真面目さが長所はOK？ 差別化のコツを例文付きで解説

コツさえ掴めば「真面目さが長所」を効果的にアピールできる

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。面接を控えた就活生から

「真面目さは長所として挙げても良いのでしょうか」
「真面目さのアピール方法がわかりません」

という声が寄せられています。自己分析で真面目が自分の強みとわかっても、面接では「インパクトに欠ける」「印象があまり良くないのかも」と悩む人もいるのではないでしょうか。

真面目さのアピールにはコツがあります。無策のまま真面目さを長所に挙げてしまうと、真面目さから派生する積極性のなさや頑固さなどのイメージにつながってしまう可能性もあります。

ここでは、真面目さを長所として選考を進めるときに、他の学生と差をつけるためのポイントや具体的なアピール方法を例文付きで解説します。すでに長所を真面目さに絞って選考を進めている学生は、自分のエントリーシート（ES）と見比べながら、読んでみてください。

「長所は真面目」は使える？ まずは言葉の意味や印象を整理しよう

結論から言うと、真面目さは長所として十分評価される特徴です。しかし真面目さや協調性のような特徴は、工夫を怠ると他の就活生と差が付きにくい長所になってしまいます。

まずは自分なりの真面目さの種類を見定め、その後の企業での生かし方までセットで答えられるように準備しましょう。

まずは真面目さの意味を考えてみよう

真面目さとは、非常に抽象的な言葉です。一般的には勤勉さや誠実さ、嘘がないことを意味しますが、これらは社会人として当然であり前提として求められる要素でもありますよね。

真面目さの中でも、アピールする側面によって受けての印象は大きく変わります。まずは自分の中に備わっている真面目さがどんな意味を持つのかを分析しましょう。

就活では差別化しにくい言葉でもある

真面目さは、日常的なエピソードから連想されやすい長所です。つまり、きちんと真面目さの意味や企業の求める企業が求める真面目の中の強みを深掘りしないと、他の就活生と差別化をしにくいとりわけ難易度が高い言葉といえます。

ただ単に真面目と使うだけではなかなかアピールにはつながりません。たとえば、「常にグループを率いるリーダー資質の学生を求める企業」と、「ミスなく客観的に数字を追うことができる学生を求める企業」だと、生かせる真面目さの種類が異なりますよね。自分が志望する企業に合わせて、あなたなりの真面目さを考えてみましょう。

必ず盛り込みたい！ 真面目さを作る際に必要な3つのステップ

そもそも面接で学生の長所が問われる理由は、学生の長所が企業で今後どのように役立てられるかを見たり、自己分析ができているかの判断材料にするためです。真面目さを長所としてアピールするためには、まずあなた自身が自分の真面目さを理解することが大切です。

①自分なりの真面目さを定義する

真面目さの定義は十人十色です。ES・面接を問わず、真面目さを強調するための論理的な回答を作成するには、そもそも真面目さが何を意味しているのかを定義することです。

自分の真面目さを深掘るには徹底した自己分析が必要です。以下の記事ではさまざまな自己分析の方法を解説しているので、自分なりの真面目さを考えてみてください。

関連記事

自己分析の質を上げる4つの方法｜オススメの本・サイトも紹介

こんにちは！キャリアアドバイザーの北原です。この記事では、自己分析の目的や具体的な方法についてご紹介していきます。自己分析とは、自分の過去の経験を整理して、長所や短所などの性格や物事に対する価値観について理解を深めること […]

記事を読む

➁具体的なエピソードを考える

真面目さを裏付けるには、具体的なエピソードが必要不可欠です。あなたの真面目さがどのような結果をもたらしたのかがわかるエピソードを選びましょう。真面目さがあったから成し遂げられたことや真面目さが人と関わるうえでどう影響したかをまとめ、自分が決めた定義を強調します。

注意したいのは、「人から与えられた課題を真面目に取り組んだ」といった受け身のエピソードです。真面目さは積極性のなさと結び付けられがちです。「課題に日々真面目に取り組み、自分の弱点を計画的に克服した」など主体性も合わせてアピールするように心がけましょう。

③企業に真面目さがどのように役立つか考える

最後に、あなたの真面目さがもたらす企業へのメリットを入れます。あなたの真面目さを、企業の求める人物像と照らし合わせるのも良いですね。

真面目さは社会人として求められる基本的な要素を含む以上、企業・業界問わず役に立つ特徴ではありますが、「無遅刻・無欠勤で会社にいく」などの社会人として最低限の意識に標準を合わせた回答は避けるのが無難です。

真面目さの選考での具体的なアピール方法

ESと面接では、真面目さをアピールできる分量が異なります。ESでは長所・短所として枠に記入するケースが一般的ですが、追記できるスペースがあれば、簡単に真面目さの定義をまとめます。面接では、先ほどの「自分なりの真面目さを定義する」「具体的なエピソードを入れる」「真面目さの役立ち方を提示する」の流れに沿って、話を膨らませていきましょう。

