目次
- 社風との相性は企業選びの大事な要素
- 社風の理解は不可欠! ミスマッチが退職要因にも……
- 社風は「良い・悪い」でなく「合う・合わない」
- 社風はこうやって形成される! 社風を形作る5つの要素
- ①経営者
- ②会社規模
- ③創業年数
- ④業務内容・方針
- ⑤採用・教育
- 社風を詳細に把握するための4つの切り口
- ①人間関係
- ②評価の仕方
- ③仕事の進め方
- ④職場の雰囲気
- 自分に合った社風を知る3つの方法
- ①モチベーショングラフを作ろう
- ②自分にとって居心地の良い・悪い空間を知ろう
- ③何かを途中で投げ出した経験を思い出そう
- 社風で企業を選ぶ際の2つの注意点
- ①背景や要因まで考えて判断しよう
- ②部署やグループによっても異なることを理解しよう
- よくある5つの社風を徹底解説!
- ①風通しが良い
- ②体育会系
- ③実力主義
- ④若手が活躍できる
- ⑤プライベートと仕事を両立しやすい
- 企業の社風を把握する3つの方法
- ①ホームページやパンフレットで調べる
- ②面接やOB・OG訪問で社風について聞く
- ③社員の口コミを見る
- 業界ごとの社風の傾向
- 金融:真面目で堅実な人が多い
- 商社:エネルギッシュが人が多く社内の交流が活発
- 不動産:意欲的で向上心がある人が多い
- メーカー:穏やかで協調性がある人が多い
- IT・ソフトウェア:自由な働き方ができる
- 広告・マスコミ:他社との交流が活発
- インフラ・交通:みんなで協力して仕事を進める
- 社風を盛り込んだ志望動機の作り方
- 自身の経験と企業の社風を結び付けよう
- 社風を志望動機とした例文
- 社風を理解することで、後悔のない企業選びをしよう!
社風との相性は企業選びの大事な要素
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「社風って何のことを言うんですか?」
「社風が良いってどんな会社のことですか?」
企業選びを本格化させている就活生から、このような質問を受けることがあります。事業・業務内容や労働条件などを重視して企業選びをする就活生は多くいますが、実は社風も企業選びの大事な要素です。
社風を意識して就活をおこなうと、実際に働く姿がイメージしやすくなって、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
この記事では、自分に合った社風を見つける方法や、企業の社風の調べ方などを解説しているので、ぜひ企業選びの参考にしてみてください。また、社風の具体例や社風を盛り込んだ志望動機の作り方も紹介しているので、選考対策にも役立てることができますよ。
社風の理解は不可欠! ミスマッチが退職要因にも……
頑張って就活をして入社しても、企業になじめずすぐに退職してしまうと、あなたにとっても企業にとっても良くないですよね。
リクルートマネジメントソリューションズが新人・若手の早期離職について調査した「新人・若手の早期離職に関する実態調査」によれば、新卒入社で3年以内に退職した若手社会人の退職理由では、「会社の方向性と合わない(ビジョン・経営方針・価値観など)」が18項目のうち11位(7.9%)という結果も出ています。
入社前に社風を理解できていないと、入社してから「働きにくさ」を感じてしまい、退職する原因になってしまうことがわかります。
普段の生活の中でも、グループや団体によってなんとなく居心地が悪かったり、居心地の良さを感じる空間ってありますよね。 企業も同じで、その社風に合った人が多く所属しています。入社してすぐに「辞めたい」と感じることがないように、社風を意識した企業選びを行いましょう。
社風は「良い・悪い」でなく「合う・合わない」
そもそも「社風」とは何を指すのでしょうか。漠然とした理解だけだと、せっかくの企業選びの手がかりなのに間違った企業選びや見方につながってしまうかもしれません。社風の意味は「企業が持つ独特な文化や価値観、雰囲気のこと」です。こうしたものは、企業の歴史や働く人、業務内容など様々な要素から形成されます。
人間にたとえると「人柄」のようなもので、親しみやすい人や真面目な人などです。人それぞれの雰囲気が、企業でいう社風にあたると言い換えてもいいでしょう。
注意しておきたいのは、さまざまな要素から形成されているので、一つの企業でも人によって社風の感じ方は異なるということ。ですので、社風は「良い」「悪い」というよりも、「合う」「合わない」の視点で見た方がいいでしょう。自分にとって良いと思う社風でも、他人にとっては避けたい条件かもしれません。社風の形作る要素や自分が何を重要視するかが大切です。
