目次
- 洞察力の自己PRが評価されるには書き方にコツがいる
- そもそも「洞察力」とは
- 「観察力」との違い
- 洞察力の自己PRで企業が抱く印象って?
- 状況をすぐに理解して対応できる
- 人の考えを読み取ってコミュニケーションができる
- 過去の経験を活かして成長できる
- 直観力や分析力がある
- 伝え方に注意! 洞察力がマイナス評価につながるケース
- 考えすぎて行動力がないと捉えられる
- 独りよがりで扱いにくいと危惧される
- 洞察力が特に評価されやすい職業とは?
- 今からでも遅くない! 洞察力の鍛え方
- 固定観念に捉われないことを意識する
- 幅広い知識と経験を身につける
- 自分の目で見て考える訓練をする
- 洞察力を評価される自己PRにするための3つのポイント
- ①洞察力を行動につなげて結果を出したエピソードを選ぶ
- ②他者からの客観的な評価を交えて述べる
- ③仕事でどう活かすのかを明確にする
- 洞察力の効果的な自己PR例文
- アルバイトで洞察力を評価された例文①
- アルバイトで洞察力を評価された例文②
- ボランティア活動で洞察力を評価された例文①
- ボランティア活動で洞察力を評価された例文②
- 学業を通じて洞察力を評価された例文①
- 学業を通じて洞察力を評価された例文②
- 洞察力をアピールしたい学生からよくある質問に回答!
- 洞察力の自己PRを高評価につなげよう
洞察力の自己PRが評価されるには書き方にコツがいる
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
エントリーシートや面接の自己PRで
「洞察力は自己PRで強みになる?」
「どうしたら洞察力の高さを自己アピールできる?」と悩む人もいるかもしれません。
実は洞察力はビジネスに役立つ一方、伝え方を間違えるとマイナスイメージで受け取られることもある、注意が必要なワードです。
この記事では洞察力の正確な意味や評価されやすい職業、洞察力を効果的にアピールする方法を例文と一緒に詳しく解説していきます。
そもそも「洞察力」とは
就活生
キャリアアドバイザー
イメージだけで話してしまうと危険なので、まずは正しい意味を押さえましょう。
洞察力とは「物事の本質や現状を見抜く力」です。そして、洞察力が高い人は仕事でも成果を出しやすいとされています。
というのも、洞察力があると状況の変化をいち早く見抜き、物事の本質を理解して、失敗しにくい道を選ぶことができるからです。
「観察力」との違い
ところで、洞察力と混同しがちな言葉に観察力があります。両者の違いとはなんでしょうか。
洞察力と観察力は、物事を客観的に捉えて的確に判断するという点は似ています。しかし、目に見えるものかどうかというところに違いがあります。
- 洞察力…目に見えないところまでくみ取れる力
- 観察力…目に見えることをきちんと把握できる力
たとえば、「Aさんは、今日は顔色が悪い」と気付くのは観察力。「顔色が良くないので体調が悪いのかもしれない。仕事のパフォーマンスも落ちているかもしれない」と見抜けるのが洞察力です。
観察の積み重ねが洞察につながるので、洞察力がある人の多くは観察力も持ち合わせています。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
自己PRでは「洞察力」「観察力」のどちらの表現を使ってもしっくりくる方を使って問題ありません。ただし、洞察力のほうが一歩踏み込んだイメージがあると思うので、裏付けエピソードを考えるときには注意が必要です。
相手の気持ちを考えることが得意だ、だから自分には洞察力があると言う学生は多いのですが、裏付ける理由を聞くと「サークルで発言できていない人がいたので、声をかけて話しやすい雰囲気づくりを心がけたから」などと話します。このエピソード自体は悪くないのですが、より深く聞いてみると単に「自分がそうしたかっただけ」など、「洞察力」を使うと少し言い過ぎな印象を与える恐れもあります。
大切なことは強みとする「〇〇力」とそのエピソードに整合性が取れているかどうかです。人によって言葉の捉え方がさまざまだからこそ、自分がどのエピソードを話したいのかを考えてからそこに当てはまる強みを当てはめていくようにしましょう。
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洞察力の自己PRで企業が抱く印象って?
