目次
- コンサルティング業界と含まれる企業を網羅的に理解して行動指針を立てよう!
- まずは大枠をつかもう! コンサルティング業界に関する2つの基礎知識
- アメリカでコンサルの概念が生まれ徐々に日本でも浸透
- おもに3つのビジネスモデルで成り立っている
- 要チェック! コンサルティング業界の現状と将来性
- 現状①入社難易度・人気度ともに高い業界
- 将来性①需要拡大に合わせて業界全体で成長中
- 将来性②経営課題が複雑化・多様化しているためニーズは絶えずある
- コンサルティング業界の4つの職種と仕事内容
- ①アナリスト
- ②コンサルタント
- ③マネージャー
- ④パートナー
- コンサルティング業界の主な種類と代表企業27選
- ①総合系コンサルティングファーム
- ②戦略系コンサルティングファーム
- ③ビジネス系コンサルティングファーム
- ④IT系コンサルティングファーム
- ⑤シンクタンク系コンサルティングファーム
- ⑥M&A系コンサルティングファーム
- ⑦事業再生系コンサルティングファーム
- ⑧組織・人事系コンサルティングファーム
- ⑨中小企業向けコンサルティングファーム
- 選考難易度の高いコンサルティング業界に就職するための攻略法5選
- ①インターンを通じて実践的なコンサルタント経験を積む
- ➁ESは論理的な文章で書くことを意識
- ③ケース面接の対策をおこなう
- ④コンサルタントの仕事内容を理解し自分の適正をアピール
- ⑤コンサル業界を正しく理解し自分なりの展望をもつ
- コンサルティング業界について学生から良くある質問に回答!
- 攻略法を理解してコンサルティング業界への就職を成功させよう!
コンサルティング業界と含まれる企業を網羅的に理解して行動指針を立てよう!
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「コンサルティング業界ってどのような業界ですか?」
「コンサルティング業界で働くにはどうしたらいいのでしょうか?」
といった質問を受けます。企業が抱える経営課題の解決を支援するコンサルタントは、携わる事業規模の大きさや高い収入も期待できるなど魅力的な要素がたくさんあり、学生からも人気の高い業界です。
その一方で、高い論理的思考力やコミュニケーション能力が求められるため、選考難易度も高く、入社後もシビアな目標を追わなければならないケースもあります。
コンサルティング業界を志望するなら、そういったさまざまな要素をしっかりと理解したうえで、自分の適性と照らし合わせながら行動指針を立てることが大切ですよ。
この記事ではコンサルティング業界について、どんな業界なのか、どんな仕事をするのか、どんな会社があるのか、押さえておきたい業界の特徴を網羅的に解説します。この記事を読んでコンサルティング業界の概要を理解し、就職への第一歩を進めましょう。
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まずは大枠をつかもう! コンサルティング業界に関する2つの基礎知識
- アメリカでコンサルの概念が生まれ徐々に日本でも浸透
- おもに3つの料金体系で成り立っている
コンサルティング業界を目指すなら、業界の成り立ちや、どのようなビジネスモデルが展開されているのかをチェックすることも大切です。
まず前提として、コンサルティングの事業をおこなう企業のことを一般的に「コンサルティングファーム」といい、そこで働く人を「コンサルタント」と呼びます。
コンサルティングファームはクライアントの課題解決の支援をおこなう会社です。クライアントには民間企業だけでなく、官公庁や地方公共団体、NGO・NPOといった非営利団体なども含まれます。
ここからはコンサルティング業界の歴史やビジネスモデルについて詳しく解説していくので、まずはここで業界の全体像をつかみましょう。
アメリカでコンサルの概念が生まれ徐々に日本でも浸透
コンサルティングは19世紀末のアメリカで生まれたという説が一般的です。アメリカの技術者でのちに経営学者となったフレデリック・テイラーが、工場の作業効率化に成功し、それを他の工場へ導入支援したことが始まりだと考えられています。
黎明期は個人でコンサルティングをおこなう人がほとんどで、テーマは業務効率化や業務改善に近いものがほとんどでした。
20世紀に入るとコンサルタントが共同で事務所を開くようになり、経営責任者に助言をおこなう戦略系コンサルティングファームが登場するなど、現在も続く有名なコンサルティングファームが続々誕生していきました。
日本では1970年代以降、国内企業が海外進出していく際に外資系ファームが進出しコンサルティングビジネスが拡大します。
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おもに3つのビジネスモデルで成り立っている
コンサルティング業界は人の力が重要となる、労働集約型のビジネスモデルです。大きく3つの料金体系により収益が上げられています。
単価は扱うテーマの難しさに大きく左右され、経営戦略やM&Aなど企業全体にかかわるテーマや、DX(デジタルトランスフォーメーション)など新しいテーマほど金額が高くなる傾向にあります。
- プロジェクト型:期間を区切った数カ月単位のプロジェクトに対して報酬を支払う形式
- ソリューション型:プロジェクトでの成果の達成度合いによって報酬を支払う形式
- サブスクリプション型:一定の回数・時間で区切った継続的な支援に対して一定額を支払う形式
プロジェクト型
期間を区切って数カ月単位のプロジェクトを依頼する際に利用される料金体系で、一般的には「コンサルタント1人当たりの単価×人数×関与時間」で計算するケースが多いです。コンサルティング業界においては最もポピュラーな形式です。
ソリューション型
成果報酬型ともいわれ、プロジェクトでの成果の達成度合いによって報酬を支払う形式です。コスト削減など成果の量が目に見えやすいプロジェクトで採用され、「基本報酬+成果報酬」という形での契約が一般的です。
サブスクリプション型
定額報酬型ともいわれ、コンサルタントが一定の回数・時間でミーティングなどに参加する形で支援をし、それに対して一定額を支払う契約方式です。専門性を活かした情報提供を求められることもあります。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
コンサルティング業界の特徴としてまず挙げられるのは、携わる業界や企業が非常に幅広いことです。経営戦略や業務プロセスの課題解決など、コンサルタント会社が扱う事業はどの業界や企業も関係する領域となるため、多種多様な業界・企業とかかわる機会がある点は、コンサルティング業界ならではの特徴といえます。
また、コンサルタントは経営者や経営幹部などと直接対峙し、パートナーとして仕事に取り組みます。もちろん大きな責任やプレッシャーが伴いますが、若いうちから経営にかかわる仕事ができ、経営層と直接接するからこその経験を積めるのも特徴の1つです。
このほか、コンサルタントはクライアント企業の内部に深く入り込んで仕事をおこなうことになるため、さまざまな立場の人と信頼関係を構築する力は、他業界に比べても格段に磨かれる業界といえますよ。
要チェック! コンサルティング業界の現状と将来性
- 現状①入社難易度・人気度ともに高い業界
- 将来性①需要拡大に合わせて業界全体で成長中
- 将来性②経営課題が複雑化・多様化しているためニーズは絶えずある
就活生
コンサル業界って今は勢いのある業界のように感じますが将来性はどうなのでしょうか?