社風はこうやって形成される! 社風を形作る5つの要素
社風をつくる要素を知ることで、企業を選ぶ際に見るポイントが分かりますし、そこからどんな社風が形成されているのか想像することができます。社風を形作る主な5つの要素を整理してみましょう。
①経営者
会社のトップである経営者の考えや価値観は、社風に大きく影響します。企業のホームページなどに載っている経営者の言葉を見てみてください。企業理念や経営方針などと共通するものがありませんか。つまり、経営者の価値観は、企業としての価値観に大きく影響しているということです。
また、部活動であれば部長や顧問の先生、アルバイトでは店長など、組織のトップによって組織全体の雰囲気も変化しますよね。創業者がトップに立つ企業や、家族経営の色が強い企業の場合は特に、経営者の考え方や働き方に他の社員が影響を受けることが多いといえます。
上下関係の厳しい経営者であれば、部署内やグループ内でも上司と部下の上下関係は厳しくなりやすいですし、終始笑顔で楽しく働いている経営者であれば、他の社員の雰囲気も穏やかになりやすいのは当然ですよね。
- 経営者の属性(例:年齢、性別)
- 企業への権限の強さ(例:創業者か・雇われ社長)
- 経営者の性格や理念、価値観
②会社規模
会社の規模も社風に影響を与える要因の一つです。企業の規模によって従業員や展開する事業の数などが変わるので、それが社風に影響します。大企業と中小企業とですべて当てはまるわけではありませんが、それぞれの傾向を押さえておきましょう。
大企業は、従業員数の多さから、社内ルールや業務フロー、責任の所在などが細かく決められている企業が多い傾向にあります。福利厚生や労働条件についても同様で、中小企業に比べると充実している場合が多いです。
部署や課、グループなどが多く存在するため、1人1人の業務が細分化される傾向にあります。1人であれもこれもやる、というような働き方は中小企業に比べて少ないでしょう。
中小企業の場合は、従業員数が少ないので企業ごとの特色が出やすいといえます。規模が小さいため1人1人の仕事の裁量が大きい傾向があり、人によっては大企業に比べて仕事の満足度を得やすい場合もあるでしょう。
中小企業とベンチャー企業を混同してしまうことも多いので、こちらで違いも理解しておきましょう。
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- 職務が細分化されている
- 安定志向の人が多い
- 福利厚生が充実している
- 個人の裁量が大きい
- 社内全体で交流がある
- 経営者の色が出やすい
③創業年数
創業年数の長い企業と新しい企業とでは、働き方や評価体制が異なる場合が多いです。創業年数の長さによって、積み上げてきたノウハウや実績などが異なるため、それが社風に影響します。
創業年数が長い企業では、社員の勤続年数が長くなりやすいため、新しい企業と比べて年齢層が高い場合が多いです。昔ながらの日本の雇用体制や文化が根付いている企業が多く、年齢や勤続年数を重ねて出世していくような傾向にあります。また、ノウハウや指導法などが備わっていることから教育体制が充実しているのも特徴といえるでしょう。
反対に、新しい企業では年齢層が低くなりやすいため、服装や働き方が自由であったり、上司との関係がフラットな社風をもつ傾向にあります。
また、全体的にチャレンジングな雰囲気があり、教育面からみても、自分自身で吸収していくような体制が多いです。若い人でも裁量権が大きい傾向にあり、年齢や勤続年数よりも実力で評価されるような雰囲気の企業が多いといえます。
- 年功序列
- 上下関係が厳しい
- 丁寧な教育体制
- 伝統を大切にする
- 実力主義
- チャレンジしやすい環境
- 風通しが良い
- 自由な働き方ができる
④業務内容・方針
業務内容・方針も社風に影響を与える要素の1つです。業務内容によって仕事の進め方が変わることや、向いている人材が異なり同じ適性をもった人が集まりやすいことなどが要因と考えられます。
部署によって業務内容は異なるため、1つの会社の中でも部署ごとに雰囲気が異なることが多いです。一人で黙々とおこなう個人の業務と、チームで協力しておこなう業務のどちらかで、必然的に現場のにぎやかさが変わりますし、チームでおこなう業務のほうが社員同士の仲が深まりやすいですよね。
営業を志望する人には人と関わるのが好きな人が多かったりと、職種によってどんな性格の人が多いのかも変わってきます。
トップダウンやボトムアップといった業務の方針は、それによって社内全体の動きが変化するため、社風に影響を与えやすいといえます。上層部の指示のもとで働くトップダウンに比べて、従業員の提案によって会社が動くボトムアップでは、若手でも意見が言いやすいような雰囲気の会社が多く見られます。
