目次
- ホワイト企業を漠然とした理由で選ぶと入社後に後悔しやすい
- まずは知っておきたいホワイト企業の定義や捉え方
- ホワイト企業とは?
- ホワイト企業は個人の主観によって判断される
- 4人に1人が勤め先をブラック企業だと認識
- 調べ方も解説! ホワイト企業に多い特徴17選
- ①離職率が低い
- ②平均勤続年数が長い
- ③残業時間が少ない
- ④休日数が多い
- ⑤有給取得日数が多い
- ⑥基本給が高い
- ⑦賞与が支給される
- ⑧福利厚生が充実している
- ⑨ワークライフバランスを取りやすい
- ⑩女性管理職比率が高い
- ⑪社員の年齢層に偏りが少ない
- ⑫コンプライアンスを遵守している
- ⑬労働組合が存在する
- ⑭業績が安定している
- ⑮内部留保が大きい
- ⑯教育制度が充実している
- ⑰評価制度が明確
- こんなケースは要注意! ブラック企業に当てはまる特徴
- 求人を頻繁に出している
- 固定残業代が支給される
- 精神論が多い
- ホワイト企業で働く3つのメリット
- ①プライベートを充実させることができる
- ②安定感のある環境で働くことができる
- ③社員同士の仲が良好になりやすい
- ホワイト企業で働くデメリット
- 上昇志向を持ちにくい
- 総合的な給与が低い場合がある
- 一般的なホワイト企業が自分の理想とは限らない
- 自分に合ったホワイト企業と出会う方法
- ①どうしてホワイト企業が良いのかを考える
- ②企業に何を望んでいるのかを明確にする
- ③就活の軸を持って企業を見ていく
- 企業研究でホワイト企業か見極める5つの方法
- ①OB・OG訪問などで社員と直接話す
- ②インターンや説明会などで雰囲気を知る
- ③定時以降に企業周辺を訪れる
- ④国の認定制度の有無を調べる
- ⑤口コミサイトを見る
- 選考でホワイト企業か見極める3つの観点
- ①選考フローの数
- ②面接官の雰囲気
- ③内定後の囲い込み
- 自分にとってのホワイト企業を見つけて後悔のない企業選びにしよう!
ホワイト企業を漠然とした理由で選ぶと入社後に後悔しやすい
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「ホワイト企業に就職したいんですが、どんな特徴がありますか」
「ホワイト企業に入るにはどうしたらいいんだろう……」
企業選びを進める就活生からこのような声を聞くことがあります。ブラック企業に関するニュースなどを耳にすることもありますが、せっかく働くなら「ホワイト企業」と呼ばれる環境で働きたいですよね。
とはいえ、社会人経験のない立場でホワイト企業かどうかを見極めるのは難しいでしょう。また、なんとなくホワイト企業だと思って入社しても、実際には働きにくさを感じてしまう人も少なくありません。
この記事では、ホワイト企業の特徴や見分け方を解説していきます。入社後に後悔しない企業選びをしたい人はぜひ参考にしてくださいね。
まずは知っておきたいホワイト企業の定義や捉え方
まずは、ホワイト企業とはどんな企業のことを言うのかを理解しておきましょう。
ホワイト企業という言葉自体はよく使われますが、意味をはっきり理解できていない人も少なくありません。
誤った認識で企業選びを進めると、入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまう可能性があります。ホワイト企業とは何か正しく理解することが大切です。
ホワイト企業とは?
- ホワイト企業:社内の環境が充実しており、社員が働きやすいと感じる企業
ホワイト企業とは、2013年に新語・流行語大賞を受賞した「ブラック企業」の対義語として誕生した言葉です。明確な定義は決まっていませんが、劣悪な労働環境などが特徴とされるブラック企業と反対に位置する言葉として認識されています。
つまりホワイト企業とは、社内の環境が充実していて社員が「働きやすい」と感じる企業ということになります。たとえば休みが取りやすかったり福利厚生が充実していたりするとホワイト企業として認識されやすいでしょう。
ホワイト企業は個人の主観によって判断される
就活生
キャリアアドバイザー
それは人それぞれです。誰かがホワイト企業だと言ったとしても、それがあなたにも当てはまるとは限らないんですよ。
「働きやすい」と感じるかどうかは社員によって異なります。たとえば一見働きやすく聞こえる「残業時間が少ない」企業の場合「忙しくてもいいから給料が高い方がいい」という人にとっては理想の環境とは言えないですよね。
このように、何が働きやすい企業かは個人の主観によりけりです。世間一般でホワイト企業だと言われていても、自分にとっては働きにくいかもしれません。
「ホワイト企業かどうかの判断は個人によって異なる」という認識を持ったうえで企業選びを進めてくださいね。
4人に1人が勤め先をブラック企業だと認識
連合総合生活開発研究所がおこなった「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート」によると、勤め先がブラック企業だと思うと回答した人の割合は全体の25.8%となっています。つまり、約4人に1人が勤め先をブラック企業だと認識しているのです。
世の中としてブラック企業を敬遠する流れがあるにもかかわらず、現状これだけ高い割合の社会人がブラック企業で働いています。入社前に念入りに見極めることが重要だということです。
大企業=ホワイト企業とは限らない
大企業は福利厚生が充実していたり労働環境が整っていたりするところが多く、大企業=ホワイト企業というイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、会社の規模でホワイト企業かどうかが決まるわけではありません。大企業でもたとえば長時間労働が黙認されるような企業もあります。
