目次
- 第二新卒は転職市場において注目を集めている
- まずは「第二新卒」の定義を知ろう
- 新卒・既卒・中途との違い
- 企業が第二新卒を求める理由
- 教育コストを削減したいから
- ミスマッチを軽減させたいから
- 企業風土になじみやすいから
- 第二新卒として転職活動をおこなうメリット・デメリット
- メリット①職種や業界を変えるチャンス
- メリット②自分に合った企業を見極めやすい
- デメリット①早期離職を心配される
- デメリット②条件によっては不利になる
- 本当に転職して良い? まずは落ち着いて転職理由を考えよう
- ①仕事にやりがいを感じない
- ②労働条件に不満を感じる
- ③人間関係が良好でない
- ④今の仕事を辞めたい
- 転職を決めたら転職スケジュールに沿って行動しよう
- そもそも転職しやすい時期は?
- 【準備編】第二新卒の転職を成功させるコツ
- 転職理由をきちんと整理する
- 採用活動の動向をチェックする
- 第二新卒向けのサイトを利用する
- エージェントを積極的に利用する
- 【選考編】第二新卒の転職を成功させるコツ
- 志望動機と今後のキャリアを関連させる
- 企業の評価基準を踏まえたアピールをする
- 提出書類ではスキルよりも熱意のアピールを重視する
- 「辞めた理由」はポジティブな伝え方をすることが大切
- 例文:仕事にやりがいを感じない
- 例文:労働条件に不満がある
- 例文:人間関係が良好でない
- 第二新卒とは何か理解したうえで転職活動を進めよう
第二新卒は転職市場において注目を集めている
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。
「最近、第二新卒って言葉を知ったんですけど、これって何ですか?」
「第二新卒って、ちゃんと転職できるのでしょうか……」
このような相談を受けることがあります。一度新卒として企業に入社したものの、どこかでミスマッチを感じてしまい転職を考えだす人もいることでしょう。社会人としての経験がまだ数年の人が転職を考えだしたときに、さまざまな場面で「第二新卒」という言葉を目にしたのではないでしょうか。社会経験がある上に、大学卒業からの年数もあまり経っていない第二新卒は、転職市場において一定の注目を集めています。
この記事では、まずは第二新卒の定義や社会における第二新卒の現状について解説します。そのうえで、実際に第二新卒として転職活動をおこなう際のコツなどもお伝えしていきますね。現職からの転職の決意を固めた人はもちろん、転職すべきかどうか悩んでいる人もぜひ読んでみてくださいね。
まずは「第二新卒」の定義を知ろう
そもそも一般的に第二新卒とは、学校を卒業後に一度就職をしたものの、約3年以内に離職し転職活動をおこなう若手の求職者を指します。年齢でいうとおよそ25歳前後になりますね。
しかし、この場合の「学校」は大学に限らないため、最終学歴によって第二新卒に値する年齢は変わります。また第二新卒を募集する企業によっても微妙に定義が異なるため、厳密に第二新卒とは何か定義づけることは難しいでしょう。
しかし、そのような中で共通するのは「短期でも社会人としての経験がある」という点。社会人経験のない新卒と、経験やキャリア豊富な社会人の中間として扱われていると考えると良いですね。
新卒・既卒・中途との違い
新卒・既卒と第二新卒の大きな違いは「社会人経験があるかどうか」。その中で、新卒とは学校を卒業した年に就職する人のことであり、既卒とは学校を卒業してからの社会人経験がない人のことを指します。
第二新卒と中途は社会人経験の長さが大きな違いだと考えると良いでしょう。先ほど第二新卒とは、新卒で企業に入社後およそ3年以内に離職をする人を指すとお話ししました。中途はひとつの企業に3年以上勤務し、キャリアやスキルを積んだのちに転職活動をおこなう人たちです。詳しくはのちほど解説しますが、第二新卒と中途は同じ求職者という立場ではありながらも、求められるスキルが違っています。
あなたが受けないほうがいい職業をチェックしよう
就活では、自分が適性のある職業を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で強み・弱みを理解し、自分がどんな職業に適性があるのか知りましょう。