- 個々とチームどちらで仕事を進めるか
- 企業と消費者どちらを相手に仕事をするか
- トップダウンかボトムアップか
- 企業として何を重視しているか(品質、社会貢献、従業員など)
⑤採用・教育
社風は、「人」によって影響されます。これまで解説した4つの要素を企業が理想とする形で実現するためには、どんな人を採用するかが重要です。採用したい人物像があるからこそ、企業ごとにどんな人が多いかという特徴が生まれてきます。
企業の採用サイトなどで求める人物像を見ることができますが、それが自分と正反対であったり苦手だと感じる場合は、そこで働いている従業員との相性が良いとはいえないでしょう。
また、入社後研修などの教育体制がしっかりしている企業では、同期のつながりが強くなりやすいです。
研修後も指導担当がついて丁寧に仕事を教えてくれる企業では、先輩が後輩をサポートする雰囲気があるといえます。このように、教育体制によっても社風は変化します。
社風を詳細に把握するための4つの切り口
社風を形作る要素を整理しましたが、就活生はどのような切り口で社風を把握すればいいのでしょうか。たとえば、「風通しが良い社風」だけでは、何をもって風通しが良いのか分かりませんよね。
ここでは、社風を見定める際に、「人間関係」「評価の仕方」「仕事の進め方」「職場の雰囲気」の4つの切り口で見ていきましょう。
もちろん、それぞれは密接に関わっていますが、分解して把握することでより実態に近い社風の理解ができるはずです。まずはどの部分を重要視するのかを考え、自分自身との相性を見極めましょう。
①人間関係
企業に所属する限り、他人と関わりながら仕事をしていくことになります。「プライベートでも仲が良い」「お互いに干渉しない」「上下関係が厳しい」など、企業の人間関係のあり方を探ってみましょう。人間関係にまつわる社風で企業を判断する際には、自分自身の人間関係を振り返ってみることが大切です。
同級生との絆がモチベーションにつながった経験がある人は「同期仲が良い企業」、先輩や年配の人に過度に気を使うことがストレスになりやすい人は「上下関係が厳しくない企業」などです。自分の経験から、企業に求める理想の人間関係を見つけましょう。
②評価の仕方
評価の仕方は企業によってさまざまです。「実力主義」「プロセスを重視する」「勤続年数の長い人が出世しやすい」「女性が評価されにくい」など、何をどう評価するかも一つの社風となります。評価方法は仕事のモチベーションに直結しやすいので、入社前に把握しておきましょう。
自分に合った評価方法を理解するには、勉強や部活、アルバイトなどで誰かに評価された経験を思い出し、どう感じていたかを参考にすると良いです。特に、評価に対して不満だった経験があれば、入社後も同様の理由で不満を感じやすいですよ。
たとえば、部活動などで実力がなかなか評価されずモチベーションが下がってしまった経験があれば、「若手でも実力次第で評価される企業」は一つの選択肢になるでしょう。
③仕事の進め方
仕事の進め方では、周囲との関係性やスピード感、重視する点などが企業によって異なります。
「チームで協力しておこなう仕事が多い」「わからないときは他部署の人であっても聞きやすい」「意思決定が遅く、1つ案が通るのに時間がかかる」「たくさん残業するのが当たり前という風潮がある」など、仕事のやり方は企業によりけりで、人それぞれ相性があります。
自分に合った仕事の進め方は、これまで何かを取り組んできた経験から探りましょう。誰かと話しながらよりも、1人で集中して作業するほうが好きだったという人は、「1人で黙々と作業できる雰囲気」の企業と合っているといえます。
④職場の雰囲気
同じ業界や職種の中でも、企業によって職場の雰囲気が全く異なる場合もあります。穏やかな人たちが集まれば、職場も穏やかな雰囲気が漂いますし、人の悪口ばかりいう人がいれば、なんとなく険悪な雰囲気になりやすいですよね。
自分に合った職場の雰囲気を見つけるには、自分にとってどんな環境が居心地良いかを知る必要があります。
反対意見が言えない空気が苦手だったという人は、「率直になんでも言い合える雰囲気」、校則や規則が厳しい環境に不満を感じていたという人は、「服装や働き方が自由な雰囲気」などが合っているといえますね。
自分に合った社風を知る3つの方法
企業の社風を調べる前にまず必要なのは、自己分析をして自分に合った社風を知ることです。周りの人が良しとする社風でも、自分にとっては働きづらいということもよくあるので、自分が求める社風を明確にしましょう。
