ブラック企業の特徴ってなに? 知らないと後悔する見極め方を解説

この記事のアドバイザー

目次

  1. ブラック企業に入社したくないなら5つの特徴を押さえよう!
  2. まずはここから! ブラック企業の定義やとらえ方を解説
  3. ブラック企業の定義
  4. 要チェック! ブラック企業になりうる5つの特徴を確認しよう
  5. 特徴①契約条件が不明瞭
  6. 雇用契約書を発行しない
  7. 就業規則がない
  8. 特徴②休日が思うように取れない
  9. 年間休日が少ない
  10. 休日出勤が多い
  11. 有休が取れない
  12. 特徴③労働時間が長い
  13. 残業が月80時間を超えている
  14. 休憩が取れない
  15. 特徴④給与が適切に支払われない
  16. 最低賃金を下回っている
  17. 残業代が払われない
  18. 特徴⑤トップダウン型の社風で決定権がない
  19. ノルマや目標が異常に高い
  20. ハラスメントが横行している
  21. 退職させてもらえない
  22. どこで確認できる? ブラック企業を見極める8つのポイント
  23. ①募集要項:労働条件を確認する
  24. ②企業のホームページ:頻出する言葉を確認する
  25. ③説明会や面接:企業の風土を確認する
  26. ④就職四季報:有休取得率、離職率を確認する
  27. ⑤社員面談:現場社員の声を確認する
  28. ⑥会社見学:入社後の働く環境を確認する
  29. ⑦雇用契約書:実際の労働条件を確認する
  30. ⑧ブラック企業リスト:国が発表しているリストを確認する
  31. 当てはまってない? ブラック企業に入社してしまう人の3つの特徴
  32. 自分1人で就活を進めている
  33. 自己分析・企業分析が不十分
  34. エントリー企業が少ない
  35. ブラック企業の特徴を知りたい学生からよくある質問に回答!
  36. ブラック企業への入社は防げる! 特徴を知って後悔のない就活にしよう

ブラック企業に入社したくないなら5つの特徴を押さえよう!

こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生から

「ブラック企業の特徴を教えてください。」
「ブラック企業への入社を防ぐ方法ってありますか? 」

といった質問をよく受けます。ブラック企業という言葉は聞くけれど、実際にどんな特徴があるのかわからない学生や、ブラック企業に入社したくないと考える学生もいるでしょう。

ブラック企業に入社すると心身ともに疲弊してしまうことも少なくありません。ブラック企業に入社しないために、特徴や見極めるポイントをしっかり押さえていきましょう。

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まずはここから! ブラック企業の定義やとらえ方を解説

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就活生

ブラック企業に入社したくないです……。

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キャリア
アドバイザー

そうですよね。ちなみにブラック企業はどのような企業であるか知っていますか?

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就活生

そういわれるといまいちわからないです……。

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キャリア
アドバイザー

ブラック企業に入社しないためには、まずはブラック企業の定義やとらえ方を知ることが重要ですよ。

ブラック企業という言葉は知っていても、具体的にどんなものを指すかまではわかっていない学生もいるのではないでしょうか。ブラック企業に入社したくないなら、まずはブラック企業の定義ととらえ方を押さえることが重要です。

ブラック企業の定義

ブラック企業は明確に定義されているわけではありません。ただし、厚生労働省は、ブラック企業には3つの特徴があると、明示しています。

  1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  3. このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

つまりブラック企業とは、極端な長時間労働を強制したり、賃金を払わないなど違法な行為をしている企業であることがわかりますね

ブラック企業の定義は人によって変わる

ブラック企業といっても、人によって定義が変わることも覚えておきましょう。ほかの人にとってはブラック企業だとしても、自分には当てはまらないこともありますよ。

そのためブラック企業に入社しないためには、まずは自分にとって何がブラック企業になりうるのかを把握することが重要です。人の意見に左右されるのではなく、自分自身の視点を忘れないようにしてくださいね。

まずはあなたが受けないほうがいい職業を確認しましょう

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要チェック! ブラック企業になりうる5つの特徴を確認しよう

ブラック企業になりうる5つの特徴
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就活生

ブラック企業では長時間労働が強いられたり賃金が払われないといった特徴があるのですね……。

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キャリア
アドバイザー

そうですね。ただし、ほかにもブラック企業になりうる特徴もありますよ。

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就活生

そうなのですね。ブラック企業は避けたいので教えてほしいです!