・自分の志望業界との相性を確かめてみたい人
・入社後にギャップを感じたくない人
企業が第二新卒を求める理由
とはいえ、企業はなぜ「新卒」でも「中途」でもなく「第二新卒」を求めるのでしょうか。企業が第二新卒だからこそ期待していることを解説していきます。
教育コストを削減したいから
新卒で企業に入社後は、まずは基礎的な敬語や名刺交換などのビジネスマナー研修を受けた人が多いのではないでしょうか。または同業界・同職種での転職であれば、仕事で必要な業界知識などもある程度身に付いていることでしょう。
新卒ではなく第二新卒を採用することで、企業側はこのような社会人基礎などを培うための教育コストを削減できるメリットがあると考えています。
ミスマッチを軽減させたいから
基本的に第二新卒の離職率は新卒よりも低いとされています。第二新卒の多くは短いながらも社会人としての経験を積んだことで、新卒に比べてやりたいことや自分の望む環境が明確に・現実的になっていることが多く、就職活動を自発的に、しっかりとしたビジョンを持っておこないます。
また短期離職の経験から「次は長く働きたい」と考えている人も多く、新卒以上に慎重に企業選びをおこなう傾向にあります。そのため、必然的にミスマッチが少なくなるのです。
企業風土になじみやすいから
キャリアを積んだ中途の場合、仕事における自分のルールやこれまでの経験など、基盤がしっかりできあがっています。しかし第二新卒はまだ社会や前職の企業に染まっていないほか、自分の仕事の進め方も確立しきっていませんよね。
中途採用は即戦力を獲得できるメリットがありますが、逆に中途社員がその基盤に固執してしまう場合には、かえって企業での生産性に悪影響を及ぼしてしまうこともあるでしょう。それに対して第二新卒は社会人経験が浅い分柔軟性に優れ、企業風土に馴染みやすかったり、他者の指摘によって能力を引き出す余地があると考えられています。
企業にはそれぞれの社風があります。見極め方は以下の記事も参考にしてくださいね。
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入社後に後悔しないためにも、社風の理解はとても大切です。今回の記事ではキャリアアドバイザーが、なぜ社風を理解することが大切かを解説した上で、社風を把握するための切り口や方法を紹介していきます。業界ごとの社風の傾向も紹介しているので、自分に合った企業探しの参考にしてみてください。
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第二新卒として転職活動をおこなうメリット・デメリット
求職者
第二新卒でも転職ってできそうなんですね!
キャリアアドバイザー
もちろんです! 逆に、第二新卒だからこそ転職すべきメリットもありますし、当たり前ですがデメリットもあります。 もし本気で転職を考えるなら、メリット・デメリットの両方の面を知っておきましょう。
企業が第二新卒に多くのことを期待しているように、第二新卒には新卒や中途にはないメリットがあります。しかし、それとともにデメリットも存在しています。本当に転職活動を考えるならば、メリット・デメリットどちらもしっかりと把握し、両方を天秤にかけて考えてくださいね。
メリット①職種や業界を変えるチャンス
基本的に、中途採用は即戦力を期待された採用活動がおこなわれるため、これまでに培った経験やスキルが重要視されます。つまり、これまでのキャリアを活かせるように同じような業界・職種に限定して応募をすることになります。
その点、第二新卒は社会人経験も浅いため、特別活かせるようなスキルはまだ持ち合わせていませんよね。企業もその点は理解しているため、第二新卒に対して即戦力となることは期待していません。また未経験を歓迎する求人も多いため、中途に比べると業界や職種の幅が広がります。新しい業界や職種に飛び込む最後のチャンスといえるでしょう。
キャリアチェンジに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。若手のキャリアチェンジの実態についても紹介しているので、キャリアチェンジを考えている人は併せて活用しましょう。
キャリアチェンジ成功の手引き|基礎知識から選考対策まで一挙公開!
