土木業界への就職ってどう?  業界・職種・今後の展望について解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. インフラ整備の需要が高まっている土木業界とは
  2. まずは土木業界の概要を理解しよう
  3. 土木業界と建築業界の違い
  4. なぜ需要が高いの? 土木業界にもとめられる3つの役割を紹介
  5. ①安定的なインフラ整備
  6. ②首都圏の再開発
  7. ③自然災害の復旧・復興工事
  8. 土木業界で働く魅力とは
  9. 生活の基盤を支える仕事ができる
  10. 地図に載る建造物の創造に携われる
  11. 現場で働ける! 土木業界の職種を紹介
  12. とび
  13. 大工
  14. 鉄筋工
  15. 左官工
  16. 塗装工
  17. 土木業界の主要企業3選を押さえておこう!
  18. NIPPO
  19. 前田道路
  20. 日本道路
  21. 必ず押さえておこう! 土木業界が抱えている課題とは
  22. 若年層の働き手不足
  23. 離職率の高さ
  24. 3Kによるマイナスイメージ
  25. 働き方が変わる? 国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム」とは
  26. 長時間労働の是正
  27. 給与・社会保険
  28. 生産性向上
  29. 土木業界の今後の展望について解説! 
  30. ICT・AIなど最先端技術の導入
  31. 防災関連の工事需要の増加
  32. 女性が働きやすい環境づくりの推進
  33. 土木業界で活かせる資格・免許を紹介
  34. 資格:技術士
  35. 資格:測量士
  36. 資格:コンクリート技士・診断士
  37. 免許:高所作業車運転者
  38. 免許:巻き上げ機運転者
  39. 生活のインフラを支える土木業界への就職を目指そう! 

インフラ整備の需要が高まっている土木業界とは

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就職活動をおこなう学生から、

「土木業界について詳しく教えてください」
「どうして土木業界は需要が高い業界と言われているのですか? 」

といった質問を受けます。

この記事では、土木業界が今後も需要が高いとされる要因について詳しく解説します。さらに、土木業界への就職を目指すうえで必要な知識である、専門職の内容や業界の課題、就職する際におすすめしたい資格なども併せて紹介します。

土木業界を志望するうえで、業界の現状と今後の展望を理解することはとても重要となるため、ぜひ参考にしてみてください。

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まずは土木業界の概要を理解しよう

土木業界がどのような業務をおこなう業界なのか、まずは概要について理解しましょう。

土木業界とは、一般住宅から公共施設に至るまでさまざまな工事を請け負う建設業界に含まれます。建設業界には土木業界のほかにも、建築業界も含まれており、主にこの二つの業界で構成されています。建設業界と、土木・建築の関係は必ず押さえておきましょう。

土木業界と建築業界ではどのような違いがあるのでしょうか。土木業界を理解するうえで、前提となる知識なので、ぜひ確認してみてください。

土木業界と建築業界の違い

土木業界と建築業界の違いについて、詳しく説明します。

土木業界
  • 業務:橋・高速道路・一般道路・ダムなどのインフラ関連の建築や整備
  • 主な顧客:行政機関
  • 特徴:人が生活するうえで必要なものを造る。インフラや防災対策工事などが該当する。
建築業界
  • 主な業務:ビルや家などの建築物を新築・増設・改築・修繕
  • 主な顧客:民間企業または個人
  • 特徴:人が安全に利用することができる空間を造る。いわゆる「建物」と呼ばれるものが該当する。

土木と建築の大きな違いは、土木は社会的に欠かすことができないインフラを創ることを主な業務としており、顧客は行政機関が多いため、費用は税金によって支払われることが多いといえるでしょう。

そのほかにも、防災や減災のための工事なども土木業界に含まれるため、土木は「自然と創り上げていく」という表現をされることもあります。土木と建築の違いを明確に理解することが、土木業界を知るための第一歩となるでしょう。

津田 祥矢

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土木業界はさまざまな受発注のうえで成り立っている業界

お金を払い依頼をする人を発注者と言います。関係性をわかりやすく述べると、この発注者が最も権限が強く、そのエリアの土地を開発するゼネコンなどがこれにあたります。発注者は、機材と人を管理している企業に工事を依頼をします。