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キャリア
アドバイザー

ブラック企業には大きく5つの特徴があります。特徴をふまえて自分にとってブラック企業はどんなものか考えてみてくださいね。

ブラック企業の意味合いは人それぞれですが、ブラック企業となりやすい特徴もあります。大きく5つの特徴があるので、それぞれ解説していきますよ。

あなたが受けないほうがいい職業を診断しよう

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特徴①契約条件が不明瞭

契約条件が不明瞭だとブラック企業となりやすいので注意が必要です。具体的には雇用契約書を発行しなかったり、就業規則がないとブラック企業となりやすいでしょう。

契約条件が不明瞭だと極端な長時間労働を強いられたり、もらえるはずのお金をもらえないなど、入社後に不利な条件で働かされることもあります。ブラック企業に入社しないためにもまずは契約条件を確認しましょう。

雇用契約書を発行しない

ブラック企業の特徴としてまずあげられるのが、雇用契約書を発行しないことです。雇用契約書は企業と労働者の間で労働条件を明確にして、合意をしたうえで契約をおこなう書類のことを指します。

雇用契約書の内容例
  • 就業場所
  • 就業時間
  • 契約期間
  • 業務内容
  • 給与
  • 昇給

雇用契約書の発行は義務ではないものの、企業と学生双方で共通認識を持つために発行されることが多いです。そのため、雇用契約書がない場合は労働条件の確認を企業に申し出ると良いでしょう。

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キャリア
アドバイザー

雇用契約書と似た言葉で、労働条件通知書もあります。こちらは企業から一方的に労働条件を通知するものですが、交付義務があるものなので、入社時に発行されない場合は違法となります。

就業規則がない

就業規則がない場合もブラック企業である可能性が高いです。就業規則とは企業が定める、働く際の規定やルールのことを指し、従業員が10人以上の場合は制定が義務化されています

就業規則への記載が義務付けられているもの
  • 労働時間関係:始業・就業時間、休憩時間、休日など
  • 賃金関係:賃金の計算方法、支払い時期など
  • 退職関係:退職金、解雇理由の明記など

就業規則がないと違法な労働時間を強いられたり、ハラスメントが横行するなど企業の秩序が乱れてしまうこともあるでしょう。また就業規則はあるものの、確認できない場合もあるので、入社前に開示をもとめることも重要です。

酒井 栞里

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内定承諾する際は雇用条件の確認をしよう

契約条件が不明だったり曖昧だったりすると、社員側が入社後に不利になりやすいため注意が必要です。基本的に、入社する際には企業との間に雇用契約書が作成され、企業と学生双方が確認し、署名・押印することで雇用契約が結ばれます。労働条件を何かしらの形で学生に知らせることが義務づけられていますが、雇用契約書そのものの準備は義務ではないため、企業から用意されていないこともあります。

そのため、なかには労働条件の内容を曖昧にして、学生にとって不利になるよう動く企業もあるため注意が必要です。労働条件を曖昧にされてしまうと、本来支払われるはずの給与が支払われなかったり、長時間労働を強いられるなど、入社してから働き方に関するさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性が高くなります。

内定承諾をする際には、労働条件についての書類や雇用契約書があるか、必ずチェックするようにしましょう。

特徴②休日が思うように取れない

休日が少なかったり、希望通りに取れないこともブラック企業の特徴といえます。休日を取得することは労働者の権利の1つですが、上司や周囲からのプレッシャーで休みを取りづらい雰囲気の場合もあるでしょう。

そういった環境では仮に休日を取れても、後ろめたい気持ちから仕事のことを考えてしまったり、周囲から妬まれかねないので、気持ちよく休日を取れる企業を見極めることが重要です。

年間休日が少ない

年間休日が少ないとブラック企業の特徴に当てはまることがあります。労働基準法第32条では、労働時間の上限は1日8時間、週40時間までと決まっており、換算すると1年で260日程度までしか働いてはいけないことになります。

つまり約105日が年間休日の下限となりますが、105日を下回るからといって必ずしも違法になるわけではないことも知っておきましょう。1日の労働時間が少ない場合など、例外も多く存在するので、年間休日の目安を押さえておくと入社後をイメージしやすいですよ。

