目次
- 大企業志望ならメリット・デメリットと企業形態の理解が必須!
- そもそも「大企業」とは? 大手・中小企業との違いも解説
- 「大企業」と「大手企業」の違い
- 「大企業」と「中小企業」の違い
- 魅力がたくさん! 大企業で働くことの5つのメリット
- ①経営が安定している
- ②社会的信用度が高い傾向にある
- ③教育制度が整っている
- ④福利厚生が充実している
- ⑤大規模な事業にかかわることができる
- 必ず押さえておきたい! 大企業で働くことの5つのデメリット
- ①業務の担当範囲が狭い可能性がある
- ②意思決定までの段階が多い傾向にある
- ③競争相手が多くなりやすい
- ④経営者との距離が遠くなりやすい
- ⑤企業全体を把握しにくい
- 大企業を目指すべきか判断するための3ステップ
- ①働くうえでの譲れない条件を洗いざらい書き出す
- ②書き出した条件に優先順位をつけて「就活の軸」を立てる
- ③大企業のメリット・デメリットから軸を実現できるか判断する
- 自分に一番マッチする大企業を探すための5つの準備
- ①自己分析を徹底的におこなう
- ②合同説明会に参加する
- ③業界地図や就職四季報で選択肢を広げる
- ④興味のある企業のインターンに参加する
- ⑤キャリアセンターや就職支援サイトを活用する
- 大企業のメリットを知りたい学生からよく聞かれる質問に回答!
- 大企業と中小企業の違いは何ですか?
- 大企業で働くメリットは何ですか?
- 大企業にはメリット・デメリット両方ある! 慎重に適性を見極めよう
大企業志望ならメリット・デメリットと企業形態の理解が必須!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から、
「大企業に就職するメリットって何ですか? 」
「ほかの企業とはどのような違いがあるのか知りたいです」
というような質問や相談をよく受けます。
大企業はメディアに取り上げられやすい傾向にあり認知度も高いので、興味を持つ学生は多いでしょう。
この記事では、大企業で働くメリット・デメリット、大手・中小企業との違いなどを解説します。大企業への就職を目指すべきか判断する方法も紹介します。
大企業のメリットとデメリットの両方を正しく理解して、最終的には自分にとって最適な企業を探し出し、納得のいく就職活動をしましょう。
そもそも「大企業」とは? 大手・中小企業との違いも解説

就活生

キャリア
アドバイザー
そこの認識を合わせることは大切です。わかりやすい判断基準があるので一緒に見ていきましょう。
大企業とは、中小企業よりも大きな会社のことです。多くの資本金を持ち、多くの社員を雇用している会社を指します。法律では中小企業の定義のみが明記されていますが、大企業は中小企業以外であると考えることができます。
大企業をピンポイントで指し示す明確な定義はないものの、このあと解説する大手企業や中小企業と比較することで相対的な判断が可能です。
大企業と呼ばれる企業の中には「一流企業」ともいわれる企業も多いですよ。以下の記事では一流企業について、業界ごとに紹介しているのでそれぞれの特徴を知りたい人は参考にしてみてくださいね。
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超厳選の一流企業を40社大公開! 見極めるコツは4つの軸の理解
一流企業には明確な定義がないからこそ、本記事では編集部で厳選した一流企業と呼ばれる40社を紹介しています。キャリアアドバイザーとともに、自分に合った企業の見極め方も解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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「大企業」と「大手企業」の違い

就活生
確か、大手企業といわれる会社もありますよね。大企業と大手企業の違いは何ですか?