たとえば機材では、コマツや日立建機などがトラクターなどを所有しています。実際の現場作業には現場監督の立ち合いが不可欠であるため、人の手配にはいくつかの企業間で受発注がおこなわれることもあります。

さらに、機械や人だけではなく、工事に必要な資材の手配や、ほかの水道や電気などのインフラに影響が及ぶ場合にはそうした会社との調整も必要になります。土木業界では、企業間でさまざまな契約を結び1つの工事がおこなわれていると覚えておきましょう。

土木業界と建築業界を含めた建設業界全体について、理解を深めたい学生はこちらの記事を参考にしてみてください。

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なぜ需要が高いの? 土木業界にもとめられる3つの役割を紹介

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就活生

どうして土木業界の需要は高い、といわれているのですか? 

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キャリアアドバイザー

土木業界の仕事は、生活に欠かせないインフラの建設や整備などです。新しく道路などを創らなくても、古い道の修繕などがあるため、需要が下がりにくいとされています。

土木業界にはどのような役割があり、需要が高まっているのでしょうか。3つの理由を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

①安定的なインフラ整備

土木業界では道路やダム、トンネル、鉄道、空港などの生活に必要なさまざまなインフラの整備をおこないます。インフラは人が生活するうえで、常に必要となるため需要が下がりにくいでしょう。

加えて、土木業界はインフラの修繕も業務に含まれます。道路も年を追うごとに劣化するため、過去に建設した道路などは定期的に修繕・整備が必要となってきます。そのような意味でも、土木業界は安定的に需要が見込まれる産業であるといえるでしょう。

②首都圏の再開発

首都圏の再開発も土木業界の需要が高まっている要因の一つです。

首都圏の人口増加などの要因から、東京を中心に首都圏全体で都市機能の強化や利便性を高めるために、道路や鉄道などのインフラ整備がおこなわれています。

とくに東京は人口の増加率が非常に高いため、人の流れや生活を意識したインフラ整備だけでなく、防災機能の強化もおこなわれています。

③自然災害の復旧・復興工事

世界的にも自然災害が多い日本では、自然災害によって影響を受けた地域やインフラなどの復旧・復興工事の需要が高いといえるでしょう。

たとえば、東日本大震災における土木業界の役割としては、津波で被害にあった地域の復旧と復興、汚染土壌などの廃棄物処理、道路やトンネルの工事などがあげられます。

地震や台風などの自然災害が多い日本だからこそ、土木業界の需要は高く、これからも必要となる産業といえるでしょう。

吉川 智也

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土木業界では海外進出も増えてきている

近年では、土木業界の海外進出も企業戦略の1つとして考えられています。その理由として、まずは日本の技術力の高さが挙げられるでしょう。これまで見てきたとおり、災害が多い日本では、被害を最小限にとどめるための建築スキルが求められます。日本が築いてきた技術は海外でも認められることが多いため、積極的に海外への展開をし始めています。

また、海外進出をする理由の1つに、日本国内の土木業界の人材育成という意味もあります。これは、日本とは異なる環境でさまざまな経験を積むことで俯瞰的な視野を持った技術者を育成することができるであろう、という考え方に基づいています。企業の人材育成戦略を調べると情報をすぐに得ることができるので、興味がある人はチェックしてみてください。

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土木業界で働く魅力とは

土木業界で働く魅力

土木業界を志望するうえで、働くうえでの魅力を知っておくことはとても重要です。選考で問われる自己PRや志望動機の作成の際にも必要となってきますし、何より自身との適正を考えるためにも押さえておくと良いでしょう。

この記事では土木業界の2つの魅力を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

生活の基盤を支える仕事ができる

土木業界の仕事は人々が安全・快適に生活するための基盤を作ることができる仕事です。そのため、社会的価値のとても高い仕事であり、「人のために働きたい」と考える人にとってはやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

