【事例付き】オワハラとは? 基本的な考え方と4つの対策も紹介

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コラムの目次

  1. オワハラとは? 事例と対策の理解が大切!
  2. そもそもオワハラとは
  3. 「就活終われ」ハラスメントの略
  4. 企業がオワハラをする理由
  5. 優秀な学生を採用したい
  6. 学生の真意を知りたい
  7. 採用コストをかけたくない
  8. なぜ今、オワハラが増えているのか
  9. 経団連が就活スタート時期を延ばしたため
  10. 学生の売り手市場で内定辞退が増えているため
  11. マナー違反をする学生もいるため
  12. 身近にあるオワハラの3つのタイプと事例をチェック
  13. オワハラのタイプ①強要
  14. オワハラのタイプ②懐柔
  15. オワハラのタイプ③脅迫
  16. これってどうなの? オワハラ対策の基本的な考え方
  17. 内定に法的拘束力はない
  18. 内定者に賠償責任はない
  19. 入社するかどうかは内定者の自由意志が尊重される
  20. オワハラは企業側のルール違反
  21. オワハラが違法である理由も押さえておこう
  22. 「内定辞退したら〇〇」は脅迫罪に当たる
  23. 強要罪が成立する場合も
  24. 学生が知っておくべきオワハラの4つの対策
  25. 対策①負けずにはっきりと意思表示する
  26. 対策②無視して就活を進める
  27. 対策③大学の就職支援センターなどに相談する
  28. 対策④オワハラしてきた会社には入社しない
  29. オワハラに屈することなく就活を成功させよう

オワハラとは? 事例と対策の理解が大切!

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。就活をしている学生から、

「オワハラって何ですか? 」
「オワハラの対策を教えてください! 」

というような、オワハラに関する不安を聞くことがよくあります。

自分が受けたものがオワハラであるのかもよくわからず、対応に困ってしまったという例もあるため、今回はオワハラとはどんなものを指すのか、またどのように対応すべきかを解説していきます。

企業がオワハラをしてしまう理由を押さえつつ、違法性があることや、学生には内定を辞退する権利があることなども解説するので、安心してオワハラに対処できるようになりますよ。

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そもそもオワハラとは

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就活生

友人がA社でオワハラを受けたと言っていました……。

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キャリアアドバイザー

それは大変でしたね……。

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就活生

そもそも、オワハラとはどのようなことを指すのでしょうか?

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キャリアアドバイザー

自分でも気がつかないうちにオワハラを受けていた、というケースもあります。まずは、オワハラとは何かを知り、それから対策について考えましょう。

「就活終われ」ハラスメントの略

オワハラとは、企業から学生への「就活終われ」ハラスメントの略です。就活中に、他社の選考や内定を辞退して就活を終わるよう、企業側から迫られることがオワハラに該当します

もちろん、企業側には学生に無理やり就活を終わらせる権利はないため、「無視すれば良い」と思う学生もいるかもしれません。しかし、実際に地位や権力のある社会人にオワハラをされると、その威圧感に恐怖や戸惑いを感じてしまうことは十分に考えられます。

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キャリアアドバイザー

そのため、企業側の思惑や具体的なオワハラの手法、対応方法を知っておくことが重要です。

キャリアアドバイザーコメント

塩田 健斗

塩田 健斗プロフィール

オワハラを受けた場合の心構えを事前に知っておこう

就活を進めている以上、企業担当者からオワハラを含めたハラスメントを受ける可能性は少なからずあるものです。オワハラは「優秀な学生を採用したい」という思いの強さから生じることもあり、企業担当者が無意識のうちにオワハラをしてしまうこともあるかもしれません。オワハラは事前に避けることが難しい場合もあるため、オワハラを受けてしまったときの心構えを前もって知っておくことが重要です。

可能であれば「オワハラをして就活の自由を奪うのはやめてください」などとキッパリと断ることができれば良いですが、実際にはなかなか難しいですよね。そのためオワハラを受けたときには、すぐに企業からの要求に応じることはせず、いったん受け流すと良いでしょう。たとえば、内定を出す代わりに他社の選考を断るように要求された場合は「わかりました」とだけ口頭で伝え、後から対処方法を調べたり、大学の就職支援センターに相談することもできますよ。