キャリア
アドバイザー
良いところに気がつきましたね。名称が似ているため混同されがちですが、特徴が異なります。それでは違いを理解しておきましょう。
大企業が資本金や社員数が多い企業であるのに対し、大手企業は企業規模が大きいだけでなく、特定の業界内で知名度やシェアが上位の企業を指すケースが多いです。
そのため、大企業であっても大手企業と呼ばれない企業も存在します。大手企業はあくまで業界内での捉え方になるので、たとえ規模が大きくてもほかの企業と比較して知名度やシェアが上位でなければ、大手企業とはいえませんよ。

キャリアアドバイザー
大企業と大手企業は似ている言葉ですが意味は異なるため、理解しておくと良いですよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!大企業と混同されがちな言葉
「有名企業」と「上場企業」との違いを明確に理解しよう
大企業のほかにも「有名企業」や「上場企業」という言葉もよく耳にするのではないでしょうか。同じような意味で使われることもありますが、厳密には意味が異なります。
「有名企業」とは、多くの人がその企業のことを知っており、扱っている商品やサービスの認知度などが高い企業を指します。自動車や化粧品メーカー、ゲームを開発する企業など、自分が普段よく目にするものや馴染みのある商品などを提供している企業がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
一方、「上場企業」とは、証券取引所で株式を公開し、一般の投資家が自由に売買できるようになる企業を指します。上場企業になると、多くの投資家から資金調達がしやすくなり、企業の成長に期待が持てます。また、株主に対して経営や財務情報を公開するため、世間からの信頼度も高く、安定企業のイメージも強いでしょう。有名企業の多くは、上場している企業です。
「準大手企業」や「みなし大企業」も似た言葉の一つ
また、大手企業ほどではないものの、中堅企業よりも規模が大きく、世間にある程度の影響力を持つ企業は「準大手企業」と呼ばれます。一方、親会社である大企業の傘下にある企業は「みなし大企業」と位置付けられています。それぞれの特徴を理解し、「大企業」との違いを明確に理解するようにしましょう。
「大企業」と「中小企業」の違い

就活生
大企業と中小企業の違いって、どこで判断できるのですか?

キャリア
アドバイザー
法律で定められた中小企業の基準を参考にすると、わかりやすいですよ。
「中小企業基本法」では、業種ごとに資本金等従業員数の上限が定められています。いずれか一方でも基準を超えた場合、中小企業とはいえません。つまり、その基準を超える企業は、大企業ということです。
| 業種 | 資本金の上限 | 従業員数の上限 |
| ①製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| ②卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| ③サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| ④小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
引用:中小企業庁

キャリアアドバイザー
たとえば、従業員400人の製造業の会社は、300人の上限を超えているので大企業になります。一方で、従業員数が100人のサービス業なら中小企業に該当します。
中小企業にもエントリーしたい人は、以下の記事がおすすめです。
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魅力がたくさん! 大企業で働くことの5つのメリット


就活生
大企業の特徴が徐々にわかってきました。そんな大企業で働くことのメリットが知りたいです!

キャリア
アドバイザー
良い質問ですね。漠然と大企業を魅力的だと感じることが多いかと思いますが、改めてメリットとして見ていきながら、理解を深めていきましょう。
ここでは、大企業のメリットを大きく5つにまとめて解説します。大企業は、なんとなくメリットが多い企業だと思っている学生もいますが、整理して把握することで新しい魅力に気付けるでしょう。
大企業のメリットが必ずしも自分に合っているとは限りません。適性があるかどうかも意識しながら確認していくことで、より就活に役立つ知識になりますよ。
①経営が安定している
大企業のメリットは、経営基盤がしっかりしているため倒産のリスクが少ないことです。仕事を失うリスクが低いのは嬉しいポイントですね。
- 企業が安定的に資金を調達できる仕組みや基盤を持っている
- 倒産のリスクが低い状態で経営を続けている
多額の資本金と多数の社員を持つ大企業は、グループ会社も多い傾向にあります。少し経営が悪化したとしても、相互に補完し合いながら乗り越えられる組織体制が整っているでしょう。
また、大企業の社員は信用があり返済する力が高いと見られるため、銀行からの融資が受けやすいなどのメリットもあります。