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どれだけ現状に勢いがあっても、将来どうなるかわからない状態では志望先として選んでいいのか悩みますよね。
コンサルティング業界は成長市場であり、現状はDX推進や企業を取り巻く複雑な状況を背景にニーズは拡大し続けています。現状も需要が高まっている業界といえますが、この傾向は将来的にも続くと予測されていますよ。
ここからはそういった現状と将来性の2軸でコンサルティング業界を分解し解説していくので、しっかりチェックしておきましょう。
現状①入社難易度・人気度ともに高い業界
コンサルティング業界は就活生から人気の高い業界ということもあり、応募数も多く、加えて携われる事業範囲の広さや待遇の高さから、レベルの高い学生からの応募も集まる、入社難易度の高い業界です。
業務特性上、企業が求める基準もハードルの高いものになるため、目指すうえでは入念な対策が必要となります。
また、コンサルティング業界はロジカルシンキングをはじめとした、ビジネスに必要な総合力が高まるイメージもあり、新卒だけでなく転職市場でも志望する人の多い人気業界です。
将来性①需要拡大に合わせて業界全体で成長中
コダワリ・ビジネス・コンサルティングによる国内コンサルティングの市場規模についての調査「日本のコンサルティング市場規模将来予測(2023‐2030)」によると、2022年には1.8兆円規模だった国内ビジネスコンサルティング市場は、2030年には2.1兆程度にまで拡大する可能性があると試算しています。
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企業のDXに向けた需要拡大は「DXバブル」とも呼ばれ、こういった社会背景も追い風となり、コンサルティング業界は高い成長を続けています。十分に将来性の高い業界だといえるでしょう。
将来性②経営課題が複雑化・多様化しているためニーズは絶えずある
技術革新や社会変化によって生じる新たな課題だけでなく、急速なグローバル化の影響も加わり、企業が取り組む課題は複雑化しています。また業種はもちろん、企業の成長段階や経営方針などによっても多種多様な課題が生まれていきます。
こうした経営課題が複雑化・多様化していく状況は今後も続くと予想され、課題解決のためのコンサルティング業界へのニーズはますます増していくと考えられます。
コンサルティング業界の4つの職種と仕事内容
コンサルティング業界には外資系・国内系と多種多様なコンサルティングファームがありますが、コンサルタントの役職やその仕事内容は基本的にどのファームでも同じです。
ここからは代表的な以下4つのコンサルタント職種とその仕事内容について解説します。それぞれの違いや特徴を理解し、コンサルティング業界のイメージをさらに具体的にしていきましょう。
- アナリスト
- コンサルタント
- マネージャー
- パートナー
①アナリスト
アナリストはコンサルタントやマネージャーをサポートする職種で、新卒入社や未経験転職の場合に最初に就くポジションです。情報の収集やデータ分析、議事録や提案資料の作成などの業務を担いコンサルタントをサポートします。
アナリストは明確な所属部署がない場合が多く、プロジェクト毎に編成されたチームに加わりプロジェクト内の業務を担当するケースが一般的です。
プロジェクトごとに一緒に働く上司・同僚が変わったり、海外や地方へ出張したりすることもあり、多様な経験を積むなかでコンサルタントとして必要なスキルを磨くことができるポジションです。
②コンサルタント
コンサルタントはコンサルティングの実務をおこなうメインプレイヤーです。クライアントへのヒアリングや調査をもとに、課題の解決策を考え提案します。
ファームの特徴や担う業務によって変わる部分もありますが、提案だけでなく解決策の実行までサポートする場合もあります。クライアントの課題に寄り添い、二人三脚で解決まで歩みを進める職種です。
キャリア
アドバイザー
コンサルタントとしての経験やキャリアを積み上げていくなかで、マネージャーやパートナーへのキャリアアップを目指す人も多いですよ。
③マネージャー
マネージャーはパートナーが獲得した案件についてプロジェクト全体の責任者としてマネジメントをおこなうポジションです。
自身もコンサルタントの業務を担いながら、予算管理やタスクの振り分けなどのプロジェクト管理や部下育成も担います。プロジェクト全体の責任を持つリーダー的な役割です。
④パートナー
パートナーはコンサルタントのキャリアの最終地点となる役員クラスの役職です。経営陣としてコンサルティングファームの経営を担うと同時に、コンサルティングファームの場合は案件の獲得もパートナーが担います。
会社の顔として、クライアントである企業の経営層の人たちと信頼関係を構築することが求められる、責任重大なポジションです。
キャリアアドバイザーコメント成瀬 遼プロフィールをみる
コンサルタントのキャリアアップについて、上記のようにアナリストからコンサルタント、マネージャーに昇進する以外の方法としては、転職でキャリアアップを狙うのも1つの手段です。
まず考えられるのが、プロフェッショナルとして転職する方法です。経営企画や組織人事、IT・デジタルなど、コンサルタントとして養った専門的な知見やスキルを活かし、業界や領域を絞って特化した人材になることで市場における希少性を高め、キャリアアップを目指します。
また、事業会社、つまりコンサルタントのクライアント企業に転職するのも1つの方法です。コンサルタント会社を使わず、自社で経営戦略などを考案したい企業に転職し、事業会社内の社員の1人として、経営戦略や業務効率化などのプロジェクトを推進するというのも、ぜひ視野に入れておきましょう。
コンサルティング業界の主な種類と代表企業27選
- 総合系コンサルティングファーム
- 戦略系コンサルティングファーム
- ビジネス系コンサルティングファーム
- IT系コンサルティングファーム
- シンクタンク系コンサルティングファーム
- M&A系コンサルティングファーム
- 事業再生系コンサルティングファーム
- 組織・人事系コンサルティングファーム
- 中小企業向けコンサルティングファーム
企業の課題解決を支援するコンサルティング業界ですが、企業が抱える問題は多種多様であるように、コンサルティングファームもまた得意とするテーマや対象クライアントの規模はさまざまです。
ここからコンサルティング業界の主な種類として、9個のグループの特徴とそれに含まれる代表的な企業を紹介します。どのようなファームがあるのか、分類を通じて全体像をつかむとともに、それぞれの企業がどのような分野を得意としているのかについても理解を深めましょう。
①総合系コンサルティングファーム
- PwCコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- KPMGコンサルティング
- デロイト トーマツ コンサルティング
- アクセンチュア
総合系は上流工程に当たる戦略立案からより具体的なオペレーションの改善まで幅広い範囲を担当するコンサルティングファームです。さまざまな専門家を抱えるため会社規模が大きいのが特徴です。
世界各国の大企業を主なクライアントとし、グループ各社のリソースを生かした大規模なプロジェクトとなる場合が多いです。
またそのなかでも、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティング、デロイト トーマツ コンサルティングの4社は「コンサルBIG4」とも呼ばれ、大きな存在感を発揮しています。
さまざまな専門家で構成された大きなチームの一員として、クライアント企業の課題解決に全面的にかかわることができるのは総合系ファームならではの魅力でしょう。
コンサルBIG4についてはこちらの記事でも詳しく解説していますよ。
関連記事
コンサルBIG4を比較解説|高難度の選考を勝ち抜くカギは企業理解
コンサルBIG4とは、世界4大監査法人と呼ばれる4グループ内の、それぞれのコンサル業務を担う各社を総称した呼び方です。就活生から根強い人気を誇るコンサル業界の中でも、とくに人気のコンサル企業となっており、目指すうえでは入念な対策が必須です。この記事ではキャリアアドバイザーの解説をもとに、必要な対策から押さえておきたい各社の特徴をまるごと解説。ぜひチェックしてくださいね。
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①PwCコンサルティング
- 設立:1983年1月31日
- 従業員数:約4,500人(2023年6月30日現在)
- 代表:大竹 伸明(代表執行役CEO)
- 理念:社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する
PwCコンサルティングは、イギリスを本拠とした世界最大のコンサルティングファームの1つです。世界中に拠点とメンバーを擁しており、日本法人もそのうちの1つです。
課題解決のために、PwCのグローバルネットワークを通じてさまざまな専門家を動員できることが大きな強みです。
②EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- 設立:2020年10月
- 従業員数:日本法人・4,215人(2024年2月1日時点)
- 代表:近藤 聡(代表取締役社長)
- 理念:Building a better working world(より良い社会の構築を目指して)
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、イギリスを本拠地としている、アーンスト・アンド・ヤングの日本法人です。
グローバルネットワークとIT分野などの多様な専門家を活かし、企業の戦略策定から実行までをワンストップで支援できることが強みです。
⽇本企業の全世界への事業展開支援や、海外企業の日本進出といったクロスボーダー案件(国境を越えた案件)に多数対応するほか、財務プロセス改善・業務改善といった分野での活躍がみられます。
③KPMGコンサルティング
- 設立:2014年7月
- 従業員数 1,795人(2023年7月1日現在)
- 代表:宮原 正弘(代表取締役社長 兼 CEO)
- 理念:Inspire Confidence,Empower Change.(社会に信頼を、変革に力を)
KPMGコンサルティングはKPMGジャパングループ8社のうちの1つで、おもにビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供しています。
AI(人工知能)、IoT、ブロックチェーンといった最先端のテクノロジーをサービスに活用し、企業の持続的な成長を攻めと守りの両輪で支援しているのも特徴の1つです。
④デロイト トーマツ コンサルティング
- 設立:1993年4月
- 従業員数:日本法人 5,324人(2023年6月1日現在)
- 代表:佐瀬 真人(代表執行役社長)
- 理念:Lead the way 明日への道をともに拓く。
デロイト トーマツ コンサルティングは企業への戦略立案から実行まで一貫して支援するコンサルティングファームです。世界中に拠点とメンバーを抱えており、多国籍企業から主要な日本企業まで幅広く支援しています。
クライアント企業の課題解決のみならず、児童労働の撤廃などの社会課題解決にも注力している点が特徴で、民間企業、行政・国際機関、NGO・NPO、学術機関など連携した支援もおこなっています。
⑤アクセンチュア
- 設立:1995年12月
- 従業員数:日本法人 約23,000人(2023年12月1日時点)
- 代表:江川 昌史(代表取締役社長)
- 理念:テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する
アクセンチュアは1950年代にアメリカのトップ監査法人だったアーサー・アンダーセンのビジネス&テクノロジーコンサルティング部門に由来を持っています。世界中の都市に拠点を持ち、膨大なメンバーを擁する世界最大級のコンサルティングファームです。日本でも学生から人気の就職先として注目を集めています。
アクセンチュアのサービス領域はおもに以下の5つで構成されています。目指す場合は理解必須のポイントなので、チェックしておきましょう。
- 戦略立案から業務変革の実行まで伴走する「Strategy&Consulting」
- クリエイティブやテクノロジーを駆使してビジネス成長を支援する「Song」
- 最先端技術を駆使してイノベーションを実現する「Technology」
- 人とデジタルの力で価値を生む「Operations Service」
- 研究開発や製造などモノつくりのデジタル変革を支援する「Industry X」
②戦略系コンサルティングファーム
- ベイン・アンド・カンパニー
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- A.T. カーニー
戦略系コンサルティングファームとは、企業の戦略領域支援に特化したファームです。総合系ファームと比べると比較的規模は小さく、少数精鋭のファームが中心となっています。
欧米に本社を置く外資系が多く、なかでも「MBB」(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニー)と呼ばれる3社が特に有名です。
経営上の課題解決に向けた戦略策定やアドバイスをおこなうことを主要な業務としていますが、近年は経営課題の複雑化に伴い戦略の提案だけでなく実行まで携わるといった変化がみられ、総合系ファームとの垣根はあいまいになってきています。
