目次
- ベンチャー企業を正しく理解し視野に入れよう
- ベンチャー企業とは
- ベンチャーの意味・定義
- 大企業・中小企業との違い
- スタートアップとの違い
- ベンチャー企業の4つのフェーズ
- ベンチャー企業の特徴やメリット
- ベンチャーで働くメリット・デメリット
- 給与
- 教育体制・福利厚生
- 社風・企業の雰囲気
- 働き方
- 安定性・将来性
- 個人の成長・キャリア
- ベンチャーに向いている人の6つの特徴
- ①好奇心旺盛
- ②プレゼン能力が高い
- ③行動力/実行力
- ④自主性
- ⑤成長意欲がある
- ⑥自己管理能力が高い
- 向いていない人の特徴
- 仕事に対して受け身
- 安定志向
- 代表的な国内ベンチャー企業一覧
- 株式会社メルカリ
- 株式会社ディー・エヌ・エー
- 株式会社サイバーエージェント
- LINE株式会社
- グリー株式会社
- エムスリー株式会社
- freee株式会社
- スマートニュース株式会社
- 株式会社Preferred Networks
- 海外の有名ベンチャー
- ByteDance(中国)
- Uber(米国)
- 滴滴出行(中国)
- Airbnb(米国)
- SpaceX(米国)
- ベンチャー企業を理解して就活を進めよう
ベンチャー企業を正しく理解し視野に入れよう
こんにちは。キャリアアドバイザーの北原です。
「ベンチャー企業は忙しいんですよね」
「がつがつした人が多くいそうです」
就活の中には、そんな心配をしてベンチャー企業を就活の選択肢から外してしまう人がいます。漠然としたイメージだけで選択肢から外してしまうのは非常にもったいないですよね。就活において大きな損をしているといえます。ベンチャーに興味を持たない大手志向の就活生の中にも、ベンチャー気質の人はいるものです。
この記事では、ベンチャー企業の特徴のほか働く際のメリット・デメリットを解説します。ベンチャー企業の正しい知識を持ったうえで就活に臨みましょう。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とはイノベーティブな技術やアイデアをもとに、新しい形態のサービスやビジネスを事業として展開している企業で、企業規模としてはほとんどが中規模から小規模です。
ここでは、ベンチャー企業の意味や定義からベンチャー企業の4つの成長ステージに至るまでを詳しく紹介していきます。さらに、ベンチャー企業とよく混同されやすいスタートアップや中小企業との違いについても見ていきましょう。
ベンチャーの意味・定義
実はベンチャー企業には「資本金〇〇円以下、創業△年以内」などの明確な基準や定義があるわけではありません。新しい形態のサービスやビジネスを展開している企業をベンチャー企業と呼び、一般的には一般企業と区別して次のような特徴があげられます。日本においては2000年以降のIT・インターネット技術の進歩や規制緩和を背景に、ベンチャー企業の数が増加しています。
- ベンチャーキャピタルなどの投資機関から出資を受けている会社
- 新しい形態のサービスやビジネスを事業展開していて成長過程にある会社
大企業・中小企業との違い
ベンチャー企業は中小企業と混同されがちですが、基準がまったく異なります。まず中小企業とは企業規模を表す分類方法の1つで、中小企業基本法という法律でその定義は明確です。また、大企業に法的な定義はありませんが、中小企業基本法の定義を上回る企業が一般的に大企業といわれます。
上記で説明したようにベンチャー企業に法的な基準はなく、企業の特徴を指す呼称です。つまり資本金や従業員数の企業規模は関係ありません。法的には中小企業に当てはまるベンチャー企業が比較的多いことが中小とベンチャーが混同されやすい理由の一つといえますが、大手企業に分類されるベンチャー企業も多くあります。
スタートアップとの違い
また、スタートアップもよく聞きますが、スタートアップはベンチャー企業の中でも「新規のビジネスを“短期間で急成長”させている企業」のことを特に指します。
そのため、ベンチャー企業・中小企業・スタートアップを並列で考えること自体、誤った認識だといえるでしょう。ベンチャー企業の中には規模として中小企業もありますし、新規事業の成長スピードからスタートアップと呼ばれる企業もあるということです。
企業規模分類の中小企業の中にベンチャー企業と非ベンチャー企業がありますが、その違いとしては前者が「成長志向」であるのに対し、後者は「安定志向」といえるでしょう。
