目次
- QAの担当範囲は広い! 仕事内容や新卒からの目指し方を知ろう
- まずは基礎理解から! そもそもQAとは?
- 意味:品質保証(Quality Assurance)
- 役割:顧客が満足する品質を保持し企業の信頼を守る
- 種類:IT・エンジニア系と製造・メーカー系がほとんど
- 似ている職業との違い:品質管理(QC)とは性質が異なる
- QCとの比較で理解しよう! 3つの視点から見るQAの担当範囲
- ①時間:製品企画からアフターケアまで長くカバーする
- ②責任:品質にかかわるすべての事柄が責任範囲
- ③業務:品質保持を目的とした業務全般
- 今後ますます需要は高まる? QAに将来性があると言える2つの理由
- ①品質保証が必要となる製品やサービスは今後も増えるため
- ②高品質を保つうえで「専門性×ユーザー視点」が不可欠なため
- 製品やサービスを届けるまでの流れで理解! 各段階でのQAの仕事内容
- 企画:顧客のニーズや傾向をふまえて製品企画に携わる
- 設計:品質基準を満たす規格を設定する
- 材料手配:原材料の安全性などを確認する
- 生産・出荷前:品質検査で規格から逸脱していないかチェックする
- 出荷後:開発プロセスの見直しや顧客のアフターケアをおこなう
- 対応範囲が広いからこそ! QAの3つの魅力
- ①専門知識や多種多様なスキルが身に付きやすい
- ②一つの製品やサービス完成後の達成感が大きい
- ③顧客のリアクションを直接製品やサービスに活かせる
- 必要な力と一緒に確認しよう! QAに向いている人の5つの特徴
- ①細かな部分まで逃さず意識できる
- ②あらゆる視点から物事を見れる
- ③コミュニケーションが得意
- ④論理的思考力がある
- ⑤問題解決能力がある
- 未経験から目指すには事前準備も大切! QAになるための3ステップを解説
- ステップ① ある程度の専門知識や業務内容を理解する
- ステップ② 関連のある資格を勉強し取得を目指す
- ステップ③ 新卒でQAを採用している企業に応募する
- 専門性を活かせる幅は広い! QAから目指せる3つのキャリアパス
- ①QAのマネジメント職
- ②QAのコンサルタント職
- ③テストアナリスト
- QAエンジニア向けの資格も紹介! QAを目指す際におすすめの資格5つ
- ①QC検定
- ②信頼性技術者資格認定制度(JCRE)
- ③JSTQB認定テスト技術者資格
- ④ソフトウェア品質技術者資格
- ⑤IT検証技術者認定試験
- QAについて学生からよくある質問に回答!
- QAは製品やサービスの未来を保証する職業! 仕事への解像度を高めたうえで目指そう
QAの担当範囲は広い! 仕事内容や新卒からの目指し方を知ろう
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく
「QAってどんな仕事ですか?」
「新卒からも目指せる職業でしょうか?」
という質問や相談を受けます。
就活を進めるなかでQAという用語を聞き、調べている人も多いかと思います。QAは企業のなかで商品やサービスの品質を保証する重要な立ち位置にあるものの、担当範囲が広いため具体的に理解できていない人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、QAの仕事内容や特徴に始まり、新卒からの目指し方まで基礎から解説していきます。また入社後のキャリアパスも紹介するので、目指そうか迷っている人は参考にしながら検討してみてくださいね。
まずは基礎理解から! そもそもQAとは?
- 意味:品質保証(Quality Assurance)
- 役割:顧客が満足する品質を保持し企業の信頼を守る
- 種類:IT・エンジニア系と製造・メーカー系がほとんど
- 似ている職業との違い:品質管理(QC)とは性質が異なる
就活生
キャリアアドバイザー
QAは日常生活ではなかなかなじみのない言葉かもしれませんね。それではまず基礎的な部分から確認していきましょう。
QAは略語であることもあり、よくわからないという人もいるかと思います。QAの具体的な仕事を知るうえでは、意味や役割、種類や似ている職業との違いなどを把握しておくと一段と理解しやすくなるので、しっかり確認してくださいね。
意味:品質保証(Quality Assurance)
まず、QAの意味から理解していきましょう。QAは「Quality Assurance」の略語であり、「品質保証」という意味があります。おもに企業で商品やサービスの品質を管理し、保証する職業を示す際に使われる言葉です。
似ている言葉にQC(品質管理)がありますが、これらの違いについては後ほど解説しますね。まずは、QAがどのような意味を持つのか頭に入れておき、QAのことをより深く理解していきましょう。
役割:顧客が満足する品質を保持し企業の信頼を守る
QAは、企業が提供する商品やサービスについて、顧客が満足できる品質を保持することで企業への信頼を守る役割を担っています。
商品やサービスは、直接顧客が使ったり触れるものであり、企業にとって売上を出すために必要不可欠なものです。その商品やサービスの品質を保証することは、顧客の満足度に大きく影響するでしょう。
特に商品やサービスは企業にとって「顔」になるものとも言えるため、顧客は企業自体よりも、商品やサービスで企業の良し悪しを判断する傾向にあります。品質を守るQAはある意味「企業の品質」を守る職業とも言えるかもしれません。
種類:IT・エンジニア系と製造・メーカー系がほとんど
QAは製品やサービスを提供している企業であれば必要不可欠な存在であり、特にIT・エンジニア系、製造・メーカー系の分野で活躍していることが多いです。
たとえば、IT・エンジニア系では精密な機器やシステムを扱うことが多く、一つの不具合が大きな事故につながることもあるため、細かな品質のチェックが欠かせません。
製造・メーカー系では、高品質な製品を提供するのはもちろん、顧客に良くない影響を及ぼさないか入念に確認・検査する役割を担います。たとえば食品業界であれば、おいしさの追求はもちろん、身体に良くないものが入っていないかなどもチェックする重要な存在です。
