたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
エピソードの内容が具体的なので、この学生がインターンを通してこの企業の社風を実際に体感したということがよくわかります。また、インターン後に、きちんと自分の弱みを補うための努力をしたこともうかがえるので、非常に印象が良いです。
社員の人柄を盛り込んだ志望動機のNG例文
社員の人柄を盛り込んだ志望動機は、ほかの理由の志望動機と比べて、面接官に納得してもらえる内容にすることが非常に難しいです。また、良い評価を得るためには、気をつけなければならない部分も複数あります。
そこでここからは、社員の人がを盛り込んだNG例文を紹介します。例文のどこがNGないのかを考えながら読んでみてください。また、すでに志望動機ができているという人は、自分の志望動機に当てはまっていないか確認してみてください。
例文①:惹かれた社員の人柄が漠然としている
私が御社を志望する理由は、御社の社員の方の人柄に惹かれたからです。
私は、数カ月前に御社の経理部の〇〇さんにOB・OG訪問をさせていただきました。〇〇さんは、OB・OG訪問の間、常に私の目を見て話を聞いて下さり、本当にお優しい方なのだと感じました。
私は、中学校の部活動の中で、自分は良好な人間関係の中で実力を発揮できるということを学びました。そのため、就職活動でも良好な人間関係の職場ということを第一条件としてきました。そして、〇〇さんが働いている職場であれば、良い人間関係を築けそうだと思い、志望いたしました。
入社後は、同じ部署や課の方々とたくさんコミュニケーションをとることで、良好な関係を築いていきたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
社員の人柄に惹かれて志望しているにもかかわらず、社員の人柄については優しいという説明しかないので、本当に惹かれているのかと疑問を抱かれてしまう可能性が高いです。また、職場の人間関係を重視することは悪いことではありませんが、人柄の良い社員が1人いるからといってその職場の人間関係が良いというわけではありません。
例文②:1人の社員の人柄にフォーカスしすぎている
私が御社を志望する理由は、商品開発部の〇〇さんに憧れているからです。
私は、半年くらい前に大学のOBでもある商品開発部の〇〇さんにOB訪問をさせていただきました。OB訪問では、私の質問に丁寧に答えてくださり、さらに入社までにしていた方が良いことなどについても教えてくださりました。また、〇〇さんがこれまで社内で表彰されてきたことなどを聞き、私も〇〇さんの下で働きスキルを学び、〇〇さんのようにになりたいと思ったため、御社を志望いたしました。
入社することができた際には、〇〇さんの下で働き、さまざまなことを吸収したいと考えています。また、将来的には〇〇さんと一緒にヒット商品を開発して、御社の売り上げに貢献したいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
就活で出会った社員に憧れを抱くことは良いことですが、1人の社員に対する憧れの気持ちを企業への志望動機にしてしまうと、企業に対する興味関心が感じられないので、あまり印象が良くありません。また、入社後の配属については、学生の意思が尊重される場合はありますが、特定の社員の部下になりたいという希望までは、聞いてくれる企業はほとんどありません。
例文➂:1人の社員の人柄を企業全体の社風と勘違いしてしまっている
私が御社を志望する理由は、成長志向が強い御社の社風に惹かれたからです。
私は、数カ月前に御社の企業説明会に参加させていただきました。その企業説明会では、社員の方が特別講義として、職場の環境や働き方、仕事への取り組み方などについて話してくださいました。私が参加した時に話をしてくださったのは、営業部の〇〇さんで、休日の日にセミナーに参加したり、自己啓発本で勉強したりされているというお話を聞きました。そして、私は〇〇さんの努力する姿勢に感銘を受けました。
私は、将来的には起業をしたいと考えているため、自分自身を成長させられる環境で働きたいと考えています。そのため、〇〇さんのような成長意欲が強い方が働いている職場であれば、私も成長できるのではないかと考え御社を志望いたしました。
私が御社に入社することができた際には、営業に関する自己啓発本やビジネス書を読むことで、知識やスキルを身につけ、御社の売上に貢献したいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、志望動機例文集も参考にしましょう
キャリアアドバイザー
成長意欲が強い社員が1人いるからといって、その職場が成長できる職場とは限らないので、面接官に納得してもらうことが難しい志望動機となってしまっています。また、社員の人柄以外に、その企業でなくてはならない理由が書かれていないので、志望動機としての説得力が弱くなってしまっています。
社員の人柄の良さを盛り込んだ志望動機に対する質問を押さえておこう
面接では、企業側が用意した質問をされることがほとんどですが、学生の回答に疑問があれば、回答の内容を深めるための質問をされる場合があります。
ここまで何度も述べてきたように、社員の人柄の良さを盛り込んだ志望動機は、説得力のない志望動機と思われたり、疑問を持たれやすい志望動機であったりするため、追加の質問をされる可能性が高いのです。
そのため、追加の質問を予想して、回答を考えておくことが大切です。以下の質問は面接で聞かれる可能性が高い質問なので、事前に回答を準備しておきましょう。
- 社員の人柄以外で弊社に惹かれた部分はありますか?