スタートアップ企業についてはこちらで詳しく解説しています。
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ベンチャー企業の4つのフェーズ
ベンチャー企業はその成長の度合いから、「シード」「アーリー」「エクスパンション」「レイター」の4つのフェーズに分類することができます。
シード
創業前の段階にあたり、コンセプトやビジネスモデルは決まっているものの具体的な製品やサービスはまだない状態。これから会社を立ち上げる状況により、資金需要は会社設立資金程度と限定的です。
アーリー
創業直後の段階にあたり、製品やサービスは立ち上がったものの認知度は低い状況。そのため、多額の運転資金や設備投資が必要となることから、資金需要の最も高い時期といえます。この時期は銀行からの融資がおりにくく、資金調達方法としてはベンチャーキャピタルなどの投資機関から集めることが多くなります。
エクスパンション
事業が軌道に乗り始め、成長を見据えて本格的に進めていく段階です。製品やサービスの拡充を狙って、さらなる設備投資や人材確保が必要となることから資金需要はますます高まります。事業が軌道に乗り始めていることから、銀行からも融資が受けられるようになります。
レイター
事業や経営状態が安定して利益も出ている時期で、さらなる新規事業の展開も視野に入れます。さらに、IPO(新規上場)も視野に入れて検討する企業が多く、資金調達も銀行からの借入だけでなく、株式による調達など多様化していきます。
また、事業規模が拡大して従業員数も大企業のように数千人規模まで成長していながら、成長性と新規性を追求していく企業を「メガベンチャー」と呼びます。さらに、企業評価額が10億ドル以上・非上場ベンチャー企業・創業10年以内の企業はユニコーン企業といわれます。
メガベンチャーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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ベンチャー企業の特徴やメリット
ベンチャー企業は、企業の規模や取り組む事業は多種多様ですが、成長志向性の高さは共通しています。そのため事業の立ち上げから拡大に至るまで急速に成長するケースが多々あり、一般企業では考えられないようなスピードで 売り上げ規模や従業員が 増えることも珍しくありません。
新たな領域の開拓や、最新技術の活用・開発、新たな需要の創出など、展開する事業に革新的・新規性がある点も特徴のひとつです。その特性上、技術刷新のスピードが早いIT業界にベンチャー企業が集中しています。また、法規制が厳しい・古くからの商慣習が残っている業界に新たなサービスやアイデアを提案することで、その業界に存在感を示しているベンチャー企業も多くあります。
一方、ベンチャー企業の多くは発展途上にあることから事業などの安定性に欠けると指摘されることがあります。ただし、ベンチャー企業だから「倒産リスクが高い」というイメージを持つ方もいますが、それは正確とは言えません。倒産リスクはどの企業にもあるので、それだけで判断するのは避けたほうが良いかもしれませんね。
ベンチャーで働くメリット・デメリット
ベンチャー企業への就職に興味がある人にとってベンチャー企業は、成長性や裁量権の大きさなどのメリットから魅力的に映るでしょう。実際にはベンチャー企業で働くデメリットも存在するのも事実で、メリット・デメリットの両面をしっかり把握する必要があります。
具体的に、大企業や一般の中小企業と比べてベンチャー企業で働くことにはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここでは「給与」「福利厚生」「社風・企業の雰囲気」「働き方」「企業の安定性/将来性」「個人の成長/キャリア」の6つの観点から紹介していきます。
こちらの記事では、大企業のメリットについて解説していますので、併せて読んで理解を深めてくださいね。
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給与
ベンチャー企業の給与は成果次第では高給を期待できますが、一般的には低い傾向があります。年功序列で安定的な給与を期待できる大企業や中小企業と違って、事業を成長させなければならないベンチャー企業の場合は、固定費である基本給を低く設定する企業が一般的で、これはベンチャー企業のデメリットといえるでしょう。