年間休日の目安
  • 120日:週2日+祝日休み
  • 105日:週2日休み
  • 80日:月6日休み(1週間に1.5日)

特に自分の時間を大事にしたい学生は、休日が少ない企業に入社するとブラック企業と感じる可能性が高くなるでしょう。また、有休を年間休日に含んでいる場合もあるので、休日の内訳を確認することも重要ですよ。

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アドバイザー

土日休み、平日休み、シフト制など、勤務の仕方についても確認しておきましょう。

休日出勤が多い

ブラック企業の特徴として休日出勤が多いこともあげられます。もちろん会社主催のイベントがあったり、取引先の都合で休日に仕事をしないといけないこともあるでしょう。しかし、休日に出勤した分の給与が支払われない場合は違法です

労働基準法37条(抜粋)

使用者が……休日に労働させた場合においては……通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。……当該割増賃金の支払に代えて……当該労働者が当該休暇を取得したときは……割増賃金を支払うことを要しない。

労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令

労働基準法第三十七条第一項の政令で定める率は、同法第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働については二割五分とし、これらの規定により労働させた休日の労働については三割五分とする。

また休日出勤した場合、企業は労働者に対して振替休日を付与するか、35%の割増賃金を支払う必要があるので、適切な対応がされているかの確認もしましょう。

有休が取れない

ブラック企業では有休が取れないことも多くあります。2019年4月から労働基準法の改正によって有休の取得が義務化され、企業は年10日以上の有休が付与された従業員に対して、年5日以上の有休を取得させないといけなくなりました。

労働基準法第39条7項(抜粋)

使用者は……有給休暇(……有給休暇の日数が十労働日以上である労働者に係るものに限る……)の日数のうち五日については、基準日……から一年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

正社員やフルタイムで働く場合は、入社6か月が経過すると10日の有休を取得することができるため、半年を過ぎても5日未満の有休しか消化できない場合は違法となります

特徴③労働時間が長い

ブラック企業では残業時間が極端に長かったり、休憩が取れないなど、労働時間が長いことも特徴といえるでしょう。労働時間が増えると心身ともに不調をきたしたり、最悪の場合うつ病を発症するケースもあります。

特にプライベートの時間を重視したい場合は、労働時間の長さは重要なポイントになるので、残業時間や休憩の有無についてはよく確認しましょう。

残業が月80時間を超えている

月の残業時間が80時間を超えている場合はブラック企業であるといっていいでしょう。残業時間の上限は労働基準法で月45時間、年360時間までと決まっており、これを超える場合は36協定を締結する必要があります。

36協定

労働者に法定労働時間を超えて労働させる場合や、休日に労働をさせる場合に企業が労働組合などと結ぶ取り決め。労働基準法第36条に定められていることから通称「サブロク」協定と呼ばれている。

また、残業時間には国が定めた過労死ラインがあり、月の残業時間が80時間を超えると病気や死亡のリスクが高まるといわれています。そのため何カ月も連続して残業時間が80時間を超えるようであれば、健康リスクが高いといえるでしょう。

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アドバイザー

年間の平均残業時間は問題なくても、繁忙期には月80時間を超える、という企業もあるので注意が必要です。

休憩が取れない

ブラック企業では休憩が取れないことも往々にしてあります。休憩時間の付与は法律で義務付けられており、6時間以上の業務する場合は最低45分の休憩を取得する必要があります

労働基準法第34条

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

また、休憩時間は労働者が「労働から離れること」が権利として認められています。そのため休憩中に電話対応をしたり、業務をおこなうことは休憩とはいわないので、「労働をしていない時間がどれだけあるか」を確認するようにしましょう。

特徴④給与が適切に支払われない

ブラック企業では給与が適切に支払われないこともしばしばあります。給与が給料日に支払われないのはもちろん違法ですが、ブラック企業では一見わからないように違法行為をしている場合もあるので注意が必要です。

労働基準法第24条2項

賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない

ブラック企業でよくある給与に関する問題について解説するので、違法であるかすぐに気づけるようにしましょう。

最低賃金を下回っている

ブラック企業では「時給換算したら最低賃金が下回っていた」ということもありえます。最低賃金は都道府県ごとに厚生労働省が定めているので、入社後に後悔をしないためにも必ずチェックするようにしましょう。