自己PRの際に洞察力をアピールすると、企業側はどのように感じるものなのでしょうか。しっかりと強みにし、就活を成功に導くためにも、採用担当者が洞察力についてどのような印象を持つのか見てみましょう。
状況をすぐに理解して対応できる
洞察力がある人は、人や物事の本質を見抜くのが得意です。そして日頃から本質を理解しているために、状況に応じた理解力と対応力が優れている人だと判断されます。
ビジネスの現場ではいつ何が起こるか分かりません。クライアントや取引先などから予想外のことを要求される場合もあります。そのようなときも、洞察力のある人は相手の言葉の意図をよく理解し、対応することが可能です。
市場に変化があった際にもすぐに察知し、数字が動いた理由や背景を見極められます。
キャリアアドバイザー
つまり、洞察力がある人はビジネスセンスがある人といえますね。
状況を理解して対応できる力は、臨機応変に対応できる力と言い換えることもできます。臨機応変を自己PRにするときのコツはこちらの記事で解説しています。
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人の考えを読み取ってコミュニケーションができる
洞察力が高い人は相手の気持ちをくみ取って行動ができるため、人付き合いがうまく、コミュニケーション力が高い人というイメージを企業は受け取ります。
洞察力が高い人は、聞いた言葉だけではなく、表情、声のトーン、空気感、周囲の状況なども観察しています。そして、他の人が気づかない相手の状況や心情にいち早く気づくことができます。相手の言葉の真意を受け取り、「こんなことを今やりたいと思っているんだろうな」「本当はこっちを食べたいのではないのか」などに気づくことができるのです。
また、悩み相談にのるのも得意です。相談してくる相手だけではなく、周囲の人たちの状況も観察できるため、的確なアドバイスができます。
キャリアアドバイザー
理解できてしまうからこそ、フォロー役や聞き役ばかりを頼まれてしまうかもしれませんが、仕事のチームでは調整役として重要なポジションを任されることも多いでしょう。
コミュニケーション能力のその他の言い換え表現はこちらの記事で紹介しています。
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過去の経験を活かして成長できる
洞察力がある人は過去に起きたことを踏まえて、自分を成長させられると考えられます。
なぜなら、洞察力がある人は固定観念に捉われることなく客観的に物事に向き合い、自分の失敗を理解することができるからです。
そしてトラブルが起きたとき、多くの人は自己保身から「自分は悪くない」と物事を素直に見ることをやめ、せっかくの成長の機会を失いがちです。一方、洞察力があれば原因と結果を冷静に見て受け入れ、「何が問題だったのか」「どこから間違えていたのか」「どうすればよかったのか」「今後、同じことが起きたときにどう対処すればいいのか」と考えられます。
その結果、自然と成長できるようになるのです。
直観力や分析力がある
洞察力がある人は固定観念に捉われず、物事を多角的に見て独自の結論を出す習慣があります。そのため、人からは自由な発想をする直観力に優れた人という印象を持たれる傾向にあります。
また洞察力がある人は分析力にも優れています。多角的な観察で得たデータから結論を出すには分析力も必要だからです。気づかないうちに日々、訓練され分析のスピードも人よりも上がっています。
キャリアアドバイザー
そのため、すぐに対処法を思いつくことができ、何があっても動じない強さがあります。
分析力をアピールするときの例文はこちらの記事で確認してください。
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キャリアアドバイザーコメント辻 華菜子プロフィールをみる
洞察力があるということは、客観性を持ち合わせているという評価もできます。自分の経験値と併せて、さまざまな状況からシミュレーションをして判断をする力は、物事を多角度に見る力がなければなかなか発揮することができません。
仕事はプロセスも大切ですが結果を出すことも重要です。たった1回限りのまぐれで成功するのではなくて、どんな状況においてもある程度それなりの成果を出せるようにするためには積み重ねや学習経験、また、客観的に振り返る力が必要になってきます。