自分に合った社風を知る方法を3つ解説していきます。
①モチベーショングラフを作ろう
モチベーショングラフを作成し、自分のモチベーションが上がる要因を知ることで、自分にとっての働きやすい環境が具体的に分かります。反対に、モチベーションが下がった経験と同じような環境に就職してしまうと、ストレスを感じる原因となるかもしれません。
自分のモチベーションが上下する要因が分かったら、それを企業に置き換えてみましょう。たとえば、良好な人間関係でモチベーションが上がるという人は、チームワークを大切にするような企業を選ぶと良いですよね。
モチベーショングラフの作成方法についてはこの記事を参考にしてみてください。
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②自分にとって居心地の良い・悪い空間を知ろう
社風が合っているかどうかは、企業での居心地の良し悪しに影響します。そのため、「居心地の良さ」を突き詰めて考えていくことで、社風との相性が見えてきます。まずは、自分にとってどんな空間が居心地良いか悪いかを振り返りましょう。
現在の生活の中で、例えばアルバイトやサークルなど、居心地が良い・悪いと感じる場面はありませんか。また、部活動や学校のクラスなど、過去の出来事を思い出してみるのも良いでしょう。
次に、居心地が良い・悪いと感じる理由の共通点を見つけましょう。その共通点が、企業選びで見るべき判断基準となります。たとえば、他人に干渉される環境に居心地の悪さを感じやすい人は、プライベートでの社員同士の交流が盛んな企業ではストレスを感じやすいと想像できますよね。
③何かを途中で投げ出した経験を思い出そう
会社を辞めたくなるような社風のミスマッチを未然に防ぐには、過去の出来事から、途中で何かを投げ出してしまった経験や、諦めてしまった経験を思い出すことが有効です。
例えば、習い事をすぐに辞めてしまったという人は、なぜ辞めたのかを振り返ってみましょう。なかなか上達しなかった、先生との相性が悪かったなど、途中で投げ出してしまった原因を知ることで、自分にとってストレスになりやすい環境がわかります。
何かを途中で辞めてしまうことは、必ず理由があるはずです。その理由を深掘りしていけば、自分の苦手な環境が見えてくるので、避けるべき社風を見つけやすくなるでしょう。
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自分に合った社風を認知しておくことは、入社後の早期離職やメンタル不調を避けるための重要な方法の一つです。しかし、自分が今持っている価値観と少しでも異なるからといって、すぐにその企業を選択肢から除外してしまうのは少しもったいないです。
入社後は新たな環境に身をおくことになるため、柔軟性が求められます。「自分に合う」部分だけを見るのではなく、「自分はその社風にどこまで合わせられるか」を考えてみても良いのではないでしょうか。そうすると企業の見え方も違ってきたりしますよ。
社風で企業を選ぶ際の2つの注意点
社風で企業を選ぶ際には、注意すべきポイントが2つあります。それぞれについて解説していきます。
①背景や要因まで考えて判断しよう
注意すべき1つ目のポイントは、一言で表された社風だけで判断せずに、その背景や要因まで考えるということです。たとえば、「アットホームな会社」という情報だけでは、自分に合っているのかどうかを判断できません。
「アットホーム」と表現される要因には、「上下関係があまりない」「プライベートでも仲が良い」「飲み会が多い」「女性が多く同性同士で気を遣わない」など様々なものが考えられます。
アットホームと聞いてなんとなく良い印象を抱き入社すると、飲み会やイベントが多くて休日に休めず、入社を後悔してしまうなんてこともあるかもしれません。社風は一言で判断せずに、なぜそう言われているのかを考えることが重要です。
②部署やグループによっても異なることを理解しよう
企業の規模が大きくなればなるほど、部署や課、グループなどに分けられて、それぞれの独自の雰囲気が生まれます。そのため、部署やグループによって異なるということを前提に考えましょう。
企業説明会で営業部の社員が「活気のある職場」だと話していても、それが企業全体に当てはまるとは限りません。
総務部や経理部などのバックオフィスでは、個人の作業が多くて静かな職場かもしれませんし、同じ営業部内でも、規模が大きければグループごとに全然違う雰囲気の可能性もあります。
よくある5つの社風を徹底解説!
就活生
自分にどんな社風が合うのかわからないや……。
キャリアアドバイザー
自分との相性を見極めるためにも、まずは社風の具体例を見ていきましょう!