オワハラを受けた際に重要なことは、落ち着いて対処することです。恐怖や焦りから企業の要求を鵜呑みにしてしまうと、就活の選択肢を狭めてしまうこともあるため、注意するようにしましょう。

まずはあなたが受けない方がいい職業を確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

企業がオワハラをする理由

企業がオワハラをする理由の例

企業がオワハラをする背景には、新卒採用をする企業が抱える課題や厳しさがあります。決してオワハラをする企業をかばうわけではありませんが、知っておくと新卒採用の仕組みを詳しく把握し、オワハラを上手くかわすヒントにもなるので、確認しておきましょう。

優秀な学生を採用したい

企業が採用を考える学生は、他企業からも内定を受ける可能性が高くなります。そうなると、せっかく内定を出しても他の企業に行かれてしまうおそれがあるため、確実に自社に入ってもらうために就活を終わらせようとするのです

もし優秀な学生がライバル企業に入ってしまうと、将来的に自社にとって脅威となる可能性もあります。そうした意味でも、優秀な学生を確実に採用するためにオワハラをする企業があるのです。

学生の真意を知りたい

新卒採用の際、企業側は自社への志望度が高く、内定を辞退する可能性の低い学生を採用したいと考えます。内定辞退が続出すると想定していたよりも実際の新入社員数が少なくなってしまうおそれがあるからです。

また、無駄のない採用計画を立てるためにも、できるだけ内定辞退を出しなくないのが企業の本音です。しかし、「弊社が第一志望ですか?」と質問しても、「はい」と嘘をつくことは簡単です。よって、より確実に学生の本音を知るために、オワハラをすることがあるのです。

採用コストをかけたくない

採用コストをかけたくないということも、企業がオワハラをする理由の1つです。新卒採用には、説明会、エントリーシートの確認、面接など多くのコストがかかっています。

また、内定を出した学生がその後も就活を続けていると、企業は内定辞退を防ぐため、さらにコストをかけて次のようなフォローをします。

内定辞退を防ぐための企業側の取り組みの例
  • 定期的に連絡を取る
  • OB・OGとの座談会をセッティングする
  • 代表や幹部との親睦会をおこなう

加えて、内定辞退に備えて引き続き新卒採用を続けていく必要もあり、さらなるコストがかかります。

しかし、内定を出した時点で学生が就活を終えてくれれば、内定以降のコストは削減できますよね。こうした理由から、オワハラをする企業もあります。

内定辞退をして後悔しないための対策について、こちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

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あなたが受けない方がいい職業を診断しよう

適職診断 適職診断

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強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

なぜ今、オワハラが増えているのか

オワハラが増えている理由例

オワハラは、最近特に増えていると言われています。優秀な学生を採用したい、学生の本音を知りたい、採用コストをかけたくないという事情は以前からあるはずなのに、なぜ今オワハラが増えているのか、その理由を解説していきます。

経団連が就活スタート時期を延ばしたため

オワハラが増えた理由として、経団連が就活のスタート時期を延ばしたということが挙げられます。就活の選考開始時期はもともと4月でしたが、経団連は以下のように時期を遅らせてきました。

経団連による就活スケジュールの変遷
  • 2016年卒:8月
  • 2017年卒以降:6月
  • 2021年卒以降:明確なルールは廃止されたものの、基本的なスケジュールは2020年卒までとあまり変わっていない

ただし、経団連に加盟していない企業は上記よりも早く選考を始め、内定を出すことができます。こうした企業にとって選考開始時期が遅れたことは、大企業よりも先に優秀な学生を確保するチャンスでもあります。