メリット②自分に合った企業を見極めやすい
新卒の就職活動では社会人経験がないため、どんなに企業研究などをおこなっても、どうしても現場のリアルとの認識のずれやミスマッチが起こることもあります。しかし第二新卒では自身の過去の社会人経験から、自分がやりたいことや働きたい環境などがある程度見えてきているのではないでしょうか。
このように、第二新卒は新卒に比べて自分に合った企業を見極めやすいといえるのもメリットのひとつです。
デメリット①早期離職を心配される
第二新卒とは新卒3年以内に離職している人のことを指します。つまり、比較的短いスパンで離職をしているとも取れるため、企業側から「入社後もまたすぐに辞めてしまうのでは?」と不安を持たれてしまうおそれがあります。
企業が、求職者を育成することで成長し、自社に貢献してほしいと考えて採用活動をおこなうのは新卒の就活と変わりません。選考ではこのデメリットをいかに払拭するかがカギになります。
デメリット②条件によっては不利になる
新卒の就活では、学生全員が同じスタートラインから就活をおこなっていました。しかし「第二新卒」という枠組みではなく「転職市場」全体で見ると、求職者のスタートラインは大きく違います。
社会人としての経験を何年も積み、キャリアもスキルも豊富な求職者が多くいる中では、第二新卒は経験やスキルがなく見方によっては不利な存在である場合もあります。もちろん資格などを取得している場合などもあるので一概には不利だと言い切れませんが、そういったリスクがあることは覚えておきましょう。
本当に転職して良い? まずは落ち着いて転職理由を考えよう
求職者
なんだか転職に自信がついてきました! よし、やっぱり今の企業から転職します!
キャリアアドバイザー
ちょっと待ってください! 安易に転職を決める前に、まずは本当に転職すべきか今一度考えてみましょう。理由によっては転職をせずとも良い場合がありますよ。
就職すると、これまでとはがらりと環境が変わり、違和感や大変さを感じることも多かったことでしょう。社会人の忙しさや大変さから逃れたいと思い、転職を考える人もいるのではないでしょうか。しかし、そもそも転職とは簡単なものではありません。就活が苦痛だった人からすると、同じ大変さをまた体験することにもなりますし、また精神的に疲弊してしまうでしょう。
安易に転職を決断する前にまずは「なぜ転職したいのか」を改めて考えてみましょう。実は転職をせずともその大変さは解決できることもありますよ。
①仕事にやりがいを感じない
求職者
思ってた仕事ができなくて、あんまり仕事にやりがいを感じられていないんです。
仕事を頑張りたい、こういう仕事がやりたいと、社会人として働くことを楽しみにしていた人からはこのような声を聞くことがあります。もっと仕事に精力的に励める環境に身を置きたいと考える人もいるのではないでしょうか。
働くうえで仕事のやりがいを大切にしたい人は、もっと自分の望む働き方や仕事ができる環境を求めて転職を決意しても良いでしょう。しかし、押さえておいてほしいのは、新卒で入社後1~2年はどうしてもできる仕事が限られるということ。
入社後数年は、まずは基礎や知識をつける期間です。もちろん企業にはよりますが、入社していきなり裁量の大きな仕事を与えられることはあまりありません。その企業の仕事内容に惹かれて入社を決めたのならば、もう少し今の企業で経験を積んでも良いかもしれません。数年後には力をつけ、やりたい仕事ができていることもよくありますよ。
②労働条件に不満を感じる
求職者
残業が多いのに、残業代が支給されないんです!