キャリアアドバイザー
「大企業だからホワイトだろう」「中小企業は環境が整ってなさそう」などとイメージで決めつけずに、企業ごとに判断していくことが大切です。
調べ方も解説! ホワイト企業に多い特徴17選
- 離職率が低い
- 平均勤続年数が長い
- 残業時間が少ない
- 休日数が多い
- 有給取得率が高い
- 給与が高い
- 賞与が支給される
- 福利厚生が充実している
- ワークライフバランスを取りやすい
- 女性管理職比率が高い
- 社員の年齢層に偏りが少ない
- コンプライアンスを遵守している
- 労働組合が存在する
- 業績が安定している
- 内部留保が大きい
- 教育制度が充実している
- 評価制度が明確
ホワイト企業への理解が深まったところで、次は具体的な特徴について解説していきます。ホワイト企業に多いとされる特徴を17個紹介するので、ぜひ企業を選ぶ際の参考にしてください。
ただし、この特徴に当てはまらないからと言って必ずしもホワイト企業と呼べないわけではありません。企業の事情や特徴によって当然例外もあります。
あくまで参考として、どれくらいの特徴が当てはまっているかを考えてみてくださいね。
①離職率が低い
- 目安は2割以下
多くの社員が働きやすいと感じていれば、当然会社を辞める人も少なくなりますね。離職率が低いかどうかもホワイト企業を見極める特徴となります。入社3年目までの離職率の平均は例年3割前後となっています。
離職率を非公開とする企業もありますが、公開されている場合はこの割合を基準に見ていくと良いですね。2割を下回る場合はホワイト企業の可能性が高いと言えます。
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新卒の離職率は就活情報サイトなどに載っていることもあります。第三者の機関が調査している場合もあるので、ぜひインターネットなどで検索してみてください。
②平均勤続年数が長い
平均勤続年数とは、現在勤務している社員の勤続年数を平均したものです。働きやすい環境では自然と長く勤める人が多くなりますから、平均勤続年数にも注目してみましょう。
厚生労働省の「令和5年賃金事情等総合調査 賃金事情等総合調査」による全国の勤続年数の平均を基準に考えてみてください。
- 男性:17.8年
- 女性:15.1年
とはいえ、平均勤続年数は会社の設立時期や状況にも影響されます。たとえば近年新卒採用の人数を増やしている企業であれば、勤続年数が短い社員が多くなるため平均勤続年数は短くなりますよね。企業の状況を考慮したうえで判断してください。
- ベンチャー企業
- 会社の創業年数が短い
- 成長過程で近年採用人数を増やしている
- 女性が多い
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平均勤続年数も離職率と同様に、就活情報サイトなどに載っている企業も多いですよ。
③残業時間が少ない
- 目安は月20時間以内
ホワイト企業の特徴としてよく挙げられるのが残業時間が少ないことです。残業時間が長いとプライベートにあてる時間が少なくなりますし、過労によって心身に影響を及ぼす可能性もあります。プライベートも充実させたい人には欠かせない条件です。
月20日出社するとして1日1時間残業すれば月に20時間となりますから、社員の平均残業時間がそれより少ないと「残業時間が少ない企業」だと言えるでしょう。企業によっては「ノー残業デー」として全社員が残業しない日を設けている場合もありますよ。
ただし、ノー残業デーや残業時間の制限が形だけ存在し実際には機能していないような企業もあるので、実態まで把握することが大切です。
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部署や職種によって残業時間が大きく異なる場合もあります。説明会やOB・OG訪問などで社員それぞれに聞いてみることがおすすめです。
④休日数が多い
- 目安は年間休日数125日以上
企業によって休日数にはばらつきがありますが、完全週休2日制でかつ祝日が休みだと年間休日は120日となります。さらに年末年始や夏季休暇のある企業は休日が増えますから、年間休日が125日以上であればホワイト企業と捉えることができるでしょう。
年間休日は就活情報サイトや企業のホームページをチェックすると良いですよ。載っていない場合は、1週間の休日の数や他に付与される休暇を計算してみてくださいね。
⑤有給取得日数が多い
- 年間10日以上
年間休日でない日も有給を使って会社を休むことができます。「有給が多い=ホワイト企業」と捉える学生も見受けられますが、その認識は危険です。
付与されている有給の数は多いものの、有給を取りにくい雰囲気があり実際はほんの一部しか消化できていないような企業もあります。実際に活用できなければ意味がないため「有給取得日数」に注目しましょう。
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、労働者1人平均の有給取得日数は10.9日となっています。この数字を基準にして考えてみると良いですね。
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有給の取りやすさは数字だけでは分かりにくい部分もあります。社内の雰囲気を直接社員に聞いてみましょう。
⑥基本給が高い
- 目安は21万円以上
給与が低いと生活の安定やプライベートの充実を損ないますから、ホワイト企業とは言い難いですよね。