よって、大企業より早く優秀な学生に内定を出し、その後に大企業に流れてしまうことを防ぐためにオワハラをする企業が増えたのです。

学生の売り手市場で内定辞退が増えているため

就活が学生の売り手市場であることも、オワハラの増加に関係しています。

売り手市場の状況では複数の企業から内定をもらう学生が多く、対策を打たなければ優秀な学生はどんどん他の企業に流れてしまい、内定辞退が続出してしまいます。

通常は内定を出した学生と定期的にコンタクトをとるなどして内定辞退を防ぎますが、売り手市場ではその程度の対策では効果が薄くなるおそれがあります

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キャリアアドバイザー

より確実かつ強力に内定辞退を防ぐため、オワハラをする企業が増えているのです。

マナー違反をする学生もいるため

内定辞退に関してマナー違反をする学生がいることも、オワハラが増えている原因です。

新卒採用において内定辞退が出るのはある程度仕方のないことですが、今後の採用スケジュールに影響することなので、辞退するなら早く教えてほしいというのが企業の本音です

しかし学生によっては、はっきり内定辞退しないまま音信不通になったり、回答期限を過ぎてから内定辞退を申し出たりするケースもあります。

辞退の連絡が遅くなり採用スケジュールに影響が出ることを防ぐため、内定を出した時点で内定か辞退かを知りたいという考えから、オワハラをする企業も増えているのです。

就活マナーについてはこちらの記事で詳細に解説しておりますので、併せて参考にしてみてくださいね。

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キャリアアドバイザーコメント

北浦 ひより

北浦 ひよりプロフィール

「優秀な学生を採用したい」という考えからオワハラをしてしまう企業が多いです

オワハラはどの企業でも受ける可能性がありますが、なかでもオワハラをしがちな企業の一例として、中小企業が挙げられます。就活ではどうしても大手企業の人気が根強く、優秀な学生を大手企業にとられたくないといった理由が背景にあります。

また、前述した経団連による就活スケジュールの変化も影響しています。売り手市場で採用が激化している状況で、就活スケジュールの変化により優秀な学生を採用できるチャンスが増えたとなれば、必死になる企業も多いでしょう。その結果、オワハラにつながってしまうこともあるかもしれません。

企業側も、オワハラを積極的に取り入れているというよりは、採用を成功させたい気持ちが強いあまりに学生にオワハラをしてしまっている、というパターンが多いと言えます。もちろん、オワハラはわざとではないから許されるわけではまったくありません。しかし、企業が採用に必死になっている背景を理解しておくと、オワハラを受けたとしても冷静に対応しやすくなるでしょう。また、オワハラは学生のマナー違反から発生することもあるため、企業に誠意をもって接することも意識してくださいね。

身近にあるオワハラの3つのタイプと事例をチェック

オワハラの3つのタイプ

一口にオワハラと言っても、その手法にはさまざまなものがあります。明らかにオワハラとわかるものもあれば、オワハラかどうか判断が難しいものもあるため、主な手法である「強要」「懐柔」「脅迫」の3つを事例とともに確認しておきましょう。

事前にオワハラがどのようなものかわかっていれば、オワハラを受けても冷静に対応できますよ。

オワハラのタイプ①強要

まず挙げられるオワハラのタイプが、強要です。簡単にいうと就活を終わるよう強要してくるということで、もっとも一般的に想像されやすいオワハラです。

強要タイプのオワハラの例
  • 他社の内定辞退を強要する
  • その場で他社の内定を辞退させる
  • 内定承諾書にサインさせる

文字だけでみると強引で怖い印象かもしれませんが、表面上はやさしくても、いつの間にか強要されていることもあるので注意が必要です

実際にどのように就活終了を強要されるのか、それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

他社の内定辞退を強要する

「他社の内定を辞退することを約束させられた」「他の企業の内定を辞退すれば内定を出すと言われた」というのは立派な強要タイプのオワハラです。

注意すべきなのは、一見オワハラには見えないオワハラです。

たとえば就活の状況を聞かれ、

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就活生

他社の最終面接が1週間後なので、その合否は今から2週間後くらいに出ると思います

と答えたとします。

すると、

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採用担当者

こちらの選考の都合上、うちの内定の承諾・辞退は1週間以内に教えてほしい

と言われることがあるのです。

もちろん本当に選考スケジュールの都合上、他社の選考終了を待てないケースもあります。しかし、中にはこのように、間接的に内定承諾をとるか他社の選考継続をとるか迫られるオワハラに遭うケースもあります。

その場で他社の内定を辞退させる

その場で他社の内定を辞退させるオワハラもあります。

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採用担当者

内定を出すから、もし他社からも内定をもらっているならこの場で電話して辞退してもらえるかな?