就活ではさまざまな社風を耳にすると思いますが、大切なのはその社風から企業を分析して、自分との相性を見極めることです。よく聞く5つの社風について、それぞれの背景や特徴などを分析・解説していきます。
また、具体例を通して、どのように分析すればいいかイメージが湧いてくると思います。ぜひ、自分の行きたい企業で実践してみてください。
①風通しが良い
「風通しが良い」と聞くと、なんとなく良いイメージを持ちますよね。しかし人によってはストレスを感じる要因となる場合もあるので、しっかりと分析することが大切です。
「風通しが良い」と言われる要因には、「上下関係がフラット」「社員同士の仲が良い」「上司にも意見が言いやすい」などが挙げられます。
人間関係が良好であればストレスなく働けるというメリットがあります。一方、反対意見でも率直に言い合える環境であれば、他人からの指摘で落ち込みやすい人にとっては居心地が悪く、デメリットがあることも押さえておきたいポイントです。
具体例:風通しが良い社風にある主な特徴
- 上下関係がフラット
- 先輩後輩問わず仲がいい
- 上司だけでなく部下や同僚などみんなで評価し合う
- 若手でも意見が通りやすい
- 遠慮せずに指摘し合う
- 社内のコミュニケーションが活発
- のびのびと働くことができる
②体育会系
「体育会系」という社風は、人によってはネガティブな印象を持ちやすいですが、さまざまな捉え方があります。これまで体育会系とは無縁だったからといって、必ずしも合っていないとは言い切れません。
「体育会系」と言われる要因としては、「上下関係が厳しい」「スポーツ経験者が多い」「イベントや飲み会が多い」「気合いや根性などの精神論がある」などが挙げられます。
プライベートと休日を分けたい人にとっては、イベントや飲み会が多いことはデメリットですが、その分社員同士の仲が良いというメリットもあります。
また、「上下関係が厳しい=先輩後輩間の仲が悪い」というわけではなく、先輩として責任をもって後輩の面倒を見てくれるともとれますよね。
具体例:体育会系な社風にある主な特徴
- 上下関係が厳しい
- 先輩との付き合いが多い
- チームワークが強い
- 成果主義
- 年齢や勤続年数によって出世が決まる
- 仕事への熱量が多い
- チームで協力して仕事を進める
- 社内イベントが多い
- 活気がある
- 礼儀を重んじる
③実力主義
「実力主義」だと言われる要因には、「成果を上げた分だけ評価される」「年齢や勤続年数に関わらず昇給・昇格できる」などが考えられます。
やった分だけ評価されるというのはモチベーションにつながりやすい反面、プレッシャーが多い環境とも言えます。また、周囲も実力を出そうと必死のため、残業して当たり前の雰囲気である可能性もあります。
やりがいや達成感を求める人には向いていますが、プレッシャーに弱い人や安定性を求める人にはなじみにくいかもしれません。
具体例:実力主義な社風にある主な特徴
- ギスギスしやすい(対抗意識から)
- 年齢や勤続年数は考慮されない
- 成果を上げれば評価される
- ノルマや目標に向かって取り組む
- 仕事量が多い
- 意欲的な人が多い
- メンタルが強い人が多い
④若手が活躍できる
「若手が活躍できる」と言われる要因には、「若いうちでもやりたいことをやらせてくれる」「若手の裁量権が大きい」「失敗しても周囲がサポートしてくれる環境がある」などが挙げられます。
若手でも意見が通ったり自由に仕事ができたりするというメリットもありますが、若手に任せるということは、教育体制が整っておらず、自分で模索しながら仕事を覚えていくという可能性もあります。
若いうちから大きな仕事をしたい人や、チャレンジ精神のある人にとっては良い環境といえますが、先輩からの丁寧な指導を求める人には不向きかもしれません。
具体例:若手が活躍できる社風の主な特徴
- 誰かが失敗してもサポートし合う
- 上司との距離が近い
- 年齢関係なく成果で評価される
- 何事もまずはチャレンジする環境
- 若手でも裁量権が大きい
- チャレンジ精神の強い人が多い
⑤プライベートと仕事を両立しやすい
「プライベートと仕事を両立しやすい」と言われる要因には、「休みが取りやすい」「福利厚生が充実している」「子育てしながらでも働きやすい」「残業が少ない」などが挙げられます。
休みが取りやすかったり、子育てしながらでも働きやすい環境は、良好な人間関係の上で成り立つことが多いですよね。
最近では残業のしすぎを懸念する企業も多くなり、社内ルールとして残業上限時間を定めている場合もあります。
この場合、単に早く帰ることができるというメリットだけでなく、企業によっては、仕事量が多いのに残業が許可されず、逆に焦りやプレッシャーにつながってストレスに感じる人もいるでしょう。
こちらの記事では福利厚生について解説しています。働きやすさを考える上での参考になるため、あわせて確認してみましょう。
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具体例:プライベートと仕事を両立しやすい社風にある主な特徴
- 社内の人間関係が良好
- お互いに干渉しない