その代わりに、事業が成長した際のインセンティブ報酬や株式上場時の株価の値上がり益が大きく期待できるストックオプション( あらかじめ定められた価額で会社の株式を取得することができる権利)をもらえるなどのメリットもあります。
教育体制・福利厚生
ベンチャー企業では大手企業や一般の中小企業と比べて財務体力面で劣っている傾向があり、保険や退職金制度といった福利厚生は整っていないのが実情です。しかし、最近では企業認知度向上や人材確保の強化の観点からベンチャー企業でも福利厚生を強化している企業が増えてきています。
事業が軌道に乗り財務体力面が安定してきたベンチャー企業であれば、住宅補助など費用面の補助を導入するケースもあります。財務体力面で不安の残るベンチャー企業では、大企業や中小企業にはないユニークな福利厚生を導入しているところも。
例えば、社員の朝食を会社で用意したり、会社内に仮眠スペースを用意する企業もあり、さらには年に一度1ヶ月間の長期休暇を取得できる企業もあります。ベンチャー企業ならではの独創的な福利厚生を受けられる点は、ベンチャー企業で働く上での醍醐味のひとつといえるでしょう。
教育体制や福利厚生面が充実していない点については「ゼロから仕組みを作ることができる」とも言えるため、企業の体制を一から整備していくことについてやりがいを感じる人もいるでしょう。
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社風・企業の雰囲気
ベンチャー企業は大企業や中小企業などの一般企業に比べて組織も小さい企業が多く、社長を始めとした創業メンバーの考え方によって社風や企業の雰囲気は大きく変わります。企業のルールや制度のほとんどは社長や経営層によって決められていることが多いので、考え方や価値観が合わなければ、働きづらくなってしまいます。
一方、ベンチャー企業は大企業や中小企業などの一般企業と違って、フレキシブルな働き方ができたり、社長をはじめとする経営陣との距離が近いほか、上下関係が厳しくなかったりする傾向もあります。社風や・企業の雰囲気が合っていることは、活き活きと働くことにつながるという意味でメリットになるでしょう。
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働き方
ベンチャー企業は大企業や中小企業などの一般企業と比べて、若手であっても早い段階から責任感のある仕事を任される傾向が強いです。また、組織も小さい分、自らが担当する仕事の範囲は広くなります。
ベンチャー企業は世の中に最先端のサービスや商品を提供しているので企業の成長スピードが早い分、自身の仕事もスピード感を持って取り組むことができます。また、自ら思考して企業の成長のためになる提案をすれば、採用される可能性もあります。このように、若手でも事業の提案や責任感の大きな仕事ができることはベンチャー企業で働くメリットといえるでしょう。
一方で、若手の間は育成期間として先輩から手厚く指導してもらいながら成長していきたいと考えている人には、実践を通して成長していかなければならない傾向が強いベンチャー企業で働くことはデメリットとなるでしょう。
安定性・将来性
ベンチャー企業は新たなサービスや商品を世の中に提供しているため、市場を開拓できれば企業としての成長力は非常に高いです。毎年のように売上を大きく伸ばすことも可能なため、企業としての将来性には魅力的なものがあります。創業間もないベンチャー企業が爆発的に売上を伸ばして利益を確保していけるようになれば、株式上場を果たせる可能性も。
一方、成長力が高い反面、急に成長が鈍化して一気に衰退することも少なくありません。大手企業や中小企業に比べて失敗に対するノウハウや資金力が乏しいため、倒産リスクもあります。成長率が絶好調のベンチャー企業であっても今後はどうなるかは読みづらく、安定性に欠ける点はベンチャー企業で働くデメリットのひとつといえるでしょう。
個人の成長・キャリア
ベンチャー企業では大手企業のように「育成をして成長」していくのではなく、「実践を通して成長」していくので、積極的に仕事に取り組んでいくことができれば、大手企業などに比べて成長速度を上げていけるでしょう。また、大きな組織の中で守備範囲が決められている大企業の若手と比べて担当する業務の幅も広いので、自らの意見を出せば採用されるケースが多くなります。