と迫られるのです。この場合、他社の内定は辞退するつもりだなどと嘘をついて切り抜けることはできず、他社にも辞退の連絡を入れてしまう以上、就活継続はほぼ不可能になってしまいます。

最終的にどこの内定を受けるかは人生の中でも大きな選択です。他者に迫られて、冷静な判断力を失った状態で判断するべきではありません。

このあと解説しますがオワハラには違法性があります。その点も意識して、焦りや恐怖に流されずできる限り冷静に対処することが重要です。

内定承諾書にサインさせられる

内定を受け、

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採用担当者

とりあえず、この内定承諾書にサインしてもらえるかな?

と迫られるケースもあります。

内定承諾書とは、その企業からの内定を受け入れて入社することを宣誓する書類です。ただし、この書類に法的拘束力はないため、内定承諾書にサインしても就活を継続したり、あとから内定辞退をしたりすることは可能です。

しかし、企業側は内定承諾書にサインした学生についてはほぼ確実に入社するものとして準備を進めていきます。そのため、とりあえずサインしておけば良いという考えではなく、その企業への入社可能性を自分でも今一度検討したうえでサインするようにしましょう。

内定承諾書を提出した後に内定辞退することのリスクについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

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オワハラのタイプ②懐柔

オワハラには、懐柔というタイプもあります。

あからさまに他社の内定辞退をもとめるのではなく、それとなく他社の選考に参加しにくくしたり、自社の内定を辞退しにくい雰囲気を作ったりすることで、学生を取り込もうとするオワハラです

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キャリアアドバイザー

気づいたときには身動きがとりにくくなっていることが多い一方、本当にオワハラなのか判断しにくいケースも多いのが特徴です。

研修会などで過剰に長時間拘束する

内定者向けの研修会やインターンシップなどで、就活時期にあまりに長時間拘束することもオワハラの1つです。直接的に就活終了をもとめるわけではありませんが、物理的に就活ができない状態にすることで学生が他社に流れることを防ぎます。

研修会やインターンで他の内定者と交流させて仲間意識を持たせることで、内定辞退を防ぐ目的もあります。

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キャリアアドバイザー

ただし、入社前の研修会やインターンは純粋に入社後のための勉強・準備であることも多く、オワハラかどうか判断しにくいケースも見られます。

社長や役員から過剰な接待を受ける

社長や役員による以下のような接待により、内定を辞退しにくくするというオワハラもあります。

幹部からの過剰な接待の例
  • 高級レストランでの食事会
  • 社長直々の入社歓迎のお手紙
  • 社員や役員との度重なる飲食

こうした接待を受けると、わかりやすくお金や手間をかけてもらった分、申し訳なさから内定辞退がしにくくなることがあります。

もちろん真心からそうした対応をする企業もあるかもしれませんが、接待を受けても過剰に入れ込むことなく、一歩引いて冷静に見る必要があります。

懇親会で先輩社員から過剰に入社を薦められる

先輩社員との親睦会自体は多くの企業でおこなわれています。純粋に学生が抱える入社前の不安を解消する目的であることも多いため、親睦会が必ずしもオワハラとは言えません。

しかし、企業の悪い面や入社後大変だったことなどをほとんど話さず、ただただ入社を薦める話をされた場合、それは就活を終わらせるために開催された親睦会である可能性があります。

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キャリアアドバイザー

どんなに良い企業であっても、仕事に大変さはつきものです。企業や仕事の良い面だけでなく、大変な面や入社後のギャップについてもバランスよく聞いてみましょう。

懇談会の目的や参加する際に話すべき内容については、こちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

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オワハラのタイプ③脅迫

オワハラにはもう1つ、脅迫というタイプもあります。最初に解説した強要にも似ていますが、脅迫はより強力で、他社の選考や内定を辞退せざるを得ないような状況・雰囲気を作り出す傾向があります

突然、脅迫タイプのオワハラをされると恐怖で頭が真っ白になってしまうこともあるため、事前にどのようなものか確認しておきましょう。

「内定辞退したら賠償請求する」と言われる

企業側に、「内定を辞退したら賠償請求するから」と脅迫されたら驚きますよね。賠償請求の根拠として、次のようなことを挙げてくることもあります。

賠償請求の理由とされることの例
  • 内定承諾から内定辞退までの研修や懇親会にお金がかかった
  • あなたが内定を受けると言ったから他の優秀な学生を落としたのに、入社しないとなると損害が出る
  • 内定承諾書にサインしたのだから当然責任が発生する