ESは短所とのバランスを意識する

ESでは短所と長所のセットでの記入を求められる場合があります。真面目さを長所として書くならば、矛盾しない短所を選びましょう。

真面目さを長所に挙げたにも関わらず短所を「大雑把で楽観的」などと言ってしまうと話の信憑性が低くなってしまうので、真面目さと釣り合う短所を考えておきましょう。

面接では真面目さが深堀りされることを想定しよう

面接官はESに書かれた真面目さの内容を、口頭で深掘りします。回答としては簡潔に「私の長所は真面目さです」と結論から述べましょう。このように展開される文章構成のことをPREP法といいます。

真面目さを定義した後には、理由と具体例を順に述べて、回答に説得力を持たせます。面接では学生の発言を中心に、さらに踏み込んだ内容へ展開するので、発言内容はどこを掘り下げられても問題なく対処できるように練習しておきましょう。

最後に真面目さを活かしてどのように企業で頑張っていきたいか、意気込みを一言添えると話にまとまりが出ますね。

「長所は真面目」でアピールできる特徴・性格

真面目さを長所に取り上げることでアピールできる特徴は複数ありますが、職種によって主張すべきポイントが異なります。業務の内容に沿った特徴を長所の詳細として述べましょう。責任感・正確性・誠実さは職種によって特に評価されるポイントでもあるので、自分の受ける企業に合わせた真面目さを回答に反映させましょう。

責任感：課題を投げ出すことなく真摯に解決する姿勢が評価される

従業員の選択が、人生を大きく左右する仕事には、責任感が強い側面をアピールするのがいいですね。たとえば責任感のない学生が、人の命にかかわる仕事につくのは難しいですよね。

自分のことだけではなく、相手の存在も同じ真剣さで受け止めることができる真面目さが活きる業界もあります。

責任感を効果的にアピールする方法はこちらの記事でも例文付きで紹介しています。

関連記事

エピソード別例文8選！ 自己PRで責任感を上手にアピールするには

責任感の自己PRは、責任感の具体的内容、根拠、企業に与えるメリットを伝えることで高評価を獲得できます。 この記事では、自己PRで責任感をアピールする際のポイント、PR例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画もあるのでぜひ参考にしてください！

記事を読む

正確性：コツコツと丁寧な仕事をする姿勢が評価される

経理や銀行員、事務などの正確性が求められる仕事でも、真面目さは評価されます。コツコツと丁寧な仕事をするスキルは、真面目な性格から派生して身につくものです。

真面目ゆえに几帳面な一面を特徴として伝えると、仕事の丁寧さに加え、時間やスケジュールの管理に計画性があることもアピールできます。入社後、妥協を許さずきっちりと仕事をこなすイメージにもつながりますね。

「集中力」を長所にしたい学生はこちらの記事を確認すると良いでしょう。効果的にアピールするためのコツを紹介しています。

関連記事

長所が「集中力」は要注意？ 効果的に伝えるコツと例文7選を紹介

「集中力があること」は伝え方次第で強い興味を惹きつけられる こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。自分の長所について考えている学生から 「集中力があることを長所にしても良いのですか」「長所が集中力である学生はどんな […]

記事を読む

誠実さ：相手に対して実直に向き合う姿勢が評価される

教師や介護福祉士など、お年寄りや子どもとのコミュニケーションが多い職業では誠実さに焦点を当てましょう。物事に対しての実直な真心は相手の心を開き、円滑な関係に導いてくれます。

相手との約束を守り、嘘をつくことなく対等に接することは、相手への思いやりが根底になければなりません。誠実さは礼儀正しさや穏やかさを連想させる特徴でもあるので、面接であなたの人柄を魅力づけることもできます。

押さえておきたい「長所は真面目なところ」が与えるマイナスな印象

基本的に真面目なところは長所と捉えて問題ありません。しかし、アピール方法を誤ると「長所は真面目なところ」がマイナスな印象を与えてしまう場合があります。

不安になる必要はありません。より説得力のある精度の高い回答のために、マイナスに捉えられてしまう要因を先に押さえておけばよいのです。ここでは「長所は真面目なところ」から派生するマイナスイメージについて解説します。

頑固な印象

真面目さを長所に挙げると、柔軟な思考が苦手で、自分のルールにこだわって他人を受け付けない印象を与えてしまう可能性があります。また真面目な人ほどマニュアルに忠実に仕事をするため、イレギュラーな事態への臨機応変な対応を不得手とするイメージを浮かべる面接官もいるかもしれません。

しかし、このような真面目さに付随する頑固な印象は、意思が固く責任感が強い側面の裏返しです。

真面目さの裏返しともいえる頑固さを短所として挙げると、「長所が真面目」にさらに説得力がつきますよ。

関連記事

例文6選！ 面接で頑固な短所を伝えて好印象を残すコツ

頑固という短所を評価につなげるには、頑固を言い換えた長所を伝えることがポイントです。今回は頑固さを短所として伝える際に必要な3つの内容と伝えるときの例文をキャリアアドバイザーが紹介します。伝え方を工夫して、短所もうまく活用しましょう。

