目次
- スタートアップ企業を解説! 魅力や懸念点を把握して就活の幅を広げよう
- まずはスタートアップ企業の定義を押さえよう!
- スタートアップ企業とベンチャー企業の3つの違いを解説!
- ①目的
- ②ビジネスモデル
- ③収益性
- スタートアップ企業で働くことの魅力を紹介!
- 幅広い仕事を経験できる
- 成長する機会が多い
- 事業の立ち上げフェーズにかかわることができる
- 新しいことに挑戦しやすい
- 知っておきたい! スタートアップ企業で働くうえでの懸念点
- 事業が不安定なためリスクがある
- ハードワークになりやすい
- 福利厚生が整っていない
- 活躍できる人とは? スタートアップ企業に向いている人の特徴
- 幅広い業務を経験したい人
- 積極的に新しい提案ができる人
- 変化に柔軟に対応できる人
- 裁量権のある環境で仕事をしたい人
- つらくなりやすい? スタートアップ企業に向いていない人の特徴
- 特定の業務を極めたい人
- 仕事を優先するのが苦に感じる人
- 会社に変化よりも安定をもとめる人
- マルチタスクが苦手な人
- 優良スタートアップ企業の3つの特徴を解説!
- ①成長性のある分野である
- ②経営陣の得意分野に偏りがない
- ③資金の調達が安定している
- 選考前に取り組もう! スタートアップ企業の理解を深める5つの方法を解説
- 企業ホームページ :理念やビジョンを含めた企業の特徴を確認できる
- インタビュー記事:社長や創業メンバーの雰囲気や目指す方向性を確認できる
- 日本スタートアップ大賞:経済産業省が選ぶ注目のスタートアップ企業を確認できる
- インターン:実際の仕事の流れやメンバーの雰囲気を体感できる
- オフィス見学:実際に働く環境を確認できる
- スタートアップ企業を志望する学生からよく聞かれる質問に回答!
- スタートアップ企業はスピード感と成長性が強み! 適性を見極めて挑戦してみよう
スタートアップ企業を解説! 魅力や懸念点を把握して就活の幅を広げよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。学生からよく、
「スタートアップ企業とベンチャー企業の違いは何ですか? 」
「スタートアップ企業の魅力や懸念点を教えてください。」
といった質問を受けます。スタートアップ企業と聞いて、なんとなく「フレッシュで勢いがある会社」や「小規模で新しいことをしている会社」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、スタートアップ企業への漠然としたイメージをより鮮明にしていくために、よく混同されるベンチャー企業との違いをはじめとして、スタートアップ企業の魅力や懸念点、適性や優良企業の紹介に至るまでを徹底解説していきます。
スタートアップ企業の理解をより深める方法についても紹介していきますので、この記事でスタートアップ企業に興味を持った学生は、ぜひキャリア選択の1つとして候補に入れて就活の幅を広げてみてください。
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まずはスタートアップ企業の定義を押さえよう!
就活生
キャリアアドバイザー
スタートアップ企業と聞いただけでは、はっきりとはイメージが湧かないですよね。それではそもそもの由来から説明していきますね。
「スタートアップ」という言葉が最初に使われ始めたのは、IT企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーでのことで、その言葉のまま日本に入ってきました。語源は「始動」や「開始」などを意味する英語の「startup(スタートアップ)」に由来しています。
- スタートアップ企業とは、一般的に「新しいビジネスモデルを短期間で急成長させることを目的に事業を始めた会社」のことを指す。ただ、現在も明確な定義はない。
また、スタートアップ企業と混同されやすい企業にベンチャー企業があります。まずは2つの企業の違いを見ながら、スタートアップ企業の特徴を理解していきましょう。
スタートアップ企業とベンチャー企業の3つの違いを解説!
就活生
スタートアップ企業と同じような企業にベンチャー企業があると思うのですが、何が違うのでしょうか?