ベンチャー企業で働けば「自ら考えて自ら実践する」ことが多くなるので、個人の成長速度を求めるのであればベンチャー企業で働くことはメリットとなるでしょう。ただ、企業の安定性に欠けることから将来のキャリアを見通しにくい点は、年功序列の企業に比べてデメリットといえます。
ベンチャーに向いている人の6つの特徴
他の企業と比べても特徴的な点が多く、個性的な企業も多いため、ベンチャー企業は人を選びます。仮に就職できても、特有の環境に馴染めずに早期退職してしまう、あるいは仕事で活躍できないというケースもあるため注意しなければなりません。
ベンチャー企業への就職を目指すなら、どのような人が向いているのかを知っておくことが大切です。ベンチャー企業向けの人の6つの特徴を知り、自分に当てはまるかチェックしてみましょう。
①好奇心旺盛
企業によって扱う商品、サービスは違いますが、基本的に最先端のものを扱うという点はベンチャー企業で共通しています。そのため、新しいものでも恐れずに追求でき、むしろ自分からどんどんトレンドを追っていけるような好奇心旺盛な人が求められます。知りたい、やってみたいという気持ちが強い人ほどベンチャー企業に向いていると言えるでしょう。
好奇心旺盛とは、言い換えると新しいものを受け入れられる、変化にも柔軟に対応できるという意味でもあります。ベンチャー企業は企業そのものの性質自体が変わることもあり、不安定な環境にある場合が多いです。大きな環境の変化があっても、柔軟に対処し、その環境、状態にすら好奇心を持って取り組める前向きな姿勢が求められるでしょう。
キャリアアドバイザーコメント吉川 智也プロフィールをみる
ベンチャー企業は人数が少ないので、さまざまな仕事に携われる機会があります。これは社会人としてのチャンスでもあり、若いうちから特定の職種に限らないお仕事を経験できる魅力があります。
アピールする際は、これまでの経験の中で自分なりに選択軸を持って行動してきた点を伝えるといいかと思います。自分なりに創意工夫をして目的達成のために努力してきた過程は仕事にも通じるからです。
こうしたアピールをすれば、貴重な戦力として一緒に働きたいと思ってもらいやすいと考えます。これはベンチャーに限らず大手の選考でも大切なことですね!
②プレゼン能力が高い
ベンチャー企業は企業規模の拡大を目指し、市場にどんどん売り込みをかけなければなりません。新しいものをより大きく売り出すためには、他の企業の手を借りることもあり、自社の商品やサービスをプレゼンする機会も多いです。ベンチャー企業ではプレゼン業務が日常的に存在します。相手に伝わることを意識してわかりやすく話せる、説得することが得意という人は当てはまるのではないでしょうか。
また、プレゼンは社外に限ったことではなく、社内に向けておこなわれることも多いです。自分のやりたいこと、目指したいものを実現するには、自分で情報を発信して他の人からの賛同を得なければなりません。プレゼンで自己表現できないと、やりたいことがいつまでもできない可能性が高いことは覚えておきましょう。
プレゼン能力の高さは自己PRでもアピールできます。逆に企業から自己PRプレゼンを求められることもあるので、その際はこちらにも目を通しておくと良いでしょう。
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③行動力/実行力
ベンチャー企業はとにかくやってみる、挑戦してみるという精神を大切にしていることが多いです。そのため、じっくり考えて慎重に動く人よりは、思い立ったらすぐ行動できる人のほうが向いているでしょう。行動力の高さは非常に重要で、流動的なビジネスのチャンスを逃さないためにも誰よりも早く動くことが求められます。
ベンチャー企業は成長力が高いだけに移り変わりが激しく、ひとつのタイミングを逃すだけで会社の命運が変わってしまうことも少なくありません。行動できずに失敗する人は求められておらず、同じ失敗でも行動した結果によるものなら、評価されることもあるでしょう。行動第一主義の企業も少なくないため、何事も恐れることなくチャレンジできる精神力の強さは必須といえます。
④自主性
単に流れるチャンスを掴むだけではなく、自分から動き、チャンスを作りだすことも求められます。単なる行動力とは違い、そこからさらに一歩踏み出した自主性も、ベンチャー企業では重要視されるポイントです。自主性とは、自分から主体となって動き出すこと、自分発信で物事を進めることと考えましょう。
