目次
- ESや面接で「どんな社会人になりたいか」と聞かれたらどう答える?
- 「どんな社会人になりたいか」の質問の意味は?
- 社会人とは何を指しているのか
- 「入社後にやりたいこと」と違いはある?
- 面接官が「どんな社会人になりたいか」と聞く理由
- 学生が思い描くキャリアプランを知りたいから
- 自社にマッチした人材かを知りたいから
- 目標を持って行動できる人かを知りたいから
- 具体的に自社の業務を理解しているかを知りたいから
- 配属を決める際の参考にしたいから
- 「どんな社会人なりたいか」の回答の見つけ方
- キャリアプランを考える
- 自己分析で将来につながる自分の強みを見つける
- 企業分析で仕事のなかで実現できることを考える
- OB・OG訪問で話を聞く
- 「どんな社会人になりたいか」を回答するときの3ステップ
- ①結論から伝えるようにする
- ➁なぜそう思うのかの理由付けをおこなう
- ③企業内でできることと結びつける
- 「どんな社会人になりたいか」の回答に結びつく特性とは?
- 責任感がある
- 視野が広い
- 向上心がある
- 計画性がある
- 「どんな社会人になりたいか」の例文
- 例文①責任感がある人になりたい
- 例文②視野を広くして働ける人になりたい
- 例文③向上心を持って働きたい
- 例文④部下に信頼される上司になりたい
- 例文⑤業績を上げ企業を担える人材になりたい
- 「どんな社会人になりたいか」のNG例
- 自分の将来をしっかりと見すえてどんな社会人になりたいか考えよう
ESや面接で「どんな社会人になりたいか」と聞かれたらどう答える?
こんにちは、キャリアアドバイザーの北原です。エントリーシート(ES)や面接では「どんな社会人になりたいか」と聞かれることがあります。しかし、
「自分がどんな社会人になりたいかがよくわからない」
「どのような回答が正しいのだろうか」
と悩む学生もいるのではないでしょうか。「入社してやりたいこと」ならば想像がつきますが、社会人とは幅が広くどう答えれば面接の場にふさわしいのか悩んでしまいます。
今回は「どんな社会人になりたいか」の質問意図や、質問者が見ているポイント、回答の探し方、答え方などを文例とともに紹介します。
「どんな社会人になりたいか」の質問の意味は?
就活生
キャリアアドバイザー
どのように迷ったんですか?
就活生
どんな社会人になりたいのかと言われても範囲が広くて、なんて答えるのが正解かわかりませんでした。
キャリアアドバイザー
では社会人とは何かとはどういう質問なのか、意図を解説しますね。
回答を探すにはまず、質問の意図を知ることが大切です。意図次第で答える内容も変わってきます。会社側が回答のどのような点を重視しているのか、まずは考えていきましょう。
社会人とは何を指しているのか
社会人とは学校または家庭の保護下にはない自立した人を指します。
キャリアアドバイザー
一般的に、親と同居していても自立して収入があれば社会人と呼ばれます。
面接で聞かれる際の社会人とはもちろん、入社後の状態のことです。学生から社会に出るみなさんが、今後に対して「どのようなビジョンを持っているのか」「どうなりたいと思っているのか」を会社は聞いています。すでに社会に出ている転職希望者の面接ではあまり聞かれない質問です。
学生時代とは違う、入社後の自分について回答するのが正しいでしょう。
「どんな人間になりたいか」などのバリエーションもあり
面接の際には「どんな社会人になりたいか」ではなく「どんな人間になりたいか」と聞かれる場合があります。人間のほうが社会人以上に大きなことを指す単語のため回答に悩みますが、「どんな社会人になりたいか」とほぼ内容は一緒です。自分の思う理想の社会人像を伝えてきてください。
社会人像を回答する際は、自分なりの理念や価値観を前提とするのを忘れないようにしましょう。「お金を儲けられる人間になりたい」「楽して生きられる人間になりたい」というのも、そこになんらかの理念や特別な理由があれば良いのですが、そのままでは回答としてふさわしくはありません。
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「どんな社会人になりたいか」という質問をされると、会社で働くことを踏まえた回答をするべきか、それとも社外を含めて回答するべきか悩みますよね。この質問に答えるときは、会社で働くことを超えてプライベートの社会人として回答しても、ビジネスパーソンとしての社会人として回答しても基本的には問題ありません。
たとえば、プライベートの社会人として「信頼される社会人になりたい」であっても、ビジネスパーソンとして「かかわった人のビジネススキルアップに貢献できる社会人になりたい」いずれも質問の意図に沿った回答ができているということですね。
ただし、企業によっては質問をされるときに「会社で働く上で」などと条件がつくこともあります。質問の意図がわからないときには、意図に沿った回答をできるように質問しても問題ないですよ。わからないときには自分で判断せずに、質問をするようにしましょう。
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「入社後にやりたいこと」と違いはある?