⑥マッキンゼー・アンド・カンパニー
- 設立:1971年(日本オフィス)
- 従業員数:グローバル 約38,000人以上
- 代表:岩谷 直幸(日本支社長・日本代表)
- 理念:To help create positive, enduring change in the world.(世界に創造的かつ持続的な変化を生み出す後押しをする)
マッキンゼー・アンド・カンパニーは1926年にシカゴ大学の経営学教授ジェームズ・O・マッキンゼーと彼の仲間達によって創設された経営コンサルティングファームで、世界中に拠点を持つトップファームの1つです。
日本法人は開設されて50年以上で、日本の経営コンサルティングの草分け的な存在です。現在でも日本の多くのトップ企業をサポートしています。
⑦ボストン・コンサルティング・グループ
- 設立:1966年
- 従業員数:グローバル 30,000人
- 代表:秋池 玲子(日本共同代表)、内田 有希昌(日本共同代表)
- 理念:Unlocking the potential of those who advance the world
ボストン・コンサルティング・グループは1963年に設立された戦略系コンサルティングファームです。
アメリカのボストンに本社を置き、世界中に拠点を構えています。東京オフィスは1966年にボストンに次ぐ2番目の拠点として設立されました。同社を経て経営者や大学教授等に転じた著名人も多く、人材輩出ファームとしても有名です。
⑧ベイン・アンド・カンパニー
- 設立:1982年
- 従業員数:13,000人(グローバル)
- 代表:Dave Michels(デイヴ マイケルズ・日本代表)
- 理念:常にクライアント、社員、コミュニティに対して正しいことをおこなう
べイン・アンド・カンパニーは1973年に設立された、アメリカのボストンを本拠地とする経営コンサルティングファームです。世界中の市場を対象にグローバル展開しています。
多数のコンサルタントを抱えている強みを活かし、全社戦略や事業におけるDX案件なども多く扱っているのが特徴です。また、多くのNPO・NGOなどの非営利団体に無償でコンサルティングサービスを提供するなど、社会貢献にも取り組んでいます。
⑨A.T. カーニー
- 設立:1972年(日本オフィス)
- 従業員数:日本法人 約200人(グローバル:5,300人)
- 代表:関灘 茂(日本代表)
- 理念:顧客企業の成功が、A.T. カーニーの成功である
A.T.カーニーは1926年に創立されたマッキンゼー・アンド・カンパニーのシカゴオフィスが独立した会社です。世界中で事業を展開しており、多国籍企業や各国の大手企業、政府系機関等が中心顧客です。
日本法人は1972年に設立され、金融、通信、ハイテク、自動車、消費財・小売をはじめとする幅広い分野において多くの日本企業のコンサルティングをおこなっています。
③ビジネス系コンサルティングファーム
- キャップジェミニ
- レイヤーズ・コンサルティング
- 日本アイ・ビー・エム
クライアント企業の業務プロセス改善や新たな業務フロー策定など、ビジネスプロセス全般の改善に携わるのがビジネス系(業務系)コンサルティングファームです。
企業活動は、バリューチェーンと呼ばれる、生産管理・販売・経理・人事などのさまざまな業務プロセスのつながりによって成り立っています。企業はこれらのプロセスにムリ・ムダがないかを分析し、改善しなければなりません。
これらの改善に向けての分析・提案、そして改善策の導入までをビジネス系ファームは支援しています。
⑩キャップジェミニ
- 設立:2013年
- 従業員数:グローバル 360,000人(2022年)
- 代表:保積 弘康(執行役員社長)
- 理念:バリューを中核に据え、倫理的な未来への道を切り拓く― 常に倫理原則に従って行動する―
- 掲げるバリュー:誠実、大胆、信頼、自由、楽しさ、謙虚、チームスピリット
キャップジェミニはフランス発のコンサルティングファームです。コンサルティングだけでなく、DXから研究開発、エンジニアリングサービスを強みとし、戦略から実装までエンドツーエンドなサービスを提供しています。
デジタルやテクノロジーに強みがあり、日本法人は金融や製造業がクライアントの中心です。グローバル企業でありながら日本法人は2013年設立と新しい点も押さえておきたいポイントです。
⑪レイヤーズ・コンサルティング
- 設立:1983年
- 従業員数:450人(2023年4月現在)
- 代表:杉野 尚志(代表取締役CEO)
- 理念:戦う創造集団
レイヤーズ・コンサルティングは日本発の独立系コンサルティングファームです。
日本企業が抱えるさまざまな経営課題を、独自のノウハウを活かして解決に向けた支援をしています。またそうした支援を通じて、日本全体の経済活動の発展に取り組むことを軸としているのも、一つの特徴です。そういった背景もあり、生産性の向上に向けて、ビジネス改革とデジタル技術を武器としたDX支援に注力しています。
多くの支援実績を持つほか、異業種間交流・議論を通じて知識を共有し合う研究会を主催・運営するなど、日本発ならではのつながりを活かしたオープンイノベーション支援も特徴の1つです。
⑫日本アイ・ビー・エム
- 設立:1937年6月17日
- 従業員数:非公開
- 代表:山口 明夫(代表取締役社長執行役員)
- 理念:THINK(考えよ)
日本アイ・ビー・エム(IBM)は世界中で事業を展開する、世界最大規模のITコンサルティングファームであるIBMの日本法人です。
グロバールネットワークと最先端のテクノロジーを活用し、ビジネスコンサルティングからITシステム導入・運用管理、アウトソーシングまでと、あらゆる局面で支援をおこなっています。
近年では課題解決にとどまらず、同社がもつノウハウをやパイプを活かしてさまざまな企業や機関と連携し、これまでにない新たなビジネスモデルの創出することへの役割も期待されています。
④IT系コンサルティングファーム
- 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
- TIS
IT系コンサルティングファームは、IT戦略やシステム構想、システム導入による業務改革を得意としているコンサルティングファームで、その特性上からIT企業を親会社として持つ場合も多いです。
DXを推進するため、既存事業やビジネスモデルにIT技術を取り入れることは多くの企業が抱える課題です。そのためIT技術・知識を武器とし、戦略から実行まで一気通貫で課題解決を担えるIT系ファームが増えてきたという背景があります。
⑬日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
- 設立:2014年7月1日
- 従業員数:日本法人 約3,500人