キャリアアドバイザー
2つの企業の違いは気になりますよね。それでは「目的」「ビジネスモデル」「収益性」を比較しながら見ていきましょう。
スタートアップ企業とベンチャー企業は同じ意味で用いられることも多いですが、厳密には「多くのベンチャー企業の中にスタートアップ企業が含まれている」という考え方で見ていくと、わかりやすいです。
ここでは、より詳細にスタートアップ企業とベンチャー企業について、3つの違いを見ていきながら、理解を深めていきましょう。
キャリアアドバイザー
ベンチャー企業は、和製英語である「venture(ベンチャー)」に由来しています。「冒険的」という意味があることから「成長過程に過程にある企業」のことを表し、現在は「ベンチャー企業」として幅広い意味で用いられています!
①目的
スタートアップ企業とベンチャー企業でまず異なるのは、ビジネスの目的です。
多くのベンチャー企業は、会社の将来を長い目で見て着実に成長していくことを目的としています。一方で、スタートアップ企業は、革新性を持ったまったく新しいインパクトを世の中に与えられるか、に重きを置いています。
スタートアップ企業とベンチャー企業の目的の違いは、企業が重要視することの違いにも直結するので、しっかりと把握しておきましょう。
②ビジネスモデル
次に異なるのが、ビジネスモデルです。
ベンチャー企業は、既存のビジネスモデルを土台として、比較的長期的な目で見て安定した事業の展開をしていきます。対して、スタートアップ企業は、革新的な技術やアイデアで今までにないビジネスを短期間のうちに急成長させるように経営していきます。
キャリアアドバイザー
ビジネスのスタイルの違いが、多くのベンチャー企業とスタートアップ企業との最も大きな違いといえますね!
③収益性
最後は、収益性です。図にあるように、ベンチャー企業はすでにある顧客のニーズを効率よく解決していく方向性を持って経営していくことが多く、利益が時間に比例するように長期的に着実に黒字化を狙っていく傾向にあります。
一方で、スタートアップ企業は、まだ世の中で潜在化しているニーズを掘り起こし解決していくため、ビジネスを始めてからしばらくの間は赤字が続く傾向にあります。ビジネスが軌道に乗った瞬間に急激に成長してはじめて、スタートアップ企業は赤字から黒字に転換することができるといえますね。
キャリアアドバイザー
赤字の期間を「死の谷(Valley of Death)」と呼び、死の谷を超えることがスタートアップ企業として成功するか否かの最初の分かれ道になると言われています。
どのスタートアップ企業にも「死の谷」を這い上がれないリスクが存在します。そのため、多くの企業はあらかじめどれくらいの赤字になったらビジネスから撤退するかを決め、損失を最小限にして防ぐためのリスクヘッジをおこなっています。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
スタートアップ企業の場合、人材育成や社内制度の構築よりもまずは事業展開を進めることが優先されがちです。そのため明確な評価制度が整っておらず、目の前の仕事を進めていく中で営業実績を積んだり、サービスの開発をしたりすることがもとめられます。
このように創業初期のスタートアップに入社をすると最初は大変かもしれませんが、事業展開がうまくいくと、当初からのメンバーは採用規模を広げる段階でリーダーや役職付きに抜擢されるケースも多いです。規模が拡大したときに一気にキャリアアップの可能性が見込めるというスピード感は、スタートアップ企業でのキャリア形成を考える際の魅力の1つでしょう。
ベンチャー企業についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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スタートアップ企業で働くことの魅力を紹介!
就活生
スタートアップ企業について理解が深まりました。では、スタートアップ企業で働くことの魅力は何ですか?