最低賃金を計算する方法
  • ①給与-通勤手当+時間外手当+住宅手当
  • ②(①×12か月)÷(所定労働日数×1日の労働時間)

②が都道府県別の最低賃金を下回っている場合、違法となり、差額分を企業に請求することができます。なお最低賃金を計算する際は、通勤手当、時間外手当、住宅手当は含まれないので給与から引くのを忘れないようにしてくださいね。

残業代が払われない

ブラック企業では残業代が支払われないことも多くあります。ブラック企業では残業が多くなる傾向にありますが、超過分の給与を払わないのは違法です。とくにみなし残業や固定残業時間を超えているのにもかかわらず、超過分の給与を払わないケースが多くあります

労働基準法第37条4項(抜粋)

使用者が、午後十時から午前五時まで……の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

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アドバイザー

管理職は残業代が支給されないのが一般的です。ただし、名ばかりの管理職もあるので、自分が当てはまるのかを確認するようにしてくださいね。

特徴⑤トップダウン型の社風で決定権がない

ブラック企業では上からの圧力が強い、トップダウン型の社風であることも多いです。社長や上司のいうことは絶対という風潮があったり、若手の意見が無視されるなど、自分に決定権がないケースも多くあります。

ひどい場合は人格否定のようなことをされて、「自分には価値がないのかもしれない」と思ってしまうかもしれません。肉体的、精神的に追い詰められないためにも、企業の社風に問題がないかもよく確認しましょう。

ノルマや目標が異常に高い

ブラック企業はノルマや目標が異常に高いことも特徴としてあげられます。もちろんノルマや目標があること自体は問題ないですが、あまりにも実現可能性が低い数値だったり、「達成できなければ減給」といった極端な成果主義の場合はブラック企業といっていいでしょう。

目標やノルマを達成するために身内や友人に声をかけざるを得なかったり、身銭を切って自社の商品やサービスを購入させるケースもあります。ノルマや目標が妥当かどうかは1カ月や1日単位でどれくらい売り上げる必要があるのか計算してみるとイメージしやすいですよ

ハラスメントが横行している

ブラック企業では日常的にハラスメントが横行していることも大いにあります。ハラスメントとは人を困らせたり、嫌がるような行為を指し、企業はハラスメント防止に務める義務がありますよ

セクハラ(セクシュアルハラスメント)の例
  • 「〇〇さんって恋人いるの? 」と執拗に質問される
  • 「男(女)だから」と性別による蔑視発言がある
パワハラ(パワーハラスメント)の例
  • 「終わるまで帰るな」と仕事が終わるまで残業を強制される
  • 仕事でミスをすると物を投げられたり、怒鳴られたりする

ブラック企業ではとくに、性に関する不適切な言動などが含まれるセクハラ(セクシュアルハラスメント)や、優位な立場を利用したパワハラ(パワーハラスメント)などが問題となることが多いです。

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ハラスメントは説明会や面接など、就活中にも起こりえます。自分が「嫌だな」と思ったことは1人で抱え込むのではなく、周囲に相談するようにしましょう。

退職させてもらえない

ブラック企業では辞めたくても辞めさせてくれないケースもあります。「人手が足りない」「今やめられたら困る」などといわれ、辞めづらくさせることもあるでしょう。しかし契約期間が決まっていない場合、2週間前までに意思表示をすれば退職できると法律で決まっています

民法第627条1項

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

ただし、就業規則に「1カ月前に退職も申し出が必要」などと記載されている場合は、そちらが優先されることもあります。もちろんあまりにも長期間の場合は労働者の退職の自由を尊重する視点から無効となることもありますよ。

長尾 美慧

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みなし残業にはメリットもある

みなし残業や固定残業制について、良い印象をもたない学生もいるのではないでしょうか。しかし「固定残業制=悪い」というわけではありません。たとえば固定残業制度のメリットとして、モチベーションがアップしやすいという面があります。固定残業制を導入していない企業だと、生産性が高く仕事を定時内に終わらせることができる社員は、残業代が発生しません。一方で、生産性が悪く残業しないと業務が終わらない社員は残業代が発生し、結果的に生産性が悪い社員の方が給料が多くなります。