キャリアアドバイザー
経営基盤が安定している大企業なら、給料や倒産リスクなどの不安をあまり持たずに働けるのが良いですね。
「安定した企業で働きたい」という人は、以下の記事がおすすめです。
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安定した職業15選|安定した仕事は7つの基準から見極めよう
安定した職業に就きたいと考える人は多くいます。1つの指標としては、時代によって需要が左右されなかったり、成長性の高さなどが条件として挙げられます。ただこうした仕事は誰しもが気になる仕事であるため、目指すためには入念な対策が必要です。この記事ではキャリアアドバイザーのアドバイスを交えて、具体的な職種例を15個解説。仕事の選び方も解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
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②社会的信用度が高い傾向にある
大企業は規模を拡大するまで、会社を成長させてきた実績があります。その実績が社会的な信用度が高いメリットにつながっています。
社会的信用度が高いことで、企業にとっては資金調達のしやすさや、事業展開していくうえでの交渉のしやすさがあります。
ネームバリューが高いことで商談や営業がしやすくなり、案件も決まりやすいでしょう。プライベートにおいても、クレジットカードや住宅ローンの審査が通りやすいなどのメリットもありますよ。

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アドバイザー
経営が安定していることと社会的信用が高いことは、相互に影響し合っている要素だといえそうですね。
③教育制度が整っている
大企業は、教育制度や研修制度が手厚いことも魅力です。
中小企業よりも資金に余裕がある大企業では、目の前の短期的なビジネス展開だけでなく、中長期的な目線での投資として、社員教育にもお金を掛けられます。
長年積み上げてきたビジネスノウハウや、規模を拡大するたびに整えてきたマネジメント体制などもあるので、研修も濃く充実した内容となるでしょう。
また、ある程度社内での成長のロールモデルが固まっていることで、ポジションが上がるタイミングでその役職に合った研修が設けられやすい傾向もあります。大企業であれば強みである資金力と培ったノウハウを活かして、ビジネスパーソンとして成長できるでしょう。

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最近では、新卒社員向けにオンライン教材の提供や、内定者研修をする企業も増えています。そのような制度に資金をかけられる大企業なら、今後はさらにバリエーションも多くなりそうですね。
④福利厚生が充実している
大企業は、資金力の高さから、ほかの企業と比較して福利厚生の制度が充実している傾向にあります。
企業が働く社員に対して、給与や賞与とは別に提供する報酬やサービスのこと。
例)年金制度、保険制度、通勤交通費、住宅手当など。
福利厚生は多くの企業でありますが、特に大企業では社員の経済負担を軽減する制度や、成長をサポートする制度など、仕事以外の支援に力を入れている企業が多いです。福利厚生が多い大企業なら、プライベートの充実度も高まるでしょう。

キャリア
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育児休暇制度や産休制度、ダイバーシティを意識した制度など、先進的な取り組みをしている企業もありますよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!大企業に勤めるさまざまなメリット
手厚い福利厚生も魅力の一つ
大企業に勤める大きなメリットの一つとして、福利厚生が充実している点が挙げられます。企業や組織は、社員のモチベーション向上や健康的な環境を目指し、さまざまな福利厚生を導入しています。なかには、社会的評価の高いものやユニークな制度もあります。
たとえば、ソフトバンクでは福利厚生の一つとして、出産祝金を支給しています。第1子5万円から第5子500万円までとかなり高額で、社員にとって非常に手厚い制度だと言えるでしょう。企業のホームページによると、2022年度は第1子と2子合わせて約730人、第3子以降は約100人に支給しています。
また、近年は新型コロナウイルス感染症の影響で、時差出勤やリモートワークを導入する企業も増えました。しかし、グーグルやマイクロソフトは、それ以前からフレックスタイム制やリモートワークを積極的に導入していました。
社員をサポートする多種多様な福利厚生を実施する大企業が増加
オフィス内にフィットネスセンターを備え、社員のリフレッシュやストレス解消に役立っている事例がニュースで取りあげられてからは、導入する企業が増えましたね。
ほかにも、社員食堂や社員カフェの無料利用、家賃補助、クラブ活動の支援など、働く側からすると、魅力的な制度を実施している大企業が年々増えています。企業を選ぶ際は、どのような福利厚生があるのかについても細かくチェックするのもおすすめですよ。
福利厚生のメリットや、手厚い企業に入社したい人は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
福利厚生の充実度は企業選びの重要要素! 利点や把握方法まで解説
福利厚生が良い会社30選|本当に合う環境を4ステップで見つけよう
⑤大規模な事業にかかわることができる
大規模な事業展開ができることも、大企業の魅力です。
大きな事業に踏み出すには、それなりの準備と完遂できるという見通しが必要になります。大企業では、安定した基盤や社会的信用度の高さ、資金力と社員数の多さなどにより、長期的な視点で事業展開の見通しが立てられます。
一般的に、大規模な事業に個人でかかわるのは、仕事での実績がないと難しいです。しかし、大企業で働く社員であれば、若いうちからこのような大きなプロジェクトにかかわれます。早くから規模の大きなプロジェクトに携わりたい人は、大企業がおすすめです。