- 代表:垣原 弘道(代表取締役社長)
- 理念:Building greater futures through innovation and collective knowledge(イノベーションと集合知でよりよい未来をつくる)
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズは、インド最大の財閥であり世界有数のコングロマリット(さまざまな業種を要する複合企業)であるタタ・グループの日本法人です。
日本法人はタタ・グループと三菱商事の合弁IT企業として2014年に設立されました。業界最高水準のITサービスやソリューションをとおして、多種多様な企業を数多く支援しています。
⑭TIS
- 設立:2008年4月1日
- 従業員数:連結 21,946人 単体 5,695人(2023年3月31日時点)
- 代表:岡本 安史(代表取締役社長)
- 理念:OUR PHILOSOPHY
TISは国内大手の総合ITサービス企業です。1971年に三和銀行(現在の三菱UFJ銀行)のシステム子会社として創業して以来、50年にわたり国内の金融、製造、流通、サービス、公共、通信など多種多様な産業をITの力で支援しています。
なかでも金融・決済分野が強みの1つで、クレジットカードの基幹システム開発では国内市場シェアを多く占めるなど、業界内においてはその存在感も大きく発揮しています。
⑤シンクタンク系コンサルティングファーム
- 野村総合研究所
- NTTデータ経営研究所
- 三菱総合研究所
- 富士通総研
シンクタンクとは、英語の「think(考える)」と「tank(タンク)」が組み合わさった言葉です。政治、経済、科学技術など、幅広い分野にわたる課題や事象を対象とした調査・研究をおこない、政策立案・提言などをおこなう研究機関を指します。
シンクタンク系コンサルティングファームは、大手証券会社や金融機関を親会社に持ち、多くは国や行政の公的機関からの依頼を受けます。そのため社会的に影響力の大きいプロジェクトや社会問題の解決に取り組むことも多いです。
そういった特徴がある反面、専門的な知識などが要求されやすく、応募条件が大学院卒になっているケースが多いです。学部生で挑戦できる企業もありますが、競争率が高く入社難易度は高いでしょう。
⑮野村総合研究所
- 設立:1965年4月1日
- 従業員数:6,782人 ※NRIグループ 17,394人(2023年3月31日現在)
- 代表:此本 臣吾(代表取締役会長 兼 社長)
- 理念:未来創発-Dream up the future.-
野村総合研究所は、野村證券から分離独立し分社化した2社(1965年に設立された日本初の本格的な民間総合シンクタンクの「旧野村総合研究所」と、1966年設立で日本で初めて商用コンピュータのビジネス利用を実現した「野村コンピュータシステム」)が1988年に合併して誕生した、国内シンクタンクの草分け的存在です。
コンサルティングによって問題発見から解決策を導きだす「ナビゲーション」と、システム開発・運用などによって課題解決を実現する「ソリューション」までを一貫して提供する「トータルソリューション」を強みとしています。
⑯NTTデータ経営研究所
- 設立:1991年 4月12日
- 従業員数:361人(2022年9月時点)
- 代表:山口 重樹(代表取締役社長)
- 理念:Design for Info-Future 新しい社会の姿を構想し、ともに「情報未来」を築く
NTTデータ経営研究所は日本最大のSI(システムインテグレーション)会社であるNTTデータを親会社に持つシンクタンク系コンサルティングファームです。
システムの企画から運用まで一貫して請け負うSI案件や、ITシステム構築を前提としたITコンサルティングはNTTデータが提供しており、同社は企業の経営課題解決や社会課題解決などの上流プロセスのコンサルティングに特化しています。
官民双方をクライアントに持ち、戦略立案・新規事業開発から、政策提言・社会実装の支援をしてきたことも特徴の1つです。
⑰三菱総合研究所
- 設立:1970年5月8日
- 従業員数:4,235人(2022年9月30日現在、単体1,093名)
- 代表:籔田 健二(代表取締役社長)
- 理念:社会課題を解決し、豊かで持続可能な未来を共創する
三菱総合研究所は1970年に三菱創業100周年記念事業として設立され、国内屈指の総合シンクタンクとして経済・企業経営から政策・公共・科学技術分野にいたる広い領域で、社会課題とクライアント課題の解決を担っています。
ミッションとして社会解決課題を掲げており、公への貢献を重視しているのも特徴の1つです。近年はシンクタンクとしての提言にとどまらず、提言の実現・実装までを支援するため、特にITソリューション分野の強化・拡大方針を強く打ち出しています。
⑱富士通総研
- 設立:1986年6月20日
- 従業員数:74人(2023年4月1日現在)
- 代表:石塚 康成(代表取締役社長)
- 理念:お客様の成長のために ともに考え行動する イノベーション・パートナー
富士通総研はメーカー初のシンクタンク・コンサルティング会社として設立された富士通グループのシンクタンク系ファームです。おもに国、地方自治体、関連団体など公共部門向けに調査研究・コンサルティング事業を展開しています。
より良い日本の未来の創造と、最先端の社会創りに貢献することをミッションとしているのも特徴で、公共政策研究センターを併設し、次々と変化を続ける社会のなかで生まれる新たな課題への対処や、それに合わせた政策、制度といったものに対して、さまざまな観点からから研究をおこなっています。
⑥M&A系コンサルティングファーム
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー
- PwCアドバイザリー
- KPMG FAS
M&Aとは「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略で、企業・事業の合併や買収をさします。
M&Aなど金融・財務関連のコンサルティングに特化したコンサルティングファームは、Financial Advisory Serviceを略してFAS系とも呼ばれ、具体的なサービスとしてM&A支援や企業再生支援、不祥事の予防支援や不正調査などをおこなっています。
近年はクロスボーダーM&A案件(国境を越えた企業の合併・買収)の増加に伴い、グローバルネットワークを有する企業が存在感を強めている分野でもありますよ。
⑲デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー
- 設立:2001年6月
- 従業員数:約1,656人(2023年5月末日現在)
- 代表:福島 和宏(代表執行役社長)
