目次
- 世界遺産検定はアピール次第では就職活動で有利になる!
- そもそも世界遺産検定とは
- 世界遺産への知識や理解を表した資格のこと
- 受験者は累計32万人超え
- 級は全部で5段階
- 世界遺産検定の試験概要
- 公開会場試験
- CBT試験
- 世界遺産検定を就職に活かす方法
- 面接の自己PRネタの1つになる
- 雑談ネタにしてコミュニケーション力をアピール
- 2~3級以上を取得しておく
- 世界遺産検定が活かせる仕事
- 航空会社の仕事
- 旅行会社の仕事
- 世界遺産検定を就職活動でアピールするためのコツ
- 資格取得の目的を伝える
- どのような勉強方法をしたのか過程を伝える
- 結果的にどのように活躍できるかを伝える
- 世界遺産検定を就職活動でアピールするときの注意点
- 必ず資格が評価されるわけではない
- 世界遺産の知識があるだけで評価されるわけではない
- 資格はプラスアルファのアピール材料
- 世界遺産検定が活かせる就職先の企業と業界
- 観光業界
- ホテル業界
- 航空業界
- 世界遺産検定を就職活動にアピールしてライバルと差をつけよう!
世界遺産検定はアピール次第では就職活動で有利になる!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「世界遺産検定は就職に有利になりますか」
「世界遺産検定が有利になる業界や企業を教えてほしいです」
といった質問を受けます。世界遺産検定を取得している学生にとっては、履歴書に記載して良いのか、また、世界遺産検定が就活にどのような影響を与えるかが気になりますよね。また、自分の興味がある業界で世界遺産検定が有利になるなら取得を検討している学生もいるかもしれません。
この記事では、世界遺産検定の概要や世界遺産検定が活かせる業界・企業について解説します。記事の後半では、世界遺産検定を就活でどのようにアピールすると効果的かも紹介。ぜひ、世界遺産検定を有効に使って、希望する企業の内定を獲得してくださいね。
そもそも世界遺産検定とは
就活生
キャリア
アドバイザー
世界遺産検定はその名の通り、人物共通の財産や宝物である世界遺産について、国際的な教養を身に付けていることの証明になるものです。検定に向けた学習を通して世界遺産について体系的に学べるのが魅力といえます。
世界遺産検定を就活で活かすためには、どんな資格かを的確に把握しておく必要があります。まずは、世界遺産検定の概要について押さえましょう。
世界遺産への知識や理解を表した資格のこと
世界遺産検定公式サイトによれば、世界遺産検定とは「人類共通の財産・宝物である世界遺産についての知識・理解を深め、学んだ内容を社会へ還元することを目指した検定」です。ユネスコの理念や世界遺産の意義、各遺産の価値について問う問題が出題されます。
ユネスコは、各国の歴史・文化・自然の象徴として世界遺産を登録しており、世界遺産を通して世界中の人々が互いを理解する平和な世界の実現を目指しています。
グローバル化が進む社会のなかで、世界の多様性を理解し、国家や文化の枠を超えて地球規模で柔軟に物事を考える姿勢を世界遺産の学習を通して身に付けられるでしょう。
キャリア
アドバイザー
一般教養として世界遺産についての知識や理解があることを示せるため、就活の場でもグローバルな観点をもっていることがアピールできます。
受験者は累計32万人超え
世界遺産検定は2006年から始まり、2014年からは文部科学省の後援事業になっています。小学生から90代まで幅広い年齢の人が受験しており、2021年度までの累計受験者数は327,746名です。
2021年度の受験者の傾向を見ると、年齢は10代が38%、20代が32%です。性別の割合は女性が58%、男性が42%でやや女性が多い傾向にあります。受験している人の職種は学生が38%、会社員が37%ですが、公務員や専業主婦・自営業など、さまざまな人が受けている検定です。
級は全部で5段階
世界遺産検定には次の5段階の級が設定されています。
- マイスター
- 1級
- 2級
- 3級
- 4級
それぞれの級の出題内容や解答形式などを紹介するので、受験を検討している人は参考にしてください。なお、マイスター以外の各級は対応テキストが販売されているので、重要な世界遺産や語句を中心に覚えるようにしましょう。
また、世界遺産検定の公式サイトにも「学習アシスト動画」があります。無料で視聴できるので、効率の良い学習の進め方の参考になりますよ。
マイスター
論述形式なので、世界遺産の理念や世界遺産に関係する出来事の知識を前提に、自分の言葉で説明できる力が求められます。ただ丸暗記するのではなく世界遺産について、常に情報収集し、現状の課題や問題に対する自分の考えをもっておくようにしましょう。