上記のような理由で賠償請求すると言われると、もっともらしくて怖くなる人もいます。しかし、実際に内定を辞退しただけで賠償請求が認められることはほとんどないので安心してください。

ただし、入社直前になり、社宅や研修用の宿泊先も用意された状態で内定辞退をすると、実際にコスト面で損害が生じる可能性があります。損害賠償請求されるかどうかにかかわらず、入社直前の内定辞退は原則として避けましょう。

「今後君の大学からはとらない」と言われる

「内定辞退をするなら今後は君の大学からは採用しない」と言われるケースもあります。後輩や大学に迷惑がかかると思わせることで良心を傷つけ、内定辞退を防ごうとするのです。

ただし、次の年から本当に自分の大学の学生を採らなくなるかの確認はできないので、はったりの可能性は十分にあります。また、自分の大学に優秀な学生がいる場合には、企業側の損失にもなります。

そのため、「今後君の大学からは採らない」と言われても完全に信じる必要はありません。心配な場合は、念のため大学側に相談してみましょう。

「ふざけるな」など高圧的な言動をされる

内定辞退を申し出たときに、「ふざけるな」などと高圧的な言動をされることもあります。わかりやすく怒鳴るのではなく、静かに嫌味っぽいことを言って圧をかけられることもあるようですが、もちろんそれに屈して内定辞退を取り下げる必要はありません。

「内定辞退の連絡をすると何か言われそうで怖い」という学生も多いですが、連絡が遅くなればなるほど企業側に迷惑がかかります。辞退を伝えたときに高圧的な言動をされたとしても、気にせず自分の気持ちを伝えましょう。

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キャリアアドバイザー

辞退は早めに伝え、もし高圧的なオワハラにあっても、誠実に辞退の旨を伝えるようにしましょう。

あなたが受けない方がいい職業を確認しておこう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。

これってどうなの? オワハラ対策の基本的な考え方

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就活生

優秀な学生を採用したいとか、企業側の気持ちもわかる気がします。

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キャリアアドバイザー

そうかもしれませんが、オワハラは企業側のルール違反です。オワハラに屈することなく、自分の意思を強く持つことが大切ですよ。

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就活生

そうですよね……。

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キャリアアドバイザー

オワハラ対策を考えるうえで、知っておくべきことについて解説していきます。

内定に法的拘束力はない

まず、内定には「内定を辞退せず入社しなければならない」という法的拘束力はありません。そのため、もし企業側から

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採用担当者

法的な契約ですので、内定辞退はできません。

などと言われても、それは間違いです。

厳密に解説すると、企業から内定が出た時点で労働契約は成立します。正当な理由がない限り企業側からの内定取り消しが認められないのはこのためです。

しかし、労働者側(新卒採用であれば学生側)からは、2週間の予告期間ののちにこの労働契約を解約できます。たとえ内定承諾書にサインしたあとであっても、「学生は内定辞退できない」ということはないのです。

内定者に賠償責任はない

企業側から「内定を辞退するなら賠償請求する」と言われても、それが認められることは基本的にあり得ません。

すでに解説した通り、法的観点から見ても学生は内定の辞退ができます。内定辞退は法律違反ではなく、むしろ労働契約において労働者側(この場合なら学生側)に認められた権利なので、その権利を行使したところで賠償責任は生じないのです

ただし、労働契約を労働者側から解約する場合には、2週間の予告期間が必要です。

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キャリアアドバイザー

内定辞退が実際の入社2週間前を切っている場合は、企業側に実害が出たとして賠償責任が生じる可能性もあるので注意が必要です。

入社するかどうかは内定者の自由意志が尊重される

たとえ内定を受けていたとしても、その企業に実際に入社するかどうかは内定者の自由意思が尊重されます。企業側が学生に対して自社に入るよう強制することはできません

このことは、職業選択の自由からも言えます。人が自由に職業を選べるということは、日本国憲法第22条「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」 でも定められているのです。

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キャリアアドバイザー

オワハラを受けたとしてもどこに入社するか決める権利は自分にある、そしてそのことは国によって定められているということをしっかり覚えておいてください。

内定をもらった後の返事の仕方については、こちらでも詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね。