キャリアアドバイザー
スタートアップ企業で自分が働くとなった場合、どのような魅力があるのか気になりますよね。スタートアップ企業ならではの魅力があるので見ていきましょう。
ここでは、スタートアップ企業で働くうえでどのような魅力があるのかを解説していきます。これまでは企業としての特徴を解説してきましたが、今度は実際に働くときの視点から見ていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
幅広い仕事を経験できる
スタートアップ企業は起業して間もない会社のため、少数精鋭で業務を進めることが多く、必然的に1人に任される仕事の幅が広くなります。経営者と同じ視点で事業の先行きを考えることから書類の準備や事務連絡など多岐に渡ります。
また、革新性に重視していることから、仕事方法なども決まったやり方がない傾向にあります。自ら新しいやり方を模索しながら業務を進めていくことが多くなるため、若いうちから多種多様な仕事に携われるのが大きな魅力の1つです。
成長する機会が多い
スタートアップ企業では「ビジネスを軌道に乗せること」がまず最初で最大の目標になります。軌道に乗せるまでの期間は意思決定の数が多く、バリエーションもさまざまです。多様な業務に対応するため、精神的にも仕事のスキル的にも多くの力を身に着けていく必要があります。
自ら進んで学び吸収しようという姿勢さえあれば、どんどん成長できるようになっているため、若手のうちからスピード感をもって仕事に取り組みたいという人には魅力的な環境になるでしょう。
事業の立ち上げフェーズにかかわることができる
スタートアップ企業は、勢いよく駆け出したての時期にあります。会社の目的に向かって社長や役員と顔を突き合わせながら同じ目線で仕事ができる環境は、スタートアップ企業だからこそできる経験といえますね。
また、どうやって事業を軌道に乗せていくのか、社員一人ひとりが経営者視点で物事を考え、判断し、実際に自ら行動していく必要もあるため、事業の立ち上げ段階でしか得られない経験値を蓄積していくことができます。
新しいことに挑戦しやすい
スタートアップ企業は革新性をもって世の中にインパクトを与えることが目的となるため、社内でも新しい取り組みや提案をしやすい環境にあります。
たとえば、大手企業では最初は先輩社員のプレゼンの資料準備やサポートからおこなうことが多いですが、スタートアップ企業では、取引先へのプレゼンなども名乗り出れば1人で担当できるチャンスがあるでしょう。
若手のうちから、積極的に自分の意見や考えを発信し会社に大きな影響を与えたい学生には、ベストな環境といえますね。
知っておきたい! スタートアップ企業で働くうえでの懸念点
就活生
スタートアップ企業で働く上での魅力がある一方で、懸念点などはありますか?
キャリアアドバイザー
いい質問ですね。いくつかあるので一緒に見ていきましょう。
ここでは、スタートアップ企業で働くうえで知っておいたほうがいい懸念点を解説します。入社後のミスマッチを軽減するためにも、しっかりと認識しておきましょう。
事業が不安定なためリスクがある
スタートアップ企業は、革新的なビジネスモデルや事業を創り出すことに挑戦している企業です。急成長させることができれば良いですが、もちろん失敗するリスクもあります。「ハイリスク・ハイリターン」の経営要素が強いことがスタートアップ企業の特徴といえます。
創り出した事業が軌道に乗るまでは、資金や経営体制が不安定な状態にあることが多く、資金難が続けば倒産する可能性もあります。必ずしも成功するとは限らないことを認識しておきましょう。
キャリアアドバイザー
入社後のリスクを可能な限り減らすためにも、後ほど紹介する優良スタートアップ企業の特徴を知り、入社予定の企業がそれに該当するかを事前に確かめておくことが重要ですね。
ハードワークになりやすい
スタートアップ企業は、少人数のため一人ひとりの業務量は必然的に多くなります。加えて、マニュアルのない業務も多く、やり方も含めて一番最初から手探りで構築していくことも少なくありません。また、前例がないことへの意思決定も多く、精神的にも比重がかかる場面が多くなると予想されます。
キャリアアドバイザー
仕事量に加えて、成果がもとめられる傾向にあるため、プレッシャーを強く感じやすくなるということも仕事がハードだと感じてしまう理由の1つであると言えますね。
福利厚生が整っていない
スタートアップ企業は、他の企業と比較して、まずは「人材育成」よりも「事業の成長」に重きが置かれます。もちろんすべてのスタートアップ企業が該当するわけではありませんが、企業の立場に立って考えると、まずは事業を軌道に乗せることが最優先されるでしょう。