「どんな社会人になりたいか」と同様によく新卒の面接で出るのが「入社後にやりたいこと」があります。同じ内容になりがちですが、もちろん、根本的なところは一緒で問題ありません。
ただし「入社後にやりたいこと」のほうが、より具体的に回答したほうが良いでしょう。どのような業務をやりたいのか、どのようなキャリアを積みたいのかを具体的に回答するようにします。
一方、「どんな社会人になりたいか」のほうが、もう少し大きく概念的な回答となります。「信頼される社会人になりたい」「コツコツと努力できる社会人になりたい」などというふうに答えると良いでしょう。
入社後の目標の答え方も知りたい人は、この記事も参考にしてみてくださいね。
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面接官が「どんな社会人になりたいか」と聞く理由
就活生
でも、なぜどんな社会人になりたいかと聞くんですか?
キャリアアドバイザー
それでは次に、なぜどんな社会人になりたいかという質問を面接官がするのか考えていきましょう。
面接官が「どんな社会人になりたいか」の質問をするのは、主に以下のような理由が含まれていると考えられます。
- 学生が思い描くキャリアプランを知りたいから
- 自社にマッチした人材かを知りたいから
- 目標を持って行動できる人かを知りたいから
- 具体的に自社の業務を理解しているかを知りたいから
- 配属を決める際の参考にしたいから
それぞれについて解説していきます。
学生が思い描くキャリアプランを知りたいから
大きな理由の1つに「学生がどのようなキャリアプランを描いているかを知りたい」というのがあります。
近年、会社の人事担当者が、頭を悩ませることが多いのが、社員の早期離職です。せっかくコストと時間をかけて採用を決め、丁寧な育成をおこなっても、早期離職されてしまえば、大きな痛手となります。とくに育成も終了し独り立ちした途端に、人材が辞めてしまえば、損失が大きいといえます。
そこでどのような社会人になりたいかを聞きながら、キャリアプランを知り、早期離職をせずに長く働いてくれるかを探ろうとしています。
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自社にマッチした人材かを知りたいから
長く働いてくれる人材かを知るうえで「自社の社風やビジョンに合っているか」という点も知りたいと思っています。マッチしていれば早期離職することなく、自社で活躍できる人材ということになります。
堅実性が必要な会社の場合には、堅実なキャリアプランを持っている人が合います。チームワークによる業務が必要になる会社であれば、社会人として人とのつながりを大切にしていきたいと考えている人を採用したいと考えます。
反対に、自社の社風に合っていない場合、たとえ学業の成績が良くても採用されないケースもあります。
目標を持って行動できる人かを知りたいから
仕事をするうえで、自分で目標を設定し実行できる力は大切です。また、会社や上司が設定したタスク、目標に対してきちんと計画的に業務がおこなえる人材かも見ようとしています。
将来のビジョンをしっかりと持ち、そのために何をしようとしているのかがはっきりしている人は、目標設定と実現がうまい人だといえます。
また、どんなキャリアプランを持っているかも知りたいと思っています。もし、キャリアプランのなかに出てくる要素が自社では実現不可能なものの場合、すぐに離職してしまうかもと思われてしまいます。
具体的に自社の業務を理解しているかを知りたいから
応募してきた学生が、自社の業務内容をちゃんと理解しているかもチェックしています。
「どんな社会人になりたいか」は、会社のなかで何を実現していくかにかかわるため、回答のなかには業務内容の話題が含まれることが多くあります。
そこで、どんな社会人になりたいかの回答を読んでいると、学生の業務への理解度がわかります。もし、自社の業務と一致しないことが書かれていれば、自社ではなく他社でもいいのではないかということになります。