また、国や公共団体が仕事を発注するため、高速道路やトンネルなどの規模の大きな仕事にも携わることができる、という点も魅力の一つといえますね。

地図に載る建造物の創造に携われる

土木業界の仕事は、ダムや高速道路、橋梁、鉄道などの建設や整備をおこなうことができます。そのような大きな建造物は、日本の地図に載るため、「自分が携わったものが日本の歴史に残る」という達成感を味わうことができます。

このような体験はほかの業種ではなかなか体験できるものではないため、土木業界で働くうえでの大きな魅力の一つといえるでしょう。

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現場で働ける! 土木業界の職種を紹介

土木業界の職種

土木業界には、複雑な建設をおこなうためにさまざまな職種があり、連携することで一つの建設物を造り出します。ではどのような職種が存在するのでしょうか。それぞれの専門職について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

とび

とび
  • 足場とび・鉄骨とび・橋梁とび・重量とびの4種類に分けられ、一般的に建設業で高いところでの作業を専門とする職人を指します。

とびは工事が始まる前の基礎となる足場の組み立てや解体、運搬などが主な業務となります。そのため、工事の始まりから終わりまでかかわることができる、仕事の範囲が広い職種といえるでしょう。

大工

大工
  • 型枠大工と木造大工に分けられます。主に木造の組み立てやコンクリートを流し込む型枠の作成をおこないます。

大工は住宅の基礎工事だけではなく、土木業界では道路や橋を建設するうえで重要な型枠の作成を業務としています。建造物を構築するうえでの基礎を作るのが大工の仕事といえますね。

鉄筋工

鉄筋工
  • 鉄筋コンクリートの作成や鉄筋の組み立てをおこないます。建築物の骨組みを作成する専門職です。

鉄筋工はマンション、ビル、橋梁、トンネル、高速道路、地下鉄などのさまざまな建築物の骨組みである鉄筋コンクリートを扱うことが主な業務です。鉄筋工事は構造学的にもとても重要であり、材料の選別や加工、配置など専門の技術と知識が必要となります。

左官工

左官工
  • 建築物の壁や塀に漆喰やモルタルなどを塗る職人を指します。コンクリートを打った床を平らにならすなども業務に含まれます。

土木工事における左官工の役割は、コンクリートを平らにならすだけでなく、道路などにレンガやタイルを敷き詰め綺麗に整える作業などもあります。

塗装工

塗装工
  • 工作物に塗料や塗材などの吹き付けや塗り付けなどをおこなうことが主な業務となります。塗装物を保護する防水加工や耐水加工、防火加工などのさまざまな目的によって、塗料や塗材を使い分けます。

土木業界においての塗装工の役割の一つとして、道路工事における、センターラインや横断歩道などの区画線を引く塗装工事業があげられます。

土木業界の主要企業3選を押さえておこう!

土木業界を目指すうえで主要企業を押さえておくことは重要です。各企業の業務内容はもちろん、社風、実績なども確認しましょう。

ここでは3つの企業を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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キャリアアドバイザー

将来的にどのような工事に携わりたいのかをイメージしつつ、企業分析をおこなうと良いでしょう。

NIPPO

NIPPOは、一般土木・一般建設・道路・テストコース・空港・流通施設・スポーツ施設・水道施設などの工事の請負、調査、設計、監理、コンサルタント業務をおこなっています。

NIPPOは設立以来、インフラの要である道路の建設に注力してきた点が特徴の一つとして挙げられます。アスファルト舗装工事を中心とする舗装・土木工事、およびアスファルト合材の製造・販売に強い企業といえるでしょう。

前田道路

前田道路は前田建設のグループ企業で、道路整備、一般土木、施設整備事業に加え、土壌改良などの環境事業や商店街などの景観事業など幅広い業務をおこなっています。

道路整備事業を強みとする前田道路では、緑化事業やリサイクル事業もおこなっており、環境と人を大切にした事業展開をしています。また、自社アスファルトプラントを有しており、舗装材の製造事業に力を入れている点も特徴の一つといえますね。

日本道路

日本道路は清水建設系で、道路整備事業や一般建築事業、不動産事業など多角的に業務展開をしている企業となります。

日本道路の強みはインフラに関する国家プロジェクトに参加してきた実績にあります。具体的な実績としては、首都高速2号線舗装工事や新東名高速道路舗装工事、東海環状自動車道舗装工事などがあげられます。

必ず押さえておこう! 土木業界が抱えている課題とは

土木業界が抱えている課題
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就活生

需要が高いとされる土木業界にも課題はあるのですか? 