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オワハラは企業側のルール違反

オワハラは企業側のルール違反なので従う必要はありません。

2021年4月に厚生労働省が改正した「事業主等指針」には、「内定辞退等勧奨の防止」「公平・公正な就職機会の提供」が示されています

事業主等指針は、就活をする学生など青少年の雇用機会確保・職場への定着に関して事業主などが講じるべき措置を規定したものです。

上に挙げた2点は、他社の選考・内定を辞退させて学生の権利や就職機会を侵害することのないようもとめたもので、まさにオワハラを意識した項目となっています。

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キャリアアドバイザー

オワハラは明らかなルール違反だと理解したうえで、オワハラに対応していきましょう。

オワハラが違法である理由も押さえておこう

内定には辞退を制限する法的拘束力がないこと、内定を辞退しても賠償責任は生じないことなどがわかったところで、オワハラの違法性についても確認しておきましょう。

内定辞退が法律違反ではないことに加え、オワハラが違法であることまでわかっていれば、オワハラを受けても毅然とした対応がとりやすくなりますよね。安心してオワハラに対応できるよう、わかりやすく解説していきます。

「内定辞退したら〇〇」は脅迫罪に当たる

「内定辞退したら賠償請求する」「内定辞退したら今後あなたの大学からは採らない」といった脅しは、刑法第222条脅迫罪に当たる可能性があります。

(脅迫)
第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

刑法

オワハラは職業選択の自由を脅かすものなので脅迫罪に当たると言え、口頭はもちろん、メールや手紙での脅迫も対象になります。必ずしも該当するとは限りませんが、オワハラにあったときは念のため、どのようなことを言われたかあとからメモしておくようにしましょう

強要罪が成立する場合も

オワハラの中には、内定辞退のために土下座を強要したり、反省文を書かせたりするという悪質なものもありますが、こうしたケースは強要罪が成立する可能性があります。

(強要)
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

刑法

この刑法第223条では3項において、未遂でも罰せられるとされています。つまり、土下座や反省文を強要され、学生側がそれに応じなかったとしても、強要罪は成立することがあるのです。

学生が知っておくべきオワハラの4つの対策

オワハラを受けたときの4つの対策

オワハラは事前に学生側で防ぐことは難しいため、実際にオワハラを受けたときにどうすべきか対処法を確認しておくことがオワハラ対策となります。オワハラのタイプによっても適切な対処法が変わってくるので、これから解説する4つの対策をしっかり確認しておきましょう。

対策①負けずにはっきりと意思表示する

オワハラ対策として、まずは負けずに引き続き就活を継続する旨をはっきりと表明することが挙げられます。企業側には学生に就活を終わらせる権利はなく、オワハラには違法性すらあるため、自信をもって自分の意思を伝えましょう。

場合によっては大学や法律事務所などに相談するつもりであることなども伝えれば、就活継続を理由に内定がもらえなくなる可能性は低くなるはずです

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負けずに意思表示するといっても、暴言に近いような言葉遣いで話してしまうと新たなトラブルに発展しかねません。あくまでも冷静に、節度を持った態度で対応しましょう。

対策②無視して就活を進める

オワハラを受けても無視して就活を進めるという方法もあります。たとえば他社の内定や選考を辞退するよう約束させられたとしても、その場で辞退の連絡をさせられない限り、本当に辞退したかどうか企業側にはわかりません。

また、内定承諾書にサインさせられたとしても、すでに解説した通りあとから内定を辞退することはできます

そのため、オワハラされたときにはそれに従ったように見せかけて穏便にやり過ごし、実際には無視して就活を進めるというのも有効な対策です。

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キャリアアドバイザー

のちに内定辞退の連絡をしたときに何か言われるかもしれませんが、内定辞退は学生側の権利なので気にする必要はありません。

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上村 京久

上村 京久プロフィール

ときには嘘をついてその場をやり過ごすことも大切です

オワハラを受けた場合、ときには嘘をついてその場をやり過ごすことも1つの手段です。繰り返しになりますが、選考状況について企業に異なる情報を伝えたり、内定承諾書にサインをしたあとに辞退することは法的に問題ありません。オワハラをおこなうことで、企業が学生の就活を無理やり終わらせようとする方が「学生の職業選択の自由を奪っている」という観点で咎められるべきでしょう。