1級
すべての世界遺産が出題範囲となるので、登録の基準や世界遺産同士のつながりを意識する必要があります。世界遺産委員会の結果も出題範囲です。
2級
文化的景観・地球の歴史といったように、テーマごとの特徴を把握して学習するのが大切です。日本の世界遺産については登録基準も覚えましょう。世界遺産検定の結果や審議された日本の遺産も出題される可能性があります。
3級
世界遺産の基礎知識は世界遺産を学習するうえで基本となる部分なので優先的に学習する必要があります。また、日本の遺産の位置や世界遺産委員会の開催国なども重要な範囲です。
4級
世界遺産検定のテキストの赤太字や黒太字を中心に出題されます。テキストを読む際は重点的に覚えましょう。英語も4級出題範囲のポイントなので、英文に登場する太字もチェックしてください。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
世界遺産検定のほかにも、旅行や地理に関係する資格はいくつか存在します。もしかすると入社する企業では世界遺産検定以外の資格取得を推奨している可能性もあるため、どの資格を受けるかどうか迷う人もいるかもしれません。しかし、他の資格取得でも法律や有名な世界遺産など、押さえておきたいポイントについては同じような場合もあります。
その意味で、最初は自分が最も関心がある資格から勉強を始めても問題はないでしょう。行きあたりばったりな勉強ではなく計画を持って進めることで、たとえ他の資格を取得することになったとしても焦らない基礎づくりをしておきましょう。
自分の強み・適職を知るためにも、まずは自己分析を済ませましょう
就活を成功させるためには自己分析が必須です。しかし、自分自身のことを分析するのは意外と難しいですよね。
そんなときは「自己分析ツール」を活用しましょう。このツールを使えば、簡単な質問に答えていくだけであなたの強み・弱みが簡単にわかります。
無料で使えるので、自分の強みを確かめたい人は今すぐ診断しましょう。
世界遺産検定の試験概要
世界遺産検定では、マークシートを使って公開会場で受験する「公開会場試験」と全国280カ所以上のテストセンターから好きな日時を選んで受験するCBT試験があります。どちらで受験しても試験の難易度や内容は同様です。
ただし、実施級や合否判定・受験料に違いがあるので、それぞれの特徴をおさえて試験方式を選びましょう。
公開会場試験
マイスターは公開会場試験のみ
公開会場試験は従来のテスト方式のことです。決められた試験日に指定された会場で試験を受けます。申込はインターネットまたは郵便局から可能ですが、郵便局で申し込みの場合は、事前に公式サイトから願書付きのパンフレットを請求する必要があります。
マイスターや2級・3級併願、3級・4級併願はCBTでは実施がないため、これらを受験したい人は公開会場試験を選びましょう。また、受験料もCBT試験に比べて1,000円安いのもメリットといえます。
CBT試験
全国約280カ所のテストセンターで受験可能
CBT試験の場合は全国約280カ所のテストセンターでパソコンを使って受検します。2020年12月に実施された第42回検定より導入されました。
インターネットで申し込みのうえ、試験期間であれば、好きな時間に受けられます。また、受検の4日前まで申込可能で、受検日時と会場の変更ができるのもメリットといえるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
自分が受けやすそうだと思う方を選べば、試験の受け方は基本的にはどちらを選んでも問題ありません。たとえば、会場試験のほうが日程に限りがあるため、それに向かって頑張ろうというモチベーションの維持にもつなげられるでしょう。しかし一方で、急に体調を崩してしまったなどの理由で試験が受けられなかった際には、次の機会まで日が開いてしまうリスクもあります。
CBTの場合は、自分のスケジュールを見ながら試験日を比較的選びやすいため、忙しい人には便利です。一方で、「いつでも受けられそうだ」と思ってズルズルと日が経ってしまうケースもあります。自分のモチベーションはどのように維持できるかどうかなども考えながら受検方法を検討しましょう。
世界遺産検定を就職に活かす方法
就活生
世界遺産検定を取得したらどのように就活で活かせますか?
キャリア
アドバイザー
一番大きいのは、面接で自己PRの材料になるということですね。また、採用担当者に興味をもってもらえると、雑談のネタにもなりますよ。
就活生
資格自体がアピールできるということはないのですか?