給与でホワイト企業かどうかを判断する場合には「基本給」を見るようにしましょう。総支給額には残業代や手当なども含まれるため、基本給自体は少ないような企業もあります。
厚生労働省の「学卒者の初任賃金(令和5年3月新規学卒者の求人初任給賃金調査)」によると、令和元年の大卒の初任給の平均は約21.2万円となっています。年次や役職によって将来的に基本給が高くなる場合もあるため一概には言えませんが、21万円を大きく下回っているとホワイト企業とは言えないでしょう。
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新卒の初任給は企業の募集要項に載っていることが多いですよ。
⑦賞与が支給される
賞与(ボーナス)は法律で支給が義務付けられているものではないため、ホワイト企業の多くは賞与が支給されると考えて良いでしょう。
ただし、金額については単純に賞与の回数だけで判断しないことが大切です。賞与を年3回支給する企業であっても、年2回の企業よりも年間の支給額が少ないこともあります。賞与の金額まで調べることは難しいと思いますが、平均年収なども併せて考えてみてくださいね。
また、最近では年俸制の企業も増えています。通常賞与は会社の業績や個人の成績によって変動することが多いですが、年俸制の場合1年間に支払う給与が確定しているため賞与も変動しません。
人によってはモチベーションにつながりにくいなどのデメリットもあるので事前に確認しておきましょう。
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賞与の有無や回数についても企業の募集要項から確認できます。
⑧福利厚生が充実している
ホワイト企業のイメージとしてよく挙げられるのが福利厚生が充実していることです。福利厚生は社会保険など国が定めているもの以外に、企業独自で導入しているものもあります。
仮に基本給が高いとは言えなかったとしても、たとえば家賃補助などの福利厚生が充実していれば金銭的な負担が少ない場合も考えられますね。他にも社内環境が整っていたりプライベートで特典が受けられたりと、福利厚生にはさまざまなメリットがありますよ。
- 社員食堂
- 住宅手当
- 家賃補助
- 人間ドック受診料の補助
- 宿泊施設やレジャー施設の代金補助
- ジムやマッサージの代金補助
- 託児施設
- 資格取得支援
福利厚生についての詳細はこちらの記事で確認してみてくださいね。
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⑨ワークライフバランスを取りやすい
ホワイト企業では仕事と私生活どちらも充実させることができるでしょう。たとえば結婚や出産、介護などライフスタイルの変化があってもいきいきと仕事ができるような環境だと、ワークライフバランスを取りやすいと言えますね。
当然こうした環境にはライフスタイルに関する制度の充実などが関係しますが、社内の雰囲気も重要です。ワークライフバランスを大切にするような文化があるかどうか、社員に直接聞いてみると良いですね。
- 育児休暇や介護休暇を取りやすい
- 産後の復職率が高い
- リモートワークが普及している
- フレックスタイム制を導入している
- 配偶者同行制度を導入している
フレックスタイム制についてこちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
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⑩女性管理職比率が高い
近年日本の女性管理職比率の低さが問題となっており、国をあげて女性の活躍が推進されています。
性別問わずキャリアアップを目指せる環境であれば社内の制度が充実していると捉えることができるので、特に女性にとってはホワイト企業の特徴とも考えられるでしょう。
帝国データバンクが2023年におこなった「女性登用に対する企業の意識調査」によると、女性管理職の割合は以下の通りです。すでに目標割合を超えている企業は比較的女性がキャリアアップしやすいと言えますね。
- 平均:9.8%
- 政府目標:30%
女性管理職の比率は就活情報サイトや企業のホームページなどからも調べることができますが、厚生労働省が掲載する女性の活躍推進企業データベースから企業を探すという方法もありますよ。ぜひ確認してみてくださいね。
⑪社員の年齢層に偏りが少ない
- 社員の平均年齢:43.7歳
ホワイト企業かどうかを判断する際には社員の年齢層にも注目してみましょう。若い社員が多い場合は次々社員が辞めていたり、反対に年配の社員が多ければ若い社員が育たず早期退職していたりする可能性があります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、令和4年の労働者の平均年齢は43.9歳となっています。この年齢よりも大幅に上回ったり下回ったりしている場合は労働環境などを注意して調べた方が良いでしょう。
- 43.9歳
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とはいえ創業年数が短い企業やベンチャー企業などでは年齢層が低いことも多いので、一概に判断することはできません。企業の特徴とも併せて考えてくださいね。
⑫コンプライアンスを遵守している
ホワイト企業の特徴として、法令や社内規定、モラルなどを遵守していることが挙げられます。
たとえばセクハラやパワハラなど社内のハラスメントを徹底的に防止したり、個人情報の取り扱いに慎重だったりと、企業の価値や社員の満足度を高めるためにコンプライアンスの遵守は欠かせません。