- 残業時間で評価されることがない
- 効率性を重視する
- みんなで協力して取り組む
- 和やかな雰囲気
- 困ったことがあれば助け合う雰囲気
企業の社風を把握する3つの方法
これまで社風の重要性や見方についてお話してきましたが、では具体的にどうやったら企業の社風が分かるのでしょうか。社風の調べ方について解説していきます。
①ホームページやパンフレットで調べる
企業の情報を調べる際に、ホームページやパンフレットを読む人が多いと思いますが、そこから社風を見い出すことができます。まず確認すべきなのは、企業理念や経営方針、経営者の言葉などからわかる企業としての価値観です。これらに書かれていることは、企業全体として持っている価値観なので、そこに共感できるかどうかが大切です。
例えば、「お客様ファースト」を掲げている会社であれば、社内全体としてお客様を大切にしようという意識の人が多いと分かります。誰かを大切にしようという意識がある人は、お客様だけでなく、きっと周囲の人も大切にするだろうと想像することもできますよね。
また、社員インタビューを参考にするのも良いでしょう。どんな仕事をしているのか、何にやりがいを感じたのかなど、一人一人の話から、普段どんな働き方をしているのかが見えてきます。
②面接やOB・OG訪問で社風について聞く
社風は人によって感じ方が異なる感覚的なものです。実際に働く社員がどう感じているのかが、社風を知るにあたって一番確実な方法と言えます。面接やOB・OG訪問を通して、ぜひ社員に直接聞いてみてください。
「御社の社風はどんなものがありますか」と率直に聞いてみるのも良いですし、人間関係を重視しているのであれば、「職場の人間関係についてどう感じていますか」「社員同士でランチや飲みに行ったりすることはありますか」など、焦点を絞って質問するのもおすすめです。
福利厚生や休暇などの制度については、ホームページに載っている内容だけで判断せずに、それが実際に利用されているのか聞いてみると良いでしょう。制度として成立していても、実際誰も利用していないなんて企業もあるので、注意が必要です。
また、同業他社の社員に質問することも有効です。自社と比較した同業他社のイメージを持っている人は多いため、「御社と比較して〇〇企業はどういった特徴があると思いますか」と聞いてみましょう。企業の中にいる人は認識しづらいこともあるので、参考になりますよ。
OB・OG訪問についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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③社員の口コミを見る
ホームページや社員の話す内容はポジティブなものが多いため、社員の口コミから情報を得ることもおすすめです。
ただし、注意点としては、こうした口コミサイトに寄せられる情報はネガティブなものが多いということです。退職者の口コミも多いため、会社への不平不満も多く寄せられています。企業の発信するポジティブな情報も考慮したうえで参考にしましょう。
また、投稿日時にも気を付けましょう。5年前、10年前と古い口コミを参考にしても、現状と異なる場合が多いです。「働き方改革」という言葉があるように、企業の社風はどんどん変化しているので、現在にも当てはまる内容かどうかを気にしながら確認しましょう。
キャリアアドバイザーコメント乾 花穂子プロフィールをみる
本文中にもあるようにホームページを検索閲覧することはその企業を知ろうする方法として重要です。企業理念や経営方針、経営者の言葉などは判断材料の一つとしてチェックしておいて間違いはありません。が、是非とも覗いてほしいのが採用情報です。
当たり前にチェックしているとは思いますが、ここで覗いてほしいのは中途採用欄の方。意外と見逃してしまっているこの欄には、今リアルにその企業が欲しい人材情報が掲載されます。加えてその欄に掲載している情報が詳しければ詳しいほど、「今自社では何が課題でそこを解決するためにこうしたい(どういう人がほしいなど)」といった企業からのメッセージが読み取れます。社風につながるコメントや記述も数多く散らばっているので、ぜひ今後の参考にしてみてください。
業界ごとの社風の傾向
業界によって、社風の傾向は変化します。最近では業界をまたいで事業を展開する企業も多いため、一概にはいえませんが、業界ごとの社風について解説していきます。業界選びや志望する業界の参考にしてください。
各業界ごとの基本的な特徴や適性はこちらで詳しく紹介しているので併せて確認してみてくださいね。
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金融:真面目で堅実な人が多い
金融業界では、お金のミスは人々の生活に大きく関わることから、ミスをしないことが非常に重要です。几帳面さや丁寧さが求められます。そのため、真面目で堅実な人が多く、「金融業界=堅い」とよく言われるのもその理由だと考えられます。
また、比較的歴史のある企業が多いことも特徴です。体育会系な部分があったり、年齢や勤続年数で評価されるという風潮の企業もあるので、自分の特性と合っているかしっかりチェックする必要があります。