給料や残業などの労働条件も、気持ちよく働くための条件のひとつです。労働条件を不満に感じる人は、まずはその条件を自分で改善できないかを検討してみるべきでしょう。
たとえば残業代が出ないことに不満がある場合は、一度労務に相談を持ち掛けてみたり、そもそも過度な残業をしなければならないほど業務量が多いのであれば調整を申し出ることも必要でしょう。その結果改善ができそうな部分があれば、まずは自ら実行に起こしてみることから始めてみましょう。
自分では改善できない場合や、労働条件の不満がモチベーションや生活に支障をきたしている場合は転職を決断しても良いかもしれませんね。
以下の記事では優良企業の探し方を解説していますよ。
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③人間関係が良好でない
求職者
部署の先輩たちが苦手で、部外者のような疎外感を覚えています。
組織の人間関係はその企業の社風を形作る大きな要因でもあります。しかし、時間をかけて既存の社員で作られた人間関係は、自らの力だけで改善しようとしても限度があります。仕事を進めるうえで周りの人たちとかかわっていくことは不可欠ですから、働くうえで人間関係を重要視する人はそれを転職理由としても良いかもしれません。
ただし、重要なのは人間関係を良好にすることではなくどのように社内の人とかかわるか。かかわり方次第で大変さが緩和されるのであれば、辞める必要はないかもしれません。また仕事内容などのそのほかの条件とも比較したうえで決断するようにしてくださいね。
④今の仕事を辞めたい
求職者
思ってたより仕事が大変で……。とりあえず今の会社は辞めたいです。別のとこでやり直したいんです。
特別気になる点はないけれども、とりあえず仕事を辞めたいという人もときどき見受けられます。このような人は、今転職を決断しないほうが良いでしょう。そもそも、これまでとはまったく違う環境に飛び込むのは大変なものです。すべての社会人がその経験をしています。その大変さは自分だけのものではなく、なおかつ別の企業に転職したからといって緩和されるものではないことを理解してください。
また、転職を決めた理由や転職先でかなえたいことが明確でない以上、転職活動も難航することが想定されます。企業としても同じ方向を見据えて意欲的に働く人を求めているからです。転職活動でさらに大変な思いをしてしまう可能性があるので、まずは今の会社でもう少し仕事に向き合ってみることをおすすめします。
キャリアアドバイザーコメント今井 祐大プロフィールをみる
実際に転職するかどうかは「今の会社で解決する手段がないか」を基準にして考えましょう。
たとえば、仕事にやりがいを感じない場合や人間関係がストレスの場合は、他の部署に異動することで解決するかもしれません。そもそも今の会社でやりたいことが1つもなかったり、部署異動を希望しても叶えられなかった場合は転職が最適かもしれませんが、もし会社内の環境を変えられるのであれば一度検討しましょう。
そもそも転職理由が明確でないと転職活動も難航しがち
また、第二新卒の選考では短期離職の懸念を払拭するために、次の会社で成し遂げたいことや将来ビジョンを必ずと言っていいほど質問されます。そのため、今の会社を辞めたい理由があいまいだったり、ただ仕事を辞めたいと漠然と感じている場合は、転職してもミスマッチが生じやすいのはもちろん、選考でも評価されづらいでしょう。
転職を決めたら転職スケジュールに沿って行動しよう
求職者
僕は今の会社よりもがつがつ積極的に動けるような環境が良いので、やっぱり働く環境を変えたいなと思います!
キャリアアドバイザー
わかりました! 一緒に転職活動頑張っていきましょうね。
求職者
よし、それじゃあ転職活動に集中するために、さっそく辞表を出してきます!
キャリアアドバイザー
ちょっと待ってください! すぐに現職をやめてしまうのではなく、もっとも良い転職スケジュールに則って進めていきましょう。
自分の転職理由と向き合って転職を決めた人は、基本的な転職スケジュールに沿って転職活動を進めていきましょう。よく「転職を決めたらまずは退職願を出す」と考えている人を見ますが、それは危険性が高い選択です。自分にとっても現職・転職先にとっても気持ちの良いスケジュールで転職活動をおこないましょう。
そもそも転職しやすい時期は?