企業はコンプライアンス遵守のためにさまざまな取り組みをおこなっています。具体的な取り組みについて説明会などで聞いてみると良いですね。
- 新入社員研修でコンプライアンスについて取り扱う
- 定期的に研修やセミナーをおこなう
- 社内にハラスメント相談窓口を設置する
- 内部監査を実施する
⑬労働組合が存在する
労働組合とは、職場環境や待遇などの改善に対して企業と対等な立場で交渉することのできる、社員で構成された組織です。労働組合がないと、企業に対しては個人で交渉するしかありません。
中小企業の場合労働組合がない企業も多いですが、特に大企業の場合は労働組合の有無にも注目してみましょう。日本労働組合総連合会のホームページから加盟組織について調べることができますよ。
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ただし、労働組合があるからといって正しく機能しているとは限りませんし、月に数千円の組合費の支払いが必要となります。また労働組合がないホワイト企業も少なくないので、あくまで参考程度に考えましょう。
⑭業績が安定している
業績が安定していないと労働環境や待遇を充実させるのは難しいですよね。業績が安定しているからこそ社員を大切にする取り組みを実施することができます。
企業ホームページの企業情報の欄に売り上げや利益が記載されていることも多いのでぜひチェックしてみてください。
特に重要なのは本業の利益にあたる営業利益です。売り上げだけが増えていても利益が得られていなければ、業績が安定しているとはいえないでしょう。また、ベンチャー企業などは、数年先の利益を目指して投資を積極的におこなっている場合もあり、赤字だからといって必ずしも経営が不安定ではないという部分は押さえておきたいところです。
詳しい判断方法や他にも「やばい」企業を見極める方法はこちらの記事を参考にしてください。
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⑮内部留保が大きい
内部留保とは、企業が生み出した利益から税金や配当などを差し引いたお金で社内に蓄積されたもののことを言います。企業の貯金のようなものと捉えると分かりやすいでしょう。
万が一トラブルや社会情勢などによって利益が十分に見込めなくなった場合も、内部留保が大きい企業であれば安心です。つまり、内部留保が大きいことは雇用の安定につながるため、ホワイト企業の特徴の一つとも言えるのです。
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利益や内部留保などの財務状況については企業ホームページから決算報告を見てみましょう。
⑯教育制度が充実している
ホワイト企業は社員を大切にする企業とも言えますから、教育制度が充実している傾向にあります。社員に長く働いてもらうために、丁寧に教育していくということです。
こうした企業の場合、入社後の新入社員研修だけでなく、たとえば3年目研修やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)研修、役職ごとの研修など新人以外にもさまざまな研修が用意されていますよ。
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OB・OG訪問や座談会などで若手社員にどれくらいで仕事に馴染めたのかを聞いてみることもおすすめです。
⑰評価制度が明確
社員を大切にするという観点から考えると、評価制度が明確というのもホワイト企業の特徴として挙げられます。
どれだけ頑張っても正当に評価されなければモチベーションが下がりますし、不満を感じて退職する人も多くなりますよね。年齢や役職にかかわらず明確な基準のもとで評価を受けることができるかも確認してみましょう。
キャリアアドバイザーコメント酒井 栞里プロフィールをみる
17個の特徴で特に重要視するべきものは「休日数が多い」ことです。休日数は社員の体調やメンタルに影響しやすいからです。休日数の多い職場は社員のメンタルが安定しやすいので、過酷な労働環境下よりも人間関係のトラブルが起きにくい傾向にあるでしょう。
とはいえ、企業選びで重要視する条件は人それぞれです。まずは自分が大切にしたい企業の条件を明確にすることで、重要視すべき特徴が見えてきますよ。自分にとってどんな企業がホワイト企業なのかを考えることが大切だということです。詳しい自己分析の方法は後半でお伝えします。
業界のシェア率にも注目してみよう
他にホワイト企業によくある特徴として「業界でのシェアが高い」ことがあげられます。シェアが高いと利益も上がりやすいので、労働環境や給与などの待遇がいい傾向にあります。BtoBという法人を顧客にした企業のなかには「一般的な知名度が低いのに業界シェアは高くて実はホワイト企業」というところも少なくありません。業界地図などを参照して、各業界のシェアを確認してもいいですね。
こんなケースは要注意! ブラック企業に当てはまる特徴
ホワイト企業の特徴について理解できたと思いますが、ブラック企業に多い特徴というのも存在します。ここまで紹介したホワイト企業の特徴からかけ離れているだけでなく、今から解説する3つの特徴に当てはまっているとブラック企業かもしれません。
とはいえ、企業の状況によってはこれらの特徴に当てはまっていてもブラック企業ではないケースもありますから、あくまで参考として考えてみてくださいね。
求人を頻繁に出している
「過酷な労働環境で社員が辞めても新しく採用すれば良い」と考えるブラック企業は多く存在します。そのため、ブラック企業の特徴には社員の入れ替わりが激しく求人を頻繁に出しているということが挙げられます。