キャリア
アドバイザー
大企業は社会的な信用度も高いため、国単位での政策に参画することもありますよ。
キャリアアドバイザーが読み解く!大企業に向いている人の特徴
ワークライフバランス重視派の学生におすすめ
大企業での勤務は、ワークライフバランスを重視する学生にとって理想的な選択肢になるでしょう。大企業は、一般的に福利厚生が充実しており、残業時間の管理も厳しくおこなわれている傾向があるからです。
一方、若いうちから裁量権を持って急成長したい学生には、大企業は不向きでしょう。そのような学生には、大企業よりもメガベンチャー企業やベンチャー企業のほうが適しています。これらの企業は事業の拡大フェーズにあるため、若いうちから任せてもらえる仕事の範囲が広く、昇進スピードも速いのが特徴です。
必ず押さえておきたい! 大企業で働くことの5つのデメリット


就活生
大企業にはたくさんのメリットがあるんですね。ただ、メリットだけではないですよね? 大企業で働くうえで注意すべきことがあれば教えていただきたいです!

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確かに大企業にもデメリットが存在します。メリットと懸念点の両方をしっかり理解できるように一つずつ確認していきましょう。
ここからは、大企業で働く5つのデメリットを解説します。大企業だからこそ気を付けるべきことがあるので、自分が大企業で働くとなった場合に気になるかどうかも意識して確認してみてくださいね。
①業務の担当範囲が狭い可能性がある
大企業では、その規模の大きさから業務や職種が細分化されているので、自分が担当する仕事の範囲が狭い傾向にあります。事業規模が大きくなるほど業務内容が増えるので、役割分担をして一人の仕事量を調整する必要があるためです。
そのため、業界や職種によって異なりますが、日々の業務はルーティン化されることも少なくないでしょう。「毎日新しい環境ややり方で仕事を進めたい」という人には、大企業は向いていないかもしれません。

キャリアアドバイザー
人材を自社で長く育てようと考えているため、新卒は総合職として採用されることが多い傾向もあります。配属先は入社後に割り当てられるため、苦手な仕事だった場合ミスマッチを起こしやすいのも大企業の懸念点といえるでしょう。
②意思決定までの段階が多い傾向にある
大企業は役割が細分化されているため、必然的に確認や了承を得る段階が多くなり、その分企業としての意思決定が遅くなる傾向にあります。意思決定の遅さは、企業としてもスタートダッシュが遅れ、ビジネスチャンスを逃すことになりかねません。
たとえば、企画した案件について上層部や関係部署の許可が下りるまでに時間がかかり、実行に移せないこともあるでしょう。また、確認作業や会議に追われ、会社の利益に直結する本質的な仕事に取り組む時間が減ってしまう可能性もあります。

キャリアアドバイザー
会社も自分自身もスピード感を持って仕事をしたい人は、入社後に少しもどかしさを感じる可能性があるので注意が必要です。
どのような業務内容があるのか知りたい人は、以下の記事がおすすめです。
関連記事
業務内容とは「部署の仕事」を表す! 部署ごとの業務内容例も紹介
業務内容を把握するのは、企業研究をする上で必須! 今回は部署別の業務内容について紹介し、業務内容を把握する方法をキャリアアドバイザーが紹介します。業務内容を把握すべき理由も紹介するので、企業研究をする際の参考にしてみてください。
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③競争相手が多くなりやすい
大企業は就職活動中も入社後も、競争が激しくなる傾向にあります。就職活動では、中小企業と比べて知名度が高く人気な企業も多いことから、応募倍率が高くなりがちです。
また、入社後も社員数が多いため、自然と競争も激化するでしょう。昇進や出世のスピードに関しては、比較的実力主義のベンチャー企業や中小企業よりも遅くなる可能性もあります。