どの分野でも「品質を保証する」という大きな役割は変わらないものの、おこなう業務は少しずつ異なることを認識しておくと、どの分野のQAを目指すか考えやすくなりますよ。
似ている職業との違い:品質管理(QC)とは性質が異なる
QAにはよく混同されやすい職業がいくつかあります。ただし、QAとはおもに業務内容が異なるので、その違いを理解してしっかりと区別しましょう。
特に以下の職業と混同されやすいので、業務内容と一緒に紹介します。
- QC(品質管理):製品やサービスを提供する前の段階の品質をチェックする
- テスター:システムなどに異常がないかテストを通して確認する
- デバッガー:おもに公開前のゲームをプレイして、不具合などが発生した箇所を開発者に伝える
後ほど詳しく解説しますが、よく混同されるのはQCです。品質をチェックすることはQAと同様ですが、おもに担当範囲が異なります。また、テスターとデバッガーはシステムやゲームに特化して異常や不具合がないかを確認する職業のため、扱う分野や業務内容が異なると言えますね。
品質管理の職業も目指したいと思っている人は、こちらで品質管理の志望動機の書き方を解説しているので、あわせて参考にしてくださいね。
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QCとの比較で理解しよう! 3つの視点から見るQAの担当範囲
就活生
QAの意味や役割がおおまかに理解できました。ほかの職種との違いの説明もありましたが、それらの職種とQAの仕事にはどのような違いがあるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
そこは気になるところですよね。それでは、QAとよく混同されるQCと比較しながら、QAの仕事を確認してみましょう。
QAとQCはどちらも品質に関連する職業ですが、おもに仕事の担当範囲が異なります。ここではそれぞれの担当範囲の違いを3つの視点から見ていきながら解説するので、QAの理解を深めてくださいね。
①時間:製品企画からアフターケアまで長くカバーする
まずは時間軸での違いです。QCは製品やサービスの品質を管理することが仕事であり、提供前に製品やサービスの状態を検査し、問題があれば改善する役割を担っています。一方でQAは製品を企画する段階から携わり、提供後のアフターケアまで長期間品質を保証することが仕事です。
つまり、QAが全工程をカバーし長期間品質を保証する役割を担うのに対し、QCは提供前の段階のみ局所的に携わる職業だと言えますね。
②責任:品質にかかわるすべての事柄が責任範囲
次に責任の範囲にも違いがあります。QCが製品やサービスを提供する前の段階の品質に責任を持つのに対し、QAは提供後も製品やサービスの品質に責任を持ちます。
つまり、QAは企業側の視点だけでなく、ユーザー視点で製品やサービスの使いやすさや満足度も考えてチェックする必要がある点で、QCとは異なると言えますね。
キャリアアドバイザー
QAは問題が起こらないようによりいっそう注意を払うことが必要になりますし、見えないところで何が起こりそうで、どのような印象を持たれるのかを考えておくことも大切になります。
③業務:品質保持を目的とした業務全般
QAとQCは時間軸や責任範囲の違いから、業務範囲にも異なる面があります。QCは製品やサービスを提供する前の品質を検査しチェックするのが業務であるのに対し、QAの業務は製品やサービスの企画から提供後のアフターケアまで幅広いです。
QAの具体的な仕事については後ほど解説しますが、品質にかかわるすべての業務に携わる職業だと言えます。
キャリアアドバイザー
企画段階で品質に関して確認することもあれば、製品として完成する前の材料の安全性などを確認する場合もあるため、多岐にわたると認識しておくと良いでしょう。
今後ますます需要は高まる? QAに将来性があると言える2つの理由
就活生
いろいろな視点からQCとの担当範囲の違いを見ることができ、QAの解像度が上がったように思います。ちなみに、今後QAの需要はどうなるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
良い質問ですね。QAを目指すうえではQAの仕事の理解に加えて、職業の将来性を考えることも重要になるので、一緒に確認していきましょう。
現代に起きているさまざまな事象により、品質を保証するQAはよりいっそう重要な存在となることが予想されます。それと同時に求められるスキルも高くなるでしょう。
ここではQAになぜ将来性があると言えるのか、その理由を解説していきます。しっかり理解し納得したうえで目指してくださいね。
①品質保証が必要となる製品やサービスは今後も増えるため
現代の状況をふまえると、今後は品質保証が必要となる製品やサービスがよりいっそう増えると予想されます。それと同時に、QAも将来的にますます重要な存在になるでしょう。
- 現代は多くの製品があることで消費者の品質を比較する目も肥えているため、各企業一定以上の品質を保つことが必須の傾向にある
- 他社と差別化を図るため品質向上に努める企業も増えている
- AI(人工知能)や科学技術の発展により高いレベルの品質が求められる時代になっている
上記のことからも言えるように、多くの企業で精度の高い製品やサービスが作られているため、ユーザーはより使いやすく高品質な製品を選んで購入します。不具合やほかの製品と比較して基準値に達していないとなると自社の製品から離れやすくなるため、品質を保証するQAは今後も企業にとって重要な役割を担っていくと言えますね。
②高品質を保つうえで「専門性×ユーザー視点」が不可欠なため
製品やサービスの品質を高いレベルで保つためには、専門的な知識やスキルに加えて、ユーザー視点が欠かせません。もちろん、開発者やQCも製品やサービスの品質をチェックしますが、あくまで「作る側」としての視点で確認します。