キャリア
アドバイザー
もちろん、業界や企業によっては、強みと捉えられることもあります。ただ、一番大切にしたいのは、自分の長所を伝える足がかりとすることですね。
世界遺産検定をうまく活用する方法を理解しましょう。
面接の自己PRネタの1つになる
世界遺産検定は、ほかのさまざまなテーマと結び付きやすいため、自分を伝える自己PRに活用できます。世界遺産は人類の財産であるため、世界遺産について自主的に学んでいることは国際理解や社会への貢献心をもっていることにつながるのです。
これまでのボランティア経験や旅行が好きという自分の長所などをアピールするきっかけに使用できますよ。
世界遺産についての知識が実務に関係がない業界でも、多くの採用担当者がエントリーシートに記載のある世界遺産について深掘りする可能性があります。世界遺産を取得していることで、興味のある分野について目標を決めて努力した姿勢も伝えられるでしょう。
そのほか自己PRネタが思い付かない人はこちらを参考にしてみてください。
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資格取得までの過程をアピールしよう
世界遺産検定は取得するために勉強が必要です。世界遺産検定に合格したという資格そのものよりも、物事への取り組み方をアピールするほうが、どの業界の就活であっても有効です。
というのも、企業が採用基準で重視する項目は人柄が94.5%で資格取得は13.6%と、資格そのものが就活で重視されるということはあまりありません(参照:就活白書2022)。
資格取得まで過程を伝えることには次のメリットがあります。
- 困難に対して、継続力をアピールできる
- 成果にこだわり、目標を達成する力をアピールできる
- 入社後に必要なスキルのアピールができる
資格を取得するまでの工夫や苦労を伝えることで、人柄を理解してもらえますよ。
雑談ネタにしてコミュニケーション力をアピール
世界遺産検定は、もともと旅行が好きな人や世界史に興味がある人が受験を検討します。そのため、義務感ややらされている感がなく、自分から好んで勉強ができる資格ともいえるでしょう。
そのように自分が楽しみながら取得した資格なら、面接の場で聞かれたときにもリラックスして受け答えができます。実際、世界遺産を取得した人が面接の場で「いきいきと話ができた」と振り返ることもあるようです。
また、世界遺産検定は業界や採用担当者の年齢に関係なく、興味をもってもらえる資格なので、面接の場で雑談ネタにすることで、自分らしさを伝えられ、自然体のコミュニケーションをおこなえますよ。
コミュニケーション力をアピールする方法はこちらで解説しています。
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2~3級以上を取得しておく
世界遺産検定をESでアピールするなら、3級を取得しましょう。3級は日本の世界遺産と世界の100つの世界遺産が出題範囲で、世界遺産についての基本的な知識をもっていることをアピールできます。3級であれば合格率は79.3%なので、テキストを中心に学習を進めれば合格可能です。
3級は高校の社会科学習修了レベルなので、高校生の頃に世界史や地理が得意だった人・3級だと余力がありそうな人には2級の取得がおすすめです。ただし、合格率は61.2%と難易度があがるためしっかりと学習してから受験してください。
書店などで各級のテキストを確認したり、公式サイトで例題を確認したりして、自分の知っている世界遺産の知識量で受験を検討するのも良いでしょう。公開会場試験であれば、2級・3級併願もあるので、選択肢に入れてみてください。
4級は高校生が受けるゾーンなのでアピール力は乏しい
世界遺産検定は4級から受験ができますが、4級をメインで受験するのは高校生以下の学生です。そのため、就活の場では効果的なアピールは期待できないでしょう。
もちろん資格なので取得をしていればESに記載することは可能です。ただ、アピール材料にはならない可能性が高いといえます。
世界遺産検定はステップアップして学習できるように級の設定をしているので、歴史が得意でない人や高校で歴史や地理をあまり勉強しなかった人は足がかりとして4級からトライするのは良いでしょう。4級の合格率は94.0%なので、基本的な知識を押さえれば合格しやすいです。