キャリア
アドバイザー
「若いうちから裁量権を持って仕事をしたい」「年功序列の環境で働きたくない」という人には、大企業の環境は向いていないかもしれません。
④経営者との距離が遠くなりやすい
企業は大きくなるほど経営層との距離が遠くなり、会社全体と各部署の方向性のズレが生じることがあります。そのため、社内での問題解消の対応が多くなったり、経営層と現場の意思疎通に時間がかかったりする可能性があります。
考えや意見などを経営層に聞いてもらえる機会が少ないため、会社と自分自身の目指す目標がズレてしまい、キャリアの方向性も見えづらくなる可能性もあるでしょう。
大企業を志望する場合、経営者の考えや会社の方向性を把握しておくことが大切です。さらに、現場でどのような仕事をするのか、一緒に働く人たちの雰囲気も見極めることもできれば、より良いですね。

キャリア
アドバイザー
大企業でも経営者の考えや会社の方向性を、双方向に擦り合わせる機会を増やしている会社もあります。志望する際は、企業研究をしっかりおこなうことが大事ですよ。
企業研究のやり方は、以下の記事で解説しています。
就活の成功は企業研究が鍵! コツを押さえた6ステップで内定獲得へ
企業研究に必須! 業務内容の把握・活用方法を具体例付きで解説
⑤企業全体を把握しにくい
大企業では、中小企業と比べて業務が細分化されているので、担当業務に注力する機会が多いです。そのため、会社全体や他部署がどのような仕事をしているかを把握しにくい傾向にあります。
大企業で働くメリットとして、大規模な事業にかかわれることが挙げられます。しかし、事業全体を把握することは難しく、割り当てられた部分的な業務をおこなうことになるでしょう。
「早いうちに事業全体を動かしたい」「役職に就きたい」という人にとっては、中小企業と比較すると「スピード感が無い」と感じてしまいやすいデメリットもあります。

キャリアアドバイザー
企業の事業全体を把握しながら、横断的に仕事をしたいという目標がある場合、それを大企業で実現するのには時間がかかるかもしれません。
キャリアアドバイザーからあなたにメッセージ「大企業=常に安定」は誤解
社会の変化と共に企業も変化することを理解しよう
大企業には安心感や安定感のイメージがあるでしょう。しかし、大企業だからといって経営が常に順調で、倒産しないとは限りません。この点を心に留めておきましょう。
知名度が高く規模が大きい企業であっても、時代の変化や競争の激化により、過去に経営の危機に直面した事例は少なくありません。また、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災など、外部的要因が企業の経営に甚大な影響を及ぼすことがあります。
さらに近年では、新型コロナウイルス感染症の拡大が企業の経営に大きな影響を与え、多くの大企業が厳しい状況に陥る事例が見られました。つまり、大企業だからといって絶対的に安心というわけではありません。企業は社会や経済の変化と共に、常に変化するものであることを理解しておきましょう。
あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう
就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。
そんな時におすすめなのが「適職診断」です。簡単な質問に答えるだけであなたの強み・弱みを分析したうえで、合う仕事・合わない仕事を診断できます。
早めに自分に合う仕事・合わない仕事を知って、就活を成功させましょう。
大企業を目指すべきか判断するための3ステップ

就活生
大企業に興味があるのですが、自分が目指しても良いのか決めきれません。

キャリア
アドバイザー
誰しも大企業で働くことに憧れがありますよね。しかし、人によっては向き不向きがあるので、大企業を目指すべきかを明確にしておくことが大切ですよ。
ここからは、大企業を目指すべきかを判断するための3つのステップを解説します。大企業を目指すべきかを明確にすれば、エントリーする企業や方向性に迷わず、就活を進められるようになりますよ。
①働くうえでの譲れない条件を洗いざらい書き出す
働くうえでの譲れない条件を洗い出しておくことで、大企業に就職すべきかが見えてきます。
就活をしていると、ついつい待遇の良さやネームバリューのある企業に目が行きがちです。しかし、自分のなかでの大切な条件がわかっていれば、周囲に流されずに就活を進められます。入社後もギャップを感じたり、後悔したりするリスクを減らせるでしょう。
たとえば、以下のような絶対にずれない条件を書き出してみてください。
- 若いうちから挑戦できる環境がある
- 社内の評価制度が明確
- 〇〇の業務に携われる
- 年間休日が120日以上
- 女性の管理職比率が一定以上
- 社内の人間関係が良好
- 自宅から1時間以内の勤務地