新卒の就活とは違い、転職活動は時期に関係なく通年おこなわれています。ですので、自分が転職を思い立った時期に転職活動をおこなってかまいませんが、第二新卒に限ってはその求人が4月と10月の2回の時期で増加する傾向にあります。
- 新しく1年が始まるタイミングで、1年以内に辞めた新卒の補充や定年退職により欠けた人員の補充がおこなわれる。その年の新卒者とともに研修に参加できるなど、企業にとっても求職者にとっても早めに企業になじむことのできるタイミング
- 上半期が始まるタイミングで、異動や転勤などで欠員が出やすい時期。求職者側としても6月のボーナスを受け取ったあとであり転職活動を始める人が多い。
もちろんこういった時期に関係なく採用活動をおこなう企業も多くあります。自分のタイミングで転職活動を始めてかまいませんが、始めるタイミングの参考にしてみてくださいね。
ここからは4、10月に入社をすると仮定して、どのようなスケジュールで転職活動を進めるか説明していきます。
4ヶ月前:自己分析と企業選び
- 4月入社の場合:12月
- 10月入社の場合:6月
入社する4ヶ月前には自己分析と企業選びを始めましょう。やることは新卒での就活でおこなったことと大きくは変わりません。自分が働くうえで優先させたいことは何か、そして自分のやりたいことや強みは何かを明確にして、それをかなえられる企業を探しましょう。
ただし、第二新卒は社会を知り始めたとはいえ初めての転職に対し「やりたいことがかなえられる」などと夢を見過ぎてしまうこともあります。将来のビジョンを持つことは大切ですが、現実感も同様に大切にして、具体的に何ができ、何が必要なのかを考えるようにしましょう。
3ヶ月前:転職活動スタート
- 4月入社の場合:1月
- 10月入社の場合:7月
マイナビの転職動向調査によると、現在の勤務先に応募してから内定通知を得るまでにかかった時間は2ヶ月未満であるという人が8割を超えています。就職活動に比べ採用予定人数も限られており、選考フローも短い場合は多いため、選考期間は就職活動よりも短くなる傾向があります。ここから、少し多めに見積もって転職活動をおこなう期間を2ヶ月ほど設けておくと良いでしょう。
1ヶ月前:現職に辞意を伝える
- 4月入社の場合:3月
- 10月入社の場合:9月
多くの企業では、退職は退職予定日の一か月前までに伝えることがルールとされています。そのため、4月入社の場合は3月初めに、10月入社の場合は9月初めに辞意を伝えておきましょう。
ただし、現職への辞意は、必ず転職先が決まってから伝えるようにしてください。先にお伝えした2ヶ月という期間はあくまで目安であり、2ヶ月で確実に転職先が決まるというわけではありません。転職先が決まる前に現職をやめてしまうと、金銭的な負担や精神的な疲弊が大きくなっていきます。
このような負担や疲弊は判断力を鈍らせます。妥協して転職先を決めてしまい、結局またつらい思いをしてしまう可能性もあるので、辞意は必ず身の振り先が決まってからにしましょう。
【準備編】第二新卒の転職を成功させるコツ
ここからは第二新卒が転職を成功させるためのコツを、転職前の準備と実際の選考とに分けてお伝えしていきます。ここで紹介するコツを押さえて、志望企業から内定を勝ち取りましょう。
転職においては、事前の綿密な準備が成功を分けます。まずは基盤をしっかりさせることから始めましょう。
転職理由をきちんと整理する
転職したいと考えるからには、現職で課題に感じていることが必ずあるはずです。人によって、仕事内容や人間関係、労働条件などさまざまではありますが、まずは現状自分がどこに課題を感じているのかをきちんと整理しましょう。
課題を把握できれば、「その課題を解決できる企業に応募すれば良い」ですよね。企業選びのものさしを決めるのに役立ちますよ。
採用活動の動向をチェックする
先にお伝えした通り、転職活動は通年おこなわれるものであるため、新卒の就活のように、3月に一斉に情報が公開され6月に面接が始まる、といったような決まったスケジュールはありません。自分で求人情報を調べ、自分で応募するのが一般的な流れです。
ナビサイトはもちろんですが、企業によっては自社のホームページ(HP)で採用情報を公開しているところもあります。気になる企業は積極的に調べるようにしましょう。
また、企業によっては通年採用をおこなっているところもあれば、期間が決まっているとこもあります。気になる企業があるのであれば、まずは情報を集めその企業が採用活動を始めたタイミングで転職活動をスタートさせるのも一つの手です。
第二新卒向けのサイトを利用する