プレゼン能力や行動力とやや重複する部分でもあり、これらを総合して発揮される自主性が、特に重要と考えても構いません。ベンチャー企業では待っているだけではチャンスは巡ってこないため、自分から掴みに行く必要があります。自分発信で行動、提案し、チャンスを掴むことこそ自主性のたまものであり、ベンチャーマインドで特に重要なポイントと言えるでしょう。
自主性と似た表現のひとつに積極性があります。積極性をアピールしたい人はこちらの記事も読んでみると良いですね。
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ベンチャー企業とはいえ組織であるので「自己欲求だけ」では内定を勝ち取ることは難しいです。ベンチャー志向の学生さんの多くは「成長したい!」「裁量権が欲しい!」「出世したい!」「稼ぎたい!」など自己欲求が強くいいことではあるのですが、企業や社会に対して何を還元できるのか? を考えていくことが大切です。
ベンチャー企業であろうと大手企業であろうと自身がどうなりたいか? ということと同時に会社にどう貢献できるか? 社会にどう貢献できるか? を考えられる人になりましょう。
⑤成長意欲がある
ベンチャー企業は世の中にない新しいサービスや商品を生み出す必要があるため、成長意欲があることが重要になります。仕事を進めていく上で大手企業のように上司が手取り足取り教えてくれるわけではないので、自ら考えて仕事を進めなければなりません。
足りないスキルや知識があると感じたのならば自己研鑽に励む必要があります。自らを成長させたいという貪欲な姿勢がなければベンチャー企業では続けていくことは難しいでしょう。仕事量が多く、裁量権がある働き方が求められるので、成長意欲を持っていることは重要といえます。
⑥自己管理能力が高い
ベンチャー企業で働く場合は、仕事の幅が広まったり大きな仕事を任せられたりする分、もちろん量も多くなります。そのため、仕事に対する優先順位付けやスケジュール管理が必要不可欠で、自分の仕事を正しくマネジメントできる自己管理能力は非常に重要といえます。
「ベンチャー企業の働き方は自由でワークライフバランスが取れてそうだ」と考える人は多くいますが、それは自分の仕事をマネジメントする自己管理能力があってこそです。バランスの取れた働き方を実現するためには、自己管理能力の高さが求められるでしょう。
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向いていない人の特徴
ベンチャー企業には個性的な企業が多い分、ベンチャー企業に向いていない人の特徴もはっきりしているといえます。自分がその特徴に当てはまっているのにも関わらず「ベンチャー企業への憧れ」だけで就職を決めてしまうことのないように、ベンチャー企業に向いていない人の特徴を2つ紹介します。ベンチャー企業に向いている人の特徴と向いていない人の特徴をしっかりと踏まえた上で就職を検討していきましょう。
仕事に対して受け身
受け身の人はベンチャー企業に向いてないといえます。目的を達成するための最適な手段を自分で考えて行動することが求められるため、仕事に対して受け身だと仕事の成果はほとんど挙げられません。
大企業であれば、若手のうちは指示通りにテキパキと動くだけで重宝されるかもしれませんが、ベンチャー企業では受け身な姿勢は通用しないと考えておきましょう。ベンチャー企業では、仕事が終わる度に上司からの指示を待っていては一向に仕事は進みません。ひとつの仕事が終われば、次の仕事を自分で作り出していく積極的な姿勢が必要となります。
安定志向
「安定的に給料を上げたい」という安定志向の人はベンチャー企業には向いていないでしょう。ベンチャー企業は世の中にない新しいサービスや商品を生み出していく企業なので、安定よりも成長を追求していきます。
安定志向の人がベンチャー企業に入社しても、アクションを起こさない人が活躍できる可能性は低いです。活躍するためには、企業の成長を叶えるために新たなチャレンジを続ける必要があります。安定した企業を求めるのであれば、ベンチャー企業ではなく歴史のある大企業や中小企業が無難といえるでしょう。
代表的な国内ベンチャー企業一覧
ここまではベンチャー企業について、その定義や働く上でのメリット・デメリット、そしてベンチャー企業が向いている人の特徴について解説してきました。