ただし、たとえば成長過程の企業であれば大量採用をおこなうケースもあります。求人が多いからといって一概に判断することはできません。
固定残業代が支給される
固定残業(みなし残業)代とは、残業の有無にかかわらず毎月定額で支払われる残業手当のことです。
そもそも残業時間が少ないホワイト企業の場合は、固定残業手当を導入する必要性がないですよね。固定残業代が支給されるということは、ある程度の残業が必要となると考えられるでしょう。
また、固定残業代がある分基本給が低い企業も珍しくありません。
キャリアアドバイザー
もちろん残業時間を少なくすることができれば固定残業代は社員にとってメリットとなります。実際に働く社員にどれくらい残業しているか聞いておくと良いですね。
精神論が多い
社内で精神論が多く使われていることもブラック企業に多い特徴です。「やる気」「感謝」「情熱」など精神論によって劣悪な労働環境を納得させようという意図があるかもしれません。
たとえば膨大な仕事量で長時間労働を強いられているとしても「やればできる」「気合いで乗り切ろう」と精神論で言いくるめられてしまうような状況です。精神論が多いと感じたら、注意して労働環境を調べる必要がありますよ。
- 人事担当者の発言(説明会やインターン)
- 企業理念(企業ホームページ)
- 社長の言葉(企業ホームページ)
ブラック企業の特徴についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。
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ブラック企業の特徴ってなに? 知らないと後悔する見極め方を解説
ブラック企業の5つの特徴を知ることでブラック企業に入社することを防ぐことができます。この記事ではキャリアアドバイザーがブラック企業を見極める8つのポイントやブラック企業に入社してしまう人の特徴を解説します。学生からよくある質問にも回答しているので、ブラック企業に入社したくない学生は参考にしてくださいね。
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ホワイト企業で働く3つのメリット
ホワイト企業で働きたいと考える学生はたくさんいると思いますが、メリットについて意外と認識していない場合もあります。
なんとなくホワイト企業を志望している人も、メリットを正しく認識することで企業選びの方向性が定まってくるので、どんな点に魅力を感じるのかまで考えてみてくださいね。
①プライベートを充実させることができる
ホワイト企業の場合、残業時間が少なかったり休みが取りやすかったりするためプライベートにあてる時間が長くなります。また、たとえばレジャーや宿泊施設での優待などプライベートが充実するような制度も備わっているでしょう。
他にも出産や介護などライフスタイルが変化しても仕事がしやすかったりと、プライベートを大切にしたい人にとってホワイト企業はぴったりだと言えますね。
②安定感のある環境で働くことができる
就職するにあたって長く安定して働き続けたいと考えている人も多いかと思います。労働環境の充実は経営が安定しているからこそできることですから、ホワイト企業は安定感のある環境だと言えるでしょう。
また経営面だけでなく、充実した労働環境であれば社員の気持ちやモチベーションという観点からも長く働きやすいと言えますよね。
周りも長く働いている人が多ければ仕事を丁寧に教えてもらえたりと、安定感のある環境にはさまざまなメリットがあります。
- リストラなどの可能性が低い
- 業績によって給与や賞与が減少する可能性が低い
- 教育体制が整っている
- 住宅ローンなどの審査が通りやすい(社会的信用が高い)
③社員同士の仲が良好になりやすい
ブラック企業の場合、仕事の過酷さから心に余裕がなくなってしまう社員も多いでしょう。自分に余裕がない人は周囲に気を配ることも難しいですよね。
反対に、ホワイト企業の場合は環境が整っているからこそ、周囲との関係性が良好になりやすいと考えることができます。
働き方に余裕があれば「みんなで頑張っていこう」「何かあったらフォローしよう」と部署やチームの団結力が高まりやすいものです。人間関係を大切にしたい人もホワイト企業が合っていると言えますね。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
ホワイト企業で働くメリットの中でも「社員同士の仲が良くなりやすい」のはとても魅力的なことですよね。労働環境がいい企業は社内の人間関係がギスギスしにくく、良好な関係を築きやすい傾向にあります。
ホワイト企業の社数は少ないので、社員が「自社は恵まれていて良い会社だ」という誇りのような共通認識を持っているケースもありますよ。「他社だとこんなに基本給は高くない」「他社は休みがもっと少ないはず」という思いから、職場で一体感や愛社精神が生まれやすいということです。
帰属意識の高い人はホワイト企業向き
また、ホワイト企業に向いているのは、仕事が自分のアイデンティティの一部になりやすいタイプです。人によっては「組織と自分は別物」と考える帰属意識の低い人もいれば「自分は組織の一員だし仕事は私の一部」という帰属意識の高い人もいます。
帰属意識の高い人は、会社や組織を優先させる傾向にあるので、ブラック企業だと無茶な働き方をしかねません。その点ホワイト企業なら、ある程度は労働環境が守られています。自分の心身の健康やプライベートを大切にしながら、ひたむきに働くことができますよ。
ホワイト企業で働くデメリット
就活生
ホワイト企業って良いところばかりですよね!