就活同様、多くの人が転職ナビサイトを利用すると思いますが、先にお伝えした通り、転職市場全体で見ると第二新卒の立場は習得スキルや社会経験の面で非常に弱いといえます。中途の求職者が多い転職サイトでは、せっかく応募をしてもほかの志望者と天秤にかけられた際に、書類選考で落ちてしまう可能性が非常に高いです。
これを避けるためには、ライバルと同じ土俵で戦えるよう第二新卒向けのナビサイトに登録するようにしましょう。
キャリアアドバイザー
ライバルとのレベルが同じだけでなく、第二新卒向けのサイトに載っている企業は中途ではなく「第二新卒」を求めています。そういった点でも企業に合ったアピールができそうですね。
エージェントを積極的に利用する
第二新卒として転職を考えている人の中には、就職に失敗してしまったと感じている人もいるでしょう。そういった人たちは、これ以上失敗するのはまずい、この転職こそ成功させなければと思っているのではないでしょうか。
このような人たちは特に、その熱意が空回ってうまく転職先を見つけられない悪循環になるおそれがあります。そのため、就活のときよりも積極的にエージェントを使って転職活動を進めたほうが良いですよ。
転職活動に不安を抱えている人はエージェントの利用もぜひ検討してみてくださいね。キャリアパーク! 就職エージェントでは第二新卒の学生の相談も受け付けていますよ。
上記4つのコツを踏まえたうえで、どの企業・業界を選ぶかの方針をしっかりと固めていきましょう。
まずは業界についての知識を固めていきましょう。以下の記事を読んでみてくださいね。
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就職では業界の種類や特徴を知って、自分に合った業界を選ぶことが重要です。 この記事では、8業界の特徴、自分の適性を知る秘訣、業界選びのポイントなどをキャリアアドバイザーが解説します。 動画や業界選びの注意点も参考に、ミスマッチを防ぎましょう!
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会社選びの基準については以下の記事で解説していますので参考にしてください。
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会社選びの基準を決めて、自分に合う会社を見極めよう こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。 「自分が働きやすい会社ってどう見つけたらいいんですか?」「自分に合った会社の選び方がわかりません」 学生からこのような相談 […]
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【選考編】第二新卒の転職を成功させるコツ
第二新卒は一度企業に入り社会人経験を積んでいる分、新卒よりもやりたいことや将来のビジョンが明確になっていることでしょう。そのため選考においては、自分のやりたいことや目指す方向性をはっきりさせ、それと志望企業とが合っていることをアピールすることが大切です。
志望動機と今後のキャリアを関連させる
第二新卒の多くは一度企業に就職してみたことで社会の現実に触れ、やりたいことが新卒のときよりも改めて明確になった人が多いでしょう。また先ほど企業が第二新卒に期待する点としてミスマッチの低さを挙げましたよね。つまり、志望動機ではその企業を志望する理由と自分のキャリアとがきちんと関連している必要があります。
志望動機とキャリアが関連していると、「前職での経験を活かして本当にやりたいことが自社でできると考えた」ことが伝わりますよね。しかし、関連性がないと「なんとなくで決めたのではないか」と思われてしまい、志望理由の説得力が薄くなってしまうでしょう。
志望動機を書くことに苦手意識のある人はこちらの記事も読んでおきましょう。
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企業の評価基準を踏まえたアピールをする
転職活動と聞くと前職の経験やスキルをアピールしなければと考える人が多いかもしれませんね。しかし第二新卒の転職活動においては、経験やスキルよりも「熱意ややる気」「ポテンシャル」「人柄」が重視されやすいです。
スキルや経験のなさに気落ちせずに、第二新卒の評価基準に沿ったアピールに力を入れましょう。それが内定につながるカギですよ。
熱意ややる気
第二新卒である以上、スキルや実績があまりないことは当たり前であり、採用担当もそれは理解しています。そのため、第二新卒には過去の実績よりも仕事への熱意ややる気が求められているのです。自社でしっかり働きたいという熱意や覚悟があるのかが判断基準のひとつになっています。
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ポテンシャル