ベンチャー企業で働くことの魅力について理解できたところで、ここからはベンチャー企業の中でも代表的な企業を紹介していきます。ベンチャー企業への就職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリはフリマアプリ「メルカリ」を運営しており、フリマアプリで国内首位の企業です。2013年の設立以降はベンチャー企業として一気に成長を遂げ、国内に留まらず海外からの評価も伸ばし、未上場ながら企業価値が10億ドル以上になりユニコーン企業となりました。
そして、2018年に株式市場に上場を果たし、国内だけでなく米国でのフリマ事業を強化していることに加え、スマホ決済サービスの「メルペイ」も強化しています。
- フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用
- スマホ決済「メルペイ」事業
- 米国フリマ事業「メルカリUS」の企画・開発・運用
株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社ディー・エヌ・エーは1999年の設立以降「モバゲー」に代表されるモバイルゲームを主力事業、そしてEコマース事業の「モバオク」と事業を拡大してきました。現在はインターネット上のサービス以外にも、スポーツ(横浜DeNAベイスターズ)・ヘルスケア・オートモーティブなど幅広いジャンルに挑戦しています。上場を果した今でも「永久ベンチャー」というビジョンを掲げて挑戦を続けている会社です。
- ゲーム
- エンターテインメント
- スポーツ
- オートモーティブ
- ヘルスケア
- Eコマース など
株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントはインターネット広告事業・メディア事業・ゲーム事業を主力とした企業で、「アメブロ」や「アベマTV」などのサービスを生み出しています。1998年の設立以降、急成長を遂げて1999年には「1999年度ベンチャー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、翌2000年には株式市場に上場を果しました。
設立当初はインターネット広告事業からスタートしたものの、「アベマTV」などのメディア事業・スマホゲームなどのゲーム事業と事業を拡大させて成長しています。
- メディア事業
- インターネット広告事業
- ゲーム事業
- 投資育成事業
LINE株式会社
LINE株式会社は韓国企業であるNAVERの100%子会社として2000年に設立された企業で、 NAVERブログやNAVERまとめを主力事業として成長してきました。2011年にはメッセージアプリ「LINE」のサービスを開始し、一気に事業を拡大させて成長を遂げました。
LINEは80%以上の日本人が利用しているとも言われ、メッセージアプリとしては圧倒的なシェアを誇っています。現在ではLINEを中核にフィンテックやエンターテインメントの分野にも事業を拡大している企業です。
- メッセージアプリ「LINE」の運営
- 「LINE Pay」などのフィンテック事業
- 「NAVERまとめ」などのポータル事業
- 「LINEまんが」などのエンターテインメント事業 など
グリー株式会社
グリー株式会社は世界初のモバイルソーシャルゲームを開発するなど、モバイルゲームSNSの「GREE」を主軸に成長を遂げた企業です。現在はスマホ向けゲームや「VTuber」に特化したライブエンターテインメント事業が主軸となっています。2011年には東証1部の日次売買代金で連日1位となるなど、目覚ましい勢いで成長を遂げていきました。
- ゲーム事業
- ライブエンターテインメント事業
- メディア事業
- 広告事業
- 投資事業
エムスリー株式会社
エムスリー株式会社はソニーの関連会社として医療従事者や医療関連企業向けにインターネットを利用した医療関連サービスの提供している企業です。「m3.com」を始めとした医療従事者向け情報サイトを設立し、医療関係者に情報を提供しています。2017年にはForbesによる「世界で最も革新的な成長企業ランキング」において世界5位に選出されています。
- インターネットを利用した医療関連サービスの提供
freee株式会社
freee株式会社は中小企業・個人向けを中心としたクラウド型会計および人事労務ソフトを開発している企業です。2012年の設立以降、クラウド型会計ソフトの運営を主軸に成長を遂げ、クラウド型会計ソフト「freee」は2018年時点で利用事業所数は100万事業所を超えるまでになりました。