キャリア
アドバイザー
譲れない条件を考えるときは、「働き方」「価値観」「人間関係」の多方面から考えると漏れのない内容になりますよ。
働くうえで大切なことを考えるときは、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事
働く上で大切なことの回答で仕事に取り組む姿勢をアピール|例文付き
働く上で大切なことを聞かれたらどのように回答しますか? 今回は面接を勝ち抜くための「働く上で大切なこと」の回答方法をご紹介します! 企業が働く上で大切なことを聞く理由や、答えるときの心構えをキャリアアドバイザーが徹底解説します!
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②書き出した条件に優先順位をつけて「就活の軸」を立てる
譲れない条件を洗い出すだけでは、結局どの企業を選ぶべきか迷いが生まれます。また、すべての希望を満たす企業はほとんどないので、譲れない条件に優先順位をつけることが大切です。そのうえで、就活の軸を考えておきましょう。
たとえば以下のように、「◎=最重視、◯=重視、△=重視できれば良い」と基準を決めて、優先順位を整理するのがおすすめです。
- ◎:若いうちから挑戦できる環境がある
- ◯:社内の評価制度が明確
- ◯:〇〇の業務に携われる
- △:年間休日が120日以上
- △:女性の管理職比率が一定以上
- △:社内の人間関係が良好
- △ :自宅から1時間以内の勤務地
このような優先順位から、就活の軸は「早い段階から仕事に挑戦し、正確に評価してもらえる環境で働きたい」ことだとわかります。

キャリア
アドバイザー
優先順位をつけるときは、理想ではなく現実的に実現可能かを考えましょう。「将来どのような働き方をしたいか」「どんなふうに成長したいか」を考えると、うまく整理できますよ。
就活の軸の考え方は、以下の記事でも解説しています。
就活の軸の見つけ方11選! 企業選びの基準を作って効率化しよう
【100選】就活の軸を一覧で紹介! 企業にも刺さる軸の選び方とは
③大企業のメリット・デメリットから軸を実現できるか判断する
就活の軸を大企業で実現できるか、メリットとデメリットの両方から確認しましょう。
大企業は福利厚生や安定性などの魅力があります。しかし、挑戦できる機会が少なかったり、意思決定に時間がかかったりするなどのデメリットもあります。就活の軸とズレている場合、大企業で達成するのは難しいでしょう。
たとえば、就活の軸が「若いうちから裁量のある仕事に挑戦したい」なら、以下のような点をチェックしてみてください。
- 教育制度や研修が充実している
- 福利厚生や給与が安定している
- 社会的な信用度が高く、将来的に転職にも強い
- 業務内容や役割が固定されやすい
- 意思決定のスピードが遅い
- 若手が挑戦できる機会が少ない
この場合、教育制度や研修が充実していれば、知識やスキルをスピーディーに身に付けられるでしょう。一方、若手が裁量権を持ち活躍できる機会が少ないのであれば、就活の軸と合わない可能性が高いです。

キャリア
アドバイザー
大企業によって、若手でも裁量権を持って働ける企業はたくさんあります。一概に決めつけずに、就活の軸に合う企業はないかリサーチしてみてくださいね。
自分に一番マッチする大企業を探すための5つの準備


就活生
大企業に絞って就活を進めようと思うのですが、それでもまだまだ企業数が多くて……。うまく絞りきれません。

キャリア
アドバイザー
そうですね。では、自分に一番マッチする大企業の探し方を解説しますね。
ここからは、どの大企業が自分に合うか探すための5つの準備を紹介します。魅力的な大企業に入社して、理想の社会人生活を過ごすためにも5つの順番で対策を進めてくださいね
①自己分析を徹底的におこなう
まずは、自己分析を徹底しておこないましょう。自分では自分を理解しているつもりでも、まだ気付けていない自分の本音があるかもしれません。
また、自分の判断基準がブレていると適切な選択ができません。自分に最適な企業を選ぶためには、「周囲の学生がこう言っているから」「世間的にはこれが正しい」などの意見に流されないように軸を固める必要があります。