一般的に「新卒採用はポテンシャル採用」とされていますよね。基本的に転職市場では、ポテンシャルよりもこれまでの実績が評価されますが、第二新卒の転職活動においては実績よりも新卒のようにポテンシャルが評価されやすいです。
入社後の成長や活躍が期待できるか、そして自社の成長に貢献してくれそうな人材かを知りたいと考えています。
人柄
企業にとって、求職者の人柄についてもよく知りたいところ。なぜなら、求職者の熱意ややる気がどれだけあっても、その企業の社風や既存の社員との相性が良くなければ長く働き続けることは難しいかもしれません。
せっかく採用した社員が早期に退職してしまうのは企業も痛手ですし、求職者からしても職務経歴上早期離職を繰り返したくはないですよね。そのため、自社とのマッチ度を測るために求職者の人柄を知ろうとしています。
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提出書類ではスキルよりも熱意のアピールを重視する
今お伝えした通りに、第二新卒の転職活動においては熱意ややる気のアピールが非常に重要です。志望動機や自己PRなどの文章だけでなく、さまざまな面から志望企業への熱意を覗かせるようにしましょう。
たとえば、提出書類の空欄をなくすことも熱意のアピールのひとつです。余白が多いと、「本当にうちへの熱意があるのかな」と思われてしまうかもしれません。余白はできるだけ残さずに、自分をの売り込みやアピールで埋めることからも熱意が読み取れるでしょう。
キャリアアドバイザー
前職の経験が短すぎて、うまく熱意などのアピールが難しいという場合は学生時代の経験をエピソードとして使ってもかまいません。大切なことが前職の経験を伝えることではなく、自分の魅力や熱意を十分に伝えられるエピソードを選ぶことですよ。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
アピールのコツを踏まえた練習ももちろん大切ですが、第二新卒の場合転職理由もしっかりと話せるようにしておきましょう。第二新卒採用で大きなネックとなるのは「入社してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念です。この懸念を払拭するために、誰が見ても納得できる転職理由を述べるすることで、企業も安心して選考を進めることができますよね。
人間関係のトラブルや体調不良など、さまざまな転職の理由が挙げられるとは思いますが、その理由を伝えた時に採用担当者が深掘りをしてくる可能性も踏まえて回答はしっかりと練っておきましょう。
また前職の課題や問題点に関して改善を試みた場合は「自身でできる最善の努力はした」と具体的にきちんと伝えた方が良いでしょう。
職務経歴書が何かよくわかっていない人もいるのではないでしょうか。こちらの記事で書き方などを詳しく解説していますよ。
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「辞めた理由」はポジティブな伝え方をすることが大切
おそらく多くの人が、労働条件の悪さや仕事内容への不満などネガティブな理由で転職を決めてているのではないでしょうか。しかし、選考においてはネガティブな理由ではなくポジティブな言葉で辞めた理由をまとめる必要があります。
ここではネガティブな理由を深掘りして、「どのように働きたいか」という視点で考えてみましょう。たとえば「残業時間の多さ」が転職を決断した理由であれば、「自分の生産性を上げるために、限られた時間の中で効率的に仕事を進めたいと感じた」と言い換えることができます。
ここからは「辞めた理由」を答える際に大切な心掛けと、実際の例文を紹介します。選考にへの対策としてぜひ参考にしてみてくださいね。
キャリアアドバイザー
そもそも、理由はネガティブであれそのネガティブな環境を脱却したいという思いで転職に臨んでいるはずです。自分の考えを整理してみると、案外ポジティブに考えられるものですよ。
例文:仕事にやりがいを感じない
私は現在営業職として、新規顧客を開拓するために飛び込み営業などをメインでおこなっております。しかし、相手の都合や感情を慮りすぎてしまう性格であるために思うように仕事に臨めずにおりました。
ただ、営業職を経験してみて人脈の広がりやコミュニケーション能力が向上できること、また成果が目に見えてわかるところに魅力を感じており、今後も営業職の仕事を続けたいとも考えておりました。
そのため、自分の性格や強みを活かせられるようなルート営業職としてキャリアを積みたいと考えたために転職を決意いたしました。
キャリアアドバイザー