- 理念:日本のビジネスを強く、世界へ。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、デロイト トーマツ グループのメンバーファームとして設立されました。
トーマツグループの力を活かし、監査、会計、税務、年金、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリーサービスなど、幅広い範囲にわたって日本企業の企業価値向上を支援しています。
近年はクロスボーダー案件が多く、グローバルで活躍したい人にはチャレンジの機会が豊富にある点も魅力の1つです。
⑳PwCアドバイザリー
- 設立:1999年 6月1日
- 従業員数:約900人(2023年6月30日現在)
- 代表:吉田 あかね(代表執行役)
- 理念:社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する
PwCアドバイザリーは、国内最大規模のコンサルティングファームPwC Japanのメンバーファームです。
AI(人工知能)を活用した戦略の立案から、企業価値を向上させるための施策の具体化と実行、社内外のステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーション戦略まで一貫してサポートしています。
またPwCグループのグローバルネットワークを活用し、クロスボーダーのM&A支援をおこなっている点も強みの1つですね。
㉑KPMG FAS
- 設立:2001年9月
- 従業員数:日本法人 676人(2022年4月現在)
- 代表:知野 雅彦(代表取締役)
- 理念:Inspire Confidence,Empower Change.(社会に信頼を、変革に力を)
KPMG FASはKPMGインターナショナルのメンバーファームです。日本法人も多数の従業員を擁しており、国内外における企業のM&Aや事業再生の支援から、経営戦略の策定と実行のサポートまで幅広く事業を展開しています。
加えて海外を含めたグループ経営やガバナンス体制の構築支援、企業内不正・不祥事調査・防止など、手がける範囲はとても幅広い点も特徴の1つです。
⑦事業再生系コンサルティングファーム
- 経営共創基盤
- フロンティア・マネジメント
業績の低迷・悪化という危機的状況からの脱出や、グローバル競争に勝ち残るための企業再生支援をおこなうのが事業再生系のコンサルティングファームです。
再生支援の戦略を描くだけでなく、コスト削減・業務改善の実行や、金融債権者などのステークホルダーとの折衝など、直接企業内部に入り込んでの再生支援をおこなうファームも存在します。
㉒経営共創基盤
- 設立:2007年4月1日
- 従業員数:単体 約220人 / グループ合計 約7,500人
- 代表:村岡 隆史(代表取締役CEO)
- 理念:経営と経済に新しい時代を切り拓く
経営共創基盤は、産業再生機構の元メンバーが中心となって設立した国内戦略コンサルティングファームです。コンサルティングだけでなく、起業支援や投資の領域でも事業を展開しています。
事業を経営するなかで直面するさまざまな課題に向き合うとともに、現場からの経営革新を共創するなど、多角的な視点からの支援を軸としています。
㉓フロンティア・マネジメント
- 設立:2007年1月4日
- 従業員数:363人(グループ連結・2023年6月末日現在)
- 代表:大西 正一郎(代表取締役 社長執行役員)
- 理念:「クライアントの利益への貢献」「ステークホルダーの利益への貢献」「社会への貢献」
フロンティア・マネジメントも産業再生機構の元メンバーが中心となり立ち上げたコンサルティングファームです。
弁護士・会計士・税理士や、経営コンサルタント・産業アナリスト、投資銀行出身者など、多種多様な専門家で構成されているのも特徴の1つです。業界知識に精通したコンサルタントが、経営やM&Aなど多方面に支援をしています。
メガバンクや地方銀行などの金融法人との関係構築や維持を専任する事業開発部を擁しており、長年かけて関係構築された、日本全国に渡る緊密な金融法人ネットワークも強みの1つです。
⑧組織・人事系コンサルティングファーム
- マーサー
- コーンフェリー
経営課題の中でも、組織・人事制度・採用・育成・評価などの人や組織にかかわる課題解決に特化しているのが組織・人事系コンサルティングファームです。組織としてのビジョンや人事戦略の策定、各種制度の構築・導入などを支援します。
社員の成長は企業の成長に大きくかかわるテーマです。また近年は若手社員の離職率の増加やマネジメント人材の不足など、人材にかかわる課題を抱える企業は多く、コンサルティング業界のなかでも組織・人事系のファームへの注目度は高いです。
㉔マーサー
- 設立:1978年(日本オフィス)
- 従業員数:日本法人 257人 (2023年4月1日現在)
- 代表:草鹿 泰士(代表取締役社長)
- 理念:お客様、同僚、そして地域社会のために明るい未来を築く
マーサーは、ニューヨークを本拠地とする世界最大級の組織・人事系コンサルティングファームで、日本法人設立から長年にわたり、多用な業種の企業・公共団体に対してサービスを提供しています。
組織・人事マネジメントにかかわる幅広いテーマを取り扱っており、具体的には組織改革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築など、さまざまな領域に関するサポートを提供しています。
㉕コーンフェリー
- 設立:1973年
- 従業員数:非公開
- 代表:ゲーリー・バーニソン(社長 兼 CEO)
- 理念:Be More Than
コーンフェリーは70年以上の歴史を持つ、組織・人材系コンサルティングのパイオニア的存在です。従来の人事に関するコンサルティングだけでなく、経営視点に立った、組織・人事課題を解決するための組織戦略コンサルティングもおこなうのが特徴です。
⑨中小企業向けコンサルティングファーム
- 船井総合研究所
- タナベコンサルティンググループ
中小企業向けコンサルティングファームは、おもに中小企業を対象とした日本発のコンサルティングファームです。経営者のニーズに合わせ多岐にわたる支援をおこないます。
全国各地にオフィスを構えて地域に根付いたコンサルティングを提供しているファームも多く、コンサルタントも現場まで入り込み実行まで支援するスタイルが多いです。
一方で近年はクライアントの対象を大企業まで広げ、海外進出支援などのような大型プロジェクトの取り扱いも増えています。
㉖船井総合研究所
- 設立:1970年
- 従業員数:817人(2022年12月末時点)
- 代表:真貝 大介(代表取締役社長 社長執行役員)
- 理念:サステナグロースカンパニーをもっと。
船井総合研究所は大阪府に本社を置く、中堅・中小企業を対象とした専門コンサルタントを擁する日本最大級の経営コンサルティングファームです。