キャリアアドバイザー
どのような大企業があるのかリサーチする前に自己分析を済ませて、最適な企業を探す準備を整えておきましょう。他己分析、ジョハリの窓、マインドマップ、自分史などあらゆる角度から自己分析してみるのも良いですね。
自己分析のやり方については、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
自己分析の質を上げる4つの方法|オススメの本・サイトも紹介
ジョハリの窓作成5ステップ|本当の自分を見極めるワーク術を伝授
②合同説明会に参加する
自分に合う企業を見つける機会を多くするために、合同説明会に参加してみましょう。
合同説明会では、さまざまなジャンルや業界・企業の情報を一度に収集できます。すべての業界を集めて一気に紹介しているものもあれば、業界別に特集して開催しているものもあります。
自分が興味のある業界の合同説明会に参加することも良いですし、自分の知らない業界を見てみるのも新たな発見になるのでおすすめです。

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アドバイザー
リアル開催の合同説明会では、直接その企業の雰囲気や特徴を把握できます。自分がどのような企業に就職したいかわからなくなったときは、会場に足を運んでみると思わぬ出会いがありますよ。
外部の説明会だけでなく、学内説明会も活用するとより選択の幅が広がるでしょう。学内説明会については以下の記事で解説しています。
関連記事
学内説明会に参加すると就活は有利になる? メリットと質問例も解説
学内説明会はメリットが多いので積極的な参加・質問で企業にアピールしましょう! この記事では学内説明会に参加すべき理由、マナー、質問例、NG質問例などをキャリアアドバイザーが解説します。 メリットを活かして就活を有利に進めましょう!
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③業界地図や就職四季報で選択肢を広げる
業界地図や就職四季報を活用して、興味のある業界や企業を新しく見つけるのも良いでしょう。
あらゆる業界の現状や課題、今後の動向などが地図のように視覚的に理解できる情報誌
あらゆる企業の情報を詳細に一覧で確認できる情報誌
業界地図を用いることで、業界の全体像を把握できます。就職四季報に目をとおせば、各企業の採用人数や業務内容をすぐに調べられます。
業界研究や企業選びをはじめた段階で、「業界マップ」や「企業一覧表」のような資料も活用できると良いですね。志望業界や企業を詳しくリサーチでき、自分が知らなかった業界や企業が見つかるきっかけにもなります。

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アドバイザー
就職四季報には「総合版」や「優良・中堅企業版」など目的ごとにいくつか種類があります。まずは自分が興味のあるジャンルを購入してみると良いでしょう。
就職四季報の種類や見方は、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
関連記事
就職四季報を活用しよう|3つのメリットと見るべき情報10選を解説
就職四季報積極的に活用することで企業研究・情報量でライバルに差をつけることができますよ。 この記事では就職四季報の種類、メリット、注意点、見るべき情報などをキャリアアドバイザーが解説します。 就活準備をする人にも、就職が決まった人にも、有益でおすすめです!
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あなたが受けないほうがいい職業は?
3分でできる適職診断で確認してみよう
入社後の早期離職を避けるためには、自分に適性のある職業を選ぶことが大切です。しかし、それがどんな職業なのかが分からず悩む人も多いでしょう。
そんな人におすすめなのが「適職診断」です。40の質問に答えるだけで適性のある職業や受けないほうがいい職業を診断できます。
自分に適性のある職業を早めに知って、就活を成功させましょう。
④興味のある企業のインターンに参加する
興味を持った企業があれば、深く知るためにインターンシップ(インターン)を活用しましょう。
インターンに参加すれば、現場でどんな人たちがどのように働いているのか、目で見て体験できます。ネットや情報誌の情報だけでは知りえない、企業の実態を把握できます。
インターンに参加して働くイメージを付けておくと具体的な入社後の展望なども話しやすく、選考でアピールができれば「業務内容を理解できている」と評価してもらいやすいですよ。志望動機などの説得力も高まります。