そこで、企画段階〜提供後のアフターケアまで携わり、ユーザーの視点に立ってチェックできるQAは貴重な存在になるのです。製品やサービスは問題点があれば改善しアップデートされていきますが、ただ不具合を改善するだけでは顧客の期待値を超える新しいものは生み出せないため、顧客の満足度は高まりません。
そのため、どうすればユーザーは満足するか、どの段階で改善するとより高品質な製品・サービスになるかを考えられるQAの需要は高まっていくと言えます。
製品やサービスを届けるまでの流れで理解! 各段階でのQAの仕事内容
就活生
これからQAの需要はより高まると聞き、ますます興味が湧きました。実際の仕事内容についても知って、QAについてより深く理解したいです。
キャリアアドバイザー
それは良かったです。それではここからは具体的にどのような仕事をしているのか確認していきましょう。
QAにはそれぞれの工程でさまざまな担当業務があります。そこでここでは、幅広い業務を担当するQAの仕事を理解しやすくするために、製品・サービスが企画されて提供されるまでの流れに沿って解説していきます。一つずつ確認してQAの理解を深めていきましょう。
企画:顧客のニーズや傾向をふまえて製品企画に携わる
QAは製品・サービスの企画段階から携わります。QAはユーザー視点から品質を保証しているため、顧客のニーズや傾向を企画段階で組み込みやすくなるのです。たとえば、以下のような業務がありますよ。
- 品質に問題がないか、あいまいな点がないか、問題が発生していないかを確認する
- 企画段階で問題があった場合は、開発者に対して助言や提案もおこなう
開発者もユーザーのことを考えて作っていますが、作り手の視点が大きいため、頭がまっさらな状態で客観性をもって製品を見ることは難しいです。QAがチェックすることで、より客観的な視点から商品のクオリティを上げることができると言えるでしょう。
設計:品質基準を満たす規格を設定する
製品やサービスを企画したら、実際にどのように作るのかを考える設計段階に移ります。ここでQAが考えるのが品質基準です。特に製造業では品質・安全基準を満たしているかどうか判断する規格を設定・検証します。
ものづくりは企業で自由に作って良い部分と規則を守るべき部分があり、製品の品質や安全性、形状などは一定の規則に従うことが必要です。この守るべき基準として、ISO規格やJIS規格があります。
たとえば、電化製品で言えば、メーカーによってデザインや機能性に違いはありますが、コンセントの形やサイズは同じですよね。このように、皆が共通して使えるものにするための基準が守られているか確認するのが、QAのおもな業務です。
材料手配:原材料の安全性などを確認する
品質基準にもとづいて、製品のデザインや機能を決めたら、製品を作るもとになる原材料の安全性なども確認します。
工業製品の安全性がよく取り上げられますが、食品などにも細かなチェック事項があり、たとえば産地が安全か、農薬が過度に使われていないかなどを確認するのもQAの業務の一つです。
キャリアアドバイザー
完成した製品の確認だけではなく、原材料の時点から確認することで、製品の品質や安全性を徹底して確保していると言えますね。
生産・出荷前:品質検査で規格から逸脱していないかチェックする
製品が生産され出荷される段階になったら、設定した品質基準がしっかり満たされているかを検査し、最終チェックをおこないます。
規格を満たしていればこのまま出荷されますが、もし満たされていないとなった場合は、なぜ満たされなかったのか原因を探ります。そして、関係各所に連絡して改善するように伝えるのがここでのQAの業務です。
たとえば、工業製品であれば以下のようなことをチェックしています。
- 製品が正しく作動するか
- ある程度の耐久性があるか
- 扱う人にストレスがかかりにくい形か
キャリアアドバイザー
製品設計や原材料のチェックの段階で問題がなくとも、実際に作ってみたら品質基準を満たせていない場合もあるため、ユーザーに製品が渡る前に最終確認するのですね。この段階のみをおこなうのがQCでもあります。
出荷後:開発プロセスの見直しや顧客のアフターケアをおこなう
QAの仕事は製品を安全に出荷して終わりではありません。出荷後の製品にも責任を持ちます。特に顧客からクレームが入った場合は開発プロセスから見直し、顧客へのアフターケアもおこなうことが必要になるでしょう。
QAは企画段階から携わっているため、製品に対しての理解度は広いです。特に製品に不具合があった場合は、何が原因でどの工程で改善する必要があるのかを判断できることも多いでしょう。
QAが把握した情報や提案を関係部署に共有することで製品の品質が改善されるため、社内で重要な役割を担っていると言えます。
キャリアアドバイザー
自らの手元から離れても製品の品質を守ることはもちろん、顧客への丁寧な対応で企業の信頼を守ることもQAの仕事です。
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
QAの仕事のなかでも、顧客へのアフターケアは特に重要になります。アフターケアをすることで、顧客満足度を高め、より良い製品開発につなげられるためです。具体的なアフターケアとしては、リコール対応や顧客からのクレーム対応などが挙げられます。
リコール対応では、製品の回収が必要な欠陥なのかどうかを判断するのがおもな仕事です。もし回収が必要な場合はすぐに対応し、顧客に対して謝罪やその後のサポートなどをおこないます。
また、顧客からクレームを受けた際にはすぐに顧客対応をおこなうとともに、同じようなトラブルが起こりかねない製品の商品番号やシステムについて関係部門に報告します。トラブルの再発防止に努めることで、より品質の高い製品を顧客に提供できるようになるのですね。
このように、QAはトラブルの起きた製品を速やかに回収したり、顧客に対してアフターフォローをすることで、製品と自社への信頼感を高める重要な役割を担っているといえます。
対応範囲が広いからこそ! QAの3つの魅力
就活生
QAは製品の品質を守るために幅広い業務をおこなっているのですね。ますます興味が湧いたので、どのような部分が魅力なのか教えてほしいです。
キャリアアドバイザー
興味が増したようで良かったです。それでは、仕事内容や役割などをふまえてQAならではの魅力を解説しますね。