2019年に上場を果したことに加え、今後企業の会計業務や人事労務管理業務はクラウド化が進むことが見込まれるため、ますます注目すべき企業といえるでしょう。
- クラウド会計ソフトの開発
- クラウド人事労務ソフトの開発
スマートニュース株式会社
スマートニュース株式会社はスマートフォン向けニュースアプリ「スマートニュース」の開発・運営をしている企業です。アプリはオフラインでもニュースが読める点が特徴的で、アプリをリリースした2012年以降、ダウンロード数は順調に推移し、日米合わせて5000万ダウンロードを記録、さらに月間のアクティブユーザー数は2000万人と高い人気を誇っています。
最近では資金調達も積極的におこなって事業を拡大しており、株式市場への上場も噂されるなど大注目の企業といえるでしょう。
- スマートフォン向けニュースアプリの開発・運営
株式会社Preferred Networks
株式会社Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)はIoT(モノのインターネット)にフォーカスしたコンピュータソフトウェア・ハードウェア・ネットワークの研究・開発・販売をおこなっている企業です。
自動運転やコネクテッドカーに関する開発に注力していることに加え、同社が開発した深層学習フレームワーク「Chainer」は世界中から注目を集めています。また、企業価値は2000億円以上あるとされ、日本を代表するユニコーン企業となっています。
- IoTにフォーカスしたコンピュータソフトウェア・ハードウェア・ネットワークの研究・開発・販売
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
今後成長が見込まれるベンチャー企業の見分け方はシンプルです。ひとつは「時代のニーズに合っているか」です。そのために、経済の動向やトレンドを把握しておくことはとても大切です。新聞やSNSなどを利用して様々な情報を収集する必要があります。
もうひとつは「流動的な経済の変化に適応できるか」です。ITやテクノロジーの進歩が目覚ましい昨今では、100%伸びる事業は存在しません。どんどん変化していく経済に柔軟に適応できる企業や多彩な事業展開をしている企業は、例え経済が大きく変動しても変わらずに生き残っていけると思います。
そんな企業に就職するのであれば、もちろんあなたも変化に適応できるだけの柔軟性と、どんな変化があっても力を発揮できるだけのポテンシャルを兼ね備えておくことが大切です。今後も成長し活躍し続けられる人材になるためには、企業に頼るのではなく、あなた自身で決めて努力をし続けることが大切です。
海外の有名ベンチャー
海外のベンチャー企業は非上場で企業価値が10億ドル以上の「ユニコーン企業」と呼ばれる企業が多く存在します。米国のCB INSIGHTSによると、2023年時点の段階では、世界中にユニコーン企業は約1200社存在していると言われており、2010年代前半こそユニコーン企業の大半が米国とヨーロッパ諸国に集中していましたが、近年では世界のユニコーン企業の約8割がアメリカと中国の企業となっています。
ByteDance(中国)
ByteDancは動画共有アプリやニュースアプリを開発・運営している中国企業です。バイトダンス? と思う人もいるかもしれませんが、「Tik Tok」や「Toutiao」と聞けばわかる人も多いのではないでしょうか。
近年ではバイトダンスの企業価値は2200億ドル(約29兆円)を超え、世界一のユニコーン企業として君臨しています。動画共有アプリの「Tik Tok」は中国国外で展開しているサービスで、中国国内では抖音(ドィーイン)という名前でサービス展開しています。
また、ニュースアプリの「Toutiao」は全世界でそのユーザー数を伸ばしており、月間アクティブユーザー数は2.7億人を超えるとされ、世界一のニュースアプリです。株式市場への上場の噂も絶えない同社ですが、上場が決まれば間違いなく全世界から注目を浴びる企業といえるでしょう。
Uber(米国)
Uberは自動車の配車サービスを手掛けるアメリカ企業です。アプリ1つでタクシーの配車ができるサービスは、世界中で起きている「タクシーメーターをつけず、高い料金を請求する」などの問題を回避できる適正料金のシステムが評価されて、世界中で利用者が増えています。
日本でUberといえば「Uber Eats」というイメージがある人も多いかもしれませんが、2014年ころに日本に導入されたタクシーの配車サービスは国の規制の影響から利用が限定的となっています。