- 社員の人柄を重視する理由は何ですか?
- 志望動機で挙げてくださった社員は誰ですか?
- 志望動機で挙げてくださった社員と働けない場合モチベーションは下がりませんか?
社員の人柄を志望動機とする場合は、志望動機そのものの説得力を高めることも重要です。しかし、志望動機にどれだけ説得力があったとしても、質問に上手く答えることができないと、志望動機の説得力も同時に薄れてしまうことになります。
そのため、質問に対する回答についても、誰に話しても納得してもらえるくらいの回答ができるように、準備しておきましょう。
こちらの記事では面接でよく聞かれる質問を一覧で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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志望動機に社員の人柄を書いてもいいか悩む学生からよくある質問に回答!
志望動機に社員の人柄について書いて良いのか、もし書くとしたらポイントはあるのか気になる学生もいますよね。そのような疑問にキャリアアドバイザーが回答します。
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社員の人柄について志望動機で伝えるのはありでしょうか?
志望動機として社員の人柄を伝えることは問題ありません。インターンなどで密に社員とかかわったなど経験に基づく内容であれば、説得力が感じられアピール度を高くすることも可能です。実際に現場で働く社員が持っている志やコミュニケーションの取り方、仕事の進め方など、共感できるポイントを挙げて自らの考えを伝えることができれば、面接官も納得しやすい志望動機になりますよ。
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社員の人柄に言及した志望動機を書く際のポイントを教えてください。
志望動機で社員の人柄を挙げる際、「優しそう」のような一社員のあいまいな雰囲気だけを書いてしまうと、志望度が低い印象を持たれてしまいます。「視野がせまい」「企業分析が足りない」と判断されてしまう可能性もありますよ。そのためぼんやりとした人柄だけに焦点を当てるのではなく、具体的に何に共感したのかをふまえ、企業の全体像、自身の任される仕事、キャリアステップなど話を広げて伝えるようにしましょう。
社員の人柄の扱い方を知り企業側に納得してもらえる志望動機を書こう
社員の人柄の良さを盛り込んだ志望動機は、企業説明会やインターンシップに参加した人であれば誰でも言えてしまう内容なので、説得力がなくあまり響かない志望動機となってしまいます。
ただし、志望動機の中で、惹かれた社員の人柄を詳しく丁寧に説明したり、人柄を重視する理由をしっかりと述べることができれば、企業側にも納得してもらえる可能性が高まります。誰に読まれても納得してもらえる内容になることを目標にして、工夫を重ねながら書き進めていきましょう。
キャリアアドバイザーコメント川﨑 瑛久プロフィールをみる
特定の社員の魅力に惹かれた場合には、その社員が話していた内容と企業全体のメッセージを融合させてみてください。
たとえば社員が「若手にも裁量権がありやりがいを感じている」と言っていて魅力に感じた場合には、企業のホームページなどを読み込みましょう。もしそこに「当社は若手にもチャレンジする機会がある」と書かれていた場合には、「ホームページにも書かれていて、実際にOB・OG訪問をした時にもそのことを言っていたのでより魅力に感じた」という繋がりを持たせることができます。
特定の社員のことだけを書く場合には注意が必要ですが、その社員に出会うために自ら行動したことは志望度の高さをアピールできます。隠すことなく、伝え方に工夫を凝らすことができるようにしてみましょう。