事業育成に重きが置かれるという経緯から、福利厚生や労働環境整備、研修制度などについては後回しになりがちです。一方で、事業が軌道に乗り、ある程度の収益が見込めるようになれば、社内の制度に関しても自分自身が新しい提案をできることもあります。入社後数年は自分と会社の成長に特化して、確実に成果を出すことをもとめられるでしょう。
キャリアアドバイザー
近年では働き方改革も進んでいることもあり、福利厚生が充実しているスタートアップ企業もあります。入社前に企業ホームページなどで確認しておくと良いでしょう。
どのような福利厚生があるのかを知りたい学生はこちらの記事を確認しましょう
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キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
スタートアップ企業は、事業の特性上どうしても仕事が忙しいイメージを持たれてしまうかもしれません。「前例がない」「マニュアルがない」などの理由から何かが発生するたびに対処をする必要があるため、どうしても仕事量が多くなってしまうためです。
しかし新しいアイデアを試したり、スピード感をもってプロジェクトを進めることができるなど、裁量権が大きいことはスタートアップ企業の魅力といえるでしょう。もちろん、1つの失敗が企業の成果に影響を及ぼす可能性があるため、責任感をもって取り組むことも重要です。
スタートアップ企業に入社する場合、その環境が自分に合っているかどうかをしっかりと考え、一定の覚悟を持つことが必要であることは忘れないようにしましょう。
活躍できる人とは? スタートアップ企業に向いている人の特徴
就活生
スタートアップ企業で働く際の魅力や懸念点についてよく理解できましたので、次は自分がスタートアップ企業に向いている人の特徴は何なのか知りたいです!
キャリアアドバイザー
自分自身が向いているかどうか確かめることは大事ですね。それではスタートアップ企業に向いているのはどのような人なのか、見ていきましょうか。
ここでは、スタートアップ企業に向いているのはどのような人なのかを紹介していきます。自分自身の特性や仕事に対する考え方などと照らし合わせながら読み進めてみてください。
幅広い業務を経験したい人
社員数が少ないスタートアップ企業では、人数の多い企業が分業制なのに対し、各業務の最初から最後までを一貫して担当する機会も多く、その分業務経験の幅も広がります。
たとえば、営業職でありつつ企画職のようにマーケティングなどの分析などをおこない、商談をおこなう機会も少なくないでしょう。「若いうちにいろいろな業務に触れてみたい」や「最初から最後まで業務の流れを一通り経験したい」と思っている学生にはピッタリですね。
積極的に新しい提案ができる人
まだ世の中にない新しいビジネスをおこなうスタートアップ企業では、社員に対しても、積極的な行動力や革新的な提案力をもとめる傾向にあります。
そのため、上司に指示されたことをそつなくこなす人よりも、多少粗削りでも良いので、新しい考えを社内でどんどん提案できる人が重宝されるでしょう。積極的なコミュニケーションや発信に抵抗がない人は、スムーズに仕事が進められる可能性が高いと言えますね。
変化に柔軟に対応できる人
新しさをもとめるスタートアップ企業では、社内制度や社内環境、会社の方向性が変わることも少なくありません。たとえば、これまで担当していたプロジェクトから方向性などの変更により、突然別のプロジェクトの担当に変わることもあるでしょう。
思いもよらない変化や仕事が舞い込んでくるのもスタートアップ企業の魅力の1つです。そのスピード感や変化に追われるのではなく、刺激的なものだと状況を楽しめるくらいの人がスタートアップ企業には向いているでしょう。
裁量権のある環境で仕事をしたい人
比較的規模の小さいスタートアップ企業では、会社を成長させるためにも採用活動を高頻度でおこなう企業もあり、入社からそれほど時間が経たないうちに役職が与えられ、部下を持つことも少なくありません。役職が就けば、必然的に責任範囲が広がり、判断や決断を迫られることも多くなります。結果として、早くから裁量の大きな仕事をするチャンスが与えられるでしょう。
そのため、早くから大きな仕事を動かしたい人や、人から指示されるよりも自分で考えて決断するほうが得意な人は、スタートアップ企業で充実した働き方ができると言えますね。
つらくなりやすい? スタートアップ企業に向いていない人の特徴
就活生
スタートアップ企業に向いている人の特徴があるなら、あまり向いていない人の特徴もあるのですか?