キャリアアドバイザー
もちろん良い面がたくさんありますが、人によってはデメリットだと感じる場合もあるんですよ。
就活生
えっ……そうなんですか?
キャリアアドバイザー
ホワイト企業だったら絶対に良いというわけでもないので、デメリットまで知っておきましょう。
メリットばかりに見えるホワイト企業ですが、人によっては合わない場合もあります。事前にデメリットを知ったうえで、ホワイト企業を志望するかどうかを決めてくださいね。
上昇志向を持ちにくい
ホワイト企業のメリットに「安定した環境」を挙げましたが、裏を返せば安定感ゆえに上昇志向を持ちにくいというデメリットがあります。
残業しなくても高い給与をもらえたり、着実に仕事をしていれば年次とともに安定して役職が上がったりと、上昇志向を持って仕事に取り組みたい人にとっては物足りない環境かもしれません。
総合的な給与が低い場合がある
社員の残業時間を少なくしようと、月の残業時間が制限されているホワイト企業も多くあります。残業が少ないと、残業代をたくさんもらっている周りの社会人と比べて総合的な給与が低いと感じるかもしれません。
「残業してでもお金をたくさん稼ぎたい」と考える人にとっては、ホワイト企業の環境は合わないと言えるでしょう。
一般的なホワイト企業が自分の理想とは限らない
ここまでホワイト企業の特徴について解説してきましたが、デメリットからも分かるように、ホワイト企業と言われているからと言って自分の理想とは限りません。
ホワイト企業かどうかを判断するのは個人の主観です。たとえば大学の先輩が「うちの会社はホワイト企業だよ」と言っても、あなたの想像するホワイト企業ではない可能性もありますよね。
ただ「ホワイト企業だから」と企業を選ぶのではなく、自分にとってどんな企業が理想なのか、どんな企業がそれに当てはまるのかを考えていくことが大切です。自分に合ったホワイト企業を見つけるという視点で企業を選んでくださいね。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
世間でホワイト企業と言われていても「自分には当てはまらない」ということはありますよ。
たとえば、残業や休日出勤をあまりさせない企業があったとします。「仕事が早く、給料は高くなくてもいいからプライベートを充実させたい」人にとってはホワイト企業になります。
でも「仕事が遅く、丁寧に進めていきたい」人にとっては、残業ができないので居心地の悪い職場になりかねません。そういう人にとっては「労働時間が長くても残業代がしっかり支給される」企業のほうがホワイト企業です。
また、「給料が高く休みの多い仕事」でも、やりたい部署に配属されずスキルが身に付かないなら「贅沢かもしれないが自分には合わない」と感じる可能性があります。自己分析をして自分に合ったホワイト企業について考えるようにしましょう。
自分に合ったホワイト企業と出会う方法
では、自分に合ったホワイト企業を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。ここがわかっていないと、ホワイト企業だと思って入社しても後で後悔してしまうかもしれません。
自分に合ったホワイト企業と出会うには、自己分析をして就活の軸を明確にすることが大切です。3ステップに分けて解説していきます。
基本的な自己分析の方法はこちらの記事を参考にしてください。
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①どうしてホワイト企業が良いのかを考える
まずは、なぜあなたがホワイト企業にこだわっているのかを考えてみましょう。ホワイト企業を志望するからには何かしらの理由があるはずです。
「プライベートを楽しみたい」「安定した企業で働きたい」など理由は何でも構いません。「なるべく楽をしたい」など後ろ向きなものでも良いので、自分に正直に向き合ってみましょう。
②企業に何を望んでいるのかを明確にする
①で浮かんだ答えに対して、今度は「なぜそう思うのか」という疑問を繰り返して深掘りしていきましょう。もう出てこないと感じるところまで「なぜ」を繰り返します。
そこで浮かんだ答えが、あなたが企業を選ぶ際に大切にしている根本的な価値観であり、企業に望んでいるものです。
③就活の軸を持って企業を見ていく
②で出た答えがあなたの就活の軸につながります。たとえばホワイト企業を志望する答えとして「家族との時間が大切だから」であれば、家族との時間も十分に作れるような企業という軸で見ていけますね。
そうなると、ホワイト企業の特徴の中でも「プライベートにあてられる時間の多さ」「家族への福利厚生や制度」などに注目して調べることができます。
このように、ホワイト企業を志望するうえでの軸を明確にすることで、自分に合った企業に出会うことができますよ。
企業研究でホワイト企業か見極める5つの方法
自分にとって理想的なホワイト企業が分かったら、次は企業がそれに当てはまるのかを見極める必要がありますね。
働きやすさは個人の感覚なので、事業内容や実績などのようにただホームページを見れば分かるわけではありません。入社後後悔しないために、これから紹介する5つの方法を実践してみてください。
①OB・OG訪問などで社員と直接話す
ホワイト企業かどうかは働いている社員が判断することです。そのため、ぜひOB・OG訪問などで直接社員と話してみてください。