経営者と伴走するようなコンサルティングを重視し、経営相談や実行支援をおこなっており、現場に密着し経営者に寄り添う実践的コンサルティングが高い評価を受けています。
㉗タナベコンサルティンググループ
- 設立:1957年
- 従業員数:660人(2023年4月1日現在)
- 代表:若松 孝彦(代表取締役社長)
- 理念:その決断を、愛でささえる、世界を変える。
タナベコンサルティンググループは日本の経営コンサルティング業界のパイオニアと呼ばれる企業グループです。 1957年の創業以来、グループ全体で大手企業から中堅企業まで数多くの経営コンサルティング実績を誇ります。
複数のコンサルタントがチームでプロジェクトを進める「チームコンサルティング」が特徴で、経営戦略の策定からオペレーションの実装までの、経営戦略全般を一気通貫で支援しています。
選考難易度の高いコンサルティング業界に就職するための攻略法5選
コンサルティング業界は学生からの人気も高く、求められるレベル感も高くなるため、入社難易度の高い業界です。加えて外資系ファームを中心に、大学3年生の秋~冬から内定を出すところも多く、選考スケジュールが早く進みやすいのも独自の特徴です。
さらにはインターンシップで内定が出る場合も多く、大学2年生の冬からなど、早めに準備を始めるのが一般的とされていますよ。
選考対策においてはケース面接という通常の企業ではあまり見られない選考方法を取る企業も多く、独自の対策も必要です。
厳しい選考を突破しコンサルティング業界で働くためには、早期からの対策が重要です。ここからは目指すならマストで取り組んでおきたい対策を5つ解説していくので、しっかりチェックしておきましょう。
①インターンを通じて実践的なコンサルタント経験を積む
学生の間はコンサルティングのサービスは身近になく、コンサルタントの仕事を体験したり、そこで求められる能力を体感できる機会は少ないです。だからこそ、インターンに参加することでその機会を獲得し、理解を深めることが選考突破のためのカギとなります。
インターンには数日~1週間程度の短期のものと、1カ月〜半年以上に及ぶ長期のものがあります。短期インターンは短期間で企業の概要を知れるというメリットがありますが、簡易的なグループワークが中心です。
長期インターンであれば実際のプロジェクトチームに参加することもでき、より実践的に企業やコンサルティング業界を理解することができます。コンサルティング業界で求められる論理的思考力や分析力を身に付けることも目指せますよ。
キャリア
アドバイザー
なかにはインターンで選考をおこなう企業や、インターン参加者向けの選考枠を別に設ける企業もあるなど、採用にも直結するケースもありますよ。機会があればぜひ参加を検討してみましょう。
長期間のインターンについてもっと調べておきたいなら、こちらの記事もチェックしておきましょう。
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インターンの種類とそれぞれの特徴
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➁ESは論理的な文章で書くことを意識
コンサルタントは実際の仕事においても、経営者やクライアントに対して、相手が抱えている課題をわかりやすく説明し、かつ解決まで導く必要があります。論理的に問題を発見・解決し、わかりやすく伝える力はコンサルタントに必須の能力です。
その観点で考えれば、コンサルティング業界に応募するうえではエントリーシート(ES)は論理的に組み立てて、論理的思考力をアピールする必要があります。
物事を結論と根拠に分け、つながりに矛盾や飛躍がないよう筋道を通しながら組み立てることを意識しましょう。自分の文章が論理的かどうか自信がない場合は、第三者にチェックしてもらうのがおすすめですよ。
- 友人・知人
- OB・OG
- 大学のキャリアセンター
- 就職エージェント
コンサルの志望動機についてはこちらを参照してください。
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コンサルならではの志望動機づくりのために知っておきたい4つの要素を紹介します。今回の記事ではキャリアアドバイザーがコンサル業界で求められる人物像を元に、職種別の志望動機例文も紹介するので、コンサル業界を目指す就活生のみなさんは必見です。
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③ケース面接の対策をおこなう
ケース面接とは、与えられた問いに対して一定の制限時間内に回答するという形式の面接です。
ケース面接の問いには「地球上に犬は何匹いるか?」など一見見当もつかないような数量に対し、根拠をもって推論をおこなうフェルミ推定、「○○の売上を倍増する施策を提案せよ」といったビジネスケース問題などがあります。
コンサルティング業界ではよくある選考スタイルで非常に難易度の高い選考ステップです。インターンの選考で用いられることもあり、早めに対策する必要があります。
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ケース面接の問題例はこちらを参考にしてみてください。
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キャリアアドバイザーコメント川﨑 瑛久プロフィールをみる
コンサル企業がケース面接をおこなう意図は、コンサルタントとして仕事をするうえで必要不可欠な「論理的思考力」や「問題解決能力」をチェックするためにほかなりません。ケース面接を通じて、適性や将来的に活躍できる可能性などを見極めています。
また、コミュニケーションスキルやプレッシャー耐性なども同時にチェックしています。これらは実際のコンサルティングで必須の能力のため、面接官とコミュニケーションを取りながら解決策を導けているか、限られた時間内で冷静に対応できているかなどを細かく評価しているのです。
上記のとおり、ケース面接はコンサルタントの適性や資質を見極めるうえで効果的な手段です。特殊かつ難易度の高い選考ではありますが、いくつかの出題パターンなどを把握すれば突破できる可能性も高まるため、必ず事前準備や対策をおこないましょう。
④コンサルタントの仕事内容を理解し自分の適正をアピール
コンサルタントは、企業の経営課題を解決するために、さまざまな提案や支援をおこなう仕事です。そのため、コンサルタントには、論理的思考力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力など、さまざまなスキルや適性がもとめられます。
そのため、コンサルタントの仕事内容を理解することはもちろんのこと自己分析を通じて自分の適性を把握し、アピールすることが大切です。