企業はより自社への理解度が高く、志望熱が高い学生を採用したいと考えます。「どんな社会人になりたいか」の回答中でも、少しでも自社への熱意が感じられるかをチェックしていると思っておいて良いでしょう。
配属を決める際の参考にしたいから
配属先を選定するための参考にする場合もあります。
会社では面接の段階から配属先を考えている場合が多くあります。ESに書いてあることや面接での回答で希望や適性を知り、学生がどの業務ならば力を発揮できるか見ています。
たとえば、「どんな社会人になりたいか」の回答のなかに明確に職種が書かれていれば、ある程度は参考にすると思われます。学生が示したキャリアプランが、どの部署であれば実現可能かも、面接官は瞬時に思い描くことができるでしょう。
もちろん企業によっては、最初の数年はさまざまな部署を移動させ、そのなかから適性を見るという場合もあります。一方、最近は本人の希望に合わせてポテンシャルを引き出すという企業もあり、「どんな社会人になりたいか」の回答が、配属に影響を与える場合もあります。
面接でほかに聞かれることを知りたい学生はこちらをご参照ください。
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「どんな社会人なりたいか」の回答の見つけ方
キャリアプランを考える
キャリアプランとは仕事をしていくうえで「そうなりたい」というビジョンを計画的に構築していくプランのことです。明確なビジョンを持つことで、必要なスキルを手に入れ実力をつけていくことができます。
キャリアプランを構築するうえで必要なことはまず、自分の過去を振り返るとともに自分の現状を把握することです。そして自分の将来を短期、中期、長期別に考えていき、それらを一直線に結んでいきます。
たとえば、過去の棚卸では今まで経験や学業のなかで学んだことを書き出し、現在の自分が持っているスキルやポテンシャルを客観的に割り出します。
そして持っているポテンシャルやスキル、自分の希望に合わせた将来を思い描き、「何歳までにどのようなポジションになっていたいのか」「何歳までにどのようなスキルを手に入れておきたいのか」ということを考えます。
自分のキャリアプランを考えていくとおのずと「どんな社会人になりたいか」の回答が見えてきます。
自己分析で将来につながる自分の強みを見つける
自己分析をしていくと自分の価値観や適性、個性、能力、強みなどが見つかっていきます。すると、自分はどんな社会人を目指せば良いのかが見えてくるようになります。
自己分析の方法としては、さまざまな就活用サイトで利用できる適性検査や自己分析ツールを活用するのも良いでしょう。
また、自分史、ジョハリの窓などを作成しながら、自己分析を進めてみてください。
ちなみにジョハリの窓は「自分も他人も知っている自分(開放の窓)」「自分は気付いていないが他人は知っている自分(盲点の窓)」自分は知っているが他人は気付いていない自分(秘密の窓)など、自分の特徴を4つの窓に分けるというものです。
友人など周囲の人に協力してもらい、あなたの特徴を「表情が豊か」「創造性がある」「リーダーシップがある」「まじめ」などの項目ごとに、「当てはまる」「当てはまらない」で分類してもらいます。自分でも同様の設問にチェックを入れます。そして、自分がチェックを入れたものの、友人はチェックを入れなかったものは「秘密の窓」へなどと分類していきます。
ジョハリの窓をおこなうことで、自分から見た自分と人から見た自分がよくわかり、どんな社会人を目指せばいいかのヒントを見つけていけます。
自己分析の方法はたくさんありますが、自分に合った方法を見つけることが大切です。この記事では自己分析の方法について詳しく解説しているので、方法に迷っている人はぜひ参考にしてくださいね。
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自分史の作り方もあわせて確認してみましょう。
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企業分析で仕事のなかで実現できることを考える