製品の品質を守る観点で企業にとって重要な役割を担うQAは、働くうえでも魅力的な部分が多くあります。ここでは、3つの魅力を解説するので、自らが働くとなった場合を想定して見てみてくださいね。
①専門知識や多種多様なスキルが身に付きやすい
QAは製品の品質を保証するのに専門的な知識が必要な職業のため、ほかの職業では得られない知見が身に付きます。また、製品の企画から出荷後まで幅広い業務に携わるため、多種多様なスキルも身に付きやすいです。
担当する分野にもよりますが、具体的には以下のような知識やスキルが身に付くでしょう。
- 担当分野の製品知識
- 品質を保証するための知識や検査するためのスキル
- ユーザー対応の力
また、専門的な知識やスキルや知識だけではなく、品質を保証する業務を通じて身に付けられるヒューマンスキルもあります。
- 細かな視点で製品の品質をチェックする洞察力
- 品質について話す際に必要な説明力
- 品質基準を満たせない製品の改善策を伝える力
キャリアアドバイザー
製品に関してだけでなく、各工程に携わるなかで多くの力を身に付けられるのは、QAの大きな魅力と言えますね。
QAを目指す際には自分の持つ力をアピールする必要があります。洞察力を自己PRしたいと考えている人はこちらの記事を参考にしてみてください。
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②一つの製品やサービス完成後の達成感が大きい
QAは一つの製品やサービスに携わる時間が長いことに加え、製品の品質を保証する重要な役割を担うため、仕事をやり遂げた後の達成感はとても大きいものです。
製品の品質が顧客の満足度や安全を守ることに直結するため、厳しい目で妥協せずにチェックすることが必要になります。特に最終チェックでは、この段階で製品の品質が決まるため、大きな責任が生じるでしょう。
その分、無事に製品を送り出せたときは大きなやりがいを感じると言えますね。
キャリアアドバイザー
ただし、製品を送り出した達成感を得た後もQAの仕事は続きます。アフターケアや顧客対応など、製品出荷後の業務も品質保証であることを忘れないようにしましょう。
③顧客のリアクションを直接製品やサービスに活かせる
QAは製品出荷後もアフターケアをおこなうため、顧客から直接製品に対する反応を得られる職業です。得た意見や評価を直接製品の改善に活かせることは、ものづくりに携わる身として魅力があると言えます。
また、品質の見直しが企業にとって大きな損失を防いだり、ときに大きな利益につながることもあるでしょう。QAの小さな取り組みの積み重ねが企業の信頼を築くことにつながると考えると、責任が大きいとともにやりがいを感じられる職業だと言えますね。
キャリアアドバイザー
多くの工程に携わることから、顧客だけでなく社員からも感謝される機会も多いです。この点も、仕事にやりがいを感じる一つの要素になるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント加藤 大智プロフィールをみる
QAは魅力的な仕事ですが、ほかの仕事と同様につらいこともあります。QAはトラブルが発生したときに、精神的に負担を感じたり長時間働くことになる可能性もあるためです。
QAは製品の開発段階から、品質保証にかかわっているケースが多いです。このことにより、たとえばQAエンジニアの場合は、ソフトウェアのテストを担当したり、工場のQAの場合は、製品の企画や材料の選別などを担当することもあります。そのため、サービスや製品の販売後にトラブルが起きた際、QAも責任の一端を担うケースが少なくありません。
QAはスキルが身に付くやりがいのある仕事ですが、上記のように製品の品質保証を担当するため、トラブル発生時には負担が生じる可能性もあることは想定しておきましょう。
必要な力と一緒に確認しよう! QAに向いている人の5つの特徴
就活生
QAには仕事自体のやりがいに加えて、働くなかで身に付く力もあるのですね。より興味が湧いたので、自分には向いているか確かめたいです。
キャリアアドバイザー
わかりました! QAの特徴をとらえることも意識して、向いている人の特徴を確認してみましょう。
QAとして働くうえではさまざまな知識やスキルが必要になります。ここでは、QAにどのような力が必要なのかを解説しながら向いている人の特徴を解説するので、自分と照らし合わせて確認してみてください。
①細かな部分まで逃さず意識できる
QAには細かな部分にまで気を配り、意識できる力がある人が向いていると言えます。
QAは製品やサービスの品質に直接かかわる重要な役割を担っているため、一つの見逃しが大きな障害につながることもあるかもしれません。
品質を保証するには各工程で製品に異常がないかや品質基準は守られているかなど、細かなチェックが必要です。少しの異変や不備を見逃さない正確さが求められるでしょう。
- 何かを組み立てたり操作するような、緻密な作業に慣れている
- 友人から「いつも細かところまで見ているね」とよく言われる
- 間違い探しなど正誤を比較することが得意
②あらゆる視点から物事を見れる
QAは幅広く各工程に携わるため、さまざまな視点から物事を見れる人が向いています。
品質を保証するという目的は変わりませんが、各工程で見るべき内容や意識すべきことは異なるため、視点を変えて製品やサービスをチェックする力が欠かせません。
特に、製品やサービスを使うユーザーの視点を持つことは重要です。開発者だけでなく使う人のことを徹底的に考えることで、製品やサービスの品質を担保できると言えますね。
- 自分の身に起こったネガティブなことも、見方を変えてポジティブに変換できる
- 会話するときや一緒に行動する際、常に相手の気持ちに立って物事を考えられる
③コミュニケーションが得意
QAは製品やサービスの品質と向き合う職業ですが、各工程で開発者や設計者などと品質について話し合うことも重要です。そのため、コミュニケーションを円滑にできる人は向いていると言えますね。