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キャリアアドバイザー

土木業界には課題があります。土木業界をより詳しく知るためには、需要だけではなく課題も理解しておくことが重要ですね。

土木業界の課題として、深刻な人手不足があげられます。ではなぜ人手が不足しているのか、3つの理由を解説します。

若年層の働き手不足

土木業界では働き手の高齢化に加え、若年層の働き手不足が課題となっています。人手不足の現状を知るうえで重要となるのが、有効求人倍率です。

有効求人倍率
  • 求人数を求職者数で割った数値。

令和4年の厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、建築・土木・測量技術者(パートを除く)の有効求人倍率は5.77倍となっています。この数値からも、土木業界の人手不足の現状がわかるでしょう

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キャリアアドバイザー

若手の働き手不足はこの後説明する「3K」のマイナスイメージも影響しています。人手不足の現状だけでなく、理由も押さえておきましょう。

離職率の高さ

土木業界は基本的に、実際に現場で人が働き建造物を造る仕事です。そのため、拘束時間が長い、危険性をともなう仕事であるなど、さまざまな要因が重なり、離職率が高いとされています。規模や社会的意義の大きな業務をおこなうために、その分責任や危険が少なからずともなってしまいます。

ただし、そのような建設業界の労働環境を変えるべく、現在国によって改善するための施策が進められています。詳しく知りたい学生は、次の章をぜひ確認してみてください。

3Kによるマイナスイメージ

土木業界に対する人手不足の大きな要因の一つが、3Kと呼ばれるマイナスイメージです。

3Kとは
  • きつい
  • 汚い
  • 危険

3Kは劣悪な労働環境を指す代名詞として用いられ、土木業界の業務・職種の特徴的に3Kのイメージを抱かれることが多いでしょう。

土木業界ではどうしても過酷な労働環境という印象が根強くあります。しかし、このようなイメージを改善するために近年、働き方を見直す企業も増えています。次に説明する国の施策もその一つです。

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キャリアアドバイザー

就職を考えるうえで、業界の良い面だけでなく、抱えている課題を知ることはとても重要です。入社後にギャップを感じないためにも、課題の要因と現状をしっかりと理解しましょう。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

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早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。

働き方が変わる? 国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム」とは

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就活生

土木業界の課題に対して、どのような改革が進められているのですか?

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キャリアアドバイザー

土木業界に対するマイナスなイメージを払拭するためにも、労働時間の是正や保険への加入など、さまざまな面から労働者が働きやすい環境を作る動きがあります。

国土交通省は建設業の担い手不足や大量離職を防ぐために、「建設業界働き方改革加速化プログラム」として建設業界を取り巻く環境の改善を進めています。

施策としては大きく3つに分けられるため、それぞれ詳しく解説していきます。

長時間労働の是正

1つ目は、「長時間労働の是正」です。土木業界のマイナスイメージの一つに長時間労働が課題の一つに挙げられます。長時間労働の是正のための施策の一つが、「週休2日工事の拡大」です。

具体的には、災害復旧や維持工事、工期などに制約がある工事を除く工事において、週休2日対象の工事の拡大が推進されています。そのほかにも、適正な工期設定がおこなわれる施策も進められています。適正な工期設定をおこなうことで、長時間労働や現場の負担を減らすことにもつながりますね。