キャリアアドバイザー
スタートアップ企業にあまり向いていない人の特徴もあるので、併せて把握しておくと良いでしょう。
ここでは、スタートアップ企業にあまり向いていない人の特徴を紹介していきます。とはいえ、スタートアップ企業に就職すべきではないというわけではありません。入社後のギャップを減らすために、頭に入れておくとよいでしょう。
特定の業務を極めたい人
「幅広い業務を経験したい人」はスタートアップ企業に向いていますが、その反対で1つの業務や分野に特化して仕事を極めたい人にはあまり向いていない可能性があります。
たとえ、ある業界に特化したスタートアップ企業であっても、仕事の根本の構築や仕組み作りから携わることも多いため、おこなう業務の幅は広くなります。また、各業務の進行も早いため、一つひとつの業務をスピーディーに進める意識を常に持っておく必要があるでしょう。
自分の役割を明確にしてそれだけを極めたいと考えている人は、入社後に大きなギャップを感じる可能性が高いので少し注意が必要です。
仕事を優先するのが苦に感じる人
スタートアップ企業は、仕事をしている以外の場面でも、見たものや聞いたものから仕事にも生かそうとするような、仕事に対して意欲的な人が多い傾向にあります。
また、仕事に対するコミュニケーションも活発なため、時には、休憩時間などに仕事の話をしたりすることもあるでしょう。そのため、必ず自分の時間を時間を確保したいという学生には、苦に感じてしまう部分がある可能性があるので、自分がどういう考えを持っているのか事前に把握しておくことが必要になります。
キャリアアドバイザー
スタートアップ企業は創業して間もないため、働く環境の整備が整っていないイメージもありそうですが、現在は日本全体で残業を減らすように動きが活発なため、働く環境は良くなってきています。あくまで、時に仕事を優先してもよいかということについて、自分と向き合ってみましょう。
会社に変化よりも安定をもとめる人
スタートアップ企業は、「時代に合わせて変化する」というだけでなく、「スタートアップ企業自らが新しい時代を創り出す」ことを目的にしています。企業自体が積極的に変化していこうという意志があるということは、社員自身も常に環境に合わせて変化していく前向きな姿勢が必要になります。
最初は業績的にも不安定なことが多く、会社の売却や倒産などの危険性もあるため、会社の経営面に対して、精神的な不安定さが出てくることもあるでしょう。そのため、働きがいだけでなく企業に安定性をもとめる人にとっては、心身への負担が大きくなる可能性が高いです。
変化に対して楽しいと感じるよりも、不安を感じてしまう人は苦しくなってしまう可能性があるので、注意しておきたいポイントですね。
マルチタスクが苦手な人
スタートアップ企業では幅広い業務をこなしていく必要があるため、業務量も多くなる傾向にあり、種類や進捗の異なる業務を同時並行で管理していく力がもとめられます。
たとえば、取引先との商談をおこないつつ、社内での事務処理や新しいプロジェクトの提案を進めるなど、複数の業務を横断的におこなうようなイメージです。
どんな仕事でもマルチタスクをする力は必要ですが、スタートアップ企業はより高いマルチタスク力を持っていないと、仕事を前に進めていくことは難しいでしょう。
優良スタートアップ企業の3つの特徴を解説!
就活生
ここまででスタートアップ企業の特徴について色々と知ることができました。では、良いスタートアップ企業にはどのような特徴があるのでしょうか?