面接の場合環境や待遇に関する質問はしづらいと感じる人もいるかと思いますが、OB・OG訪問は選考ではないため自分の気になることを率直に質問できるという利点もあります。
事前にホワイト企業かどうかを判断できるような質問を考えておきましょう。
- 平均的な出社時刻と退社時刻を教えてください
- 毎日どれくらい残業していますか
- 有給はどれくらい消化していますか
- 福利厚生はどんなものを利用していますか
- 子育てしながら活躍されている方もいますか
- 仕事はどのようにして教わるのですか
- 評価制度はどのような仕組みになっていますか
キャリアアドバイザー
部署などによって雰囲気が異なる企業もたくさんあります。同じ企業でも違った部署の人など複数人に訪問することもおすすめです。
OB・OG訪問についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
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また座談会に参加すれば複数の社員と話すことができます。こちらの記事で詳しく解説しているので、併せて確認してみてください。
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同業他社の社員とも話してみよう
OB・OG訪問は志望する企業におこなうものだと考える学生が多いですが、ぜひ同業他社にも訪問してみてください。
社内の人間だと就活生に対してネガティブな発言はしにくいですし、会社の中にいると気づかないような企業の特徴があるかもしれません。同業他社の社員から見てその企業がどう見えるのか聞いてみましょう。
同業他社に訪問することで、働きやすさだけではなくそれぞれの企業の強みや特徴なども見えてきます。志望動機にも活かしやすいのでおすすめですよ。
- 同業他社と比較した御社の強み・弱みは何ですか
- 御社と同業他社のA社やB社とでは雰囲気が異なりますか
- 御社とA社、B社ではどんな社員が多いなどの特徴はありますか
- どうして同業他社のA社やB社ではなく御社に入社したのですか
②インターンや説明会などで雰囲気を知る
働きやすさというのは企業の雰囲気も大きく影響するでしょう。インターンシップや説明会などに参加して、ぜひ企業の雰囲気を体感してみてください。
労働環境が整っていると、社員の表情が明るかったり仲が良好に見えたりするものです。反対に、たとえば精神論が多かったり雰囲気がピリピリしていたりするとホワイト企業だと想像しにくいですよね。
こちらの記事では自分に合った社風の見つけ方や企業への調べ方などを解説しています。ぜひ参考にしてください。
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③定時以降に企業周辺を訪れる
企業説明会などで「残業時間が短い」と話していても、実際のところはどうなのか気になりますよね。現状を調べるためには、定時以降に企業周辺を訪れてみることもおすすめですよ。
企業のビルにどれくらい灯りがついてるのかを見てみましょう。真っ暗であれば多くの社員が帰宅していますし、逆にたくさん灯りがついていればそれだけ社内の残業が多いとわかります。
ただし、リモートワークが普及している企業ではそもそも出社する社員が少ない場合もあります。また、繁忙期と閑散期で残業時間が大きく変化するような企業もあるでしょう。企業の特徴ごとに判断してくださいね。
④国の認定制度の有無を調べる
社員が働きやすくなるような取り組みをおこなう企業に対して国の認定制度が存在します。国が客観的に見てホワイト企業だと認定したとなれば信憑性が増しますよね。
いくつか制度があるので、これらに当てはまっているかぜひ調べてみてください。認定企業の場合、企業ホームページやパンフレットなどにロゴマークを記載していることが多いですよ。
安全衛生優良企業認定(ホワイトマーク)
安全衛生優良企業認定とは、社員の安全や健康を確保するために積極的に対策をおこなっている企業に対して厚生労働省が認定する制度です。この認定を受けた企業であれば、健康・安全に働くことができると分かります。
厚生労働省の職場のあんぜんサイトから該当企業を調べることができますよ。
健康経営優良法人認定
健康経営優良法人認定とは、地域の健康課題や社員の健康管理に対して積極的に取り組みをおこなう企業に対して経済産業省が認定する制度です。企業が社員一人一人の健康管理をサポートしていく企業だと捉えられますね。
認定された企業については経済産業省のホームページからも調べることができますよ。
ユースエール認定
ユースエール認定とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の労働環境が充実している中小企業を厚生労働大臣が認定する制度のことです。若者の労働時間や離職率、教育制度などの条件を満たした企業が認定されます。
ユースエール認定を受けている企業は、厚生労働省の若者雇用促進総合サイトからも調べることができますよ。
えるぼし認定
えるぼし認定は女性活躍推進法に基づく認定制度で、女性の活躍推進への取り組みが積極的な企業に対して厚生労働大臣が認定します。