給与・社会保険

2つ目は「給与・社会保険」です。この施策では、技能と経験にふさわしい処遇・給与と社会保険の加入の徹底に向けた環境を整備することを目的としています。

具体的な取り組みとしては、技能者の資格、社会保険加入状況、職歴などを業界横断的に登録・蓄積するシステム「建設キャリアアップシステム」の導入が挙げられます。

システムによって客観的に技術者の能力評価をおこなうことで、高いレベルの職人を育てるだけでなく、個人の能力にあった手当の支給をすることを目的としています。

生産性向上

3つ目は「生産性向上」です。紙ではなく、スマートフォン(スマホ)やタブレットを活用した書類の簡素化をはじめとした、i-Construction(ICT)の活用により省力化を推進することで、生産性の向上を目的としています。

i-Construction(ICT)とは
  • 国土交通省が掲げる生産性革命プロジェクトのうちの一つ。測量・設計・施工・検査・維持管理などの事業プロセスにてICTを導入し、生産性向上を目指す取組み。

ICTの活用により、従来と比較し少ない人数、少ない工事日数での工事量の実施を実現できるとされています。土木業界の課題である人手不足対策として、ICT活用により一人ひとりの生産性向上が見込まれています。

安心して働くためにも、入社前に志望企業がホワイト企業か見極める必要があります。こちらの記事では、ホワイト企業の特徴について解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

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土木業界の今後の展望について解説! 

土木業界を目指すうえで、業界の今後の展望も理解しておきましょう。

土木業界を取り巻く環境は、国土交通省「建設業働き方改革加速化プログラム」による働き方改革だけでなく、さまざまな変化が見込まれています。

では、今後どのような展望が見込まれているのか、大きく3つの項目にわけて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ICT・AIなど最先端技術の導入

土木業界では省人化・省力化に力をいれており、より労働者が効率的に働きやすい環境を作ることで生産性の向上を目指しています。その一つが、ICTやAIなどの最先端技術の導入です。

国土交通省「AIを活用した建設生産システムの高度化に関する研究」によると、ICTによって建設に関するビックデータの蓄積・分析・活用するためのシステムを構築、得たデータを用いてAIシステムの構築、生産性の向上・業務プロセスの高度化が可能となるとされています。

最先端技術の導入によって、労働時間の短縮や人手不足の改善など、業界が抱える課題の改善が見込まれます。最先端技術の導入状況は常に変化し続けているので、興味のある学生はぜひ確認してみてください。

防災関連の工事需要の増加

日本は外国と比べ、台風・大雪・洪水・土砂災害・地震・津波・噴火など自然災害が発生しやすい国です。そのため、災害にあった地域の復旧・復興工事だけでなく、自然災害に備えるための防災工事の需要も高いとされています。

土木業界の業務内容はインフラの整備だけでなく、防災工事や減災工事なども含まれます。自然災害による被害を未然に防ぐためにも、海岸や河川、山などの防災工事の需要は高くなることが予想されますね。

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女性が働きやすい環境づくりの推進

土木業界だけでなく、建設業界全体を通して女性が働きやすい環境づくりが推進されています。一例ですが、具体的には次の施策が進められています。

  • 仕事を過程を両立するための制度の導入
  • 現場のトイレや更衣室の整備
  • 女性に配慮した作業服などの開発・導入促進
  • 復職に向けたサポート環境の整備
  • 女性の技術や技能の向上の促進

そのほかにも、女性が活躍している仕事例の紹介もおこなっています。興味のある学生は、国土交通省「建設業界における女性の就業継続にむけたキャリアパス・ロールモデル集」をぜひ確認してみてください。

土木業界で活かせる資格・免許を紹介

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就活生

土木業界の魅力は手に職を付けられる点があると思いますが、具体的にどのような資格や免許があるのですか? 

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キャリアアドバイザー

職種によってもとめられる資格や免許は異なりますが、ここでは土木業界で就職するうえでおすすめしたい資格・免許を紹介します。

土木業界ではさまざまな専門職があり、それぞれもとめられる資格や免許が異なります。自身が目指す職種がある場合は、その職種で必要とされる資格や免許を調べることをおすすめします。

ここでは、土木業界で働くうえで活かすことができる主要な資格・免許を紹介します。興味のある学生はぜひ確認してみてください。

資格:技術士

技術者において最高くらいの国家資格が、技術士制度となります。この資格は科学技術に関する高度な知識と応用能力および技術者倫理を備えている有資格者のみ、技術士の名称の使用が認められています。