「どんな社会人になりたいか」について考えるうえでは、企業分析を十分におこない、応募先企業では何ができるかを知ることが大切です。
「どんな社会人になりたいか」は「自分が将来何をしたいか」「自分が将来どうなっていたいか」ということです。そして、それらを実現するには会社という土俵でできることを知らなければなりません。土俵からはみ出したことを実現しようとしても、なかなか実現ができるものではありません。
プールのない遊園地で、水泳をしたいといっても「それならば最初から水泳施設があるところへ行けば良い」となってしまいます。
一方、業務を調べていくと就職後のイメージも湧いてきます。会社のホームページやパンフレット、動画、経営陣や社員のインタビュー記事を読むうちに、だんだんと、未来の自分が見えてくるでしょう。
企業分析をする際におすすめなフレームワークについては、この記事で解説しています。
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OB・OG訪問で話を聞く
OB・OG訪問の際に、どんな社会人になりたいかのヒントがないか、いろいろと話を聞いてみましょう。
企業分析のためにはOB・OGに話を聞くのは欠かせません。先輩は「どんな社会人になりたい」と思って入社したのか、それはどの程度実現に近づいているのかなどについて聞いてみてください。
また、自分のキャリアプランを話し、実現可能かどうかについても聞いてみるのも良いかもしれません。もし時間があれば、自分で書いたESの下書きを見てもらうこともできるので、どんな社会人になりたいかの原稿を見てもらうのも手です。
OB・OG訪問に行く前に、マナーや質問例なども確認しておきましょう。この記事で解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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就活を始めて「どんな社会人になりたいか」を考えても、どうしても回答が思いつかないと悩む就活生もいるのではないでしょうか。この時、つい家族や友人、先輩へ聞いて自分の理想の社会人像を聞きたくなると思いますが、必ず自分で考えるようにしましょう。
面接で聞かれるということは合否にかかわりますし、就職後の配属にかかわる可能性も十分あります。そのときに、自分で考えていないと、ミスマッチにつながることもあるでしょう。また、不合格になったときに納得感も持てなくなってしまいます。
「どんな社会人になりたいか」を考えるときには、自分の過去の経験を振り返って自己分析をしましょう。自分が得意なことや強みを見つけられると自分にあった社会人像が見つかりますよ。たとえば、コミュニケーションが好きな人は「誰とでもすぐに打ち明けられる社会人」のように結びつけて考えられますね。
なかなか理想の社会人像が見つからない学生であっても、将来的に後悔しないよう時間をかけて見つけるようにしましょう。
「どんな社会人になりたいか」を回答するときの3ステップ
自己分析もでき自分のキャリアプランも見えてきたら、いよいよES用の文章を書いてみます。面接で聞かれることを想定している場合には、話す内容の原稿を起こしてみましょう。
文章を構成するには以下の3ステップに合わせて書くと、わかりやすい文章になります。
- 結論から伝えるようにする
- なぜそう思うのかの理由付けをおこなう
- 企業内でできることと結びつける
それぞれ、何を書けばいいか解説していきます。
①結論から伝えるようにする
文章の最初では結論として「どんな社会人になりたいか」について明快に回答するようにしましょう。たとえば以下のようなものが考えられます。
- 私は努力を継続しておこなえる社会人になりたいです
- 社員のみなさんに頼られる社会人になりたいです
- 私は介護をする方々の負担を少しでも軽減してあげられる開発者になりたいです
- 私は顧客に信頼される銀行員になりたいです