洞察力をPRすると、行き当たりばったりではなくきちんと根拠に基づいて行動できる印象を与えられます。つまり企業にとって、適切な判断に基づき行動ができる、また、たとえその結果がうまくいかなくても次に改善につなげていける人だろうという想像ができるためプラスに働くことが多いでしょう。
伝え方に注意! 洞察力がマイナス評価につながるケース
就活生
洞察力があるというと、なんだか大げさに自慢しているように聞こえそうで怖いです。
キャリアアドバイザー
確かに、日頃から友だち同士で言い合うようなワードではありませんよね。だからこそ、マイナスイメージも押さえておきましょう。
実は洞察力が高いということは、伝え方によってはネガティブな要素が目立ってしまう可能性もあります。マイナス評価につなげないための対策として、あらかじめ洞察力のマイナスイメージについても把握しておきましょう。
考えすぎて行動力がないと捉えられる
洞察力が高い人はいろんなことが見えてしまうため、慎重になりすぎるのではと考えられることがあります。仕事では指示に従い迅速に行動しなくてはいけないことも多いため、慎重すぎるのはマイナスポイントになります。また、神経質で批判が多い人という印象も持たれがちです。
そこで、面接時には無理がない範囲で行動力もあるとアピールするようにしてみてください。また、批判的と受け取られないよう、日ごろから他人の欠点ばかりを見つけるのではなく、良い面を探す練習をするようにしておきましょう。
行動力の効果的なアピール方法はこちらの記事で解説しています。
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自己PRで面接官が評価する行動力の伝え方|OK・NG例文あり
行動力は自己PRにおすすめの強みで、具体的なエピソードと入社後どのように貢献したいかを伝えると高評価を得られますよ。 この記事では行動力のわかりやすい伝え方や自己PR例文などをキャリアアドバイザーが解説します。 動画も参考にしてアピールに生かしてくださいね。
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独りよがりで扱いにくいと危惧される
洞察力が高い人は独善的な人と思われがちです。一人で深いところまで考えた挙句、他人の意見に耳を貸さず物事を進めてしまうという印象です。確かに自分の判断に自信があると、どうしても他人の意見が取り入れられなくなります。
また、軽い会話がしづらいとも思われがちです。職場では軽い会話の中からアイデアが生まれることもあります。しかし洞察力が高い人は物静かな人が多く、軽い会話を好まないという印象があります。
キャリアアドバイザー
面接では人の意見も取り入れる柔軟性も持ち合わせているというアピールも同時にできるといいでしょう。
自己PRで悩んだら、AIツールを活用しよう!
自己PRを書こうとしても、ネタが思いつかなかったり、忙しくて手つかずのままだったりする人は多いでしょう。
そんな就活生に活用してほしいのが最新の「自己PR作成ツール」です。AIが自己PRを自動生成してくれるため、ネタがなく悩んでいたり、忙しい就活生にはぴったりです!
自己PRで悩んでいるなら、まずはツールを活用して自己PRの土台を完成させましょう!
洞察力が特に評価されやすい職業とは?
職業によって、洞察力をアピールすることがさらに効果的になる場合があります。人の気持ちをくみ取ることができるので、特に対人の職業で能力が発揮されるでしょう。
- 営業職…顧客の気持ちや要望、動向を察知して商品やサービスの提供ができる。プレゼンも相手の要望に沿った形でおこなえる
- コンサルタント…クライアントの課題と状況を理解し、的確なアドバイスができる
- 教職…生徒の気持ちを理解し、クラス全体の状況も把握できる
- 事務職…他部署の状況を把握して的確に対応できる
- 看護師や医師…患者の心身の小さな変調に気づくことができる
営業職に向いているかどうか自信がない人はこちらの記事を読んでみてください。
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今からでも遅くない! 洞察力の鍛え方
就活生
洞察力が仕事で役立つことは分かりました。
でも、洞察力が低い人はどうしたらいいのでしょう。
キャリアアドバイザー
洞察力は今からでも鍛えることができます。
将来、きっと役立つので今からでも挑戦してみてください!