世界遺産検定が活かせる仕事
世界遺産検定はどの業界や企業でもアピール次第で有効ですが、特に資格そのものが活かせる企業の場合、より有利に働きます。また、世界遺産に興味がある人の場合、世界遺産検定を評価してくれる企業に適性があることもあるでしょう。
世界遺産検定が活かせる業界・仕事について解説するので、積極的にアピールして、ほかの学生との差別化をしましょう。
航空会社の仕事
航空会社の仕事では、海外の各地に行くため、世界遺産の知識を直接活かせる場面があります。たとえば、客室乗務員として航空会社に入社した際に、海外の人や日本の人の顧客と接する機会があるでしょう。
世界遺産についての知識をもっていれば、いろいろなシーンでの会話のきっかけになります。顧客の出身国や渡航先にある世界遺産について話をすることで、国際理解が深いことを伝えられますよ。世界遺産検定をもっていることで顧客満足度をアップさせる可能性をアピールできるでしょう。
航空業界についてはこちらで詳しく解説しています。
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旅行会社の仕事
旅行会社の仕事では、商品を企画・販売するときに、検定で学んだ知識を活かせます。営業の際に、海外の話や世界遺産の話からアプローチできるので、顧客に対して自分主導で話題作りができるでしょう。
次の旅行会社では、世界遺産検定を社内推奨資格としており、ESの資格欄に世界遺産検定の項目がある場合もあります。
- JTBグループ
- KNT-CTホールディングスグループ
- 阪急交通社
- 日本旅行
また、旅行会社にとって、世界遺産は重要な観光資源です。その資源を保護する姿勢をもっていることもあわせてアピールできますよ。
旅行会社への就職を検討している人はこちらを参考にしてみてください。
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ツアー企画業務
旅行会社では、自社でツアーを企画してます。たとえば、阪急交通社ではツアーをメディアで告知して、反響のあった顧客にDMなどを送り、リピーターになってもらうというビジネスモデルです。
このなかで、ツアーを告知する広告を制作するのも社員の仕事ですが、「世界遺産」という売り出し方をすると注目度がアップすることもあります。特にシニア層からのニーズが高いため、顧客の要望に合わせた最適な旅を提案するために、世界遺産の知識が活かせるのです。
また、旅に関心があるからこそ、世界遺産について学んできたという知的好奇心のアピールもできるため、入社後も自ら進んで学ぶ姿勢があることを伝えられますよ。
旅行案内業務
世界遺産について、知識があると「ここに旅行に行くのなら、この世界遺産まで足を運んではいかがでしょうか」とプラスαの接客ができます。世界遺産検定の知識をもとに説得力のある案内ができるでしょう。
また、顧客と一緒に現地に向かうツアーコンダクターやツアーガイドの仕事でも、世界遺産検定の知識が活かせます。有名な情報以外にもちょっとした豆知識を披露することで、顧客もよりツアーを楽しめるでしょう。
世界遺産についての知識があることで仕事の幅が広がるのも資格取得のメリットです。
キャリアアドバイザーコメント津田 祥矢プロフィールをみる
このほかにも、出版社などのメディア関係や地図関係の仕事でも活かせる可能性が高いです。たとえばメディア関係の仕事では、世界遺産の情報を解説した旅行雑誌やWebサイトの執筆をするなど、得られた知識をどんどん世の中に伝えていくことができるでしょう。
また、地図関係の仕事では、山や道路など特殊な地図を作製して国土交通省やインフラ関係の企業とやりとりをすることもあります。世界遺産の情報を直接活用する機会は少ないかもしれませんが、地図を見ながら自分も旅をしている気分になれるかもしれません。さまざまな可能性を考えながらどのように活かしていきたいかアピールしていきましょう。
世界遺産検定を就職活動でアピールするためのコツ
就活生
世界遺産検定の資格が就活でアピールできることはわかりました。特に旅行業界の場合は、効果的ですね。
キャリア
アドバイザー
旅行業界以外にも、旅行関係の本を出版している会社でも知識がアピール材料になることもありますよ。
就活生
世界遺産検定を就活でアピールするために気を付けることはありますか?