キャリアアドバイザー
それでは、優良スタートアップ企業を見抜く特徴を紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。
ここでは、優良スタートアップ企業に共通している3つの特徴について解説していきます。スタートアップ企業は、創業して間もない企業であることもあり、メディアでの情報開示も少ない傾向にあるため、その企業を詳細にリサーチすることは難しい可能性があります。
ですが、だからこそ「ここは外せない! 」というポイントを持っておくことは、判断の際にとても重要になりますよ。
①成長性のある分野である
スタートアップ企業はその時代の中で革新的なものを生み出すことを目指している企業ですが、成長性のある分野であることが望ましいです。
たとえば、近年はITやテクノロジー、AIやメタバースなどのビジネスが成長分野として挙げられます。しかし、たとえ成長分野であったとしても、そのビジネスモデルやアイデアが革新的であり今後の世の中に役立つものでないと、その先の進化は鈍化してしまう可能性があるでしょう。
キャリアアドバイザー
成長する分野であればさまざまな仕事に恵まれ、自分自身のスキルも磨いていくこともできるでしょう。
②経営陣の得意分野に偏りがない
少人数かつ創業間もないスタートアップ企業は、経営陣がどういった人たちなのかというのが、良い企業かどうかの重要な指標になります。特に、経営陣のビジョンや仕事に対する考え方が自分に合っているのかということは、とても大事な観点です。
ただ、ここで忘れてはいけないのが「経営陣全員の得意な分野に偏りがないか」という視点です。
企業は1つの分野に特化するだけでは、成り立ちません。たとえば、プログラミング知識だけに特化した経営陣だったとして、幅広い業界にアプローチできる知識や経験がなければ、作成したプログラミングを適切に活かすことができないでしょう。
その他にも、経営に関しても財務知識などの会社を運営する正しい知識がなければ、いくら優れたサービスがあっても会社は倒産してしまいます。扱うサービスに魅力を感じることは重要ですが、不安なく働くためにもスタートアップ企業はどのような経営陣がいるのかを注視するようにしましょう。
③資金の調達が安定している
スタートアップ企業の創業時は、既におこなっている事業がなく元手を作り出すのが困難であるため、大きなビジネスを始めようとするほど多くの資金が必要になります。
この元手を作り出すための資金調達の手段は、出資や融資、補助金や助成金などさまざまです。ここで重要になるのが、調達した資金の返済の見通しについてです。
その企業が「返済できる見通しが余裕をもって立てられているか」「供給先の経営が安定しているか」「供給先を分散できているか」という点は企業の安定性にかかわってくるため、特に注意して確認するようにしましょう。
ビジネスが軌道に乗るまでは、どうしても不安定な状況が続きます。その中で、今後の見立てが立っていることは企業の信頼感につながりますし、安心して働き続けるためにも十分にリスクヘッジできている企業かどうかをしっかり見極めましょう。
キャリアアドバイザーコメント北浦 ひよりプロフィールをみる
最近のスタートアップ企業では、ユーモアのある社内制度を通じて働きやすい環境を作り出しているケースも多いです。新型コロナウイルス感染症の影響で一般的になりつつはありますが、たとえば、リモートワークを始めとし、誕生日休暇などの多様な休暇制度や子連れ出勤の導入などをおこなう企業もあります。
また、働く環境をより心地よくするためにゲームルームやリラクゼーションスペース、食べ物の提供やキッチンスペースなどオフィス空間の向上に力を入れている会社もありますよ。
さらに、イノベーションを促進するために社長とランチに行ったり、社員同士でアイデアブレストコンテストを開催したりする企業もあります。このように休暇、働きやすさ、事業成長という観点から、企業独自の制度や福利厚生を実施していることもスタートアップ企業の魅力といえますね。
選考前に取り組もう! スタートアップ企業の理解を深める5つの方法を解説
- 企業ホームページ :理念やビジョンを含めた企業の特徴を確認できる
- インタビュー記事:社長や創業メンバーの雰囲気や目指す方向性を確認できる
- 日本スタートアップ大賞:経済産業省が選ぶ注目のスタートアップ企業を確認できる
- インターン:実際の仕事の流れやメンバーの雰囲気を体感できる
- オフィス見学:実際に働く環境を確認できる
就活生
ここまでお話を聞く中でスタートアップ企業に応募してみたくなってきました。選考前に取り組むべきことがあれば教えて頂きたいです!