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商社:エネルギッシュが人が多く社内の交流が活発
商社は、金融や不動産と比べて支店が少なく、働く場所が本社の人が多いので、一体感が作り出されやすい傾向にあります。そのため、部署間の交流が活発な企業も多いです。
伝統のある企業が多いため、年功序列など日本型の雇用システムを採用している企業が多く、自然と縦のつながりを大事にする風潮があるのも特徴です。総合商社の場合は、採用で学歴が重視される傾向にあることから、企業によっては同じ大学出身者同士のつながりもあります。
スポーツや留学経験者も多く、エネルギッシュな人が多い印象です。部署にもよりますが、日々決まった業務をこなすわけではないので、総合職の場合は残業時間が長くなりやすいという面もあります。
専門商社は扱う商材や企業によっても社風が大きく変わるので、一つ一つの企業の社風をしっかり見定める必要があります。
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不動産:意欲的で向上心がある人が多い
不動産業界は、職種にもよりますが、1人1人にノルマやインセンティブがある場合が多く、実力主義の風潮があると言えます。そのため、目標に向かって積極的に行動できるような人が多い傾向にあります。
また、建て物や土地など高い額を扱う仕事のため、「自分で大きなことを成し遂げたい」という思考の人が多いことも特徴です。
意欲的で向上心がある人が多いため、そういった環境で同じようにモチベーション高く頑張れる人が向いているといえるでしょう。
ちなみに、こちらの記事では向上心のある人の特徴などを掲載しておりますので、あわせて読んでみてくださいね。
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メーカー:穏やかで協調性がある人が多い
メーカーは、扱っている商品に魅力を感じて入社する人が多く、働くうえでも商品の看板を背負っています。
自分のことよりも商品の魅力をアピールするような業界のため、穏やかな人や協調性のある人が多く、仕事の進め方でもチームで協力するような風潮があると考えられます。
また、技術職や商品開発を行う社員は、1つの製品に対してこだわりをもって取り組むため、完璧主義の人が多い傾向にあります。
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IT・ソフトウェア:自由な働き方ができる
IT・ソフトウェア業界は、近年成長が著しく、技術の変化が激しい業界です。変化の度に新しいことを覚える必要があるため、知的好奇心の強い人や柔軟性のある人が多い傾向にあります。
また、柔軟性は働きやすさにも影響しており、テレワークの導入が他の業界に比べて進んでいます。私服勤務の企業も多いので、自由な働き方を求める人には向いているでしょう。
IT業界についてはこの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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広告・マスコミ:他社との交流が活発
広告・マスコミ業界は、テレビ局や新聞社、出版社、広告代理店など企業によって様々な傾向がありますが、業界全体として、コミュニケーション能力の高い人が多いです。
広告・マスコミ業界の特徴として他社と連携することが多く、外部との交流が活発な傾向にあります。そのため、自社以外の人とも円滑なコミュニケーションが必要となるでしょう。
また、華やかなイメージを持ちやすいですが、企業によっては長時間労働や不規則な生活になりやすいことも知っておきましょう。社内外問わず飲み会も多く、体力のある人が向いているといえます。
インフラ・交通:みんなで協力して仕事を進める
インフラ・交通業界の特徴は公共性が高いので、国の介入が多い業界と言えます。そのため、電力やガスの自由化などによって変化している部分もありますが、他の業界と比べて競争意識が強くない企業が多い傾向にあります。
「競争しない」というのは社内でも同様で、1人1人が成績を競うというよりも、みんなで協力して仕事を進めていくという雰囲気の企業が多いです。また、インフラ・交通は社会にとってなくてはならない存在であるため、使命感をもって働いている人が多いことも特徴の1つといえます。
インフラ業界についてはこちらの記事が詳しいです。ぜひ併せて読んでおくと良いですね。
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社風を盛り込んだ志望動機の作り方
志望動機で大切なのは、他の企業には当てはまらない、その企業独自の志望理由を伝えることです。そのため、企業独自の雰囲気である社風は、志望動機に活用しやすい内容です。
ただし、社風は感覚的なものなので、説得力のある志望動機にするには難しい点もあります。社風を盛り込む場合の正しい志望動機の作り方を理解しましょう。