QAは専門性の高い仕事であるため、品質のフィードバックをしたり改善を求めるときには、内容が伝わりやすいように言葉を工夫して話す必要があります。
品質を保証するためには、製品やサービスと向き合うだけでなく、関係者とコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが大事になるでしょう。
- 周りからよく「〇〇と話していると楽しい」「聞き上手だね」などと言われる
- 難しい物事や相手が知らない内容について、解釈してわかりやすく伝えられる
- 人と話すのが好き
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④論理的思考力がある
製品やサービスの品質を保証するには、製品やサービスの仕組みを理解することが欠かせません。そのため、物事を適切に整理して理解する論理的思考力がある人はQAに向いていると言えます。
製品やサービスは細かな要素が組み合わさってできているものですが、仕組みを理解できないとしっかりチェックすることもできません。各工程に携わるQAは、論理的思考力を用いて仕組みを理解したうえで、どこを改善すれば品質を保証できるか考える必要があると言えるでしょう。
- 頭のなかで物事を整理して理解できる
- 何か話し合うときに要点を押さえて議論できる
- 何か行動をするときにスムーズに計画を立てられる
⑤問題解決能力がある
QAは製品やサービスの品質を保証するために、問題を見つけて改善を繰り返すことが必要不可欠です。そのため、問題解決能力を十分に備えている人が向いていると言えますね。
QAは製品やサービスが自分の手元から離れた後も対応が必要であり、品質を保証するために問題がないか意識しておくことが欠かせません。特に不具合や異常が報告された際は、製品を回収して改善したり、顧客からの問い合わせに対して解決策を導き出す必要があります。
瞬時に問題点を把握し解決することに加えて、今後の課題は何か解決策を考え続ける力は欠かせないと言えるでしょう。
- 平常時でも何か問題がないかを考えて行動している
- 問題が起こったときに落ち着いてどうすべきかを考えられる
- 考えた解決策を周りに提案し行動する力がある
この記事では就活で使える問題解決能力の鍛え方を解説しています。問題解決能力を身に付けたいと思っている人はぜひ参考にしてみてください。
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問題解決能力が備わっている人は選考でも高評価を得やすいです。 この記事では、問題解決能力が必要とされる理由、向上させる方法などをキャリアアドバイザーが解説します。 解説動画、自己PR例文、おすすめ本も参考に能力を鍛えおきましょう!
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未経験から目指すには事前準備も大切! QAになるための3ステップを解説
キャリアアドバイザー
QAに向いている人の特徴を述べてきましたが、今すべての力を備えている必要はなく、自分が向いていそうかどうか判断するのに活用してくださいね。
就活生
そうなのですね、自分にはまだ身に付いていない力もあったので、安心しました。そのうえで、QAを今から目指すにはどうすれば良いでしょうか?
キャリアアドバイザー
QAを未経験から目指すには事前の準備も大切です。順を追って解説するので、一緒に確認していきましょう。
QAは専門知識やスキルが必要な職業ですが、新卒で未経験でも目指すことができます。そのためにはしっかりステップをふむことが重要になるので、ここで解説することを順番に実践してみてください。
ステップ① ある程度の専門知識や業務内容を理解する
未経験であっても、選考でQAになりたい意志を伝えるために、ある程度の専門知識や業務内容を理解しておくことは必要です。
選考では「なぜQAを志望しているのか」「QAのどのような部分に興味を持ったのか」など、志望理由やQAに関する質問をされます。その際に、QAが何をしているかをある程度把握しておかないと、説明をすることができません。
具体的には、この記事でも解説していることも含めて、以下の内容を把握しておきましょう。
- 企業にとってのQAの役割
- 実際の業務内容や担当範囲
- 働いてから必要になる知識やスキル
まずはQAのことをおおまかに理解したうえで、次のステップに進んでくださいね。
キャリアアドバイザー
入社後にミスマッチを起こさないためにも、どのような仕事をするのか理解しておくことは重要ですよ。
ステップ② 関連のある資格を勉強し取得を目指す
QAのことをある程度理解できたら、次は自分がQAを本気で目指していることを示すためにも、関連のある資格を勉強して、取得を目指しましょう。
もちろん、入社後に必要になってから資格取得を目指すのも問題ありませんが、早くから取り組んでいることを選考時に示すことで、志望度の高さをアピールできます。
企業によってQAの仕事内容も異なる部分があるので、志望企業がある場合には、その仕事にできるだけ合った資格を勉強するのがおすすめですよ。
- 自分が就きたい分野の資格を調べ、そのなかから品質に関連する資格を探す
- QAの先輩や知り合いがいる場合は、どのような資格を取得したか聞いてみる
- 志望企業がある場合は、企業ホームページ(HP)に推奨資格がないか見る
キャリアアドバイザー
たとえ資格を取得できなくても、取得を目指した事実や勉強した専門知識は選考時や入社後の仕事に役立つでしょう。
ステップ③ 新卒でQAを採用している企業に応募する
QAの仕事を把握し、資格の勉強に取り組みつつ、最終的には新卒でQAを採用している企業に応募しましょう。
QAは専門性の高い職業であるため、基本的には経験者採用や中途採用が多い傾向にあります。しかし、すべての企業がそうではありません。今は人材不足ということもあり、新卒で未経験の学生を採用している企業も多くあります。
まずはQAを採用している企業を探してみて、新卒の採用活動をおこなっている企業はないか調べてみましょう。具体的には、以下のように調べてみると良いですよ。