Uberはバイトダンスに次ぐ企業価値を誇ったユニコーン企業に成長を果しましたが、2019年5月に上場を果したことでユニコーン企業ではなくなりました。Uberのサービスは世界63ヵ国・700以上の都市で利用ができ、月間で1億人近くのアクティブユーザーを抱えている配車プラットフォームとなっています。
滴滴出行(中国)
滴滴出行(ディディチェーシン)は自動車の配車サービスを手掛ける中国企業で、中国版Uberと呼ばれています。サービス内容はUber同様にタクシーの配車サービスを手掛けており、2016年にはUberとの激しい競争の末、Uberの中国事業を買収しました。
日本では2018年にソフトバンクと共同でDiDiモビリティジャパンを立ち上げて、タクシーの配車サービスを提供しています。
2024年現在、滴滴出行の企業価値は670億ドル(約9兆円)とされ、今後はライドシェアなどのサービスに注力していくとされ、自動車業界がCASEやMaaSに力を入れていくことを考えれば、滴滴出行の存在感はますます高まっていくことが予想されるでしょう。
今後の動向を予測するために自動車業界の情報についても確認しておきたい場合は、こちらの記事が参考になりますよ。
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記事を読む
Airbnb(米国)
Airbnb (エアビーアンドビー)は世界最大級の民泊情報サイトを運営しているアメリカ企業です。Airbnbを使うことで、アプリひとつで世界191以上の国と地域の宿泊先を探すことが可能です。日本でもホテル不足などを背景に2018年に民泊に関する規制緩和がされて以降、メジャーなサービスとなりました。
Airbnbは空き部屋を貸したいと思っているニーズと部屋を安くで借りたいと思っているニーズを繋ぐサービスが評判となり、世界中に利用者を拡大させました。
SpaceX(米国)
SpaceXはロケット・宇宙船の開発・打ち上げをおこなうアメリカの企業です。SpaceXは2002年にPayPalやTeslaの創業者であるイーロン・マスクによって設立され、今や民間宇宙ビジネスのトップ企業となっています。
2024年の時点で、SpaceXの企業価値は2000億ドル(約31兆円)を超えていると言われており、世界トップ層のユニコーン企業として成長を遂げています。SpaceXは月面旅行や火星移住を目指す事業を展開しており、そのビジネスは壮大です。月面旅行の最初の乗客はZOZO前社長の前澤友作氏と発表があったことで日本人にも馴染みのある企業でしょう。
イーロン・マスクいわくSpaceXの上場タイミングは「火星へのロケットが定期的に飛ぶようになってから」とされ、株式上場よりも夢・目標(火星移民船を飛ばす)を優先した、まさに“ベンチャー企業”といえるでしょう。
ベンチャー企業を理解して就活を進めよう
ベンチャー企業という言葉を就活中はよく耳にするでしょうが、この意味を正しく理解できている人はそれほど多くありません。ベンチャー企業は就職するメリット・デメリットの両方があるため、特徴をしっかり把握して、本当に目指すべきかどうかをよく考えることが大切です。
また、特徴的な企業が多く、人によって向き不向きが分かれやすくもあります。人によっては、とことん合わないということもあるため、自身の個性がマッチするかも考えなければなりません。ベンチャー企業は新卒から就職するだけではなく、別の企業でキャリアを積んでから転職するという方法もあります。新卒時の就活だけが選択肢ではないため、正しく理解を深め、相性をしっかり判断して就活を進めましょう。
キャリアアドバイザーコメント塩田 健斗プロフィールをみる
「ベンチャーだから」「大手だから」と成長に関して線引きはしない方がいいでしょう。新卒として新しいことを学ぶ、吸収する、自己発信する姿勢は人として大事なことですよね。成長するために大切にしたいこととして何かひとつ挙げるとしたら、思考することでしょうか。会社によりけりですが、研修(受け入れ)体制が構築途中の企業も中にはあります。
大手はこの基盤ができている所が多いので、ベンチャー企業では「自ら思考する機会」が多いかもしれませんね。また、 従業員数が少ない企業もあるので、質問できる相手が居ないというケースもあるかもしれませんが、心配な要素というよりも、自分で課題を解決する環境も楽しんでもらえると良いのではないかと思います。