山田太郎
それでは選考前に取り組むべきことを紹介しますので、一緒に確認していきましょう。
ここでは、スタートアップ企業の特徴からさらに一歩踏み込んで、スタートアップ企業の理解を深める方法を5つ紹介します。
特に、選考前に取り組んでおくと、面接での対応がしやすくなったり、入社後に働いている自分をイメージしやすくなったりすると思うので、興味を持ったものがあればぜひ行動に移してみてくださいね。
企業ホームページ :理念やビジョンを含めた企業の特徴を確認できる
興味を持ったスタートアップ企業に出会ったら、まずは企業ホームページを確認してみましょう。
企業ホームページには、どの分野でどんなことをやろうとしているのか、その企業が大切にしていることは何か、どういった背景で操業するに至ったのか、現状はどうなっているのか、などその企業のベースとなる情報を得ることができます。
特にスタートアップ企業では、代表者のメッセージにその企業の個性が色濃く出ている傾向があるので、参考にすると良いでしょう。
- 会社概要(事業内容や業界、資本金、売上高など)
- 社員紹介
- 代表者メッセージ
キャリアアドバイザー
ホームページのデザインやこだわり方にも、その企業の個性が現れることもあるので、そこから企業全体の雰囲気を感じ取ることも大事なことですね。
インタビュー記事:社長や創業メンバーの雰囲気や目指す方向性を確認できる
スタートアップ企業の代表者は企業の認知度を高めるためにメディアに露出する機会も多くあります。企業ホームページにある代表者メッセージを読んで興味が湧いてきたら、企業名で検索をしてインタビュー記事も読んでみましょう。
社長の考え方や個性、今後の展望など企業ホームページだけでは知りえない情報を見ることができます。選考前に確認しておき、その話題をもって面接に臨むことで、志望度が高いことを示すことができるでしょう。
- 社長や創業メンバーの情報(キャリア遍歴、大事にしている価値観、専門分野など)
- 展開している事業の今後の方向性
キャリアアドバイザー
複数のインタビュー記事を見ることで、何度も同じ内容が話されているならば、それが企業が重要視していることだと知ることができますね。
日本スタートアップ大賞:経済産業省が選ぶ注目のスタートアップ企業を確認できる
現在、国内の事業活性化のため、政府としても「スタートアップ支援策」に力を入れている実情があります。その背景も踏まえ、経済産業省が以下の目的で「日本スタートアップ大賞」として、毎年注目のスタートアップ企業を表彰しています。
- 次世代を担う若者や起業家のロールモデルとなるような、社会的インパクトのある新事業を創出したスタートアップを表彰することにより、積極的な挑戦の重要性や起業家への評価を浸透させ、社会全体のチャレンジ精神の高揚を図ることを目的としています。
※「日本スタートアップ大賞2023」より一部抜粋
「日本スタートアップ大賞」のように、国が発信する記事からもスタートアップ企業の情報を得ることができます。信頼性も担保されているため、選考時にも有益な情報となるでしょう。
- 受賞内容
- 受賞理由
- 受賞した企業のビジョン
インターン:実際の仕事の流れやメンバーの雰囲気を体感できる
スタートアップ企業では、新卒中途問わず採用を強化しているところも多く、その一貫としてインターンを実施している企業もあります。
企業によって重視しているところは変わりますが、入社後のミスマッチを防ぐことに加え、人件費を少しでも削減したい、実際に働いているところを見て人材を採用したいなどの背景があります。
インターンに参加することで、実際にどのような仕事をするのか、自分がその仕事に向いているのか、そして、メンバーや職場環境が自分に合っていそうかということを目で見て肌で感じて確かめることができるでしょう。
- 実際の仕事内容(業務の流れ、業務の内容、スケジュールなど)
- 職場の雰囲気(コミュニケーションの取り方、社員同士の関係性など)
キャリアアドバイザー
選考の一部免除やそのまま入社できる企業もあるので、スタートアップ企業を探している人にはとても有力な方法といえるでしょう。
オフィス見学:実際に働く環境を確認できる
インターンまではやっていなくても、オフィス見学をさせてくれるスタートアップ企業もあります。自分がどんな職場環境で働くのか、一緒に働く人はどんな人たちなのかなどを知ることができるのは、就活を進めるうえで大きなメリットになります。