- 新卒用の就活アプリでQAを募集している企業がないか確認する
- 求人でQAの中途採用をおこなっている企業のホームページ(HP)で新卒の募集がないか調べてみる
- 大学のキャリアセンターでQAを募集している企業がないか聞く
キャリアアドバイザー
実際にQAの新卒採用をおこなっているかどうか、企業に問い合わせてみるのも一つの手ですね。
キャリアアドバイザーコメント長尾 美慧プロフィールをみる
QAを目指す際、新卒枠で応募する以外にも、アルバイトとしてQAのチームに参加し、そのまま正社員として雇用される場合もあります。企業のなかには学生のアルバイトを募集しているところもあるため、探してみると良いでしょう。
アルバイトのおもな仕事内容としては、ユーザー視点で製品やサービスを確認し、不具合を見つけることなどがあります。アルバイトとしてQAの実績を積むなかで仕事ぶりが認められることで、正社員として雇用される場合があるのです。また、QAの仕事をアルバイトから経験することで、QAの仕事が自分に合っているかどうかを事前にチェックできることも魅力ですね。
ただし、アルバイトからそのまま正社員になる場合、ほかの業界や企業を十分に見ないまま就職先を決めてしまうリスクもあります。自分にとってよりマッチした業界や就職先を見落としてしまうケースも考えられるので、注意しましょう。
QAのアルバイトから正社員登用を目指す学生は、正社員登用を見すえてアルバイトに励みつつも、自分の適職を幅広く探すようにしてくださいね。
専門性を活かせる幅は広い! QAから目指せる3つのキャリアパス
キャリアアドバイザー
QAは経験者採用が多い傾向にあるため、新卒から目指せるか不安だったかもしれません。しっかりステップを踏めば目指しやすくなるので、ぜひ実践してみてください。
就活生
はい、新卒でも目指せることがわかって安心しました。ちなみに、入社後にQAとして働き続けるとQA以外にどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
今からQAからのキャリアパスを考えておけるのは素晴らしいですね。QAとして培った知識やスキルを活かせる職業を紹介するので、一緒に確認していきましょう。
QAとして入社する際は、QAからどのようなキャリアパスがあるのかも知っておくと、QAの仕事のなかでどのような知識やスキルを中心に身に付けようか判断しやすくなります。
ここでは、QAの具体的なキャリアパスとして考えられる3つの職業を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
①QAのマネジメント職
QAとして経験を積んでいくと、社内でQAとして働く社員の業務やスケジュールを管理するマネジメント職に就くことができるようになります。
QAの業務は製品やサービスと向き合い品質を確認することや、そのために社内の人とコミュニケーションを取ることがメインです。それに対して、マネジメント職はどのような工程で業務を進めるかや、製品やサービスを作るときに携わる外部の人と打ち合わせしながら、物事を決めていく仕事も担当します。
QAの知識やスキルを持っているからこそ、QAの社員の悩みや全体の管理ができるので、マネジメント職に付くには、ある程度時間と経験が必要と言えるでしょう。
具体的には以下のようなマネジメント職があるので、QAのマネジメント職を目指す人はどの職業が良いか考えてみてくださいね。
- QAマネージャー:QAの社員の業務やスケジュール、全体の進行を担当する
- シニアQA:QAのマネージャー経験があり、QAとしての経験値と高い技術力をもってQAチームを引っ張るリーダー的なポジションを担う
- プロジェクトマネージャー:QAとして品質を保証するだけでなく、プロジェクト単位で全体の進行や予算管理、取引先との交渉などをおこなう
②QAのコンサルタント職
QAのマネジメント職は社内のQAの業務や進捗スケジュールを管理・指揮する立場でしたが、QAのコンサルタント職は品質保証のプロフェッショナルとして、社外から企業や顧客の品質に対する支援をおこなう職業になります。
具体的には、品質を維持・向上させるための戦略立案をおこない、その計画を作成したうえで顧客にアドバイスをする仕事ですね。かかわる人の幅も広く、ときには経営層やその他関連部署と連携をとりながら、品質向上につながるプロセス作りをおこないます。
これは、製品やサービスの品質をチェックする仕事がメインのQA社員には取り組めないため、QAコンサルタントならではの仕事だと言えるでしょう。
このようなQAコンサルタントには、品質保証の知識だけでなく以下の力も必要になるので、目指す人はQA社員の時点から意識しておくと良いですよ。
- 戦略を考えるための先を見通す力
- 経営層に内容が伝わりやすいように提案できるプレゼン力
- 戦略を実現できるようにするために計画を作成する論理的思考力
コンサルティング業界全体を知りたいという人は、こちらの記事もあわせて確認してみてください。
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コンサルティング業界は就活生から高い人気を誇る業界です。業界内に含まる企業も世界中に拠点を持っている企業が多く、グローバルな働き方を実現しやすいのも魅力の1つです。しかし、その分選考難易度も高いものとなるため、目指すなら入念な対策が必要です。この記事では、キャリアアドバイザーのアドバイスを交えて、押さえておきたい対策に加えて、具体的な企業例を27社紹介しています。ぜひチェックしておきましょう。
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③テストアナリスト
製品やサービスの品質を保証するには、品質のテストが欠かせません。テストアナリストはテストに関する専門的な知見を持った職業です。各工程において、品質をしっかり検査できるようなテストを作成したり、テストを実行し結果を分析して改善点があれば次のテスト作成に活かします。