このようなことを回避するために残業代を固定し、生産性が高い社員は定時に上がっても手当がもらえ、生産性が低い社員は残業の分手当がもらえる、といった平等性を意識した制度が固定残業制です。残業をしなくても残業代がもらえるとは、得ですよね。固定残業制を導入している企業のすべてがブラック企業というわけではありません。

ただし、固定残業時間が45時間を超えてしまうと36協定に違反します。それにもかかわらず、固定残業時間を45時間以上で設定している企業もまれにあるので、そういった企業への入社は避けた方がいいかもしれませんね。

あなたが受けないほうがいい職業を確認しておこう

就活の成功は、自分に合う仕事・合わない仕事を知ることが鍵です。しかし、それがどんな仕事なのかが分からず悩む人も多いでしょう。

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どこで確認できる? ブラック企業を見極める8つのポイント

ブラック企業を見極める8つのポイント
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就活生

ブラック企業にはさまざまな特徴があるのですね……。

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アドバイザー

そうなんです。ブラック企業に入社すると心身ともにストレスを感じやすいので避けたいですよね。

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就活生

そうですね。でも実際にどこを確認すればわかりますか?

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ブラック企業を見極めるための8つのポイントについても解説しますね。

ブラック企業は8つのポイントから見極めることができます。ブラック企業に入社しないためにも、事前の下調べをしっかりおこないましょう。

①募集要項:労働条件を確認する

ブラック企業かどうかは募集要項を確認することで見極めることができます。募集要項には給与や年間休日などの労働条件が記載されているので、入社後の待遇を知ることができますよ。

募集要項でチェックすべき内容
  • 給与の内訳:基本給がどれくらいか
  • 休日:自分の希望にマッチしているか
  • 仕事内容:仕事の内容をイメージできるか

給与をチェックするときは基本給がどれくらいなのかを確認すると、年収のイメージをつけることができます。たとえば賞与は「基本給×〇月分」で計算されるため、手当が充実しているけれど基本給が低い場合は年収が低くなりかねません。

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言葉尻に引っ張られるのではなく、細かいところまで念入りに確認しましょう。

②企業のホームページ:頻出する言葉を確認する

ホームページは企業の顔ともいえるもので、業務内容や文化などを判断するのに役立ちますよ。とくに業務内容が曖昧だったり、何の会社かわからない場合は入社後に予期せぬ仕事内容を任されるケースがあるので注意が必要です。

ホームページでチェックすべき内容
  • 精神論的な言葉が多くないか
  • 業務内容がイメージできるか
  • 本拠所在地や社名が頻繁に変わっていないか

またホームページに精神論的な言葉が多すぎないかも確認しましょう。「情熱」「やる気」「意欲」などの言葉があまりにも多い場合は、社内でも根性論が一般的になっているかもしれません。

③説明会や面接:企業の風土を確認する

説明会や面接では実際に働いている社員が登壇するので、企業の風土を確認することができますよ。採用担当者は会社の代表として採用活動をおこなっているため、その人の人柄や立ち振る舞いから企業の文化や社風がわかるでしょう

たとえば学生に対して上から目線で話してきたり、見下したような発言があるようであれば、社内では上下関係が強くパワハラが横行している場合もあります。また、学生に対しては優しいけれど、社内の人には厳しい発言があるケースも注意が必要です。

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説明会や面接で頻出する言葉からも企業の風土を知ることができますよ。

オンラインの説明会であれば気軽に参加できますよ。オンラインの説明会についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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またブラック企業か確認するには面接で逆質問をするのもおすすめです。面接の逆質問の例についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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④就職四季報:有休取得率、離職率を確認する

就職四季報では有休取得率や離職率などの数字を確認するのに役立ちます。就活四季報は第三者が業界や企業についてまとめているので、客観的な情報を得ることができますよ

就職四季報で確認すべき内容
  • 採用実績
  • 有休取得率
  • 3年後離職率
  • 残業時間

ホームページや説明会は企業が発信している情報なので、どうしても良い面のみをアピールされがちです。その点第三者の視点でまとめられている就職四季報の情報は有益といえますね。

就職四季報についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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⑤社員面談:現場社員の声を確認する

ブラック企業を見極めるには社員面談も効果的です。社員面談は人事ではなく、現場社員の声を聞くことで、実際の働く環境をイメージしやすくなりますよ

社員面談で聞くべきこと
  • 1日のスケジュール
  • 1カ月の残業時間
  • 休日(有休の取り方や取得率など)
  • 上司との関係性
  • 入社する前と後のギャップ