キャリア
アドバイザー
世界遺産検定そのものを取得していることよりも、取得のきっかけや努力の過程、入社後どのように活かしていきたいかを伝えるのがコツです。
世界遺産検定を取得したことだけでは、アピール材料としては不十分です。世界遺産検定を取得したことを採用担当者に評価してもらうための伝え方を知りましょう。
資格取得の目的を伝える
世界遺産検定は、珍しい資格なので、履歴書に書くことで採用担当者にも興味をもってもらえます。「世界遺産検定とは?」「どうして世界遺産検定を取得しようと思ったのか?」などと質問を受ける可能性があります。資格を取ろうと思ったきっかけを伝えるようにしましょう。
資格をアピールするうえでは、取得の目的もアピールポイントのひとつです。どのような目標があったのかを話すことで、入社後も仕事の目的に向かって努力できる人材だと伝えられますよ。
また、なぜ世界遺産検定に興味をもったのかを伝えることで、人柄のアピールにもなるでしょう。
どのような勉強方法をしたのか過程を伝える
資格をもっていることそのものよりも、資格取得のためにどのような取り組みをしたのかを伝えるほうが、物事への取り組み方がアピールできるので良い評価につながりやすいです。
特に、世界遺産検定が業務に直接必要な知識でない場合は、資格自体のアピール力はあまりないこともあります。どのような努力をしたのか、苦労を乗り越えた方法などを中心にアピールしましょう。
たとえば、世界遺産について研究するゼミに所属して、自分の担当分野についてほかのメンバーに教えた経験がある人もいるでしょう。このような相互に高め合いながら学習した、という勉強方法であれば、周囲との協調性も伝えられますよ。
協調性をアピールする方法はこちらで解説しています。
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結果的にどのように活躍できるかを伝える
世界遺産検定の場合、特に旅行・航空業界では、直接的に仕事に活かせます。旅行業界・航空業界を志望する人は、積極的にどのような仕事で力を発揮したいかを伝えましょう。
たとえば、日本の世界遺産についての知識に自信があるので、実際に訪れた体験と世界遺産検定学習で身につけた知識を活かして、まだ観光地化されていない場所の魅力を伝えたい、などと具体的にアピールしてください。
旅行業界以外の場合は、取得までの過程で身につけた努力の姿勢を、入社後の仕事で発揮したいことを伝えるのが良いでしょう。
世界遺産検定を就職活動でアピールするときの注意点
世界遺産検定はうまく活用すれば高評価のきっかけになりますが、アピール方法を間違えると逆効果になることもあります。せっかく努力して取得した資格がマイナスの印象につながってはもったいないです。
どのような資格もアピールの仕方次第で評価は変わるため、気を付けたい注意点を説明します。ESの作成時や面接前に振り返って、正しくアピールできるようにしましょう。
必ず資格が評価されるわけではない
資格があると就活が有利、資格がないと就活で不利になるとは限りません。たしかに、採用担当者の目に止まるきっかけにはなりますが、必ずしも評価につながるとはいえません。
基本的に新卒採用ではポテンシャルや人柄を重視します。そのため、資格そのものよりも、その資格をどのようにアピールするかが大切といえるでしょう。資格はあくまでも自分の興味関心や価値観を伝えるためのツールであることを理解しておきましょう。
就職を有利に進めるための手段として世界遺産検定を受けるよりは、自分の強みや長所を活かした結果として世界遺産検定を位置付けたほうが、採用担当者により良いアピールができますよ。
世界遺産の知識があるだけで評価されるわけではない
世界遺産検定では、世界遺産についての知識を身に着けていることがアピールできます。級が上がるほど、合格に必要な知識量も増えるでしょう。ひとつの事柄に対して専門的な知識をもっていることや、努力して難易度の高い検定に合格したことは評価されるべきですが、ただ知識があることをアピールするのでは不十分です。
特に旅行業界のように、世界遺産検定の取得が評価される業界では、その知識をどのように活かしたいかを明確に伝えるようにしましょう。そうすることで、入社後の展望も伝えられるので、より志望度が高いことが伝わりますよ。
資格はプラスアルファのアピール材料
世界遺産検定は、世界遺産についての知識をもとに、より平和な国際社会の実現を目的としてます。世界遺産検定を受けている人のなかには、留学経験や途上国へのボランティア活動を経験している人もいるでしょう。
このような課外活動のエピソードのプラスアルファのアピール材料として世界遺産検定の資格を使うと行動力や積極性といった強みが伝えられます。