- 私は地域を元気に明るくできる人になりたいです
➁なぜそう思うのかの理由付けをおこなう
次に文章の冒頭に書いた結論に対しての理由付けや背景を盛り込みます。たとえば以下のような回答が考えられます。
- (結論)多くの人に安心を与えられるような社会人になりたい
- (理由)自分が入院して不安だったときに看護師に力をもらったから
- (結論)どんな困難にも立ち向かえる社会人になりたい
- (理由)部活動のなかで諦めない気持ちを学んだから
- (結論)誰からも信頼されるプロフェッショナルになりたい
- (理由)オールマイティーになるよりも一つのことを突き詰めることが得意だから
結論だけでは、どうしてそう思うかが明確にはわかりません。そこで、理由付けではできるだけ具体的なエピソードを伝えると良いでしょう。
文の冒頭に結論を伝え、次に具体性を持たせていくと、聴き手を話しにひきこんでいくことができます。
③企業内でできることと結びつける
最終的には企業内でできることと結びつけます。せっかく「どんな社会人になりたいか」を考えても、就職先でできなければ意味がありません。
また、企業側も応募者が社会人として業務にどうかかわり、会社に利益をもたらしてくれるかを知りたいと思っています。さらに、「企業内でできること」を加えることで、会社の業務をちゃんと理解していると伝えられます。
たとえば以下のような回答が考えられます。
学生時代にチームワークの大切さを学んだ経験から、社会人になっても周囲の人とのコミュニケーションを大切にし、営業職として売上に貢献できる社会人になりたいと思います。
このように壁に当たっても乗り越えてきた経験から、何事からも逃げることなく業績をあげ、将来的に海外でも活躍できる人材を目指します。
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丸暗記の回答はしない
「どんな社会人になりたいか」のような、よくされる質問については、事前に回答を考える人は多いかと思います。原稿を書き、面接で答えるリハーサルを繰り返す人も多いでしょう。
ただし、丸暗記の回答はしないように注意してください。丸暗記したものをそのまま回答しようとすると、抑揚が乏しくなり、話しに説得力が生まれません。また「覚えたことを忘れたらどうしよう」という緊張で、余計に回答が失敗しやすくなります。さらに、途中で想定外の質問をされたときに、頭が真っ白になって答えられなくなるかもしれません。
あくまでも要点を覚えていき、本番では面接官との会話を大切にするようにしてください。面接官はコミュニケーション力も見ているので、覚えたことを棒読みするよりも、多少つかえても目を見ながら、表情豊かに話したほうが、印象がよくなります。
キャリアアドバイザーコメント上原 正嵩プロフィールをみる
「どんな社会人になりたいか」を考えるときに、ついほかの質問の回答とは別に考えてしまいますよね。ですが、自己PRと志望動機を結びつけて考えるように、「どんな社会人になりたいか」も志望動機の内容と結びつけて回答するようにしましょう。
志望動機や自己PRと関連性を意識しないと、伝えたいことが採用担当者へ伝わらなくなってしまう可能性もあります。
たとえば、志望動機で「仕事で困っている人へ就職支援する一助になりたい」と伝えたにもかかわらず、理想の社会人像として「自分と向き合い成長し続ける社会人になりたい」と答えるとどうでしょうか。一見すると関連性がないように感じてしまいますよね。関連性を持たせるためには「人の支援ができるように自己成長を厭わない人材になりたい」と伝えると一貫性が生まれます。
面接では補足説明で関連性が伝えられますが、ESでは特に伝え方に気をつけないと、あなたの想いが伝わらなくなってしまう可能性もあります。志望動機や自己PRとの関連性を意識して、「どんな社会人になりたいか」も考えるようにしましょう。
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「どんな社会人になりたいか」の回答に結びつく特性とは?