職種への理解を深めるとともに、自分自身への理解を深めて、どんな強みを持っていて、それがコンサルタントとしてどのように活かせるのかまで、具体的に言語化しておきましょう。
自己理解を深めるためには徹底した自己分析が欠かせません。複数の手段を併用することでより正確に分析することができるため、こちらの記事をチェックしておきましょう。
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こんにちは!キャリアアドバイザーの北原です。この記事では、自己分析の目的や具体的な方法についてご紹介していきます。自己分析とは、自分の過去の経験を整理して、長所や短所などの性格や物事に対する価値観について理解を深めること […]
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⑤コンサル業界を正しく理解し自分なりの展望をもつ
仕事内容だけでなく業界の歴史や各ファームの特徴など、コンサルティング業界の全体像を正しく理解していなければ、志望企業ならではの志望動機を伝えることはできません。
どのようなコンサルタントになりたいのか、コンサルタントとしてどのような価値を生み出したいのか、自分なりの展望を持って応募企業を志望する理由につなげると、説得力のある自己PRが可能になるでしょう。
自分なりの展望を考えるうえでは、将来どうなりたいのかという将来の目標から考えるのもおすすめですよ。将来の目標の立て方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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将来の目標で面接官をうならせる回答|評価点やESの書き方も解説
将来の目標は、入念な自己分析や企業研究をおこない明確に答えると活躍イメージを持ってもらえます。 この記事では企業が将来の目標を聞く意図、回答のポイント、目標の決め方などをキャリアアドバイザーが解説します。 動画や例文も参考に自分のキャリアに向き合いましょう。
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キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
キラキラしたイメージや人気業界という理由だけでコンサルタントを目指し、入社後どう活躍していきたいのか、どのような価値を発揮したいのかといった「具体的な発想」を持てていない人は、実は少なくありません。
ただ、この具体的な発想こそ、周囲との差別化を生み出し、人気かつ難易度の高いコンサルタント企業から内定を獲得するために重要なポイントとなります。そして、具体的な発想を持つためには、やはりインターンなどを通じて、実際のコンサル業務を経験することが最も効果的な方法です。
また、コンサルタントとして活躍している社会人に話を聞くのも有効な手段となります。実際に業務をおこなっている人の経験談であれば、リアルなイメージにもつながりやすいほか、その人のこれまでのキャリアを聞くことで、将来の展望なども考えやすくなるでしょう。
コンサルティング業界について学生から良くある質問に回答!
ここからは、コンサルティング業界に興味のある学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。疑問を解消できてない状態では動き出しに迷ってしまうこともあるので、ここでしっかりと理解しておきましょう。
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コンサルティング業界はなぜ人気なのでしょうか?
まずコンサルティング業界が成長産業で将来性が高いことが挙げられます。高収入が得られ、社会的地位も高い職種です。大手企業などの経営課題の解決やグローバル進出など社会への影響力が高く、やりがいが得られやすい点も魅力です。また現在は変化が激しく大手企業に入社しても一生安泰とは限らない時代ですが、コンサルティング業界であればどの業界でも通用する高いビジネススキルが手に入ります。まず新卒でコンサルティング業界に入り、スキルを磨きたいという学生からも人気を集めているようです。
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コンサルティング業界は新卒より転職で入った方がいいですか?
コンサルティング業界は新卒・転職いずれも入社のチャンスはありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。新卒入社の場合、社会人としての基礎ができる期間をコンサルティングファームで過ごすことで、論理的思考力などの基礎がしっかり固められます。一方で事業会社の経験がなくクライアントの立場を理解する点で難しさを感じることもあるようです。転職の場合は事業会社での経験を活かしクライアントに寄り添った支援が可能です。業界経験で培われた専門性が評価されるため、入社難易度が新卒よりも下がるというメリットがあります。
一方で業界経験が買われて採用となるため、新卒入社組と比べるとかかわれる案件の幅が限られる点をデメリットと感じる人もいます。どちらを選ぶかが正解ということはありません。自分がどのようなキャリアを積みたいかに応じて選択しましょう。
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コンサルタントとして成功するための秘訣は?
コンサルタントとしてクライアントから信頼され選ばれ続けたり、社内で高く評価されたりすることを成功と考えるならば、求められる力を磨くと同時に自身の強みを理解し発揮していくことが重要です。多くのコンサルティングファームはチームでプロジェクトを進めます。そのため人それぞれ違う得意領域を活かしながらチームで成果を出すことが評価につながります。チームプレーでないファームの場合も、あなた自身が持つ個性を活かすことがクライアントからあなた自身が選ばれることにつながるでしょう。
コンサルタントとしての成功を目指すためにも、就活段階の自己分析に真剣に向き合うことをおすすめします。
攻略法を理解してコンサルティング業界への就職を成功させよう!
コンサルティング業界はライバルも多く、選考自体の難易度も高いです。攻略法を理解し、早めに動き出すことが内定獲得のカギとなります。
就活に向けた早めの動き出しは、途中で志望業界が変わったとしても確実にプラスになりますよ。この記事を読んだことがまずは第1歩です。次の1歩も踏み出し、コンサルティング業界への就職を成功させましょう。
そうして次第に国内系ファームも登場し、中小企業を対象としたものやシンクタンク系のファームも増えてきました。