試験内容
  • 一次試験と二次試験に分けて実施。一次試験では基礎科目・適性科目・専門科目についての筆記試験、二次試験では専門的な技術に関する筆記試験および口頭試験をおこなう。

また、技術士試験は文部科学省令で定める技術士試験の21部門があり、それぞれの技術部門ごとに試験が実施されます。

資格:測量士

測量士は、測量法に則って測量計画を立案することができる資格です。測量試験は、測量業務ができる「測量士補」と計測だけでなく計画実行をおこなうことができる「測量士」の2種類あります。

試験内容
  • 測量士県は合計5時間の2部制となっており、第一部では択一式の筆記試験、第二部では記述式の筆記試験を実施。測量で必要となる計算問題や測量法・作業規定に関する問題などが出題される。

測量は道路、ダム、トンネルなどの建設物の工事計画をおこなうさいの第一歩目となるため、その分需要は高く、責任の重い仕事に就くことができます。

資格:コンクリート技士・診断士

コンクリート技士・診断士は、建設資材であるコンクリートの製造や施工、維持、管理を適性におこなうための資格です。

試験内容
  • コンクリート技士試験は四肢択一式、〇×式の筆記試験、コンクリート診断士試験は四肢択一式と記述式の筆記試験を実施。どちらの試験もコンクリートに関する専門知識がもとめられ、そのほかにも混和剤・補強材の配合や調合の知識、材料の性質や用途などに関する問題も出題される。

コンクリート技士は、コンクリートの製造や施工、検査、管理全般を担うことができます。一方、コンクリート診断士はコンクリート構造物の診断や維持管理を中心とした業務に携わることができる資格となります。建設現場ではコンクリートを扱う機会は多いため、どちらも需要の高い資格といえるでしょう。

免許:高所作業車運転者

高所作業車運転者は、高所での作業をおこなう人を乗せるための作業床を持った昇降装置が付いている車両の運転をおこなうための免許となります。

試験内容
  • 技能講習を実施。講習は取得済みの資格によっては、受講が免除される科目もあり、それにより受講時間も異なる。

土木業界では高所の作業も多く、工事や点検のために高所作業車を利用する機会も多いでしょう。

免許:巻き上げ機運転者

巻き上げ機運転者とは、資材などの上げ下ろしや横への移動などにおいて用いられる巻き上げ機を操縦するための免許となります。

試験内容
  • 学科試験と実技試験に分けて実施。学科では、巻き上げ機に関する知識や法令に関する問題が出題され、実技では、実際に巻き上げ機の運転や合図などを確認する試験となる。

巻き上げ機はウインチとも呼ばれ、土木業界だけなく、建築業、林業、漁業など幅広い場面で用いられます。

根岸 佑莉子

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それぞれの職に適した資格を習得しよう!

土木業界では、資格はつきものです。社会のインフラを支えているため、それ相応の知識がある人が業務に従事する必要があります。

ただし、土木業界に勤めるからといってやみくもにさまざまな資格を取得しなければいけないというわけではありません。さまざまな企業が協力をしながら1つの事業を作り上げているため、まずは自社で必要とされている資格取得に励んでください。無理をして就活中に何かを取得することは必須ではありませんし、実務経験を積まなければ取得できない資格もあるので安心してください。

なお、上記に挙げた資格は現場で作業をする人向けのものが多いです。管理業務をおこなうなど、職種が変われば必要な資格も異なってきます。自分がどのような領域から土木業界を支えていきたいのかを考えながら企業を選ぶようにしましょう。

ほかにも就活で有利になる資格を取得したい学生は、こちらの記事を参考にするとよいでしょう。

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生活のインフラを支える土木業界への就職を目指そう! 

土木業界は人々の生活の基盤を支える、社会的意義も高いとても重要な仕事です。しかし、土木業界は需要が高い一方で、人手不足という課題があるのも事実です。

土木業界への就職を目指すうえで大切になるのは、土木業界の業界や業務理解だけでなく、今後の展望や変化を理解することです。土木業界の魅力・課題・展望を調べ、ぜひ土木業界への就職を目指してみてください。

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