営業という職種への魅力は伝えたうえで、どのような働き方がしたいかが具体的に示されています。自分に合った仕事内容であれば、前向きに仕事に励んでくれそうなイメージが持てますね。
例文:労働条件に不満がある
現職では、月間60時間以上の残業が日常的になっています。仕事そのものは非常にやりがいを感じておりますが、長く残業を続けることが精神的・肉体的な疲労につながり自分の仕事の生産性やクオリティの低下につながっていると感じるようになりました。
業務量の調整を上司に申し出てみたものの、コストやほかのプロジェクトの兼ね合いもありすぐには改善はされないようでした。限られた時間の中で仕事をおこなうほうが効率的であり自分の生産性も上がり、結果的に成果物の品質の向上につながると感じたために転職を決意しました。
キャリアアドバイザー
改善のためにおこなった取り組みがきちんと説明されており、転職理由に納得感が持てますね。
例文:人間関係が良好でない
現職では4、5人程のチームで働いておりますが、比較的個人主義であり、チームメンバーとのかかわりがあまりありません。またチーム仲もあまり良くなく、緊張感あふれる空気の中で仕事をしておりました。営業職という仕事柄、一定仕方のないことだとは考えておりますが、プレゼン資料へのフィードバックや営業成績の反省など、チーム一体となって仕事や目標達成に励みたいと考えておりました。
私自身、大学時代の経験からチームメンバーとの積極的に意見を交換するなど濃い人間関係を築くことがモチベーションにつながっていると考えております。他チームではそのような環境のチームもあるようですが、顧客との信頼関係構築などの関係で入社後はあまりチーム異動などはおこなわれないそうです。
自分がモチベーション高く働くためには、周囲との人間関係を良好にすることが大切であり、そのような環境下で仕事がしたいと考えたために転職を決意いたしました。
キャリアアドバイザー
過去の経験なども踏まえながら説明をしているので、この求職者にとって人間関係が大切であることがわかりやすいですね。また自分の力だけではその状態を改善できないことも理解でき、きちんと考えたうえでの決意だと感じられます。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
退職理由を答える際に意識すべきこととして「言い訳にならないこと」も注意しましょう。
退職理由が自分の責任だと思われないように言い訳をしたり、他の人や会社のせいにする人がいますが、企業からは「逃げの転職」と思われ、良い印象は受けません。仮に事実であったとしても、他責と捉えられるような発言があれば「また同じことを繰り返すのではないか」と企業から疑われてしまいます。
客観的に誰が見てもブラック企業といった環境であれば別ですが、退職理由がなんであれ、自責に置きかえて伝えることが重要です。そのうえで、次の職場では同じことを繰り返さないといった意思表示もあれば「もし入社しても長く働いてくれるだろう」と企業も安心できるでしょう。
第二新卒とは何か理解したうえで転職活動を進めよう
第二新卒の数もニーズも増加傾向にある今、第二新卒として若くして転職活動をおこなうケースは珍しくありません。
そのうえで、実際に転職活動をおこなう際は、中途や新卒との違いや第二新卒ならではのポイントをしっかり押さえたうえでアピールをすることが大切です。今後のキャリアややりたいことを見据えながら転職活動を進めてくださいね。
キャリアアドバイザーコメント今井 祐大プロフィールをみる
企業が第二新卒を求める際「フレッシュでやる気がある」といった理由でも重宝されます。第二新卒では、自分のやりたいことや将来ビジョンが新卒の時よりも明確になることで、気持ちを新たにして頑張りたいと意欲のある人が多いです。基本的に中途の採用基準は経験重視になりますが、第二新卒だとどうしても社会人経験は浅くなってしまうため、経験よりもやる気や熱意などチャレンジ精神を評価する企業が多いのです。
別の視点で物事を捉え、新しい風を吹かせてほしいという期待も
また「新しい風を社内に取り入れたい」」と第二新卒に力を入れている企業もあります。特に中途入社の社員よりも新卒社員の割合が高い企業は、社員の価値観や思考性が偏りやすい傾向にあります。考え方が同じ社員が集まれば、意見がまとまりやすいなどのメリットも多くありますが、他社を少しでも経験した第二新卒が加われば、異なった視点で物事を捉える人材が増え、会社をより良く成長させることにもつながります。
転職が当たり前になってきた時代だからこそ、第二新卒を積極的に採用したいと考える企業も増えてきています。企業が第二新卒を求める理由を理解して、それに応えられるよう準備を進められればチャンスはたくさんありますよ。