新卒の就活は、人生で一度きりの重要なものです。就活を納得できる形で終わらせられるよう、オワハラをおこなう企業には嘘をついてでも就活を進めることが必要な場合もあるかもしれません。また、事前に「他社から内定は獲得していない」と言っておく方法もあります。オワハラは学生の囲い込みのために発生するものなので、ほかの企業に心変わりすることがないとわかっていれば、企業側もオワハラをする必要がなくなります。

学生によっては、企業に嘘をつくことに対して抵抗感を抱くかもしれません。しかし企業のオワハラに流されて、あとから後悔しても、誰も責任はとってくれません。自分の身を守るためにも、嘘をつくことは自己防衛の手段として大切だということを覚えておいてくださいね。

対策③大学の就職支援センターなどに相談する

オワハラを受けて対応に困ったら、大学の就職支援センターなどに相談しましょう。オワハラをする企業については大学側も把握し、学生に注意喚起したいと考えているため、相談すると親身にサポートしてもらえます。

特に、「今後あなたの大学からは採らない」というオワハラを受けた場合は、大学側にも影響が出るおそれがあるので相談するべきです

次のような相談先もあるので、状況に応じて選んでみてください。

オワハラの相談先の例
  • 企業の相談窓口
  • 労働相談情報センター
  • 弁護士

オワハラは、社員が個人の判断でおこなっていることもあります。この場合は相手企業の窓口に相談することで、該当社員に注意してもらえる可能性があります。

弁護士には、法律的なことを相談したいときに連絡してみましょう。無料相談が可能な事務所もあります。

就活に困ったときの相談先については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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対策④オワハラしてきた会社には入社しない

そもそも、オワハラしてきた会社には入社しないという選択肢もあります。オワハラを受けて不本意ながら入社しても、「あのとき屈せず内定を辞退していれば…」という後悔が残りかねません。

また、オワハラをして学生を確保しようとしているということは、それだけ採用状況が厳しいということであり、労働環境が良くない可能性もあります

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キャリアアドバイザー

将来の社員になるかもしれない学生に圧力をかけようとしている時点で、社員を大切にする会社ではないとも考えられます。

キャリアアドバイザーコメント

吉田 実遊

吉田 実遊プロフィール

困ったらまず大学の就職支援センターに相談しましょう

オワハラの対策としておすすめの方法は、まず大学の就職支援センターに相談することです。とくに初めてオワハラを受けた場合は、事前に対処法を知っていたとしても、1人では適切な判断ができないかもしれません。そのため誰かに相談するのは有効な手段ですよ。

また、過去に大学の就職支援センターにオワハラについて相談した学生がいれば、過去の事例も踏まえたうえ対処の仕方をアドバイスしてくれるでしょう。大学によってはオワハラ専用の対策窓口を設置しているところもあります。仮に就職支援センターへの相談が難しい場合でも、すぐに相談できそうな窓口を事前に見つけておくと、安心感につながるためおすすめですよ。

もし大学の就職支援センターに相談してもオワハラが続くような企業の場合は、入社しない選択肢を真剣に考えても良いかもしれません。入社後も何らかの形でハラスメントが発生する可能性があります。ただ、オワハラが企業全体で蔓延しているのか、一人の企業担当者のみがオワハラをしているのか、見極めることも重要です。個人がオワハラをしている場合は改善の余地がありますが、企業全体でオワハラが垣間見える場合は、入社後もハラスメント関連で悩む可能性が高いので注意が必要ですよ。

オワハラに屈することなく就活を成功させよう

就活は、今後の社会人人生を左右する重要なものです。学生の自由や権利を尊重しない企業によるオワハラに屈して、それまでの努力が台無しになるのはあまりにも理不尽です。

オワハラには違法性があること、内定辞退はあとからでもできることを踏まえ、オワハラに屈することなく就活を成功させてくださいね。

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記事の編集責任者

北原 瑞起きたはら みずき

新卒でポート株式会社へ入社。入社2年目に年間1億2千万円の売上を記録し、全社の年間MVPを獲得。現在は、リクルーティングアドバイザーグループの責任者として、年間300社の採用支援及び、年間2,000人の学生の就活相談に乗り、企業と学生の最良なマッチング機会の創出をおこなっている。プロフィール詳細

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01458)

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