実際に仕事を体験することは難しいですが、オフィス見学のように実際に自分の目で見て確かめることは、企業選択の際にも大いに役立つでしょう。
- オフィスの環境(掃除が行き届いているか、書類が必要以上に溜まっていないかなど)
- 職場の雰囲気(コミュニケーションの取り方、社員同士の関係性など)
キャリアアドバイザーコメント上村 京久プロフィールをみる
スタートアップ企業に興味はあってもファーストキャリアとして実際に選ぶことに不安な学生もいると思います。しかしこれまで見てきたとおり、スタートアップ企業では個々の業務範囲が広く常に経営者の考えを身近で感じられる環境であるため、大企業では得られないスキルを身につけられるでしょう。自分のアイデアや働きが直接企業の成果につながるため、自己成長の機会ともなります。
もちろん、スタートアップには大企業に比べて制度が整っていなかったり、最悪の場合事業が成功しないリスクもあります。そのため、自分自身の価値観やキャリアプランをきちんと分析して、スタートアップ企業での働き方が自分に合っているかどうかを慎重に判断するようにしましょう。
ちなみに、大企業のメリットについてはこちらの記事で解説していますので、併せて参考にしてみてください。
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また、こちらの記事では大企業に向いていない人の特徴を解説しているので、併せて読んで理解を深めてくださいね。
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スタートアップ企業を志望する学生からよく聞かれる質問に回答!
スタートアップ企業の選考を受けるうえで不安なこともありますよね。スタートアップ企業を目指す学生からよく聞かれる質問にキャリアアドバイザーが回答していくので、スタートアップ企業を視野に入れて就活する人はぜひ参考にしてください。
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スタートアップ企業とベンチャー企業の違いは何ですか?
スタートアップ企業とベンチャー企業を比較したとき、ビジネスモデルにその違いが強く現れます。ベンチャー企業が、既存のビジネスモデルを土台として長期的な目線で堅実な成長を目指すのに対し、スタートアップ企業は、まったく新しいビジネスモデルを構築し世の中に革新的なインパクトを与えることに重きを置いています。このビジネスモデルの違いがあることで、企業としての方向性や働き方が変わるでしょう。
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スタートアップ企業の面接で給与や待遇を確認しても大丈夫でしょうか?
選考中に聞くのはあまり良い印象は持たれないため、一般的には避けるほうが無難とされています。給与や待遇を一番に気にする学生に対しては「仕事に前向きではないのではないか? 」「事業の状況により給与が変化したら辞めてしまうのではないか? 」などの不安を企業側に与えることになりかねません。
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ファーストキャリアがスタートアップ企業はアリですか?
圧倒的な成長や経験を得たいと思うのであれば「アリ」な選択といえるでしょう。創業間もないスタートアップ企業にファーストキャリアで就職するとなると、不安な点も多くなりますが、若いうちに多くの経験が得られることは魅力の1つです。近年、国が働き方改革を推し進めている経緯もあり、日本全体でより働きやすい環境を整えようという意識も高まっていますよ。
スタートアップ企業はスピード感と成長性が強み! 適性を見極めて挑戦してみよう
スタートアップ企業は、圧倒的なスピード感と成長性が魅力な企業です。そのため、若いうちから幅広い経験を積んで大きく成長したいと考えているなら、ファーストキャリアとしては適していると言えるでしょう。
一方で、スタートアップ企業は会社全体としても働き方としても未整備な部分が多く、不安定な面があります。自身にとってのメリットとデメリットを見極めたうえで、しっかりと企業研究をおこないましょう。
そもそもスタートアップ企業の定義って何なんですか?