ここでは洞察力を鍛える方法を紹介します。日々の中で簡単にできることなので実践してみてください。
固定観念に捉われないことを意識する
まず、頭を柔らかくして固定観念に捉われないようにします。人は誰でも固定観念を持っていますが、強すぎると物事の本質が見えなくなってしまいます。
Aと思っていたことが、本当はBかもしれません。しかしAだと思い込んでいるせいで、他の可能性を排除してしまうことがあります。
まず、頭の中をフラットにして、観察することから始めてください。人と会うときにも、その人の言葉だけではなく、声のトーン、表情、まとっている空気などをさりげなく見てみます。すると、今まで「人に対して強圧的で嫌な人だ」と思っていたのが、実は「本当は気が小さく優しいのに、話し方が下手だから声が大きくなっているだけだ」と気づくかもしれません。
幅広い知識と経験を身につける
洞察力を鍛えるのには物事を多角的に検証する必要がありますが、それには幅広い知識と経験が必要です。
知識も経験もないままだと、物事の見え方には限りがあります。広い世界を知らないと、いつまでも同じ場所に立って、同じ方向から物事を見るだけで終わってしまいます。
そこで多くの経験をし、さまざまな人と話し、書籍などからも知識を得ることで、違う角度からの見方を学んでいくといいでしょう。
キャリアアドバイザー
さまざまな見方があることを知るだけでも、洞察力が上がっていきます。
自分の目で見て考える訓練をする
人の見方を学ぶ一方で、最終的に判断するのは自分です。自分の目で実際に見て考える訓練をおすすめします。
今はインターネットでも豊富な情報がありますが、実際に見てみるとまるで違っていたということがあります。情報だけではなく、その場の音、臭い、手触り、周囲の環境などから見えてくることはあります。
たとえば不動産を取り扱うとき、書類や写真では完璧な物件であっても、現場に行くとまったく違うことが見えてくるかもしれません。また、人によって良い物件に求める条件は変わってくるでしょう。
できるだけ自分の目で見て考えるようにすると、洞察力は鍛えられていきます。
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洞察力を評価される自己PRにするための3つのポイント
前述のように洞察力にはマイナスイメージもあるため、できるだけポジティブに思われるように話を展開しなくてはいけません。
また、洞察力がありますと言うだけでは信憑性に欠け、独善的だと思われかねず、印象に残りにくくなります。そこで、自己PRとして洞察力をアピールするときのポイントについて解説していきます。
①洞察力を行動につなげて結果を出したエピソードを選ぶ
洞察力があると理解してもらうためには、過去のエピソードから洞察力を使った成功体験を伝える必要があります。
説得力のある話の組み立て方を意識することも重要です。
- 状況や課題を解説
- 洞察力によってどう考え、どう行動したのかを述べる
- 自分の行動によってどう状況が好転したのかを述べる
重要なのは、洞察力を活かして考えただけでなく、行動を起こして状況を好転させたという成功体験を伝えることです。
②他者からの客観的な評価を交えて述べる
洞察力があることを示すために、他者からの評価を交えるのもポイントです。
他者は友人、家族、サークルの先輩、先生、アルバイト先の店長など、誰でもかまいません。客観的な評価を含めることで、洞察力の自己PRに信憑性が生まれます。
就活生
アルバイト先の店長から〇〇さんが気づいてくれたおかげで、仕事がうまくいくようになったと言われたことがある。
就活生
ゼミの教授から、レポートの内容についてしっかりと深いところまで考察できていると評価された。
周囲から言われたことをいくつもメモに書き出し、その中から、もっとも伝えやすいエピソードをピックアップしてください。
③仕事でどう活かすのかを明確にする
洞察力を強みとしてだけ伝えても、自己PRにはなりません。自己PRを書くときも、面接で話すときも、必ず仕事で活かすイメージを明確に伝えましょう。
就活生
御社では企画開発を担当し、持ち前の洞察力をもって顧客のニーズを把握し、魅力的な商品を開発したいと思います。
就活生
洞察力によって顧客の真意に気づき、的確な提案を行える営業になりたいです。
以上のような流れでも良いでしょう。
洞察力はビジネスに役立ちやすい資質の一つですから、応募する企業の仕事内容に結び付けて文章を構成してみてください。
キャリアアドバイザーコメント清水 沙也香プロフィールをみる
たとえば文系職では、どんな職種でも洞察力を活かせます。マーケティングや企画職では、顧客の表面上に見える調査結果やデータをもとに、本当に考えている潜在意識を想像、分析する洞察力が必要です。また、営業職でも表面上で見える会話内容から顧客の本当の意図をくみ取る際や、営業データから今後アプローチするべきターゲットの割り出す際に洞察力を活かせるでしょう。
この他にも事務職、人事や総務といったバックオフィスの仕事においても単に仕事をこなすのではなくて社員の潜在意識を汲み取り先回りして行動することで「自分が思っていたことを言語化してくれた」「うまく伝えられなくても汲み取ってくれた」など感謝されるシーンが多いはずです。加えて、どんな職種であれ、上司や先輩からのアドバイスや指示をそのまま受け取らずに、洞察力を用いてうまく吸収すれば、高い成長につなげられることもあるはずです。