志望動機そのものの書き方のコツはこちらの記事を参考にしてください。
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自身の経験と企業の社風を結び付けよう
社風を盛り込んだ志望動機を作る際に一番大切なことは、自身の経験と結び付けることです。
単に、「御社の風通しが良いという社風に惹かれました」と言うのではなく、なぜ風通しが良い社風を重視しているのか、それが分かるエピソードとともに説明しましょう。
たとえば、「アルバイト先で売り上げが伸び悩んでいたが、先輩後輩関係なく改善点を言うようになって、売り上げが安定するようになった」という経験とともに、だから風通しの良い会社で働きたいと伝えれば、自分がその社風を重視する根拠が明確化され、面接官が納得しやすくなりますよね。
社風を志望動機とした例文
社風を志望動機として活用した例文を2つ紹介します。ぜひ、志望動機作りの参考にしてください。
私が貴社を志望する理由は、チームワークを大切にする貴社の社風に魅力を感じたからです。小学生から高校生までバレーボールをやっていた経験から、誰かと協力して励まし合うことで自分自身が成長できると感じました。
そのため、周囲と協力しながら仕事を進められる企業で働きたいと考えています。貴社の企業説明会に伺った際、営業部の△△さんや商品開発部の◇◇さんなど、多くの社員の方がチームで仕事を成し遂げた経験を話してくださいました。それを聞いて、自分の力を発揮できる環境が貴社にはあると考えたため、貴社で働くことを志望しています。
この例文では、チームワークを大切にする会社を志望する理由としてバレーボールの経験を挙げることで、上手く説得力を持たせることができていますね。
さらに、具体的な人物名を出しながら企業説明会での話を社風の根拠とすることで、どの企業でも言えるようなものではなく、その企業独自の志望動機となっており好印象を与えられます。
私が貴社を志望する理由は、貴社には高い目標をもって働ける環境があるからです。大学受験や部活動など、これまで何かに取り組む際、目標を高く設定することで頑張ることができました。働くうえでも、明確な目標をもつことでモチベーション高く取り組むことができると感じています。
貴社では、若手でも実績次第で表彰されたり管理職になれたりすると伺いました。貴社で営業成績ナンバーワンを取って表彰されるという高い目標を持ち、やりがいをもって働きたいと考えています。
この例文も、受験や部活の経験を挙げることで、高い目標設定をすれば頑張れるという自身の価値観に説得力が出ています。
また、営業成績ナンバーワンを取りたいという明確な目標があることで、入社後のことも具体的に考えていることが伝わりますし、企業は意欲のある学生だと感じるでしょう。
ただし、表彰制度や若手でも管理職になれる企業は他にもあると思うので、他の企業と差別化できる要素があるともっと良いですね。
社風と似た要素ではありますが、社員の人柄で志望動機を書いてみたい人は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
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キャリアアドバイザーコメント吉田 実遊プロフィールをみる
企業は莫大なコストや時間をかけて採用活動をおこなっています。そのため、企業(人事)側の立場から見て、特に避けたいのが従業員の早期離職です。この離職をどうにか回避するため、近年企業は社風の見直し(就業環境の改善など)や採用活動時に正確に社風が伝わるようなさまざまな施策を実施しています。
そういった取り組み姿勢を見つけてESや志望動機などで評価してくれることは企業(人事)としては案外嬉しいもの。根拠をしっかりと明示したうえで、どんな社風に魅力を感じたのか、なぜそれが自分にとって魅力なのかを積極的にアピールしましょう。
社風を理解することで、後悔のない企業選びをしよう!
企業選びにおいて、社風の相性はかなり重要な項目です。せっかく就活を頑張って憧れの企業に入っても、社風が合っていなければストレスばかりが溜まってしまうかもしれません。
まずは正しい社風の意味や形作る要素をしっかり把握しましょう。そのうえで、自分に合った社風を考え、社風を様々な角度から分析していくことが大切です。充実した社会人生活を送るために、社風を意識した企業選びをおこないましょう。
キャリアアドバイザーコメント鴨川 未奈プロフィールをみる
社風を理解するうえで経営者の情報は大切ですが、だからといって経営者に直接話を聞ける機会はさほど多くはありません。そこで注視したいのが人事担当者です。
その企業にエントリーした時、最初に接触するのは、多くの場合人事担当者ではないでしょうか。企業側からすると、「会社の顔」である人事は経営者の代弁者として、企業の特徴や魅力をどうにかして皆さんへ伝える役割があります。そのため、社風に大きな影響を与える経営者の理念や価値観は人事担当者も熟知しているでしょう。説明会や選考などで人事担当者の発言に注目してみると、経営者の考え方が見えてくるかもしれませんよ。