記事を読む

積極性に欠ける印象

真面目さを長所に挙げることで、リスクへの慎重さから積極性に欠けるのではないかと捉えられてしまう場合もあります。真面目で正確さを求めるゆえに、作業に時間がかかる点は、慎重であると表現してカバーしましょう。

優柔不断などの短所も併せ持ったことも分かったうえで、真面目さをアピールするとさらに印象はよくなります。

関連記事

面接で短所を聞かれた時の「優柔不断」の答え方｜上手に伝える例文

短所の質問に「優柔不断」と答えても、捉え方やアピール次第でプラスの印象を与えられますよ。 この記事では、優柔不断な短所を印象よく伝える方法や例文、注意点などをキャリアアドバイザーが解説します。 動画もあるので、短所の伝え方をぜひ参考にしてくださいね。

記事を読む

真面目さを長所として伝えるための例文3パターン

実際に面接で長所を問われたときに、真面目さを伝えるための例文をシチュエーション別に3つ用意しました。真面目さの定義が異なる例を集めたので、自分の考える真面目さに近いものをぜひ参考にしてみてください。

①学校編：正義感を持って行動する真面目さ

正義感が強い点を真面目さと捉えた例です。学生時代のバスケの経験をもとに、周囲の信頼とチームとしての勝利を得た内容は、面接官に人としての芯の強さを感じさせます。真面目さの中でもリーダーシップの発揮に結び付く内容でもあるので、向上心や成長意欲に話をつなげても良いですね。

②アルバイト編：コツコツと地道に努力する真面目さ

真面目さの中でも、几帳面で継続力がある点を長所に挙げた例です。具体的な出だしに悩んでいる学生は「わたしが考える真面目な人とは○○な能力をもった人物です」と伝えても良いですね。アルバイトの業務の中で褒められたのをきっかけに自身の真面目さに気が付いた、という内容からは学生の謙虚さも合わせて感じられます。

③プライベート編：目標達成のための課題に向き合う真面目さ

目標達成に向けての課題解決能力を真面目さと定義した例です。プライベートに焦点を当てたエピソードですが、具体的な数字が話に説得力を持たせていますね。目標を達成するために、自分の現在地から何をするべきか逆算できる力は、真面目さの大きな強みと言えます。

真面目さを短所として挙げる場合の注意点

真面目さを短所に挙げるときに注意したいのは、自分にも相手にも厳しい性格を、「相手のペースに合わせられない」と解釈されないような言い回しを心がけることです。

頑固で頭が固いと思われてしまうと、入社後、企業の目指す方向性を受け入れられないのではないかと面接官にマイナスイメージを与えかねません。真面目さを短所に挙げるときには慎重に言葉を選びましょう。

こだわりが強い完璧主義

真面目な人はこだわりが強く、妥協を許せないので理想と現実の課題に悩まされることもあるでしょう。完璧主義は必要以上に自分や他人を追い詰めてしまう場合もありますが、就活で短所を聞かれた際に真面目さをあげるのであれば、適切な表現の一つです。

短所を挙げるときは、「共同作業で大雑把な仲間にはイライラしてしまう」など採用リスクにまつわる言い方は避けましょう。今回は真面目の長所である几帳面さと表裏一体になっているところがポイントです。

集中して周りが見えなくなる

一つの物事に真剣に取り組むあまりに周りが見えなくなることがあるのであれば、集中しすぎるところを短所として挙げるのもいいでしょう。

高い集中力は評価されるポイントでもありますが、ネガティブな見方ををするとチームワークやマルチタスクに影響が出る可能性も考えられます。作業の効率性を考えて全体を見据える力をつけるための工夫についても、触れておきましょう。

長所と短所の答え方については以下の記事も参考にしてみてくださいね。

関連記事

面接を成功させる長所と短所の答え方｜質問の意図や参考一覧

面接では、長所は仕事への再現性を提示、短所はマイナスの印象を上手に払拭することで高評価を得られますよ！ この記事では面接での長所・短所の答え方や例文をキャリアアドバイザーが解説します。動画も参考に上手に答える方法を身につけましょう！

記事を読む

真面目さを長所としてアピールしたいと考える学生からよくある質問に回答！

選考において、真面目さを長所としてアピールするのは良いのか、真面目さを長所として伝える際のコツを知っておきたいと考える人もいますよね。ここでは、そのような学生からの質問にキャリアアドバイザーが回答していきます。

真面目さは工夫次第で大きな武器にできる！

真面目さは多面的な長所なので、工夫次第で他の学生と差がつく大きな武器になります。またどの企業や業界でも共通して活かせる長所でもあるので、応用が効きます。具体的なエピソードを加えて、あなただけの真面目さを積極的にアピールしていきましょう。