テスト自体の精度が良くないと適切に品質を判断できません。そのため、実施されたテストに不備はないか、テスト自体に改善の余地はないかなどを確認して、より精度の高いテストを実施できるようにするのですね。
QAで経験したことに加えて、テストに関する知見も必要になるので、新たに勉強する必要があることも認識しておくと良いでしょう。
キャリアアドバイザー
QCやQA、テスターも検査やテストをおこないますが、テストアナリストは使われるテスト自体をチェックする職業です。幅広いテストをチェックする専門家がテストアナリストと言えますね。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
QAは実務経験とたしかなスキルがあれば、会社に所属せずにフリーランスとしても活躍できます。ただし、フリーランスで働く場合は仕事の依頼がなくなる場合もあることを認識しておき、リスクヘッジすることが大切です。
たとえば、一つの案件が完了した後は、また次の案件を探して応募しなくてはいけません。年間契約であれば一定期間仕事を確保できますが、単発の案件だと次の案件がすぐに見つからない場合もあるでしょう。そのため、ある程度の貯金やほかの収入源を持つ必要があると言えますね。
また、福利厚生面に関して、企業の社員であればある程度充実していますが、フリーランスで働く場合は保険や休業の補償なども制限されます。いざというときに自分の身は自分で守ることが必要になるため、収入を確保できるように実力を付けて、仕事をもらえる取引先を多く持っておけるようにしましょう。
QAエンジニア向けの資格も紹介! QAを目指す際におすすめの資格5つ
就活生
QAの経験を活かして活躍できる選択肢も幅広いのですね。ちなみに、ここまでに資格の話が何度か出てきたかと思うのですが、QAを目指すうえでおすすめの資格はありますか?
キャリアアドバイザー
良い視点ですね。必須ではありませんが、勉強し取得しておくと選考の際にもQAに対する熱意を示しやすいので、どのような資格があるか確認しておきましょう。
QAは専門性が高いこともあり、働くとなったら資格の取得が重要になります。ただし、やみくもに資格を持てば良いというわけではなく、どのようなQAになりたいかや今の自分のレベルによっても変わってくるので、その点も意識して確認してみてください。
①QC検定
- 主催:一般財団法人日本規格協会(JSA)
- 資格の種類:民間資格
- 試験形式:マークシート方式
- 試験日:年2回(9月 / 3月)
- 受検費:4級4,400円、3級5,830円、2級7,150円、1級(準1級合格者は一次試験免除)9,460円、1級11,880円、3級と4級の併願9,130円、2級と3級の併願11,660円、1級と2級の併願17,050円
- 資格の特徴:品質管理における全般的な知識を習得できる
QC検定(品質管理検定)は、一般財団法人日本規格協会(JSA)が主催している資格であり、品質管理における知識がどの程度あるかを確認するものです。具体的には、品質に関する用語を理解しているか、改善する際に内容を言語化できるかを中心に見ています。
レベルが細かく分かれており、4級、3級、2級、1級があり、1級に近づくほど難易度が高いです。学生から社会人まで幅広い層を対象としており、どの階級から受けても問題ないので、自分のレベルに合った試験を受けましょう。未経験者であれば、4級や3級から受けてみるのが良いですよ。
特に、品質管理について基礎的なことから幅広い知識を身に付けたい人におすすめです。
②信頼性技術者資格認定制度(JCRE)
- 主催:一般財団法人日本科学技術連盟
- 資格の種類:民間資格
- 試験形式:マークシート方式(※初級の場合)
- 試験日:年2回(※初級の場合)
- 受検費:初級16,500円、中級27,500円、上級27,500円
- 資格の特徴:信頼性・品質保証に携わる技術者の基礎的な知識や問題解決の手法を学べる資格
信頼性技術者資格認定制度(JCRE)は、信頼性・品質保証の業務に携わる技術者の問題解決能力の向上や基礎的な知識を図るための資格試験です。具体的には、信頼性全般についての基礎知識があるか、信頼性の手法を活用し自ら信頼性の向上が実践できるかが重要項目と言えますね。
品質の保証は企業の信頼や信用を守ることにつながります。この資格を取得すれば「信頼性技術者」として、信頼性に関しての基礎知識があり信頼性手法が使える人だと認定されるため、QAとして一定の知識があると認識されやすいでしょう。そのため、QAへの意欲があることを示したい人におすすめの資格といえますね。
レベルは初級、中級、上級の3つがあり、初級はどのような人でも受検が可能です。未経験者であれば初級にチャレンジしてみることをおすすめします。
③JSTQB認定テスト技術者資格
- 主催:JSTQB
- 資格の種類:民間資格
- 試験形式:コンピューターを用いて実施するCBT方式
- 試験日:いつでも受検可能(※予約状況による)
- 受検費:22,000円
- 資格の特徴:おもにソフトウェアを扱うエンジニアがテストについて体系的に学べる資格
JSTQB認定テスト技術者資格は、おもにソフトウェアを扱うエンジニア向けの資格試験であり、テスト技術を向上させるためのものです。この資格取得を目指すことで、テストについて体系的な知識を学べることに加えて、実践で活用できるテストの技法についても学べる資格だと言えますね。
この資格試験を主催しているJSTQBは、日本だけでなく世界各国のテスト技術者認定組織が加盟しており、世界で通用する資格となっています。
レベルとしては、誰でも受検可能な「Foundation Level」と、Foundation Levelを合格し実務経験が3年以上の人が受けられる「Advanced Level」の2つがあり、QA未経験者はまずFoundation Levelを受検する形になります。
QAには欠かせない品質テストの知識を中心に、品質管理について学べるため、QAから将来的にテスト関係の仕事を突き詰めたい人におすすめの資格です。
④ソフトウェア品質技術者資格
- 主催:一般財団法人日本科学技術連盟
- 資格の種類:民間資格