ここからは、「どんな社会人になりたいか」の回答から企業が見ている特性について紹介します。
特性もまた人それぞれですが、仕事と結びつけやすいものを選んだほうが、話しの流れがまとまりよくなります。
以下、3つの特性について詳しく見ていきましょう。
責任感がある
責任感のある社会人になりたいという考え方を盛り込むのは、適切な判断です。
一度自分で始めたことを責任感を持って進めることは、社会人になると余計に求められるようになります。もし責任感を持たず気まぐれにやるべきことを放り出したら、周囲が迷惑してしまいます。一方、責任感がある人は周囲から信頼され、周囲からの協力が得られたり、よりスキルアップやキャリアアップにつながるポジションを任せてもらえたりするようになります。
直接的に「責任感がある社会人」を言葉にしてもよく、自分がやっていきたい業務をテーマにしながら、そのなかに責任感をもって働きたいというニュアンスをにじませるのも良いでしょう。
視野が広い
視野の広さという観点から社会人像を描いていくのも良いでしょう。
仕事を成功させるためにも、周囲の人の役に立てる行動をするためにも視野の広さは大切です。狭くなっては仕事のミスが起きやすくなりますが広さを保っていれば、小さなミスやトラブルが発生しても柔軟にカバーができます。
顧客のニーズをくみ取り戦略を立てる際にも、視野の広さは役に立ちます。さらに、自分がチームやプロジェクトを任せられるようになってからは、部下や後輩を指導する際に、視野の広さが役立つようになります。
視野が広い社会人になりたいというのも、回答として良いと思われます。
向上心がある
「どんな社会人になりたいか」への回答に、向上心を含めるのもおすすめです。向上心がある社会人であれば、現状に満足せず、おごることもなく、継続して努力していくことができます。
会社としても業績を上げるためには受け身の姿勢の人よりも、自分から能動的に学び、スキルを高めてくれそうな人を採用したいと思います。
「コツコツと地道な努力しながら、スキルアップを目指していきたい」「常に向上心を持って業務にあたりたい」などと回答するのも良いでしょう。
計画性がある
計画性について触れるのもおすすめです。
「計画性をもって物事をすすめる社会人になりたいです」と直接的に言うほか、しっかりとしたキャリアプランを話すことで、計画性があるような印象にするのも手です。
社会人として計画性は大切な素養です。計画性がないまま仕事を進めると、途中で矛盾が生じ、スケジュールが立ち行かなくなってしまう場合もあります。また、仕事では周囲との連携が必要ですが、自分一人の都合で動くと周囲が迷惑するため、あらかじめ計画を立てて動くことが大切です。
3年後の自分は? と聞かれたときの回答の仕方をしりたい学生はこちら。
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「3年後の自分は?」の回答例文8選|魅力的に伝わる回答法も解説
「3年後の自分」は長期的な理想から逆算するとより説得力のあるものになります。 この記事では「3年後の自分」を聞く理由や理想像の作り方、魅力的な伝え方についてキャリアアドバイザーが解説します。 職種別の例文も紹介するので、自分の回答を作ってみましょう。
記事を読む
「どんな社会人になりたいか」の例文
ここからは、「どんな社会人なりたいか」の例文を紹介します。
- 例文①責任感がある人になりたい
- 例文②視野を広くして働ける人になりたい
- 例文③向上心を持って働きたい
- 例文④部下に信頼される上司になりたい
- 例文⑤業績を上げ企業を担える人材になりたい
以上5つの例文を用意したので、参考にしてください。また、NG例についても紹介しています。
例文①責任感がある人になりたい
私は責任感をもって、あらゆる課題に立ち向かえる社会人になりたいと思います。
私は中学時代から、バスケットボール部に所属し、大学でも副主将をつとめましたが、強豪校ではなかったため試合では苦戦することも多々ありました。試合での勝ち負けは後一歩、足が動くかどうかで決まることもありましたが、私はいつも大きな声で仲間を鼓舞し、ともに壁を乗り越えました。副主将としての責任も常に感じ、部室には一番に顔を出して準備をおこない、問題が起きれば主将と部員の間で調整役をやりました。最後の地区大会で優勝できたときには本当に大きな喜びを感じられましたし、部員からも感謝され、大きな喜びとなりました。社会人となっても責任感を持ちながら、壁を乗り越えていきたいと思います。