世界遺産検定の資格取得に向けて得た知識を実際の行動で活かせたことを伝えらえると、入社後もただ知識を身に着けるだけでなく、アウトプットにも注力できるという印象につながります。ぜひ、世界遺産検定の取得に関連付けられそうな経験がないか振り返ってみましょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
世界遺産の知識を得ていくと、単純記憶だけではなく国の歴史や現代社会の問題などについて考える機会もあるかもしれません。「資格を取得した」という事実は全員に共通のことであったとしても、そのプロセスで考えたことは千差万別です。どのようなことを考えると正解ということはありませんが、これらの価値観を具体的に伝えられるようにしましょう。
たとえば、「世界遺産を通じて世界史に興味を持ったので卒業論文のテーマを決めることができた」「研究のために実際に世界遺産に足を運んで現地の人に話を聞いてみた」などのストーリーがあると、学びを行動に変えられる人という評価を受けられるかもしれません。些細なことでも構いないので、気持ちを伝えられるように意識してみてくださいね。
世界遺産検定が活かせる就職先の企業と業界
世界遺産検定が活かせる業界や企業の具体例を紹介します。すでに世界遺産検定を取得している人は、世界遺産についての興味や関心が活かしやすく就活の軸にも合致しやすい業界といえるでしょう。
長くやりがいを感じながら働き続けるためには、自分の適性に合った業界や企業を選ぶ必要があります。それぞれの業界の特徴や企業ごとの求める人物像も解説するので、ぜひ、自分の強みがアピールできる企業を見つけてくださいね。
観光業界
観光業界では、顧客への提案力の向上を狙いとした、知識取得や資格の取得が推奨されています。近年では、オンラインでの旅行申し込みが勢いを増していますが、実店舗では、顧客自身が検索では知りえない情報を伝えられるというメリットがあります。
そのため、顧客に魅力的な提案をおこなうために、世界遺産検定の知識を活かせるのです。学生時代から世界遺産についての興味をもって学習を進めたことはアピールポイントになるので、取得の目的や努力の過程をしっかりと伝えましょう。
JTB
JTBは商事・リゾート・レストラン・海外関連事業・不動産事業など多岐に渡るJTBグループのメイン事業である、旅行事業をおこなっています。国内旅行の取り扱いに強みがある旅行会社です。
JTBグループでは目指す人財像を「自律創造型人財」としています。具体的な素質は次の通りです。
- マーケットや外部環境の変化をチャンスと捉え、自ら課題をたて、迅速に行動し、挑戦し続ける人
- 自らの意思と努力で専門性を磨き、夢と好奇心で未来を描き、自己成長し続ける人
- 国際的な視野をもち、多様性を持つ社内外のメンバーと協働し、新たな価値を創造し続ける人
世界遺産検定の取得は国際的な視野をもっていることの裏付けとして活用できるでしょう。
HIS
HISは2021年の売上高が4,302億円と旅行業界のトップ企業といえます。HISグループ全体では、テーマパーク事業やホテル事業・運輸事業や宇宙事業など幅広い事業展開をしているのが特徴です。
グローバル展開を進めているので、多種多様な人材採用を強化しています。求める人物像は次の3つです。
- 多様な価値観を理解し、柔軟に考え、行動できる人
- 夢や目標に向かって、失敗を恐れず、挑戦し続ける人
- 変化をチャンスと捉え、自らの発想で物事を実行する人
以前は、旅行経験の豊富さを採用条件にしていたこともあるので、世界遺産検定のアピールに絡めて旅が好きであることをアピールすると効果的でしょう。
ホテル業界
ホテル業界の就活では、世界遺産検定の取得がほかの学生との差別化につながることがあります。資格欄に記載したことで、グループ面接の際に、面接官から深掘りをされた学生もいるようです。
また、ホテル業界では海外から来る顧客の対応が求められたり、海外への事業展開を検討に入れていたりすることがあります。ただ「海外に興味があります」と伝えるよりも、世界遺産検定を取得してるほうが、現実味をもってグローバルな視点を身に着けていることがアピールできますよ。
西武HD
西武HDは西武鉄道やプリンスホテル、埼玉西武ライオンズを傘下にもつ西武グループの持株会社です。そのなかでも、ホテル・レジャー事業は2021年度の営業収益1/3を占め、都市交通・沿線事業に次ぐ主力事業といえます。
求める人物像を「西武グループの未来に向けて、あらゆる人の想いを胸に走り続けられる人材」と設定し、具体的には次の4つを挙げています。