洞察力というとなんだかすごいことを成し遂げなければいけないイメージを持つかもしれませんが、どんなシチュエーションでも活用できると考えてうまくアピールできるようにしましょう。
洞察力の効果的な自己PR例文
自己PRでは冒頭で結論(自分の強み)を述べ、結論を裏付けるエピソードを盛り込み、強みをどう仕事で活かすかを伝えます。他者からの視点も重要なので、どこで洞察力を評価されたのかというシチュエーション別に例文を紹介します。
アルバイトで洞察力を評価された例文①
私の強みは洞察力があることです。
学生時代に知人の会社で経理のアルバイトをしたのですが、ある日、システム担当の社員の方が、日ごろはしないミスを連発していました。直属の上司の方にはひどく注意されていましたが、私はその方が朝から表情が暗く、暑くもない部屋で汗をかいていたことから、体調不良が原因なのではないかと思いました。
そこで上司に伝えてみたところその通りで、体調が悪くても言えずに無理をしていたそうです。その後すぐに病院に行き、大事には至りませんでした。上司やその方の直属の上司の方からはその指摘を感謝され、いつも冷静に状況を判断できる私のような人間がいると助かると言われ、これは私の強みなのだと理解するに至りました。
御社に入社できましたら、持ち前の洞察力を活かし、サポート役として様々な人の役に立ちたいと考えています。
選考の通過率を上げたい人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
キャリアアドバイザー
経理などのデスクワークでも洞察力は役立ちます。
物事をしっかりと見ているからこそミスにも気づきやすくなります。
周りへの気遣いができるという点もポイントですね。
アルバイトで洞察力を評価された例文②
私の強みは洞察力です。大学1年から2年にかけて中学生向けの学習塾でアルバイトをしていた際、ベテラン講師の方から「教え方は未熟だが、洞察力があるのが良い」と評価していただきました。
中学生は繊細で気まぐれで、指導するのが難しいと感じる人も多いようですが、私は生徒の言葉だけではなく、表情や話し方、しぐさ、身にまとう空気感をさりげなく観察するようにしていました。そのため、ちょうど良いタイミングで「大丈夫?わからないところはない?」などと声をかけてあげることができ、生徒たちには信頼してもらえていたと思います。
どのようなときも人と接するときは、まずは相手をしっかりと見て、思いをくみ取ることが大切だと思っています。御社に入社してからも洞察力を活かして顧客の求めることを理解しながら、営業職として活躍できればと思っています。
キャリアアドバイザー
多くの人の気持ちを瞬時に理解できるのは、洞察力がある人ならではです。
冷静に人を見られる力はきっと営業でも役に立つことでしょう。
ボランティア活動で洞察力を評価された例文①
私は何事もよく観察して考えることを大切にしているため、洞察力があると人から言われます。
大学1年から3年まで、ボランティアの人形劇団で子どもの施設や特別養護老人ホームを巡っていました。3年のときにはリーダーとなり、メンバーが疲れていないか、不満を抱えていないかに気づいてフォローするようにしていたところ、メンバー同士の人間関係がうまくいくようになり、とても協力してくれるようになりました。
そのとき、人の気持ちを察して行動に移すことで、自分にも返ってくるものがあると実感しました。御社に入社したら、洞察力を活かしてお客様のニーズやトレンドをしっかりと把握し、販売職として活躍したいと思っています。
キャリアアドバイザー
ボランティア仲間との交流のエピソードから、洞察力によって周囲を調整できる人材であることが伝わります。
ボランティア活動を効果的に自己PRするためのコツはこちらの記事で読んでください。
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自己PRでボランティア経験を効果的に伝えるための4つのステップ
自己PRでボランティア経験をアピールすときは、能力や人柄が伝わる内容にすることで効果的に伝えましょう。今回は、自己PRでボランティア経験で効果的に自己PRする4つのステップや自己PR例文をキャリアアドバイザーが紹介します。
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ボランティア活動で洞察力を評価された例文②
私の長所は洞察力があり、人の気持ちをくみ取るのが得意なことです。
大学2年のときに台風後のがれき拾いのボランティアをしましたが、ボランティアリーダーの指示も早い段階で理解できたため、「全部言わなくても状況を察知して動いてくれるから助かるよ」と言われました。
また、地元のご年配の方がお茶を差し入れてくださったのですが、とても無口な方で、他の人とはあまり会話をしていませんでした。しかし、私は表情を見て何かを話したがっていると気づき、声をかけてみたところ、地元のことをいろいろ話してくださり、地元の方が何を求めているのかより詳しく知ることができました。
入社後も持ち前の洞察力とコミュニケーション力を活かし、物を売るだけではなく、しっかりと顧客のニーズを会社に持ち帰れるような営業になりたいと応募しました。