とくに1日のスケジュールや休日に対して質問をすることで、入社後どのように働くのかがイメージできるでしょう。また入社する前と後のギャップを聞くことで、入社後のミスマッチを防ぐこともできますよ。

⑥会社見学:入社後の働く環境を確認する

会社の見学ができるのであれば積極的に参加しましょう。会社を見学することで、入社したあとに実際に働く環境を確認することができますよ。

会社見学で確認すること
  • 社員同士のコミュニケーションの量、仕方
  • 仕事場の整頓具合
  • 自分に対しての態度(挨拶の有無など)

会社見学では実際に働いている人や社内の雰囲気、仕事場の環境をチェックしましょう。たとえば社員が疲れ切っていて活気がなかったり、デスクに書類が山積みで整理整頓されていないような環境ではブラック企業である可能性が高いです。

会社見学をする際はマナーも重要です。会社見学のマナーについてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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⑦雇用契約書:実際の労働条件を確認する

雇用契約書には実際の労働条件が記載されているので、入社前に必ず確認しておきましょう。「募集要項と同じだと思って雇用契約書を確認せずに入社したら、募集要項と内容が変わっていた……」なんてこともありえます。

雇用契約書への記載が義務付けられている項目
  • 労働契約の期間
  • 就業場所
  • 従事する業務の内容
  • 始業時刻・終業時刻
  • 交代制のルール(交代がある場合)
  • 所定労働時間を超える労働の有無
  • 休憩時間、休日、休暇
  • 賃金の決定、計算、支払方法、締切日、支払日
  • 退職や解雇に関する規定

雇用契約書には記載が義務付けられている項目があるので、必要な項目が抜けている場合は契約締結の前に必ず確認するようにしましょう。また賞与や休職に関してなど、記載が義務付けられていない項目についても、事前に確認しておくと後々のトラブルを防ぐことができますよ。

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キャリア
アドバイザー

とくに拠点がいくつかある企業の場合は、就業場所の確認を必ずおこないましょう。

⑧ブラック企業リスト:国が発表しているリストを確認する

ブラック企業を見極めるには、国が発表しているブラック企業リストも役立ちます。ブラック企業リストとは厚生労働省が発表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」のことで、労働基準法に違反した事業所や企業がリストアップされています

ただし、ブラック企業リストはあくまで労働局が把握している企業になるので、リストアップされていない企業のなかにもブラック企業は存在します。そのためリストだけを見て判断するのではなく、情報源の1つとして参考にすることを忘れないようにしてくださいね。

加藤 大智

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口コミの情報は参考程度にとどめよう

ブラック企業を見極めるために、企業の口コミサイトを見るという人もいます。口コミサイトは社員のリアルな声が覗けるため、よく閲覧するという声もたくさん聞きますね。しかし、口コミサイトはあくまで参考程度にとどめることをおすすめします。

基本的に口コミサイトには、プラスの意見よりもマイナスの意見を書きたくなる人が多い傾向にあります。また、退職した人が口コミを書いている場合は、何かしら不満があることもあるので、マイナスな口コミになりやすいです。さらに就職系の口コミサイトに限らず、口コミは特別よかったとき、もしくは特別悪かったときに書かれやすい傾向があるため、極端な意見が多かったり、衝動的な意見が多かったりします。

そのため、口コミサイトを真に受けてしまうと、正しい情報が得られなくなってしまう可能性が高くなります。参考程度に口コミサイトを閲覧するのは問題ありませんが、何が正しい情報かを精査し、最終的な意思決定は自分で考えておこなうようにしましょう。

当てはまってない? ブラック企業に入社してしまう人の3つの特徴

ブラック企業に入社してしまう人の3つの特徴
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就活生

ブラック企業の見極め方もわかったので、もう安心ですね!