キャリアアドバイザー
部活動の経験から責任感のある社会人になりたいと考えたことを伝えています。
社会人になってもしっかりと働いてくれそうな回答となっています。
例文②視野を広くして働ける人になりたい
私は視野を広くして働ける社会人になりたいと思っています。私がファミリーレストランでアルバイトをしていた際、最初の店長が視野の狭いタイプの人でした。売上を上げることに必死で、アルバイトの小さなミスにもよく怒り、店内の雰囲気はよくないものでした。しかし、その後に人事異動でやってきた店長は、目の前の売上にこだわることなく、全体の業務の効率をはかることを優先しました。また、常にスタッフに目を配り、冗談を言ったり声をかけたりしてくれました。結果、スタッフが働きやすくなり、店内の雰囲気も明るくなり、売上も上がっていきました。
私は商社パーソンとしてグローバルに活躍することを目標としていますが、視野を広くし多くの顧客の役に立ちたいと考えています
キャリアアドバイザー
ファミレスでのバイトで異なる2人の店長を見て、視野の広さを持つことの大切さを知ったとのことです。
具体的な話が盛り込まれているので、なぜ視野を広くしたいと思ったのかがよくわかります。
例文③向上心を持って働きたい
私は開発研究者として、すべての人がいくつになっても自分らしく快適な人生を送れる世の中を実現したいと思っています。貴社の製品〇〇シリーズはすでに、多くの高齢者が利用していますが、私も開発チームの一員としてより優れた製品を生み出していきたいと考えます。そのために必要なのが向上心です。学生時代にも研究が滞るたびに、高校時代の恩師に教わった「夜明け前は一番暗いのだ(今が一番つらいと思っても夜明けはそこにやってきている)」という言葉を思い出しては、壁を乗り越えてきました。常に優れた開発研究社になるための努力を忘れず、まい進していける社会人になりたいです。
選考の通過率を上げたい人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
キャリアアドバイザー
やや具体的に、研究者としての目標が書かれています。
恩師から教わったことを盛り込むのも手です。
例文④部下に信頼される上司になりたい
私は専門性を高め、部下や後輩にも信頼されるような社会人になりたいと思っています。私の父はメーカーの技術開発部で室長を長年勤めていましたが、よく自宅に部下の方が遊びにきていました。とても慕われているように見えましたが、父は家では無口で、人付き合いもうまいタイプには思えません。不思議に思っていたのですがあるとき、部下の一人が教えてくれました。父はとにかく技術力が高く知識もある一方、部下の話にも真剣に耳を傾け、悩みの相談によくのっていたそうです。そして、そのような点が部下から慕われる要因なのだそうです。
私も仕事をしていくうえで、より高度なスキルを吸収し専門性を高めながら、たくさんの部下に信頼されるような、上司になりたいと考えています。
キャリアアドバイザー
父の話題を盛り込むことで暖かい印象にも仕上がっています。
身近で尊敬できる人のエピソードを盛り込むことで、話しにリアリティが生まれています。
例文⑤業績を上げ企業を担える人材になりたい
私は貴社の業績に貢献できる人材になりたいと思います。大学のゼミで地域の商店とタイアップした商品のマーケティングをグループ研究した際、市場調査や分析の作業を何日もかけておこないました。そして、仲間と何度も意見を交わし、企画書にまとめていきました。
結果としては私たちの案を実施したところ前月比103%アップとなり、はっきりと数字に結果が現れる楽しさと、お店の人からありがとうと言われるうれしさを実感しました。周りの人たちを笑顔にするためにも、売上に貢献し御社を担える社会人になりたいと思います。
キャリアアドバイザー
具体的に数字が入っているので、成果をはっきりとわかるのが良いですね。
実体験から売上アップの楽しさを知ったということで、就職してからも戦力になりそうな予感をさせています。
自己PRが思いつかない就活生は、AIツールを使うのが一番おすすめ!