- 試験形式:初級は選択式、中級は選択式と記述式の両方
- 試験日:初級は年2回、中級は年1回
- 受検費:初級15,400円、中級20,900円
- 資格の特徴:ソフトウェアの品質向上に関する知識全般を身に付けられる資格
ソフトウェア品質技術者資格は、ソフトウェアの品質向上に関する知識を包括的かつ体系的に身に付けることを目的とした資格です。ソフトウェア産業での品質事故をなくして、人々が安心できる社会を作るために設定されました。
レベルとしては初級と中級の2つがあり、ソフトウェアの品質に関する概念や用語を理解しているか、知識を実際の問題解決のために実用できるかなどが問われます。合格のためには、品質の定義は何かや品質への考え方、安全面で注意すべきことなど、ソフトウェアの品質面に関する全般的な知識が必要だと言えますね。
ソフトウェアを扱う企業ではこの資格の取得を勧めているところも多いため、選考で示すことで有利になるでしょう。中級から受けることも可能なので、ソフトウェアの品質向上に関する基礎的な知識を身に付けたい人はもちろん、より幅広い知識を学びたい人にもおすすめですよ。
⑤IT検証技術者認定試験
- 主催:一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)
- 資格の種類:民間資格
- 試験形式:初級レベルはIBT形式、中級は集合会場試験、上級は小論文と実績資料の審査
- 試験日:年2回
- 資格の特徴:テストエンジニア向けでありテストの現場で使う知識や技術を学べる資格
IT検証技術者認定試験は、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が認定するテストエンジニア向けで、テスト現場の実務を重視した資格試験です。具体的には、テストの手法やプロセスなどの基礎的なことから、テストの実装の仕方や分析方法などまで、レベルごとにテストに関して多くのことを学べます。
実務で活用できる力を確かめる記述式の試験があり、合格できれば現場でも安心して仕事を任せられるエンジニアとして認定されるのがこの資格です。業界内でも高い評価を受けている資格でもあるため、QAを目指す際に選考でアピールできると有利に働くでしょう。
2024年春期試験より試験のレベルが再編されており、下記の5つの区分となりました。
レベル | おもな対象者 | 受検費 |
エバンジェリスト(上級) | 研究者 | 27,500円 |
アーキテクト(中級) | プロジェクトリーダー | 22,000円 |
デザイナー(中級) | テスト設計者 | 19,800円 |
テスター(中級) | テスト実行者 | 17,600円 |
アシスタント(初級) | テストの初心者 | 7,700円 |
初心者から専門家として活躍できるレベルまで幅広く対応しているので、未経験者はアシスタント(初級レベル)からチャレンジしてみると良いですよ。初級からでもテストに関する知識が深まるので、選考で基礎的な知識はあることをアピールしたい人にもおすすめです。
QAについて学生からよくある質問に回答!
QAについて調べるなかで疑問に思うことや、目指すうえでどうしたら良いか悩むこともありますよね。そこでここではQAについて学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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QAとQCの違いは何ですか?
QA(品質保証)とQC(品質管理)はどちらも製品やサービスの品質にかかわる職業ですが、仕事の担当範囲が大きく異なっており、QCよりQAのほうが長く製品やサービスに携わります。製品を出荷する前に品質のみをチェックするのがQCであるのに対し、QAは製品の企画段階から携わり、出荷後のアフターケアまで品質を保証することが仕事です。
また担当業務の種類にも違いがあります。QCが専門知識とスキルを使って出荷前の製品の品質チェックをするのに対し、QAは各工程で製品の品質チェックをおこなうため、担当する業務も多岐にわたります。
さらに、QAは製品が手元を離れてからも品質を保証することが求められるため、ユーザー視点に立って物事を考えることが重要です。このように、QAとQCはどちらも品質に関するエキスパートであるものの、仕事の役割が異なると言えます。
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未経験からQAになるにはどうしたら良いですか?
未経験からQAを目指すには、順を追って事前準備をすることが大切です。まずは、選考でQAになりたい意志を伝えるためにも、ある程度QAの専門知識や業務内容を理解しておくと良いですね。選考で質問をされたときにQAが何をしているかわからず、答えられない状況にならないようにしましょう。
また、QAに関連のある資格の取得を目指して勉強することも、未経験からQAになる際に役立ちます。未経験だと実務での実績が示せないため、QAになりたいという志望度の高さをアピールすることが有効です。たとえ資格を取得できなくても、勉強した内容は知識として蓄積されるので、選考での面接官との会話や今後の業務に活かすことができるでしょう。
上記をおこないつつ、新卒枠でQAを募集している企業に応募して選考を受けて、QAを目指してくださいね。
QAは製品やサービスの未来を保証する職業! 仕事への解像度を高めたうえで目指そう
QAは品質保証のエキスパートです。対応範囲も広く、企業の利益を生み出す大事な製品やサービスを守る職業であるため、企業には欠かせない存在だと言えます。
そして、QAはただ製品やサービスの品質を保証するだけではありません。品質の高さは企業の信頼性につながるため、製品やサービス、ひいては企業の未来を保証する職業だと言えるでしょう。
未経験から目指すことも十分可能なので、QAの仕事の解像度を高めながら対策し、選考突破を目指しましょう。
最近就活を進めるなかでQAという職業を耳にしたのですが、あまりイメージできなくて……。基礎から教えていただけますでしょうか?