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アドバイザー
インターンによっては、本選考のときに特別枠での選考に招待されたり、一次面接が免除になったりするケースもあるので、積極的に参加しておいて損はありません。
「インターンに参加するのが怖い」と感じている人は、以下の記事を読んでみてください。
インターンシップが怖い学生必見! 不安の原因や乗り越え方を徹底解説
インターンの履歴書は熱意と意欲アピールがカギ! 9ポイントを解説
⑤キャリアセンターや就職支援サイトを活用する
学内にあるキャリアセンターや就職支援サイトを活用して、情報収集するのも良いでしょう。
キャリアセンターは、自校の学生向けに特化した就職支援をしているため、学外では得られない情報を得たり、手厚いカウンセリングを受けたりできます。大学の先輩が入社した企業や、OB・OGの連絡先を調べることも可能です。
就職支援サイトやエージェントを活用するのもおすすめです。就活に詳しいキャリアアドバイザーのカウンセリングを受けながら、業界や企業の情報を提供してもらえます。自分にはない視点で、業界や企業を見つけられますよ。

キャリア
アドバイザー
就活は一人で情報収集をすると、視野が狭くなったり情報が多くてインプットできなかったりすることがあります。上手く周囲の力を借りながら、自分にマッチする企業を探しましょう。
キャリアアドバイザーからあなたにメッセージ企業選びの幅を広げる際のポイント
第三者のサポートを積極的に活用しよう
就活において企業選びの幅を広げるなら、就活エージェントの利用もおすすめです。就活エージェントは、学生の過去の経験や強みなどを踏まえ、一人ひとりに合わせて企業を紹介してくれます。そのため、自力で企業を探すのが難しい人も、自分に合った企業を見つけることができますよ。また、応募書類の添削や面接対策ができることも、就活エージェントを利用する大きなメリットです。
さらに、ハローワークの活用も企業選びの有効な手段です。ハローワークは仕事を辞めた人だけが利用できると思われがちですが、実は学生も無料で気軽に利用できる「新卒応援ハローワーク」があります。これは各都道府県に1ケ所以上設置されているので、確認しておくと良いでしょう。
自分一人で終活を進めると、どうしても視野が狭くなりがちです。専門家や周囲の人など第三者の助けを積極的に借りながら、自分にぴったりな企業を見つけていきましょう。
大企業のメリットを知りたい学生からよく聞かれる質問に回答!
大企業の選考を受けるとなると不安なこともありますよね。大企業に興味を持った学生からよく聞かれる質問に、キャリアアドバイザーが回答します。大企業を視野に入れて就活する予定の学生は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
大企業と中小企業の違いは何ですか?
大企業と中小企業の大きな違いは、資本金と社員数です。大企業に明確な定義はありませんが、中小企業では「中小企業基本法」によってその基準が定められています。そのため、一般的にはこの中小企業の基準よりも資本金と社員数が多い企業のことを指します。
大企業で働くメリットは何ですか?
大企業で働くメリットはいろいろとありますが、経営が安定していることによる待遇の良さが大きな魅力といえるでしょう。
給与が高いことや教育制度が整っていること、福利厚生の充実度など、仕事を円滑に進めるための土台がしっかりしています。また、若いうちから大規模なプロジェクトにかかわれることもメリットの1つといえますね。
大企業にはメリット・デメリット両方ある! 慎重に適性を見極めよう
大企業にはメリットとデメリットの両方があります。
たとえば、給与や福利厚生が安定している、教育制度が整っている、社会的信用が高いなどのメリットがあります。一方、若手が裁量権を持って働きにくい、意思決定に時間がかかるなどのデメリットもあります。
大企業で働くことが自分にとって最適なのか、就活の軸と照らし合わせましょう。さらに、合同説明会やOB・OG訪問で、社風や働き方を目で見て体験するのもおすすめです。
正しい知識を持つことで自分の軸で、志望企業を見つけられるようになります。最適な企業を見つけ出して、慎重に適性を見極めましょう。
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そもそも大企業の定義は何なのですか?