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安心するのはまだ早いですよ! 実はブラック企業に入社してしまう人には特徴があるんです。

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就活生

え、そうなのですか? 自分が当てはまってないか不安です……。

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アドバイザー

ブラック企業に入社してしまう人の3つの特徴を解説するので、自分に当てはまってないか確認してくださいね。

ブラック企業に入社してしまう人には共通する特徴があります。ブラック企業に入社したくないなら、最後まで気を抜かず念入りにチェックしてくださいね。

自分1人で就活を進めている

ブラック企業に入社してしまう人の特徴としてまずあげられるのが、周囲に相談せず1人で就活を進めている人です。自分だけで就活を進めてしまうと、どうしても視野が狭くなったり客観的に物事を判断できなくなってしまいます。

第三者に相談することで、今まで知らなかった情報を得ることができたり、違う角度で企業を見ることができるでしょう。ブラック企業に入社しないためにも、周囲の人に積極的に相談するようにしてくださいね。

自己分析・企業分析が不十分

自己分析や企業分析が十分にできていない人もブラック企業に入社しやすいので注意が必要です。自己分析がしっかりできていないと、仕事で重視したいことがわからず、自分に合っていない企業を選んでしまうでしょう。

また企業分析が不十分だと、ブラック企業の特徴に気づくことができず、入社後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔することにもつながりかねません。ブラック企業に入社しないためにも、自己分析と企業分析は念入りにおこないましょう

自分に合った仕事の見つけ方についてはこちらの記事で詳しく解説していますよ。

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エントリー企業が少ない

ブラック企業に入社したくないなら複数の企業を受験することも重要です。エントリー企業が少ないと、限られた情報の中でしか企業を判断することができません

情報量が少ないと企業の比較をすることができず、ブラック企業を受けても「これが普通なのかな」と思ってしまう場合もあります。入社前にブラック企業に気づくためにも、就活では複数の企業を受けるようにしましょう。

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キャリア
アドバイザー

さまざまな業界を見ることもブラック企業に入社しないためには効果的ですよ。

石川 愛

キャリアアドバイザーコメント石川 愛プロフィールをみる

就職先は焦って決めないようにしよう

ブラック企業に入社してしまう人の特徴として、とにかく焦って就職先を決めたがる人も当てはまります。就職先を焦って決める理由としては「周囲の友人が就職先を決めているから自分も早く就活を終わらせたい」「とにかく就活が嫌だから早く終わらせたい」などさまざまです。しかし吟味して就職先を選ぶのではなく、焦りからなんとなくで就職先を決めてしまうと、細かい労働条件などを見落としてしまい、ブラック企業と気付かない可能性が高くなります。

特に就活があまりうまく進んでおらず「やっと内定をもらえた」といった状況だと、内定を獲得できた嬉しさから違和感を感じても飲み込んでしまい、入社してから苦労するといったパターンも見受けられます。

確かに就活は時間も体力も使うため、非常に大変です。しかし、就活が続くのは数カ月、長くても1年程度です。入社してから後悔すると、数年、何十年と苦しむことになります。一時的な苦痛から抜け出すために就職先を妥協するのではなく、入社後の自分が生き生きと働けるよう、就職先は慎重に選ぶようにしましょう。

ブラック企業の特徴を知りたい学生からよくある質問に回答!

仕事は1日の多くの時間を占めるからこそ、ブラック企業を避けたいと考える学生は多いでしょう。そんなブラック企業の特徴を知りたい学生からよくある質問にキャリアアドバイザーが回答します。

  • ブラック企業にはどんな特徴がありますか?

    ブラック企業には残業時間が極端に長いことや、給与の未払いがあるなどの特徴があります。ブラック企業の特徴や見極め方を知ることで、ブラック企業への入社を防ぐことができますよ。また、ブラック企業の意味合いは人によって異なるので、自分の中のブラック企業の定義を決めることも重要です。

  • ブラック企業かどうかはどこで見極められますか?

    ブラック企業は募集要項や就職四季報など、さまざまな場所で見極めることができます。とくに実際に働いている現場の社員と面談をしたり会社見学に行くことで、企業の実情を知ることができますよ。また、国が発表しているブラック企業リストを確認するのもおすすめですね。

ブラック企業への入社は防げる! 特徴を知って後悔のない就活にしよう

ブラック企業に入社してしまうと、長時間労働を強いられたり罵声を浴びせられるなど、肉体的・精神的に追い詰められかねません。はじめて社会にでて働くからこそ、ブラック企業に入社するのは避けたいですよね。

自分の大事にしたい価値観とブラック企業の特徴を知ることで、ブラック企業への入社は防ぐことができます。ブラック企業の見極め方を知って、後悔のない就活にしましょう。

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