自己PRのネタを決めても、それを裏付けるエピソードに悩む学生は多いです。しかし、特別なエピソードがなくても受かる自己PRを作ることはできます。
そこで紹介したいのが「自己PR作成ツール」です。ツールを使えば、簡単な質問に答えるだけで裏付けるエピソードが思いつかなくてもあなたの強みが完璧に伝わる自己PRが自動で完成します。
ぜひ活用して、志望企業の選考を突破しましょう!
「どんな社会人になりたいか」のNG例
「どんな社会人になりたいか」は未来のことを言っているため、正確な事実を言わなければならないというものでもありません。そのため、自由に回答できることのように思ってしまいがちですが、いくつかのNGパターンはもちろんあります。
とくに、以下のような2点については注意してください。
- 具体的に数字が入っているので、成果をはっきりとわかるのが良いですね。実体験から売上アップの楽しさを知ったということで、就職してからも戦力になりそうな予感をさせています
それぞれについて解説しましょう。
NG例文①企業の業務から逸脱している
私は将来、グローバルに活躍できる人材になりたいと思います。留学中のホストファミリーに2歳年上のホストシスターがいましたが、現在、アパレルのバイヤーとして世界中を飛び回っています。ときどきZoomで話をするうちに、私も国際的に活躍できるようになりたいと考えました。語学力をもっと磨き、資格も取得しながら努力をしていきたいと思います。今まで語学スキルを磨く間に培ったコツコツと努力する姿勢を生かし、ハウスメーカーである御社の広報でがんばりたいと思います。
選考の通過率を上げたい人は、自己PR作成ツールを活用しましょう
キャリアアドバイザー
実はこの会社は国内向けハウスメーカーであることから、グローバルに活躍する人材をとくに必要としているわけではありません。
また、語学を企業でどう生かすのかもわからず、スキルと企業の業務をマッチすることもできていません。
NG例文②自分の性格からかけ離れている
私は明るさを大切にして周りの人を引っ張っていけるようなリーダーシップのある社会人になりたいと考えています。大学時代はソフトボール部に所属していましたが、私をはじめ当時のメンバーはどちらかといえば大人しく、仲はよかったのですが、OBからも物足りないなどと言われていました。私が3年次のときに来たコーチはとにかく明るく、一人ひとりの性格や個性もすぐに覚えてくれ、どんどんと話しかけてくれました。練習中も活気づくようになり、地区大会で3位に入賞できました。私もコーチのように明るさを忘れずコミュニケーションも大切にし、親しんでもらえるような営業事務になれればと思います。
キャリアアドバイザー
明るさやコミュニケーション力の持ち主は採用試験に受かりやすいというイメージでこのような回答にしたのかもしれませんが、本来は大人しいとのことで、疑問を持たれてしまいます。
自己分析の結果として本来の自分に合った回答をしたほうが良いでしょう。
自分の将来をしっかりと見すえてどんな社会人になりたいか考えよう
「どんな社会人になりたいか」という質問への回答は、入社後の自分をイメージして構成しなければなりません。自己分析と企業研究をおこない、自分の将来を中長期でしっかりと考えたうえで、「責任感のある社会人になりたい」「周囲から頼りにされる社会人になりたい」など、どんな社会人になりたいかについて回答を見つけていってください。回答する際には、思い描く未来像を企業の業務とうまくマッチさせるのもポイントです。
この前の模擬面接ではどんな社会人になりたいかと聞かれて、どう答えたらいいか迷いました。