- 西武グループの経営資源を活用し、お客さまの行動と感動を創り出すことが自分の目指す未来だと考えられる人材
- あらゆる相手の立場に立って物事を考え、自分の言葉で相手に発信し、過去に捉われずに決断・実現できる人材
- 西武グループ全体の成長のために、困難な状況にも執念を持って立ち向かえる人材
- 明るく、前向きで、自身のありたい姿への実現に努力を惜しまない人材
グループ企業は国内外合わせて80社にのぼるため、世界遺産検定を通じたグローバルな視点をアピールすると良いでしょう。
リゾートトラスト
リゾートトラストは、会員権事業・ホテルレストラン事業・メディカル事業・ゴルフ事業を展開する総合リゾート企業です。2021年度の売上高が1,675億円とホテル業界ではトップを誇ります。
完全実力主義をスタイルとしており、成果次第で20代後半で部長、30代で事業部長に抜擢されることもあります。ホテル総合職で活躍できる人材の特徴は次の通りです。
- 最高のおもてなしを追求したい人
- チームで一丸となって動くのが好きな人
- アイデアを発揮し、 新しいサービスを生み出せる人
- コミュニケーション力に自信がある人
世界遺産検定を会話のネタとして活用してコミュニケーション能力をアピールしましょう。
東急
東急は交通インフラ事業・都市開発事業・生活創造リテール事業・ホスピタリティ事業など、東急線沿線を中心に「まちづくり」にかかわるさまざまな事業を展開している企業です。ホスピタリティ事業では、東急ホテルズなどの子会社を通じて国内外でホテル・リゾート事業を手がけています。
従業員一人ひとりが共有すべき価値観と求められる行動として、東急バリューがあります。高い志を持ち、自ら考え、主体的にやり抜く人材の育成を目指した企業で、具体的な価値観は次の3つです。
- 顧客価値:お客さまが求める価値を追求し続ける
- 共創:互いを高めあい、知恵を結集させて連携を進める
- 挑戦:常に新しい価値の創造に向けて突き進む
行動指針のなかには「学習する」という項目があるので、世界遺産検定を通して、知識や技能を積極的に吸収する姿勢があることを伝えましょう。
航空業界
世界遺産検定の知識は航空業界を志望する際にもアピールポイントになります。たとえば、客室乗務員として国内外の顧客に対応するときに、世界遺産の知識をもとに会話を進めることもあるでしょう。
自分の知識で「顧客をより楽しませよう」「より良い旅になるかかわり方がしたい」というホスピタリティをもっていることがアピールできると、就活をスムーズに進められます。
実際に、航空業界に内定した世界遺産取得者は面接で世界遺産検定についてやこれまで自分が旅をして世界遺産に足を運んだことについて質問を受けています。検定取得から行動力などの強みを伝えるようにしましょう。
ANA
ANAはANAホールディングス株式会社の完全子会社で、航空運送事業や旅行事業などを展開しています。そのほかの事業としては、情報通信、商事・物販、ビル管理、物流および航空機機内装備品修理など、 航空運送の周辺事業もあります。
2021年度の売上高は7,286億円と航空業界のトップです。人財育成のキーワードを「グループ」「グローバル」「ダイバーシティ&インクルージョン」としており、「個」を活かしてチームで働くことを重視しています。世界遺産検定を通じて、自分の強みや個性をアピールするのが選考通過のカギです。
JAL
JALは日本で最も長い航空会社の歴史をもちます。1953年に日本政府による日本航空株式会社法が施行されてから、1987年に廃止されるまで日本のフラッグキャリアでした。現在でも国内外で高い知名度を誇ります。
求める人物像として次の7つを掲げています。
- 感謝の心をもって、謙虚に学ぶ
- 果敢に挑戦し、最後までやり遂げる
- プロ意識をもつ
- 採算意識をもつ
- 仲間とともに働く
- お客さまに心を尽くす
現在も新事業への挑戦を続けるJALだからこそ、世界遺産検定の取得に向けた自分の取り組み方を中心に伝えるようにしましょう。
世界遺産検定を就職活動にアピールしてライバルと差をつけよう!
この記事では、世界遺産検定が就活で活かせる業界や企業について解説しました。旅行業界やホテル業界、観光業界では、世界遺産検定の取得で、業務に活かせる知識があることをアピールできます。
また、世界遺産検定の取得を効果的に伝えるためには、取得のきっかけや努力の過程、入社後にどのように活かしたいかなど、ただ取得した以外の内容に焦点を当ててアピールするのがポイントです。ぜひ、世界遺産検定を取得したという強みをうまく活かして、就活をスムーズに進めてくださいね。
そもそも、世界遺産検定とはどのような検定なのでしょうか。