評価項目は「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つで、いくつ基準を満たしているかによって認定の段階が変わります。
えるぼし認定企業も若者雇用促進総合サイトから調べることができますよ。
くるみんマーク
くるみんマークとは、子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けた証のことです。くるみん認定を受けた企業の中でも高い水準の取り組みをおこなっている企業は「プラチナくるみん」として認定されます。
将来子育てと仕事どちらも両立させたいという人はぜひ調べてみてくださいね。厚生労働省が運営する両立支援のひろばから認定企業を検索することができますよ。
なでしこ銘柄
なでしこ銘柄とは、女性活躍推進に積極的に取り組む上場企業を経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する制度です。「なでしこ銘柄」「準なでしこ」「なでしこチャレンジ企業」などとして発表されています。
令和2年度に選定された企業は経済産業省のホームページに記載されているので、ぜひチェックしてみてください。
⑤口コミサイトを見る
働きやすさについて社員がどう思っているのかを知るには口コミサイトを見るという方法もあります。複数の社員の意見を一気に見ることができるので、効率よく生の声を知ることができますよ。
ただし、口コミサイトの場合退職者の意見が多い傾向にあります。ネガティブな意見に偏りやすいので、現在働いている社員の意見なども参考にしながら判断してくださいね。
キャリアアドバイザーコメント高橋 宙プロフィールをみる
上記で紹介した5つの方法の中で特におすすめのものは「OB・OG訪問で社員と直接話す」です。
採用情報に「残業が少なく休日は多い」と書かれていたとしても、OB・OGに「実際は持ち帰って仕事していないか」など実状を確認しましょう。また、有給取得率が高くても「仕事が忙しいのに無理やり休まされて困っている」というケースもあります。やんわりと実態について聞いておきたいところですね。
労働集約型のビジネスには注意
ほかにホワイト企業かどうかを確認する方法は「労働集約型のビジネスでないか」をチェックすることです。
労働集約型とは、労働力を集めて長時間稼働させることで収益を上げるモデル。たとえば、サービス業や流通業などは労働集約型であることが多いです。長時間労働や給与が低い傾向にあるため、ホワイトな条件では働きにくくなりますよ。
選考でホワイト企業か見極める3つの観点
企業研究だけでなく選考でもホワイト企業かどうかを見極めることができます。見極めに必要な3つの観点を解説するので、入社後に後悔しないよう選考の最後まで意識してみてくださいね。
①選考フローの数
ブラック企業の場合、社員の入れ替わりが激しいため短期間で大量に採用する企業も多いでしょう。そのため、たとえばエントリーシート(ES)なしで面接1回のみなど、他の企業と比べて選考フローが少ないという特徴があります。
エントリーした企業の選考フローが少ないと感じた場合は、ホワイト企業かどうかを念入りに調べた方が良いと言えますね。
キャリアアドバイザー
ただし、選考フローが多いからと言ってホワイト企業とは限りません。労働環境が過酷でも人気のある企業の場合は選考フローが多くなりやすいですよ。
②面接官の雰囲気
ホワイト企業は社員を大切にしている会社ですから、今後社員になり得る学生のことも大切にする傾向にあります。
たとえば親身になって話を聞いてくれるなど、あなたが好印象を持つような面接官であればホワイト企業の可能性が高くなるでしょう。
反対に、たとえば圧迫面接など学生を大切にしているとは言い難い雰囲気であれば、入社後もそうした環境の中で働くことになるかもしれません。
圧迫面接の例や特徴をこちらの記事で詳しく解説しているので、受けた面接が当てはまっていないか確認してみてくださいね。
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圧迫面接の対処法についてはこちらで解説しています。
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③内定後の囲い込み
ホワイト企業かどうかは選考過程だけでなく、内定後の対応でも見極めることができます。
学生の中には、内定をもらったもののほかに興味のある企業があるため就活を続行する学生も少なくありません。こうした学生に対して、内定承諾を無理に焦らせたり叱ったりするなどの対応をする企業も存在します。
反対にホワイト企業であれば内定者の意思を尊重することが多いでしょう。もちろん企業側は自社に入社を決めてほしいと考えているため多少の催促はあると思いますが、あまりにも強引に内定承諾をさせようとする企業は要注意です。
自分にとってのホワイト企業を見つけて後悔のない企業選びにしよう!
ホワイト企業を志望する学生にとって大切なのは、自分がどんな企業を理想としているのかを明確にして企業選びを進めることです。想像するホワイト企業は人によって異なります。
入社後いきいきと働けるように、今回解説した内容を参考にしながら自分に合ったホワイト企業を見つけていきましょう。
ホワイト企業が何かはわかったんですが、具体的にどんな企業のことを言うんですか?