選考の通過率を上げたい人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
キャリアアドバイザー
ボランティア先のリーダーや、地元のご年配の方とすぐに打ち解けた様子から、洞察力をコミュニケーションに活かしていることがわかりますね。
学業を通じて洞察力を評価された例文①
私は何事も冷静に周囲を観察するようにしています。
大学ではゼミで谷崎潤一郎の研究をしましたが、レポートを書く際には、時代背景をつぶさに調べるとともに、作者が本当に言おうとしていることを行間から深く読み取らなくてはいけませんでした。
ゼミの中で、言葉の裏にあるもう一つの意味を読み取ることを繰り返し練習したため、洞察力がつきました。それをアルバイト先で活かし、新人の個性や気持ちを読み取り、適材適所の作業を任せることで、仕事を効率よく進めることができました。
そのような洞察力を、御社のマーケティング部門でぜひ活かしたいと思い志望いたしました。
キャリアアドバイザー
学業を通じて培った資質として洞察力を挙げています。
生まれたときから持っていたものだけではなく、後から学び取った資質も十分、強みとしてアピールできます。
学業を通じて洞察力を評価された例文②
私の強みは洞察力と調整力です。
ゼミではある事件の判例についてチームに分かれてディベートをすることがありましたが、チームリーダーとしてメンバーに声をかけながら、集めた資料を多角的に検証することを行いました。
本番は一番弁が立つメンバーに中心になってもらいましたが、私は補佐的な役割で、相手チームの出方をよく観察し、話の流れを頭の中で分析しながら、的確にサポートができたと自負しています。もちろん他にも、メンバーそれぞれが役割の中で力を発揮したおかげで、教授からも深く検証できていて素晴らしいと言葉をいただくことができました。
入社後、ゆくゆくは海外取引のプロジェクトに参加し、洞察力と調整力を発揮してチームや先方とコミュニケーションを取り、プロジェクト成功のために貢献したいと思っています。
キャリアアドバイザー
学業のエピソードはどうしても一人だけの経験になりがちですが、仲間の中で強みを発揮できたエピソードとして伝えると、きちんとコミュニケーションが取れる人という印象になります。
学業を自己PRにすることのメリットはこちらの記事で解説しています。
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学業の自己PRは結果よりも過程を伝えよう こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「学業を自己PRの話題にするのはありですか?」「学業ってアピールとしては弱いですよね……」 就活生からこのような相談を受けることがよ […]
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洞察力をアピールしたい学生からよくある質問に回答!
就活で「洞察力」があることをアピールしたいと思っても、洞察力が具体的にどんなものなのかわからない学生もいるでしょう。そんな学生によくある悩みにキャリアアドバイザーが回答します。
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洞察力の自己prを作るときは何を意識すれば良いですか?
洞察力を自己PRの題材にする際は、自分の中で「洞察力とは何か」という定義づけができるようにしておくことが大切です。抽象的な強みになってしまうと、相手はまったく異なる定義づけをしている可能性があります。こうしたミスコミュニケーションが起きないようにするためには、どのような場面で役立ったのか、どういう成果が得られたのかといった具体性を持った話を準備しておくことが大切です。その経験を通じて得た学びや気づきをあわせて説明できると、さらに洞察力の深さや成長意欲をアピールすることができます。
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洞察力は自己prの題材としては弱いでしょうか?
洞察力は、抽象度の高さから他のスキルと比べてアピール力が弱いと感じるかもしれません。しかしビジネスにおいては非常に価値ある能力なので、自信を持って話しましょう。洞察力がある人は、今起きている物事の表面だけでなく核心に迫ることができます。そのため長期的に見て企業の成長や競争力を支える人材になり得るのです。最初は自分の強みを言葉で説明することが難しいかもしれませんが、何度も練習を重ねて対策をしていきましょう。
洞察力の自己PRを高評価につなげよう
洞察力とは物事の本質を見抜ける力です。洞察力があると、上司やクライアントの気持ちもくみ取るのがうまく、刻々と変化するビジネスの状況を的確に把握して対応できるなど、メリットが多いとされています。
しかし一方で行動力に欠け、内向的な印象ももたれやすく、自己PRで強みとして挙げる場合には注意が必要です。アルバイトやボランティアなどで、人の輪の中で洞察力を発揮して成功したエピソードや、人から洞察力を褒められた体験などを加えると、さらに効果的な自己PRになるでしょう。
洞察力と聞くとなんだか凄そうなイメージです。